JP2011133617A - カラーフィルタ基板修正装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】カラーフィルタ基板にダメージを与えることなく、更に、アーム同士の干渉によるアームの破損を防いで異物欠陥を除去することを可能とするカラーフィルタ基板修正装置を提供する。
【解決手段】異物検査装置によって検出された異物の所在情報に基づいてカラーフィルタ基板に付着した異物を除去するカラーフィルタ基板修正装置であって、カラーフィルタ基板を載置するステージと、異物を撮像する撮像カメラと複数のマイクロマニピュレータとマイクロマニピュレータに備えられその先端で異物を除去する複数のアームとを備えた異物除去ヘッドと、前記異物除去ヘッドを移動する移動手段と、複数のアームを移動する移動手段と、複数のアームとカラーフィルタ基板の接触を防ぐ干渉防止手段その1と、複数のアーム同士の接触を防ぐ干渉防止手段その2と、を有することを特徴とするカラーフィルタ基板修正装置。
【選択図】図17

Description

本発明は、カラー液晶表示装置に用いるカラーフィルタ表面に付着した異物を除去修正するカラーフィルタ基板修正装置に関するものである。
図1はカラー液晶表示装置に用いられるカラーフィルタの一例を断面で示した図である。カラーフィルタ1は、ガラス基板2上にブラックマトリックス(以下、BM)3、レッドRの着色画素(以下、R画素)4−1、グリーンGの着色画素(以下、G画素)4−2、ブルーBの着色画素(以下、B画素)4−3、透明電極5、及びフォトスペーサー(Photo Spacer)(以下、PS)6、バーテイカルアライメント(Vertical Alignment)(以下、VA)7が順次形成されたものである。
上記構造のカラーフィルタの製造方法は、フォトリソグラフィー法、印刷法、インクジェット法が知られているが、図2は一般的に用いられているフォトリソグラフィー法の工程を示すフロー図である。カラーフィルタは、先ず、ガラス基板上にBMを形成処理する工程(C1)、ガラス基板を洗浄処理する工程(C2)、着色フォトレジストを塗布および予備乾燥処理する工程(C3)、着色フォトレジストを乾燥、硬化処理するプリベーク工程(C4)、露光処理する工程(C5)、現像処理する工程(C6)、着色フォトレジストを硬化処理する工程(C7)、透明電極を成膜処理する工程(C8)、PS、VAを形成処理する工程(C9)がこの順に行われ製造される。
例えば、R画素、G画素、B画素の順に画素が形成される場合には、カラーフィルタ用ガラス基板を洗浄処理する工程(C2)から、着色フォトレジストを硬化処理する工程間(C7)ではレッドR、グリーンG、ブルーBの順に着色レジストを変更して3回繰り返されてR画素、G画素、B画素が形成される。
上記のようなカラーフィルタを製造する際に、処理装置から発する金属異物やフォトレジストからなる樹脂異物の付着による欠陥が発生することがある。カラーフィルタ製造において、ガラス基板に付着した異物の欠陥を修正する方法は次の2つが従来から用いられている。
第一の方法は、製造工程内の処理装置等から発生する金属異物及び樹脂異物をテープ研磨による方法で欠陥位置にテープを当て、研磨し、異物を除去する修正方法である。第二の方法は、レーザ修正方法でパルスレーザ(YAGレーザ)を欠陥箇所に当て異物を吹き飛ばす修正方法(この場合は、正常なパターンも吹き飛ばされる)である。レーザ修正で吹き飛ばされた箇所は、ディスペンサを用いて、インクを塗布してパターンが修正される。
第一のテープ研磨による修正方法を用いた修正機はテープ研磨修正機と呼ばれ、金属異物及び樹脂異物の微小突起を修正するために使用されている。
図3はテープ研磨修正機の一例を示す概略図である。表面に一定の粗さを持った研磨テープ20を巻き出しロール23から巻き出し、2本のガイドロール25及び26に沿って走行させ、巻き取りロール24で巻き取る。この時、微小突起21に研磨ヘッド22によって研磨テープ20を微小突起21へ押し付け、研磨テープ20を走行させながら微小突起を削るものである。
テープ研磨修正機を動作させる場合には、研磨対象となる微小突起の硬さ、高さ等の程度によって、研磨ヘッドの下降速度、研磨ヘッドの押し込み量、研磨テープの走行速度、研磨時間、研磨デイレイ時間(研磨テープを走行させながら研磨ヘッドを微小突起に押し込むのではなく、微小突起に押し込んだ後に遅れて研磨テープを走行させること)等の研磨条件を設定して、微小突起を修正している。
