JP2011129204A - 磁気ディスクの製造方法、浮上ヘッドを磁気ディスク上で浮上させる装置及び浮上ヘッド - Google Patents

磁気ディスクの製造方法、浮上ヘッドを磁気ディスク上で浮上させる装置及び浮上ヘッド Download PDF

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Abstract

【課題】浮上ヘッドの浮上量を低減すると共に、その浮上ヘッドの耐久性を高める。
【解決手段】本発明の一実施形態の磁気ディスクの製造方法は、磁気ディスク11を回転させ、回転している磁気ディスク上において浮上ヘッド12の浮上を維持する。浮上ヘッド12はスライダ本体121とトレーリング端面211に形成されている素子部122とを有する。素子部内におけるヒータ素子221にパワーを与えることで、スライダ本体121の一部を突出させて、素子部122が磁気ディスク11から離間した状態で、スライダ本体121の一部と磁気ディスク11とを接触させる。
【選択図】図3A

Description

本発明は、磁気ディスクの製造方法、浮上ヘッドを磁気ディスク上で浮上させる装置及び浮上ヘッドに関する。
現在、光ディスク、磁気ディスクあるいは光磁気ディスクなどの様々なメディアを使用する装置がデータ記憶装置として知られている。その中でも、ハードディスク・ドライブ(HDD)は、コンピュータの外部記憶装置として広く普及している。さらに、HDDは、コンピュータにとどまらず、動画像記録再生装置、カーナビゲーション・システムあるいはデジタルカメラなどにも使用されている。
HDDは、磁気ディスクとその磁気ディスク上を浮上し、磁気ディスクにアクセスする磁気ヘッドとを有している。磁気ヘッドは、スライダとそのスライダ上の素子部(ヘッド素子部)とを有する。ヘッド素子部の記録再生素子と磁気ディスク記録層との間隔が小さいほど、磁気ディスクの記録密度を向上できる。そのため、HDDの情報記録密度向上に伴い、スライダ本体の低浮上化が進んでいる。
HDDの情報記録密度向上のためには、磁気ヘッドに搭載された記録素子/再生素子と、磁気ディスク表面にスパッタリング等によって構成される磁性膜との間隔、いわゆる磁気スペーシングを狭小化する必要がある。磁気ディスクと磁気ヘッドとの間のクリアランス、すなわち磁気ディスクのDLC保護膜から浮上時の磁気ヘッドの浮上最下点までの距離は、設計値で数nmまでに低下してきている。
このように、磁気ディスクの高記録密度化に伴い、磁気ヘッドの浮上量の低減が要求され、それに伴い磁気ディスクと磁気ヘッドとの接触が発生する可能性が大きくなっている。リード処理あるいはライト処理におけるヘッド・ディスク接触は、パフォーマンスの低下あるいはユーザ・データの消失を招く。また、その接触の衝撃が大きい場合には、ヘッド素子部がダメージを受ける。そのため、極低浮上のヘッド・スライダと磁気ディスクとの接触の蓋然性を低減するため、磁気ディスクにはより高い平滑性が要求されている。
磁気ディスクの製造において、ディスク上に形成された不要な突起を浮上ヘッド(バーニッシュ・ヘッド)にて取り除くバーニッシュ処理が行なわれている。バーニッシュ処理は、磁気ディスク上に突起切削用のバーニッシュ・ヘッドを浮上させ、成膜時の異物によりディスク上に形成された不要な突起をバーニッシュ・ヘッドにて取り除く。バーニッシュ工程により、磁気ディスク表面を平坦化する。また、磁気ディスクの製造は、バーニッシュ処理の後、グライド・テストを行う。グライド・テストは、磁気ディスク上において浮上ヘッド(グライド・ヘッド)を浮上させ、磁気ディスク表面の状態(HDDにおけるヘッド・スライダ浮上状態)について検査を行なう。
バーニッシュ処理において、磁気ディスクの平滑性を高めるためには、バーニッシュ・ヘッドと磁気ディスク表面との間のクリアランス(最小距離)をできるだけ小さくすることが望ましい。また、HDDにおけるヘッド・ディスク接触を低減するためには、バーニッシュ・ヘッドのクリアランスが、HDDの動作時におけるクリアランスと近い値であることが望ましい。また、グライド・テストは、HDDにおける磁気ヘッドの浮上状態をテストするものであるので、グライド・ヘッドと磁気ディスクとの間のクリアランスは、HDDにおけるHDDの動作時におけるクリアランスと近い値であることが要求される。
