JP2010167501A - 鋼板の冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却能力に優れ、冷却後の鋼板の温度分布が小さな鋼板の冷却装置を提供する。
【解決手段】鋼板4の移動方向及び幅方向に沿って複数配列されたスプレーノズル3cから水噴流を噴射させて鋼板4を冷却させる冷却装置において、水噴流の最大広がり角度が10°〜30°、スプレーノズル先端から一面までの距離が200m〜700m、一面上における水噴流の水量密度が2m/m/分以上であり、一面上における各水噴流の噴流衝突領域が鋼板の幅方向に沿って相互に少なくとも接するとともに幅方向に対する傾斜方向に沿って相互に少なくとも接し、かつ幅方向に沿って配列される噴流衝突領域同士が各噴流衝突領域の半径の0%以上100%以下の範囲の重なり幅をもって重なり合わされるように、複数のスプレーノズルが配置され、熱伝達率が6000(W/m・K)以上である冷却装置を採用する。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、熱間圧延工程や熱処理工程で搬送中の鋼板の冷却に関し、特に、温度が950℃以上の鋼板を効率よく冷却することが可能な技術に関するものである。
一般に鋼板の圧延設備は、加熱炉と粗圧延装置と複数の圧延スタンドからなる仕上げ圧延装置とが、鋼板の移動方向に沿って1列に配列されて概略構成されている。鋳造設備から供給されたスラブは、圧延を容易にするために、加熱炉によって1200℃程度に加熱されてから粗圧延装置に供給され、粗圧延装置によって厚さ30〜50mm程度の粗圧延鋼板に加工される。その後、クロップシャー処理,デスケーリング処理、を経て仕上げ圧延装置に送られる。このときの粗圧延鋼板の表面温度は加熱炉の設定にもよるが1100℃ないし1150℃程度になる場合がある。
仕上げ圧延装置においては、スケール疵の発生を防止するために、粗圧延鋼板の温度を1050℃以下にしてから圧延を行ないたいという要請が有る。粗圧延直後の粗圧延鋼板の表面温度は前述のように1100℃ないし1150℃程度なので、仕上げ圧延前に50℃ないし100℃程度冷却させる必要が有る。従来は、粗圧延鋼板を仕上げ圧延装置の手前で一旦停めて放冷し、鋼板の表面温度が1050℃以下になるのを待ってから仕上げ圧延装置に送っていたが、この待ち時間の発生によって生産効率が低下するという問題があった。
生産効率を改善させるには、仕上げ圧延装置の手前に冷却装置を配置して鋼板を冷却させれば良いが、現実には、粗圧延装置と仕上げ圧延装置の間には、デスケーリング装置、表面温度計、エッジャー装置、クロップシャー装置等の設備が既に配置されており、冷却装置を設置しようにもそのスペースが極めて限られるという事情が有る。このため、仕上げ圧延前のスペースが限られることから、冷却時間が1秒程度で鋼板温度が40℃以上低下するだけの冷却能力が必要である。
一方、従来から様々な鋼板の冷却装置が提案されている。
例えば、特許文献1(特開2001−240915号公報)には、鋼板上に複数の冷却ノズルを配置し、各冷却ノズルから棒状の水噴流を噴射させて鋼板を冷却する技術が開示されている。この特許文献1に記載の技術によれば、鋼板上における棒状の水噴流の噴流衝突領域が相互に離間しており、鋼板に対する噴流衝突領域の面積率が数%程度と低くなっている。またこの特許文献1に記載の技術は、仕上げ圧延後という記載から、表面温度900℃以下の鋼板に適用されるものであり、仕上げ圧延前の1000℃程度の高温の鋼板に適用されるものではない。1000℃程度の鋼板に対し,本技術を適用して棒状の水噴流を噴射させると、鋼板上の水噴流の衝突領域では水が直接鋼板に当たって効率よく冷却が行なわれるものの、衝突領域の周辺では水流が鋼板表面に沿って流れるため、950℃以上の高温鋼板を冷却する際には水流と鋼板との境界で水の蒸発による蒸気膜が発生し、この蒸気膜の影響によって効率よく冷却が行なわれなくなる。このように、特許文献1に記載の技術を高温の鋼板に適用しても、冷却能力を高めることができない問題があった。
仕上げ圧延前の高温の鋼板に対して特許文献1に記載の技術を適用するためには、冷却能力を補うために冷却ノズルを何台も設置する必要が生じるが、上述のように粗圧延装置と仕上げ圧延装置の間のスペースが限られているので、設置台数が制限され、結果的に冷却能力が不足してしまう。
また特許文献2(特開2002−126814号公報)には、仕上げ圧延装置の手前において、温度調整のために鋼板を待機させることによって生じる遅れ時間の解消を目的として、粗圧延装置を構成する複数の粗圧延スタンドの間に冷却水を噴射する冷却装置を配置し、仕上げ圧延前での温度を予測してあらかじめ冷却する技術が開示されている。しかし、この方法では、仕上げ圧延直前で予測値が外れた場合リカバリーが困難であり、また、冷却装置による冷却水の具体的な噴射方法は開示されていない。
更に、特許文献3(特公昭60−48241号公報)には、デスケーリング装置と仕上げ圧延装置の第1スタンドとの間、または仕上げ圧延装置の第1スタンドと第2スタンドとの間に、鋼板のスケール疵発生臨界温度以上の幅方向中央部を強制冷却する水冷装置が開示されている。しかし、最近の多品種少量生産の傾向から、仕上げ圧延装置には幅の異なる鋼板が供給されることがあり、文献3の装置では鋼板の幅方向の温度を均一にするのが難しくなるという問題がある。また同文献の図5に示すように、仕上げ圧延装置の第1スタンドの直前に水冷装置が配置されているので、鋼板の表面温度が低下したまま圧延が行なわれることになり、鋼板の品質に悪影響が及ぶ可能性がある。また、冷却装置による冷却水量、ノズルの種類、ノズルと鋼板の距離などの設置方法の具体的な開示されていない。
更にまた、特許文献4(特開平8−238518号公報)には、鋼板に対して複数のスプレーノズルから水噴流を噴射させ、鋼板上における水噴流の噴射域を相互に重なるようにした冷却方法が開示されている。しかし、この特許文献5には、スプレーノズルの噴射角度について90°以下がよいとされるに留まっており、噴射角度と設置スペースとの関係について何ら詳細に検討されていない。また、スプレーノズルから鋼板までの距離と設置スペースとの関係についても何ら開示されていない。更に、特許文献4では、主に仕上げ圧延後の厚鋼板の冷却を対象にしており、950℃以上の厚鋼板を短時間で冷却するための水量、ノズルと鋼板の距離などの設置方法などの開示はなされていない。以上のことから、特許文献4に記載された技術をそのまま圧延設備に適用しようとしても、設置スペースの問題を解消できないし、冷却能力を確保できるか否かが明確ではない。
