JP2011135631A - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な工程で各電流検出手段の検出誤差を常時補正できるパワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】 電動パワーステアリング装置1において、ブラシレスモータ50を制御するECU6は、相電流センサ33u,33vによって検出された各相の実供給電流Iureal,Ivreal,Iwrealの所定周波数成分よりも高周波の成分を打ち消すように第1指令電流補正値が補正された補正後目標電流Iq**を演算する指令電流値補正処理Aと、を有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、パワーステアリング装置に関する。
特許文献1には、出荷検査時に2つの相電流センサのうち基準となる一方の電流センサの検出電流値に基づき他方の電流センサの検出電流値を補正することにより、2つの相電流センサのゲイン差を補正している。
特開2005−130570号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、2つの電流センサに同一の電流を流すために所定のモータ端子の開放、電圧印加等を行う必要があり、補正の工程が複雑である、常時補正ができないという問題があった。
本発明の目的は、簡単な工程で各電流検出手段の検出誤差を常時補正できるパワーステアリング装置を提供することにある。
本発明のパワーステアリング装置は、電流検出手段によって検出されたブリッジ回路の各相の電流値の所定周波数成分よりも高周波の成分を打ち消すように、ブラシレスモータへの指令電流値がフィードバック補正された第1指令電流補正値を補正するための第2指令電流補正値を演算する指令電流値補正処理を有する。
本発明によれば、簡単な工程で各電流検出手段の検出誤差を常時補正できる。
実施例1のモータ制御装置を適用した電動パワーステアリング装置1のシステム構成図である。 実施例1のインバータ13のブリッジ回路16である。 実施例1のECU6のモータ制御ブロック図である。 実施例1のECU6で実行されるモータ制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2のECU6のモータ制御ブロック図である。 実施例2のECU6で実行されるモータ制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例3のECU6のモータ制御ブロック図である。 実施例3のECU6で実行されるモータ制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例3の補正ゲイン演算処理の流れを示すフローチャートである。 実施例4のECU6のモータ制御ブロック図である。 実施例4のECU6で実行されるモータ制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例5のECU6のモータ制御ブロック図である。 実施例6のECU6のモータ制御ブロック図である。 実施例6のECU6で実行されるモータ制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例6のオフセット学習値演算処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明のパワーステアリング装置を実施するための形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
〔実施例1〕
実施例1の構成を説明する。
[電動パワーステアリング装置]
図1は、実施例1のモータ制御装置を適用した電動パワーステアリング装置1のシステム構成図である。
電動パワーステアリング装置1は、機械的構成としてドライバが操舵を行うステアリングホイール2と、ステアリングホイール2から操舵力が入力される入力軸3と、操舵トルクに対してアシストトルクを付与するパワーアシストユニット5と、回転方向の移動を軸方向の移動に変換するピニオン7およびラック8(操舵機構)と、ラック8の軸方向の移動により転舵される転舵輪9とを有する。
また電気的構成としてドライバの操舵トルクを検出するトルクセンサ(トルク検出手段)4と、車速を検出する車速センサ10と、電源11の電流を検出する電源電流センサ12と、電源11の電圧を検出する電源電圧センサ14と、後述するブラシレスモータ50の回転角を検出する回転角センサ15と、パワーアシストユニット5を制御する電子コントロールユニット(以下、ECU)6と、ECU6の制御値に基づいてパワーアシストユニット5に供給する電流を制御するインバータ13とを有する。
パワーアシストユニット5は、アシストトルクを発生させるブラシレスモータ50と、ブラシレスモータ50のアシストトルクが伝達されるウォームシャフト51と、ウォームシャフト51を噛み合いブラシレスモータ50からのアシストトルクをピニオン7に伝達するウォームホイール52とを有する。
ECU6は、トルクセンサ4から操舵トルク情報と、車速センサ10から車速情報と、電源電流センサ12から電源11の電源電流Ipwrと、電源電圧センサ14から電源11の電圧Vpwrと、回転角センサ15からブラシレスモータ50の回転角情報とを入力し、ブラシレスモータ50を駆動する目標電圧V*を演算して、この目標電圧V*をインバータ13へ出力する。
インバータ13は三相ブリッジ回路から構成され、ECU6から目標電圧V*を入力し、この目標電圧V*に基づいて、電源11からブラシレスモータ50に供給する電流をパルス幅変調制御する。
図2は、実施例1のインバータ13のブリッジ回路16であり、ブリッジ回路16は、ブラシレスモータ50と電源11との間に設けられ、デューティ制御される3相の上アームスイッチ17(u,v,w)および下アームスイッチ18(u,v,w)を有し、コイル(電気子)19に流れる電流を制御する。
ブラシレスモータ50は、コイル19によって構成されるステータ20とステータ20が発生する磁界によって回転駆動されるロータ21とを有し、インバータ13から供給される電流に応じて操舵機構(ピニオン7およびラック8)にドライバの操舵力を補助するアシストトルクを出力する。
