JP2011129273A - 空気電池及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギー密度を高めることが可能な空気電池及びその製造方法を提供する。
【解決手段】円筒状の空気極層を有し、空気極層、負極層、及び、空気極層と負極層との間に配設された電解質層を具備する積層体が捲回された電極体を備える空気電池、並びに、空気極層と負極層との間に電解質層が配設されるように、空気極層、電解質層、及び、負極層を積層する過程を経て積層体を形成する積層工程と、形成された積層体を捲回することによって円筒状の空気極層を備える電極体を形成する捲回工程と、を有する空気電池の製造方法とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気電池及びその製造方法に関し、特に、円筒状の空気極を有する空気電池及びその製造方法に関する。
空気電池は、酸素を正極活物質とする電池であり、放電時には酸素含有ガスを外部から取り込んで用いる。そのため、正極及び負極の活物質を電池内に有する他の電池に比べ、電池容器内に占める負極活物質の割合を大きくすることが可能になる。したがって、原理的に放電できる電気容量が大きく、小型化や軽量化が容易という特徴を有している。また、正極活物質として用いる酸素の酸化力は強力であるため、電池の起電力が比較的高い。さらに、酸素は資源的な制約がなくクリーンな材料であるという特徴も有するため、空気電池は環境負荷が小さい。このように、多くの利点を有する空気電池は、ハイブリッド車用電池や携帯機器用電池等への利用が期待されており、近年、空気電池の高性能化が求められている。
空気電池の高性能化を実現するためには、(1)正極(以下において、「空気極」ということがある。)や負極の厚さを厚くする、(2)正極や負極の面積を増大させる、等の対策を施すことが考えられる。しかしながら、対策(1)及び対策(2)には、空気極への酸素供給が滞りやすい等の問題があり、かかる問題を解決するためには、空気極を、酸素が拡散しやすい構造にすること等が必要とされる。
このような空気電池に関する技術として、例えば特許文献1には、開口端部の片側が金属製の外カップと内カップとにより封口された円筒状空気極を有し、該円筒状空気極内に有底筒状に構成されたセパレータを有する円筒形空気電池であって、セパレータ内側の内カップの内側に対向する部分に負極を含有していないゲル状電解液が充填され、残りの部分にゲル状亜鉛負極が充填されている円筒形空気電池が開示されている。
特開2002−063948号公報
特許文献1に開示されている空気電池は、円筒状の空気極を有しているので、従来の空気電池よりもエネルギー密度を高めることが可能になると考えられる。しかしながら、空気電池のエネルギー密度をより一層高めるためには、更なる技術開発が求められていた。
そこで本発明は、エネルギー密度を高めることが可能な空気電池及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
本発明の第1の態様は、円筒状の空気極層を有する空気電池において、空気極層及び負極層、並びに、空気極層と負極層との間に配設された電解質層を具備する積層体が捲回された電極体、を備えることを特徴とする、空気電池である。
上記本発明の第1の態様において、電極体の少なくとも一部の層の、電極体を構成する他の層と接触する面に、溝が備えられていることが好ましい。
ここに、「電極体の少なくとも一部の層」とは、電極体を構成する空気極層、電解質層、及び、負極層、並びに、電極体に含まれ得る集電体層等からなる群より選択される、1又は2以上の層をいう。また、「電極体を構成する他の層」とは、上記群より選択された1又は2以上の層と接触する、電極体に含まれる層をいう。例えば、「電極体の少なくとも一部の層」が空気極層である場合、「電極体を構成する他の層」は電解質層及び/又は集電体層とすることができ、「電極体の少なくとも一部の層の、電極体を構成する他の層と接触する面」は、電解質層と接触する空気極層の面、及び/又は、集電体層と接触する空気極層の面、とすることができる。
また、上記本発明の第1の態様において、空気極層の表面、及び/又は、空気極層に接触している層の空気極層側の面に、溝が備えられ、空気極層の表面、及び/又は、空気極層に接触している層の空気極層側の面に備えられている溝の少なくとも一部は、電極体の軸方向に伸びており、軸方向に伸びた溝の少なくとも一端が電極体の軸方向の端面に開口していることが好ましい。
ここに、本発明において、「空気極層の表面」とは、空気極層の一方の表面のほか、空気極の一対の表面も含まれる概念である。例えば、空気極層が電解質層及び集電体層に狭持されている場合、「空気極層の表面に溝が備えられ」とは、電解質層側の空気極層の表面にのみ溝が備えられる形態や、集電体層側の表面にのみ溝が備えられる形態のほか、電解質層側の空気極層の表面及び集電体層側の空気極層の表面に溝が備えられる形態も含まれる概念である。また、「空気極層に接触している層の空気極層側の面」とは、例えば、電解質層の空気極層側の面、及び/又は、集電体層の空気極層側の面、とすることができる。また、「電極体の軸方向に伸びており」とは、積層体の捲回方向と交差する方向に伸びていることをいう。すなわち、本発明において、「軸方向に伸びた溝」には、電極体の軸方向と平行な方向に伸びた溝のほか、電極体の軸方向と90°以外の角度で交差する方向に伸びた溝も含まれる。
