以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「実施の形態」という)について添付の図面を参照しながら説明する。
[実施の形態1]
図1から図5は、実施の形態1に係る攪拌具を示す。図1はその攪拌具を正面側から見たときの状態を示し、図2はその攪拌具を右側面側から見たときの状態を示し、図3はその攪拌具を上面側(上方)から見たときの状態を示し、図4は図1の攪拌具をA−A線で切断して見たときの状態を示し、図5は図1の攪拌具をB−B線で切断して見たときの状態を示している。図中の符号X,Y,Zで示す矢印方向は、各図面において想定した3次元空間の幅、高さ及び奥行の方向を示す直交座標軸である。
実施の形態1に係る攪拌具1Aは、図1や図2に示されるように、この攪拌具1Aを使用する人が手でもつ柄の部分(柄部)2と、この柄部2の一部に取り付けられる複数の線材30で構成される攪拌部3とを備えるものであり、その攪拌部3により例えば食材の泡立てや混合等の作業を行うための調理用攪拌具として使用される。
柄部2は、所要の長さからなる棒状の柄本体21と、柄本体21の一端部を線材30の両端部31,32(図6)を取り付けるための取付け部分22とで構成されている。実施の形態1では、柄部2として、円柱形状からなる柄本体21と、その柄本体21の一端部(上端部)に設けた短い円柱状の取付け部分22とを有した構造のものを用いている。取付け部分22は、後述する(図9に示す)ように固定部材(25)とその固定部材を柄本体21の一端部に嵌め入れて固定する取付け凹部(27)とで構成されている。固定部材の線材30を取り付けるための取付け面は、図1〜図4等に示すように円形の平面で形成されている。
攪拌部3は、図1や図2等に示すように、折り返す形状に曲げた部分33を有する複数の線材30(図6)をその折り返す形状に曲げた部分33が互いに上下方向にずれて交差するように配置し、また、図4や図5等に示すように各線材30の両端部31,32を柄部2の取付け部分22に間隔をあけて存在する3つの列をなすよう配置して取り付けた構成になっている。上記上下方向は、図中に示す座標軸Yに沿う方向や、柄部2の長手方向に沿う方向にも相当する。また、上記3つの列は、図4や図7に示すように、柄部2の取付け部22における円形状の取付け面に対して最も外側に直線状に並んで存在する2つの列R1,R2(第1外側列R1,第2外側列R2)と、その2つの外側列R1,R2の内側に直線状に並び且つ列R1,R2とほぼ平行した状態で存在する1つの内側列R3という構成になっている。
また、攪拌部3における上記3つの列R1〜R3については、図7に示すように、その各列R1〜R3どうしの最小の間隔W1,W2が、その各列R1〜R3を構成する線材30の端部31,32どうしの間隔S1〜S3よりも相対的に広い寸法であって、しかも洗浄具8を挿入し得る寸法となる間隔に設定されている。
ここで、上記最小の間隔W1は第1外側列R1と内側列R3の間における最小の間隔であり、最小の間隔W2は第2外側列R2と内側列R3の間における最小の間隔である。また、上記洗浄具8は、攪拌部3を構成する線材30の洗浄に使用することが可能な既存の洗浄具であり、例えば洗浄用ブラシ(棒状のブラシ、歯ブラシなど)、洗浄用スポンジ(薄い樹脂たわし等を含む)等の道具が相当する。さらに、上記最小の間隔W1,W2における洗浄具8を挿入し得る寸法とは、洗浄具8の全体を挿入することができる寸法ではなく、洗浄具のうち実際の洗浄作業に使用される作業部分を少なくとも挿入させることができる程度の寸法である。
図7に例示する洗浄具8は、棒状の支持材81の先端側部分の周囲に、弾性変形するブラシ毛を放射状に立たせて全体として断面がほぼ円形の形態(円筒形態)になるよう植毛してなるブラシ洗浄部82を設けた構造のものである。この洗浄具8は、ブラシ洗浄部82の幅(直径にも相当する)E2が支持材81の幅(直径にも相当する)E1よりも大きい寸法関係(E2>E1)になっている。ちなみに、この洗浄具8を適用する場合、攪拌部3における上記線材30の各列R1〜R3どうしの最小の間隔W1,W2が洗浄具8のブラシ洗浄部82の幅E2よりも少し狭い寸法関係であっても、ブラシ洗浄部82のブラシ毛が各列R1〜R3の間に侵入したときに弾性変形して幅E2が小さくなるので、その最小の間隔W1,W2はその洗浄具8を挿入し得る寸法ということになる。
実施の形態1では、攪拌部3を構成する複数の線材30として計10本の線材30A〜30Jを使用している。10本の線材30A〜30Jはいずれも、柄部2の取付け部22に取り付ける前には、図6に示すように、直線状に延ばした状態にあるときの中央部分をほぼ半円形状になる折り返す形状に曲げた後、その折り曲げた先の部分が両端部31,32に向かうにつれて次第に接近するように内側に直線的に延びるような形状に曲げ、最後に両端部31,32の末端部分がほぼ平行した状態になるよう外側に緩やかに曲げた形状に加工される。また、各線材30の両端部31,32における末端部分34は、最終的に柄部2の取付け部22に取り付けて固定される部分(取付け固定部分)として使用される。
また、攪拌部3は、図3や図8等に示すように、線材30A〜30Jの各折り返す形状に曲げた部分33が、攪拌部3の上方から見たときに3つの列R1〜R3で囲まれる領域の中心点Pの上方をほぼ通過し、しかも、互いにほぼ等しい角度θで交差して中心点Pを中心とする放射状の模様を形成するように配置されている。上記3つの列R1〜R3で囲まれる領域とは、2つの外側の列R1,R2と、外側の列R1,R2における各両端部と内側の列R3における両端部どうしをそれぞれ結ぶ直線で囲まれる領域になる。各線材30の折り返す形状に曲げた部分33は、その上方から見たときにほぼ直線状の形状になっている。角度θは、円1周の中心角度である360°を中心点Pから放射状に延びる線材の折り返す形状に曲げた部分33の総数(この例では20本)で等分したときの角度にほぼ設定されている(この例ではθ≒18°)。このように構成された攪拌部3は、その正面や右側面の側から見たときに、各線材30の折り返し形状に曲げた部分33で構成される攪拌部3の上部が半球形状のように見える形態になる。
そして、実施の形態1では、上記柄部2として、横断面が直径26mmの円形状で、長さが115mmである円柱形状からなるポリプロピレン樹脂製の部材(柄本体21及び取付け部分22)を使用している。柄部2の取付け部分22の線材端部31,32を取り付ける取付け面は、直径が26mmの円形の面になる。また、上記線材30A〜30Jとして、断面が直径1.6mmの円形状からなり、直線状に延ばしたときの全長がほぼ40cmになるステンレス製の線材を使用している。
攪拌部3については、10本の線材30A〜30Jを折り返す形状に曲げた部分33の外径(最大幅)D(図2)が約75mmとなるように曲げた半円状の形状にし、その各端部31,32(計20個)を柄部2の取付け部分22において2つの外側列R1,R2に各6個、内側列R3に8個存在させるようにそれぞれ分配して取り付けることで作製されている。このとき各列R1〜R3にそれぞれ配置された線材30はいずれも、互いに約1mmの間隔S(S1〜S3)をあけて直線状に並べられている(図7)。また、各列R1〜R3の最小の間隔W1,W2はいずれも約6mmに設定されている。このときの攪拌部3は、線材30A〜30Jの柄部2の取付け部分22から(最上位に存在する線材の)頂部30aに至るまでの高さ寸法h(図1)が約185mmとなる大きさのものとした。