また、従来の装置による厚鋼板の冷却能力としては非特許文献1に記載があり、仕上げ圧延後で温度域は本発明の目的温度域より低くなっているが40mmの板厚で約20℃/秒となっている。水の冷却能力は、図22に示すように鋼板の表面温度により、膜沸騰域、遷移沸騰域、核沸騰域と異なっている。本発明の目的温度域である950℃以上の高温鋼板では一般に膜沸騰域であり、熱伝達率は低くなっている。すなわち、従来技術との比較でわかるように本発明の目的で必要とされる冷却能力は冷却温度域をも考慮に入れると、非常に高いものであることがわかる。これまでに冷却時間が1秒程度で40mm程度の鋼板温度が50℃以上低下するだけの冷却能力を備えた装置は、工業的には示されていない。
特開2001−240915号公報 特開2002−126814号公報 特公昭60−48241号公報 特開平8−238518号公報
小俣、吉村、山本、「高度な製造技術で応える高品質高性能厚鋼板」、NKK技報、JFEスチール株式会社、2002年11月、No.179、p.58
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、冷却能力が十分であり、冷却後の鋼板の幅方向および長手方向の温度分布のバラツキが小さく、しかも装置自体がコンパクトで広い設置スペースがなくても圧延設備の付加させることが可能であり、圧延工程の効率を向上させることが可能な冷却装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の鋼板の冷却装置は、一方向に移動される20mm厚以上の鋼板の一面に対し、鋼板の移動方向及び鋼板の幅方向に沿って複数配列されたスプレーノズルから各々略充錐体形状の水噴流を噴射させて前記鋼板を冷却させる鋼板の冷却装置において、前記冷却装置の下流側に少なくとも1台以上の圧延スタンドを有し、前記一面上における前記水噴流の水量密度が2m/m/分以上であるとともに、前記水噴流の形状が充円錐形状、充楕円錐形状、長円錐形状のいずれかまたはこれらが混在したものであり、前記一面上における前記各水噴流の噴流衝突領域が鋼板の幅方向に沿って少なくとも相互に連続するとともに、鋼板の幅方向に対する傾斜方向に沿って少なくとも相互に連続するように、前記複数のスプレーノズルが前記鋼板の上面及び下面の両側に配置されており、熱伝達率が最大で6000(W/m・K)以上であり、冷却停止してから復熱した時の表面温度が950℃以上に制御するものであることを特徴とする。
また、本発明の鋼板の冷却装置においては、前記略充錐体形状の水噴流の最大広がり角度が10°以上30°以下の範囲であり、前記スプレーノズル先端から前記一面までの距離が200mm以上700mm以下の範囲であることが好ましい。
なお、噴流衝突領域が連続するとは、噴流衝突領域が相互に接していることを含み、また噴流衝突領域が相互に重なり合わされていることも含む。
また本発明の鋼板の冷却装置においては、前記一面上における前記水噴流の水量密度が8m/m/分以上であることが好ましい。
また本発明の鋼板の冷却装置においては、前記一面上における前記各水噴流の噴流衝突領域が鋼板の移動方向に沿って相互に稠密に接するように前記複数のスプレーノズルが配置されていることが好ましい。
また本発明の鋼板の冷却装置においては、前記鋼板の幅方向に対する傾斜方向に沿って配列される噴流衝突領域同士が各噴流衝突領域の半径の0%以上100%以下の範囲の重なり幅をもって重なり合わされるように、前記複数のスプレーノズルが配置されていることが好ましい。
また本発明の鋼板の冷却装置においては、前記鋼板の幅方向に沿って配列される噴流衝突領域同士が各噴流衝突領域の半径の0%以上100%以下の範囲の重なり幅をもって重なり合わされるように、前記複数のスプレーノズルが配置されていることが好ましい。
また本発明の鋼板の冷却装置においては、前記上面側に配置されるスプレーノズルの水量密度と、前記下面側に配置されるスプレーノズルの水量密度との比(下面側/上面側)が、1以上2以下の範囲であることが好ましい。
また本発明の鋼板の冷却装置においては、各スプレーノズルにおける水量密度が同一の値に設定されていることが好ましい。
また本発明の鋼板の冷却装置においては、前記鋼板の移動方向の上流側及び下流側に一対の水切り用スプレーノズルを配置させ、これら水切り用スプレーノズルの間に前記複数のスプレーノズルが配置されていることが好ましい。
本発明の鋼板の冷却装置は、950℃以上の高温の鋼板に対して好適に適用される。ここで、鋼板に対する冷却能力は熱伝達率(W/m・K)、あるいは鋼板の冷却速度で評価することができる。鋼板の冷却速度は、冷却前後の鋼板の厚み方向断面の平均温度の差を冷却時間で除したものである。
本発明の冷却装置においては、水噴流による噴流衝突領域が鋼板の幅方向及び幅方向に対する傾斜方向に沿って少なくとも相互に連続しているので、これにより鋼板の表面温度が連続的に低下される。上記の熱伝達率は、図22に示すように鋼板の表面温度により、膜沸騰域、遷移沸騰域、核沸騰域と異なっており、950℃以上の高温鋼板では一般に膜沸騰域であり、熱伝達率は低くなっている。冷却対象である鋼板の温度が低くなると遷移沸騰域に入り、冷却能力が向上する傾向にあるので、鋼板に水噴流が衝突している間に鋼板一面の温度が徐々に低下することにより熱伝達率が次第に高まり、冷却能力を向上させることが可能になる。
また本発明の冷却装置によれば、水噴流の最大広がり角度と、ノズル先端から鋼板までの距離とが上記の範囲に設定されているので、冷却装置自体をコンパクトにすることができ、既存の圧延設備に容易に導入させることが可能になる。また、水噴流の最大広がり角度を30°以下に設定することで、鋼板に対する水噴流の垂直方向の成分を増やすことができ、冷却能力をより高めることができる。
更に、水量密度が2m/m/分以上、より好ましくは8m/m/分以上に設定されているので、冷却能力を大幅に向上できる。
また本発明の冷却装置によれば、噴流衝突領域が鋼板の移動方向に沿って相互に稠密に接することによって、鋼板の移動方向に沿って複数の噴流衝突領域の連続する部分が多くなり、鋼板の表面温度がより低下される。このため、熱伝達率が更に高まり、冷却能力をより向上させることが可能になる。
また、本発明の冷却装置によれば、鋼板の幅方向に沿って配列される噴流衝突領域同士が上記の重なり幅をもって重なり合わされるので、鋼板の幅方向の冷却能力にバラツキが生じるおそれがなく、鋼板を均一に冷却することが可能になる。
また、鋼板の幅方向に対する傾斜方向に沿って配列される噴流衝突領域同士が上記の重なり幅をもって重なり合わされることによって、鋼板の移動方向の冷却能力にバラツキが生じるおそれがなく、鋼板を均一に冷却することが可能になる。
また本発明の冷却装置によれば、複数のスプレーノズルが鋼板の両面側に配置されていることによって、冷却能力をより向上できる。