上記テープ研磨修正機は、金属異物及び樹脂異物の微小突起を修正するために使用される。また、研磨条件の各設定値は、一度調整した後は基本的に一定で運用する。その為、似た研磨対象では問題なく研磨完了するが、状態の大きく異なる対象では修正不良を生じる可能性が高い。異物の状態には硬さ・大きさ・高さなどバラツキがあり、最適な研磨条件は一定ではない為である。また、各種設定値の変更は生産への影響(装置安定性、時間など)を考えると簡単に変更できるものではなく、生産中に何度も変更できない。
また、上記レーザ修正機は、主にBM、R画素、G画素、B画素のパターンを形成する場合に用いられる顔料レジストからなる樹脂異物の修正に使用される。即ち、上記レーザ修正機では、全ての異物欠陥に対応する事が出来ず、また、完全に異物欠陥を除去できない場合もある。それに加え、完全に異物欠陥を除去出来たとしても、ガラス基板を傷つけてしまうといったダメージを与える恐れがある。
特開2008−213040号公報 特願2009−188434号
上記第一の方法及び第二の方法のほかに、図4に示すようなマイクロマニピュレータを用いた異物修正装置が提案されている。図4に示すカラーフィルタ基板修正装置は、3軸マイクロマニピュレータ35及び3軸マイクロマニピュレータ36の先端に備えられたアーム31及びアーム32とカラーフィルタ基板30を載置するステージ37と異物33を撮像する撮像カメラ34を有している。アーム31及びアーム32は異物33を削り、削られた異物を吸引するユニット(図示せず)を有している。また、撮像カメラは高解像度2次元カメラであって、カメラ先端には撮像カメラ用のレンズユニット(図示せず)が備えられている。ステージ37はカラーフィルタ基板30をXY方向に移動するXYステージであって、カラーフィルタ異物検査装置で検査された異物の位置情報(以下、アドレス情報)に基づいてXY方向に移動することによって、撮像カメラ34で異物33が撮像することが出来る。
しかしながら、マイクロマニピュレータを使用する場合には、金属異物や樹脂異物の除去にも対応出来る効果があるが、次に述べる問題がある。
即ち、カラーフィルタ基板上の異物除去動作の際、異物及びアーム先端部の焦点深度の問題からフォーカス調整に誤りがあった場合には、結果として、アームとカラーフィルタ基板の干渉(接触)の可能性があり、カラーフィルタ基板の傷つきといった問題が発生してしまう。アーム先端部とカラーフィルタ基板が接触しないようにアーム先端部とカラーフィルタ基板との間にクリアランスを設けたとしても、アーム先端部とカラーフィルタ基板が接触し、いわゆる干渉を引き起こす可能性がある。
更に、例えば2つのマイクロマニピュレータを用いる場合には、上記アームとカラーフィルタ基板の干渉の他に、2つのアーム同士の干渉によってアームが破損してしまうといった問題が発生してしまう。アームの破損は、装置の修理費用の増大と、更に修理時間を費やすことから異物修正の効率を下げる要因となってしまう。
そこで本発明では、金属異物及び樹脂異物を除去可能で、且つ、カラーフィルタ基板にダメージを与えることなく、更に、アーム同士の干渉によるアームの破損を防いで異物欠陥を除去することを可能とするカラーフィルタ基板修正装置を提供することを課題とする。
本発明の請求項1に係る発明は、異物検査装置によって検出された異物の所在情報に基づいてカラーフィルタ基板に付着した異物を除去するカラーフィルタ基板修正装置であって、カラーフィルタ基板を載置するステージと、異物を撮像する撮像カメラと複数のマイクロマニピュレータとマイクロマニピュレータに備えられその先端で異物を除去する複数のアームとを備えた異物除去ヘッドと、前記異物除去ヘッドを移動する移動手段と、複数のアームを移動する移動手段と、複数のアームとカラーフィルタ基板の接触を防ぐ干渉防止手段その1と、複数のアーム同士の接触を防ぐ干渉防止手段その2と、を有することを特徴とするカラーフィルタ基板修正装置である。
本発明の請求項2に係る発明は、異物除去ヘッドを移動する移動手段は異物除去ヘッドをZ軸方向に移動する移動機構Aを有し、複数のアームを移動する移動手段はZ軸方向に複数のアームを移動する移動機構BとX軸方向に複数のアームを移動する移動機構CとY軸方向に複数のアームを移動する移動機構Dを有することを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ基板修正装置である。