クリアランスの低減要求に対応するため、磁気ヘッドにクリアランス調整のアクチュエータを実装する技術が提案されている。例えば、特許文献1は、ヘッド素子部にヒータ素子を設け、そのヒータ素子からの熱によりヘッド素子部と磁気ディスクとの間のクリアランスを調整する技術を開示している。
特開2009−151890号公報
上述のように、バーニッシュ処理及びグライド・テストにおいて、バーニッシュ・ヘッド及びグライド・ヘッドと磁気ディスクとの間のクリアランスを小さくすることが要求されている。しかし、スライダ本体の浮上面デザインの改善のみで、上記ヒータ素子と同程度のクリアランスを得ることは困難である。したがって、バーニッシュ・ヘッド及びグライド・ヘッドにおいて、HDDにおけるヘッド・スライダのように、ヒータ素子によるクリアランス制御を行うことが好ましい。
しかし、HDDに実装される磁気ヘッドをバーニッシュ処理あるいはグライド・テストにおいて使用すると、その耐久性に大きな問題があることがわかった。HDDにおいては、素子クリアランスを小さくすることが要求される。そのため、ヒータ素子からの熱によってヘッド素子部が突出し、ヘッド素子部の先端が磁気ディスク表面に最も近い位置となる。磁気ヘッドが磁気ディスクと接触するとき、スライダ本体ではなくヘッド素子部が磁気ディスクと接触する。
HDDの磁気ヘッドを磁気ディスクの製造において使用する場合、同一の磁気ヘッドで、多くの磁気ディスクのバーニッシュ処理あるいはグライド・テストを行うことが要求される。しかし、磁気ヘッドと磁気ディスクとの接触回数が多くなると、ヘッド素子部が破損して、磁気ヘッドの交換が必要となる。したがって、バーニッシュ処理やグライド・テストなどにおいて、浮上ヘッドとディスクとの間のクリアランスを低減すると共に、その浮上ヘッドの耐久性を高めることができる技術が望まれる。
本発明の一態様は、磁気ディスクの製造方法である。この製造方法は、磁気ディスクを回転さる。回転している前記磁気ディスク上において浮上ヘッドの浮上を維持する。ここで、前記浮上ヘッドはスライダ本体と、そのスライダ本体のトレーリング端面に形成されている素子部とを有する。さらに、前記素子部内におけるヒータ素子にパワーを与えることで前記浮上ヘッドの一部を突出させて、前記素子部が前記磁気ディスクから離間した状態で、前記スライダ本体の一部と前記磁気ディスクとを接触させる。これにより、浮上ヘッドと磁気ディスクとのクリアランスを小さくすると共に、浮上ヘッドの耐久性を高めることができる。
好ましくは、前記スライダ本体の浮上面は、前記浮上面の中心よりも流出側にその中心を有し正圧を生成する第1空気軸受け面と、前記第1空気軸受け面の流出側にあって前記第1空気軸受け面よりも小さい第2空気軸受け面とを有する。さらに、前記製造方法は、前記ヒータ素子にパワーを与えて前記第2空気軸受け面を突出させて前記磁気ディスクと接触させる。これにより、効率的にスライダ本体の一部を突出させることができる。
好ましくは、前記第2空気軸受け面と前記第1空気軸受け面との間の溝によって、前記第2空気軸受け面は前記第1空気軸受け面から完全に分離している。これにより、第2空気軸受け面をさらに突出させやすくすることができる。
前記第2空気軸受け面の内周側及び外周側にも、記第1空気軸受け面の一部が延在していることが好ましい。これにより、浮上ヘッドのトレーリング端の確実な浮上を得ることができ、磁気ディスク上の内周、中周、外周での浮上量変化を小さくすることができる。
好ましくは、前記素子部の初期リセス量は4nm以上である。これにより、素子部を確実に磁気ディスクから離すことができる。
好ましくは、前記素子部の初期リセス量は、前記スライダ本体の浮上面における最も深い溝の深さ以上である。これにより、素子部をより確実に磁気ディスクから離すことができる。
本発明の他の態様は、浮上ヘッドを磁気ディスク上で浮上させる装置である。この装置は、前記磁気ディスクを回転させるディスク回転駆動部と、回転している前記磁気ディスク上を浮上しスライダ本体と前記スライダ本体のトレーリング端面に形成されている素子部とを有する浮上ヘッドと、前記浮上ヘッドを前記磁気ディスク上で支持する支持機構と、前記素子部内におけるヒータ素子にパワーを与えることで前記浮上ヘッドの一部を突出させて前記素子部が前記磁気ディスクから離間した状態で前記スライダ本体と前記磁気ディスクとの接触をさせるコントローラとを有する。これにより、浮上ヘッドと磁気ディスクとのクリアランスを小さくすると共に、浮上ヘッドの耐久性を高めることができる。