[モータ制御構成]
図3は、実施例1のECU6のモータ制御ブロック図である。ECU6では、インバータ13からブラシレスモータ50に供給する実供給電流Idqrealを目標電流Idq*にフィードバックして、目標電圧Vdq*を演算している。
位相角検出部22は、回転角センサ15から回転角センサ信号を入力し、回転角センサ信号から位相角θを演算して、速度検出部23と3相-2相変換部24と2相-3相変換部25とへ出力する。
速度検出部23は、位相角θを入力し、位相角θから角速度(モータ回転速度)ωを演算して、目標電流演算部(指令電流値演算処理)26へ出力する。
目標電流演算部26は、トルク目標値Tm*と角速度ωを入力し、目標電流(指令電流値)Id*,Iq*を演算して、Id*を加減算器27へ出力し、Iq*を加減算器28へ出力する。なお、トルク目標値Tm*は、ドライバの操舵トルクや車速等に応じて演算する。
加減算器27は、目標電流Id*と実供給電流Idrealとを入力し、目標電流Id*と実供給電流Idrealとの差分を演算して、d軸電圧目標演算部29へ出力する。
加減算器28は、目標電流Iq*と実供給電流Iqrealとを入力し、目標電流Iq*と実供給電流Iqrealとの差分(第1指令電流補正値)を演算して、加減算器32へ出力する。
加減算器32は、目標電流Iq*と実供給電流Iqrealとの差分と、後述する指令電流値補正部31からの指令電流補正量Iqcとを入力し、目標電流Iq*と実供給電流Iqrealとの差分と、指令電流補正量Iqcとの差分から補正後目標電流(第2電流指令補正値)Iq**を演算して、q軸電圧目標演算部30へ出力する。
d軸電圧目標演算部29では、目標電流Id*と実供給電流Idrealとの差分を入力し、2相PI制御を行ってd軸の目標電圧Vd*を演算して、2相-3相変換部25へ出力する。
q軸電圧目標演算部30では、補正後目標電流Iq**を入力し、2相PI制御を行ってq軸の目標電圧Vq*を演算して、2相-3相変換部25へ出力する。
2相-3相変換部25は、位相角θと目標電圧Vd*,Vq*を入力し、3相の目標電圧Vu*,Vv*,Vw*を演算して、インバータ13へ出力する。
インバータ13は、目標電圧Vu*,Vv*,Vw*に基づいて電源11からブラシレスモータ50に供給する電流をパルス幅変調(PWM)制御する。インバータ13は、目標電圧Vu*,Vv*,Vw*に基づいて、各相の上アームスイッチ17(u,v,w)および下アームスイッチ18(u,v,w)をデューティ制御するデューティ制御回路13aを有する。
相電流センサ(電流検出手段)33u,33vは、ブリッジ回路16のU,V相に配置され、U,V相の実供給電流Iureal,Ivrealを検出する。相電流センサ33u,33vは、シャント抵抗の端子間電圧の差分を検出し、当該差分に基づいて実供給電流Iureal,Ivrealを推定するものである。
3相-2相変換部24では、相電流センサ33u,33vが検出したU相、V相の実供給電流Iureal,Ivrealと、位相角検出部22からの位相角θとを入力し、d軸、q軸の実供給電流Iqreal,Idrealを演算する。そして、d軸の実供給電流Idrealを加減算器27へ、q軸の実供給電流Iqrealを加減算器28へ出力する。3相-2相変換部24と加減算器28とから実施例1のフィードバック処理35が構成される。
電源電流センサ12は、インバータ13のブリッジ回路16と電源11との間に設けられ、電源11からブリッジ回路16に供給される電源電流Ipwrを検出する。電源電流センサ12は、シャント抵抗の端子間電圧の差分を検出し、当該差分に基づいて電源電流Ipwrを推定する。電源電流センサ12は、電源電流Ipwrが適正範囲にあるか否かを検出するためのもので、電動パワーステアリングシステムでは、フェールセーフ用として一般的に用いられている。
平滑化コンデンサ34は、電源電圧Vpwrを平滑化するためのもので、一端側が電源11とインバータ13との間であって、電源電流センサ12よりも下流側(インバータ13側)の位置に接続され、他端側が接地されている。
[指令電流値補正処理]
指令電流値補正部31は、電源電流センサ12により検出された電源電流Ipwrに基づいて、相電流センサ33u,33vにより検出された実供給電流Iureal,Ivrealに含まれる所定周波数を超える高周波成分を打ち消すための指令電流補正量Iqcを演算し、加減算器32へ出力する。指令電流値補正部31は、ハイパスフィルタ31aと変換器31bとを有する。
ハイパスフィルタ31aは、電源電流Ipwrから所定のカットオフ周波数を超える高周波成分を抽出する。ここで、ハイパスフィルタ31aのカットオフ周数は、ドライバの操舵速度の周波数限界(例えば、3Hz)よりも高い値(例えば、30Hz)とする。または、操舵系の共振周波数(10Hz前後)としても良い。
変換器31bは、ハイパスフィルタ31aの出力、すなわち電源電流変化量ΔIpwrに所定の変換係数Cfを乗じて指令電流補正量Iqcを演算し、加減算器32へ出力する。ここで、変換係数Cfは、例えば、変調率(指令電圧波高値(Vu,Vv,Vw)/(電源電圧Ipwr)とする。指令電圧波高値とは、指令電圧(Vu,Vv,Vw)のピーク(最大値)である。または、実機計測で好適な値を求めても良い。
実施例1では、指令電流値補正部31と加減算器32とから実施例1の指令電流値補正処理Aが構成される。
[モータ制御処理]
図4は、実施例1のECU6で実行されるモータ制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、本制御処理は、所定の演算周期で繰り返し実行される。
ステップS1では、目標電流演算部26において、目標電流Id*,Iq*を演算し、ステップS2へ移行する。
ステップS2では、指令電流値補正部31のハイパスフィルタ31aにおいて、電源電流変化量ΔIpwrを求め、ステップS3へ移行する。
ステップS3では、指令電流値補正部31の変換器31bにおいて、指令電流補正量Iqcを演算し、ステップS4へ移行する。
ステップS4では、加減算器32において、補正後目標電流Iq**を演算し、ステップS5へ移行する。
