以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「実施の形態」という)について添付の図面を参照しながら説明する。
[実施の形態1]
図1から図3は、実施の形態1に係る攪拌具を示す。図1はその攪拌具を正面側から見たときの状態を示し、図2はその攪拌具を90°だけ柄部を中心に回転させて右側面側から見たときの状態を示し、図3はその攪拌具を上面側から見たときの状態を示し、図4は図2の攪拌具をA−A線で切断して見たときの状態を示している。
実施の形態1に係る攪拌具1Aは、この攪拌具1Aを使用する人が手でもつ柄の部分(柄部)2と、この柄部2の一部に取り付けられる複数の線材30で構成される攪拌部3とを備えるものであり、例えば泡立て等の調理用攪拌具として使用される。
柄部2は、所要の長さからなる棒状の柄本体21と、柄本体21の一端部を線材30の両端部31,32を取り付けるための取付け部分22とで構成されている。実施の形態1では、柄部2として、直径が25mmで肉厚が1mmの円筒パイプからなるステンレス製の柄本体21と、その円筒形の柄本体21の一端部の内部空間(凹部23)に嵌め入れて固定される円柱状の固定体(固定部材)40を備えた取付け部分22とを有する構造のものを用いている。ここで、柄本体21及び取付け部分22の材質、寸法等については、用途、使用環境等の条件に応じて任意に選定することができ、特に限定されるものでない。
攪拌部3は、複数の線材30を折り返す形状に曲げるとともに攪拌作用を発揮させるように互いに交差させて上下にずらした状態で配置し、また各線材30の両端部31,32を柄部2の取付け部分22に集合させた状態で取り付けて固定することで形成されている。
実施の形態1では、複数の線材30として、直径が1.8mmで直線状の形状のときの全長がほぼ45cmの6本のステンレス製線材30A〜30Fを使用している。そして、この6本のステンレス製線材30A〜30Fは、そのほぼ中央部を湾曲した形状に曲げて折り返した形状にした後に湾曲状に折り返した部分で互いに交差させるような状態に配置したうえで、その曲げた形状の各線材30において真下に向けてほぼ直線状に延びる両端部31,32(合計で12個の端部)を柄部2の取付け部分22に埋め込んだ状態で取り付けている。ここで、線材30A〜30Fは、湾曲した形状に折り曲げて折り返した形状にしたときに、例えば、その各端部31,32から折り返す形状に曲げた部分36の頂部36aに至るまでの寸法(高さ)がほぼ20cmになる。
また、各線材30A〜30Fの両端部31,32の取付け部分22に対する取り付けについては、その各端部31,32を取付け部分22において対向する2つの列を構成するように配分して隣接させた状態で配置している。また、その2つの列どうしの最小の間隔W1,W2を、各列の隣り合う線材の端部31,32どうしの間隔Sよりも広い寸法であって、取り付け部分22に取り付けて固定される線材端部31,32の付け根部分33から最初に離れて延びる線材部分35を洗浄するための洗浄具8における洗浄作業部分80(図8参照)が通過できる寸法の間隔に設定している。
すなわち、攪拌具1Aでは、図4等に示すように、6本の線材30A〜30Fの計12個の端部31,32を、柄部2の取り付け部分22の円状の端部に対し、対向する2つの列となるように配分して隣接させた状態で配置している。各列はいずれも、線材端部が外側に突出した円弧状に曲がった曲線状に沿って並べられた状態の列になっている。また、列どうしの最小の間隔W1,W2は、2つの列が線対称の状態で配置されているので、各列の両端部に位置してそれぞれ対向し合う線材どうしの2つの間隔になる。つまり、その一方の間隔W1は、線材30A(の端部31)と線材30F(の端部32)の間の間隔となり、その他方の間隔W2は、線材30F(の端部31)と線材30A(の端部32)の間の間隔となる。そして、この間隔W1,W2は互いに同じ値となり、2つの列の最小の間隔に該当する。
実施の形態1では、直径が1.8mmの線材30における計12個の端部31,32を、直径が25mmの円筒状の取り付け部分22の外周面から約2mmだけ内側の位置に円状に並べて等間隔で配置し、各列において隣り合う線材端部どうしの間隔Sを約2mmに設定することで、その列どうしの最小の間隔W1,W2をいずれも約15mmの寸法に設定している。上記取り付け部分22の外周面から約2mmという寸法は、円筒状の取り付け部分22の肉厚に線材30の半径部を加えた寸法に相当するものである。
また、各線材30A〜30Fの両端部31,32の取り付け構造は、図5に示すように、側面部40aの所要の位置に各線材の端部31,32をそれぞれ嵌め入れる溝41を形成した円柱状の固定体40を用意しておき、その固定体40の各溝41に各線材の端部31,32を配分して嵌め入れた状態で、その固定体40を柄部2における円筒状の取り付け部分22の内部空間(凹部23)に嵌め入れて固定する構成になっている。
固定体40は、円筒状の取り付け部分22の内部空間(凹部23)に嵌め入れることができる寸法及び形状で形成されている。溝41は、固定体40の側面部40aに対して前記した線材端部31,32の2列の配置条件に対応させた位置に、互いに平行する状態で形成されている。また、溝41は、線材30の外径と同じ寸法の溝深さ及び溝幅で形成されている。溝の長さは、各線材の端部31,32の固定すべき付け根部分33の長さとほぼ同じ寸法に設定されている。さらに、隣り合う溝43は間隔Sをあけた状態で形成されている。固定体40は、例えば合成樹脂等の材料で構成される。この取り付け構造においては、線材端部31,32と固定体40の溝41との間や、固定体40の側面部と取り付け部分22の内壁面との間を、接着剤等の固定手段を用いて固定している。
また、攪拌部3を構成する複数の線材30については、図6(a)に示すように、その各線材30の両端部31,32のうち一方の端部31を2つの列(L1,L2)の一方の列(L1)に存在するように配置し、その他方の端部32を他方の列(L2)に存在するように配置し、しかも、その各線材30の両端部31,32を2つの列(L1,L2)の間における中心(P)を挟んで対向する位置にそれぞれ存在させた状態で配置している。
2つの列(L1,L2)の間における中心(P)は、2つの列が前記したように線対称となる状態で配置されている場合であれば、その線対称となる中心線上に存在する一点となる。実施の形態1における線材の端部31,32は、中心(P)を通過する点線で示す直線上に当該中心を挟んで同じ距離だけ離れた位置に分かれて存在するように配置されている。この観点からすると、この線材の端部31,32は、中心(P)を対称の基準点とした点対称となる状態で配置されていることにもなる。
さらに、攪拌部3は、図6(b)に示すように、その各線材30の折り返す形状に曲げる部分36を、2つの列(L1,L2)の間における中心(P)の上方の位置を通過させるとともに互いにほぼ等しい(交差)角度θで交差させてその中心(P)から放射状に広がる状態で配置させている。ここで、各線材30の折り返す形状に曲げる部分36は、その上面側から見たときに直線状の形状になっている範囲の部分を指している。また、互いにほぼ等しい交差角度θは、その誤差が好ましくは0〜10°の範囲内におさまるときの角度である。
このような状態で各線材30の折り返す形状に曲げる部分36を配置した場合には、図6(b)に例示するように、折り返す形状に曲げる部分36の最も外側に位置する部分(最外部分)36bを結んだ形状(点線で結ばれた形状)がほぼ正多角形(又はほぼ円形状)となる攪拌部3にすることができる。
また、各線材30の折り返す形状に曲げる部分36の最外部分36bを結んだ形状がほぼ正多角形になる攪拌部3を安定して製作するために、図7に示すように、攪拌部3を構成する複数の線材30はいずれも、その線材30の両端部31,32がその線材の折り返す形状に曲げる部分36の投影直線(点線Tで示す直線:曲げる部分36のうちで直線状の形状になっている線材部分の中心線)を挟んで互いに反対側の位置に分かれて存在する形状に成形されている(同図(b))。なお、このような形状に成形しない線材30で構成した場合の攪拌部3の状態については後述する。
この攪拌具1Aにおける攪拌部3では、6本の線材30(A〜F)のすべてについて、上記した形状(いわゆる「ひねり」を加えた形状)に予め成形されている。このような形状にするときのひねりの度合い(折り返す形状に曲げる部分36の投影直線に対する端部31,32の各離間距離又は離間角度)は、各線材30の端部31,32の各列への配置位置がより離れた(遠い)位置に配置された関係にある線材30になるほど、徐々に大きくしている。また、このようなひねりを加えた形状は、例えば、線材30を固定体40の溝41に嵌め入れる際に使用する組立て治具等に取り付ける段階で付与することがよい。この他にも、線材30を固定体40の溝41に嵌め入れる前に、その線材30に予め付与しておくことでもよい。
攪拌部3は、6本の線材30A〜30Fの各両端部31,32を、柄部2の取付け部分22に固定体40を介して取り付けることで完成する。実施の形態1における攪拌部3は、図1や図2に示すように、その攪拌部3を構成する複数の線材30の端部の取り付け部分22に対する付け根部分33から最初に離れて延びる線材部分35が、直線状の形状になっているとともに互いにほぼ平行して柄部2の取付け部分22から垂直方向に向けて立ち並ぶ状態になっている。ほぼ平行とは、例えば平行となる線材部分を仮に一方の線材部分を他方の線材部分と重ね合わせた状態にして検証した場合における交差角度が0°以上かつ±5°以下の範囲内におさまる状態である。