本発明の他の態様は、アルチックで形成されているスライダ本体と、前記スライダ本体のトレーリング端面に形成されており、その初期リセス量は4nm以上である素子部と、前記素子部においてアルミナの保護膜内に形成されているヒータ素子とを有する浮上ヘッドである。これにより、ヒータ素子による膨張により浮上ヘッドとディスクとの間のクリアランスを小さくしつつ、スライダ本体の一部とディスクとを接触させることができ、浮上ヘッドの耐久性を高めることができる。
本発明によれば、ディスク上を浮上する浮上ヘッドとディスクとの間のクリアランスを小さくすると共に、その浮上ヘッドの耐久性を高めることができる。
本実施形態において、磁気ディスクの製造の工程を示すフローチャートである。 本実施形態において、グライド・テスト装置の構成を模式的に示す図である。 本実施形態に係る浮上ヘッドの構造及びヒータ素子によるクリアランス(浮上量)変化とヘッド形状変化について説明する図である。 比較例の浮上ヘッドの構造及びヒータ素子によるクリアランス変化とヘッド形状変化について説明する図である。 本実施形態において、ヒータ素子を含む素子部をトレーリング端面に形成した浮上ヘッドのクリアランス測定の結果を示すグラフである。 本実施形態の好ましい浮上ヘッドの浮上面構造を示す平面図である。 本実施形態の好ましい浮上ヘッドの浮上面構造を示す斜視図である。 本実施形態の浮上ヘッドの浮上面の平面図である。 比較例である従来の浮上面を示す平面図である。 本実施形態において、素子部の好ましい初期リセス位置を模式的に示す断面図である。 本実施形態において、素子部の好ましい他の初期リセス位置を模式的に示す断面図である。 本実施形態において、素子部の好ましい他の初期リセス位置を模式的に示す断面図である。 本実施形態の他の好ましい浮上ヘッドの浮上面構造を示す平面図である。 本実施形態の他の好ましい浮上ヘッドの浮上面構造を示す斜視図である。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略されている。本実施形態においては、磁気ディスク・ドライブの例として、ハードディスク・ドライブ(HDD)について説明する。磁気ディスク・ドライブは、浮上ヘッドを磁気ディスク上で浮上させる装置ある。
磁気ディスクの製造は、バーニッシュ処理とグライド・テストを行う。バーニッシュ処理は、浮上ヘッドを磁気ディスク上において浮上させ、磁気ディスク表面の突起の除去を行なう。グライド・テストは、浮上ヘッドを磁気ディスク上において浮上させ、磁気ディスク表面の検査を行なう。本実施形態の磁気ディスクの製造は、バーニッシュ処理あるいてグライド・テストにおいて、スライダ上に形成されているヒータ素子を使用してクリアランスを小さくする。
これにより、磁気ディスク表面のより好ましい平滑化及び適切な磁気ディスク表面検査を行なうことができる。本明細書において、浮上ヘッドは、スライダのみからなる構成及びスライダとそのスライダ上の素子部とからなる構成のいずれも含む。また、素子部の構成は限定しない。
ヒータ素子によるクリアランスの低減において、浮上ヘッドは、ヒータ素子を含む素子部ではなく、スライダ本体の一部が最も低い位置で浮上するように変形する。これによって、破損しやすい素子部ではなく硬質なスライダ本体が磁気ディスクと接触する。浮上ヘッドが繰り返し磁気ディスク(上の突起)と衝突しても、浮上ヘッドの破損を防ぐことができる。
磁気ディスクの製造は、図1のフローチャートに示すように、基板上に必要な磁気記録層を含む複数層からなる積層膜を形成し、その後、バーニッシュ処理、そしてグライド・テストを行なう。グライド・テストにおいて規定の条件を超える突起が検出されると、磁気ディスクを欠陥品として廃棄するか、再度、バーニッシュ処理を行う。磁気ディスクの製造の流れの例を、図1のフローチャートを参照して説明する。
ガラスあるいはアルミニウム基板を洗浄して乾燥させた後、その上に下地層を形成する(S11)。次に、形成した下地層の上に軟磁性層を形成する(S12)。典型的には、軟磁性層はCoCr系合金磁性膜である。続いて、軟磁性層の上に中間層を形成し、さらに、その上に磁気記録層を形成する(S13)。典型的には、中間層はRu層であり、磁気記録層はCoCrPt系合金磁性膜である。