以上説明したように、本発明によれば、高い冷却能力があり、冷却後の鋼板の幅方向および長手方向の温度分布のバラツキが小さく、しかも装置自体がコンパクトで広い設置スペースがなくても圧延ラインの付加させることが可能であり、圧延工程の効率を向上させることが可能な冷却装置を提供できる。
また、本発明の冷却装置は、表面温度が950℃以上の鋼板に対して好適に適用できる。
図1は本発明の実施形態の冷却装置を備えた圧延装置の一例を示す側面模式図である。 図2は、本発明に係るスプレーノズルにおける水噴流の噴射状態を示す図であって、Aは水噴流が円錐形状となるフルコーンスプレーノズルの例を示す斜視図であり、Bは水噴流が楕円錐形状となる楕円型スプレーノズルの例を示す斜視図であり、Cは水噴流が長円錐形状となる長円型スプレーノズルの例を示す斜視図である。 図3は本発明の実施形態である冷却装置のスプレーノズルの配置及び噴流衝突領域の一例を示す平面模式図である。 図4は水噴流の最大広がり角度と、スプレーノズル先端から鋼板の一面までの距離との関係を示すグラフである。 図5は本発明の実施形態である冷却装置のスプレーノズルの配置及び噴流衝突領域の別の例を示す平面模式図である。 図6は本発明の実施形態である冷却装置のスプレーノズルの配置及び噴流衝突領域の他の例を示す平面模式図である。 図7は本発明の実施形態である冷却装置のスプレーノズルの配置及び噴流衝突領域の更に別の例を示す平面模式図である。 図8は本発明の実施形態である冷却装置のスプレーノズルの配置及び噴流衝突領域の更に他の例を示す平面模式図である。 図9は実験例1において用いた冷却装置の構成を示す側面模式図である。 図10は、鋼板の温度と冷却時間(冷却回数)との関係を示すグラフである。 図11は、図10の拡大図である。 図12は、冷却1回目における冷却時間と熱伝達率との関係を示すグラフである。 図13は、冷却2回目における冷却時間と熱伝達率との関係を示すグラフである。 図14は、鋼板の温度と冷却時間との関係を示すグラフである。 図15は、冷却前の鋼板の温度と、鋼板の下面側から水噴流を噴射させて冷却した際の鋼板の降下温度との関係を示す図であって、鋼板厚さが40mmの場合のプロット図である。 図16は、冷却前の鋼板の温度と、鋼板の上面側から水噴流を噴射させて冷却した際の鋼板の降下温度との関係を示す図であって、鋼板厚さが20mmの場合のプロット図である。 図17は、冷却前の鋼板の温度と、鋼板の下面側から水噴流を噴射させて冷却した際の鋼板の降下温度との関係を示す図であって、鋼板厚さが20mmの場合のプロット図である。 図18は、冷却前の鋼板の温度と、鋼板の上面側から水噴流を噴射させて冷却した際の鋼板の降下温度との関係を示す図であって、鋼板厚さが20mmの場合のプロット図である。 図19は、冷却前の鋼板の温度と、鋼板の下面側から水噴流を噴射させて冷却した際の鋼板の降下温度との関係を示す図であって、鋼板水噴流の最大広がり角度が15°、ノズル先端から鋼板までの距離が440mmの場合のプロット図である。 図20は、実施例1の冷却装置を用いて鋼板を冷却させた際のノズル及び噴流衝突領域の配置と熱伝達率との関係を示す模式図である。 図21は、比較例1の冷却装置を用いて鋼板を冷却させた際のノズル及び噴流衝突領域の配置と熱伝達率との関係を示す模式図である。 図22は、水冷時の鋼板表面温度と熱伝達率の関係を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明において参照する図は、本発明に係る鋼板の冷却装置の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の冷却装置の寸法関係とは異なる場合がある。
本発明は、仕上げ圧延前または仕上げ圧延中の温度が950℃以上の圧延鋼板または厚みが20〜150mm程度の厚鋼板(以下、鋼板と総称する)を冷却対象とし、主として粗圧延後、鋼板の上面側と下面側に対してスプレーノズルからの水(例えば、水、または水と空気の混合体などの冷却媒体で、本発明では「水」という)噴流によって冷却を行なう場合に適用されるものである。
図1には本実施形態の冷却装置を備えた圧延設備の一例を示す。この圧延設備は、図1に示すように、粗圧延装置1と、仕上げ圧延装置2と、本発明に係る冷却装置3とから概略構成されている。粗圧延装置1の上流側には図示略の加熱炉が備えられており、この加熱炉によって圧延前の鋼スラブを1200℃ないし1250℃程度に加熱する。この加熱によって鋼スラブが圧延がされやすくなるとともに、狭幅処理における傷の発生が防止される。粗圧延装置1は、複数の粗圧延ロールが鋼板4の移動方向に沿って一列に配列されて構成されている。なお、図1には粗圧延装置の最終粗圧延ロール1aのみを示している。この粗圧延装置1によって、圧延前の鋼スラブが30〜50mm程度の厚みになるまで圧延される。
粗圧延装置1の下流側には、図示しないデスケーリング装置、エッジャー装置、クロップシャー装置、鋼板の表面温度計等が配置されている。
更に、仕上げ圧延装置2の手前には、本発明に係る冷却装置3のノズルボックス3a、3bが配置されている。図1ではノズルボックス3a、3bが鋼板4の上面4a側及び下面4b側に配置されており、上面4a側及び下面4b側から水噴流を噴射できるように構成されている。ノズルボックス3a、3bには、スプレーノズル3cが鋼板4の移動方向及び幅方向に沿って複数設置されている。
また、図1には、仕上げ圧延装置2の一部を示している。仕上げ圧延装置2は、複数の圧延スタンドが鋼板4の移動方向(圧延方向)に沿って一列に配列されて構成されている。図1には、1段目の圧延スタンドF1の圧延ローラ2aと2段目の圧延スタンドF2の圧延ローラ2bを示している。
次に、本発明に係る冷却装置3について詳細に説明する。本発明に係る冷却装置3は、図1に示すように、複数のスプレーノズル3cが備えられたノズルボックス3a、3bと、各スプレーノズル3cに水を供給するための図示しない供給配管と、供給配管の上流側に配置された図示しない加圧ポンプと、加圧ポンプを制御する図示しない制御装置とから構成されている。この制御装置は、スプレーノズル3cに対する水の供給圧をスプレーノズル毎に自由に設定できるようになっている。
冷却装置を構成するスプレーノズル3cは、図2に示すように、水噴流が円錐形状となるフルコーン型スプレーノズルであっても良く(図2A)、水噴流が楕円錐形状となる楕円型スプレーノズルであっても良く(図2B)、水噴流が長円錐形状となる長円型スプレーノズルであっても良く(図2C)、これら図2Aないし図2Cに示すスプレーノズルが混在していても良い。