ここで、スライド作業部分31c,32cの長さについては、固定体42Dの全高さ寸法H(図27(d))に対して概ね20%〜120%の長さの範囲に設定することが好ましい。この寸法が20%未満であると、固定体42Dに対する溝43等への線材30の嵌め入れや収容窪み44A,44Bへの収容を行うためのスライド作業と連結部材37A,37Bの溶接作業等を容易で確実に行なうことが困難になる。反対に、この寸法が120%を超える場合には、線材30の付け根部分35の直線部分が長すぎて攪拌部3を支えるための構造的な強度が低下して線材が変形し易くなるというおそれがある。また、直線状の線材部分35の上記の長さについては、線材30(A〜G)の直線状の線材部分35の全てを同一の長さにしない場合には、各線材30(A〜G)の直線状の線材部分35の長さが最小となる線材30についての長さとする。また、このような構成については以下の実施の形態においても同様に適用される。
以上のように構成される攪拌具1Aは、例えば調理対象の食材を攪拌する際に、その柄部2(の柄本体21)が使用者の手で持たれ、その攪拌部3が容器に収容された攪拌対象物である食材のなかに入れられてかき混ぜる方向に任意に移動させることによって使用される。これにより、食材が攪拌部3における複数の線材30による攪拌作用を受けて攪拌される。
また、攪拌具1Aは、その使用した後に、その攪拌部3等の汚れた部分が洗浄される。
攪拌具1Aにおいては、図2、4等に示すように、攪拌部3を構成する線材30の端部31,32が、柄部2の取り付け部分22に対して2つの列を形成するように配分され、その各列において等しい間隔Sをあけながら円状に並べて隣接した状態で配置されている。また、攪拌具1Aでは、各線材30の端部31,32が2箇所において前述したような寸法の間隔W1,W2をあけた状態で配置されている。これにより、線材端部の付け根部分33から最初に離れて延びる線材部分35のうち、その拡大した間隔W1,W2があけられた線材30A、30Fの端部31,32どうしの間には、洗浄具8を通過させることができる隙間空間が2つ存在することになる。すなわち、間隔W1により存在する第1の隙間空間50と、間隔W2により存在する第2の隙間空間51とが存在する(図4)。
そして、攪拌部3における線材部分35の洗浄に際しては、図8に示すように、洗浄具8の洗浄作業部分80を、上記2つの拡大した間隔W1,W2によって存在する隙間空間51,52のいずれかを通して、2列に並ぶ複数の線材部分35により対向した状態で取り囲まれる被包囲空間内に挿し入れた状態にして洗浄作業を行うことができる。この結果、線材部分35の内側部分の洗浄が行い易くなり、しかも、柄部2の取付け部分22の端面部22bの洗浄(この例では端面部22bよりも固定体40の露出面の洗浄)も行い易くなる。
図8に例示する洗浄具8は、細長い板状の柄81の先端部片面に複数本のブラシ毛82が所要の範囲にわたって取り付けられた構造の歯ブラシである。この歯ブラシは、そのブラシ毛82が取り付けられている部分が洗浄作業部80として使用されるが、その洗浄作業部80の幅Eは例えば約10mmである。これに対して攪拌具1Aにおける攪拌部3の拡大した間隔Wは、前述したように約15mmという寸法になっている。
このため、洗浄具8の歯ブラシは、その洗浄作業部80を、間隔W1、W2によって存在する隙間空間50、51を簡単に通過して複数の線材部分35で取り囲まれる前記被包囲空間内に侵入させることができる。また、歯ブラシの洗浄作業部80を被包囲空間内に侵入させた状態で適宜動かして、ブラシ毛82を線材部分35の内側部分や取り付け部分22の端面部22bに接触させることにより、洗浄することができる。
また、攪拌具1Aにおいては、洗浄具8の洗浄作業部分80を、2つの隙間空間50,51のいずれからでも侵入させることもできるので、洗浄作業がより行いやすくなる。しかも、対向する線材部分35の列どうしの間に通路状の空間(隙間空間50,51を両端部として連続する空間)が存在するので、例えばその通路状の空間の全域に沿って洗浄具8を前後方向に移動させるように動かすこともできるので、この点からも洗浄作業がよりし易くなる。また、攪拌具1Aでは、攪拌部3の間隔W1、W2が約15mmのような広い寸法であるので、洗浄具8としては歯ブラシ以外にもスポンジ等の他の洗浄用具を適用することも可能である。さらに、その拡大した間隔Wにより存在する隙間空間50,51に対しては、使用者の指先を入れて洗浄作業を行うことも可能である。
このような洗浄作業を行うことにより、攪拌具1Aにおいては、複数の線材30の線材部分35における内側部分の汚れをはじめ柄部2の取り付け部分22の汚れを容易におとすことができる。また、隣り合う線材部分35どうしの間に食材の一部が挟まっても、それを容易に取り除くこともできる。
また、攪拌具1Aにおいては、攪拌部3の上記隙間空間50,51が、図2等に示すように、柄部2の取付け部分22の上端部から少なくとも攪拌部3を構成する各線材30(A〜F)の折り返す形状に曲げる最も外側となる部分(36b)に至るまでの範囲において2列の間隔W1、W2を保持して直線状にほぼ平行した状態で立ち上がる形状の隙間空間Q´としても存在している。また、この直線状に長く延びる隙間空間Q´は、線材30(A〜F)のうち各列の両端部に配置されて対峙する線材30(A,F)が、2列の間隔W、W2を保ちつつほぼ平行に立ち上がる形状に設定されていることで形作られている。この隙間空間Q´は、後述する各実施の形態に係る攪拌具1の攪拌部2においても同様に存在する。
攪拌具1Aは、攪拌部3に上記した直線状に立ち上がって延びる形状の隙間空間Q´(図2)が存在するので、その隙間空間Q´が攪拌部3の内側部分の全体に亘って洗浄具を用いた洗浄作業を行うための作業空間としても利用することができ、洗浄がより一層行い易くなる。
さらに、攪拌具1Aにおいては、攪拌部3を構成する複数の線材30として、前述したようなひねりを加えた形状に成形したものを使用しているため、その各線材30の端部31,32を対向する2列を構成する状態で配置しているにもかかわらず、各線材30の折り返す形状に曲げる部分36の最外部分36bを結んだ形状がほぼ正多角形になるとともに、ほぼ均等な線材間隔(交差角度)からなる配置によって形成される半球状の頭部を有する攪拌部3(図3、図6(b))を安定して得る(製作する)ことができる。
これに対して従来公知の攪拌具では、ひねりを加えた形状に成形したものを使用せずに、図41に例示するように、線材30の両端部31,32がその線材の折り返す形状に曲げる部分36の投影直線(点線Tで示す直線)上に存在する形状のものを使用して攪拌部3を形成した場合には、その攪拌部3は図42(a)に例示するような状態になる。すなわち、図42(a)に示す従来公知の攪拌具では、図41に示したひねりを加えない線材30A〜30Fを用い、その各線材30の両端部31,32が柄部2の円形の取付け部分22に対して均等な角度(間隔)で配置されており、この場合に限って、その攪拌部3は実施の形態1に係る攪拌具1Aの攪拌部3と同様に、各線材30の折り返す形状に曲げる部分36の最外部分36bを結んだ形状がほぼ正多角形になるとともにほぼ均等な線材間隔(交差角度)に保たれた形状になっている。
しかしながら、柄部2の円形の取付け部分22に対して図41に示したひねりを加えない線材30A〜30Fを、本発明のように実施の形態1に係る攪拌部3を構成する線材30のような対向する2つの列を構成するように配置した場合には、図42(b)に例示するような状態になってしまう。すなわち、かかる線材30A〜30Fのうち端部31,32の各列への配置位置がより離れた配置になっている線材30(A,B,E,F)の折り返す形状に曲げる部分36が等しい角度θで交差する所要の位置に存在させることができず、線材30が全体として2つの集団を形成するように偏在した状態になってしまう。この結果、かかる攪拌部3では、その各線材30の折り返す形状に曲げる部分36の最外部分36bを結んだ形状が、攪拌部3の頭部形状として要求されるほぼほぼ正多角形(円形)にならず、ほぼ均等な線材間隔からなる配置によって形成される半球状の頭部が形成されなくなり、攪拌能力が低下した攪拌具となってしまう。
なお、実施の形態1では、列どうしの間隔W1,W2が同じ寸法に設定される場合について例示したが、互いに異なる寸法に設定することも可能である。
この場合は、その狭い方の寸法に設定される間隔W2(又はW1)を、各列の隣り合う線材の端部31,32どうしの間隔Sよりも広い寸法で、しかも線材部分35を洗浄するための洗浄具8(の洗浄作業部分80)が通過できる寸法からなる1つの拡大した間隔として構成するとよい。これにより、対向する2つの列を構成する線材部分35の間(列間:前記した通路状の空間)に洗浄具8を全域にわたって通過させることができ、また、その列間に洗浄具8を侵入させて前後方向に移動させるように動かして洗浄作業を行うこともできる。
一方、この場合は、その広い方の寸法に設定される間隔W1(又はW2)を、各列の隣り合う線材の端部31,32どうしの間隔Sよりも広い寸法で、しかも線材部分35を洗浄するための洗浄具8(の洗浄作業部分80)が通過できる寸法からなる1つの拡大した間隔として構成することも可能である。このように構成したときは、2つの間隔W1及びW2のうちで相対的に狭い寸法となる間隔W2(又はW1)により存在する隙間空間から洗浄具8を侵入させることができなくなるが、その相対的に広い間隔とする間隔W1(又はW2)により存在する隙間空間50(51)から洗浄具8を侵入させて洗浄作業を行えばよい。
[実施の形態2]
