JP2011132888A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子スロットル故障時にスロットル開度をオープナ開度に固定する内燃機関において、電子スロットル故障時の退避走行のドライバビリティを確保する。
【解決手段】電子スロットル故障時の退避走行において、ドライバがブレーキペダルを踏んで減速しようとした場合(ブレーキONである場合)に限って、点火時期を進角側に制御して制動力を確保する。一方、電子スロットル故障時の退避走行において、ドライバがブレーキペダルを踏んでいない場合(ブレーキOFFである場合)には、スロットルOFFであっても点火時期の進角側への制御を実行しないことでエンジントルクの増大を抑制する。これによって飛び出し感や空走感を抑えることが可能となり、退避走行時のドライバビリティを確保することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関(以下、エンジンともいう)の制御装置に関し、さらに詳しくは、吸気管負圧を利用する負圧ブースタ式のブレーキ装置を備えた車両に搭載される内燃機関の制御装置に関する。
車両に搭載されるエンジンにおいては、吸気通路に設けたスロットルバルブを駆動するアクチュエータ(スロットルモータ)を設け、ドライバのアクセルペダルの操作とは独立してスロットル開度を制御可能とした電子スロットルシステムが知られている。
電子スロットルシステムでは、エンジン回転数とドライバのアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)等のエンジンの運転状態に応じた最適な吸入空気量(目標吸気量)が得られるようにスロットル開度が制御される。具体的には、スロットル開度センサ等を用いてスロットルバルブの実際のスロットル開度を検出し、その実スロットル開度が、上記目標吸気量が得られるスロットル開度(目標スロットル開度)に一致するようにスロットルモータをフィードバック制御している。
このような電子スロットルシステム(以下、単に「電子スロットル」という場合もある)においては、電子スロットルが故障(電子スロットルの制御系の故障)したときに、車両の退避走行を可能とするために、スロットル開度をオープナ開度に固定するという制御が行われている(例えば、特許文献1参照)。
こうした退避走行の際には、ドライバのアクセルペダルの操作に応じて点火時期制御・作動気筒数制御(多気筒エンジンの場合)を行うことにより、エンジンの発生トルク(以下、エンジントルクともいう)を変化させている。例えば、退避走行の際のアクセルOFF時に、点火時期の遅角や減筒運転によりトルクダウンを行うことによって、減速の際の飛び出し感などを抑えている。しかし、点火時期遅角や減筒運転を行うと、吸気管負圧が低下するので、負圧ブースタ式のブレーキ装置が搭載された車両では十分な制動力が得られない場合がある。
電子スロットル故障時の退避走行において車両の制動力を確保する技術として、アクセルOFFのときには、ブレーキ負圧(制動力)を確保するために、点火時期を進角側に制御する技術(以下、先行技術という)が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−291469号公報 特開2009−036036号公報
上記した先行技術によれば、電子スロットル故障時の退避走行においてアクセルOFF時の制動力を確保することはできるが、アクセルOFFを条件に点火時期を進角側に制御すると、アクセルOFF時には常にエンジンの発生トルクが増大するようになるので、減速(停車)しようとしたときの飛び出し感や、空走感(ドライバが思っている以上の車速での走行)が発生するため、ドライバビリティが悪化するおそれがある、という点で課題が残されている。
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、電子スロットル故障時にスロットル開度を所定開度(オープナ開度)に固定する内燃機関の制御装置において、電子スロットル故障時の退避走行のドライバビリティを確保することが可能な制御の実現を目的とする。
本発明は、車両に搭載される内燃機関の吸気通路に配置されたスロットルバルブと、前記スロットルバルブのスロットル開度を制御するスロットル制御手段と、前記スロットル制御手段が故障しているか否かを判定する故障判定手段とを備え、前記故障判定手段によって前記スロットル制御手段が故障していると判定されたときにスロットル開度を所定開度に固定する内燃機関の制御装置を前提としており、このような内燃機関の制御装置において、前記スロットル制御手段が故障しているときの走行時に、車両の制動要求があるか否かを判定し、制動要求がある場合は、前記内燃機関の点火時期を現在の機関運転状態における点火時期に対して進角側に制御し、制動要求がない場合には前記点火時期の進角側への制御を行わない故障時点火時期制御手段を備えていることを技術的特徴としている。
なお、本発明において、「制動要求」とは、ドライバがブレーキペダルを踏み込んで積極的に制動を要求する「制動要求」のことであり、「アクセルOFFによるエンジンブレーキの要求」は含まれない。また、スロットル制御手段が故障していると判定したときにスロットル開度を固定する「所定開度」とは「オープナ開度」のことである。