本発明の請求項3に係る発明は、アームとカラーフィルタ基板の干渉を防ぐ干渉防止手段その1は、カラーフィルタ基板面から上方の位置にZ軸異物除去ポジションを設けることを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ基板修正装置である。
本発明の請求項4に係る発明は、アーム同士の干渉を防ぐ干渉防止手段その2は、アーム同士の侵入干渉防止エリアを設け、該干渉防止エリアにアームが進入することを防ぐことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のカラーフィルタ基板修正装置である。
本発明の請求項5に係る発明は、複数のマイクロマニピュレータに備えられその先端で異物を除去する複数のアームによって干渉防止エリア外の異物を除去した後、異物除去ヘッドをX軸またはY軸のどちらか一方の軸方向に移動し、その後干渉防止エリア内の異物を除去して異物全体の除去を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のカラーフィルタ基板修正装置である。
本発明の請求項6に係る発明は、異物検査装置によって検出された異物の所在情報に基づいてカラーフィルタ基板に付着した異物を除去するカラーフィルタ基板修正装置であって、カラーフィルタ基板を載置するステージと、異物を撮像する撮像カメラとマイクロマニピュレータとマイクロマニピュレータに備えられその先端で異物を除去するアームとを備えた異物除去ヘッドと、前記異物除去ヘッドを移動する移動手段と、アームを移動する移動手段と、アームとカラーフィルタ基板の接触を防ぐ干渉防止手段と、を有することを特徴とするカラーフィルタ基板修正装置である。
アームとカラーフィルタ基板の干渉を防ぎ、また、アーム同士の干渉を防ぐことによってカラーフィルタ基板の損傷やマイクロマニピュレータのアームの破損を起こすことなく金属異物や樹脂異物の除去が可能となり、その結果、異物除去作業の効率が上がり、更に装置の修理費用の増大を防ぎ、更に修理時間を削減することが可能となる。
カラー液晶表示装置に用いられるカラーフィルタの一例を断面で示した図。 一般的に用いられているフォトリソグラフィー法の工程のフロー図。 テープ研磨修正機の一例を示す概略図。 マイクロマニピュレータを用いた異物修正装置を示す図。 本発明に係るカラーフィルタ基板修正装置の概略を示す図。(a)は側面図を示す。(b)は上面図を示す。 本発明に係るカラーフィルタ基板修正装置の事前設定作業であるMZ設定作業のフローを示す図。 本発明に係るカラーフィルタ基板修正装置のステップ(S1)の状態を示す図。 本発明に係るカラーフィルタ基板修正装置のステップ(S3)の状態を示す図。(a)は(S3)の状態を示す図。(b)は図(a)のアームの先端を拡大した図。 本発明に係るカラーフィルタ基板修正装置のステップ(S4)の状態を示す図。 本発明に係るカラーフィルタ基板修正装置のステップ(S5)の状態を示す図 本発明に係るカラーフィルタ基板修正装置のアームの先端がガラス基板からα退避した異物除去ポジションを示す図。 (a)本発明に係るカラーフィルタ基板修正装置のステップ(S3)の状態を示す図。(b)は図12(a)のアームの先端を拡大した図。 本発明に係るカラーフィルタ基板修正装置の事前設定作業であるMX/MY設定作業のフロー図。 (a)は本発明に係るカラーフィルタ基板修正装置のステップ(D1)の状態を示す図。(b)は本発明に係るカラーフィルタ基板修正装置のステップ(D2)の状態を示す図。 (a)は本発明に係るカラーフィルタ基板修正装置のステップ(D3)の状態を示す図。(b)は本発明に係るカラーフィルタ基板修正装置のステップ(D5)の状態を示す図。 本発明に係るカラーフィルタ基板修正装置のアーム41、42がβの外側にある場合の座標を示す図。 本発明に係るカラーフィルタ基板修正装置の事前設定から異物除去動作までのフローを示す図。 (a)は本発明に係るカラーフィルタ基板修正装置によって除去される異物の一例を示す図。(b)は右アームが動作するエリアを示す図。(c)は左アームが動作するエリアを示す図。 本発明に係るカラーフィルタ基板修正装置の図8に示される異物の除去動作を示すフロー図。 本発明に係るカラーフィルタ基板修正装置の近接動作と遠隔操作を説明するための図。(a)はZ軸方向の動作を示す図。(b)はX/Y軸方向の動作を示す図。
図面を用いて本発明を実施する形態を説明する。