図9から図12は、実施の形態2に係る攪拌具を示す。図9はその攪拌具を正面側から見たときの状態を示し、図10はその攪拌具を90°だけ柄部を中心に回転させて側面側から見たときの状態を示し、図11はその攪拌具を上面側から見たときの状態を示し、図12はその攪拌具をA−A線で切断して見たときの状態を示している。
実施の形態2に係る攪拌具1Bは、実施の形態1に係る攪拌具1Aと対比した場合、柄部2として一部変更したもの(2B)を用い、また攪拌部3を構成する各線材30の直径を変更し、その端部31,32の柄部2Bに対する取り付け位置の配置やその取り付け構造について一部変更した点で異なるものである。これ以外については、前記した攪拌具1Aと同じ構成になっている。
柄部2Bは、断面の一辺が約18mmのほぼ正方形となる角柱形状からなる柄本体21Bと、その柄本体21Bの一端部をほぼ13×18mmの長方形の断面となる角柱形状に形成してなる取付け部分22Bと、その取り付け部分22Bの2側面に取り付ける2枚の被覆板24A,24Bとで構成されるものである。また、柄部2Bは、合成樹脂(例えば超高分子量ポリエチレン樹脂)製の取り付け部分22Bが形成されている。被覆板24A,24Bは、合成樹脂(例えばナイロン樹脂)製の板材であり、取り付け部分22Bにおける2つ側面から柄本体21Bの2側面に連続した状態で(柄部2Bの全長にわたって)取り付けられている。
攪拌部3を構成する線材30A〜30Fは、その直径が1.5mmのものを使用した。また、その各線材の両端部31,32は、図10や図12に示すように、柄部2Bの取り付け部分22Bに対し、角柱形状の取り付け部分22Bにおいて平行して対向し合う2つの側面部に6個ずつ配分して2つの列をなす状態で配置されているとともに、各列において等しい間隔Sをあけながら直線状に並べて隣接した状態で配置されている。これにより、その各線材30A〜30Fの端部31,32は、ほぼ平行する2つの列となるように配分された状態で配置されることとなる。またその列どうしの間隔W3は、1つの共通したものとなり、取り付け部分22Bの一辺の長さに略相当する寸法となる。その列どうしの間隔W3は、少なくとも洗浄具8を通過させることができる寸法に設定されている。
線材30A〜30Fの両端部31,32の柄部2Bの取り付け部分22Bへの取り付け構造は、以下のような構成になっている。
まず、図13等に示すように、各線材30の端部31,32に、その末端を取り付け部分22Bの内側に折り曲げた曲げ部31a,32aを形成する(同図(a))。また、柄部2Bの取り付け部分22Bの2つの側面部に、各線材30の直線状に延びる端部31,32をそれぞれ嵌め入れる溝27aを形成する(同図(b),(c))。さらに、取り付け部分22Bの2つの側面部に、各線材30の端部31,32における曲げ部31a,32aを差し込むための孔27bを上記溝27aの終端部に形成する(同図(b),(c))。そして、上記取付け構造は、線材の端部31,32を取付け部分22Bの各溝27aに配分して嵌め入れるとともに、その線材端部の曲げ部31a,32aを孔27bに差し込んだ状態にした後に、その溝27a及び孔27bが形成された取付け部分22Bの2側面部に対して被覆板24A,24Bを固定した構成になっている。
溝27aは、取り付け部分22Bの側面部に対して前記した線材端部31,32の配置条件に対応させた位置に、互いに平行する状態で形成されている。また、溝27aは、線材30の外形と同じ寸法の溝深さ及び溝幅で形成されている。各線材端部の溝27a等への固定や被覆板24A,24Bの固定は、例えばエポキシ樹脂等の接着剤等を用いて行われており、これにより線材30の取り付け部分22Bにおける水密性が良好に保たれる。
攪拌具1Bにおいては、例えば、各列における線材端部どうしの間隔Sを約1mmに設定することで、その列どうしの(最小の)間隔W3を約10mmという寸法にしている。この間隔W3は、2つの平行する列のいずれの部分においても同じ寸法になっている。
また、攪拌部3として、各線材30の折り返す形状に曲げる部分36の最外部分を結んだ形状がほぼ正多角形(円形状)になる攪拌部を安定して製作するために、実施の形態1の場合と同様に、図14に示すように、攪拌部3を構成する複数の線材30はいずれもひねりが加えられ、その線材30の両端部31,32がその線材の折り返す形状に曲げる部分36の投影直線(点線Tで示す直線)を挟んで互いに反対側の位置に分かれて存在する形状に成形されている(同図(b))。また、上記のようなひねりが加えられた線材30は、線材30の端部の曲げ部31a,32aが柄部2Bの孔27bに差し込まれた状態となっているため、加えられたひねりが戻る等の変形が発生することがなく、耐久性の高い攪拌部3を形成してこれを保持することができる。
この攪拌具1Bでは、その使用後における攪拌部3等の洗浄に際して以下のような洗浄のし易さが得られる。
攪拌具1Bにおいては、図12等に示すように、攪拌部3を構成する線材30の端部31,32が、柄部2Bの取り付け部分22Bに対して2つの直線状の列を形成するように配分され、その各列において等しい間隔Sをあけながら直線状に並べて隣接した状態で配置されている。また、攪拌具1Bでは、各列の両端部に配置された各線材30の端部31,32が2箇所において間隔W3をあけた状態で配置されている。これにより、線材端部の付け根部分33から最初に離れて延びる線材部分35のうち、その間隔W3があけられた線材30A、30Fの端部31,32どうしの間には、洗浄具8を通過させることができる隙間空間が2つ存在することになる。一方の間隔W3により存在する第1の隙間空間52と、他方の間隔W3により存在する第2の隙間空間53である。
そして、攪拌部3における線材部分35の洗浄に際しては、図10、図12等に示すように、洗浄具8の洗浄作業部分80を、上記2箇所の拡大した間隔W3によって存在する隙間空間52,53のいずれかを通して、2列に並ぶ複数の線材部分35により対向した状態で取り囲まれる被包囲空間内に入れた状態で洗浄作業を行うことができる(図8参照)。この結果、線材部分35の内側部分の洗浄が行い易くなり、しかも、柄部の取付け部分22Bの端面部22bの洗浄も行い易くなる。
また、この攪拌具1Bの洗浄においては、2つの隙間空間52,53が存在することや対向する線材部分35のほぼ平行した列どうしの間にほぼ等しい幅で直線的な通路状の空間が存在するので、前記した実施の形態1に係る攪拌具1Aのような円弧状に配置された線材部分35と異なり、線材部分35の内側部分の洗浄に際して死角となる部分(円弧状に曲がった状態で配置された線材の内側部分)が存在しなくなる。このため、その線材部分35の内側部分に対する洗浄の容易性が格段に向上する。
また、攪拌具1Bの洗浄においても、実施の形態1に係る攪拌具1Aの場合と同様に、攪拌部3に直線状に立ち上がって延びる形状の隙間空間Q´が存在する(図10)。このため、その隙間空間Q´が攪拌部3の内側部分の全体に亘って洗浄具を用いた洗浄作業を行うための作業空間としても利用することができ、洗浄がより一層行い易くなる。
さらに、攪拌具1Bにおいては、攪拌部3を構成する複数の線材30として、前述したようなひねりを加えた形状に成形したものを使用しているため、実施の形態1の攪拌具1Aのような対向する円弧状の2列を構成する状態の配置と異なり、各線材30の端部31,32を対向する直線状の2列を構成する状態で配置しているにもかかわらず、各線材30の折り返す形状に曲げる部分36の最外部分を結んだ形状がほぼ正多角形になるとともにほぼ均等な線材間隔の配置によって形成される半球状の頭部を有する攪拌部(図6(b)、図11)を安定して得ることができる。
なお、実施の形態2では、柄部2Bの取り付け部分22Bの形状としてほぼ正方形の角柱を例示したが、その形態に限定されず、他の形態にしてもよい。その他の取り付け部分22Bの形状としては、例えば、長方形の角柱、円形の円柱、楕円形等の円柱状形状等が挙げられる。また、この取り付け部分22Bについては、例えば、実施の形態1で示したような円形又は楕円形の管状からなる柄本体21とその一端部に嵌め入れる固定体40との組み合わせ構造からなる取り付け部分として構成しても構わない。
また、実施の形態2では、被覆板24を柄部2Bの柄本体21Bに至る部位までに取り付けた場合について示したが、これに限定されず、線材端部を取り付け部分22Bに強固に取り付けることが可能であれば、例えば、柄部2Bの取り付け部分22Bのみの部位までに取り付けるようにしてもよい。また、被覆板24は、合成樹脂製の板材に限らず、ステンレス等の金属製の板材で構成してもよい。さらに、被覆板24は、柄部2の取付け部分22Bを補強する観点から、その取付け部分22Bの4つの側面のすべてに取り付けるようにしてもよい。この他、実施の形態2における柄部2Bは、その全体がほぼ正方形の角柱形状で形成されているため、その使用時の攪拌作業において柄本体21Bの部分を掌握したときの回転する動き(すべり)を防止することができる。しかし、柄部2については、例えば、取付け部分21Bの形状をほぼ正方形の角柱形状にする一方で、残りの握り部分となる柄本体21Bの形状を円柱形状、楕円形状等の他の形状にすることも可能である。
[実施の形態3]
図15から図18は、実施の形態3に係る攪拌具を示す。図15はその攪拌具を正面側から見たときの状態を示し、図16はその攪拌具を90°だけ柄部を中心に回転させて側面側から見たときの状態を示し、図17はその攪拌具を上面側から見たときの状態を示し、図18はその攪拌具をA−A線で切断して見たときの状態を示している。