本発明によれば、電子スロットル故障時の退避走行において、制動要求がある場合(ドライバがブレーキペダルを踏んだ場合(ブレーキONの場合))に限って、内燃機関の点火時期を現在の機関運転状態における点火時期に対して進角側に制御(例えば、最大吸気管負圧となるように点火時期を進角側に制御)してブレーキ負圧(制動力)を確保する。一方、制動要求がない場合(ドライバがブレーキペダルを踏んでいない場合)には、スロットルOFFであっても前記点火時期の進角側への制御は行わないので、内燃機関の発生トルクが増大することを抑制することができる。これによって電子スロットル故障時の退避走行において、ドライバが減速(停車)しようとしたときの飛び出し感や、空走感を抑えることが可能となり、ドライバビリティを確保することができる。
本発明の具体的な構成として、電子スロットル故障時の退避走行において、制動要求(ドライバがブレーキペダルを踏んだ場合の制動要求)がある場合には、要求制動力に基づいて、現在の機関運転状態における点火時期(以下、現点火時期ともいう)に対する進角量を設定するという構成を挙げることができる。この場合、要求制動力が大きい場合は小さい場合と比較して、現点火時期に対する進角量を大きく設定する。
このように、制動要求がある場合の点火時期の進角量を要求制動量に応じて可変に設定することにより、点火時期の進角量を適正に制御することができる。これによって、ブレーキON時に内燃機関の発生トルク(駆動力)が大きくなりすぎることを抑えることができ、十分な減速度を得ることができる。なお、要求制動量は、例えば、車速に応じて、車速が大きい場合は小さい場合と比較して要求制動量を大きく設定する。
また、本発明において、機関回転数に応じて変化する発生負圧を考慮して要求制動量を補正して、現点火時期に対する進角量を設定するようにしてもよい。
さらに、本発明において、車両に搭載される内燃機関が多気筒内燃機関である場合、電子スロットル故障時の退避走行において、制動要求(ドライバがブレーキペダルを踏んだ場合の制動要求)がある場合には、内燃機関の発生トルクを考慮して、内燃機関の点火時期を現点火時期に対して進角側にする制御に、減筒運転を組み合わせて実行するようにしてもよい。具体的には、点火時期の進角側への制御により、内燃機関の発生トルクが大きくなって減速度に悪影響が及ぶ場合は減筒運転を組み合わせて実行する。
このように点火時期の進角側への制御に減筒運転を組み合わせることにより、内燃機関の発生トルクが大きくなりすぎることを抑制することができるので、十分な減速度を得ることができる。なお、減筒運転とは、多気筒内燃機関において特定の気筒の燃焼を停止(フューエルカット・点火カット)する気筒数制御のことである。
本発明によれば、電子スロットル故障時の退避走行において、制動要求がある場合(ドライバがブレーキペダルを踏んだ場合)に限って、内燃機関の点火時期を現点火時期に対して進角側に制御して制動力を確保する一方、制動要求がない場合(ドライバがブレーキペダルを踏んでいない場合)には、アクセルOFFであっても前記点火時期の進角側への制御は行わないので、内燃機関の発生トルクの増大を抑制することができる。その結果として、電子スロットル故障時の退避走行のドライバビリティを確保することができる。
本発明を適用するエンジン(内燃機関)の一例を示す概略構成図である。 エンジンの制御系の構成を示すブロック図である。 電子スロットル故障時の点火時期制御の制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 電子スロットル故障時の点火時期制御の制御ルーチンの他の例を示すフローチャートである。 要求制動量を求めるためのマップ(a)〜(d)、及び、点火時期の進角量を求めるためのマップ(e)を併記して示す図である。 エンジン回転数に基づいて発生負圧を求めるためのマップ(a)、及び、発生負圧に基づいて点火時期の進角補正量を求めるためのマップ(b)を併記して示す図である。 電子スロットル故障時の点火時期制御の制御ルーチンの別の例を示すフローチャートである。 点火時期の進角制御に減筒運転を組み合わせた場合の発生トルクの変化と吸気管負圧の変化とを示すグラフである。 電子スロットル故障時・アクセルペダルOFF時における[駆動力・制動力・吸気管負圧]と[点火時期]との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、本発明を適用するエンジン(内燃機関)について説明する。
−エンジン−
図1は車両に搭載されるエンジン1の一例を示す概略構成を示す図である。なお、図1にはエンジン1の1気筒の構成のみを示している。
この例のエンジン1は、例えば4気筒ガソリンエンジンであって、燃焼室1aを形成するピストン1b及び出力軸であるクランクシャフト15を備えている。ピストン1bはコネクティングロッド16を介してクランクシャフト15に連結されており、ピストン1bの往復運動がコネクティングロッド16によってクランクシャフト15の回転へと変換される。
クランクシャフト15には、外周面に複数の突起(歯)17aを有するシグナルロータ17が取り付けられている。シグナルロータ17の側方近傍にはエンジン回転数センサ(クランクポジションセンサ)25が配置されている。エンジン回転数センサ25は、例えば電磁ピックアップであって、クランクシャフト15が回転する際にシグナルロータ17の突起17aに対応するパルス状の信号(出力パルス)を発生する。エンジン1のシリンダブロック1cには、エンジン1の冷却水温度を検出する水温センサ21及びノックセンサ22が配置されている。