図5に本発明に係るカラーフィルタ基板修正装置の概略を示す図である。図5(a)は側面図を示し、図5(b)は上面図を示す。カラーフィルタ基板40を載置するステージ38と、異物39を撮像する撮像カメラ44とマイクロマニピュレータ45とマイクロマニピュレータ46とマイクロマニピュレータに備えられその先端で異物を除去するアーム41とアーム42を備えた異物除去ヘッドと、前記異物除去ヘッドを図5(a)に示すZその1の軸(以下、Z1軸)方向に移動する移動手段である移動機構Aを有する移動機構49と、複数のアーム(図5では、アーム41とアーム42の2つのアーム)を移動する移動手段である図5(a)に示すZその2の軸(以下、Z2軸)の方向に移動する移動機構Bを有する移動機構47及び移動機構48とアーム41とアーム42を図5(b)に示すX軸方向に移動する移動機構Cを有する移動機構50及び移動機構51とアーム41とアーム42を図5(b)に示すY軸方向に移動する移動機構Dを有する移動機構52及び移動機構53と、カラーフィルタ基板の干渉を防ぐ干渉防止手段その1(図示せず)と、複数のマイクロマニピュレータに備えられたアーム同士の干渉を防ぐ干渉防止手段その2(図示せず)と、を有し、異物検査装置によって検出された異物の所在情報に基づいてカラーフィルタ基板40に付着した異物39を除去するものである。尚、撮像カメラ44は例えば2次元CCDカメラに顕微鏡を備えたものである。
図5(a)の側面図に示すZ1軸及びZ2軸は上方向を+とし、図5(b)の上面図に示すX軸は上方向を+としY軸は左方向を+とする。
また、異物除去ヘッドは例えば門型のいわゆるガントリーに載置され、上記Z1軸に移動するほかに、X軸及びY軸方向にも移動することが出来る。
また、本発明に係るカラーフィルタ基板修正装置は、左右二つのアームを移動する移動機構B、移動機構C、移動機構Dによる3軸マイクロマニピュレータをパソコンに備えられたマウスオペレーションによって、先端アームにより異物を挟み込んだり、吸着したりし異物を除去する機構を具備している。
アームとガラス基板の接触を防ぐ干渉防止手段その1を説明する。干渉防止手段その1は異物除去ヘッドのZ1軸調整とアームのZ2軸調整によって実現される。XYZ座標系は上記図5と同様とする。事前設定作業として異物除去ヘッドのZ1軸方向の位置設定行う。このZ1軸方向の位置設定をMZ設定と呼ぶ。
図5に示すようにZ1軸の移動は、異物除去ヘッドを移動する移動機構Aである移動機構49によって行われる。即ち、異物39を撮像する撮像カメラ44と複数のマイクロマニピュレータ45及び46とマイクロマニピュレータに備えられその先端で異物を除去する複数のアーム41及び42とを備えた異物除去ヘッドは、Z1軸の方向に移動機構49によって移動することが出来る。
また、マイクロマニピュレータ45及びマイクロマニピュレータ46は移動機構Bである移動機構47及び移動機構48によってマイクロマニピュレータが独立してZ2軸の方向に移動することが可能となっている。更にマイクロマニピュレータ45及びマイクロマニピュレータ46は移動機構Cである移動機構50及び移動機構51によってマイクロマニピュレータはX軸方向に移動することが出来、また移動機構Dである移動機構52及び移動機構53によってマイクロマニピュレータはY軸方向に移動することが出来る。この場合の異物除去ヘッドのZ1軸をHZ軸、マイクロマニピュレータが独立して移動するZ2軸をMZ軸、マイクロマニピュレータが移動するX軸をMX軸、マイクロマニピュレータが移動するY軸をMY軸と呼ぶ。更にマイクロマニピュレータの右アーム46のMZ軸をMZR軸、マイクロマニピュレータの左アーム45のMZ軸をMZL軸と呼ぶ。
上記HZ軸、MX軸、MY軸、MZR軸、MZL軸には、例えばリニアエンコーダ装置が備えられ異物除去ヘッド、マイクロマニピュレータの移動と共にその位置座標を認識することが出来る。
異物除去ヘッドの事前設定作業であるMZ設定作業は、実ガラス基板ではなくカラーフィルタ基板修正装置に備え付けの条件出し用ガラス基板を使用する。作業頻度としては、マイクロマニピュレータのアーム41または42を交換する度に実施する。MZ設定操作は全てマウスオペレーションによって実施する。
事前設定作業であるMZ設定作業のフローを図6に示す。先ず、条件出し用ガラス基板の位置へ異物除去ヘッドを移動させ、HZ(異物除去ヘッドのZ1軸)方向に下降し撮像カメラのガラス基板内のパターン面に焦点をあわせる(即ち、オートフォーカスによる焦点合わせを実施する)(S1)。この際、両アームはMZ方向にガラス基板と接触しない位置へ退避される。図7はこの時の状態を示す図で両アームは条件出し用ガラス基板55に接しない上方の位置にあり、撮像カメラ44は条件出し用ガラス基板55に焦点が合っている。