ステップS5では、3相-2相変換部24において、相電流センサ33uからU相の実供給電流Iurealを入力し、ステップS6へ移行する。
ステップS6では、3相-2相変換部24において、相電流センサ33vからV相の実供給電流Ivrealを入力し、ステップS7へ移行する。
ステップS7では、3相-2相変換部24において、W相の実供給電流Iwrealを演算し、ステップS8へ移行する。W相の実供給電流Iwrealは、V相の実供給電流IvrealとW相の実供給電流Iwrealとを加算した値に-1を乗じることで演算できる。つまり、3相-2相変換部24は、W相の実供給電流Iwrealを推定する電流検出手段に相当する。
ステップS8では、3相-2相変換部24において、d軸、q軸の実供給電流Iqreal,Idrealを演算する3相-2層変換処理を実行し、ステップS9へ移行する。
ステップS9では、d軸電圧目標演算部29およびq軸電圧目標演算部30において、d軸、q軸の目標電圧Vd*,Vq*を演算する2相PI制御を実行し、ステップS10へ移行する。
ステップS10では、2相-3相変換部25において、3相の目標電圧Vu*,Vv*,Vw*を演算する2相-3相変換処理を実行し、ステップS11へ移行する。
ステップS11では、インバータ13において、3相の目標電圧Vu*,Vv*,Vw*を上アームスイッチ17(u,v,w)および下アームスイッチ18(u,v,w)のデューティ比に変換する電圧指令−デューティ値変換を実行し、リターンへ移行する。
次に、実施例1の作用を説明する。
相電流センサを用いて電動パワーステアリングモータの電流値を検出し、モータをフィードバック制御する場合、2つ以上の電流センサが必要であるため、センサ間のオフセットバラツキや検出ゲインのバラツキ、すなわち、センサ間の個体差によって電気角周期の1次または2次のトルクリプルが発生する。このトルクリプルを低減するために、従来の電動パワーステアリング装置では、出荷時に各電流センサの誤差を軽減させるためのキャリブレーションを実施し、キャリブレーションデータに基づいて電流センサのゲイン差を補償しているが、以下のような問題がある。
1.2つの電流センサに同一の電流を流すために所定のモータ端子の開放、電圧印加等を行う必要があり、補正の工程が複雑である。
2.出荷時のキャリブレーションに要する時間が掛かる。
3.センサの経時変化や環境変化(例えば、温度変化)に伴う特性の変化を考慮していない。
なお、上記3を考慮したキャリブレーションは膨大な時間と費用が必要となるため、コスト面から実現性に乏しい。
これに対し、実施例1では、相電流センサ33u,33vおよび3相-2相変換部24によって検出または推定された各相の実供給電流Iureal,Ivreal,Iwrealの所定周波数成分よりも高周波の成分を打ち消すように、ブラシレスモータ50への目標電流Iq*がフィードバック補正された第1指令電流補正値(目標電流Iq*と実供給電流Iqrealとの差分)を補正するための補正後目標電流Iq**を演算する指令電流値補正処理Aを設けた。指令電流値補正処理Aでは、フェールセーフ用に用いられる電源電流Ipwrをハイパスフィルタ31aでフィルタ処理した後、変換器31bにより所定の変換係数Cfを乗じて指令電流補正量Iqcを演算する。加減算器32では、演算した指令電流補正量Iqcを目標電流Iq*から差し引くことで補正後目標電流Iq**を求める。
つまり、操舵トルクの変化周期よりも高周波な成分である相電流センサ33u,33vのゲインずれまたはオフセットずれに基づくトルクリップルを打ち消すように第1指令電流補正値を補正することにより、簡単な工程で、相電流センサ33u,33vの検出誤差やシステムの共振に起因する電流リプルを抑制できる。この結果、電動パワーステアリング装置1の操舵フィーリングを向上できる。
また、実施例1では、相電流センサ33u,33vの検出誤差をリアルタイムに補正できるため、相電流センサ33u,33v間の初期個体差に起因するトルクリプルのみならず、センサの経時変化や環境変化等による特性変化に起因するトルクリプルも抑制できる。また、出荷時における相電流センサ33u,33vのキャリブレーション作業が不要であるため、コストを抑制できる。
次に、実施例1の効果を説明する。
(1) ステアリングホイール操作に基づき転舵輪9を転舵させるピニオン7およびラック8と、ピニオン7およびラック8の操舵トルクを検出するトルクセンサ4と、コイル19によって構成されるステータ20とステータ20が発生する磁界によって回転駆動されるロータ21を有し、ピニオン7およびラック8に操舵トルクを付与するブラシレスモータ50と、ブラシレスモータ50と電源11との間に設けられ、デューティ制御される上アームスイッチ17および下アームスイッチ18から成る1組の相を3相(u,v,w)有し、コイル19に流れる電流を制御するブリッジ回路16と、ブリッジ回路16の各相にそれぞれ流れる実供給電流Iureal,Ivreal,Iwrealを検出(推定)するための電子部品である相電流センサ33u,33vおよび3相-2相変換部24と、操舵トルクに基づき、ブラシレスモータ50に流す電流値の指令値である目標電流Id*,Iq*を演算する目標電流演算部26と、目標電流Id*,Iq*に基づきブリッジ回路16の上アームスイッチ17および下アームスイッチ18をデューティ制御するデューティ制御回路13aと、相電流センサ33u,33vによって検出された電流値に基づき目標電流演算部26によって演算された目標電流Iq*がフィードバック補正された第1指令電流補正値(目標電流Iq*と実供給電流Iqrealとの差分)を演算するフィードバック処理35と、相電流センサ33u,33vによって検出された各相の実供給電流Iureal,Ivreal,Iwrealの所定周波数成分よりも高周波の成分を打ち消すように第1指令電流補正値が補正された補正後目標電流Iq**を演算する指令電流値補正処理Aと、を有する。これにより、簡単な工程で、相電流センサ33u,33vの検出誤差やシステムの共振に起因する電流リプルをリアルタイムに抑制でき、操舵フィーリングを向上できる。
〔実施例2〕
実施例2の構成を説明する。