実施の形態3に係る攪拌具1Cは、実施の形態1に係る攪拌具1Aと対比した場合、柄部2として一部変更したもの(2C)を用い、また攪拌部3として7本の線材30A〜30Gを用いて構成するもの(3C)を採用するとともにその各線材30A〜30Gの端部31,32の柄部2Cに対する取り付け構造について一部変更した点で異なるものである。これ以外については、前記した攪拌具1Aと同じ構成になっている。
柄部2Cは、楕円(長円)形状からなる柄本体21Cと、その柄本体21Cの一端部の端面に凹部23を形成した取付け部分22Cと、その取付け部分22Cの凹部23に嵌め入れて固定される長方体状の固定体42とを有する構造のものである。柄本体21Cは、例えば断面が28mm×22mmのほぼ長円形となる円柱形状であり、合成樹脂(ポリプロピレン樹脂)等で構成されている。取付け部分22Cと固定体42についても、柄本体21Cと同様に、合成樹脂(ポリプロピレン樹脂)等で構成されている。凹部23は、一方向に長い直方体に似た空間として形成されている。
攪拌部3Cを構成する7本の線材30A〜30Gは、実施の形態1,2における攪拌部を構成する線材30の場合と同様に、湾曲状に折り返す形状に曲げる部分36を有する形状にするとともにその折り返す形状に曲げる部分36で互いに交差させるような状態に配置しているが、この例ではその各線材30の交差する上下関係が他の例と異なっている(図15〜図17)。また、その各線材30については、図16や図18に示すように、その真下に向けてほぼ直線状に延びる両端部31,32(合計で14個の端部)を、柄部2Cの取付け部分22Cにおいて平行して対向し合う2つの側面部に7個ずつ配分して2つの列をなす状態で配置されているとともに、各列において等しい間隔Sをあけながら直線状に並べて隣接した状態で配置されている。これにより、その各線材30A〜30Gの端部31,32は、ほぼ平行する直線状の2つの列となるように配分された状態で配置されることとなる。またその列どうしの間隔W4は、1つの共通したものとなる。その列どうしの間隔W4は、少なくとも洗浄具8を通過させることができる寸法に設定されている。
線材30A〜30Gの両端部31,32の柄部2Cの取り付け部分22Cへの取り付け構造は、以下のような構成になっている。
まず、図19等に示すように、各線材30は、その端部31,32の末端が前記間隔Sをあけた状態で連結部材37A,37Bによりそれぞれ連結される。連結部材37A,37Bは、例えば、板形状や棒状のものであり、線材端部31,32の内側において溶接、接着剤等の固定手段で固着される。連結部材37A,37Bとしては、金属で構成されるものが使用されるが、合成樹脂で構成されるものを使用してもよい。また、連結部材37A,37Bは、後述する固定体42の収容窪み部(44A,44B)に収容される寸法及び形状に設定されている。
次に、固定体42は、図19や図20に示すように、全体が一方に長いほぼ直方体の形状からなるものであり、その上面42aの長辺部から続く2つの長辺側面部42b,42cに上下方向に直線状に延びる複数(本例では1つの側面部に7つ)の溝43がそれぞれ形成されている。
2つの長辺側面部42b,42cに形成する溝43どうしは、線材の端部31,32の2列どうしの間隔W4を確保することができる間隔をあけて形成される。溝43は、線材30の外径と同じ寸法の溝深さ及び溝幅で形成されているとともに、その隣り合う溝43は間隔Sをあけた状態で形成されている。また、固定体42における底面部42dと2つの長辺側面部42b、42cとが交わる角部には、連結部材37A,37Bを収容する収容窪み部(空間部)44A,44Bがそれぞれ形成されている。収容窪み部(空間部)44A,44Bは、固定体42の上記角部が内側に窪んだ(陥没した)形態で形成されており、また線材の端部31,32と連結部材37A,37Bを完全に収容できる大きさで形成されている。固定体42は、柄部2Cの取付け部分22Cにおける凹部23に嵌め入れられて全体が収まる寸法及び形状の関係になっている。
そして、上記取付け構造は、図22に示すように、各線材30(A〜G)の端部31,32のうち連結部材37A,37Bで連結した末端以外の部分を固定体42の溝43に嵌め入れるとともに、固定体42の収容窪み44A,44Bに連結部材37A,37Bを線材端部と共にそれぞれ収容した後、その各線材30(の端部31,32)が仮止めされた固定体42を、柄部2Cの取付け部分22Cにおける凹部23に嵌め合わせて固定した構成になっている(図15、図16)。この取付け構造においては、固定体42の凹部23への固定は、例えば接着剤を固定体42と凹部23の接合面、線材端部31,32や連結部材37A,37B等に塗布して固めることにより行われる。
攪拌具1Cにおいては、例えば、各列における線材端部31,32どうしの間隔Sを約1.8mmに設定しており、その列どうしの(最小の)間隔W4を約14mmという寸法にしている。この間隔W4は、2つの平行する列のいずれの部分においても同じ寸法になっている。
また、攪拌部3Cとして、各線材30(A〜G)の折り返す形状に曲げる部分36の最外部分36bを結んだ形状がほぼ正多角形(円形)になる攪拌部を安定して製作するために、実施の形態1等の場合と同様に、図21に示すように、攪拌部3Cを構成する複数の線材30(A〜G)の一部(30A,30B,30F,30G)は、その線材30の両端部31,32がその線材の折り返す形状に曲げる部分36の投影直線(点線Tで示す直線)を挟んでそれぞれ反対側の位置に分かれて存在する形状に成形されている(同図(b))。この線材30におけるひねりは、予め必要な線材30に対してこのひねりの加工を施すことができる。また、このひねりは、このようなひねり加工を施さない線材30を使用して、線材端部31,32の末端に溶接などして固定する連結部材37A,37Bで連結固定する際に施すようにしてもよい。
この攪拌具1Cでは、その使用後における攪拌部3C等の洗浄に際して以下のような洗浄のし易さが得られる。
攪拌具1Cにおいては、図18等に示すように、攪拌部3Cを構成する線材30の端部31,32が、柄部2Cの取り付け部分22Cに対して2つの直線状の列を形成するように配分され、その各列において等しい間隔Sをあけながら直線状に並べて隣接した状態で配置されている。また、攪拌具1Cでは、各列の両端部に配置された各線材30の端部31,32が2箇所において間隔W4をあけた状態で配置されている。これにより、線材端部の付け根部分33から最初に離れて延びる線材部分35のうち、その間隔W4があけられた線材30A、30Gの端部31,32どうしの間には、洗浄具8を通過させることができる隙間空間が2つ存在することになる。一方の間隔W4により存在する第1の隙間空間54と、他方の間隔W4により存在する第2の隙間空間55である。
そして、攪拌部3Cにおける線材部分35の洗浄に際しては、図16、図18等に示すように、洗浄具8の洗浄作業部分80を、上記2箇所の拡大した間隔W4によって存在する隙間空間54,55のいずれかを通して、2列の直線状に並ぶ複数の線材部分35により対向した状態で取り囲まれる被包囲空間内に入れた状態で洗浄作業を行うことができる(図8参照)。この結果、線材部分35の内側部分の洗浄が行い易くなり、しかも、柄部の取付け部分22Cの端面部22b(実際には固定体42の露出する上面部42a)の洗浄も行い易くなる。
また、この攪拌具1Cの洗浄においても、2つの隙間空間54,55が存在することや対向する線材部分35のほぼ平行した列どうしの間にほぼ等しい幅で直線的な通路状の空間が存在するので、前記した実施の形態1に係る攪拌具1Aよりも優れた洗浄作業性を有する実施の形態2に係る攪拌具1Bにより得られる洗浄作業のし易さが同様に得られる。
また、攪拌具1Cにおいても、実施の形態1に係る攪拌具1Aの場合と同様に、攪拌部3に直線状に立ち上がって延びる形状の隙間空間Q´が存在する(図16)。このため、その隙間空間Q´が攪拌部3の内側部分の全体に亘って洗浄具を用いた洗浄作業を行うための作業空間としても利用することができ、洗浄がより一層行い易くなる。
さらに、攪拌具1Cにおいては、攪拌部3Cを構成する複数の線材30として、前述したようなひねりを加えた形状に成形したものを使用しているため、実施の形態1の攪拌具1Aの場合のような対向する円弧状の2列を構成する状態の配置と異なり、各線材30の端部31,32を対向する直線状の2列を構成する状態で配置しているにもかかわらず、各線材30の折り返す形状に曲げる部分36の最外部分を結んだ形状がほぼ正多角形になるとともに、ほぼ均等な線材間隔の配置によって形成される半球状の頭部を有する攪拌部3(図6(b)、図17)を安定して得ることができる。また、ひねりが加えられた線材30は、線材端部31,32の末端部に連結部材37A,37Bが溶接され強固に固着されているので、加えられたひねりが戻ってしまう等の変形が発生することがなく、耐久性の高い攪拌部3を形成してこれを保持することができる。
[実施の形態4]
図23から図26は、実施の形態4に係る攪拌具を示す。図23はその攪拌具を正面側から見たときの状態を示し、図24はその攪拌具を90°だけ柄部を中心に回転させて側面側から見たときの状態を示し、図25はその攪拌具を上面側から見たときの状態を示し、図26はその攪拌具をA−A線で切断して見たときの状態を示している。
実施の形態4に係る攪拌具1Dは、実施の形態3に係る攪拌具1Cと対比した場合、柄部2として一部変更したもの(2D)と、攪拌部3として線材30の交差する部分の上下配置関係を実施の形態1,2における攪拌部3の上下配置関係とほぼ同じ関係にして異なせたもの(3D)を用いた点で異なるものである。これ以外については、前記した攪拌具1Cと同じ構成になっている。