エンジン1の燃焼室1aには点火プラグ3が配置されている。点火プラグ3の点火タイミングはイグナイタ4によって調整される。イグナイタ4はECU(Electronic Control Unit)200によって制御される。
エンジン1の燃焼室1aには吸気通路11と排気通路12とが接続されている。吸気通路11と燃焼室1aとの間に吸気バルブ13が設けられており、この吸気バルブ13を開閉駆動することにより、吸気通路11と燃焼室1aとが連通または遮断される。また、排気通路12と燃焼室1aとの間に排気バルブ14が設けられており、この排気バルブ14を開閉駆動することにより、排気通路12と燃焼室1aとが連通または遮断される。これら吸気バルブ13及び排気バルブ14の開閉駆動は、クランクシャフト15の回転が伝達される吸気カムシャフト及び排気カムシャフトの各回転によって行われる。
吸気通路11には、エアクリーナ7、吸入空気量を検出する熱線式のエアフロメータ23、吸気温センサ24(エアフロメータ23に内蔵)、及び、エンジン1の吸入空気量を調整する電子制御式のスロットルバルブ5が配置されている。スロットルバルブ5はスロットルモータ6によって駆動される。スロットルバルブ5の開度はスロットル開度センサ26によって検出される。
スロットルバルブ5のスロットル開度はECU200によって駆動制御される。具体的には、エンジン回転数センサ25によって検出されるエンジン回転数、及び、ドライバのアクセルペダル踏み込み量(アクセル開度)等のエンジン1の運転状態に応じた最適な吸入空気量(目標吸気量)が得られるようにスロットルバルブ5のスロットル開度を制御している。より詳細には、スロットル開度センサ26を用いてスロットルバルブ5の実際のスロットル開度を検出し、その実スロットル開度が、上記目標吸気量が得られるスロットル開度(目標スロットル開度)に一致するようにスロットルバルブ5のスロットルモータ6をフィードバック制御している。
なお、こうしたスロットルバルブ5の制御は、通常時に実行される制御(通常時制御)であり、後述するように、電子スロットル故障時にはスロットルバルブ5の開度はオープナ開度(所定開度)に固定される。
エンジン1の吸気通路11にはブレーキブースタ101が負圧導入路103を介して接続されている。負圧導入路103は、吸気通路11のスロットルバルブ5の下流側に設けられたサージタンク11a内に連通している。ブレーキブースタ101は、吸気管負圧(ブレーキ負圧)によって作動し、ブレーキ装置(図示せず)のブレーキペダル102の踏み込み操作力(ブレーキ力)をアシストする。ブレーキブースタ101で発生したアシスト力は、ブレーキマスタシリンダを介してホイルシリンダに供給され、車輪の回転を停止させる制動力となる。
エンジン1の排気通路12には三元触媒8が配置されている。三元触媒8においては、燃焼室1aから排気通路12に排気された排気ガス中のCO、HCの酸化及びNOxの還元が行われ、それらを無害なCO2、H2O、N2とすることで排気ガスの浄化が図られている。
三元触媒8の上流側の排気通路12にフロント空燃比(A/F)センサ(メイン空燃比(A/F)センサ)28が配置されている。フロント空燃比(A/F)センサ28は、空燃比に対してリニアな特性を示すセンサである。また、三元触媒8の下流側の排気通路12にはリアO2センサ(サブO2センサ)29が配置されている。リアO2センサ29は、排気ガス中の酸素濃度に応じて起電力を発生するものであり、理論空燃比に相当する電圧(比較電圧)よりも出力が高いときはリッチと判定し、逆に比較電圧よりも出力が低いときはリーンと判定する。
そして、吸気通路11には燃料噴射用のインジェクタ2が配置されている。インジェクタ2には、燃料タンクから燃料ポンプによって所定圧力の燃料が供給され、吸気通路11に燃料が噴射される。この噴射燃料は吸入空気と混合されて混合気となってエンジン1の燃焼室1aに導入される。燃焼室1aに導入された混合気(燃料+空気)は点火プラグ3にて点火されて燃焼・爆発する。この混合気の燃焼室1a内での燃焼・爆発によりピストン1bが往復運動してクランクシャフト15が回転する。以上のエンジン1の運転状態はECU200によって制御される。
なお、クランクシャフト15には、図示はしないが、変速機(例えば、有段式の自動変速機やベルト式無段変速機)が連結されている。また、クランクシャフト15には、補機類(例えば、ウォータポンプ、オルタネータ、パワーステアリングポンプ、エアコンディショナのコンプレッサなど)がプーリ及び伝動ベルト等を介して連結されている。
−ECU−
ECU200は、図2に示すように、CPU201、ROM202、RAM203及びバックアップRAM204などを備えている。
ROM202は、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPU201は、ROM202に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。また、RAM203は、CPU201での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM204は、例えばエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