Ru中間層により、軟磁性層と磁気記録層とが交換結合し、磁気記録層の向きが制御される。磁気記録層を形成した後、その磁気記録層の上にダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)保護膜を成膜する(S14)。最後に、DLC保護膜上にパーフロロアルキルポリエーテル系の潤滑剤を塗布して、潤滑膜を形成する(S15)。
積層膜形成(S11〜S15)が終了すると、磁気ディスクを、バーニッシュ処理装置に設置してバーニッシュ処理を行う(S16)。バーニッシュ処理は、磁気ディスク上の突起除去あるいはクリーニングのための処理である。バーニッシュ処理装置は、回転する磁気ディスク上で浮上するスライダをディスク半径方向において移動させ、スライダを磁気ディスク表面上の突起にぶつけることによって除去する。
バーニッシュ処理(S16)により磁気ディスク表面突起の除去を行なうと、磁気ディスクをグライド・テスト装置に設置し、グライド・テストを行う(S17)。グライド・テストは磁気ディスクの表面状態を検査するテストである。グライド・テスト装置は、回転する磁気ディスク上で浮上する浮上ヘッドをディスク半径方向において移動させ、浮上ヘッドをディスク半径方向に移動することで磁気ディスク表面上の突起の有無を調べる。グライド・テストは、磁気ディスク表面に浮上ヘッドの浮上を阻害する突起が存在しないディスクを選別する。
バーニッシュ処理(S16)とグライド・テスト(S17)とは、同一の装置で行なうこともできる。この場合、製膜処理を行った磁気ディスクをバーニッシュ・グライド・テスト装置に設置し、装置は回転する磁気ディスク上を浮上する浮上ヘッドで磁気ディスク表面の塵埃や微小な突起を除去した後、同じ浮上ヘッドを使用して、直ちに連続してグライド・テストによる表面検査を行なうことができる。
図2は、グライド・テスト装置1の構成を模式的に示す図である。フレーム10内において、スピンドル・モータ(SPM)14は所定の角速度で検査対象の磁気ディスク11を回転する。磁気ディスク11は、上述のように、基板上とその上に形成された積層膜で構成されている。浮上ヘッド(グライド・ヘッド)12は、回転する磁気ディスク11上を浮上する。
本実施形態において、浮上ヘッド12は、磁気ディスク11上を浮上するスライダ(スライダ本体)と、そのスライダの側面に形成された素子部とを有している。素子部はヒータ素子を有しており、磁気ディスク11と浮上ヘッド12とのクリアランスを変化させる。浮上ヘッド12の構造については後述する。
アクチュエータ16は、浮上ヘッド12を支持し、それを磁気ディスク11上で移動する。浮上ヘッド12の移動機構であるアクチュエータ16は、ボイス・コイル・モータ(VCM)15に連結され、回動軸を中心に回動することによって、浮上ヘッド12を回転する磁気ディスク11上においてその半径方向に移動する。浮上ヘッド12の移動機構は、どのような構造を有していてもよい。例えば、磁気ディスク11が実装されるHDDのアクチュエータと同様の構造を有する、あるいは、ディスク半径方向において軸上を直線的に移動する構造でもよい。
モータ・ドライバ・ユニット22は、コントローラ23からの制御データに従って、SPM14とVCM15とを駆動する。コントローラ23は、SPM14とVCM15の他、グライド・テスト装置1における動作を制御する。さらに、コントローラ23は、テスト結果の解析を行う。
アクチュエータ16には、アコースティック・エミッション・センサ(AEセンサ)13が装着されている。浮上ヘッド12が磁気ディスク11と接触するとアクチュエータ16が振動する。AEセンサ13はアクチュエータ16の振動を感知し、感知信号をコントローラ23へと送る。コントローラ23はDAコンバータを有しており、AE出力信号をDA変換して、AE信号から浮上ヘッド12と磁気ディスク11との接触の有無を判定する。例えば、AE出力が規定の閾値を超える場合、コントローラ23は浮上ヘッド12が突起に衝突したと判定する。コントローラ23は、測定データと判定結果とをメモリ24に格納する。
上述のように、本実施形態の浮上ヘッド12は、クリアランス制御のためのヒータ素子を有している。コントローラ23は、ヒータ素子を制御することでクリアランスを制御する。具体的には、コントローラ23は、プリアンプIC17を介して、ヒータ素子を制御する。コントローラ23は、プリアンプIC17のレジスタにヒータ・パワーを示す制御データをセットする。プリアンプIC17は、その制御データが示すパワーをヒータ素子に供給する。