図3には、スプレーノズル3cの配置例と、そのスプレーノズルから鋼板に向けて噴射された水噴流による噴流衝突領域との関係を平面図で示す。ここで、噴流衝突領域とは、スプレーノズルから噴射された充錐体状の水噴流が鋼板の上面または下面に直接衝突する領域を指す。また、図3に示す例は、フルコーン型スプレーノズルを使用した例である。以下、図5ないし図8においても同様である。
図3に示すように、スプレーノズル3cは、鋼板4の幅方向に沿って4列に配列されるとともに鋼板4の幅方向に対する傾斜方向に沿って4列に配列されており、合計で16個が配置されている。図3における鋼板の幅方向に対する傾斜方向とは、幅方向に対して60°傾斜した方向である。また、各スプレーノズル3cはほぼ等間隔に配置されている。このように配列されたスプレーノズル3cの各中心点を線で結ぶと、図3に示すように略正三角形となる。
上記のように配列されたスプレーノズル3cからの水噴流による噴流衝突領域Mは、図3の点線で示すように、鋼板の幅方向及び幅方向に対する傾斜方向に沿ってそれぞれ相互に接しているとともに、鋼板の移動方向に沿って相互に稠密に接している。このように噴流衝突領域Mが相互に接するのは、各スプレーノズル3cが所定の間隔をもって配置されるとともに、各スプレーノズル3cによって噴射される水噴流が一定の広がり角を持った充錐体形状であるために、図1に示すように、スプレーノズル3cから鋼板4に至るまでの間に、水噴流が各スプレーノズル3cの間の領域にまで広がるためである。
鋼板上において噴流衝突領域Mを図3に示すように相互に接触させるためには、水噴流の最大広がり角度と、スプレーノズル先端から鋼板までの距離との関係を制御すれば良い。たとえば、水噴流の衝突領域の面積を変化させないようにする場合で、噴流衝突部の円の直径を100mm程度にする場合には、図4に示すように、水噴流の最大広がり角度をxとし、スプレーノズル先端から鋼板までの距離をyとしたとき、y=5923.4x−1.0155の関係になるように広がり角度と距離を調整すれば良い。
また、本実施形態においては、水噴流の最大広がり角度を10°以上30°以下の範囲に設定することが好ましい。最大広がり角度を10°以上に設定することによって、スプレーノズル同士の間隔を極端に狭める必要がなくなる。また、最大広がり角度を10°以上にすることで、噴流衝突領域が狭くなりすぎず、噴流衝突領域同士を少なくとも接触させることができる。一方、最大広がり角度を30°以下に設定することによって、鋼板の上面または下面に対する水噴流の垂直方向の速度成分を大きくすることができ、鋼板に対して水を直接に衝突させる能力が向上し、水と鋼板との間で効率よく熱交換が行なわれ、熱伝達率が向上する。
また本実施形態においては、スプレーノズル先端から鋼板までの距離を200mm以上700mm以下の範囲に設定することが好ましい。
距離を200mm以上にすることで、ノズルの直下に変形された鋼板が送られた場合でもノズルと鋼板とが干渉するおそれがない。更に距離を700mm以下に設定することで、ノズルが鋼板の下面側に設置された場合であってもノズルと鋼板との距離が離れすぎずに、水噴流を鋼板に確実に衝突させることができる。
また、各スプレーノズルによる水噴流の水量密度は2m/m/分以上とすることが好ましく、8m/m/分以上とすることがより好ましい。水量密度を2m/m/分以上に設定することによって、十分な量の水を鋼板の一面または他面に供給することができ、水と鋼板との間で効率よく冷却が行なわれて熱伝達率が向上する。
更に、鋼板の上面側と下面側の両側から水噴流を噴射させる場合には、上面側と下面側の水量密度を一致させても良く、異なる値に設定しても良い。異なる値に設定する場合には、水量密度の比(下面側/上面側)を1以上2以下の範囲にすることが好ましい。上面側においては、水噴流として鋼板に衝突した後の水が、鋼板上を水流となって流れる際に、ある程度の冷却効果が期待できるため、下面側の水量密度に対する上面側の水量密度を小さくすることができる。
水量密度の制御は、各スプレーノズルに供給する水の供給圧力を制御すれば良い。供給圧力の最適範囲はスプレーノズルの性能によっても異なるが、例えば0.005MPa以上0.5MPaの範囲に設定すれば良い。
なお、図3における各噴流衝突領域Mは、相互に接しているだけで重なり合わされていない。従って鋼板4の幅方向並びにその傾斜方向に沿って配列される噴流衝突領域M同士の重なり幅はそれぞれ、各噴流衝突領域Mの半径の0%となる。
また、噴流衝突領域Mの半径は、水噴流の最大広がり角度とノズル先端から鋼板までの距離で決まるが、60mm以上180mm以下の範囲が良く、80mm以上140mm以下の範囲がより良い。
以下、従来技術では解消されなかった問題点を指摘しつつ、本実施形態による効果を説明する。
高温の鋼板をスプレーノズルからの水噴流によって冷却する際においては、水が高温の鋼板に接したときに沸騰現象を起こすために、鋼板を効率よく冷却できない場合がある。例えば、鋼板上面側においては、各スプレーノズルから大量の水噴流を衝突させると、噴流衝突領域では冷却されるが、衝突後に板上水となった冷却水は、この冷却水と鋼板間に発生する水蒸気の存在もあり、冷却に充分寄与しないで排出される懸念がある。また板上水が多い場合には、各スプレーノズルからの水噴流が鋼板表面に充分に到達できず、充分な冷却効率が得られないおそれもある。
一方、厚鋼板の下面側においては、各スプレーノズルから大量の水噴流を衝突させた場合、噴流衝突領域は冷却されるが、衝突後の冷却水は、高温の鋼板表面上で発生した水蒸気及び重力によって鋼板から離脱し冷却に寄与しないため、充分な冷却効率が得られない場合がある。
上記の現象に対して本実施形態の冷却装置によれば、鋼板表面の一定の領域において水噴流を鋼板表面に効率的に到達させることにより上記の現象を緩和して、十分な冷却能力を安定確保して冷却効率を高めることができる。すなわち、最大広がり角度が10°以上30°以下の水噴流を噴射させることによって、水噴流における垂直成分を増加させ、これにより鋼板に対して水噴流を効率よく衝突させることが可能になり、冷却を効率よく行うことができる。
また、鋼板に水噴流を噴射させて冷却を行なう場合において、冷却能力の指標となる熱伝達率は、前述のように鋼板の表面温度が低いほど高くなる傾向がある。すなわち、鋼板の表面温度が低下した状態で更に水噴流を噴射させれば、冷却能力がより向上する。ところで、950℃かまたはそれ以上に加熱された鋼板は内部エネルギーが大きいため、一つのスプレーノズルで水を噴射させただけでは、表面温度が一時的には低下するものの、鋼板内部の熱によって復熱して膜沸騰領域温度まで上がってしまい、熱伝達率を高くできない場合がある。