図5は、実施例2のECU6のモータ制御ブロック図である。なお、実施例1と異なる部分のみ説明する。
[トルク目標値補正処理]
実施例2では、実施例1の指令電流値補正処理Aに代えて、トルク目標値補正処理Bを設けた。トルク目標値補正処理Bは、実発生トルク推定部(実発生トルク推定手段)36と加減算器37と補正量算出部38と加減算器39とを有する。
実発生トルク推定部36は、電源電流Ipwrに基づいてブラシレスモータ50の実発生トルクTmを推定する。実発生トルクTmは、電源電圧Vpwr、電源電流Ipwrの平均値、効率ηおよび角速度ωから、下記の式(1)を用いて算出する。電源電流Ipwrの平均値は、例えば、電源電流センサ12により検出された電源電流Ipwrをローパスフィルタでフィルタ処理した値としても良い。
Tm = Vpwr×Ipwrの平均値×η/ω …(1)
加減算器37は、トルク目標値Tm*と実発生トルクTmとを入力し、トルク目標値Tm*と実発生トルクTmとの差分を誤差トルクΔTmとして出力する。
補正量算出部38は、誤差トルクΔTmを入力し、PI制御を行って誤差トルクΔTmを打ち消すようなトルク目標値補正量Tcを演算する。
加減算器39は、トルク目標値Tm*とトルク目標値補正量Tcとを入力し、トルク目標値Tm*とトルク目標値補正量Tcとの差分を補正後トルク目標値(トルク目標補正値)Tm**として目標電流演算部26へ出力する。
[モータ制御処理]
図6は、実施例2のECU6で実行されるモータ制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、実施例1と同一の処理を行うステップには、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
ステップS21では、実発生トルク推定部36において、実発生トルクTmを演算し、ステップS22へ移行する。
ステップS22では、補正量算出部38において、トルク目標値補正量Tcを演算し、ステップS23へ移行する。
ステップS23では、加減算器39において、補正後トルク目標値Tm**を演算し、ステップS4へ移行する。
次に、実施例2の作用を説明する。
実施例2では、トルク目標値Tm*と実発生トルクTmとの差である誤差トルクΔTmに基づきトルク目標値Tm*が補正されたトルク目標補正値Tm**を演算するトルク目標値補正処理Bを設けた。トルク目標値補正処理Bでは、角速度ωと電源電流Ipwrの平均値と電源電圧Vpwrと効率ηとから実発生トルクTmを推定してこれをトルク目標値Tm*と比較し、誤差分(誤差トルクΔTm)を打ち消すようなトルク目標値補正量Tcをトルク目標値Tm*から減算して補正後トルク目標値Tm**を求める。つまり、ブラシレスモータ50に流れる電流値は、トルク目標値Tm*に対応しているはずである。よって、相電流センサ33u,33vの検出誤差により3相-2相変換部24の出力である実供給電流Idreal,Iqrealにノイズ成分が含まれる場合、実発生トルクTmとトルク目標値Tm*とを比較したときの両者の違いがノイズ成分や相電流センサ検出誤差と考えられる。これらノイズ成分や相電流センサ検出誤差を補正により適正な補正後トルク目標値Tm**とすることで、相電流センサ33u,33vの検出誤差やノイズ成分に起因する電流リプル等により生じるトルクリプルを抑制でき、操舵フィーリングを向上できる。
他の作用は実施例1と同様であるため、説明を省略する。
次に、実施例2の効果を説明する。
(2) ステアリングホイール操作に基づき転舵輪9を転舵させるピニオン7およびラック8と、ピニオン7およびラック8の操舵トルクを検出するトルクセンサ4と、コイル19によって構成されるステータ20とステータ20が発生する磁界によって回転駆動されるロータ21を有し、ピニオン7およびラック8に操舵トルクを付与するブラシレスモータ50と、ブラシレスモータ50と電源11との間に設けられ、デューティ制御される上アームスイッチ17および下アームスイッチ18から成る1組の相を3相(u,v,w)有し、コイル19に流れる電流を制御するブリッジ回路16と、ブリッジ回路16の各相にそれぞれ流れる実供給電流Iureal,Ivreal,Iwrealを検出(推定)するための電子部品である相電流センサ33u,33vおよび3相-2相変換部24と、操舵トルクに基づき、ブラシレスモータ50に流す電流値の指令値である目標電流Id*,Iq*を演算する目標電流演算部26と、目標電流Id*,Iq*に基づきブリッジ回路16の上アームスイッチ17および下アームスイッチ18をデューティ制御するデューティ制御回路13aと、相電流センサ33u,33vによって検出された電流値に基づき目標電流演算部26によって演算された目標電流Iq*がフィードバック補正された第1指令電流補正値(目標電流Iq*と実供給電流Iqrealとの差分)を演算するフィードバック処理35と、ブラシレスモータ50の実発生トルクTmを推定する実発生トルク推定部36と、トルク目標値Tm*と実発生トルクTmとの差である誤差トルクΔTmに基づきトルク目標値Tm*が補正されたトルク目標補正値Tm**を演算するトルク目標値補正処理Bと、を有する。これにより、簡単な工程で、相電流センサ33u,33vの検出誤差やシステムの共振に起因する電流リプルをリアルタイムに抑制でき、操舵フィーリングを向上できる。
〔実施例3〕
実施例3の構成を説明する。
図7は、実施例3のECU6のモータ制御ブロック図である。なお、実施例1と異なる部分のみ説明する。
[電源電流値補正処理]
実施例3では、実施例1の指令電流値補正処理Aに代えて、電源電流値補正処理(第1電流値補正処理)Cを設けた。電源電流値補正処理Cは、実相電流ピーク推定部(第1電流値推定手段)40と、相電流ピークホールド部41と、ゲイン設定器42,43と、乗算器44,45とを有する。
実相電流ピーク推定部40は、電源電流センサ(第2電流検出手段)12からの電源電流(第2電流値)Ipwrに基づいて推定相電流ピーク(推定第1電流値)Ipwr_pkを演算する。推定相電流ピークIpwr_pkは、電源電圧Vpwr、電源電流Ipwrの平均値、効率η、角速度ωおよびトルク定数Ktから、下記の式(2)を用いて算出する。