バーニッシュ処理とグライド・テストを同一の装置で行う場合、コントローラ23は、バーニッシュ処理において、AEセンサ13による突起検出の処理を行う必要はない。バーニッシュ処理を行った後、すぐに、グライド・テストを開始する。コントローラ23は、ヒータ素子を制御して、バーニッシュ処理とグライド・テストにおいて異なるクリアランスを設定してもよいし、あるいは同一のクリアランスを設定してもよい。
以下において、本実施形態の浮上ヘッド12の構造、及び、ヒータ素子によるクリアランス変化と浮上ヘッド12の形状変化とについて具体的に説明を行なう。図3Aは、本実施形態の浮上ヘッド12の形状変化を示している。図3Bは、比較例である浮上ヘッド30の形状変化を示している。実線で示す部分は、グライド・テストあるいはバーニッシュ処理において磁気ディスク11上を浮上している浮上ヘッド12、30の形状を示している。
本実施形態の浮上ヘッド12は、スライダ本体121とスライダ本体121のトレーリング端面211に形成されている素子部122とを有している。素子部122は、ヒータ素子221とその周囲の保護膜222で形成されている。比較例の浮上ヘッド30も同様に、スライダ本体301とスライダ本体301のトレーリング端面311に形成されている素子部302とを有している。素子部302は、ヒータ素子321とその周囲の保護膜322で形成されている。各構成要素の材料は、本実施形態の浮上ヘッド12と比較例の浮上ヘッド30とで同じである。
スライダ本体121は典型的にはアルチック(AlTiC)で形成されている。アルチックはアルミナと炭化チタンの焼成材でセラミックである。ヒータ素子221は、典型的には、パーマロイあるいはニクロムで形成される。また、保護膜222は、典型的には、アルミナで形成される。スライダ本体121は、素子部122よりも堅牢な構成を有している。
バーニッシュ処理あるいはグライド・テストにおいて、素子部122はリード処理及びライト処理を行う必要がない。したがって、素子部122は、それらの素子を有する必要はない。しかし、設計によっては、素子部122が、リード素子(磁気抵抗効果素子)やライト素子(コイル素子)などを有していてもよい。
本実施形態の浮上ヘッド12と比較例の浮上ヘッド30とは、素子部122、302の初期リセス量が異なる。図3A、図3Bに示すように、本実施形態の浮上ヘッド12において初期リセス量はR1であり、比較例の浮上ヘッド30の初期リセス量はR2で示している。初期リセス量は、スライダ本体121、301の浮上面におけるトレーリング端と素子部122、302の浮上面(磁気ディスクに対向する下面)との間のレベル差(間隔)である。初期リセス量は、ヒータ素子221、321が発熱していない状態で定義される。
本実施形態の浮上ヘッド12の初期リセス量R1は、比較例30の初期リセス量R2よりも大きい。つまり、ヒータOFFの状態において、素子部122と磁気ディスク11との間のクリアランスは、比較例の素子部302と磁気ディスク11とのクリアランスよりも大きい。
図3A、図3Bに示すように、ヒータ素子221、321が発熱すると、素子部122、302に加え、スライダ本体121、301のトレーリング端も突出する。比較例の浮上ヘッド30において、ヒータ素子321からの熱により素子部302とスライダ本体301が突出すると、素子部302の先端(最下端)が浮上ヘッド30の最下点となる。一方、本実施形態の浮上ヘッド12において、ヒータ素子221から熱により素子部122とスライダ本体121の一部が突出すると、スライダ本体121の最下端(浮上面のトレーリング端)が浮上ヘッド12の最下点となる。
上述のように図3A、図3Bのそれぞれの図は、グライド・テストあるいはバーニッシュ処理など、磁気ディスク製造の工程における磁気ディスク11上を浮上している浮上ヘッド12、30の形状を示している。これらの処理において、比較例の浮上ヘッド30のクリアランス制御の対象は、素子部302と磁気ディスク11との間のクリアランスである。これに対して、本実施形態の浮上ヘッド12のクリアランス制御の対象は、スライダ本体121と磁気ディスク11との間のクリアランスである。
このように、本実施形態の浮上ヘッド12の最下点は、素子部122ではなくスライダ本体121の最下点である。このため、磁気ディスク表面の突起との接触は、素子部122ではなく、スライダ本体121と磁気ディスク11との間で起きる。これにより、浮上ヘッド12が磁気ディスク11に対して多数回接触しても、浮上ヘッド12への大きなダメージを避けることができ、その耐久性を高めることができる。
