JP2011131248A - 熱延鋼帯の下面冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱延鋼帯の製造ラインにおいて、ランアウトテーブルのように搬送テーブルロール間の間隔が狭い場所で熱延鋼帯を冷却するに際して、熱延鋼帯の下面側の冷却にスプレーノズルを用いる場合に、そのスプレーノズルからの冷却水が熱延鋼帯の上面に落下して、熱延鋼帯の幅端部が過冷却されることを的確に防止して、熱延鋼帯を幅方向に均一な温度で冷却することが可能な熱延鋼帯の下面冷却装置を提供する。
【解決手段】熱延鋼帯10の下面に対して冷却水を噴射するノズルとして、搬送テーブルロール4間に、冷却水3がノズル噴射口から広がって噴射されるスプレーノズル2を鋼帯幅方向に複数配置した熱延鋼帯の下面冷却装置において、ノズル噴射口からの冷却水の広がりとして、鋼帯幅方向への投影角で、垂直方向から鋼帯幅中央部方向への角度θが10゜以下になっていることを特徴とする熱延鋼帯の下面冷却装置。
【選択図】図4

Description

本発明は、熱間圧延された熱延鋼帯を冷却するに際して、熱延鋼帯の下面側の冷却にスプレーノズル(冷却水がノズル噴射口から広がって噴射されるノズル)を用いる場合に、そのスプレーノズルからの冷却水が熱延鋼帯の上面に落下して、熱延鋼帯の幅端部が過冷却されることを防止して、熱延鋼帯を幅方向に均一な温度で冷却することができる熱延鋼帯の下面冷却装置に関するものである。
熱延鋼帯の製造ラインでは、高温加熱したスラブが目的のサイズの鋼帯になるように圧延され、その後、その鋼帯(熱延鋼帯)は材質調整などの観点からランアウトテーブル上で冷却される。ここで行う冷却の目的は、主に鋼帯(以下では、単に鋼帯は熱延鋼帯を意味する)の析出物や変態組織を制御することにより目的の強度、延びなど材質を調整するために行われている。その冷却での冷却媒体としては、コストが安い水を使うことが多い。ここで、鋼帯の冷却後の幅方向温度分布が均一とならないと、鋼帯の幅方向で強度や延びなどの機械試験値が変化してしまい、局所的に所定の材質を得ることが出来なくなる。
熱延鋼帯では、上面はラミナーフローで冷却し、下面はスプレーで冷却することが多いが、一般的には、特に上面のラミナーフローによる冷却が原因で鋼帯の幅方向に不均一な温度分布が生じるといわれている。
すなわち、ラミナーフローで鋼帯の上面の冷却を行う際には、鋼帯の進行方向と直角に設けたヘッダに幅方向に複数のノズルを取り付け、各ノズルから一斉に冷却水を噴射するが、鋼帯の上面に到達した冷却水が鋼帯の幅方向に水流を形成するため、鋼帯のエッジ部(幅端部)に向かうほど通過水量が増加し、より多く冷却される。そのため、幅方向のエッジ近傍部分は中央部と比べて冷却能力が高くなり、鋼帯の両エッジ部が低温となる温度分布となることが多い。
一方、下面のスプレーによる冷却が原因で鋼帯の幅方向に不均一な温度分布が生じることもある。
すなわち、仕上げ圧延後にランアウトテーブルを通板する鋼帯の厚みは2〜4mm程度と薄く剛性が低いため、ランアウトテーブル上を安定して通板させるために、テーブルロールを密に配置している。例えば、多くのランアウトテーブルでは250〜300φ程度の径をもつテーブルロールを300〜400mmピッチで配置して、テーブルロール間のスペースを狭くしている。そのために、鋼帯の下面を冷却する際に、テーブルロール間にノズルが配置しにくいという問題がある。したがって、ランアウトテーブルでの熱延鋼帯の下面冷却では、狭いスペースに設置可能で且つ冷却面積を広くする目的でスプレーノズル(冷却水がノズル噴射口から広がって噴射されるノズル)を幅方向に複数個配置することが多い。このスプレーノズルを用いた冷却では、上方を鋼帯が通過しない幅方向位置(幅方向端部)に配置されたスプレーノズルから噴射される冷却水は、パスラインから数100mm〜数m吹き上がったのち落下するが、一部の冷却水は鋼帯の上面に落下する。この落下水も特に鋼帯幅端部の過冷却の原因となっている。
このような熱延鋼帯の幅端部の過冷却を防止するために、今まで様々な提案がなされてきた。