柄部2Dは、長円(楕円)柱形状からなる柄本体21Dと、その柄本体21Dの一端部の端面に凹部23を形成した取付け部分22Dと、その取付け部分22Dの凹部23に嵌め入れて固定される長方体状の固定体42Dとを有する構造のものであり、特にその固定体42Dが実施の形態3における柄部2Cの固定体42を一部変更した構成になっている。柄本体21Dと取付け部分22Dは、実施の形態3における柄部2Cの柄本体21C及び取付け部分22Cと同じ構成であるが、取付け部分22Dにおける凹部23の深さが取付け部分22Cの凹部23よりも少し浅くなっている点で相違する程度である。
固定体42Dは、図27等に示すように、実施の形態3における固定体42の上面部(42a)に対して柄部2Dの凹部23における上端部(縁部)22cを覆う蓋部45を増設し、その蓋部45に複数の溝43にそれぞれ連続する複数の貫通孔46を形成したものである。
蓋部45は、その本体部(溝43や収容窪み部44A,44Bが形成されている部分)からその全周にわたって柄部2Dの取付け部分22Dの上端部22cと重なり合う寸法だけ突出した形状で形成されている。貫通孔46は、各線材30の端部21,22の断面形状及び外径と同じ孔形状や孔径のものとする。このうち貫通孔46の孔径については、貫通孔46と各線材30の端部31,32との密着性を高める観点からは、その線材30の端部31,32の挿入が可能である限りその端部31,32の外径よりも少し小さい寸法に設定してもよい。
この柄部2Dの取付け部分22Dに対する線材30A〜30Gの両端部31,32の取り付け構造は、以下の構成になっている。
すなわち、図28に示すように、折り返した形状に曲げ加工した後の各線材30(A〜G)の端部31,32を固定体42Dの貫通孔46及び溝43に嵌め入れた後、固定体42Dを線材30の折り返す形状に曲げる部分36の方向にスライドさせて各線材端部31,32の末端部を固定体42Dの底面部42dから離間させて突出させた状態にし、その固定体42Dから離間して突出した状態にある各線材30(A〜G)の端部31,32の末端部をその内側に配置する連結部材37A,37Bにそれぞれ固着(溶接等による固着)して連結させる。
次いで、各線材30(A〜G)の全体を位置的に固定した状態にしたうえで、固定体42Dを各線材30(A〜G)に対し溝43及び貫通孔46の長さ方向に沿うような矢印Aで示す方向にスライドさせて引き戻す。これにより、各線材30の端部31,32の末端部と連結部材37A,37Bの双方を、固定体42Dの収容窪み部44A,44Bにそれぞれ収容した状態にする(実施の形態3を示す図22の収容状態を参照)。
ここで、各線材30(A〜G)の直線状に形成された端部31,32は、上記した線材端部31,32と固定体42Dとの相対的なスライド作業を行えるようにするため、固定体42D(の貫通孔46及び溝43)に取り付けたときに固定体42D側に埋設される範囲の端部部分に加えて、固定体42Dの上面(本例では蓋部45)からさらに上方に直線状に延びて存在して上記のスライド作業を可能にするスライド作業部分31c,32c(図23等)を有する形状にしておくことが必要である。このスライド作業部分31c,32cは、前述した線材30の端部31,32の付け根部分33から最初に延びる直線状の線材部分35となっている。
このようなスライド作業部分31c,32c(直線状の線材部分35)については、例えば、上記の固定体42Dから離間して突出した状態にある各線材30(A〜G)の端部31,32の末端部に固着する連結部材37A,37Bをそれぞれ溶接等の固着作業で連結させるに必要なスライド量については、連結部材の高さ寸法や固着作業の内容等によっても異なるが、例えば、固定体42Dの全高さHの概ね半分(線材30の端部31,32の付け根部分33の長さに対して概ね50%)程度の値を少なくとも確保することが好ましい。
そして、上記取付け構造は、その各線材30(の端部31,32)が仮止めされた固定体42Dを、柄部2Dの取付け部分22Dにおける凹部23に嵌め合わせて固定した構成になっている(図23、図24)。この取付け構造においては、固定体42Dの凹部23への固定は、実施の形態3の場合と同様に、例えば接着剤を接合面等に塗布して固めることにより行われる。また、この取付け構造においては、固定体42Dの蓋部45が柄部2Dの取付け部分22Dの上端部22cを覆う状態でその上端部22cと接合する。
また、上記の固定体42Dを各線材30(A〜G)に対し溝43及び貫通孔46の長さ方向に沿う方向にスライドさせて引き戻す際に、固定体42Dから離間して突出した状態にある各線材30(A〜G)の端部31,32に接着剤を塗布しておき、その後にスライドさせて引き戻した場合には、各線材30の端部31,32と溝43及び貫通孔46との間が接着剤で結合されるとともに隙間のない状態に保たれ水密性が向上する。このような観点から、上記のスライド作業部分31c,32c(直線状の線材部分35)については、少なくとも固定体42Dの全高さHとほぼ等しい値(線材30の端部31,32の付け根部分33の長さに対して概ね100%)になるように設定することが好ましい。
攪拌具1Dにおいては、実施の形態3の場合と同様に、例えば、各列における線材端部31,32どうしの間隔Sを約1.8mmに設定しており、その列どうしの(最小の)間隔W4を約14mmという寸法にしている。この間隔W4は、2つの平行する列のいずれの部分においても同じ寸法になっている。
また、攪拌部3Dとして、各線材30(A〜G)の折り返す形状に曲げる部分36の最外部分を結んだ形状がほぼ正多角形(円形状)になる攪拌部を安定して製作するために、実施の形態3等の場合と同様に、攪拌部3Cを構成する複数の線材30(A〜G)の一部(30A,30B,30F,30G)は、ひねりが加えられるとともに、その線材30の両端部31,32がその線材の折り返す形状に曲げる部分36の投影直線(点線Tで示す直線)を挟んで反対側の位置に分かれて存在する形状に成形されている(図21(b)参照)。
この攪拌具1Dでは、その使用後における攪拌部3D等の洗浄に際して、前述した実施の形態3に係る攪拌具1Cの場合と同様に洗浄のし易さが得られる。また、攪拌具1Dにおいても、実施の形態1に係る攪拌具1Aの場合と同様に、攪拌部3に直線状に立ち上がって延びる形状の隙間空間Q´が存在する(図24)。このため、その隙間空間Q´が攪拌部3の内側部分の全体に亘って洗浄具を用いた洗浄作業を行うための作業空間としても利用することができ、洗浄がより一層行い易くなる。
さらに、攪拌具1Dにおいても、攪拌部3Dを構成する複数の線材30として、前述したようなひねりを加えた形状に成形したものを使用しているため、実施の形態3の攪拌具1Cの場合と同様に、その各線材30の端部31,32を対向する直線状の2列を構成する状態で配置しているにもかかわらず、各線材30の折り返す形状に曲げる部分36の最外部分を結んだ形状がほぼ正多角形になる攪拌部3(図6(b)、図25)を安定して得ることができる。また、ひねりが加えられた線材30は、線材端部31,32の末端部に連結部材37A,37Bが溶接され強固に固着されているので、加えられたひねりが戻ってしまう等の変形が発生することがなく、耐久性の高い攪拌部3を形成してこれを保持することができる。
[実施の形態5]
図29から図32は、実施の形態5に係る攪拌具を示す。図29はその攪拌具を正面側から見たときの状態を示し、図30はその攪拌具を90°だけ柄部を中心に回転させて側面側から見たときの状態を示し、図31はその攪拌具を上面側から見たときの状態を示し、図32はその攪拌具をA−A線で切断して見たときの状態を示している。
実施の形態5に係る攪拌具1Eは、実施の形態4に係る攪拌具1Dと対比した場合、固定体として一部変更したもの(42E)を用いた柄部2Eを適用した点で異なるものである。これ以外については、前記した攪拌具1Dと同じ構成になっている。
柄部2Eは、図30、図34等に示すように、長円(楕円)柱形状からなる柄本体21Dと、その柄本体21Dの一端部の端面に一部変更した凹部23Eを形成した取付け部分22Eと、その取付け部分22Eの凹部23Eに嵌め入れて固定される長方体状の固定体42Eとを有する構造のものである。
取付け部分22Eの凹部23Eは、図34に示すように、後述する固定体42Eの底面部から突出した状態にある線材の端部31,32とそれを連結する連結部材37A,37Bを収容するための収容窪み部28A,28Bを増設したものである。収容窪み部28A,28Bは、凹部23Eの底面よりもさらに下方に延びる窪み(溝)として形成される。
固定体42Eは、実施の形態4における固定体42Dと対比した場合、その固定体42Dにおける収容窪み部44A,44B(図27、図33を参照)を形成しない点と、その本体部に溝43でなく貫通孔47を形成した点で相違するが、それ以外についてはほぼ共通した構成になっている。すなわち、固定体42Eは、その本体部の上部に蓋部45を形成した構造からなり、その蓋部45に複数の貫通孔46を形成し、その本体部に蓋部45の各貫通孔46とそれぞれ連続する複数の貫通孔47を形成したものである。貫通孔47は、溝43と同様に、線材30の端部31,32の外径とほぼ同じ孔径からなるものであるが、その外径よりも大きな孔径としてもよい。貫通孔46については、線材30の端部31,32の外径よりも少し小さい径の孔にしているが、その外径とほぼ同じ孔径としてもよい。
この柄部2Eの取付け部分22Eに対する線材30A〜30Gの両端部31,32の取り付け構造は、以下のような構成になっている。