本発明の第2の態様は、空気極層と負極層との間に電解質層が配設されるように、空気極層、電解質層、及び、負極層を積層する過程を経て積層体を形成する積層工程と、該積層工程で形成された積層体を捲回することによって円筒状の空気極層を備える電極体を形成する捲回工程と、を有することを特徴とする、空気電池の製造方法である。
上記本発明の第2の態様において、積層体を構成する少なくとも一部の層の、積層体を構成する他の層と接触する面に、溝が備えられることが好ましい。
ここに、「積層体を構成する少なくとも一部の層」とは、積層体を構成する空気極層、電解質層、及び、負極層、並びに、積層体に含まれ得る集電体層等からなる群より選択される、1又は2以上の層をいう。また、「積層体を構成する他の層」とは、上記群より選択された1又は2以上の層と接触する、積層体に含まれる層をいう。例えば、「積層体を構成する少なくとも一部の層」が空気極層である場合、「積層体を構成する他の層」は電解質層及び/又は集電体層とすることができ、「積層体を構成する少なくとも一部の層の、積層体を構成する他の層と接触する面」は、電解質層と接触する空気極層の面、及び/又は、集電体層と接触する空気極層の面、とすることができる。
また、上記本発明の第2の態様において、空気極層の表面、及び/又は、空気極層に接触するように配設される層の空気極層側の面に、溝が備えられ、空気極層の表面、及び/又は、空気極層に接触するように配設される層の空気極層側の面に備えられている溝の少なくとも一部は、積層体の捲回方向と交差する方向に伸びており、交差する方向に伸びた溝の少なくとも一端が、該溝を有する層の捲回方向に伸びた側面に開口していることが好ましい。
ここに、「空気極層に接触するように配設される層」とは、空気極層が電解質層及び集電体層に狭持されるように配設される場合であれば、電解質層及び集電体層をいう。また、本発明において、「空気極層に接触するように配設される層の空気極層側の面」とは、空気極層が電解質層及び集電体層に狭持されるように配設される場合であれば、電解質層の空気極層側の面、若しくは、集電体層の空気極層側の面、又は、電解質層の空気極層側の面及び集電体層の空気極層側の面、とすることができる。また、「該溝を有する層」とは、積層体の捲回方向と交差する方向に伸びた溝を有する層をいう。すなわち、例えば、積層体の捲回方向と交差する方向に伸びた溝が空気極層の表面にのみ備えられる場合、「該溝を有する層」とは、空気極層をいう。
本発明の第1の態様では、空気極層と負極層との間に配設された電解質層を具備する積層体を捲回することによって形成された、円筒状の空気極層を有する電極体が備えられている。したがって、本発明の第1の態様によれば、エネルギー密度を高めることが可能な、空気電池を提供することができる。
上記本発明の第1の態様において、電極体の少なくとも一部の層の、電極体を構成する他の層と接触する面に、溝が備えられていることにより、溝が備えられている層と当該層に接触する層とがずれる事態を抑制することが可能になるので、出力を向上させることが容易になる。
また、上記本発明の第1の態様において、空気極層の表面、及び/又は、空気極層に接触している層の空気極層側の面に、少なくとも一端が電極体の端面に開口している軸方向に伸びた溝が備えられることにより、放電時に必要とされる空気を、溝を介して空気極層へと供給すること、及び、充電時に空気極層から排出された空気を、溝を介して空気電池の外へと排出することが可能になる。したがって、かかる形態とすることにより、二次電池として使用することが可能な、高エネルギー密度の空気電池を提供することができる。
本発明の第2の態様は、空気極層、電解質層、及び、負極層を積層する過程を経て形成した積層体を捲回することによって、円筒状の空気極層を備える電極体を形成する捲回工程を有している。捲回工程を有することにより、上記本発明の第1の態様にかかる空気電池を製造することができる。したがって、本発明の第2の態様によれば、エネルギー密度を高め得る空気電池を提供することが可能な、空気電池の製造方法を提供することができる。
上記本発明の第2の態様において、積層体の少なくとも一部の層の、積層体を構成する他の層と接触すべき面に、溝が備えられていることにより、溝が備えられている層と当該層に接触する層とがずれる事態を抑制することが可能になるので、出力を高め得る空気電池の生産性を向上させることが可能になる。
また、上記本発明の第2の態様において、空気極層の表面、及び/又は、空気極層に接触するように配設される層の空気極層側の面に、少なくとも一端が電極体の端面に開口している軸方向に伸びた溝が備えられることにより、放電時に必要とされる空気を、溝を介して空気極層へと供給すること、及び、充電時に空気極層から排出された空気を、溝を介して空気電池の外へと排出することが可能な、空気電池を製造することができる。したがって、かかる形態とすることにより、二次電池として使用することが可能であり且つ高エネルギー密度の空気電池を製造し得る、空気電池の製造方法を提供することができる。
空気電池10を示す断面図である。 本発明の空気電池の製造方法を説明するフローチャートである。 空気電池10の製造工程を説明する図である。 空気極層13’の上面図である。 空気電池20を示す断面図である。 空気電池20の製造工程を説明する図である。 空気極層24’の上面図である。