例えば、特許文献1には、上面ノズルについて、鋼帯幅端部に落下する冷却水量を鋼帯幅中央部と比べて少なく調整するための樋をノズル下方に設ける手法が記載されている。本手法は、この特許文献1以外にも複数開示されており、鋼帯幅端部に冷却水が落下しないように、遮蔽板を設ける手法も応用として提案されている。また、本手法は鋼帯の上面だけでは無く、鋼帯の下面に対しても適用される例がある。
また、特許文献2には、鋼帯上面のラミナーフロー冷却において、鋼帯幅端部を選択的に冷却するヘッダと、鋼帯幅中央部を選択的に冷却するヘッダに機能分割し、それぞれのヘッダからの注水をON−OFF制御することにより、鋼帯幅方向に流量分布をつけて鋼帯の幅方向の温度分布を制御する技術が開示されている。また、類似技術として、幅方向に取り付けるノズルの口径を幅方向で順次変化させ、幅方向の冷却水の流量を調整する手法もある。また、本手法は鋼帯の上面だけではなく、鋼帯の下面に対しても適用される例がある。
特開2005−238283号公報 特開平1−284419号公報
しかしながら、前述した特許文献1、2に記載の手法は、何れも熱延鋼帯の上面には有効な手段であるが、熱延鋼帯の下面の冷却に対しては実用上十分なものではない。
まず、特許文献1等に記載されているような、樋や遮蔽板などにより鋼帯幅端部の冷却水量を調整する手法は、主に鋼帯上面側の冷却を対象にしており、テーブルロールおよび水切りロールの間隔が広い場合のノズル配置について記載されている。したがって、熱延鋼帯のランアウトテーブルにおける鋼帯下面側の冷却のように、テーブルロール間隔が50〜100mm程度しかない場合、ノズルを幅方向に並べて設置するくらいのスペースしかなく、特許文献1に記載されているような遮蔽板を設置するスペースは事実上ない。
また、特許文献2に記載されているような、幅方向でノズルを分割する手法では、特定の鋼帯幅しか対応できない。熱延鋼帯の幅は数10mm単位で変化するため、これに対応しようとすると、幅方向で細かくヘッダを分割する必要がある。また、幅方向で冷却水の流量分布を調整する手法は、予め決まった鋼帯幅に対しては対応可能であるが、熱延鋼帯のように幅が800mm〜2400mm程度まで変化する場合には、1種類の幅方向の冷却水流量分布では対応が出来ない。
したがって、特許文献1、2には、鋼帯下面の冷却にスプレー冷却を採用した場合に生じる問題である、ノズル上方に鋼帯がない幅方向端部に配置されたノズルから噴射される冷却水が下方から吹き上がって鋼帯上面に落下し、鋼帯幅端部が過冷却されるという問題を防止する手段については何も記載されていないと言える。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、熱延鋼帯の製造ラインにおいて、ランアウトテーブルのように搬送テーブルロール間の間隔が狭い場所で熱延鋼帯を冷却するに際して、熱延鋼帯の下面側の冷却にスプレーノズルを用いる場合に、そのスプレーノズルからの冷却水が熱延鋼帯の上面に落下して、熱延鋼帯の幅端部が過冷却されることを的確に防止して、熱延鋼帯を幅方向に均一な温度で冷却することが可能な熱延鋼帯の下面冷却装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
[1]熱延鋼帯の下面に対して冷却水を噴射するノズルとして、搬送テーブルロール間に、冷却水がノズル噴射口から広がって噴射されるスプレーノズルを鋼帯幅方向に複数配置した熱延鋼帯の下面冷却装置において、ノズル噴射口からの冷却水の広がりとして、鋼帯幅方向への投影角で、垂直方向から鋼帯幅中央部方向への角度が10゜以下になっていることを特徴とする熱延鋼帯の下面冷却装置。
[2]スプレーノズルは、その中心軸が垂直方向になっているとともに、ノズル噴射口からの冷却水の広がりとして、前記中心軸から鋼帯幅中央部方向への広がり角度よりも前記中心軸から鋼帯幅端部方向への広がり角度の方が大きくなっていることを特徴とする前記[1]に記載の熱延鋼帯の下面冷却装置。