すなわち、図34に示すように、折り返した形状に曲げ加工した後の各線材30(A〜G)の端部31,32を固定体42Eの貫通孔46、47に嵌め入れた後、固定体42Eを線材30の折り返す形状に曲げる部分36の方向にスライドさせて各線材端部31,32の末端部を固定体42Eの底面部42dから離間させて突出した状態にし、その固定体42Eから離間して突出した状態にある各線材30(A〜G)の端部31,32の末端部をその内側に配置する連結部材37A,37Bにそれぞれ固着して連結させる。
次いで、図34及び図35に示すように、各線材30(A〜G)の全体を位置的に固定した状態にしたうえで、固定体42Eを各線材30(A〜G)に対し貫通孔46、47の長さ方向に沿うよう矢印Aで示す方向にスライドさせて引き戻し(図34)、これにより連結部材37A,37Bを固定体42Eの底面部42dに接触させるとともにその底面部42dから突出させた状態にする(図35参照)。
そして、上記取付け構造は、その各線材30(の端部31,32)が仮止めされた固定体42Eを、柄部2Eの取付け部分22Eにおける凹部23Eに嵌め合わせて固定するとともに、その固定体42Eの底面部42dから突出した状態にある連結部材37A,37B及び線材の端部31,32の双方を凹部23Eにおける収容窪み部28A,28Bにそれぞれ収容する構成になっている(図29、図30)。この取付け構造においては、固定体42Eの凹部23Eへの固定は、例えば接着剤を接合面等に塗布して固めることにより行われる。この際、連結部材37A,37B及び線材の端部31,32と収容窪み部28A,28Bとの間も接着剤を塗布して固定する。また、この取付け構造においては、固定体42Eの蓋部45が柄部2Eの取付け部分22Eの上端部22cを覆う状態でその上端部22cと接合する。
この攪拌具1Eでは、その使用後における攪拌部3C等の洗浄に際して、前述した実施の形態4に係る攪拌具1Dの場合と同様に洗浄のし易さが得られる。また、攪拌具1Eにおいても、実施の形態1に係る攪拌具1Aの場合と同様に、攪拌部2に直線状に立ち上がって延びる形状の隙間空間Q´が存在する(図30)。このため、その隙間空間Q´が攪拌部3の内側部分の全体に亘って洗浄具を用いた洗浄作業を行うための作業空間としても利用することができ、洗浄がより一層行い易くなる。
さらに、攪拌具1Eにおいても、攪拌部3Eを構成する複数の線材30として、前述したようなひねりを加えた形状に成形したものを使用しているため、実施の形態3の攪拌具1Cや実施の形態4の攪拌具1Dの場合と同様に、その各線材30の端部31,32を対向する直線状の2列を構成する状態で配置しているにもかかわらず、各線材30の折り返す形状に曲げる部分36の最外部分を結んだ形状がほぼ正多角形になる攪拌部3(図6(b)、図31)を安定して得ることができる。また、ひねりが加えられた線材30は、線材端部31,32の末端部に連結部材37A,37Bが溶接され強固に固着されているので、加えられたひねりが戻ってしまう等の変形が発生することがなく、耐久性の高い攪拌部3を形成してこれを保持することができる。
[実施の形態6]
図43から図46は、実施の形態6に係る攪拌具を示す。図43はその攪拌具を正面側から見たときの状態を示し、図44はその攪拌具を90°だけ柄部を中心に回転させて側面側から見たときの状態を示し、図45はその攪拌具を上面側から見たときの状態を示し、図46はその攪拌具をA−A線で切断して見たときの状態を示している。
実施の形態6に係る攪拌具1Gは、実施の形態3に係る攪拌具1Cと対比した場合、連結部材37を使用せず、攪拌部3を構成する線材30として実施の形態2における攪拌部3の曲げ部31a,32aを形成した形状の線材30を用いるとともに、固定体42として異なる構成の固定体(42G)を用いた点で異なるものである。これ以外については、前記した攪拌具1Cと同じ構成になっている。
攪拌部3を構成する線材30は、図47の上段部等に示すように、各線材30の端部31,32に、その末端を柄部2Cへの取付け時における配置状態である2列の内側にむけて折り曲げてなる曲げ部31a,32aを形成したものである。柄部2Cは、実施の形態3における柄部3Cと同じ構成のものである。
固定体42Gは、図47の中段部、図48等に示すように、実施の形態3における固定体42の収容窪み部44A,44Bを形成せず、側面部42b,42cに各線材30の端部31,32を嵌め入れるための複数の第一溝43aを形成するとともに、側面部42b,42cの下部に各溝43aと連続した状態で各線材30の端部31,32の曲げ部31a,32aを嵌め入れるための第二溝43bを形成したものである。
攪拌具1Gにおける柄部2Cの取付け部分22Cに対する線材30A〜30Gの両端部31,32の取り付け構造は、以下の構成になっている。
すなわち、図49に示すように、折り返した形状に曲げ加工した後の各線材30(A〜G)の端部31,32及び曲げ部31a,32aを固定体42Gにおける第一溝43a及び第二溝43bにそれぞれ嵌め入れる。次いで、各線材30(の端部31,32)が仮止めされた固定体42Gを、柄部2Cの取付け部分22Cにおける凹部23に嵌め合わせて固定する(図43、図44)。この取付け構造においては、固定体42Gの凹部23への固定は、実施の形態3の場合と同様に、例えば接着剤を接合面等に塗布して固めることにより行われる。
攪拌具1Gにおいては、実施の形態3の場合と同様に、例えば、各列における線材端部31,32どうしの間隔Sを約1.8mmに設定しており、その列どうしの(最小の)間隔W4を約14mmという寸法にしている。この間隔W4は、2つの平行する列のいずれの部分においても同じ寸法になっている。
この攪拌具1Gでは、その使用後における攪拌部3等の洗浄に際して、前述した実施の形態3に係る攪拌具1Cの場合と同様に洗浄のし易さが得られる。また、攪拌具1Gにおいても、実施の形態1に係る攪拌具1Aの場合と同様に、攪拌部2に直線状に立ち上がって延びる形状の隙間空間Q´が存在する(図44)。このため、その隙間空間Q´が攪拌部3の内側部分の全体に亘って洗浄具を用いた洗浄作業を行うための作業空間としても利用することができ、洗浄がより一層行い易くなる。
さらに、攪拌具1Gにおいても、攪拌部3を構成する複数の線材30として、前述したようなひねりを加えた形状に成形したものを使用しているため、実施の形態3の攪拌具1Cの場合と同様に、その各線材30の端部31,32を対向する直線状の2列を構成する状態で配置しているにもかかわらず、各線材30の折り返す形状に曲げる部分36の最外部分を結んだ形状がほぼ正多角形になる攪拌部(図45)を安定して得ることができる。また、ひねりが加えられた線材30は、線材30の端部の曲げ部31a,32aが固定体42Gの第二溝43bに嵌め入れられる状態となっているため、加えられたひねりが戻る等の変形が発生することがなく、耐久性の高い攪拌部3を形成してこれを保持することができる。
なお、実施の形態6においては、固定体42Gとして、第一溝43aを形成するとともに、第二溝43bに代えて線材端部31,32の曲げ部31a,32aを差し込むための孔43cを形成したものを使用することも可能である。孔43cについては、例えば、実施の形態2において柄部2の取付け部分22Bに形成する孔27b(図13(b))と同様の構成にすればよい。
[他の実施の形態]
図36は、柄部2として中空構造のものを適用した場合の攪拌具1Fの構成例(要部)を示すものである。
図36に示す攪拌具1Fは、柄部2として一端部が開口されて断面が長円状(楕円状)の形状からなる柄本体21Fからなる柄部2Fを適用した場合の構成例である。この攪拌具1Fは、その柄部2Fの柄本体21Fの内部に浸水防止用の充填部材62を嵌め入れるように装着した後に、攪拌部3の線材30の端部31,32を嵌め入れた固定体42Fをその柄部2Fの柄本体21Fの充填部材62の上にある空間部(凹部23に相当する)に嵌め入れて固定したものである。攪拌部3については実施の形態2〜5などと同様の構成になっている。
柄部2Fは、図37(a)の下段部等に示すように、一端部が開口された断面が楕円状の筒形のものであり、その内部に楕円柱状の空間28を有するものである。この柄部2Fとしては、例えば金属製の円筒パイプなどが使用される。図36等において符号22eは開口部の縁部(上端部)を示す。
充填部材62は、柄部2Fの空間28内に嵌め入れるように装着して固定体42F側から空間28内に水等の液体が浸入することを防止するためのものである。この充填部材62は、図37の中段部等に示すように、柄部2Fの空間28内に嵌め入れることが可能な形状で形成されるものであり、例えば楕円の円柱形状のものが使用される。また、充填部材62は、液体の通過を遮断することができる物性を有するものであればよく、例えば、無発泡の合成樹脂、ゴム、独立気泡の発泡体などの材料で構成するものが使用できる。充填部材62は、図37の下段部に例示するように、柄部2Fの空間28の上部に固定体42Fを嵌め入れることができる空間(取付け部分22の凹部23に相当する空間)を残す状態で装着される。この充填部材62は、通常、空間28の所要の位置で固定されるように構成されるが、液体の通過を遮断することが可能であれば固定しない状態で装着するだけであっても構わない。充填部材62の空間28への固定は、例えば、柄部2Fの空間28の内径に対して少し大きい外径に設定された充填部材62を圧入して装着するか、充填部材62の外径部分に接着剤を塗布して嵌め入れるようにすればよい。