空気電池に備えられる空気極層を円筒状とすることにより、エネルギー密度を向上させることが可能になると考えられる。しかしながら、これまでに提案されている、円筒状の空気極層を有する空気電池では、円筒状の空気極層を形成した後に負極層が充填されるべき空間へ流体状の負極層構成材料を流入させることによって空気電池を製造していたため、高エネルギー密度化が不十分になる虞があった。
本発明者は、鋭意研究の結果、空気極層、電解質層、及び、負極層等を積層した積層体を形成した後、この積層体を捲回することにより、円筒状の空気極層を備えた電極体を形成する過程を経て空気電池を製造することにより、空気電池の高エネルギー密度化を図ることが容易になることを知見した。また、他の層と接触する層の表面に溝を形成することにより、積層体を捲回する際に生じうる巻きズレを抑制することが可能になることも知見した。さらに、空気極層の表面、及び/又は、空気極層と接触する層の空気極層側の表面の溝の少なくとも一端を、電極体の軸方向の端面へと開口させ、この溝を空気流路として機能させることにより、飽和溶存酸素量が少ない電解液等を用いた場合であっても、二次電池として機能させやすい空気電池を提供することが可能になることも知見した。一方、従来の空気電池では、円筒状の空気極層が備えられていても、当該空気極層の内側に配設された電解質層側に空気流路が備えられていなかった。電解質層に電解液を充填すれば、電解液中の溶存酸素を利用することによって、空気電池を二次電池として利用することも可能になるが、飽和溶存酸素量が少ない電解液(例えば、非水溶媒を用いた電解液)を用いると、容量の低下のみならず出力の低下をも招きやすい。そのため、円筒状の空気極層を有する従来の空気電池は、空気電池の高エネルギー密度化を図ることが困難であった。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものである。本発明は、エネルギー密度を高めることが可能な空気電池及びその製造方法を提供することを、主な要旨とする。
以下、図面を参照しつつ、本発明について説明する。なお、以下に示す形態は本発明の例示であり、本発明は以下に示す形態に限定されるものではない。
図1は、第1実施形態にかかる本発明の空気電池10を説明する断面図である。図1では、空気電池10の特徴的部分のみを抽出して示しており、外装材等の記載及び一部符号の記載を省略している。図1に示すように、空気電池10は、円柱状の負極層11と、該負極層11の周囲に負極層11の外周面と接触するように配設された円筒状の電解質層12と、該電解質層12の周囲に電解質層12の外周面と接触するように配設された円筒状の空気極層13と、該空気極層13の周囲に空気極層13の外周面と接触するように配設された円筒状の集電体層14と、を備える電極体15を有している。そして、空気極層13の、電解質層12側の表面には、電極体15の軸方向を法線方向とする断面の形状が三角形の溝13a、13a、…が備えられている。溝13a、13a、…は、図1の紙面奥/手前方向へと伸びており、その両端が、電極体15の軸方向両端の端面に開口している。
このような構成とすることにより、エネルギー密度を高めることが可能な空気電池10を提供することができる。また、溝13a、13a、…が備えられることにより、電極体15を形成する際に生じ得る空気極層13と電解質層12とのズレを低減することが可能になるので、出力を高めることが容易になる。さらに、溝13a、13a、…の両端を電極体15の両端面へ開口させることにより、空気電池10の放電時には、溝13a、13a、…を介して空気極層13へ空気を供給することが可能になり、空気電池10の充電時には、空気極層13で生成された空気を溝13a、13a、…を介して電極体15の外へと排出することが可能になる。したがって、溝13a、13a、…が備えられる形態とすることにより、本発明によれば、飽和溶存酸素量が少ない電解質を用いた場合であっても、二次電池として機能させやすい空気電池10を提供することができる。加えて、溝13a、13a、…を介した空気の流通を可能にすることにより、空気電池10の容量低下や出力低下、及び、サイクル劣化を抑制することが可能になるので、信頼性を向上させることが可能な空気電池10を提供することも可能になる。
図2は、本発明の空気電池の製造方法を説明するフローチャートである。また、図3は、空気電池10の製造工程を説明する図である。図3(a)では積層体を構成する層の一部を省略しており、図3(b)では一部符号の記載を省略している。以下、図1乃至図3を参照しつつ、空気電池10の製造方法について具体的に説明する。
図2に示すように、本発明の空気電池の製造方法は、積層工程(S1)と捲回工程(S2)とを有している。