[3]スプレーノズルは、その中心軸に対して対称な広がり角度を持っているとともに、前記中心軸が垂直方向から鋼帯幅端部方向に30゜以下の角度で傾斜していることを特徴とする前記[1]に記載の熱延鋼帯の下面冷却装置。
[4]スプレーノズルがフラットスプレーノズルであることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の熱延鋼帯の下面冷却装置。
本発明においては、ランアウトテーブルのように搬送テーブルロール間の間隔が狭い場所で熱延鋼帯を冷却するに際して、熱延鋼帯の下面側の冷却にスプレーノズルを用いる場合に、そのスプレーノズルからの冷却水が吹き上がって熱延鋼帯の上面に落下して、熱延鋼帯の幅端部が過冷却されることが的確に防止される。この結果、熱延鋼帯を幅方向に均一な温度で冷却することが可能となり、高強度鋼帯を機械特性のバラツキなく製造することができる。
ランアウトテーブルの下面冷却装置におけるスプレーノズルの一般的な配置を鋼帯進行方向から見た正面図である。 ランアウトテーブルの下面冷却装置におけるスプレーノズルの一般的な配置を上方から見た平面図である。 ランアウトテーブルの下面冷却装置におけるスプレーノズルの一般的な配置の鋼帯進行方向に対する側面図である。 本発明の実施形態1におけるスプレーノズルの配置を鋼帯進行方向から見た正面図である。 本発明の実施形態1におけるスプレーノズルを示す図である。 スプレーノズルにおいて、垂直方向から鋼帯幅中央部方向への広がり角度θと鋼帯上に落下する冷却水の比率の関係を示すグラフである。 本発明の実施形態2におけるスプレーノズルの配置を鋼帯進行方向から見た正面図である。 本発明の実施形態2におけるスプレーノズルを示す図である。 本発明の実施形態2におけるスプレーノズルを示す図である。 本発明の実施形態2におけるスプレーノズルを示す図である。 本発明の実施例における熱延鋼帯製造ラインを示す図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明は、熱延鋼帯製造ラインにおいて、ランアウトテーブルのように搬送テーブルロール間の間隔が狭い場所で熱延鋼帯を冷却するに際して、熱延鋼帯の下面側の冷却にスプレーノズルを用いる場合に、そのスプレーノズルからの冷却水が熱延鋼帯の上面に落下して、熱延鋼帯の幅端部が過冷却されることを防止して、熱延鋼帯を幅方向に均一な温度で冷却しようとするものである。
まず、熱延鋼帯製造ラインのランアウトテーブルに設置されている下面冷却装置におけるスプレーノズルの一般的な配置について説明する。図1は鋼帯進行方向から見た正面図、図2は上方から見た平面図、図3は鋼帯進行方向に対する側面図である。
図1〜図3に示すように、ランアウトテーブルに設置されている下面冷却装置は、ヘッダ1と、冷却水3がノズル噴射口から広がって扇型に噴射されるフラットスプレーノズル2とから構成されている。フラットスプレーノズル(以下、スプレーノズル)2は、テーブルロール4の間に設置されており、鋼帯幅方向に所定のピッチ(例えば100mm)で複数配置されている。これらのスプレーノズル2から幅方向に広がって噴射される冷却水3により、スプレーノズル2の直上だけでなく、隣接するスプレーノズル2間においても鋼帯の冷却がなされる。なお、熱延鋼帯のランアウトテーブルの場合、250〜300φ程度の径をもつテーブルロール4を300〜400mmピッチで配置しているため、テーブルロール4間の隙間は、50〜100mm程度とスペースが狭く、テーブルロール4間には、スプレーノズル2は長手方向(鋼帯進行方向)に1列しか設置できない。
そして、この状態でスプレーノズル2から冷却水3を噴射すると、図1に示すように、鋼帯10の直下から噴射される冷却水3は、鋼帯10に衝突して下方に落下するが、鋼帯10の外側から噴射される冷却水3は、広がって噴射されるため、鋼帯10上面に落下する。この鋼帯10上面に落下する落下水9が鋼帯10の幅端部における過冷却を誘発する。
そこで、本発明の実施形態では、スプレーノズル2から噴射される冷却水3の広がり角度を調整して、垂直方向から鋼帯幅中央部側への冷却水3の広がり角度を小さくし、垂直方向から鋼帯幅端部側への広がり角度を大きくする。具体的には、鋼帯幅方向への投影角で、垂直方向から鋼帯幅中央部方向への広がり角度が10゜以下となるようにする。