固定体42Fは、例えば実施の形態3における固定体42(図20)とほぼ同じ構成のものを適用することができる。この場合、固定体42Fの全体の外観形状について、楕円の筒形の柄部2Fの空間28に対応した楕円状の形状にすればよい。そして、固定体42Fにおいても、実施の形態3における固定体42の場合と同様に、図37の上段部等に示すように、攪拌部3を構成する線材30の端部31,32を嵌め入れる溝43と連結部材37A,37B等を収容する収容窪み部44A,44Bが同様に形成される。また、固定体42Fは、実施の形態4の固定体42D(図27)や、実施の形態5の固定体42E(図33)のような貫通孔46,47及び蓋部45を形成してもよい。
また、攪拌具1Fでは、図36に例示するように、固定体42Fを、柄部2Fの空間28の上部にその固定体42Fの上面部42aの上方に浸水防止層65を形成するための空間28bが形成されるような状態で装着している。そして、固定体42Fを柄部2Fの空間28b内に所要位置まで嵌め合わせて固定した後、その空間28b内に浸水を防止する物性を有する材料(例えば液状のエポシキ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂などからなる硬化物)からなる浸水防止層65を形成している。浸水防止層65は、その上面が柄部2Fの上端部22eと同じ高さとなるように形成される。
この攪拌具1Fにおける攪拌部3を構成する線材30の柄部2Fへの取付けは、基本的に、実施の形態3に係る攪拌具1Cとほぼ同様の工程を経て行うことができる。唯一、柄部2Fの空間28内に充填部材62を装着する工程を線材30が仮止めされた固定体42Fを柄部2の空間28に嵌め入れて固定する工程を行う前までに実行する必要がある点と、固定体42Fを柄部2Fの空間28に嵌め入れた後に浸水防止層65を形成する工程がある点で異なる。充填部材62の装着作業は、固定体42Fを柄部2Fの空間28に嵌め合わせる作業と併せて行ってもよい。この際、固定体42Fや充填部材62は、柄部2Fの内壁面に対して接着剤により固着される。また、固定体42Fと充填部材62(の上面62a)の間も接着剤によって固着される。
このような構成からなる攪拌具1Fは、例えば実施の形態3に係る攪拌具1Cの場合と同様にして使用される。また、この攪拌具1Fは、その使用した後にその攪拌部3C等が実施の形態3に係る攪拌具1Cの場合と同様にして洗浄される。
また、攪拌具1Fは、攪拌作業と洗浄作業のいずれにおいても、その各作業中において扱う水等の液体が、各線材30(A〜G)の付け根部分35と固定体42Fの溝43の間を通過して柄部2Fの内部空間28の内部に浸入することがない。仮に固定体42Fの溝43や固定体42Fと柄本体21Fの間から液体が浸入した場合であっても、固定体42Fの下方に存在する充填部材62でそれ以上の液体の浸入が防止され、これにより充填部材62の下方に存在する空間28a(図36)の内部に液体が浸入するおそれがない。なお、充填部材62の下方に存在する空間28aは、充填部材62ですべて充填して消失させるようにしても構わない。
さらに、攪拌具1Fにおいても、攪拌部3を構成する複数の線材30として、前述したようなひねりを加えた形状に成形したものを使用しているため、実施の形態3の攪拌具1Cや実施の形態4の攪拌具1Dの場合と同様に、その各線材30の端部31,32を対向する直線状の2列を構成する状態で配置しているにもかかわらず、各線材30の折り返す形状に曲げる部分36の最外部分36bを結んだ形状がほぼ正多角形になる攪拌部3(図6(b))を安定して得ることができる。また、ひねりが加えられた線材30は、線材端部31,32の末端部に連結部材37A,37Bが溶接され強固に固着されているので、加えられたひねりが戻ってしまう等の変形が発生することがなく、耐久性の高い攪拌部3を形成してこれを保持することができる。
さらに他の構成例として、前記実施の形態3〜5においては、その固定体42,42D,42Eと柄部2,2D,2Eの取付け部分22における凹部23との固定について、図38に示すように、例えば固定体42,42D,42Eの短辺側面部42g,42hに突起部71を形成し、その短辺側面部42g,42hに対応する凹部23の内壁面23g,23hに突起部71が入り込んで固定(係合)される係合窪み(凹部)72を形成することもできる。図38(a)〜(c)はどの左側に固定体42,42D,42Eの上面側から見たときの状態を示し、その右側に固定体42,42D,42Eの一方の側面側から見たときの状態を示している。また、図38(d)は、これら固定体42,42D,42Eが係合可能な柄部2を示しており、その図面の左側に柄部2の取付け部分22を正面側から見たときの状態を示し、その図面の右側に取付け部分22を一方の側面側から見たときの状態を示している。
この場合は、固定体42,42D,42Eを柄部2の凹部23に嵌め合わせて固定する際に、その固定体42側にある突起部71が凹部23側にある係合窪み72に入り込んで係合されて固定される。これにより固定体42,42D,42Eと取付け部分22の凹部23の固定が更に強固に行われるようになり、固定体42,42D,42Eが柄部2の凹部23から抜けてしまうおそれがなくなる。このような突起部71や係合窪み72の数、形状、形成位置等の条件については適宜変更することが可能である。また、凹部23側に突起部71を形成し、固定体42側に係合窪み72を形成するように構成してもよい。このような突起部71と係合窪み72を組み合わせて用いる固定形式は、実施の形態6における固定体42Gや、他の構成例である固定体42Fにも同様に適用することが可能である。
また、貫通孔46,47を形成する固定体42Eとしては、図39及び図40に示すように、その固定体42Eの上面部42aのうち貫通孔46を含む周囲に浸水防止層65を形成するための窪み部49を形成した固定体42E´を適用することもできる。窪み部49は、例えば、蓋部45の厚みの半分ぐらいの深さで形成される。浸水防止層65は、前述したような液状の樹脂材料にて形成される層である。浸水防止層65の形成は、固定体42E´に線材30の端部31,32を取り付けた後の段階で、窪み部49に対して防止層65の形成材料を例えば液状樹脂注入装置、液状樹脂滴下装置等により充填して固化させることで行われる。
この窪み部49を形成した固定体42E´を適用して浸水防止層65を形成した場合には、攪拌部3Dを構成する線材30の付け根部分35と貫通孔46との間から水分の浸入をさらに確実に防止することができる。また、線材端部31,32を柄部2Eの取り付け部分22に固定する際に使用する接着剤等の材料が、攪拌具1Eの使用時に攪拌対象物に含まれる水分等の液体が線材端部の付け根部分35から柄部2Eの取り付け部分22の内部に侵入することを防止することができる。
この他、線材30の両端部31,32の取り付けについては、その両端部31,32を柄部2の取り付け部分22に対して斜めの状態(柄部2の長手方向と交差する方向に向く状態)で取り付けるとともに、その両端部31,32の先端部分の一部において所要の方向に屈曲させた形状にするように構成とすることもできる。このように構成した場合には、柄部2の取付け部分22における線材30が容易に抜けてしまうことがなくなり、その線材30の両端部31,32の取り付け強度を高めることができる。
また、攪拌部3を構成する金属製の線材30としては、チタン合金、アルミニウム合金等の他の金属材料からなる線材を使用することもできる。また、攪拌部3を構成する線材30は、金属材料以外の材料(例えば、合成樹脂、複合材料等)からなる線材であってもよい。さらに、線材30は、金属製の線材の周囲を例えばシリコン樹脂、フッ素樹脂等の合成樹脂で被覆した被覆線材であってもよい。
さらに、攪拌部3を構成する線材30の折り返す形状に曲げる部分36の形状については、湾曲させた形状以外の形状としてもよく、例えば、屈曲させた形状や、湾曲させた形状と屈曲させた形状等を組み合わせた複合型の形状とすることもできる。また、線材30の折り返す形状に曲げる部分36の形状については、その曲げる部分36の先端付近(又は中央部)で、例えば、ループ形状、半円形状、楕円形状、8の字形状、めがね枠形状、4角形状、多角形状等の形状にすることも可能である。さらに、また、攪拌部3については、実施の形態1において例示したように柄部2の取付け部分22から垂直方向に向けて立ち並ぶ直線状の形状を形成せず、線材30の端部の付け根部分33から折り返す形状に曲げる部分36へ直線状に連続した形状に形成するようにしてもよい。
またさらに、攪拌部3を構成する複数の線材30(A〜G)については、以下のように構成することができる。即ち、各線材30(A〜G)としては、図50、図52、図54及び図56に例示するように、互いにほぼ平行して延びる直線状の端部31,32(前記したスライド作業部分31c,32cを含む)の高さ(長さ)M1と、その直線状の端部31,32の上端部(直線が終了する部分:変曲部)37から折り返す形状に曲げた部分36の頂部36aまでの高さM2とにおいて、これら高さM1と高さM2のいずれか一方の寸法をすべて同じ寸法に設定し、その他方の寸法のすべてを互いに異なる寸法に設定したものを使用する構成である。この場合の互いに異なる寸法については、少なくとも線材端部31,32の末端部を揃えた状態にしたとき、各線材30(A〜G)のそれぞれがその頂部36aにおいて上下方向にずれた位置で交差する状態に保つことができることを考慮した値に異ならせたものであればよい。
図50に示す線材30(A〜G)は、実施の形態3における攪拌部3を構成する線材である。この線材30(A〜G)は、その各高さM1を同じ寸法に設定し、各高さM2を互いに異なる寸法に設定している。このように構成された線材30(A〜G)を使用した場合には、図51に示すように、その線材端部31,32の末端部を揃えた状態にすると、変曲部38から上方の線材部分をその各頂部36aが上下方向にずれた位置で交差した状態になるよう容易に配置することができ、これにより攪拌部3が容易に作成される。また、このときの攪拌部3は、線材30(A〜G)の直線状の端部31,32の高さ(長さ)M1がすべて同じ寸法に設定されているため、図51(a)に示すように、2列の線材端部の各列を構成する各線材30(A〜G)の変曲部38のすべてが同じ高さ位置に存在し、全体として変曲部38が直線状(横1列状)に並んだ状態になっている。