積層工程S1(以下において、空気電池10を製造する際の積層工程を、「工程S11」という。)は、空気極層と負極層との間に電解質層が配設されるように、空気極層、電解質層、及び、負極層を積層する過程を経て積層体を形成する工程である。空気電池10を製造する場合、工程S11では、例えば、次の捲回工程に耐え得る強度を有した導電性材料箔(例えば、金属箔やメッシュ等の多孔箔等)によって構成されるシート状の集電体層14’の上面に、スクリーン印刷等によって、空気極層13を構成すべき材料を塗布し乾燥させた後、所定の圧力でプレスすることにより、両端が空気極層13’の端面に開口している溝13a、13a、…を有するシート状の空気極層13’を形成する。こうして空気極層13’を形成したら、続いて、スクリーン印刷等によって、電解質層12を構成すべき材料を塗布し、所定の圧力でプレスすることにより予め形成しておいたシート状の電解質層12’を空気極層13’の上面に配設し、さらに、電解質層12’の上面に、Li等によって構成される円柱状の負極層11を配設することにより、積層体15’を形成する。すなわち、工程S11は、例えば、図3(a)に示すように、上記工程により、円柱状の負極層11と、シート状の電解質層12’と、溝13a、13a、…を有するシート状の空気極層13’と、シート状の集電体層14’とを有する積層体15’を形成する工程、とすることができる。
捲回工程S2(以下において、空気電池10を製造する際の捲回工程を、「工程S12」という。)は、上記工程S1で形成された積層体を捲回することによって、円筒状の空気極層を備える電極体を形成する工程である。空気電池10を製造する場合、工程S12は、例えば、上記工程S11で形成した積層体15’を、負極層11を軸に、図3(a)の紙面左右方向へと捲回することにより、円筒状の空気極層13を備える電極体15を形成する工程(図3(b)参照)、とすることができる。より具体的に、工程S12は、例えば、積層体15’を捲回する際に重なった部分を除去した後、湾曲させた集電体層14’の端面同士を溶接する等の過程を経て、円筒状の空気極層13を備える電極体15を形成する工程、とすることができる。
上記工程S11及び工程S12を有する空気電池10の製造方法によれば、積層体15’を形成した後にこれを捲回して電極体15を形成するので、エネルギー密度を高めることが可能な空気電池10を製造することができる。また、シート状の空気極層13’に溝13a、13a、…が備えられることにより、積層体15’を捲回する際に生じ得る空気極層13’と電解質層12’とのズレを低減することが可能になるので、製造された空気電池10の出力を高めることが容易になる。さらに、溝13a、13a、…の両端が空気極層13’の端面に開口していることにより、空気電池10の放電時には、溝13a、13a、…を介して空気極層13へ空気を供給することが可能になり、空気電池10の充電時には、空気極層13で生成された空気を溝13a、13a、…を介して電極体15の外へと排出することが可能になる。したがって、このような溝13a、13a、…が備えられる形態とすることにより、本発明によれば、飽和溶存酸素量が少ない電解質を用いた場合であっても、二次電池として機能させやすい空気電池10を製造することが可能な、空気電池の製造方法を提供することができる。
空気電池10において、負極層11の構成材料は、空気電池の負極材料として使用可能な公知の材料を適宜用いることができ、このほか、捲回時の強度を確保する等の観点から、空気電池10の使用時の環境に耐え得る金属やプラスチック等も併せて使用することができる。負極層11を構成し得る負極活物質としては、Li、Na、K、Mg、Ca、Al、Zn、Fe等の金属、及び、これらの金属の少なくとも1以上を含む合金、並びに、これらの金属のイオンを吸蔵し得るイオン吸蔵材料等を例示することができる。このほか、これらの材料によって構成される負極上に、電解質層12を構成し得るポリマーやセラミックス等の固体電解質をコーティングすることによって、負極層11を構成することも可能である。空気電池10において、負極層11の負極活物質は、電極体15の軸方向全長に亘って存在していても良く、電極体15の軸方向端部にのみ存在していても良い。
負極層11は、少なくとも負極活物質を含有していれば良く、さらに、導電性を向上させる導電性材料や金属等を固定化させる結着材を含有していても良い。反応場の減少及び電池容量の低下を抑制する等の観点から、負極層11における導電性材料の含有量は10質量%以下とすることが好ましい。また、負極層11における結着材の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば10質量%以下とすることが好ましく、1質量%以上5質量%以下とすることがより好ましい。負極層11に含有され得る導電性材料は、空気電池10の使用時における環境に耐えることができ、且つ、導電性を有するものであれば、特に限定されるものではない。このような導電性材料としては、カーボンブラック、活性炭、及び、炭素繊維等に代表される、高比表面積の炭素材料等を例示することができる。負極層11に含有され得る結着材としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、及び、スチレンブタジエンゴム(SBR)等、空気電池に使用可能な公知の結着材を例示することができる。
空気電池10では、負極層11の内部又は外面に当接して、負極集電体が設けられる。負極集電体は、負極層11の集電を行う機能を担う。空気電池10において、負極集電体の材料は、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではない。負極集電体の材料としては、銅、ステンレス鋼、及び、ニッケル等を例示することができる。また、負極集電体の形状としては、箔状、板状、及び、メッシュ(グリッド)状等を例示することができる。空気電池10において、負極層11は、例えば、導電性材料、及び、結着材を含む混合体を392MPa等の圧力で円柱状にプレス成型する等の方法により作製することができる。