素子部122内に形成されているヒータ素子221からの熱によって、素子部122よりもスライダ本体121が磁気ディスク11に近くなるように、素子部122とスライダ本体121とを変形させる好ましい一つの手法は、素子部122の初期リセス量を大きくすることである。図4は、ヒータ素子を含む素子部をトレーリング端面に形成した浮上ヘッドのクリアランス測定の結果を示すグラフである。スライダ本体はアルチック、素子部の保護膜はアルミナで形成した。
図4のグラフにおいて、X軸はスライダ本体のトレーリング端面(0で示している)を基準とする相対位置であり、Y軸は浮上ヘッド浮上面の突出位置を示している。ヒータには、実際の処理において使用するパワーを供給した。Y軸における値が大きいほど磁気ディスクに近い位置にあることを意味する。図4に示すように、測定に使用した浮上ヘッドにおいて、素子部の先端が最下点であり、磁気ディスクに最も近い位置にあった。
素子部の最下点(浮上ヘッドの最下点)とスライダ本体の最下点との間の差は、1nmであった。浮上ヘッドの初期リセス量は2nmであった。したがって、初期リセス量が3nmよりも大きければ、ヒータ素子からの熱により、スライダ本体のトレーリング端を浮上ヘッドの最下点にすることができる。浮上ヘッドのばらつきを考慮し、また、突起との衝突における素子部への影響を確実にさけるため、浮上ヘッドは、4nm以上の初期リセス量を有することが好ましい。
素子部よりもスライダ本体が磁気ディスクに近い位置となるように、ヒータ素子からの熱でそれらを変形させるには、スライダ本体のトレーリング端がヒータ素子からの熱により突出しやすい形状を有していることが有効である。以下において、スライダ本体121の好ましい形状について説明を行なう。
図5Aは、好ましい浮上ヘッド12の浮上面構造を模式的に示す平面図であり。図5Bは、その斜視図である。図5Aにおいて、浮上ヘッド12の浮上面50は、スライダ本体121の浮上面51と素子部122の浮上面52とを有している。浮上面50は磁気ディスク11の記録面に対向する面である。スライダ本体121は、流入端面であるリーディング端面212と流出端面であるトレーリング端面211とを有している。
磁気ディスク11は、表面上に空気を引き込みながら回転する。気流路は、浮上ヘッド12の浮上面50と磁気ディスク11表面の間で狭められるため、空気が圧縮されて、圧力が増大し、浮上面50にその圧力がかかる。この圧力が揚力を発生させ、浮上ヘッド12を支持するサスペンションの押圧力とバランスする。
図5Aに示すスライダ本体浮上面において、同一の番号([1]〜[3])で示す面は、同一のレベル(高さ)に形成されている。浮上面の最表面を最も高い面(高いレベルの面)と定義する。面[1]が最表面の空気軸受け面であり、スライダ本体浮上面51の基準面の高さである。面[2]が浅溝の底面(段差面)で二番目に高い面、そして面[3]が深溝の底面であって最も低い面である。
スライダ本体浮上面51は、流入側段差面511、流入側パッド面512、513、中央深溝底面514、中央段差面515、流出側中央パッド面516、流出側深溝底面517、流出側中央パッド面516の流出側にあるアイランド・パッド面518などの面を有している。パッド面512、513、516、518は、空気軸受け面である。空気は、流入端から浮上面51と磁気ディスク11との間に入り、流入側段差面511で圧縮される。圧縮された空気は、流入側パッド面512、513に流れ、そこで大きな正圧が発生する。
流入側段差面511から中央深溝底面514上を流れた空気は、中央段差面515で圧縮される。圧縮された空気は、流出側中央パッド面516に流れそこで大きな正圧が発生する。流出側中央パッド面516の中心(飛行方向における中心)は、浮上面51の中心よりも流出側にある。また、本例において、流出側中央パッド面516の全体(流入側端)が浮上面51の中心よりも流出側にあるが、流出側中央パッド面516の一部は中心よりも流入側にあってもよい。
流出側中央パッド面516の流出側に、流出側中央パッド面516から分離したアイランド・パッド面518が形成されている。流出側中央パッド面516とアイランド・パッド面518との間には流出側深溝が存在しており、その底面517からアイランド・パッド面518に流れた空気により正圧が発生する。