この結果、実施の形態1に係る攪拌具1Aは、計10本の線材30A〜30Jを用いて構成される攪拌部3を備えたものとなった。ちなみに、この攪拌具1Aにおける上記同じ条件の柄部2の取付け部分22に、上記同じ条件の複数の線材30の両端部31,32を最小の間隔Wが例えば10mm〜12mm程度になる2列の状態に配置して取り付けた攪拌部3を形成する場合、その攪拌部3を構成する線材30としては最大で計6〜7本の線材を用いることが限界である。これに対し、この攪拌具1Aでは、攪拌部3を構成する複数の線材30の両端部31,32を3つの列R1〜R3をなす状態に配置したことにより、攪拌部3を構成する線材30の総数を10本に増やすことができ、その結果として洗浄性を損なうことなく攪拌部3の攪拌能力を高めることが可能になった。
また、この攪拌具1Aは、図1や図7に示すように、攪拌部3を構成する10本の線材30A〜30Jが柄部2の取付け部分22から最小の間隔の端部W1,W2をあけた3つの列R1〜R3をなす状態に並べられて配置されているので、その攪拌部3には、少なくとも各線材30A〜30Jのうち柄部2の取付け部分22から最初に立ち上がる根元部分35において各列R1〜R3どうしの間に挟まれる空間が、洗浄具8を挿入させることが可能な最小の間隔W1,W2が確保された2つの貫通する隙間空間51,52として存在することになる。ちなみに、この攪拌具1Aの攪拌部3では、図1に示すように、各線材30A〜30Jのうち柄部2の取付け部分22から折り返す部分33に至るまでの立ち上げ部分36(上記根元部分35を含む部分)に、上記根元部分35に存在する2つの隙間空間51,52から連続する連続隙間空間53,54が存在した形態になっている。
以上のように構成される攪拌具1Aは、例えば調理対象の食材を攪拌する際に、その柄部2(の柄本体21)が使用者の手で持たれ、その攪拌部3が容器に収容された攪拌対象物である食材のなかに入れられてかき混ぜるべき方向に任意に移動させることによって使用される。これにより、食材が攪拌部3における複数の線材30A〜30Jによる攪拌作用を受けて攪拌される。
この際、攪拌具1Aは、攪拌部3を構成する線材30の端部31,32を柄部2の取付け部分22に列状に並べた状態で取り付けた構造であるにもかかわらず、前述したようにその攪拌部3を構成する線材30の本数を10本にすることができ、しかも攪拌部3の頭部となる部位においてその10本の線材A〜30Jの折り返す形状に曲げた部分33を前述したごとくほぼ等しい角度で交差する放射状の形状を形成するように配置することができるため、その攪拌部3の攪拌能力が(少なくとも、前述した複数の線材を2列状態に配置してなる攪拌部を備える洗浄具に比べて)高いものになり、これにより食材を効率よく攪拌させることができる。
また、攪拌具1Aは、その使用した後に、その攪拌部3等の汚れた部分が洗浄される。
攪拌具1Aにおいては、図1等に示すように、前述した通り攪拌部3を構成する10本の線材30A〜30Jの根元部分35に各列R1〜R3どうしの間に挟まれて洗浄具8を挿入させることができる最小の間隔W1,W2からなる貫通した状態の隙間空間51,52が存在する。このため、攪拌具1Aは、その攪拌部3の線材30A〜30Jの根元部分35で形成される各隙間空間51,52に、図7に例示される洗浄具8(のブラシ洗浄部82)をそれぞれ挿入して前後、左右及び上下等の所要の方向に動かすことにより、その線材30A〜30Jの根元部分35の内側の部位を容易に洗浄することができる。また、柄部2の取付け部分22の取付け面(この例では固定部材25の蓋部25aの上面)のうち線材30A〜30Jで形成される各列R1〜R3により挟まれて囲まれる部分についても、その洗浄具8により容易に洗浄される。
この洗浄に際しては、洗浄具として、例えば、図7に示すような形態の洗浄具8を使用した。詳しくは、その洗浄具8として、支持材81が、約4mmの太さ(断面直径)E1からなる円柱状の部材で構成されており、またブラシ洗浄部82が、ナイロン樹脂製のブラシ毛を用いて円筒状の外形寸法E2が約15mmとなり且つ支持材81の長手方向と平行する寸法(長さ)Lが約50mmとなるように構成されたものを使用した。また、このような洗浄を行う際のブラシ洗浄具としては、例えば太さE1が2mm程度の支持材81を採用したブラシ洗浄具も適用することができる。さらに、他の洗浄具としては、例えばナイロン製たわし等に代表される板状の形態であってスポンジ状等の形態からなる洗浄具も適用可能である。特にスポンジ状の洗浄具は、例えば、上記ブラシ洗浄具での洗浄がしにくい攪拌部3の部位や、各列の最小の間隔W1,W2が比較的狭い攪拌部3における線材の根元部分等の洗浄には、有効な洗浄具として使用できる。
次に、この攪拌具1Aは、攪拌部3を構成する10本の線材30A〜30Jの柄部2の取付け部分22への取り付け構造として、例えば次の構成を採用している。
すなわち、図9〜図11に示すように、柄部2として、その取付け部分22が、攪拌部3を構成する10本の線材30A〜30Jにおける端部31,32の取付け固定部分34(図6)を固定するための固定部材25と、その固定部材25を嵌め入れて固定するために柄本体21の一端部に設けられた取付け凹部27とで構成されるものを使用している。図10等において示す符号28は、固定部材25に固定される線材30A〜30Jの取付け固定部分34の末端部を連結して固着する連結部材である。
固定部材25は、柄部2の柄本体21と同じ断面直径からなる円盤状の蓋部25aと取付け凹部27とほぼ同じ直径からなる円柱状の胴部25bとを有する構造物であり、その蓋部25aから胴部25bに線材30A〜30Jの取付け固定部分34を嵌め入れる取付け孔26が貫通して形成されている。固定部材25は、例えば柄本体21と同じ材料(合成樹脂)で成形される。取付け孔26は、線材30A〜30Jの端部31,32を取り付ける際の配置状態である3つの列R1〜R3に対応した3つの列をなす状態で形成されている。つまり、取付け孔26として、第1外側列R1に対応する取付け孔(列)26aと内側列R3に対応する取付け孔(列)26bと第2外側列R2に対応する取付け孔(列)26cが形成されている。
また、取付け凹部27は、図10に示されるように、柄本体21の上端部に、固定部材25の胴部25bが嵌め入れられる寸法及び形状からなる窪んだ孔として形成されている。取付け凹部27には、固定部材の胴部25bから突出する線材の取付け固定部分34と連結部材28が収められる空間部も形成される。さらに、連結部材28としては、図10の円内に示すように、上記3つの列R1〜R3を構成する線材30A〜30Jの取付け固定部分34の末端部を連結させるために必要な長さに設定された、例えば断面円形の連結部材28(28a〜28c)が適用される。
上記取付け構造を採用した撹拌具1Aは、例えば以下のような手順で組み立てられる。