このような現象に対して本実施形態の冷却装置によれば、鋼板上における複数の噴流衝突領域が、鋼板の幅方向並びに幅方向に対して60°傾斜した方向に沿ってそれぞれ相互に接触されているので、噴流衝突領域が鋼板の移動方向に沿って相互に稠密に接する状態になり、これにより鋼板に対して連続して水噴流を衝突させることが可能となり、一つの水噴流によって冷却された鋼板を次の水噴流によって表面温度が上がる前に冷却できるので、熱伝達率を高めることができ、鋼板の冷却能力をより向上させることができる。より具体的には、熱伝達率を6000(W/m・K)以上にすることができる。
また、鋼板上における水噴流による複数の噴流衝突領域を、鋼板の幅方向に沿って相互に接触させることによって、冷却後の鋼板の幅方向の温度のバラツキを小さくすることができる。
従って本実施形態の冷却装置によれば、温度が950℃以上の鋼板を効率よく冷却することが可能になる。この冷却装置を従来の圧延装置に組み込むことで、遅れ時間を解消することができ、圧延鋼板の生産性を大幅に向上できる。
すなわち、加熱炉によって1200℃ないし1250℃程度に加熱された鋼スラブは、図1に示す粗圧延装置によって圧延されるとともにデスケーリング処理等が施されることによって、粗圧延後の時点で1050℃ないし1150℃程度の温度まで冷却される。そして、上記の冷却装置によって鋼板の上面側及び下面側から水噴流を噴射させて鋼板を冷却することにより、短時間のうちに鋼板が50℃ないし100℃程度に降温させることができ、鋼板の温度を1000℃ないし1050℃程度にすることができる。このようにして1050℃以下に冷却された鋼板を、直ちに次の仕上げ圧延工程に送ることができるので、圧延工程の生産性を向上させることができる。また鋼板の温度が最高でも1050℃程度であるので、仕上げ圧延工程内では1000℃以下となり、スケールの発生を防止することができる。
次に、本実施形態の冷却装置に適用可能なスプレーノズルの種々の配置例を図5ないし図8を参照して説明する。なお、これらの図に示す配置例においては、水噴流の最大広がり角度、ノズル先端から鋼板までの距離、水量密度等の条件は、図3において説明した場合と同様である。
図5には、スプレーノズルの配置の別の例を示す。この例におけるスプレーノズル3cは、図3の場合と同様に、鋼板4の幅方向に沿って配列されるとともに鋼板の幅方向に対する傾斜方向に沿って4列に配列されている。なお、配置列数は設置スペースに応じて変化するものである。図5における鋼板の幅方向に対する傾斜方向とは、幅方向に対して60°を越えて75°以下の範囲まで傾斜された方向である。各スプレーノズル3cは、鋼板の幅方向に沿って等間隔に配置されるとともに、幅方向に対する傾斜方向に沿って等間隔に配置されている。このように配列されたスプレーノズルの各中心点を線で結ぶと、図5に示すように略二等辺三角形となる。
上記のように配列されたスプレーノズル3cからの水噴流による噴流衝突領域Mは、図5の点線で示すように、鋼板の幅方向に沿って相互に重なるとともに、鋼板の幅方向に対する傾斜方向に沿って相互に接しているとともに、鋼板の移動方向に沿って相互に稠密に接している。鋼板の幅方向に沿う噴流衝突領域Mの重なり幅は、各噴流衝突領域Mの半径の0%を越えて100%以下の範囲とすることが好ましく、0%以上40%以下の範囲がより好ましい。また、噴流衝突領域Mの半径は、水噴流の最大広がり角度とノズル先端から鋼板までの距離で決まるが、60mm以上180mm以下の範囲が良く、80mm以上140mm以下の範囲がより良い。
図5に示したスプレーノズル3cの配列によれば、噴流衝突領域Mが鋼板の幅方向に沿って相互に重なり合わされているので、水噴流の水量密度を部分的に高めることができ、冷却能力をより向上させることができる。
図6には、スプレーノズル3cの配置の他の例を示す。この例におけるスプレーノズル3cは、図3の場合と同様に、鋼板4の幅方向に沿って4列に配列されるとともに鋼板の幅方向に対する傾斜方向に沿って4列に配列されており、合計で16個が配置されている。図6における鋼板の幅方向に対する傾斜方向とは、幅方向に対して30°以上60°以下の範囲まで傾斜された方向である。各スプレーノズル3cは、鋼板の幅方向に沿って等間隔に配置されているとともに、鋼板の幅方向に対する傾斜方向に沿って等間隔に配置されている。このように配列されたスプレーノズル3cの各中心点を線で結ぶと、略正三角形または略二等辺三角形となる。
上記のように配列されたスプレーノズル3cからの水噴流による噴流衝突領域Mは、図6の点線で示すように、鋼板の幅方向並びにその傾斜方向に沿ってそれぞれ相互に重なり合わされている。鋼板の幅方向に沿う噴流衝突領域Mの重なり幅は、各噴流衝突領域の半径の0%を越えて100%以下の範囲とすることが好ましく、0%以上40%以下の範囲がより好ましい。また、鋼板の幅方向の傾斜方向に沿う噴流衝突領域Mの重なり幅は、各噴流衝突領域の半径の0%を越えて100%以下の範囲とすることが好ましく、0%以上60%以下の範囲がより好ましい。なお、これら幅方向に沿う重なり幅と、幅方向の傾斜方向に沿う重なり幅とはそれぞれ、一致させても良く、異なる値に設定させても良い。なお、噴流衝突領域Mの半径は図5の場合と同様である。
図6に示したスプレーノズル3cの配列によれば、噴流衝突領域Mが鋼板の幅方向及び幅方向の傾斜方向に沿ってそれぞれ重なり合わされているので、水噴流の水量密度を部分的に高めることができ、冷却能力をより向上させることができる。
図7には、スプレーノズル3cの配置の更に別の例を示す。この例におけるスプレーノズル3cは、図3の場合と同様に、鋼板4の幅方向に沿って4列に配列されるとともに鋼板の幅方向に対する傾斜方向に沿って4列に配列されており、合計で16個が配置されている。図7における鋼板の幅方向に対する傾斜方向とは、幅方向に対して30°以上60°未満の範囲まで傾斜された方向である。各スプレーノズル3cは、鋼板の幅方向に沿って等間隔に配置されているとともに、幅方向に対する傾斜方向に沿って等間隔に配置されている。このように配列されたスプレーノズルの各中心点を線で結ぶと、図7に示すように略二等辺三角形となる。
上記のように配列されたスプレーノズル3cからの水噴流による噴流衝突領域Mは、図7の点線で示すように、鋼板の幅方向に沿って相互に接するとともに鋼板の幅方向に対する傾斜方向に沿って相互に重ね合わされる。鋼板の幅方向の傾斜方向に沿う噴流衝突領域Mの重なり幅は、各噴流衝突領域の半径の0%を越えて100%以下の範囲とすることが好ましく、0%以上60%以下の範囲がより好ましい。なお、噴流衝突領域Mの半径は図5の場合と同様である。
図7に示したスプレーノズル3cの配列によれば、噴流衝突領域が鋼板の幅方向に沿って相互に重なり合わされるので、水噴流の水量密度を部分的に高めることができ、冷却能力をより向上させることができる。