[実施形態1]
本発明の実施形態1においては、スプレーノズル2について、図4に示すように、スプレーノズル2の取り付け方向を垂直方向にして、噴射される冷却水3の広がり角度を、垂直方向から鋼帯幅中央部側へは小さくし、垂直方向から鋼帯幅端部側へは大きくしている。すなわち、図5に示すように、スプレーノズル2の中心軸2aを垂直方向にした際に、その中心軸2aに対して、鋼帯幅中央部側への広がり角度θ1より鋼帯幅端側への広がり角度θ2の方が大きくなるスプレーノズルを用いている。
その際に、冷却ヘッダ1の幅方向中央部に対して、対称に冷却水3が広がるようにスプレーノズル2を配置し、幅方向中央部のスプレーノズル2間のノズルピッチP1はその他のスプレーノズル2間のノズルピッチP2に対して狭くし、スプレーノズル2間で冷却がなされるように配置する。
このときの垂直方向から鋼帯幅中央部側への広がり角度については、図5に示すように、スプレーノズル2から噴射される冷却水3の鋼帯進行方向からみた投影で、垂直方向(ここでは、スプレーノズル2の中心軸2aの方向)に対して、鋼帯幅中央部方向への広がり角度をθ(ここでは、θ=θ1)として、一本のスプレーノズル2から噴射される冷却水3の総水量に対して、何%が鋼帯10上に落下するかを調査した結果を図6に示す。
これより、鋼帯幅中央部方向への広がり角度θが小さくなるほど、鋼帯10上へ落下する冷却水9が少なくなることが分かる。実用上、鋼帯10の上面及び下面に対して同時に冷却水を噴射する場合では、鋼帯10上に落下する冷却水9が、1本のスプレーノズル2から噴射される冷却水3の10%以下とすれば、鋼帯幅端部の過冷却は発生しない。これは、鋼帯10上面からも冷却しているため、鋼帯10上に液膜が形成されており、これにより鋼帯幅端部に落下する冷却水9の影響が少なくなるからである。よって、図6に基づいて、垂直方向から鋼帯幅中央部方向への広がり角度θが10゜以下になるようにすればよい。
ただし、鋼帯10上面に対して冷却水を噴射しない場合は、鋼帯10下面に対する冷却水2が鋼帯10上に落下する量はほぼ0にする必要があるため、鋼帯幅中央部方向への広がり角度θは0゜以下が好ましい。無論、鋼帯幅中央部方向への広がり角度θをマイナスとし、常に鋼帯幅方向の外向け(鋼帯幅端部方向)に冷却水3が噴射できれば更に好ましい。
なお、鋼帯10下面の冷却をスプレーノズル2としているのは、スプレーノズル2間での冷却を実施するためであるので、1本のスプレーノズル2で幅方向にある程度の長さ(少なくともノズルピッチと同等程度)に渡って冷却する必要がある。そのため、鋼帯幅方向外向け(鋼帯幅端部方向)への広がり角度θ2はある程度大きくする必要がある。実用上は、ノズルピッチよりも広く冷却水が衝突するような構造のスプレーノズルを採用すればよい。
[実施形態2]
本発明の実施形態2においては、図7に示すように、スプレーノズルの中心軸に対して対称な広がり角度を持つスプレーノズルを用いて、そのスプレーノズル2の中心軸を鋼帯幅方向外向け(鋼帯幅端部方向)に傾斜させて設置している。すなわち、図8に示すように、スプレーノズル2の中心軸2aに対する鋼帯幅中央部側への広がり角度θ1と鋼帯幅端側への広がり角度θ2が等しいスプレーノズルを用いて、中心軸2aを垂直方向から鋼帯幅端部方向に角度φだけ傾斜させて設置している。
この実施形態2でも、前述の実施形態1と同様に、スプレーノズル2から噴射される冷却水3の鋼帯進行方向からみた投影で、垂直方向に対して、鋼帯幅中央部方向への広がり角度をθ(ここでは、θ=φ−θ1)が10゜以下となるように配置すればよい。
その際に、冷却ヘッダ1の幅方向中央部に対して、対称に傾斜するようにスプレーノズル2を配置し、幅方向中央部のスプレーノズル2は、幅方向に傾斜させず、垂直方向に冷却水を噴射して、幅中央部でもスプレーノズル2間で冷却がなされるように配置する。