ヒータ素子221の発熱によりアイランド・パッド面518が突出し、アイランド・パッド面518と磁気ディスク表面との間において、浮上ヘッド12のクリアランス(最低浮上高)が決まる。アイランド・パッド面518を素子部122のヒータ素子221からの熱により効率的に突出させるため、ヒータ素子221は、トレーリング端面211上において、アイランド・パッド面518をトレーリング端面211の法線方向において流出側に射影した領域Aに、形成されていることが好ましい。
アイランド・パッド面518は、流出側中央パッド面516から溝によって完全に分離されている。アイランド・パッド面518をヒータ素子221からの熱により突出させることで、スライダ本体121の一部を突出させやすし、スライダ本体121の一部を浮上ヘッド12の最下点とすることがより容易となる。この構成により、素子部122の設計の自由度を上げ、ヒータ・パワーを低減させることができる。
上述のように本実施形態の浮上ヘッド浮上面50は、アイランド・パッド面518に特徴を有している。図6Aは、本実施形態の浮上ヘッド12の浮上面50の平面図であり、図6Bは、比較例である従来の浮上面60を示す平面図である。図6Aは、図5Aと同一である。
従来の浮上面60は、大きな流出側中央パッド面601がスライダ本体のトレーリング端面まで延びており、本実施形態のアイランド・パッド面518に相当するパッド面を有してない。また、素子部の浮上面62は、流出側中央パッド面601と同一レベルにある領域を有している。実際は、素子部の浮上面62は、流出側中央パッド面601よりもわずかに低く、浮上ヘッド12の製造における研磨処理で形成された初期リセスが存在する。
図6Aに示す本実施形態の浮上面50において、ヒータ素子221からの熱により大きく突出するアイランド・パッド面518が、流出側中央パッド面516から溝によって完全に分離している。アイランド・パッド面518の面積は、流出側中央パッド面516の面積よりも小さい。アイランド・パッド面518の面積を小さくすることで、ヒータ素子221からの熱により、アイランド・パッド面518を突出しやすくすることができる。
好ましくは、アイランド・パッド面518の面積は、流出側中央パッド面516の面積の20%以下である。アイランド・パッド面518の流入側に大きな流出側中央パッド面516を形成することで、アイランド・パッド面518の面積が小さくとも、トレーリング端における必要な揚力を得ることができる。
アイランド・パッド面518の浮上をより確実に行なうため、流出側中央パッド面516をトレーリング端面211の法線方向において流出側に射影した領域B内に、アイランド・パッド面518の全てが含まれていることが好ましい。また、浮上ヘッド12がディスク上最内周位置から最外周位置の範囲内のいずれの位置においても、流出側中央パッド面516を気流方向(円周方向)における流出側に射影した領域内に、アイランド・パッド面518の全てが含まれていることが好ましい。
図6Aに示すように、流出側中央パッド面516の一部は、アイランド・パッド面518の流入側のみならず、内周側と外周側にも存在していることが好ましい。流出側中央パッド面516の(流出側以外の)3方に流出側中央パッド面516が延在していることで、アイランド・パッド面518の面積を小さくしつつトレーリング端の確実な浮上を得ることができ、内周、中周、外周での浮上量変化を小さくすることができる。また、流出側中央パッド面516がアイランド・パッド面518の三方を囲むことで、アイランド・パッド面518への異物の付着を抑制することができる。
図6Aに示す浮上面50において、アイランド・パッド面518の流出側以外の三方に段差面が形成されており、アイランド・パッド面518の流出側には深溝が形成されている。設計によっては、アイランド・パッド面518の周囲が深溝であってもよい。あるいは、アイランド・パッド面518の周囲が浅溝であって、アイランド・パッド面518と流出側中央パッド面516との間を段差面(浅溝の底面)でつないでもよい。典型的には、アイランド・パッド面は、ディスク半径方向における中央に形成するが、内周側あるいは外周側に寄せて形成してもよい。