図8には、スプレーノズル3cの配置の更に他の例を示す。この例におけるスプレーノズル3cは、図3の場合と同様に、鋼板4の幅方向に沿って配列されるとともに鋼板の幅方向に対する傾斜方向に沿って4列に配列されている。図8における鋼板の幅方向に対する傾斜方向とは、幅方向に対して60°を越えて80°以下の範囲まで傾斜された方向である。各スプレーノズル3cは鋼板の幅方向に沿って等間隔に配置されている。また、各スプレーノズル3cは鋼板の幅方向に対する傾斜方向に沿って一組おきに等間隔に配置されている。このように配列されたスプレーノズル3cの各中心点を線で結ぶと、図8に示すように略平行四辺形となる。
上記のように配列されたスプレーノズル3cからの水噴流による噴流衝突領域Mは、図8の点線で示すように、鋼板の幅方向に沿って相互に接するとともに鋼板の幅方向に対する傾斜方向に沿ってジグザグに接している。
図8に示したスプレーノズル3cの配列によれば、噴流衝突領域Mが鋼板の幅方向に沿って接するとともに、幅方向のその傾斜方向に沿ってジグザグに接しているので、水噴流衝突領域が全体的に広くなり、移動する鋼板に対する水噴流の接触時間が長くなるので、鋼板の移動速度が比較的遅い場合に冷却能力を効果的に高めることができる。
(実験例1)
図9に示す試験装置を用いて冷却能力の確認実験を行なった。
図9に示す試験装置11は、基台12と、この基台12上において図中左右方向に往復移動するとともに試験片Sを載せる試験片ステージ13と、基台12の上方に固定されたノズルボックス14とから概略構成されている。ノズルボックス14には、フルコーン型スプレーノズル15が23基設置されている。スプレーノズル15は、試験片ステージ13の移動方向に沿って4列に配列され、当該移動方向と直交する方向に沿って4ないし5列に配列されている。また、スプレーノズル15の配列は、図3に示した配列と同じ配列とされている。鋼板の幅方向のノズルピッチを100mmとし、圧延方向のノズルピッチを120mmとした。
スプレーノズル15による水噴流の最大広がり角度は15°ないし30°に設定され、ノズル先端から試験片の上面までの距離Lは200mmないし490mmに設定され、ノズルに対する供給圧力は0.36MPaないし0.4MPaに設定され、水量密度は9.1m/m/分ないし12.8m/m/分に設定される。また、試験片ステージ13の移動速度は52m/分〜82m/分に範囲に設定されている。そして、試験片Sに対して水噴流が噴射された際の噴射領域の幅Wは、試料片ステージ13の移動方向に沿っておよそ580mmに設定されている。また試験片ステージ13は、試験片Sを噴射領域の外側で折り返して往復移動させるようになっている。1回の通過による冷却時間は0.42〜0.67秒である。
試験片Sは、縦300mm、幅100mm、厚みが20mmまたは40mmの鋼板である。そして、一面をノズルボックス14側に向けて試験片ステージ13上に設置されている。試験片Sは予め、1250℃に加熱されている。
上記の試験装置を用いて、冷却条件を様々な条件に設定して冷却実験を行なった。実験は、試験片ステージ13を基台12上で往復移動させるとともに、各スプレーノズル15から水噴流mを噴射させることにより試験片Sを冷却した。そして、試験片Sの表面温度、表面から1mm深さの温度、表面から9.5mm深さの温度をそれぞれ経時的に測定した。詳細な冷却条件を表1に示し、試験結果を図10〜図19に示す。
Figure 2010167501
図10には、試験例1の実験結果を示す。図10中、横軸は冷却時間であり、縦軸は鋼板(試験片)の温度である。図10に示すように、試験片ステージを6往復させて試験片に水噴流を連続して合計12回噴射させると、鋼板の温度(表面から1mmおよび9.5mm深さの温度)が1250℃から400℃以下に低下することがわかる。
図11には、図10の拡大図を示す。図11に示すように、水噴流が衝突した瞬間に、1mm深さの温度が一旦急激に低下するが、再び温度が上昇していることがわかる。また、9.5mm深さの温度は、水噴流が衝突してから温度の減少量が大きくなり、徐々に減少量が一定になることがわかる。このときの温度減少幅はおよそ43℃である。なお、9.5mm深さの温度が水噴流の衝突前後で一定の速度で減少しているのは空冷の影響によるものである。
図11から明らかなように、鋼板表面(深さ1mm)の温度が急激に減少すると、鋼板内部(深さ9.5mm)における熱が鋼板表面に伝熱され、表面近くの温度がある程度回復するとともに、鋼板内部の温度が若干低下し、鋼板全体として温度が徐々に低下することがわかる。
図12及び図13には、図10及び図11における実験データの解析結果を示す。図12及び図13は、熱伝達率と冷却時間との関係を示すグラフである。また図12は1回目の水噴流衝突時(冷却時)のグラフであり、図13は2回目の水噴流衝突時(冷却時)のグラフである。
図12に示す曲線には4つのピークが認められるが、このうちの左から順に1本目から4本目までのピークは、試験片の移動方向に沿って4列に配列したスプレーノズルのそれぞれの水噴流の衝突に対応するものである。また、図13に示す曲線には4つのピークが認められるが、このうちの左から順に1本目から3本目までのピークは、試験片の移動方向に沿って4列に配列したスプレーノズルのそれぞれの水噴流の衝突に対応するものである。
図12に示すように、冷却時間が増加するにつれて、曲線のピークの最大値が徐々に増加し、最後の列のスプレーノズルによる水噴流が衝突したときに熱伝達率が10000(W/m・K)を越えていることがわかる。このように熱伝達率が徐々に大きくなったのは、鋼板の表面温度が1列目から4列目の水噴流に次々に衝突されることによって鋼板の表面温度が徐々に低下したためと考えられる。
図13は、2回目の冷却時の熱伝達率と冷却時間との関係を示すグラフだが、図12と比較すると2列目の水噴流の衝突によって熱伝達率が既に10000(W/m・K)を越えて15000(W/m・K)まで達していることがわかる。これは、1回目の冷却で鋼板の温度が40℃近く低下したためである。
図14には、初期の鋼板温度を1100℃とし、板厚を40mmとして、図12、13の結果を元に鋼板内の温度分布を計算によって求めた、水噴流を1回だけ衝突させた場合の冷却時間と鋼板温度との関係を示す。なお、図中には板厚半分の結果を示す。また各測定温度の平均温度を算出している。図14に示すように、鋼板の表面に近い部分ほど冷却時の温度降下が大きくなっており、鋼板の厚みに関わらず、図10及び図11と同じ挙動を示すことがわかる。また、平均降下温度が43℃程度であり、図11の場合とほぼ同じ挙動であることがわかる。
図15には、表1における試験例1の解析結果を示す。図15は、図9に示す試験装置を上下反対にして鋼板の下から水噴流を噴射させるようにし、ステージ往復時の高温域での冷却試験結果である。この図15では、各冷却開始前の表面下0.5mmの深さにおける鋼板温度を横軸に取り、各回毎の冷却による温度降下量を縦軸に取っている。