まず、図9や図10に示すように、攪拌部3を構成する10本の線材30A〜30Jの取付け固定部分34を固定部材25の所定の取付け孔26a〜26cにそれぞれ配分して嵌め入れ、その末端部を固定部材25の胴部25b(下面)から突出させた状態にする。続いて、固定部材25の胴部25bから突出する線材30A〜30Jの取付け固定部分34の末端部を、各列R1〜R3を構成する末端部ごとに対応する連結部材28a〜28cによりそれぞれ固定して連結した状態にする(図10)。線材30A〜30Jの取付け固定部分34の末端部の連結部材28a〜28cによる固着は、例えば溶接等の固着手段により行う。最後に、図10や図11に示すように、10本の線材30A〜30Jの取付け固定部分34を取り付けた固定部材25の胴部25bを、柄部2の取付け部分22における取付け凹部27に嵌め入れて固定する。以上により攪拌具1Aが完成する。
この組み立て作業に際し、固定部材25の胴部25bの取付け凹部27への固定は、例えば接着剤を互いに接合する接合面等に塗布して固めることにより行われる。また、固定部材25の胴部25bから突出する線材30A〜30Jの取付け固定部分34の末端部と連結部材28a〜28cは、取付け凹部27に収容された状態になるとともに、接着剤により取付け凹部27に固定された状態になる。
また、この攪拌具1Aにおける攪拌部3を構成する10本の線材30A〜30Jは、図12や図14bに示すように、その両端部31,32が上記3つの列R1〜R3における2つの外側列R1,R2に配置される外側線材群G1(線材群A)と、その両端部31,32が上記3つの列R1〜R3における内側列R3に配置される内側線材群G2(線材群B)とに配分されている。そのうえで、この攪拌部3では、その外側線材群G1の6本の線材30A〜30Fが互いに隣り合って上記放射状の模様(図3、図8など)の上記中心点Pを中心にして対向し合う一部分(図12a)を構成し、その内側線材群G2の4本の線材30G〜30Jが互いに隣り合って上記放射状の模様の対向し合う残りの部分(図12b)を構成するように配置されている。
外側線材群G1は、6本の線材30A〜30Fの折り返す形状に曲げる部分33が放射状の模様(正多角形)のうちの上記中心点Pを中心として向き合う(点対称の)2つの扇形状の部分を構成している。この2つの扇形状の部分は、外側列R1,R2の外側にそれぞれ広がるように存在する扇形状になる。また、内側線材群G2は、4本の線材30G〜30Jの折り返す形状に曲げる部分33が放射状の模様(正多角形)のうちの外側線材群G1で構成する上記扇形状の部分を除く上記中心点Pを中心として向き合う残りの2つの扇形状の部分を構成している。この2つの扇形状の部分は、内側列R3の両端部から外側にそれぞれ広がるように存在する扇形状になる。
このように構成している攪拌具1Aでは、攪拌部3を構成する10本の線材30A〜30Jの端部31,32を3つの列R1〜R3をなす状態で配置しているにもかかわらず、その各線材30A〜30Jの折り返す形状に曲げた部分33が前述した通り互いにほぼ等しい角度θで交差した放射状の模様を形成するように安定して配置されたものになる。これにより、この攪拌具1Aでは、攪拌部3の攪拌能力が安定して得られる。
また、この攪拌具1Aにおける攪拌部3を構成する上記外側線材群G1の線材30A〜30Fと上記内側線材群G2の線材30G〜30Jはいずれも、図4、図13、図14等に示すように、その各端部31,32から折り返す形状に曲げた部分33に至るまでの立ち上げ部分36の隣り合って並ぶ順番が、その立ち上げ部分36の全域でその各端部31,32の前記各列R1〜R3において並ぶ順番とそれぞれ同じ関係になるよう配置されている。
具体的には、上記外側線材群G1の線材30A〜30Fのうち図14b(図13a)における左側の領域(左側の符号G1で囲むような範囲)に立ち上がる立ち上げ部分36の隣り合って並ぶ順番は、同図の左側の領域における上部側から「30F,30E,30D,30C,30B,30A」という順番であり、また、その左側の領域に立ち上がる各線材30A〜30Fの端部の第1外側列R1で並ぶ順番も、図14aにおける左側の領域(左側の符号G1で囲むような範囲)の上部側から「30F,30E,30D,30C,30B,30A」という順番であるため、その両者の並ぶ順番はその立ち上げ部分36の全域で互いに同じ順番の関係になっている。また、上記外側線材群G1の線材30A〜30Fのうち上記左側の領域に立ち上がる立ち上げ部分36と対向するように図14b(図13a)における右側の領域(右側の符号G1で囲むような範囲)に立ち上がる立ち上げ部分36の隣り合って並ぶ順番は、同図の右側の領域における上部側から「30A,30B,30C,30D,30E,30F」という順番であり、また、その右側の領域に立ち上がる各線材30A〜30Fの端部の第2外側列R2で並ぶ順番も、図14aにおける右側の領域の上部側から「30A,30B,30C,30D,30E,30F」という順番であるため、その両者の並ぶ順番はその立ち上げ部分36の全域で互いに同じ順番の関係になっている。
一方、上記内側線材群G2の線材30G〜30Jのうち図14b(図13b)における上側の領域(上側の符号G2で囲むような範囲)に立ち上がる立ち上げ部分36の隣り合って並ぶ順番は、同図の上側の領域における左端から「30J,30I,30H,30G」という順番であり、また、その上側の領域に立ち上がる各線材30G〜30Jの端部の内側列R3において並ぶ順番は、図14aにおける内側列R3の上半分の領域の上端側から「30J,30I,30H,30G」という順番になっており、その両者の並ぶ順番はその立ち上げ部分36の全域で互いに同じ順番の関係になっている。また、上記内側線材群G2の線材30G〜30Jのうち上記上側の領域に立ち上がる立ち上げ部分36に対向するように図14b(図13b)における下側の領域(下側の符号G2で囲むような範囲)に立ち上がる立ち上げ部分36の隣り合って並ぶ順番は、同図の下側の領域における右端から「30J,30I,30H,30G」という順番であり、また、その下側の領域に立ち上がる各線材30G〜30Jの端部の内側列R3において並ぶ順番は、図14bにおける内側列R3の下半分の領域の下端側から「30J,30I,30H,30G」という順番になっており、その両者の並ぶ順番はその立ち上げ部分36の全域で互いに同じ順番の関係になっている。
このように構成している撹拌具1Aでは、図1、図2、図13等に示すように、攪拌部3を構成する各線材群G1,G2の線材30A〜30Jにおける根元部分35から折り返す形状に曲げた部分33に至るまでの立ち上げ部分36どうしが、その線材30A〜30Jの各折り返す形状に曲げた部分33がそれぞれ対向して上記放射状の模様を形成するために交差している部分(図3、図12参照)を除いて、互いに交差することも接触することもなく連続した隙間空間55,56等を確保した状態で存在する。このため、その各線材30A〜30Fの立ち上げ部分36の洗浄具8による洗浄が、洗浄具8を上記隙間空間55,56等に沿って容易に移動させることができるので支障なく確実に行うことが可能になる。これにより、この攪拌具1Aは、攪拌部3を構成する10本の線材30A〜30Jにおける根元部分35を含む立ち上げ部分36も洗浄具8の洗浄により確実に洗浄されて清潔に保たれる。