以上のCPU201、ROM202、RAM203及びバックアップRAM204は、バス207を介して互いに接続されるとともに、入力インターフェース205及び出力インターフェース206と接続されている。
入力インターフェース205には、水温センサ21、ノックセンサ22、エアフロメータ23、吸気温センサ24、エンジン回転数センサ25、スロットル開度センサ26、アクセルペダルの踏み込み量に応じた検出信号を出力するアクセル開度センサ27、フロント空燃比(A/F)センサ28、リアO2センサ29、ブレーキペダル102の踏み込みの有無(ブレーキON/OFF)に応じた検出信号を出力するブレーキスイッチ30、車両の速度を検出する車速センサ31、及び、水平面に対する車両の勾配を検出する勾配センサ32などが接続されている。
出力インターフェース206には、インジェクタ2、点火プラグ3のイグナイタ4、及び、スロットルバルブ5のスロットルモータ6などが接続されている。
そして、ECU200は、上記した各種センサの検出信号に基づいて、インジェクタ2の駆動制御(燃料噴射制御)、点火プラグ3の点火時期制御(通常時の点火時期制御)、スロットルバルブ5のスロットルモータ6の駆動制御、空燃比フィードバック制御などを含むエンジン1の各種制御を実行する。さらに、ECU200は、下記の「電子スロットル故障時制御」、及び、「電子スロットル故障時の点火時期制御」を実行する。
以上のECU200により実行されるプログラムによって、本発明の内燃機関(エンジン)の制御装置が実現される。
−電子スロットル故障時制御−
この例では、電子スロットルが故障(電子スロットルの制御系の故障)したときに、車両の退避走行及びエンジンストール防止などを保障するために、スロットル開度の制御を禁止し、スプリング等の機械的装置によって、スロットルバルブ5の開度をオープナ開度に固定する。
この例において、電子スロットル故障を判定する方法としては、例えば、電子スロットルが正常であるときには、アクセル開度から得られる非線形スロットル開度と実スロットル開度とは、一定の関係を持って動くという点を利用し、それら非線形スロットル開度と実スロットル開度との差が所定値よりも大きくなった場合、電子スロットルが故障していると判定するという方法を採用する。この電子スロットル故障判定に用いるアクセル開度はアクセル開度センサ27の出力信号から算出し、実スロットル開度はスロットル開度センサ26の出力信号から算出する。
なお、電子スロットル故障の判定方法として、スロットル開度センサ26やスロットルモータ6の通電状態を監視しておき、それら機器の断線を検出したときに電子スロットル故障と判定するという方法などを採用してもよい。
−電子スロットル故障時の点火時期制御−
次に、ECU200が実行する「電子スロットル故障時の点火時期制御」について説明する。
まず、この例では、上述したように、電子スロットル故障時にはスロットル開度がオープナ開度に固定される。スロットル開度がオープナ開度に固定されると、スロットルバルブの通過流量(吸入空気量)はほぼ一定となるため、ドライバのアクセルペダル操作によるトルク要求を、点火時期制御(進遅角)・作動気筒数制御(気筒数増減)によって対応している。この点については後述する。
一方、エンジンの吸気管負圧を利用した負圧ブースタ式のブレーキ装置が搭載された車両においては、吸気管負圧(絶対値)が低くなると、いわゆる「板ブレーキ」となってしまい、十分な制動力を確保することができない場合がある。この点について図9を参照しして説明する。
まず、エンジントルクとほぼ比例関係にある駆動力及び制動力(吸気管負圧に相関)とエンジンの点火時期との関係は、例えば、図9に示すような関係(アクセルペダルOFF時・スロットル開度固定(オープナ開度)での関係)となり、点火時期を遅角側に設定した場合(図9に示す破線太矢印)、駆動力は下がるが、制動力(吸気管負圧に相関)も下がってしまうため(駆動力>制動力)、ドライバがブレーキペダル102を踏んでも、十分な減速度を得ることができない場合(車両を停止できない場合)がある。逆に、点火時期を進角側に設定した場合(図9に示す実線太矢印)、駆動力は大きくなるものの、吸気管負圧が増大して制動力を十分に確保することができるので(制動力>駆動力)、車両の減速・停止は可能になる。
このような点に着目して、上記した先行技術(特開2009−036036号公報に記載の技術)では、電子スロットル故障時の退避走行において、アクセルOFF時には、エンジンの点火時期を進角側(現在のエンジン運転状態における点火時期に対して進角側)に制御して吸気管負圧を高くすることによって、電子スロットル故障時のブレーキ性能を確保している。しかしながら、アクセルOFFを条件に点火時期を進角側に制御すると、アクセルOFF時には常にエンジンの発生トルクが増大するようになるので、ドライバがエンジンブレーキで減速(停車)しようとして、アクセルOFFにした際に飛び出し感が発生する。また、ブレーキOFFでの走行時に空走感(ドライバが思っている以上の車速での走行)が発生するため、ドライバビリティが悪化するおそれがある、という点で課題が残されている。