スプレーノズル2を傾斜させるには図9や図10に示すような方法がある。図9に示すように、ヘッダ1から配管20を取り出し、その配管20の先端に傾斜継手21を介してスプレーノズル2を取り付けたり、図10に示すように、ヘッダ1からスプレーノズル2を接続する配管を傾斜してヘッダ1に取り付けたりしてもかまわない。
ここで、スプレーノズル2の傾斜角度φは30゜以下であることが好ましい。30゜よりも大きく傾斜させると、例えば図9のように傾斜継手21を用いて傾斜した場合、傾斜継手21の個所で偏流が発生し、スプレーノズル2から均等に冷却水3が噴射できなくなるからである。
なお、上記において、実施形態1では、幅方向中央部に配置されるスプレーノズルのノズルピッチP1をその他のノズルピッチP2よりも狭くして配置しているが、これを実施形態2で実施してもかまわない。また、実施形態2では、幅方向中央部に配置されるスプレーノズルが垂直方向に噴射するように配置しているが、これを実施形態1で実施してもかまわない。
また、スプレーノズルとしては、実施形態1、2のように、冷却水が扇型に噴射されるフラットスプレーノズルを用いることが好ましい。冷却水が円形に広がって噴射されるフルコーンスプレーノズルや冷却水が矩形に広がって噴射される角吹きスプレーノズル等を用いてもよいが、その場合は、実施形態1、2のように、冷却水の広がりが垂直方向に対して非対称になるように噴射しようとすると、鋼帯衝突面で円形若しくは矩形が保てず、楕円形や菱形になり、適切に配置することが難しい。また、それぞれ隣り合うスプレーノズルから噴射される冷却水が鋼帯に衝突する前に干渉し、冷却水の速度が低下するため、スプレーノズル間で温度ムラが発生する危険がある。これに対して、図2に示したように、フラットスプレーノズルを鋼帯進行方向に捻りを持たせて配置することで、それぞれ隣り合うスプレーノズルから噴射される冷却水が鋼帯衝突前に干渉することなく冷却が可能となり、スプレーノズル間での温度ムラは発生しない。
本発明の実施例について説明する。
図11は、本発明の実施例における熱延鋼帯製造ラインのレイアウトを示したものである。250mm厚みのスラプが加熱炉60により約1200℃まで加熱された後、粗圧延機群61により40mm厚みまで圧延され、仕上げ圧延機群62により2.6mmまで圧延される。圧延後は、ランアウトテーブル63で所定の温度まで冷却された後、コイラー64で巻き取られる。
そして、ランアウトテーブル63では、鋼帯上面の冷却をヘアピンラミナーの上面冷却装置71(上面冷却装置群72)によって行い、鋼帯下面の冷却をスプレーノズルによる下面冷却装置75(下面冷却装置群76)によって行う。ここで、上面冷却装置71は下面冷却装置75と対で設置されており、それぞれのテーブルロールの上に冷却水が落下するようになっている。ランアウトテーブル63での冷却前後の鋼帯の温度分布は、放射温度計65により測定することができる。
ここで、下面冷却装置75におけるテーブルロールとスプレーノズル(フラットスプレーノズル)の幾何学的な関係等は以下のとおりにした。
テーブルロール径:140mm、テーブルロールピッチ:350mm、スプレーノズルと鋼帯間の距離:150mm、ノズル中心軸からの広がり角度:75゜、スプレーノズルの幅方向取り付けピッチ:150mm、スプレーノズル一本あたりの流量:20L/min、テーブルロール間水量密度:700L/min・mm、冷却水圧力:0.02MPaである。
そして、本発明例として、下面冷却装置75に、本発明の実施形態2に基づいた下面冷却装置(図7、図8、図9)を用いて鋼帯下面の冷却を行った。すなわち、スプレーノズルの中心軸を鋼帯幅端部方向に角度φだけ傾斜させて設置して、垂直方向に対する鋼帯幅中央部方向への広がり角度をθが10゜以下となるようにした。その際に、表1に示すように、本発明例1では、傾斜角度φを15°にして、鋼帯幅中央部方向広がり角度θを8°にし、本発明例2では、傾斜角度φを20°にして、鋼帯幅中央部方向広がり角度θを6°にし、本発明例3では、傾斜角度φを30°にして、鋼帯幅中央部方向広がり角度θを−7°にした。また、本発明例4では、傾斜角度φを40°にして、鋼帯幅中央部方向広がり角度θを−17°にした。