この攪拌具1Aにおいては、その攪拌部3を構成する10本の線材30A〜30Jとして、そのいずれも図6に示すように折り返す形状に曲げた部分33と取付け固定部分35との間の部分(立ち上げ部分36)が途中で迂回するような特殊な形状でなくほぼ直線状に伸びる単純な形状のものを使用しているため、その線材30A〜30Jを上記した各並ぶ順番が同じ関係になるよう配置するには、例えば次のように配置すればよい。すなわち、外側線材群G1の線材30A〜30Fについては、図13aに示すように、その各端部31,32を外側列R1,R2に上記中心点Pを基準にしてほぼ点対称になる位置に存在するように配分して配置する。また、内側線材群G2の線材30G〜30Jについては、図13bに示すように、その各端部31,32を1つの内側列R3において上記中心点Pを基準にしてほぼ点対称になる位置に存在させるよう配分して配置する。
さらに、この攪拌具1Aにおける攪拌部3は、図2等に示すように、上記外側線材群G1の線材30A〜30Fの折り返す形状に曲げた部分33と上記内側線材群G2の線材30G〜30Jの折り返す形状に曲げた部分33とが、その各線材群G1、G2の単位で、上下方向における上部領域33tと下部領域30dとに分割されて存在するように配置されている。この攪拌部3では、外側線材群G1の線材30A〜30Fの折り返す形状に曲げた部分33が下部領域30dに存在するように配置され、内側線材群G2の線材30G〜30Jの折り返す形状に曲げた部分33が上部領域33tに存在するように配置されている(図2)。
このように構成している撹拌具1Aでは、攪拌部3を構成する10本の線材30A〜30Jを柄部2の取付け部分22に取り付ける作業を、外側線材群G1の取り付け作業と内側線材群G2の取り付け作業とに分けて行うことが可能になるので、攪拌部3の組み立てを正確かつ容易に行うことができる。これにより、この攪拌具1Aは、攪拌部3を構成する10本の線材30A〜30Jの端部31,32を3つの列R1〜R3をなす状態で配置する構造であるにもかかわらず、外側線材群G1及び内側線材群G2の各線材の折り返す形状に曲げた部分33をその線材群G1,G2の単位で上部領域33tと下部領域33dに分割して存在させるように配置させるとともに、その複数の線材30A〜30Jの折り返す形状に曲げた部分33を攪拌部3の頭部となる部位においてほぼ等しい角度θで交差する上記放射状の模様を形成するように配置させることで、攪拌部3を効率よく組み立てることができる。
また、上記したように各線材群G1,G2の各線材30A〜30Jの折り返す形状に曲げた部分33を上部領域33tと下部領域30dに振り分けて存在させるように配置するには、その攪拌部3の組み立てに当たり、線材30A〜30Jの端部31,32を柄部2の取付け部分22(固定部材25)に取り付ける作業を各線材群G1,G2の単位で分け、その各取付け作業工程をずらして行うことで対応することができる。また、この攪拌部3の組み立てにより、その各線材30A〜30Jの立ち上げ部分36の高さは、下部領域30dに配置される線材の立ち上げ部分36の高さの方が、上部領域33tに配置される線材の立ち上げ部分36の高さよりも相対的に低くなる。
ちなみに、この撹拌具1Aの攪拌部3は、その攪拌部3を構成する10本の線材30A〜30Jの端部31,32を、柄部2の取付け部分22(実際には固定部材25の取付け孔26)に対し、例えば、図14aに括弧書きの数字(1〜10)で示す順番で所定の位置(固定部材25の取付け孔26)に取り付けるよう設定することにより、組み立てることができる。また、この攪拌部3の組み立て作業時における線材端部の取付けの順番については、その取り付け作業のし易さという観点から原則として、下部領域30dに存在させる線材の端部の取付けを最初に行い、その後で上部領域33tに存在させる線材の端部の取付けを行うという順番になる。
この順番の設定をした場合は、初めに、外側線材群G1の線材30A〜30Fの端部31,32を括弧書きの数字(1〜6)で示す順番と位置に従って固定部材25の外側列R1,R2に対応する取付け孔26に順次嵌め入れて取り付け、その線材30A〜30Fの折り返す形状に曲げた部分33を下部領域30dに存在させる状態にする。この際、線材30A〜30Fは、図13aや図14b等に示すように、その立ち上げ部分36が互いに接触も交差もしない状態で取り付けられる。しかる後、内側線材群G2の線材30G〜30Jの端部31,32を括弧書きの数字(7〜10)で示す順番と位置に従って固定部材25の内側列R3に対応する取付け孔26に順次嵌め入れて取り付け、その折り返す形状に曲げた部分33を上部領域33tに存在させる状態にする。この際、線材30G〜30Jについても、図13bや図14b等に示すように、その立ち上げ部分36が互いに接触も交差もしない状態で取り付けられる。
これにより、10本の線材30A〜30Jの端部31,32を3つの列R1〜R3をなす状態に配置して取り付けることで構成される攪拌部3を、その各線材30の配置関係が複雑であるにもかかわらず、柄部2の取付け部分22に間違えることが少なく容易に取り付けて組み立てることができる。なお、図14aに示す上記括弧書きの数字(1〜10)は、攪拌部3を構成する10本の線材30A〜30Jの折り返す形状に曲げた部分33が上下方向における下方から配置される順番を示すものにもなっている(図2参照)。
[実施の形態2]
図15から図19は、実施の形態2に係る攪拌具を示す。図15はその攪拌具を正面側から見たときの状態を示し、図16はその攪拌具を右側面側から見たときの状態を示し、図17はその攪拌具を上面側(上方)から見たときの状態を示し、図18は図15の攪拌具をA−A線で切断して見たときの状態を示し、図19は図15の攪拌具をB−B線で切断して見たときの状態を示している。
実施の形態2に係る攪拌具1Bは、実施の形態1に係る攪拌具1Aと対比した場合、攪拌部3を構成する各線材30A〜30Jの折り返す形状に曲げた部分33の配置状態とその各線材30A〜30Jの根元部分35の形状について一部変更した点で異なるものである。これ以外の構成については、前記した攪拌具1Aと同じ構成になっている。
すなわち、この攪拌具1Bにおける攪拌部3は、図15、図16等に示すように、外側列R1,R2に配置する外側線材群G1の線材30A〜30Fの折り返す形状に曲げた部分33が上部領域33tに存在するように配置し、内側列R3に配置する内側線材群G2の線材30G〜30Jの折り返す形状に曲げた部分33が下部領域30dに存在するように配置している。
また、この攪拌具1Bにおける攪拌部3を構成する上記外側線材群G1の線材30A〜30Fと上記内側線材群G2の線材30G〜30Jはいずれも、実施の形態1に係る攪拌具1Aにおける攪拌部3の場合と同様に、図18、図19等に示すように、その各端部31,32から折り返す形状に曲げた部分33に至るまでの立ち上げ部分36の隣り合って並ぶ順番が、その立ち上げ部分36の全域でその各端部31,32の前記各列R1〜R3において並ぶ順番とそれぞれ同じ関係になるよう配置されている。
さらに、このような各線材30A〜30Jの折り返す形状に曲げた部分33の配置状態にした攪拌部3は、その各線材30A〜30Jの端部31,32を柄部2の取付け部分22に対し、例えば、図18に括弧書きの数字(1〜10)で示すような順番で所定の位置(固定部材25の取付け孔26)に取り付けるよう設定することにより、組み立てることができる。ちなみに、攪拌具1Bの攪拌部3における外側線材群G1の線材30A〜30F及び内側線材群G2の線材30G〜30Jの状態は、図20及び図21に示す通りである。