そこで、この例では、そのような点を改善するために、電子スロットル故障時の退避走行において、ドライバがブレーキペダル102を踏んだ場合に限って、エンジン1の点火時期を、現在のエンジン運転状態における点火時期に対して進角側に制御し、ドライバがブレーキペダル102を踏んでいない場合には、スロットルOFFであっても前記点火時期の進角側への制御は行わないことで、退避走行のドライバビリティを確保する点を技術的特徴としている。その具体的な制御の例(<実施形態1>〜<実施形態3>)について以下に説明する。
<実施形態1>
電子スロットル故障時の点火時期制御の一例について、図3に示すフローチャートを参照しつつ説明する。図3の制御ルーチンはECU200において所定時間(例えば8ms)毎に繰り返して実行される。
まず、ステップST101において、上記した故障判定方法により電子スロットルが故障しているか否かを判定する。ステップST101の判定結果が否定判定(NO)である場合(電子スロットルが正常である場合)は、通常時の点火時期制御を実行(継続)して(ステップST106)、リターンする。ステップST101の判定結果が肯定判定(YES)である場合つまり電子スロットル故障時である場合はステップST102に進む。
なお、この例において、電子スロットル故障が、デポジット等によりスロットルバルブ5がスティック(開固着や閉固着)している故障の場合は、ステップST101の判定結果は肯定判定(YES)とはならない(ステップST102には進まない)。この場合、この制御ルーチンを終了し、スロットルバルブ5の開固着・閉固着異常に対処するフェールセーフの処理を実行する。
ステップST102では、退避走行のために、スロットルバルブ5の開度をオープナ開度に固定した上で、ドライバのアクセルペダル操作によるアクセル開度(アクセル開度センサ27の出力信号から算出されるアクセル開度)に応じて、エンジン1の発生トルクを制御する。具体的には、アクセル開度に応じて、エンジン1の点火時期制御と、作動気筒数制御(全筒運転または減筒運転)とを組み合わせて実行する(エンジン1の点火時期制御のみを実行する場合もある)。
このステップST102で実行する点火時期制御は、基本的に、オープナ開度固定での退避走行において、ドライバのアクセルペダル操作によるアクセル開度に応じたエンジントルクが得られるように、通常制御時の基本点火時期(例えば、エンジン回転数及び負荷等に基づいて決まる点火時期)に対して、点火時期を遅角側に設定してトルクダウンを行う制御である。なお、退避走行時の点火時期制御において、例えば、ドライバがアクセルペダルを踏み込んだときに、そのトルクアップ要求に応じて、エンジン1の点火時期を、現状のエンジン運転状態における点火時期に対して進角側に制御する場合もある。
また、減筒運転は、エンジン1の全気筒(例えば4気筒)のうち、特定気筒(一部の気筒)の燃焼を停止(フューエルカット・点火カット)し、残余の気筒だけでエンジン1を作動させる制御であり、例えば、上記した点火時期の遅角側の制御によるトルクダウン量では足りない場合に減筒運転が行われる。
次に、ステップST103では、車速センサ31の出力信号に基づいて車両が走行中であるか否かを判定する。その判定結果が否定判定(NO)である場合はリターンする。ステップST103の判定結果が肯定判定(YES)である場合はステップST104に進む。
ステップST104においては、ブレーキスイッチ30の出力信号に基づいて、ブレーキONであるか否か(ドライバのブレーキペダル102の踏み込みによる積極的な制動要求があるか否か)を判定する。ステップST104の判定結果が否定判定(NO)である場合、ステップST102の制御(退避走行時の点火時期制御・作動気筒数制御)を継続する。つまり、ドライバのブレーキペダル102の踏み込みによる積極的な制動要求がない場合(ブレーキOFFの場合)には、制動力をアップするための点火時期の進角側への制御(ステップST105)を実行せずにリターンする。
一方、ステップST104の判定結果が肯定判定(YES)である場合、つまり、ドライバのブレーキペダル102の踏み込みによる積極的な制動要求がある場合(ブレーキONの場合)はステップST105に進む。ステップST105では、吸気管負圧(ブレーキ負圧)を確保できるように、エンジン1の点火時期を現在のエンジン運転状態の点火時期に対して進角側に制御する。具体的には、制動力をアップ[制動力>駆動力]するために、エンジン1の吸気管負圧が最大となるように点火時期を進角側に制御する。その後にリターンする。
ここで、制動力をアップするための点火時期の進角量(退避走行時のエンジン運転状態で決まる点火時期に対する進角量)については、スロットル開度をオープナ開度に固定した状態で、エンジン回転数及び負荷をパラメータとして吸気管負圧が最大となる点火時期を実験・シミュレーション計算等によって取得し、その取得した吸気管負荷が最大なる点火時期と、退避走行時のエンジン運転状態で決まる点火時期とに基づいて点火時期の進角量を適合・設定する。この点火時期の進角量の設定値(マップ等)は、例えばECU200のROM202に記憶される。
<作用・効果>
以上のように、この例の制御によれば、電子スロットル故障時のオープナ開度固定による退避走行において、走行時にドライバがブレーキペダル102を踏んで減速しようとした場合(積極的な制動要求がある場合)に限って、制動力を大きくすることを目的としてエンジン1の点火時期を進角側に制御して吸気管負圧(ブレーキ負圧)を増大させているので、十分な減速度を得ることができる。