次に、撮像カメラのピントが条件出し用ガラス基板55にあった高さ(以下Work Distance:WDと称する)で、撮像カメラを固定し、MZ軸(マイクロマニピュレータが独立して移動するZ2軸)方向に左右どちらかのアームを下降させる(S2)。
次に、撮像カメラで撮像した画像を見ながら、アーム41と条件出し用ガラス基板55が接触したかどうかをオペレータが目視にて判断する(S3)。図8(a)はこの時の状態を示す図であり、右側のアーム41がMZR軸を示す矢印59の方向に下降した場合を示す。図8(b)は円61で示されるアーム41の部分を拡大した図を示す。アーム41が条件出し用ガラス基板55に接触すると図8(b)の拡大図のようにアーム41の先端部が微小ではあるが、アーム41がたわんで矢印62で示す方向にスライドする。このわずかにスライドする動きを目視にて確認した時点でアーム41の下降動作をストップする。
他の一方のアーム42についてもステップ(S3)と同様にアーム42と条件出し用ガラス基板55が接触したかどうかをオペレータが目視にて判断する(S4)。図9はこの時の状態を示す図で、アーム42をMZL軸の矢印63の方向に下降した場合を示す。
次に、両アームが条件出し用ガラス基板55に接触している事を確認し、各アームが条件出し用ガラス基板55に接触している高さより、MZ軸の方向にそれぞれのアームを上方へ移動させる(S5)。図10はこの時の状態を示す図である。この場合のアームの上方への移動量はα(退避パラメータと呼ぶ)とし、任意に設定が可能な量であって、たとえばマイクロメータ(μm)単位で設定するものとする。
この条件出し用ガラス基板55からMZ軸方向にα退避したアームの先端位置が異物除去ポジションとして設けられ(S6)、該位置でアームの先端によって異物が除去される。
図11は、その時のMZの座標を示す図で、この場合のMZ軸の各アームのMZ軸座標を基準座標(図11では、MZR=a、MZL=b)として設定する(S7)。その設定した座標よりアームが下降しないようにアームを制御する。即ち、稼動範囲はMZR≧a、MZL≧b となる。これをZ軸のインターロックとする。
このアームのインターロック制御機構は、撮像カメラのWDさえ初期値と同じにすれば、異物の高さや、カラーフィルタのパターン膜厚のバラツキのあるガラス基板であっても、ガラス基板にアームの先端が接触することはない。即ち、MZR=a、MZL=bより下降することはなく、異物除去を実施する前に必ずオートフォーカスを行い、その後のZ軸移動は撮像カメラ高さ(HZ)を固定し、MZ軸方向の(言い換えれば、アームのZ軸方向の独立したMZ軸の方向に)各アームを移動することによって、異物の高さや、カラーフィルタのパターン膜厚の異なるガラス基板においても、アームとガラス基板が接触する事はなく、ガラス基板の傷つきを防ぐことが出来る。
次にアーム同士の接触を防ぐ干渉防止手段その2について説明する。アーム同士の接触を防ぐにはX,Y軸に関してアーム同士が干渉しないようにすれば良く、接触防止制御では、異物除去ヘッド全体の軸動作とマイクロマニピュレータ独自の軸動作の両方を併用し、干渉防止エリアを設定し、そのエリアの境界座標を用いて接触防止策を確立するものである。この干渉防止エリア設定の事前設定作業をMX/MY設定作業と呼ぶ。
XYZ座標系は図5と同様とする。この干渉防止エリア設定はX軸、Y軸に関してどちらか一つ軸に関して実施すれば良く、X軸、Y軸の両方に対して設定する必要はない。
マイクロマニピュレータアーム41及びマイクロマニピュレータアーム42は独自のX、Y軸移動機構を持っており(マイクロマニピュレータが移動するMX軸、マイクロマニピュレータが移動するMY軸)、また、Z軸移動に関しては、異物除去ヘッドの座標移動はヘッドのZ1軸によるHZ移動だけに限定されるが、マイクロマニピュレータアームの移動は異物除去ヘッドのZ1軸による移動HZのほかに、マイクロマニピュレータ独自の軸であるZ2軸移動(即ち、マイクロマニピュレータの右アーム46のMZR軸、マイクロマニピュレータの左アーム45のMZL軸)の2つの移動パターンが存在する。つまり、マイクロマニピュレータのZ軸の座標移動は異物除去ヘッド軸による移動機構だけではなく、マイクロマニピュレータ独自の座標系で移動することが可能である。
図12はガラス基板内を上から見た図である。例えば、図中のPos 1 からPos