図52に示す線材30(A〜G)は、実施の形態4、5における攪拌部3を構成する線材である。この線材30(A〜G)は、その各高さM1を同じ寸法に設定し、各高さM2を互いに異なる寸法に設定している。このように構成された線材30(A〜G)を使用した場合には、図53に示すように、その線材端部31,32の末端部を揃えた状態にすると、変曲部38から上方の線材部分をその各頂部36aが上下方向にずれた位置で交差した状態になるよう容易に配置することができ、これにより攪拌部3が容易に作成される。また、このときの攪拌部3は、線材30(A〜G)の直線状の端部31,32の高さ(長さ)M1がすべて同じ寸法に設定されているため、図53(a)に示すように、2列の線材端部の各列を構成する各線材30(A〜G)の変曲部38のすべてが同じ高さ位置に存在し、全体として変曲部38が直線状(横1列状)に並んだ状態になっている。
ちなみに、上記以外の実施の形態については、以下の通りである。まず、実施の形態1における攪拌部3を構成する線材30(A〜F)は図52に示す線材30(A〜G)の線材本数を減らした構成であり、また、実施の形態2における攪拌部3を構成する線材30(A〜F)は図52に示す線材30(A〜G)の線材本数を減らした構成であると共に線材端部31,32の末端部に曲げ部31a,32aを形成したものである。このため、これらの実施の形態における攪拌部3はいずれも、線材30(A〜F)の直線状の端部31,32の高さ(長さ)M1がすべて同じ寸法に設定されており、図53(a)に示される攪拌部3と同様に、2列の線材端部の各列を構成する各線材30(A〜F)の変曲部38のすべてが同じ高さ位置に存在し、全体として変曲部38が直線状(横1列状)に並んだ状態になっている。
また、実施の形態6における攪拌部3を構成する線材30(A〜G)は図50に示す線材30(A〜G)の線材端部31,32の末端部に曲げ部31a,32aを形成したものである。このため、この実施の形態における攪拌部3は、線材30(A〜G)の直線状の端部31,32の高さ(長さ)M1がすべて同じ寸法に設定されており、図51(a)に示される攪拌部3と同様に、2列の線材端部の各列を構成する各線材30(A〜G)の変曲部38のすべてが同じ高さ位置に存在し、全体として変曲部38が直線状(横1列状)に並んだ状態になっている。
これに対して、図54に示す線材30(A〜G)は、その各高さM2を同じ寸法に設定し、各高さM1を互いに異なる寸法に設定している他の構成例である。この構成例における高さM1については、線材30A〜30Fの順番に並べた場合に中央に並ぶ線材30Dの高さM1を最も長い寸法に設定し、その線材30Dの両脇に並ぶ残りの線材30A〜30C,30E〜30Fの高さM1を線材30Dから離れた位置になるにつれて徐々に短くなる寸法に設定している。このように構成された線材30(A〜G)を使用した場合には、図55に示すように、その高さM1が異なる線材端部31,32の末端部を揃えた状態にすると、変曲部38から上方の線材部分をその各頂部36aが上下方向にずれた位置で交差した状態になるよう容易に配置することができ、これにより攪拌部3が容易に作成される。また、このときの攪拌部3は、線材30(A〜G)の直線状の端部31,32の高さ(長さ)M1が異なる寸法に設定されているとともに高さM1の最も長い線材30Dが中央に配置されているため、図55(a)に示すように、2列の線材端部の各列を構成する各線材30(A〜G)の変曲部38が異なる高さ位置に存在し、全体として変曲部38が逆V字状に並んだ状態になっている。
さらに、図56に示す線材30(A〜G)についても、その各高さM2を同じ寸法に設定し、各高さM1を互いに異なる寸法に設定した場合の構成例である。この構成例における高さM1については、線材30A〜30Fの順番に並べた場合に中央に並ぶ線材30Dの高さM1を最も短い寸法に設定し、その線材30Dの両脇に並ぶ残りの線材30A〜30C,30E〜30Fの高さM1を線材30Dから離れた位置になるにつれて徐々に長くなる寸法に設定している。このように構成された線材30(A〜G)を使用した場合には、図57に示すように、その高さM1が異なる線材端部31,32の末端部を揃えた状態にすると、変曲部38から上方の線材部分をその各頂部36aが上下方向にずれた位置で交差した状態になるよう容易に配置することができ、これにより攪拌部3が容易に作成される。また、このときの攪拌部3は、線材30(A〜G)の直線状の端部31,32の高さ(長さ)M1が異なる寸法に設定されているとともに高さM1の最も短い線材30Dが中央に配置されているため、図57(a)に示すように、2列の線材端部の各列を構成する各線材30(A〜G)の変曲部38が異なる高さ位置に存在し、全体として変曲部38がV字状に並んだ状態になっている。
ここで、図50及び図52に例示した線材30(A〜G)のように各高さM1を同じ寸法に設定し、各高さM2を互いに異なる寸法に設定した線材30を使用する場合には、攪拌部3の折り返す形状に曲げた部分36の頂部36aから線材端部31,32の上端部である変曲部38までの部分が互いに異なる寸法であるため、その各線材30(A〜G)を製作するに際しては、線材を曲げ加工するための曲げ加工型として複数種のものを用意して使用することが必要となる。一方、図54や図56に例示した線材30(A〜G)のように各高さM2を同じ寸法に設定し、各高さM1を互いに異なる寸法に設定した線材30を使用する場合には、攪拌部3の折り返す形状に曲げた部分36の頂部36aから線材端部31,32の上端部である変曲部38までの部分がすべて同じ寸法になる。このため、その各線材30(A〜G)を製作するに際しては、線材長さが異なるだけの各線材30に対して曲げ加工型として1種類のものを用意して使用するだけで製作が可能になるという利点があり、攪拌部3を製作する製造コストを低減することができる。
また、図54及び図56に例示したように、線材30(A〜G)の各高さM2を同じ寸法に設定した上で各高さM1を互いに異なる寸法に設定して攪拌部3を構成する場合、その他の構成例としては、例えば、端部寄りの線材30A(又は30G)の高さM1を最も長い寸法にして他の端部に向う線材30B〜30G(又は30F〜30A)の高さM1を徐々に短くした寸法に設定する構成例1や、線材30(A〜G)の高さM1を長い寸法と短い寸法を交互に繰り返すような寸法に設定する構成例2などが挙げられ、任意の構成に設定することができる。ここで、上記構成例1の場合、攪拌部3はその変曲部38が全体として斜めの直線状に並んだ状態となる。また、上記構成例2の場合、攪拌部3はその変曲部38が全体としてジグザグ状(凸凹状)に並んだ状態となる。
さらに、図54、図56等の構成例における攪拌部3の構成については、上記した各実施の形態における攪拌部3のいずれにも採用することが可能である。
即ち、例えば、実施の形態1における攪拌部3においては、図56における線材30(A〜G)のうちの線材30Dを削除した6本の線材30(A〜C、E〜G)で構成すれば、図57に例示するような形態の攪拌部3を構成することができる。
また、例えば、実施の形態2における攪拌部3においては、図56における線材30(A〜G)のうちの線材30Dを削除した6本の線材30(A〜C、E〜G)で構成すると共に、これらの各線材30の端部31,32に曲げ部31a,32aを形成することで、図57に例示するような形態の攪拌部3を構成することができる。
また、例えば、実施の形態3における攪拌部3においては、図54における線材30(A〜G)で構成すると共に、各線材30(A〜G)の端部31,32に連結部材37A,37Bを設けることで、図55に例示するような形態の攪拌部3を構成することができる。
さらに、例えば、実施の形態4、5における攪拌部3については、図56における線材30(A〜G)で構成すると共に、各線材30(A〜G)の端部31,32に連結部材37A,37Bを設けることで、それぞれ図56に例示するような形態の攪拌部3を構成することができる。
そしてまた、例えば、実施の形態6における攪拌部3においては、図56における線材30(A〜G)で構成すると共に、各線材30(A〜G)の端部31,32に曲げ部31a,32aを形成することで、図57に例示するような形態の攪拌部3を構成することができる。
柄部2としては、金属、木材、合成樹脂、複合材料等の材料からなるものが使用される。その全体の形状については、棒状のものに限らず、攪拌部3の線材30の端部を取り付ける取り付け部分22を有する形状のものであればよい。柄部2の取付け部分22を構成する固定体については、その全体の形状や構造等については適宜変更することができる。固定体40,42の横(水平)断面形状としては、概ね長方形、正方形、円形、楕円形、及びこれらを組み合わせた任意の形状が採用できる。柄部2は、これらの固定体に対応する窪み部(凹部)23を有していれば、柄部4の横断面形状についても、概ね長方形、正方形、円形、楕円形、及びこれらを組み合わせた任意の形状が採用できる。
本発明の攪拌具は、調理用の攪拌具として使用する以外にも、他の分野における攪拌具として使用することが可能である。また、攪拌具は、上記の実施形態で説明した内容(構成)について、種々組み合わせて構成するようにしても構わない。