一方、電子スロットル故障時の退避走行において、ドライバがブレーキペダル102を踏んでいない場合(積極的な制動要求がない場合)には、スロットルOFFであっても前記点火時期の進角側への制御は行わずに、ドライバのアクセルペダル操作に応じて点火時期制御・作動気筒数制御を実行するようにしているので、エンジントルクが増大することを抑制することができる。これによって、電子スロットル故障時の退避走行において、ドライバが減速(アクセルOFFによるエンジンブレーキでの減速)をしようとしたときの飛び出し感や、ブレーキOFF時の空走感を回避することができる。その結果として、良好なドライバビリティを確保することができる。
<実施形態2>
電子スロットル故障時の点火時期制御の他の例について、図4に示すフローチャートを参照しつつ説明する。図4の制御ルーチンはECU200において所定時間(例えば8ms)毎に繰り返して実行される。
図4に示す制御ルーチンにおいて、ステップST201〜ステップST204及びステップST206の各処理は、上記した図3の制御ルーチンのステップST101〜ステップST104及びステップST106の各処理と同じであるので、その詳細な説明は省略する。
この例において、電子スロットル故障時の退避走行においてドライバがブレーキペダル102を踏んだとき、つまり、ステップST204の判定結果が肯定判定(YES)となったとき(ブレーキON時)にステップST205に進む。
ステップST205では、[制動力>駆動力]となる吸気管負圧を確保できるようにエンジン1の点火時期を進角側に制御する。具体的には、下記の[点火時期の進角量の算出]及び[点火時期の進角量の補正]を行って点火時期の進角量(現在のエンジン運転状態における点火時期に対する進角量)を制御する。
[点火時期の進角量の算出]
車速センサ31の出力信号から得られる車速に基づいて図5(a)のマップを参照して要求制動力を算出し、その要求制動力を用いて図5(e)のマップを参照して点火時期の進角量を算出する。
こうした進角量の算出に用いる図5(a)のマップは、車速をパラメータとし、十分な減速度を得ることが可能な制動力を、実験・シミュレーション計算等によって取得し、その結果を基に適合した値(要求制動力)をマップ化したものである。この図5(a)のマップでは、車速が大きいほど要求制動力が大きくなるように設定されている。この図5(a)マップはECU200のROM202内に記憶されている。
また、図5(e)のマップは、図9に示すような制動力(吸気管負圧)と駆動力(エンジントルク)との関係を考慮し、要求制動力をパラメータとして、[制動力>駆動力]となるような点火時期の進角量(退避走行時のエンジン運転状態で決まる点火時期に対する進角量)を、実験・シミュレーション計算等によって取得し、その結果を基に適合した値(進角量)をマップ化したものである。この図5(e)のマップでは、要求進角量が大きいほど点火時期の進角量が大きくなるように設定されている。この図5(e)のマップもECU200のROM202内に記憶されている。
[点火時期の進角量の補正]
上記した処理にて算出した点火時期の進角量を発生負圧(絶対値)に用いて補正する。具体的には、吸気管負圧(発生負圧)がエンジン回転数に応じて変化する点を考慮して、エンジン回転数センサ25の出力信号から算出されるエンジン回転数に基づいて、図6(a)のマップを参照して発生負圧の絶対値(|発生負圧|)を求め、その|発生負圧|に基づいて図6(b)を参照して進角補正量を算出する。
そして、このような|発生負圧|を基に算出した進角補正量を用いて、上記した処理で算出した点火時期の進角量(車速に応じた要求制動力から算出した点火時期進角量)を補正する([点火時期進角量]−[進角補正量])。こうした補正を行うことにより、点火時期の進角量を適正な値とすることができる。この点について説明する。
まず、要求制動力が同じであっても、エンジン回転数が高い場合は低い場合と比較して|発生負圧|が大きくなるので、その分(|発生負圧|が大きい分)だけ点火時期の進角量を小さくしても、要求制動力(ブレーキ負圧)を確保することができる。こうした点から、|発生負圧|を考慮して点火時期の進角量を補正することにより、点火時期を余分に進角しないで済むので、適正な進角量を設定することができる。なお、このような点火時期進角量の補正は、[制動力>駆動力]を確保できる範囲での補正とする。
そして、このようにして算出した点火時期の進角量に基づいて、エンジン1の点火時期を制御する。
ここで、図6(a)のマップは、スロットル開度をオープナ開度に固定した状態で、エンジン回転数をパラメータとして、|発生負圧|を実験・シミュレーション計算等によって取得し、その結果を基に適合した値をマップ化したものである。この図6(a)マップはECU200のROM202内に記憶されている。
また、図6(b)のマップは、|発生負圧|が大きい場合は小さい場合と比較して点火時期の進角量を小さくしても同程度の制動力が得られる点、及び、[制動力>駆動力]を確保できるようにする点を考慮して、実験・シミュレーション計算等によって適合した値(進角補正量)をマップ化したものであって、この図6(b)のマップもECU200のROM202内に記憶されている。
<作用・効果>