この順番に設定した場合は、初めに、内側線材群G2の線材30G〜30Jの端部31,32を括弧書きの数字(1〜4)で示す順番と位置に従って固定部材25の内側列R3に対応する取付け孔26に順次嵌め入れて取り付け、その線材30G〜30Jの折り返す形状に曲げた部分33を下部領域30dに存在させる状態にする。この際、線材30G〜30Jは、図19や図21bに示すように、その立ち上げ部分36が互いに接触も交差もしない状態で取り付けられる。しかる後、外側線材群G1の線材30A〜30Fの端部31,32を括弧書きの数字(5〜10)で示す順番と位置に従って固定部材25の外側列R1,R2に対応する取付け孔26に順次嵌め入れて取り付け、その折り返す形状に曲げた部分33を上部領域33tに存在させる状態にする。この際、線材30A〜30Fについても、図19や図21aに示すように、その立ち上げ部分36が互いに接触も交差もしない状態で取り付けられる。
このように構成している撹拌具1Bでは、実施の形態1に係る攪拌具1Aの場合と同様に、攪拌部3を構成する10本の線材30A〜30Jを柄部2の取付け部22に取り付ける作業を、外側線材群G1の取り付け作業と内側線材群G2の取り付け作業とに分け、その各取付け作業工程をずらして行うことが可能になり、攪拌部3の組み立てを正確かつ容易に行うことができる。しかも、この撹拌具1Bでは、実施の形態1に係る攪拌具1Aの場合に比べて、攪拌部3の組み立て(線材端部の取り付け作業)を特段の煩雑さもなく容易に行うことができる。
つまり、実施の形態1に係る攪拌具1Aの場合には、最初に、下部領域30dに存在させることになる外側線材群G1の線材30A〜30Fの端部31,32を3つの列のうち外側列R1,R2となる固定部材25の部位に取り付け、その後に、上部領域33tに存在させることになる内側線材群G2の線材30G〜30Jの端部31,32を外側列R1,R2の内側に存在する内側列R3となる固定部材25の部位に取り付けるという取付け順序になる。このため、攪拌具1Aでは、最初に、固定部材25の限られた小さい面積の取付け面のうちの外側に存在する外側列R1,R2に外側線材群G1の線材30A〜30Fの端部31,32を並べて取り付けた状態になり、その後で、その取付け面における外側列R1,R2の内側に存在する内側列R3に、既に存在する外側線材群G1の線材30A〜30F(特に根元部分35)で囲まれた狭い作業空間を利用して内側線材群G2の線材30G〜30Jの端部31,32を取り付ける作業を行わなければならず、その攪拌部3の組み立て作業がしにくく煩雑さを伴うものであった。
これに対し、撹拌具1Bでは、最初に、固定部材25の限られた小さい面積の取付け面のうちの内側に存在する内側列R3に内側線材群G2の線材30G〜30Jの端部31,32の取り付けをし、その後で、その取付け面における外側列R1,R2に、既に存在する内側線材群G2の線材30G〜30Jの外側から覆うような状態で外側線材群G1の線材30A〜30Fの端部31,32の取り付けを行うことができる。このため、撹拌具1Bでは、攪拌部3の組み立てを、上述した攪拌具1Aの攪拌部3のような特段の煩雑さもなく、容易に行うことができるのである。
ちなみに、この攪拌具1Bにおいても、実施の形態1に係る攪拌具1Aにより得られる前述した効果が同様に得られる。まず攪拌具1Bでは、その攪拌部3を構成する線材30の本数を10本にすることができ、しかも攪拌部3の頭部となる部位においてその10本の線材A〜30Jの折り返す形状に曲げた部分33を前述したごとくほぼ等しい角度で交差する放射状の形状を形成するように配置することができるため、その攪拌部3の攪拌能力が(少なくとも、前述した複数の線材を2列状態に配置してなる攪拌部を備える洗浄具に比べて)高いものになり、これにより食材を効率よく攪拌させることができる。
また、攪拌具1Bは、図15,18等に示すように、実施の形態1に係る攪拌具1Aの場合と同様に、攪拌部3を構成する10本の線材30A〜30Jの根元部分35に各列R1〜R3どうしの間に挟まれて洗浄具8を挿入させることができる最小の間隔W1,W2の貫通する隙間空間51,52が存在する。このため、攪拌具1Bでも、その攪拌部3の線材30A〜30Jの根元部分35で形成される各隙間空間51,52(図15)に、図7に例示される洗浄具8(のブラシ洗浄部82)をそれぞれ挿入して前後、左右及び上下等の所要の方向に動かすことにより、その線材30A〜30Jの根元部分35の内側の部位を容易に洗浄することができる。また、柄部2の取付け部分22の取付け面のうち線材30A〜30Jで形成される各列R1〜R3により挟まれて囲まれる部分も、その洗浄具8により容易に洗浄される。
さらに、撹拌具1Bでは、実施の形態1に係る攪拌具1Aの場合と同様に、図15、図16、図18、図19等に示すように、攪拌部3を構成する各線材群G1,G2の線材30A〜30Jの立ち上げ部分36どうしが、交差することも接触することもなく連続した隙間空間55,56等を確保した状態で存在する。このため、その各線材30A〜30Fの立ち上げ部分36の洗浄具8による洗浄が、洗浄具8を上記隙間空間55,56等に沿って容易に移動させることができるので支障なく確実に行うことが可能になる。これにより、この攪拌具1Bにおいても、攪拌部3を構成する10本の線材30A〜30Jにおける根元部分35を含む立ち上げ部分36が洗浄具8の洗浄により確実に洗浄されて清潔に保たれる。
また、攪拌具1Bは、図15や図16に示すように、攪拌部3を構成する線材30A〜30Jの根元部分35を直線状に立ち上がる形状にしている。このため、線材30としては、図22に示すように、線材30の両端部31,32における取付け固定部分34から根元部分35にする部分までを平行する直線形状に(直線部として)加工したものを適用している。
このような根元部分35の形状からなる線材30A〜30Jで構成した攪拌部3を備える攪拌具1Bでは、その攪拌部3の組み立て作業において、線材30A〜30Jの根元部分35となる部位から取付け固定部分34(図22)までが平行する直線形状になっているので、その取付け固定部分34を柄部2の取付け部分22を構成する固定部材25(図9等参照)の互いに平行する直線状の取付け孔26に嵌め入れるときや、その固定部材25の取付け孔26に嵌め入れた状態で取付け固定部分34の末端部を連結部材28により連結固定するときに、その各線材の取付け固定部分34(根元部分35を含むときもある)を固定部材25の取付け孔26においてスムーズに移動させることができるので、攪拌部3の組み立て作業を効率よく行うことができる。
[実施の形態3]
図23から図26は、実施の形態3に係る攪拌具を示す。図23はその攪拌具を正面側から見たときの状態を示し、図24はその攪拌具を右側面側から見たときの状態を示し、図25は図23の攪拌具をA−A線で切断して見たときの状態を示し、図26は図23の攪拌具をB−B線で切断して見たときの状態を示している。
実施の形態3に係る攪拌具1Cは、実施の形態1に係る攪拌具1Aと対比した場合、攪拌部3を構成する各線材30A〜30Jのうち外側列R1,R2に配置される端部31,32の配列状態とその各線材30A〜30Jの根元部分35の形状について一部変更した点で異なるものである。これ以外の構成については、前記した攪拌具1Aと同じ構成になっている。この攪拌具1Cを上面側(上方)から見たときの状態は、攪拌具1Aの状態(図3)とほぼ同じである。