2 への移動の場合、異物除去ヘッド移動にて座標移動を行えば、異物除去ヘッド自体の座標の変化はあるが、マイクロマニピュレータの座標系を変化させない限り、マイクロマニピュレータの座標系が変化する事はない。即ち、本発明に係るカラーフィルタ基板修正装置は、異物除去ヘッドの座標系とは別にマイクロマニピュレータ独自の座標系を用いてマイクロマニピュレータを制御するものである。
言い換えれば、異物除去ヘッドのX軸をHX、Y軸をHYとし、またマイクロマニピュレータ独自のX軸をMX、Y軸をMYとし、マイクロマニピュレータ右アームのX軸をMXR、マイクロマニピュレータ左アームのX軸をMXL、マイクロマニピュレータ右アームのY軸をMYR、マイクロマニピュレータ左アームのY軸をMYLとすることによって、マイクロマニピュレータ独自の座標系を用いることが出来る。
事前設定作業である上記MZ設定作業を行った後に、事前設定作業(以下、MX/MY設定作業という)を行う。当操作はマウスオペレーションにて実施する。実際の異物除去動作に関しては、例えば門型のいわゆるガントリーに載置された異物除去ヘッドをHX軸及びHY軸方向に移動して異物除去ヘッドを欠陥位置へ合わせ、その後、HX軸及びHY軸の位置を固定し、MX軸及びMY軸の動作によって異物除去動作を行う。
事前設定作業であるMX/MY設定作業について図13のフロー図を用いて説明する。
ガラス基板とアームの干渉防止の為、事前設定作業(MZ設定作業)を完了した事を確認した後にMX/MY設定作業を実施する。
先ず、上記MZ設定作業によって設定したパターン面からαμm上方の高さまでMZ軸にてアーム41、42を移動させる(D1)。この時、アームはMX、MYの原点位置へ退避しておく。ここでいう原点位置座標とは、アーム41,42が干渉しない位置に置かれた座標であって、右アーム41の原点位置座標を(MXR、MYR)とし、左アーム42の原点位置座標を(MXL、MYL)とする。図14(a)はこの時の状態を示す図である。
その後、X軸、Y軸どちらか一つの干渉防止エリア(=β)を入力する(D2)。本発明の実施の形態では、Y軸の干渉防止エリアを作成する場合を例示する。図14(b)はこの時の状態を示す図である。βは画面中心に対し、+/−方向に同距離分離れる。また、βはPixel数でもμmでも入力することが出来る。ここで云うPixel数とは、コンピュータのディスプレイなどの画面を構成する最終単位の画素数のことであって、1Pixelに相当するガラス基板上のサイズは使用している撮像カメラの分解能によって決まる。
β設定後、MY軸移動を行って、アーム41,42の先端を撮像カメラの視野に移動する(D3)。この時、アーム同士が干渉せず、且つ、βの外側ならどこでもよい。 図15(a)はこの時の状態を示す図である。
次に、画像処理を行いながら、速度一定でアーム41、42をMY軸移動にて自動で近接させ(D4)、両アーム先端部がそれぞれβの外側に重なったところで動作を停止させる(D5)。図15(b)はこの時の状態を示す図である。
アーム41,42が停止したときの各アームの座標(MYR=c、MYL=d )を基準座標として設定し(D6)、MYの設定が終了する(D7)。右のアーム41は設定した座標(MYR=c)よりアーム41の現在ポジションが大きくならないように、また左のアーム42は設定した座標(MYL=d)よりアーム42の現在ポジションが小さくならないように動作を制御する。即ち、稼動範囲はMYR≦c、MYL≧dとなる。図16はアーム41、42がβの外側にある場合の座標を示す図である。
図17に示す異物除去を行うための事前設定作業から異物除去までのフローを示す図を用いて、異物除去全体のフローを説明する。ガラス基板投入前作業として事前設定作業を実施する。先ず、アームとガラス基板との接触を防止するための事前設定作業(MZ設定作業)を行う(R1)。MZ設定作業によってアームの先端位置がガラス基板からα退避した位置が設定される。
次にアーム同士の接触を防ぐための事前設定作業(MX/MY設定作業)を行う(R2)。MX/MY設定作業によってX軸、Y軸どちらか一つの干渉防止エリア(=β)が設定される。上記本実施の形態では、Y軸の干渉防止エリアの設定を例示した。
上記MZ設定作業とMX/MY設定作業を行いα、βを決定し、各マイクロマニピュレータ軸の座標を記憶させた後、ガラス基板をステージに投入する(R3)。
ガラス基板投入後、異物除去ヘッド軸移動(HX、HY)によって、異物検査装置によって検査された異物の欠陥座標へ異物除去ヘッドを移動する(R4)。