以上のように、この例の制御によれば、電子スロットル故障時の退避走行において、ドライバがブレーキペダル102を踏んだ場合(積極的な制動要求がある場合)に限って点火時期を進角側に制御してブレーキ負圧(制動力)を確保(制動力>駆動力)する一方、ドライバがブレーキペダル102を踏んでいない場合(積極的な制動要求がない場合)にはスロットルOFFであっても点火時期の進角側への制御は行わないので、エンジントルクが増大することを抑制することができる。これによって、ドライバが減速(停車)しようとしたときの飛び出し感や、ブレーキOFF時の空走感を抑えることが可能となり、良好なドライバビリティを確保することができる。
しかも、この例の制御では、ドライバがブレーキペダル102を踏んだとき(積極的な制動要求があった場合)の点火時期の進角量を、車速及びエンジン回転数に応じて可変に設定しているので、点火時期の進角側への制御を適正に行うことができる。これによりブレーキON時にエンジン1の発生トルク(駆動力)が大きくなりすぎることがなく、十分な減速度を得ることができる。
ここで、この例では、車速のみに基づいて要求制動力を算出しているが、本発明はこれに限られることなく、要求制動力の変化(増減)に関連する他のパラメータ、例えば、車両の勾配、変速機のギヤ比、及び、補機負荷(オルタネータ負荷、エアコンディショナの負荷(エアコン負荷)など)を考慮して要求制動力を算出するようにしてもよい。その算出処理の一例について以下に説明する。
(1)勾配センサ32の出力信号に基づいて登坂・降坂を判定するとともに、その登坂・降坂の勾配(水平面に対する車両の勾配)を算出し、その算出した勾配を用いて図5(b)のマップを参照して要求制動力を算出する。(2)ECU200自体が認識している変速機のギヤ比に基づいて図5(c)のマップを参照して要求制動力を算出する。(3)オルタネータ負荷及びエアコン負荷などの補機負荷(ECU200自体が認識)に基づいて図5(d)のマップを参照して要求制動力を算出する。
そして、これら(1)〜(3)の処理で算出した要求制動力、及び、上記した車速に基づく要求制動力を考慮して、点火時期の進角量算出に用いる要求制動力を算出する。その算出方法の一例として、(1)〜(3)の処理で算出した要求制動力を考慮して、上記した車速に基づく要求制動力を補正(増減)するという処理を挙げることができる。
なお、(1)〜(3)の処理にて算出した要求制動力のいずれか1つもしくは2つの要求制動力と、上記した車速に基づく要求制動力とを考慮して、点火時期の進角量算出に用いる要求制動力を算出するようにしてもよいし、また、要求制動力に関する他のパラメータを考慮して、点火時期の進角量算出に用いる要求制動力を算出するようにしてもよい。
<実施形態3>
電子スロットル故障時の点火時期制御の別の例について、図7に示すフローチャートを参照しつつ説明する。図7の制御ルーチンはECU200において所定時間(例えば8ms)毎に繰り返して実行される。
図7に示す制御ルーチンにおいて、ステップST301〜ステップST304及びステップST306の各処理は、上記した図3の制御ルーチンのステップST101〜ステップST104及びステップST106の各処理と同じであるので、その詳細な説明は省略する。
この例において、電子スロットル故障時の退避走行においてドライバがブレーキペダル102を踏んだとき、つまり、ステップST304の判定結果が肯定判定(YES)となったとき(ブレーキON時)にステップST305に進む。
ステップST305では、例えば、上記した<実施形態1>のステップST105と同様な処理によって、ブレーキ負圧(吸気管負圧)を確保できるように点火時期を進角側(現在のエンジン運転状態における点火時期に対して進角側)に制御する。この点火時期の進角側への制御により、駆動力(発生トルク)が大きくなりすぎて、減速度が悪化するような状況(例えば、駆動力が制動力の近傍にまで増大するか、もしくは制動力よりも駆動力が大きくなるような状況)となるときには、特定の気筒(例えば1気筒)の燃焼を停止する減筒運転(フューエルカット・点火カット)を実行してトルクダウンを行う。
このように点火時期の進角に減筒運転を組み合わせ行うことにより、例えば図8に示すように、吸気管負圧を確保しながら、エンジン1の発生トルクを抑制することができる。なお、図8は、スロットル開度がオープナ開度(固定開度)であり、エンジン回転数が一定の状態での発生トルクの変化と吸気管負圧の変化とを示している。また、図8において減筒運転を行った場合に、吸気管負圧が上昇しているのは、燃焼停止(フューエルカット及び点火カット)を行った気筒では、燃焼室1a内での爆発時における吸気通路11側への排気の吹き戻しがないので、その分だけ吸気管負圧が大きくなることによる。
ここで、この例において、点火時期の進角制御に、減筒運転を組み合わせるか否かの判定に用いる判定条件については、例えば、吸気管負圧と点火時期進角量との関係を実験・シミュレーション計算等によって取得しておき、全筒運転では、減速度が悪化するような状況となる運転域(例えば車速・エンジン回転数等)を経験的に求めて、その結果を基に判定条件を設定するようにすればよい。
<作用・効果>