空気電池10において、電解質層12の構成材料は、空気電池の電解質層に使用可能な公知の固体電解質を適宜用いることができる。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン製のセパレータ、ゲル電解質、PEO系ポリマー電解質、多孔質アルミナ、La−Li−Ti−O系無機固体電解質などを例示することができる。これらに少量の公知の液体電解質を添加してもよい。公知の液体電解質とは、例えば、リチウム空気電池の場合、リチウム塩及び有機溶媒を含有する。リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiClO及びLiAsF等の無機リチウム塩のほか、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiC(CFSO等の有機リチウム塩等を例示することができる。また、有機溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシメタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン及びこれらの混合物等を例示することができる。空気電池10において、シート状の電解質層12’は、例えば、グラビア塗工などによって基板上に電解質膜を形成した後、基板を取り外すことにより、作製することができる。
空気電池10において、空気極層13の構成材料は、空気電池の空気極材料として使用可能な公知の材料(導電性材料、触媒、及び、これらを結着させる結着材等を含有する空気極用組成物)を適宜用いることができる。空気極層13を構成し得る導電性材料は、空気電池10の使用時における環境に耐えることができ、且つ、導電性を有するものであれば、特に限定されるものではない。このような導電性材料としては、カーボンブラック、活性炭、及び、炭素繊維等に代表される、高比表面積の炭素材料等を例示することができる。また、反応場の減少及び電池容量の低下を抑制する等の観点から、空気極用組成物における導電性材料の含有量は、10質量%以上とすることが好ましい。また、充分な触媒機能を発揮し得る形態にする等の観点から、空気極用組成物における導電性材料の含有量は、99質量%以下とすることが好ましい。
空気極用組成物に含有される触媒としては、二酸化マンガンや二酸化セリウム等の無機セラミックスや、コバルトフタロシアニン等の有機錯体及びその複合材料を例示することができる。充分な触媒機能を発揮し得る形態にする等の観点から、空気極用組成物における触媒の含有量は、1質量%以上とすることが好ましい。また、反応場の減少及び電池容量の低下を抑制する等の観点から、空気極用組成物における触媒の含有量は、90質量%以下とすることが好ましい。
空気極用組成物に含有される結着材としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、及び、スチレンブタジエンゴム(SBR)等、空気電池に使用可能な公知の結着材を例示することができる。空気極用組成物における結着材の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば40質量%以下とすることが好ましく、1質量%以上10質量%以下とすることがより好ましい。
溝13a、13a、…を有する空気極層13’は、例えば、導電性材料、触媒、及び、結着材を溶媒へ入れて混錬攪拌することにより作製したペーストを、集電体層14の表面へとスクリーン印刷し乾燥させた後、98MPa等の圧力でプレスすることにより、作製することができる。空気極層13’の作製時に使用され得る溶媒としては、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、及び、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の揮発性溶媒を例示することができ、沸点が200℃以下の溶媒を好ましく用いることができる。このほか、空気極層13’は、グラビア塗工、ダイ塗工、マスキング塗工や機械切削加工、鋳型成型等を用いて作製することも可能である。
空気電池10において、溝13aの深さは、特に限定されるものではない。集電体層14にまで達する深さとすることも可能であり、集電体層14にまで達しない深さとすることも可能である。また、溝13aの数は、特に限定されるものではない。また、空気電池10には、電極体15の軸方向を法線方向とする断面の形状が三角形の溝13a、13a、…が備えられる形態を例示したが、本発明の空気電池に備えられる溝の形状はこれに限定されるものではなく、四角形、五角形等に代表される多角形のほか、円形や楕円形とすることも可能である。図4に空気極層13’の上面図を示す。図4の紙面左右方向が、積層体15’の捲回方向である。図4に示すように、溝13a、13a、…は、図4に示した空気極層13’の上下に伸びており、両端が、図4における空気極層13’の上端面及び下端面にそれぞれ開口している。