Ipwr_pk = Vpwr×Ipwrの平均値×η×Kt/ω …(2)
相電流ピークホールド部41は、相電流センサ(第1電流検出手段)33u,33vからのU,V相の実供給電流(第1電流値)Iureal,Ivrealと位相角θとを入力し、実相電流ピークIureal_pk,Ivreal_pkを演算する。U相のピーク位相角は90°と270°であり、実相電流ピークIureal_pkは、位相角θが90°と270°のときの実供給電流Iurealの絶対値とする。また、V相のピーク位相角は210°と30°であり、実相電流ピークIvreal_pkは、位相角θが210°と30°のときの実供給電流Ivrealの絶対値とする。
ゲイン設定器42は、推定相電流ピークIpwr_pkとU相の実供給電流ピークIureal_pkとを入力し、推定相電流ピークIpwr_pkを実供給電流ピークIureal_pkで除した値をU相補正ゲインGuとして出力する。
ゲイン設定器43は、推定相電流ピークIpwr_pkとV相の実供給電流ピークIvreal_pkとを入力し、推定相電流ピークIpwr_pkを実供給電流ピークIvreal_pkで除した値をV相補正ゲインGvとして出力する。
乗算器44は、U相の実供給電流IurealとU相補正ゲインGuとを入力し、両者を乗算した値をU相の補正後実供給電流(第1電流補正値)Iureal*として3相-2相変換部24へ出力する。
乗算器45は、V相の実供給電流IvrealとV相補正ゲインGvとを入力し、両者を乗算した値をV相の補正後実供給電流(第1電流補正値)Ivreal*として3相-2相変換部24へ出力する。
3相-2相変換部24では、U,V相の補正後実供給電流Iureal,Ivrealと、位相角検出部22からの位相角θとを入力し、d軸、q軸の実供給電流Iqreal,Idrealを演算する。
[モータ制御処理]
図8は、実施例3のECU6で実行されるモータ制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、実施例1と同一の処理を行うステップには、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
ステップS31では、乗算器44において、U相の実供給電流IurealにU相補正ゲインGuを乗じてU相の補正後実供給電流Iureal*を演算し、ステップS32へ移行する。
ステップS32では、乗算器45において、V相の実供給電流IvrealにV相補正ゲインGvを乗じてV相の補正後実供給電流Ivreal*を演算し、ステップS7へ移行する。
[補正ゲイン演算処理]
図9は、実施例3の補正ゲイン演算処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS33では、実相電流ピーク推定部40において、推定相電流ピークIpwr_pkを演算し、ステップS34へ移行する。
ステップS34では、相電流ピークホールド部41において、位相角θがU相のピーク位相角であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS35へ移行し、NOの場合にはステップS37へ移行する。
ステップS35では、相電流ピークホールド部41において、U相の実相電流ピークIureal_pkを演算し、ステップS36へ移行する。
ステップS36では、ゲイン設定器42において、U相補正ゲインGuを演算し、ステップS37へ移行する。
ステップS37では、相電流ピークホールド部41において、位相角θがV相のピーク位相角であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS38へ移行し、NOの場合にはリターンへ移行する。
ステップS38では、相電流ピークホールド部41において、V相の実相電流ピークIureal_pkを演算し、ステップS39へ移行する。
ステップS39では、ゲイン設定器43において、V相補正ゲインGvを演算し、リターンへ移行する。
次に、実施例3の作用を説明する。
実施例3では、U,V相の実相電流ピークIureal_pk,Ivreal_pkと推定相電流ピークIpwr_pkとに基づきU,V相の実供給電流Iureal,Ivrealが補正された補正後実供給電流Iureal*,Ivreal*を演算する電源電流値補正処理Cを設けた。電源電流値補正処理Cは、角速度ωと電源電流Ipwrの平均値と電源電圧Vpwrと効率ηとトルク定数Ktから推定相電流ピークIpwr_pkを推定してU,V相の実相電流ピークIureal_pk,Ivreal_pkとそれぞれ比較し、誤差分を打ち消すようなU,V相補正ゲインGu,Gvを求め、U,V相補正ゲインGu,GvをU,V相の実供給電流Iureal,Ivrealに乗算してU,V相の補正後実供給電流Iureal*,Ivreal*を求める。
つまり、相電流センサ33u,33vにより検出されたU,V相の実供給電流Iureal,Ivrealと、電源電流センサ12により検出された電源電流Ipwrとの間には相関関係が存在する。すなわち、ブリッジ回路16の複数の相の間で通電・非通電が切り替わりながらデューティ比に応じた電流値が相電流センサ33u,33vによって検出され、その合計が電源電流センサ12によって検出される電流値となる。この関係から、電源電流Ipwrに基づき相電流センサ33u,33vが検出すべき推定相電流ピークIpwr_pkが演算できる。この推定相電流ピークIpwr_pkと実際に検出された実相電流ピークIureal_pk,Ivreal_pkとの間に差が存在する場合には、その差が補正すべき相電流センサ33u,33vの検出誤差である。よって、この検出誤差分を補正することで、相電流センサ33u,33vの検出精度が高められ、操舵フィーリングを向上できる。
他の作用は実施例1と同様であるため、説明を省略する。
次に、実施例3の効果を説明する。