以上のように、この例の制御によれば、電子スロットル故障時の退避走行において、ドライバがブレーキペダル102を踏んだ場合(積極的な制動要求がある場合)に限って点火時期を進角側に制御してブレーキ負圧(制動力)を確保(制動力>駆動力)する一方、ドライバがブレーキペダル102を踏んでいない場合(積極的な制動要求がない場合)にはスロットルOFFであっても点火時期の進角側への制御は行わないので、エンジントルクが増大することを抑制することができる。これによって、ドライバが減速(停車)しようとしたときの飛び出し感や、ブレーキOFF時の空走感を抑えることが可能となり、良好なドライバビリティを確保することができる。
しかも、この例の制御では、ドライバがブレーキペダル102を踏んだとき(積極的な制動要求があった場合)の点火時期の進角制御に、減筒運転を必要に応じて組み合わせているので、エンジン1の発生トルクが大きくなりすぎることを抑制でき、十分な減速度を得ることができる。
なお、以上の各例(<実施形態1>〜<実施形態3>)において、車両が停車中のときには、ブレーキ負圧(吸気管負圧)を高くするための点火時期の進角は行わないようにすることが好ましい。その理由は、車両が停車中であるときには、車両の静摩擦力が高いため、点火時期を進角しなくても、ブレーキ装置による制動力を十分に確保できることによる。
−他の実施形態−
以上の例では、ブレーキON/OFFをブレーキスイッチ30にて検出しているが、本発明はこれに限られることなく、例えば、ブレーキマスタシリンダ圧力センサ、踏力スイッチ、または、ブレーキペダルセンサ等によってブレーキON/OFFを検出するようにしてもよい。これらのセンサを用いた場合、例えば、ブレーキ踏み込みの強さや、ブレーキの踏み込み速度などに応じて点火時期の進角量を設定するという制御も可能になる。
以上の例では、ポート噴射型ガソリンエンジンの点火時期制御に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、筒内直噴型ガソリンエンジンの点火時期制御にも適用可能である。また、直列多気筒ガソリンエンジンのほか、V型多気筒ガソリンエンジンの点火時期制御にも本発明を適用することができる。
本発明は、内燃機関(エンジン)の点火時期制御を含む各種制御を実行する制御装置に利用可能であり、さらに詳しくは、吸気管負圧を利用する負圧ブースタ式のブレーキ装置を備えた車両に搭載される内燃機関の制御装置に利用することができる。
1 エンジン
3 点火プラグ
4 イグナイタ
5 スロットルバルブ
6 スロットルモータ
11 吸気通路
23 エアフロメータ
25 エンジン回転数センサ
26 スロットル開度センサ
27 アクセル開度センサ
30 ブレーキスイッチ
31 車速センサ
101 ブレーキブースタ
102 ブレーキペダル
103 負圧導入路
200 ECU

Claims (6)

  1. 車両に搭載される内燃機関の吸気通路に配置されたスロットルバルブと、前記スロットルバルブのスロットル開度を制御するスロットル制御手段と、前記スロットル制御手段が故障しているか否かを判定する故障判定手段とを備え、前記故障判定手段によって前記スロットル制御手段が故障していると判定されたときにスロットル開度を所定開度に固定する内燃機関の制御装置であって、
    前記スロットル制御手段が故障しているときの走行時に、車両の制動要求があるか否かを判定し、制動要求がある場合は、前記内燃機関の点火時期を現在の機関運転状態における点火時期に対して進角側に制御し、制動要求がない場合には前記点火時期の進角側への制御を行わない故障時点火時期制御手段を備えていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の制御装置において、
    ブレーキONであるか否かを判定するブレーキON判定手段を備え、前記故障時点火時期制御手段は、ブレーキONである場合に「制動要求あり」と判定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1または2記載の内燃機関の制御装置において、
    前記故障時点火時期制御手段は、制動要求がある場合には、要求制動力に基づいて、前期内燃機関の点火時期を現在の機関運転状態における点火時期に対して進角側にする制御の進角量を設定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 請求項3記載の内燃機関の制御装置において、
    前記故障時点火時期制御手段は、要求制動力が大きい場合は小さい場合と比較して、前記点火時期の進角量を大きく設定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 請求項3または4記載の内燃機関の制御装置において、
    前記故障時点火時期制御手段は、前記要求制動力に加えて、前記内燃機関の吸気管負圧の発生量に基づいて、前期点火時期の進角量を設定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置において、
    前記車両に搭載される内燃機関が多気筒内燃機関であり、前記故障時点火時期制御手段は、制動要求がある場合には、前記内燃機関の発生トルクを考慮して、前期内燃機関の点火時期を現在の機関運転状態における点火時期に対して進角側にする制御に減筒運転を組み合わせて実行することを特徴とする内燃機関の制御装置。
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