空気電池10において、集電体層14の構成材料は、空気電池の集電体として使用可能な公知の導電性材料を適宜用いることができる。集電体層の構成材料としては、アルミニウム、ステンレス鋼、及び、ニッケル等を例示することができる。また、集電体層14’の形状としては、箔状、板状、及び、メッシュ(グリッド)状等を例示することができる。捲回時の強度を保ちやすい形態にする等の観点からは、集電体層14’を箔状とすることが好ましく、空気電池10の作動時にガス拡散に優れた形態にする等の観点からは、集電体層14’をメッシュ(グリッド)状とすることが好ましい。
空気電池10に関する上記説明では、円筒状の空気極層13の軸心に負極層11が備えられ、且つ、電解質層12が備えられる形態を例示したが、本発明の空気電池は当該形態に限定されるものではない。そこで、他の実施形態にかかる本発明の空気電池について、以下に説明する。
図5は、第2実施形態にかかる本発明の空気電池20を説明する断面図である。図5では、空気電池20の特徴的部分のみを抽出して示しており、外装材等の記載及び一部符号の記載を省略している。図5において、空気電池10と同様に構成されるものには、図1で使用した符号と同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。図5に示すように、空気電池20は、円柱状の軸心21と、該軸心21の周囲に軸心21の外周面と接触するように配設された円筒状の電解質層22(以下において、「電解質層22a」ということがある。)と、該電解質層22aの周囲に電解質層22aの外周面と接触するように配設された円筒状の負極層23と、該負極層23の周囲に負極層23の外周面と接触するように配設された円筒状の電解質層22(以下において、「電解質層22b」ということがある。)と、該電解質層22bの周囲に電解質層22bの外周面と接触するように配設された円筒状の空気極層24と、該空気極層24の周囲に空気極層24の外周面と接触するように配設された円筒状の集電体層14と、を備える電極体25を有している。そして、空気極層24の、電解質層22b側の表面には、電極体25の軸方向を法線方向とする断面が四角形の溝24a、24a、…が備えられている。溝24a、24a、…は、図5の紙面奥/手前方向へと伸びており、その両端が、電極体25の軸方向両端の端面に開口している。
このような構成であっても、エネルギー密度を高めることが可能な空気電池20を提供することができる。また、溝24a、24a、…が備えられることにより、電極体25を形成する際に生じ得る空気極層24と電解質層22bとのズレを低減することが可能になるので、出力を高めることが容易になる。さらに、溝24a、24a、…の両端を電極体25の両端面へ開口させることにより、空気電池20の放電時には、溝24a、24a、…を介して空気極層24へ空気を供給することが可能になり、空気電池20の充電時には、空気極層24で生成された空気を溝24a、24a、…を介して電極体25の外へと排出することが可能になる。したがって、溝24a、24a、…が備えられる形態とすることにより、本発明によれば、飽和溶存酸素量が少ない電解液を用いた場合であっても、二次電池として機能させやすい空気電池20を提供することができる。加えて、溝24a、24a、…を介した空気の流通を可能にすることにより、空気電池20の容量低下や出力低下、及び、サイクル劣化を抑制することが可能になるので、信頼性を向上させることが可能な空気電池20を提供することも可能になる。
図6は、空気電池20の製造工程を説明する図である。図6(a)では積層体を構成する層の一部を省略しており、図6(b)では一部符号の記載を省略している。図6において、図3と同様に構成されるものには図3で使用した符号と同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。以下、図2、図5、及び、図6を参照しつつ、空気電池20の製造方法について具体的に説明する。
図2に示すように、本発明の空気電池の製造方法は、積層工程(S1)と捲回工程(S2)とを有している。積層工程S1(以下において、空気電池20を製造する際の積層工程を「工程S21」という。)は、空気極層と負極層との間に電解質層が配設されるように、空気極層、電解質層、及び、負極層を積層する過程を経て積層体を形成する工程である。空気電池20を製造する場合、工程S21では、例えば、シート状の集電体層14’の上面に、スクリーン印刷等によって、空気極層24を構成すべき材料を塗布し乾燥させた後、所定の圧力でプレスすることにより、両端が空気極層24’の端面に開口している溝24a、24a、…を有するシート状の空気極層24’を形成する。こうして空気極層24’を形成したら、続いて、電解液を保持させたセパレータによって構成されるシート状の電解質層22b’を空気極層24’の上面に配設する。次に、基板上に負極層23を構成すべき材料を塗布し、所定の圧力でプレスすることにより形成したシート状の負極層23’を電解質層22b’の上面に配設し、当該負極層23’の上面へ、電解液を保持させたセパレータによって構成されるシート状の電解質層22a’を配設した後、円柱状の軸心21を配設することにより、積層体25’を形成する。すなわち、工程S21は、例えば、図6(a)に示すように、上記工程により、円柱状の軸心21と、シート状の電解質層22a’と、シート状の負極層23’と、シート状の電解質層22b’と、溝24a、24a、…を有するシート状の空気極層24’と、シート状の集電体層14’とを有する積層体25’を形成する工程、とすることができる。