一方、比較例として、下面冷却装置75に、垂直方向に対する鋼帯幅中央部方向への広がり角度θが10゜超えとなるようにスプレーノズルが配置された下面冷却装置を用いて鋼帯下面の冷却を行った。すなわち、表1に示すように、比較例1では、傾斜角度φを0°にして、鋼帯幅中央部方向広がり角度θを23°にし、比較例2では、傾斜角度φを10°にして、鋼帯幅中央部方向広がり角度θを13°にした。
そして、放射温度計65で測定した冷却後の鋼帯の温度分布によって、鋼帯下面冷却の評価を行うことにした。なお、材質の許容上、鋼帯の幅方向の温度偏差は20℃以下にする必要があり、できれば10℃以下にすることが好ましい。
比較例および本発明例における鋼帯下面冷却の評価を表1に示す。なお、表1においては、冷却後の鋼帯の温度分布について、鋼帯幅中央部と鋼帯幅端部との温度偏差ΔT1と、スプレーノズル間の温度偏差ΔT2とを示しており、温度偏差ΔT1、ΔT2がともに10℃以下の場合を非常に良好(◎)と評価し、温度偏差ΔT1、ΔT2がともに20℃以下であるが、少なくともいずれかが10℃超えの場合を良好(○)と評価した。一方、温度偏差ΔT1、ΔT2の少なくともいずれかが20℃超えの場合を不良(×)と評価した。
その結果、表1に示すように、比較例1、2では、スプレーノズル間の温度偏差ΔT2は1℃と小さく特に問題はなかったが、鋼帯幅中央部と鋼帯幅端部との温度偏差ΔT1が比較例1で50℃、比較例2で45℃となり、不良(×)と評価された。そして、この鋼帯幅端部の過冷却によって、所定の材質を得ることが出来なかった。
これに対して、表1に示すように、本発明例1〜3では、鋼帯幅中央部と鋼帯幅端部との温度偏差ΔT1が10℃以内、スプレーノズル間の温度偏差ΔT2が3℃以内と、非常に良好(◎)に冷却が行われた。その結果、鋼帯幅方向すべてで非常に良好に目的の材質を得ることが出来た。
また、本発明例4では、鋼帯幅中央部と鋼帯幅端部との温度偏差ΔT1は7℃と10℃以内になった。ただし、スプレーノズルの傾斜角度φを30゜よりも大きくしたために、冷却水に偏流が発生し、スプレーノズル間の温度偏差ΔT2が15℃と大きくなったことから、良好(○)と評価された。
Figure 2011131248
1 ヘッダ
2 スプレーノズル(フラットスプレーノズル)
2a スプレーノズルの中心軸
3 冷却水
4 テーブルロール
9 落下水
10 鋼帯(熱延鋼帯)
20 配管
21 傾斜継手
60 加熱炉
61 粗圧延機群
62 仕上げ圧延機群
63 ランアウトテーブル
64 コイラー
65 放射温度計
71 上面冷却装置
72 上面冷却装置群
75 下面冷却装置
76 下面冷却装置群

Claims (4)

  1. 熱延鋼帯の下面に対して冷却水を噴射するノズルとして、搬送テーブルロール間に、冷却水がノズル噴射口から広がって噴射されるスプレーノズルを鋼帯幅方向に複数配置した熱延鋼帯の下面冷却装置において、ノズル噴射口からの冷却水の広がりとして、鋼帯幅方向への投影角で、垂直方向から鋼帯幅中央部方向への角度が10゜以下になっていることを特徴とする熱延鋼帯の下面冷却装置。
  2. スプレーノズルは、その中心軸が垂直方向になっているとともに、ノズル噴射口からの冷却水の広がりとして、前記中心軸から鋼帯幅中央部方向への広がり角度よりも前記中心軸から鋼帯幅端部方向への広がり角度の方が大きくなっていることを特徴とする請求項1に記載の熱延鋼帯の下面冷却装置。
  3. スプレーノズルは、その中心軸に対して対称な広がり角度を持っているとともに、前記中心軸が垂直方向から鋼帯幅端部方向に30゜以下の角度で傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の熱延鋼帯の下面冷却装置。
  4. スプレーノズルがフラットスプレーノズルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱延鋼帯の下面冷却装置。
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