すなわち、この攪拌具1Cにおける攪拌部3は、図25に示すように、外側列R1,R2に配置する外側線材群G1の線材30A〜30Fの端部31,32を、柄部2の取付け部分22(固定部材25の蓋部25aの取付け面)に対し、外側に膨らむ円弧状に並べて配置している。内側列R1に配置する内側線材群G2の線材30G〜30Jの端部31,32については、実施の形態1に係る攪拌具1Aにおける攪拌部3の場合と同様に、直線状に並べて配置している。
この場合、攪拌部3を構成する線材30A〜30Fの根元部分35は、図25に示すように柄部2の取付け部分22に3つの列R1〜R3をなす状態で配置されるが、この各列R1〜R3どうしの各最小の間隔W3,W4は、実施の形態1に係る攪拌具1Aにおける最小の間隔W1,W2と同じ寸法に設定されている。また、円弧状に並ぶ外側列R1,R2に配置される外側線材群G1の線材30A〜30Fどうしの間隔Sは、実施の形態1に係る攪拌具1Aにおける間隔S(図7に示す符号S1、S2。)と同じ寸法に設定されている。
また、攪拌具1Cの攪拌部3における各線材30A〜30Jの根元部分35の形状については、実施の形態2に係る攪拌具1Bの攪拌部3における各線材30A〜30Jの根元部分35の形状(平行する直線形状)と同じである。なお、この攪拌具1Cにおける攪拌部3は、その各線材30A〜30Jの端部31,32を柄部2の取付け部分22に対し、例えば、図25に括弧書きの数字(1〜10)で示すような順番で所定の位置(固定部材25の取付け孔26)に取り付けるよう設定することにより、組み立てることができる。このときの図25に括弧書きの数字で示す順番は、実施の形態1に係る攪拌具1Aにおける攪拌部3の組み立て時の順番例(図14)と同じである。
この攪拌具1Cにおいても、実施の形態1に係る攪拌具1Aの場合と同様に、その攪拌部3を構成する線材30の本数を10本にすることができ、しかも攪拌部3の頭部となる部位においてその10本の線材A〜30Jの折り返す形状に曲げた部分33を前述したごとくほぼ等しい角度で交差する放射状の形状を形成するように配置することができるため、その攪拌部3の攪拌能力が(少なくとも、前述した複数の線材を2列状態に配置してなる攪拌部を備える洗浄具に比べて)高いものになり、これにより食材を効率よく攪拌させることができる。
また、攪拌具1Cは、図23,図25等に示すように、実施の形態1に係る攪拌具1Aの場合と同様に、攪拌部3を構成する10本の線材30A〜30Jの根元部分35に各列R1〜R3どうしの間に挟まれて洗浄具8を挿入させることが可能な最小の間隔W3,W4の貫通する隙間空間51,52が存在する。このため、攪拌具1Cでも、その攪拌部3の線材30A〜30Jの根元部分35で形成される各隙間空間51,52に、例えば図7に例示される洗浄具8(のブラシ洗浄部82)をそれぞれ挿入して前後、左右及び上下等の所要の方向に動かすことにより、その線材30A〜30Jの根元部分35の内側の部位を容易に洗浄することができる。また、柄部2の取付け部分22の取付け面のうち線材30A〜30Jで形成される各列R1〜R3により挟まれて囲まれる部分も、その洗浄具8により容易に洗浄される。
[実施の形態4]
図27から図31は、実施の形態4に係る攪拌具を示す。図27はその攪拌具を正面側から見たときの状態を示し、図28はその攪拌具を右側面側から見たときの状態を示し、図29はその攪拌具を上面側(上方)から見たときの状態を示し、図30は図27の攪拌具をA−A線で切断して見たときの状態を示し、図31は図27の攪拌具をB−B線で切断して見たときの状態を示している。
実施の形態4に係る攪拌具1Dは、実施の形態1に係る攪拌具1Aと対比した場合、攪拌部3を構成する複数の線材30の本数を増加してその各線材の両端部31,32の柄部2の取付け部分22に対する配列状態とその各線材30の根元部分35の形状について一部変更した点で異なるものである。これ以外の構成については、前記した攪拌具1Aと同じ構成になっている。
すなわち、この攪拌具1Dにおける攪拌部3は、図27や図30に示すように、攪拌部3を構成する線材30として計14本の線材30A〜30Nを使用し、その各線材30A〜30Nの両端部31,32を、柄部2の取付け部分22に間隔をあけて存在する4つの列R1〜R4をなすよう直線状に並べた状態で配置して取り付けている。14本の線材30A〜30Nは、実施の形態1で使用した線材30A〜30Jとほぼ同じ条件(太さ、長さ等)の線材を適用した。4つの列R1〜R4は、最も外側に存在するよう配置される2つの外側列R1,R2と、外側列R1,R2の内側に存在するよう配置される2つの内側列R3,R4とで構成されている。
また、攪拌具1Dにおける攪拌部3は、14本の線材30A〜30Nを実施の形態1に係る攪拌具1Aの場合と同様に所定の形状に曲げて加工した後、図30に示すように、その各端部31,32(計28個)を柄部2の取付け部分22において2つの外側列R1,R2に各6個、2つの内側列R3,R4に各8個存在させるようにそれぞれ分配して取り付けることで作製されている。
この際、各列R1〜R4に配置される線材30どうしの間隔Sは、実施の形態1に係る攪拌具1Aにおける間隔S(図7に示す符号S1、S2。)と同じ寸法(約1mm)に設定されている。また、各列R1〜R4どうしは、洗浄具8を挿入させることができる最小の間隔W5,W6,W7になるよう設定されている。ここでは、その各最小の間隔W5,W6,W7についていずれも約4mmの寸法に設定した。上記最小の間隔W5は第1外側列R1と第1内側列R3の間における最小の間隔であり、最小の間隔W6は第1内側列R3と第2内側列R4の間における最小の間隔であり、最小の間隔W7は第2外側列R2と第2内側列R4の間における最小の間隔である。
この攪拌具1Dは、攪拌部3を構成する14本の線材30A〜30Nが柄部2の取付け部分22に最小の間隔の端部W5,W6,W7をあけた4つの列R1〜R4をなす状態に並べられて配置されているので、その攪拌部3には、少なくとも各R1〜R4における各線材30A〜30Nの根元部分35で挟まれた空間が、洗浄具8を挿入させることが可能な最小の間隔W5,W6,W7が確保された3つの貫通する隙間空間51,52,57として存在することになる。ちなみに、この攪拌具1Dの攪拌部3では、図27に示すように、各線材30A〜30Nの立ち上げ部分36に、上記根元部分35に存在する2つの隙間空間51,52,57から連続する連続隙間空間53,54,58が存在した形態になっている。
また、攪拌具1Dの攪拌部3における各線材30A〜30Nの根元部分35の形状については、実施の形態2に係る攪拌具1Bの攪拌部3における各線材30A〜30Jの根元部分35の形状(平行する直線形状)と同じである。
さらに、攪拌具1Dにおける攪拌部3を構成する14本の線材30A〜30Nは、図31や図32に示すように、その両端部31,32が上記4つの列R1〜R4における2つの外側列R1,R2に配置される外側線材群G1と、その両端部31,32が上記4つの列R1〜R4における2つの内側列R3,R4に配置される内側線材群G2とに配分したうえで、その外側線材群G1の6本の線材30A〜30Fが互いに隣り合って上記放射状の模様(図3、図29など)の上記中心点P(図32)を中心にして対向し合う一部分を構成し、その内側線材群G2の8本の線材30G〜30Nが互いに隣り合って上記放射状の模様の対向し合う残りの部分を構成するように配置されている。