その後、マイクロマニピュレータ軸(HXR、HXL、HYR、HYL、HZR、HZL)にて、異物除去動作を実施する。その際、各マイクロマニピュレータ座標が、事前に設定したα、βの座標外であるかどうかを判断し(R5)、各マイクロマニピュレータ座標がα、β外であれば(R5のYESの場合)異物除去動作を続行(R6)し、異物除去作業が完了した場合(R7のYESの場合)は、基板が排出される(R8)。異物除去作業が完了していない場合(R7のNOの場合)は、ステップ(R5)に移る。
図18は前記異物除去動作を続行(R6)して除去される異物の一例を示す図で、図19は図18に示される異物を除去する動作のフローを示すものである。図18(a)はカラーフィルタ基板修正装置によって除去される異物の一例を示す図で、図18(b)は右アームが動作するエリアを示す図で、図18(c)は左アームが動作するエリアを示す図である。
図18(a)に示される異物70は設定されたβの部分71とβの右側の部分72とβの左側の部分73から成っている。異物70を除去する際には、先ず図18(b)に示す右アームが動作するエリア内のβの右側の部分72の異物を右アームのX,Y移動によって除去し(E1)(図(b−1))、同時に図18(c)に示す左アームが動作するエリア内のβの左側の部分73の異物を左アームのX,Y移動によって除去する(E2)(図(c−1)。次にHY軸に異物除去ヘッドを移動(この場合は+方向に移動)した(E3)後、βの部分71を右アームのX,Y移動によって除去し(E4)(図(b−2)、異物70の除去が終了する(E6)。この場合、図18(c)に示すステップ(E2)での除去残りがあった場合には、左アームが動作するエリアを左アームのX,Y移動によって除去し手も良い(図(c−2)。同じガラス基板内に複数の異物が存在する場合にはステップ(E1)からステップ(E6)が繰り返し行われる。異物除去を行うには、アームをパソコンマウスを操作することによって行う。
ステップ(E3)でHY軸に異物除去ヘッドを+方向に移動した例を示したが、−方向に移動しても良く、この場合には、左アームによってβの部分71が除去される。
上記異物除去動作によって異物除去は完了しガラス基板はステージから排出される(R8)。
一方、マイクロマニピュレータ座標がα、β内であれば(R5のNOの場合)、インターロックが発動され動作は禁止され(R9)、アームの移動は停止される。この際、α内であれば(R10のαの場合)、アームがガラス基板に近接する動作を禁止にし、アームはガラス基板に対して遠隔動作のみ移動可能と(R11)なる。また、β内であれば(R10のβの場合)はアーム同士の近接動作を禁止にし、遠隔動作のみ移動可能(R12)となる。また、α内でしかもβ内の場合は(R10のα、β内の場合)、アームがガラス基板に近接する動作を禁止にし(R13)、更にアーム同士の近接動作を禁止にする(R14)。その後ステップ(R5)に移る。
図20は上記近接動作と遠隔操作を説明するための図で、図19(a)はZ軸方向の動作を示し、図19(b)はX/Y軸方向の動作を示す。近接動作とはZ軸の場合、アームがガラス基板に近づく動作を示し、X/Y軸の場合、アーム同士が互いに近づく動作を示す。また遠隔動作とは、Z軸の場合、アームがガラス基板から離れる動作のことを示し、X/Y軸の場合、アーム同士が離れる動作のことを示す。
上記マイクロマニピュレータの運転によって、アームとガラス基板、及びアーム同士の接触を起こすことなく異物の除去が行われる。
上記実施の形態では、マイクロマニピュレータ2個を用いた例を示したが、例えば1個の場合には、カラーフィルタ基板を載置するステージと、異物を撮像する撮像カメラとマイクロマニピュレータとマイクロマニピュレータに備えられその先端で異物を除去するアームとを備えた異物除去ヘッドと、前記異物除去ヘッドを移動する移動手段である移動機構49と、アームを移動する移動手段である移動機構47と移動機構50と移動機構52と、アームとカラーフィルタ基板の接触を防ぐ干渉防止手段と、を有し、アームとガラス基板との接触を防止するための事前設定作業(MZ設定作業)(R1)によるα設定のみ行い、アーム同士の接触を防ぐための事前設定作業(MZ設定作業)(R2)を行う必要はなく、ステップ(R2)、及びステップ(R11)、ステップ(R13)が省略されたフローで行われる。
また、3個以上の場合は(例えばアームA、アームB、アームCとした場合)、上記干渉防止エリアβのほかに干渉防止エリアγ等を設定することによってアーム同士の接触を防いで、異物の除去が行われる。