図15に示すように、鋼板の温度が1050℃以下になった辺りから温度降下量が最高で52℃の温度降下を達成していることがわかる。また、鋼板温度が1050℃以上でも38℃程度の温度降下量を示しており、冷却速度で40℃/秒以上と十分な冷却能力が得られていることがわかる。
次に図16には、表1における試験例2の解析結果を示す。図16は、図9に示すように鋼板の上から水噴流を噴射させるようにし、ステージを往復させた際の高温域での冷却試験結果である。この図16では、各冷却開始前の表面下0.5mmの深さにおける鋼板温度を横軸に取り、各回毎の冷却による温度降下量を縦軸に取っている。
図16に示すように、鋼板の上面側から水噴流を噴射させた場合は、鋼板の温度降下量が最大で66℃にまで達していることがわかる。この結果は、図15の場合よりも冷却効率が優れていることを示している。これは、鋼板の上面側から水噴流を噴射させた場合には、上面に衝突した後の水が水流となって鋼板上面を流れるので、この板上水が冷却効果に寄与しているためと考えられる。一方、図15に示すように鋼板の下面側から水噴流を噴射させた場合は、下面に衝突した水が重力の作用で直ちに鋼板下面から離れてしまうため、冷却能力が若干低下したものと考えられる。
図15、16より、この試験例により,1回の冷却で40℃/秒以上の冷却速度を確保しており,仕上げ圧延前では,たとえば,1〜2テーブルロール間程度の非常に短い区間に冷却装置を設置するだけで温度調整が可能であることを示している。
以上の図15及び図16の結果から、鋼板の上面側及び下面側から同時に水噴流を噴射させる場合において、上面側と下面側における冷却能力のバランスを取るには、上面側の冷却能力を若干抑制すれば良い。具体的には、鋼板の上面側に配置されるスプレーノズルの水量密度と、下面側に配置されるスプレーノズルの水量密度との比(下面側/上面側)を、1以上2以下の範囲で設定すれば良い。
次に図17には、表1における試験例3の解析結果を示す。図17は、図9に示す試験装置を上下反対にして鋼板の下から水噴流を噴射させるようにし、ステージ往復時の高温域での冷却試験結果である。この図17では、各冷却開始前の表面下0.5mmの深さにおける鋼板温度を横軸に取り、各回毎の冷却による温度降下量を縦軸に取っている。
図17に示すように、鋼板の温度によらずに最低で21℃の温度降下を達成しているおり、冷却速度で40℃/秒以上と十分な冷却能力が得られていることがわかる。
次に図18には、表1における試験例4の解析結果を示す。図18は、図9に示すように鋼板の上から水噴流を噴射させるようにし、ステージ往復時の高温域での冷却試験結果である。この図18では、各冷却開始前の表面下0.5mmの深さにおける鋼板温度を横軸に取り、各回毎の冷却による温度降下量を縦軸に取っている。
図18に示すように、鋼板の上面側から水噴流を噴射させた場合であっても、鋼板の温度によらずに温度降下量が最低で24℃の温度降下を達成していることがわかる。鋼板の温度降下量が最大で34℃にまで達していることがわかる。この結果は、図17の場合よりも冷却効率が優れていることを示している。これは、図15及び図16の場合と同様に、鋼板の上面側から水噴流を噴射させた場合には、上面に衝突した後の水が水流となって鋼板上面を流れ、この板上水が冷却効果に寄与しているためと考えられる。
以上の図17及び図18の結果から、仕上げ圧延装置の第1圧延スタンドF1と第2圧延スタンドF2の間に冷却装置を設置した場合であっても、鋼板の上面側及び下面側から同時に水噴流を噴射させる場合には、上面側と下面側における冷却能力のバランスを取るために、上面側の冷却能力を若干抑制する必要があることがわかる。具体的には、上面側と下面側の水量密度との比(下面側/上面側)を1以上2以下の範囲で設定すれば良い。
図19には、試験例5の結果を示す。この試験例5では、ノズル条件を試験例3及び4と同一にした上で、試験片の移動速度を試験例1及び2と同一にして冷却実験を行なった。
図19の条件でも、40℃以上の温度降下をほぼ達成していることがわかる。従って、ノズル先端から鋼板までの距離を490mm程度にしても、ノズルの広がり角度を調整することで十分な冷却能力が得られることが判明した。
(実験例2)
上記実験例1で使用した試験装置を実施例1の冷却装置とした。
また、圧延方向のノズルピッチを200mmとしたこと以外は実施例1の冷却装置と同様にして、比較例1の冷却装置を組み立てた。
実施例1及び比較例1の冷却装置を用いて、圧延鋼板の冷却実験を行なった。幅1500mm、長さ80m、厚さ40mmの圧延鋼板を用意し、この鋼板を1100℃まで加熱した。そして、通板速度45m/分の速度で冷却装置下を通過させながら、鋼板の温度を測定した。ノズル条件は、表1の試験例1の条件と同一にした。測定結果から、熱伝達率の挙動を調べた。結果を図20及び図21に示す。
図20に示すように、実施例1の冷却装置においては、鋼板がノズル列を通過する度に熱伝達率のピークが発現し、このピーク値が徐々に高まっていることがわかる。また、ピーク同士の間の谷間の部分では、熱伝達率の減少が少なくなっており、これがピーク値の上昇に寄与しているものと考えられる。ピーク同士の間の谷間の部分で熱伝達率の落ち込みが少ないのは、噴流衝突領域が鋼板の幅方向に対する傾斜方向に沿って相互に接しているために、圧延方向に沿って噴流衝突領域が連続する部分が多くなり、これにより鋼板が常に水噴流によって冷却されて、谷間の部分でも熱伝達率が高くなったためと考えられる。
一方、図21に示すように、比較例1の冷却装置においては、実施例1と同様に、鋼板がノズル列を通過する度に熱伝達率のピークが発現しているものの、実施例1のようにピーク値が徐々に高まることがなく、ほぼ一定のピーク値を示していることがわかる。また、ピーク同士の間の谷間の部分では、熱伝達率の現象が大きくほとんど0になっており、これがピーク値が伸びずに一定なる原因であると考えられる。
ピーク同士の間の谷間の部分で熱伝達率の落ち込みが大きいのは、噴流衝突領域が鋼板の圧延方向に沿って離間しているために、水噴流が衝突しない時間が発生し、この時間内において、一旦冷却された鋼板の表面温度が鋼板内部の熱によって再び上昇してしまい、結果的に熱伝達率が低くなったためと考えられる。
以上のことから、噴流衝突領域は、鋼板の幅方向に対する傾斜方向に沿って必ず接していることが、熱伝達率を高くするのに必要であることがわかる。
(実験例3)
フルコーン型スプレーノズルを用意し、このスプレーノズルをAないしDの配置パターンに配置させた。また、ノズル先端から鋼板上面までの距離を150mmないし800mmの範囲とし、水量密度を3m/m/分ないし8m/m/分の範囲とし、水噴流の最大広がり角度を5°ないし35°の範囲に設定した。このようにして実施例2〜10及び比較例2〜5の冷却装置を組み立てた。