また、攪拌具1Dにおける攪拌部3は、図27や図28に示すように、外側列R1,R2に配置する外側線材群G1の線材30A〜30Fの折り返す形状に曲げた部分33が上部領域33tに存在するように配置し、内側列R3,R4に配置する内側線材群G2の線材30G〜30Nの折り返す形状に曲げた部分33が下部領域30dに存在するように配置している。このような各線材30A〜30Nの折り返す形状に曲げた部分33の配置状態にした攪拌部3は、その各線材30A〜30Nの端部31,32を柄部2の取付け部分22に対し、例えば、図30に括弧書きの数字(1〜14)で示される順番で所定の位置(固定部材25の取付け孔26)に取り付けるよう設定することにより、組み立てることができる。
この攪拌具1Dは、攪拌部3を構成する線材30の端部31,32を柄部2の取付け部分22に4つの列状に並べた状態で取り付けた構造であるにもかかわらず、その攪拌部3を構成する線材30の本数を14本という数に更に増やすことができ、しかも攪拌部3の頭部となる部位においてその14本の線材30A〜30Nの折り返す形状に曲げた部分33を前述したごとくほぼ等しい角度で交差する放射状の形状を形成するように配置することができるため、例えばその攪拌部3の攪拌能力が実施の形態1に係る攪拌具1Aの攪拌部3に比べて更に高いものになり、これにより食材をより一層効率よく攪拌させることができる。
また、攪拌具1Dは、図27,図30等に示すように、攪拌部3を構成する14本の線材30A〜30Nの根元部分35に各列R1〜R4どうしの間に挟まれて洗浄具8を挿入させることが可能な最小の間隔W5,W6,W7の貫通する3つの隙間空間51,52,57が存在する。このため、攪拌具1Dでも、その攪拌部3の線材30A〜30Nの根元部分35で形成される各隙間空間51,52,57に、これら最小の間隔W5,W6,W7に適応する洗浄具8(例えば、ブラシ洗浄具、スポンジ状洗浄具)をそれぞれ挿入して前後、左右及び上下等の所要の方向に動かすことにより、その線材30A〜30Nの根元部分35の内側の部位を容易に洗浄することができる。また、柄部2の取付け部分22の取付け面のうち線材30A〜30Nで形成される各列R1〜R4により挟まれて囲まれる部分も、その洗浄具8により容易に洗浄される。
さらに、この攪拌具1Dにおける攪拌部3を構成する上記外側線材群G1の線材30A〜30Fと上記内側線材群G2の線材30G〜30Nはいずれも、実施の形態1に係る攪拌具1Aにおける攪拌部3等の場合と同様に、図30〜図32等に示すように、その各端部31,32から折り返す形状に曲げた部分33に至るまでの立ち上げ部分36の隣り合って並ぶ順番が、その立ち上げ部分36の全域でその各端部31,32の前記各列R1〜R4において並ぶ順番とそれぞれ同じ関係になるよう配置されている。
このように構成している撹拌具1Dでは、図27、図28、図29等に示すように、攪拌部3を構成する各線材群G1,G2の線材30A〜30Nにおける根元部分35から折り返す形状に曲げた部分33に至るまでの立ち上げ部分36どうしが、その各折り返す形状に曲げた部分33が上記放射状の模様を形成するために交差している部分(図29参照)を除いて、互いに交差することも接触することもなく連続した隙間空間55,56等を確保した状態で存在する。このため、14本の各線材30A〜30Nの立ち上げ部分36の洗浄具8による洗浄が、洗浄具8を上記隙間空間55,56等に沿って容易に移動させることができるので支障なく確実に行うことが可能になる。これにより、この攪拌具1Dは、攪拌部3を構成する14本の線材30A〜30Nにおける根元部分35を含む立ち上げ部分36も洗浄具8の洗浄により確実に洗浄されて清潔に保たれる。
[実施の形態5]
図33から図36は、実施の形態5に係る攪拌具を示す。図33はその攪拌具を正面側から見たときの状態を示し、図34はその攪拌具を右側面側から見たときの状態を示し、図35は図33の攪拌具をA−A線で切断して見たときの状態を示し、図36は図33の攪拌具をB−B線で切断して見たときの状態を示している。
実施の形態5に係る攪拌具1Eは、実施の形態2に係る攪拌具1Bと対比した場合、攪拌部3を構成する各線材30A〜30Jの立ち上げ部分36の状態が一部異なる点で相違するものである。これ以外の構成については、前記した攪拌具1Bと同じ構成になっている。
すなわち、この攪拌具1Eにおける攪拌部3を構成する上記外側線材群G1の線材30A〜30Fと上記内側線材群G2の線材30G〜30Jは、図33、図34、図36に示すように、実施の形態2に係る攪拌具1Bにおける攪拌部3の場合(図15、図16、図18、図19)と異なり、その各端部31,32から折り返す形状に曲げた部分33に至るまでの立ち上げ部分36の隣り合って並ぶ順番(図36)が、その立ち上げ部分36の全域でその各端部31,32の前記各列R1〜R3において並ぶ順番(図35)と(少なくとも一部において)同じ関係にならない状態で配置されている。
具体的には、上記外側線材群G1の線材30A〜30Fにおいては、その立ち上げ部分36の隣り合って並ぶ順番が図36における左側の領域(左側の符号G1で囲むような範囲)の上部側及びこの左側の領域に対向する右側の領域(右側の符号G1で囲むような範囲)の下部側からいずれも「30F,30E,30C,30D,30B,30A」という順番であるのに対し、その左側の領域又は右側の領域にそれぞれ立ち上がる各線材30A〜30Fの各端部の第1外側列R1又は第2外側列R2で並ぶ順番が、図35における左右の領域での上部側又は下部側からいずれも「30F,30E,30D,30C,30B,30A」という順番になっており、この結果、その両者の並ぶ順番はその立ち上げ部分36の一部で前後して異なった順番となる関係になっている。つまり、列R1,R2における線材30D,30Cの端部の並び順に対し、その立ち上げの途中部分から立ち上げ上部に到る部分での並び順が線材30C,30Dという並び順に変更された関係になっている(なお図33から図36においては、該当する線材30C,30Dを視認させやすくするためにその符号30D,30Cに点線の下線を付している)。
一方、上記内側線材群G2の線材30G〜30Jにおいては、その立ち上がる立ち上げ部分36の隣り合って並ぶ順番が、図36における上側の領域(上側の符号G2で囲むような範囲)における左端及びこの上側の領域に対向する下側の領域(下側の符号G2で囲むような範囲)の右端からいずれも「30G,30I,30H,30J」という順番であるのに対し、その上側領域又は下側領域にそれぞれ立ち上がる各線材30G〜30Jの端部の内側列R3において並ぶ順番が、図35における内側列R3の上半分の下端又はその下半分の上端からいずれも「30G,30H,30I,30J」という順番になっており、この結果、その両者の並ぶ順番はその立ち上げ部分36の一部で前後して異なった順番となる関係になっている。つまり、内側列R3における線材30H,30Iの端部の並び順に対し、立ち上げの途中部分から立ち上げ上部に到る部分での並び順が線材30I,30Hという並び順に変更された関係になっている(なお図33から図36においては、該当する線材30H,30Iを視認させやすくするためにその符号30H,30Iに点線の下線を付している)。