捲回工程S2(以下において、空気電池20を製造する際の捲回工程を、「工程S22」という。)は、上記工程S1で形成された積層体を捲回することによって、円筒状の空気極層を備える電極体を形成する工程である。空気電池20を製造する場合、工程S22は、例えば、上記工程S21で形成した積層体25’を、軸心21を中心にして、図6(a)の紙面左右方向へと捲回することにより、円筒状の空気極層24を備える電極体25を形成する工程(図6(b)参照)、とすることができる。より具体的に、工程S22は、例えば、積層体25’を捲回する際に重なった部分を除去した後、湾曲させた集電体層14’の端面同士を溶接する等の過程を経て、円筒状の空気極層24を備える電極体25を形成する工程、とすることができる。
上記工程S21及び工程S22を有する空気電池20の製造方法によれば、積層体25’を形成した後にこれを捲回して電極体25を形成するので、エネルギー密度を高めることが可能な空気電池20を製造することができる。また、シート状の空気極層24’に溝24a、24a、…が備えられることにより、積層体25’を捲回する際に生じ得る空気極層24’と電解質層22b’とのズレを低減することが可能になるので、製造された空気電池20の出力を高めることが容易になる。さらに、溝24a、24a、…の両端が空気極層24’の端面に開口していることにより、空気電池20の放電時には、溝24a、24a、…を介して空気極層24へ空気を供給することが可能になり、空気電池20の充電時には、空気極層24で生成された空気を溝24a、24a、…を介して電極体25の外へと排出することが可能になる。したがって、このような溝24a、24a、…が備えられる形態とすることにより、本発明によれば、飽和溶存酸素量が少ない電解液を用いた場合であっても、二次電池として機能させやすい空気電池20を製造することが可能な、空気電池の製造方法を提供することができる。
空気電池20において、軸心21は、空気電池20の使用時の環境に耐え得る金属やプラスチック等を用いることができる。軸心21は空気電池20の充放電に寄与しないため、エネルギー密度を高めやすい空気電池20を提供する等の観点から、軸心21の径は小さくすることが好ましい。空気電池20における軸心21の有効利用形態としては、中空状にして空気極層や負極層等を詰め込む形態や、電解液や酸素(酸素発生装置も含む)をリザーブする空間として利用する形態等を例示することができる。リザーブする空間として利用する場合、リザーブされた物質を電解質層22a、22bや空気極層24へと供給する方法は特に限定されるものではなく、軸心21の側面(酸素をリザーブする場合は軸心21、電解質層22a、負極23、及び、電解質層23b)を貫通する孔を介してリザーブされた物質を供給しても良く、電極体25の軸方向端面等に配設された供給路を介してリザーブされた物質を供給しても良い。
空気電池20において、負極層23は、負極集電体によって支持されたものであり、負極層11と同様の材料によって構成することができる。負極層23’を形成する際の圧力は、例えば、392MPaとすることができる。
空気電池20において、電解質層22(22a、22b)は、金属イオンを伝導する電解液がセパレータに保持されることによって構成されている。電解質層22に充填される電解液の形態は、金属イオン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、水系電解液や非水電解液を挙げることができる。電解質層22に充填される非水電解液の種類は、伝導する金属イオンの種類に応じて、適宜選択することが好ましい。例えば、リチウム空気電池の非水電解液は、通常、リチウム塩及び有機溶媒を含有する。リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiClO及びLiAsF等の無機リチウム塩のほか、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiC(CFSO等の有機リチウム塩等を例示することができる。また、有機溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシメタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン及びこれらの混合物等を例示することができる。また、溶存酸素が効率良く反応に用いられる形態にする等の観点から、有機溶媒は、酸素溶解性が高い溶媒であることが好ましい。非水電解液におけるリチウム塩の濃度は、例えば0.2mol/L以上3mol/L以下とする。なお、本発明の空気電池においては、非水電解液として、例えばイオン性液体等の低揮発性液体を用いることができる。
また、電解質層22に用いられるセパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔膜のほか、樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等を例示することができる。