なお、スプレーノズルの配置パターンAは、図3に示した配置パターンと同一であり、噴流衝突領域の半径は50mmである。また配置パターンBは、図5に示した配置パターンと同様の配置であって、噴流衝突領域の半径を50mmとし、幅方向の重なり幅を噴流衝突領域の半径の20%とし、幅方向に対する傾斜方向の角度を64°とした配置である。
また配置パターンCは、図7に示した配置パターンと同様の配置であって、幅方向に対する傾斜方向の角度を45°とし、噴流衝突領域の半径を50mmとし、傾斜方向の重なり幅を噴流衝突領域の半径の60%とした配置である。
また配置パターンDは、図6に示した配置パターンと同様の配置であって、噴流衝突領域の半径を50mmとし、幅方向の重なり幅を噴流衝突領域の半径の20%とし、幅方向に対する傾斜方向の角度を45°とし、傾斜方向の重なり幅を噴流衝突領域の半径の70%とした配置である。
実施例2〜10及び比較例2〜5の冷却装置を用いて、圧延鋼板の冷却実験を行なった。幅1500mm、長さ80m、厚さ40mmの圧延鋼板を用意し、この鋼板を1000℃ないし1200℃に加熱した。そして、通板速度50m/分の速度で冷却装置下を通過させながら、鋼板の温度を測定した。結果を表2及び表3に示す。
Figure 2010167501
Figure 2010167501
表2及び表3に示すように、実施例2〜10によれば、冷却能力および均一性に優れることがわかる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、スプレーノズルの配置について上記の実施形態ではフルコーン型スプレーノズルを例にして説明したが、本発明はこれに限らず、楕円形型スプレーノズルや長円型スプレーノズルを適用しても良い。
また本発明の鋼板の冷却装置においては、前記鋼板の移動方向の上流側及び下流側に一対の水切り用スプレーノズルを配置させ、これら水切り用スプレーノズルの間に前記複数のスプレーノズルが配置されてもよい。水切り用スプレーノズルとしては、例えばフラットスプレーノズルを用いれば良い。この構成によって、複数のスプレーノズルからの水流が、水切り用スプレーノズルによる水噴流によって塞き止められ、鋼板の移動方向またはその反対方向に沿って流れることなく鋼板の幅方向に沿って排水されるので、鋼板をより均一に冷却することができる。
4…鋼板
4a…上面(一面)
4b…下面(一面)
3c…スプレーノズル
M…噴流衝突領域

Claims (9)

  1. 一方向に移動される20mm厚以上の鋼板の一面に対し、鋼板の移動方向及び鋼板の幅方向に沿って複数配列されたスプレーノズルから各々略充錐体形状の水噴流を噴射させて前記鋼板を冷却させる鋼板の冷却装置において、
    前記冷却装置の下流側に少なくとも1台以上の圧延スタンドを有し、
    前記一面上における前記水噴流の水量密度が2m/m/分以上であるとともに、
    前記水噴流の形状が充円錐形状、充楕円錐形状、長円錐形状のいずれかまたはこれらが混在したものであり、
    前記一面上における前記各水噴流の噴流衝突領域が鋼板の幅方向に沿って少なくとも相互に連続するとともに、
    鋼板の幅方向に対する傾斜方向に沿って少なくとも相互に連続するように、前記複数のスプレーノズルが前記鋼板の上面及び下面の両側に配置されており、
    熱伝達率が最大で6000(W/m・K)以上であり、
    冷却停止してから復熱した時の表面温度が950℃以上に制御するものであることを特徴とする鋼板の冷却装置。
  2. 前記略充錐体形状の水噴流の最大広がり角度が10°以上30°以下の範囲であり、冷却停止してから復熱した時の表面温度が950℃以上に制御するものであることを特徴とする請求項1に記載の鋼板の冷却装置。
  3. 前記スプレーノズル先端から前記一面までの距離が200mm以上700mm以下の範囲であり、冷却停止してから復熱した時の表面温度が950℃以上に制御するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鋼板の冷却装置。
  4. 前記一面上における前記各水噴流の噴流衝突領域が鋼板の移動方向に沿って相互に稠密に接するように前記複数のスプレーノズルが配置されており、冷却停止してから復熱した時の表面温度が950℃以上に制御するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに一項に記載の鋼板の冷却装置。
  5. 前記鋼板の幅方向に沿って配列される噴流衝突領域同士が各噴流衝突領域の半径の0%以上100%以下の範囲の重なり幅をもって重なり合わされるように、前記複数のスプレーノズルが配置されており、冷却停止してから復熱した時の表面温度が950℃以上に制御するものであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の鋼板の冷却装置。
  6. 前記鋼板の幅方向に対する傾斜方向に沿って配列される噴流衝突領域同士が各噴流衝突領域の半径の0%以上100%以下の範囲の重なり幅をもって重なり合わされるように、前記複数のスプレーノズルが配置されており、冷却停止してから復熱した時の表面温度が950℃以上に制御するものであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の表面温度が950℃以上の鋼板の冷却装置。
  7. 前記上面側に配置されるスプレーノズルの水量密度と、前記下面側に配置されるスプレーノズルの水量密度との比(下面側/上面側)が、1以上2以下の範囲であり、冷却停止してから復熱した時の表面温度が950℃以上に制御するものであることを特徴とする請求項6に記載の鋼板の冷却装置。
  8. 各スプレーノズルにおける水量密度が同一の値に設定されており、冷却停止してから復熱した時の表面温度が950℃以上に制御するものであることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の鋼板の冷却装置。
  9. 前記鋼板の移動方向の上流側及び下流側に一対の水切り用スプレーノズルを配置させ、
    これら水切り用スプレーノズルの間に前記複数のスプレーノズルが配置されており、冷却停止してから復熱した時の表面温度が950℃以上に制御するものであることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の鋼板の冷却装置。
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