以上のように、本発明によるカラーフィルタ基板修正装置によれば、アームの先端とガラス基板の接触や、アーム同士の接触を防いで金属異物や樹脂異物を除去することが可能となり、その結果、ガラス基板にダメージを与えず、異物除去作業の効率が上がり、更にアームの材料費や装置メンテナンス費の削減が可能となる。
1・・・カラーフィルタ
2・・・ガラス基板
3・・・ブラックマトリックス(BM)
4−1・・・レッドRの着色画素(R画素)
4−2・・・グリーンGの着色画素(G画素)
4−3・・・ブルーBの着色画素(B画素)
5・・・透明電極
6・・・フォトスペーサー(PS)
7・・・バーテイカルアライメント(VA)
20・・・研磨テープ
21・・・微小突起
22・・・研磨ヘッド
23・・・巻き出しロール
24・・・巻き取りロール
25,26・・・ガイドロール
30・・・カラーフィルタ基板
31・・・右アーム
32・・・左アーム
33・・・異物
34・・・撮像カメラ
35、36・・・マイクロマニピュレータ
37・・・ステージ
38・・・XYステージ
39・・・異物
40・・・カラーフィルタ基板
41・・・アーム
42・・・アーム
44・・・撮像カメラ
45・・・マイクロマニピュレータ
46・・・マイクロマニピュレータ
47〜53・・・移動機構
55・・・条件出し用ガラス基板
59・・・MZR軸の下降方向を示す矢印
60・・・パターン面
61・・・円で示されるアームの部分
62・・・アームがたわんでスライドする方向を示す矢印
63・・・MZL軸の下降方向を示す矢印
70・・・異物
71・・・設定されたβの部分
72・・・βの右側の部分
73・・・βの左側の部分

Claims (6)

  1. 異物検査装置によって検出された異物の所在情報に基づいてカラーフィルタ基板に付着した異物を除去するカラーフィルタ基板修正装置であって、カラーフィルタ基板を載置するステージと、異物を撮像する撮像カメラと複数のマイクロマニピュレータとマイクロマニピュレータに備えられその先端で異物を除去する複数のアームとを備えた異物除去ヘッドと、前記異物除去ヘッドを移動する移動手段と、複数のアームを移動する移動手段と、複数のアームとカラーフィルタ基板の接触を防ぐ干渉防止手段その1と、複数のアーム同士の接触を防ぐ干渉防止手段その2と、を有することを特徴とするカラーフィルタ基板修正装置。
  2. 異物除去ヘッドを移動する移動手段は異物除去ヘッドをZ軸方向に移動する移動機構Aを有し、複数のアームを移動する移動手段はZ軸方向に複数のアームを移動する移動機構BとX軸方向に複数のアームを移動する移動機構CとY軸方向に複数のアームを移動する移動機構Dを有することを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ基板修正装置。
  3. アームとカラーフィルタ基板の干渉を防ぐ干渉防止手段その1は、カラーフィルタ基板面から上方の位置にZ軸異物除去ポジションを設けることを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ基板修正装置。
  4. アーム同士の干渉を防ぐ干渉防止手段その2は、アーム同士の侵入干渉防止エリアを設け、該干渉防止エリアにアームが進入することを防ぐことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のカラーフィルタ基板修正装置。
  5. 複数のマイクロマニピュレータに備えられその先端で異物を除去する複数のアームによって干渉防止エリア外の異物を除去した後、異物除去ヘッドをX軸またはY軸のどちらか一方の軸方向に移動し、その後干渉防止エリア内の異物を除去して異物全体の除去を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のカラーフィルタ基板修正装置。
  6. 異物検査装置によって検出された異物の所在情報に基づいてカラーフィルタ基板に付着した異物を除去するカラーフィルタ基板修正装置であって、カラーフィルタ基板を載置するステージと、異物を撮像する撮像カメラとマイクロマニピュレータとマイクロマニピュレータに備えられその先端で異物を除去するアームとを備えた異物除去ヘッドと、前記異物除去ヘッドを移動する移動手段と、アームを移動する移動手段と、アームとカラーフィルタ基板の接触を防ぐ干渉防止手段と、を有することを特徴とするカラーフィルタ基板修正装置。
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