(3) ステアリングホイール操作に基づき転舵輪9を転舵させるピニオン7およびラック8と、ピニオン7およびラック8の操舵トルクを検出するトルクセンサ4と、コイル19によって構成されるステータ20とステータ20が発生する磁界によって回転駆動されるロータ21を有し、ピニオン7およびラック8に操舵トルクを付与するブラシレスモータ50と、ブラシレスモータ50と電源11との間に設けられ、デューティ制御される上アームスイッチ17および下アームスイッチ18から成る1組の相を3相(u,v,w)有し、コイル19に流れる電流を制御するブリッジ回路16と、ブリッジ回路16の各相にそれぞれ流れる実供給電流Iureal,Ivreal,Iwrealを検出(推定)するための電子部品である相電流センサ33u,33vおよび3相-2相変換部24と、ブリッジ回路16と電源11との間に設けられ、電源11からブリッジ回路16に流入する電源電流Ipwrを検出または推定する電源電流センサ12と、操舵トルクに基づき、ブラシレスモータ50に流す電流値の指令値である目標電流Id*,Iq*を演算する目標電流演算部26と、目標電流Id*,Iq*に基づきブリッジ回路16の上アームスイッチ17および下アームスイッチ18をデューティ制御するデューティ制御回路13aと、相電流センサ33u,33vによって検出された電流値に基づき目標電流演算部26によって演算された目標電流Iq*がフィードバック補正された第1指令電流補正値(目標電流Iq*と実供給電流Iqrealとの差分)を演算するフィードバック処理35と、電源電流Ipwrに基づき推定相電流ピークIpwr_pkを演算する実相電流ピーク推定部40と、U,V相の実相電流ピークIureal_pk,Ivreal_pkと推定相電流ピークIpwr_pkとに基づきU,V相の実供給電流Iureal,Ivrealが補正された補正後実供給電流Iureal*,Ivreal*を演算する電源電流値補正処理Cと、を有する。これにより、簡単な工程で、相電流センサ33u,33vの検出誤差に起因する電流リプルをリアルタイムに抑制でき、操舵フィーリングを向上できる。
〔実施例4〕
実施例4の構成を説明する。
図10は、実施例4のECU6のモータ制御ブロック図である。なお、実施例3と異なる部分のみ説明する。
[電源電流値補正処理]
実施例4では、実施例3の電源電流値補正処理Cに代えて、電源電圧補正処理(第1電流値補正処理)Dを設けた。電源電流値補正処理Dは、実相電流ピーク推定部(第1電流値推定手段)40と、加減算器46と、3相変換部47と、加減算器48,49と、PI制御器53,54と、加減算器55,56と、位相進み量計算部57とを有する。
加減算器46は、位相角θから後述する位相進み量計算部57により計算された位相進み量Δθを入力し、位相角θから位相進み量Δθを加算した補正位相角θcを出力する。
3相変換部47は、推定相電流ピークIpwr_pkと補正位相角θcとを入力し、U,V相の推定相電流Ipwr_u,Ipwr_vをそれぞれ演算する。
加減算器48は、U相の実供給電流Iurealと推定相電流Ipwr_uとを入力し、両者の差分を出力する。
加減算器49は、V相の実供給電流Ivrealと推定相電流Ipwr_vとを入力し、両者の差分を出力する。
PI制御器53は、U相の実供給電流Iurealと推定相電流Ipwr_uとの差分を入力し、PI制御を行って、当該差分、すなわち実供給電流Iurealの誤差をなくすようなU相補正量Iucを演算する。
PI制御器54は、V相の実供給電流Ivrealと推定相電流Ipwr_vとの差分を入力し、PI制御を行って当該差分、すなわち実供給電流Ivrealの誤差を無くすようなV相補正量Ivcを演算する。
加減算器55は、U相の実供給電流Iurealと補正量Iucとを入力し、両者の差分を補正後実供給電流(第1電流補正値)Iureal*として3相-2相変換部24へ出力する。
加減算器56は、V相の実供給電流Ivrealと補正量Ivcとを入力し、両者の差分を補正後実供給電流(第1電流補正値)Ivreal*として3相-2相変換部24へ出力する。
位相進み量計算部57は、目標電流Id*,Iq*を入力し、下記の式(3)を用いて位相進み量Δθを演算する。
Δθ = tan-1(Id*/ Iq*) …(3)
[モータ制御処理]
図11は、実施例4のECU6で実行されるモータ制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、実施例1または実施例3と同一の処理を行うステップには、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
ステップS41では、3相変換部47において、U,V相の推定相電流Ipwr_u,Ipwr_vをそれぞれ演算する2相-3相変換処理を実行し、ステップS42へ移行する。
ステップS42では、PI制御器53において、U相補正量Iucを演算し、ステップS43へ移行する。
ステップS43では、PI制御器54において、V相補正量Ivcを演算し、ステップS44へ移行する。
ステップS44では、加減算器55において、U相の補正後実供給電流Iureal*を演算し、ステップS45へ移行する。
ステップS45では、加減算器56において、V相の補正後実供給電流Ivreal*を演算し、ステップS7へ移行する。
次に、実施例4の作用効果を説明する。
実施例4の電源電流値補正処理Dは、角速度ωと電源電流Ipwrの平均値と電源電圧Vpwrと効率ηとトルク定数Ktから推定相電流ピークIpwr_pkを推定した後、位相角θを用いてU,V相の推定相電流Ipwr_u,Ipwr_vを演算する。そして、推定相電流Ipwr_u,Ipwr_vと実相電流Iureal,Ivrealとそれぞれ比較し、誤差分を打ち消すようなU,V相補正量Iuc,Ivcを求め、これらをU,V相の実供給電流Iureal,Ivrealから減算してU,V相の補正後実供給電流Iureal*,Ivreal*を求める。
よって、実施例3と同様の作用効果が得られる。
〔実施例5〕
実施例5の構成を説明する。
図12は、実施例5のECU6のモータ制御ブロック図である。なお、実施例5と異なる部分のみ説明する。
実施例5では、電源電流センサ12を、電源11とインバータ13との間であって、平滑化コンデンサ34よりも下流側(インバータ13側)の位置に配置している。
[電源電流補正処理]
実施例5では、実施例3の電源電流値補正処理Cに代えて、電源電流値補正処理(第1電流値補正処理)Eを設けた。電源電流値補正処理Eは、電源電流ピークホールド回路部58と、相電流ピークホールド部41と、ゲイン設定器42,43と、乗算器44,45とを有する。