このような異なる構成を採用している攪拌具1Eでは、図36等に示すように、外側列R1,R2に配置する外側線材群G1の線材30A〜30Fの各端部から立ち上げ部分36においては、上記線材30Cと線材30Dがその各端部から一定の間隔をあけて並行した状態で立ち上がることなく、立ち上げの途中で交差した状態で立ち上がる形態になっている。また同様に、その内側列R3に配置する内側線材群G2の線材30G〜30Jの各端部から立ち上げ部分36においては、上記線材30Hと線材30Iがその各端部から一定の間隔をあけて並行した状態で立ち上がることなく、立ち上げの途中で交差した状態で立ち上がる形態になっている。図33、図34、図36における符号61は線材30Cと線材30Dが交差している交差部分を示し、符号62は線材30Hと線材30Iが交差している交差部分を示す。
この攪拌具1Eの場合は、その攪拌部3を構成する線材30の本数を10本にすることができ、しかも攪拌部3の頭部となる部位においてその10本の線材A〜30Jの折り返す形状に曲げた部分33を前述したごとくほぼ等しい角度で交差する放射状の形状を形成するように配置することができるため、実施の形態2に係る攪拌具1Bの場合と同様に攪拌部3の攪拌能力が高いものになり、食材を効率よく攪拌させることができるが、その使用後における洗浄のときに次の危惧がある。
つまり、攪拌具1Eでは、攪拌部3を構成する10本の線材30A〜30Jの根元部分35に各列R1〜R3どうしの間に挟まれて洗浄具8を挿入させることができる最小の間隔W1,W2の貫通する隙間空間51,52が存在するため、実施の形態2に係る攪拌具1Bの場合と同様に、その線材30A〜30Jの根元部分35の内側の部位を例えば図7に例示される洗浄具8(のブラシ洗浄部82)により容易に洗浄することができる。しかし、その攪拌部3を構成する10本の線材30A〜30Jの根元部分35を除く立ち上げ部分36の洗浄具8による洗浄を行うに際しては、その線材30A〜30Jの立ち上げ部分36に上記した交差部分61,62が存在するため、その交差部分61,62を形成する線材どうしの間に洗浄具8(のブラシ洗浄部82)を移動させるときに、その洗浄具8の移動させる動きが上記交差部分61,62によって阻害されてしまい、その交差部分61,62を形成する線材部分(線材30C,30Dの一部と線材30H,30Iの一部)の洗浄が不可能又は不十分になるおそれがある。
これに対して実施の形態2に係る攪拌具1Bの場合には、その攪拌部3を構成する10本の線材30A〜30Jの立ち上げ部分36に、上記したような交差部分61,62(図36等)が存在しない(図19を参照)。すなわち、このときの攪拌具1Bにおける攪拌部3は、各線材30A〜30Jの折り返す形状に曲げた部分33が放射状の模様を形成するように配置されて各線材の最大幅となる部分(立ち上げ部分36の上部)での並び順番が、各線材30A〜30Jの端部の各列R1〜R3における各端部の並ぶ順番とそれぞれ同じ関係になるよう配置されている。その結果、各線材30A〜30J同士は、各列R1〜R3における各端部からその各線材が交差する攪拌部3の頂部30aに到る手前まで、それぞれ一定の間隔を有した並行な状態で立ち上がった形態になっている。
ちなみに、攪拌具1Eでは、上記詳述した通り、各列R1〜R3における各線材30A〜30Jの根元部分35の並び順(図35)に対し、各線材30A〜30Jの立ち上げ部分36の上部(外側に相反するように立ち上がって最大幅となる部分)での並び順(図36)が一部で異なっている。このため、外側列R1,R2においては、線材30Cと線材30Dの並び順が途中から入れ替わって異なった関係になっており、これにより交差部分61を形成している。また、内側列R3においては、線材30Hと線材30Iの並び順が途中から入れ替わって異なった関係になっており、これにより交差部分62を形成している。
この点、実施の形態2に係る攪拌具1Bでは、図18に示す各列R1〜R3における各線材30A〜30Jの根元部分35の並び順に対し、図19に示す各線材30A〜30Jの立ち上げ部分36の上部での並び順が一切異なっておらず、その立ち上げ部分36の全域で同じ関係になっている。
このため、攪拌部3を構成する10本の30A〜30Jとして立ち上げ部分36が途中で迂回するような特殊な形状でなくほぼ直線状に伸びる単純な形状のものを使用している限りにおいては、その攪拌部3の組み立てるときに、各列R1〜R3における各線材30A〜30Jの根元部分35の並び順に対し、各線材30A〜30Jの立ち上げ部分36の並び順をその立ち上げ部分36の全域で同じ関係(同じ並び順)になるよう線材30A〜30Jの取り付け作業を行えばよい。この場合は、攪拌具1(B)の攪拌部3を構成する複数の線材30A〜30Jの立ち上げ部分36どうしは、図19から図21に例示されるように、互いに交差又は接触しない状態で配置されることになる。
[他の実施の形態]
実施の形態1〜5では、攪拌具1A〜1Eにおける攪拌部3を構成する複数の線材30の端部31,32を柄部2の取付け部分22に最小の間隔Wをあけて存在する3つの列R1〜R3又は4つの列R1〜R4をなすよう並べて配置する構成例を示したが、最小の間隔Wを確保する等の条件設定が可能であることを前提とした場合、5以上の列をなすよう並べて配置しても構わない。線材30の太さについては、0.5〜5mmの範囲のものが好ましい。この線材30の太さが0.5mmよりも細い場合には、例えば、その線材30で構成される攪拌部3の剛性が不足するものとなり、短期間の使用で攪拌部3が変形してしまうおそれがある。
また、各列は、実施の形態1〜5で例示したような複数の線材30を直線状又は円弧状の状態に並べる他、ジグザグ(稲妻形)状等の状態に並べてもよく、また異なる形態のものを組み合わせた状態に並べるようにしてもよく、最終的に全体として観察したときに3以上の複数の列状に並んだ状態になればよい。各列を構成する線材30の根元部分35の間隔Sは、0.5〜2.5mm程度の範囲が好ましいが、これよりも狭くても反対に広くても構わない。3以上の列の各列どうしの最小の間隔Wはいずれも、2mm以上であることが好ましい。
柄部2については、断面が円形又は楕円からなる棒状の形態である柄本体21と、複数の線材30を3以上の列状態に並べて実際に取り付ける部分となる取付け面が円形、楕円、多角形又は矩形からなる取付け部分22とで構成されるものが好ましい。柄本体21は、手の中で回転させて握り直すことがし易い等の観点からすると、断面が円形でストレートな棒状の形態のものが最も望ましい。また、取付け部分22は、その取付け面が柄本体21の断面積と同じである形態からなるものが好ましいが、攪拌具1の取り扱い性が悪化しない範囲内であれば、その取付け面が柄本体21の断面積よりも広い形態からなるものであっても構わない。後者の場合は、柄本体21が取付け部分22よりも(太さの)細い形態からなる柄部2となる。
攪拌部3を構成する複数の線材30の柄部2の取付け部分22への取付け構造としては、実施の形態1等で説明した取付け構造に限定されず、例えば他の公知の取付け構造を採用してもよい。また、攪拌部3を構成する複数の線材30の取り付け作業は、実施の形態1等で例示した順番などに限定されず、他の順番で行うように構成してもよい。
本発明の攪拌具1は、調理用の攪拌具として使用する以外にも、他の分野における攪拌具として使用することが可能である。また、攪拌具1は、上記の各実施形態で説明した内容(構成)について、種々組み合わせて構成するようにしても構わない。