空気電池20において、空気極層24は、溝24a、24a、…の形状を溝13a、13a、…とは異なる形状にするほかは、空気極層13と同様の材料、同様の方法によって作製することができる。空気電池20において、溝24aの深さは、特に限定されるものではない。集電体層14にまで達する深さとすることも可能であり、集電体層14にまで達しない深さとすることも可能である。また、空気電池20において、溝24aの数は、特に限定されるものではない。図7に空気極層24’の上面図を示す。図7の紙面左右方向が、積層体25’の捲回方向である。図7に示すように、溝24a、24a、…は、図7に示した空気極層24’の上下に伸びており、両端が、図7における空気極層24’の上端面及び下端面にそれぞれ開口している。
空気電池10、20に関する上記説明では、空気極層13の電解質層12側の表面にのみ溝13a、13a、…が備えられる形態、及び、空気極層24の電解質層22b側の表面にのみ溝24a、24a、…が備えられる形態を例示したが、本発明の空気電池は当該形態に限定されるものではない。本発明の空気電池は、電極体を構成する各層に溝が備えられない形態とすることも可能である。ただし、製造時の巻きズレを抑制して高出力化を図りやすい形態にする等の観点からは、電極体を構成する各層の少なくとも一層に、溝が備えられる形態とすることが好ましい。本発明の空気電池に溝が備えられる場合、溝の形態は、両端が電極体の端面に開口している形態に限定されるものではなく、一端のみが電極体の端面に開口している形態や、両端が電極体の端面に開口していない形態、及び、これらのうち2以上が組み合わされた形態とすることも可能である。溝の両端が電極体の端面に開口していなくても、製造時の巻きズレを抑制することが可能である。ただし、飽和溶存酸素量が少ない電解質を用いた場合であっても、二次電池として機能させやすい空気電池を提供可能にする等の観点からは、空気極層の表面、及び/又は、空気極層と接触する層の空気極層側の表面に、一端又は両端が電極体の軸方向端面に開口している溝が備えられることが好ましい。
本発明の空気電池に溝が備えられる場合、電極体を構成する複数の層に溝が備えられていても良く、単一の層にのみ溝が備えられていても良い。また、溝は、電極体を構成する層の一方の面にのみ備えられていても良く、一対の面(表面及び裏面)に備えられていても良い。さらに、溝の方向は、電極体の軸方向と平行な方向であっても良く、電極体の軸方向と非平行な方向であっても良い。ただし、本発明の空気電池において、空気流路として機能させる溝の方向は、電極体の軸方向と平行な方向、又は、電極体の軸方向と90°以外の角度で交差する方向とすることが好ましい。なお、軸心21を、酸素をリザーブする空間とする場合、軸心21と空気極層23とを繋ぐ流路を酸素流路として機能させることができる。
本発明の空気電池は、電気自動車やハイブリッド自動車用等に利用することができ、本発明の空気電池の製造方法は、電気自動車やハイブリッド自動車用等に利用される空気電池を製造する際に利用することができる。
10…空気電池
11…負極層
12、12’…電解質層
13、13’…空気極層
13a…溝
14、14’…集電体層
15…電極体
15’…積層体
20…空気電池
21…軸心
22、22’…電解質層
22a、22a’…電解質層
22b、22b’…電解質層
23、23’…負極層
24、24’…空気極層
24a…溝
25…電極体
25’…積層体

Claims (6)

  1. 円筒状の空気極層を有する空気電池において、
    空気極層及び負極層、並びに、前記空気極層と前記負極層との間に配設された電解質層を具備する積層体が捲回された電極体、を備えることを特徴とする、空気電池。
  2. 前記電極体を構成する少なくとも一部の層の、前記電極体を構成する他の層と接触する面に、溝が備えられていることを特徴とする、請求項1に記載の空気電池。
  3. 前記空気極層の表面、及び/又は、前記空気極層に接触している層の前記空気極層側の面に、溝が備えられ、
    前記空気極層の表面、及び/又は、前記空気極層に接触している層の前記空気極層側の面に備えられている前記溝の少なくとも一部は、前記電極体の軸方向に伸びており、
    前記軸方向に伸びた前記溝の少なくとも一端が前記電極体の軸方向の端面に開口していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の空気電池。
  4. 空気極層と負極層との間に電解質層が配設されるように、前記空気極層、前記電解質層、及び、前記負極層を積層する過程を経て積層体を形成する積層工程と、
    前記積層工程で形成された前記積層体を捲回することによって円筒状の空気極層を備える電極体を形成する捲回工程と、
    を有することを特徴とする、空気電池の製造方法。
  5. 前記積層体を構成する少なくとも一部の層の、前記積層体を構成する他の層と接触する面に、溝が備えられることを特徴とする、請求項4に記載の空気電池の製造方法。
  6. 前記空気極層の表面、及び/又は、前記空気極層に接触するように配設される層の前記空気極層側の面に、溝が備えられ、
    前記空気極層の表面、及び/又は、前記空気極層に接触するように配設される層の前記空気極層側の面に備えられている前記溝の少なくとも一部は、前記積層体の捲回方向と交差する方向に伸びており、
    前記交差する方向に伸びた前記溝の少なくとも一端が、該溝を有する層の前記捲回方向に伸びた側面に開口していることを特徴とする、請求項4又は5に記載の空気電池の製造方法。
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