電源電流ピークホールド回路部58は、電源電流Ipwrを入力し、電源電流ピークIpwr_pkを出力する。電源電流ピークIpwr_pkは、1キャリア周期毎にリセットされる。
ゲイン設定器42は、電源電流ピークIpwr_pkとU相の実供給電流ピークIureal_pkとを入力し、実供給電流ピークIureal_pkを電源電流ピークIpwr_pkで除した値をU相補正ゲインGuとして出力する。
ゲイン設定器43は、電源電流ピークIpwr_pkとV相の実供給電流ピークIvreal_pkとを入力し、実供給電流ピークIvreal_pkを電源電流ピークIpwr_pkで除した値をV相補正ゲインGvとして出力する。
[補正ゲイン演算処理]
実施例5の補正ゲイン演算処理の流れは、図9に示した実施例3の補正ゲイン演算処理の流れにおいて、ステップS33,S36,S39の処理が異なるため、図示は省略する。
ステップS33では、電源電流ピークホールド回路部58において、電源電流ピークIpwr_pkを演算し、ステップS34へ移行する。
ステップS36では、ゲイン設定器42において、U相の実供給電流ピークIureal_pkを電源電流ピークIpwr_pkで除してU相補正ゲインGu演算し、ステップS37へ移行する。
ステップS39では、ゲイン設定器43において、V相の実供給電流ピークIvreal_pkを電源電流ピークIpwr_pkで除してV相補正ゲインGv演算し、リターンへ移行する。
次に、実施例5の作用効果を説明する。
実施例5の電源電流値補正処理Eは、電源電流Ipwrから電源電流ピークIpwr_pkを算出してU,V相の実相電流ピークIureal_pk,Ivreal_pkとそれぞれ比較し、誤差分を打ち消すようなU,V相補正ゲインGu,Gvを求め、U,V相補正ゲインGu,GvをU,V相の実供給電流Iureal,Ivrealに乗算してU,V相の補正後実供給電流Iureal*,Ivreal*を求める。
よって、実施例3と同様の作用効果が得られる。
〔実施例6〕
実施例6の構成を説明する。
図13は、実施例6のECU6のモータ制御ブロック図である。なお、実施例3と異なる部分のみ説明する。
[電源電流値補正処理]
実施例6では、実施例3の電源電流値補正処理Cに代えて、電源電流値補正処理(第1電流値補正処理)Fを設けた。電源電流値補正処理Fは、オフセット電流推定部59と、3相変換部60と、加減算器61,62とを有する。
オフセット電流推定部59は、ローパスフィルタ59aと変換器31bとを有し、電源電流Ipwrを入力し、オフセット推定用電流Ipwr_ofsを演算する。
3相変換部60は、オフセット推定用電流Ipwr_ofsとトルク目標値Tm*と角速度ωとを入力し、オフセット推定用電流Ipwr_ofsを3相変換すると共に、U,V相のオフセット学習値Iuofs,Ivofsをそれぞれ演算する。ここで、3相変換部60では、トルク目標値Tm*がゼロ、かつモータ回転が低回転であるときのみオフセット学習値Iuofs,Ivofsを演算し、それ以外の場合は直近過去に演算されたオフセット学習値Iuofs,Ivofsを保持する。
加減算器61は、U相の実供給電流IurealとU相のオフセット学習値Iuofsとを入力し、差分をU相の補正後実供給電流(第1電流補正値)Iureal*として3相-2相変換部24へ出力する。
加減算器62は、V相の実供給電流IvrealとV相のオフセット学習値Ivofsとを入力し、差分をV相の補正後実供給電流(第1電流補正値)Ivreal*として3相-2相変換部24へ出力する。
[モータ制御処理]
図14は、実施例6のECU6で実行されるモータ制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、実施例1と同一の処理を行うステップには、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
ステップS51では、加減算器61において、U相の補正後実供給電流Iureal*を演算し、ステップS52へ移行する。
ステップS52では、加減算器62において、V相の補正後実供給電流Ivreal*を演算し、ステップS7へ移行する。
[オフセット学習値演算処理]
図15は、実施例6のオフセット学習値演算処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS53では、トルク目標値Tm*がゼロ、かつモータ回転が低回転であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS54へ移行し、NOの場合にはリターンへ移行する。モータ回転が低いか否かは、角速度ωが所定値以下であるか否かにより判定する。
ステップS54では、オフセット電流推定部59において、オフセット推定用電流Ipwr_ofsを演算し、ステップS55へ移行する。
ステップS55では、3相変換部60において、オフセット推定用電流Ipwr_ofsを3相変換する3相変換処理を実行し、ステップS56へ移行する。
ステップS56では、3相変換部60において、U相のオフセット学習値Iuofsを演算し、ステップS57へ移行する。
ステップS57では、3相変換部60において、V相のオフセット学習値Ivofsを演算し、リターンへ移行する。
次に、実施例6の作用効果を説明する。
実施例6の電源電流値補正処理Fは、電源電流Ipwrからトルク目標値Tm*がゼロ、かつモータ回転が低回転のときの電源電流をオフセット推定用電流Ipwr_ofsとして計測し、電流が流れているときは、その電流量を3相変換してU,V相のオフセット学習値Iuofs,Ivofsを求め、U,V相の実供給電流Iureal,Ivrealから減算してU,V相の補正後実供給電流Iureal*,Ivreal*を求める。これにより、簡単な工程で実供給電流Iureal,Ivrealに含まれるオフセット誤差をリアルタイムに補正できるため、オフセット誤差に起因する電流リプル等により生じるトルクリプルを抑制でき、操舵フィーリングを向上できる。
他の作用は実施例1と同様であるため、説明を省略する。
〔他の実施例〕
以上、本発明を実施するための形態を実施例に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例に示した構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例では、U相とV相に相電流センサを設けた例を示したが、全ての相に相電流センサを設けても良い。この場合、実施例3〜6では、W相についてもU相、V相と同様に補正後実供給電流を求めることで対応できる。
1 電動パワーステアリング装置
4 トルクセンサ(トルク検出手段)
7 ピニオン(操舵機構)
8 ラック(操舵機構)
9 転舵輪
11 電源
12 電源電流センサ(第2電流検出手段)
13a デューティ制御回路
16 ブリッジ回路
17 上アームスイッチ
18 下アームスイッチ
19 コイル(電気子)
20 ステータ
21 ロータ
24 3相-2相変換部(電流検出手段,第1電流検出手段)
26 目標電流演算部(指令電流値演算処理)
33u,33v 相電流センサ(電流検出手段,第1電流検出手段)
35 フィードバック処理
36 実発生トルク推定部(実発生トルク推定手段)
40 実相電流ピーク推定部(第1電流値推定手段)
50 ブラシレスモータ
A 指令電流値補正処理
B トルク目標値補正処理
C,D,E,F 電源電流値補正処理(第1電流値補正処理)

Claims (3)

  1. ステアリングホイール操作に基づき転舵輪を転舵させる操舵機構と、
    前記操舵機構の操舵トルクを検出するトルク検出手段と、
    電気子によって構成されるステータと前記ステータが発生する磁界によって回転駆動されるロータを有し、前記操舵機構に操舵トルクを付与するブラシレスモータと、
    前記ブラシレスモータと電源との間に設けられ、デューティ制御される上アームスイッチおよび下アームスイッチから成る1組の相を3相以上有し、前記電気子に流れる電流を制御するブリッジ回路と、
    前記ブリッジ回路の2相以上の相にそれぞれ流れる電流値を検出または推定するための電子部品である電流検出手段と、
    前記操舵トルクに基づき、前記ブラシレスモータに流す電流値の指令値である指令電流値を演算する指令電流値演算処理と、
    前記指令電流値に基づき前記ブリッジ回路の前記上アームスイッチおよび下アームスイッチをデューティ制御するデューティ制御回路と、
    前記電流検出手段によって検出された電流値に基づき前記指令電流値演算処理によって演算された指令電流値がフィードバック補正された第1指令電流補正値を演算するフィードバック処理と、
    前記電流検出手段によって検出された前記各相の電流値の所定周波数成分よりも高周波の成分を打ち消すように前記第1指令電流補正値が補正された第2指令電流補正値を演算する指令電流値補正処理と、
    を有することを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. ステアリングホイール操作に基づき転舵輪を転舵させる操舵機構と、
    前記操舵機構の操舵トルクを検出するトルク検出手段と、
    電気子によって構成されるステータと前記ステータが発生する磁界によって回転駆動されるロータを有し、前記操舵機構に操舵トルクを付与するブラシレスモータと、
    前記ブラシレスモータと電源との間に設けられ、デューティ制御される上アームスイッチおよび下アームスイッチから成る1組の相を3相以上有し、前記電気子に流れる電流を制御するブリッジ回路と、
    前記ブリッジ回路の2相以上の相にそれぞれ流れる電流値を検出または推定するための電子部品である電流検出手段と、
    前記操舵トルクに応じたトルク目標値に基づき、前記ブラシレスモータに流す電流値の指令値である指令電流値を演算する指令電流値演算処理と、
    前記指令電流値に基づき前記ブリッジ回路の前記上アームスイッチおよび下アームスイッチをデューティ制御するデューティ制御回路と、
    前記電流検出手段によって検出された電流値に基づき前記指令電流値演算処理によって演算された指令電流値がフィードバック補正された第1指令電流補正値を演算するフィードバック処理と、
    前記ブラシレスモータの実発生トルクを推定する実発生トルク推定手段と、
    前記トルク目標値と前記実発生トルクとの差に基づき前記トルク目標値が補正されたトルク目標補正値を演算するトルク目標値補正処理と、
    を有することを特徴とするパワーステアリング装置。
  3. ステアリングホイール操作に基づき転舵輪を転舵させる操舵機構と、
    前記操舵機構の操舵トルクを検出するトルク検出手段と、
    電気子によって構成されるステータと前記ステータが発生する磁界によって回転駆動されるロータを有し、前記操舵機構に操舵トルクを付与するブラシレスモータと、
    前記ブラシレスモータと電源との間に設けられ、デューティ制御される上アームスイッチおよび下アームスイッチから成る1組の相を3相以上有し、前記電気子に流れる電流を制御するブリッジ回路と、
    前記ブリッジ回路の2相以上の相にそれぞれ流れる第1電流値を検出または推定するための電子部品である第1電流検出手段と、
    前記ブリッジ回路と前記電源との間に設けられ、前記電源から前記ブリッジ回路に流入する第2電流値を検出または推定する第2電流検出手段と、
    前記操舵トルクに基づき、前記ブラシレスモータに流す電流値の指令値である指令電流値を演算する指令電流値演算処理と、
    前記指令電流値に基づき前記ブリッジ回路の前記上アームスイッチおよび下アームスイッチをデューティ制御するデューティ制御回路と、
    前記電流検出手段によって検出された電流値に基づき前記指令電流値演算処理によって演算された指令電流値がフィードバック補正された第1指令電流補正値を演算するフィードバック処理と、
    前記第2電流値に基づき推定第1電流値を演算する第1電流値推定手段と、
    前記第1電流値と前記推定第1電流値とに基づき前記第1電流値が補正された第1電流補正値を演算する第1電流値補正処理と、
    を有することを特徴とするパワーステアリング装置。
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