図7Aに示すように、好ましい本構成例において、アイランド・パッド面518はトレーリング端面211に達しておらず、素子部122には空気軸受け面が形成されていない。アイランド・パッド面518の流出側には深溝の底面であるレベル[3]の面が形成されており、素子部122の浮上面位置もそのレベルと略一致している。上述のように、素子部122よりもスライダ本体121を突出させるためには、素子部122の初期リセス量は大きいことが好ましい。本構成例においては、素子部122において突出する部分の初期リセス量(スライダ最下点からの距離)は、深溝の深さ以上である。
アイランド・パッド面518は従来のスライダ構造と比較して突出しやすいため、素子部122の初期リセス量を小さくすることができる。しかし、好ましい構成においては、素子部122には空気軸受け面が形成されておらず、素子部122がスライダ本体121の浅溝底面あるいは深溝底面に続くように形成されることが好ましい。図7Bに示すように素子部122の浮上面が浅溝底面のレベルと略一致するとき、初期リセス量は、浅溝の底面である段差面の深さ以上である。
図7Cに示すように、アイランド・パッド面518とトレーリング端面211との間に、浅溝と深溝が段階的に形成されていてもよい。初期リセス量は、浅溝の深さ以上であることが好ましく、深溝の深さ以上であることがさらに好ましい。この点は、従来の流出側中央パッド面構造を有する浮上ヘッドにおいても同様である。典型的には、浅溝の深さは数百nmであり、深溝の深さは数千nmである。
図8A、図8Bは、他の好ましい浮上面構造を示す図である。図8Aは、浮上面70の平面図であり、図8Bはその斜視図である。図5A、図5Bに示す浮上面50と異なる点は、ヒータ素子221により突出するパッド面の形状である。他の部分は実質的に二つの浮上面形状において同様であり、以下においては、熱により突出するパッド面及びその周囲の形状について説明を行なう。
スライダ本体の浮上面71において、ヒータ素子221の熱による突出するパッド面718は、流出側中央パッド面716から完全には分離しておらず、それらの間にそれらと同一レベルのブリッジ面719が形成されている。パッド面718の周囲の大部分は溝が囲み、流出側中央パッド面716から離れているが、その一部はブリッジ面719により流出側中央パッド面716とつながっている。
ブリッジ面719は、気体の流出入方向(図において上下方向)において延びており、パッド面718と流出側中央パッド面716とを結んでいる。ブリッジ面719の最大幅(図において左右方向における寸法)は、パッド面718の流出側端及び流入側端の幅よりも小さい。ヒータ素子221からの熱によるパッド面718の突出に対するブリッジ面719の影響は小さく、その突出を実質的に阻害することはない。
ヒータ素子221からの熱によりパッド面を効率的に突出させるためには、図5を参照して説明したアイランド・パッド面518のように、流入側の流出側中央パッド面516から完全に分離していることが好ましい。しかし、パッド面の突出に実質的な悪影響を及ぼすことがないのであれば、本構成のように、突出するパッド面の一部と流出側中央パッド面の一部とがブリッジ面でつながっていてもよい。図8A、図8Bの構成例において、突出するパッド面718の周囲は、ブリッジ面719の領域を除き、浅溝の底面(段差面[2])が形成されている。これらの領域は、深溝の底面[3]であってもよい。
本構成においても、ヒータ素子221は、トレーリング端面211上において、パッド面718をトレーリング端面211の法線方向において流出側に射影した領域Aに形成されている。スライダ本体のトレーリング端211は深溝の底面[3]であり、素子部122の初期リセス量は深溝の深さ以上である。初期リセス量については、上記他の好ましい構成における説明を、本構成にも適用することができる。
以上、本発明を好ましい実施形態を例として説明したが、本発明が上記の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、上記の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加することが可能である。例えば、本発明はHDDに特に有用であるが、それ以外の装置に使用する磁気ディスクの製造あるいはその磁気ディスク上で浮上ヘッドを浮上させる装置に適用してもよい。
本発明は、溝の深さレベルが1つあるいは3以上の浮上ヘッドに適用することができる。そのような浮上ヘッドにおいて、初期リセス量は、最も浅い溝の深さ以上であることが好ましく、さらに好ましくは、最も深い溝の深さ以上である。本発明は、製品としてのHDDに適用することができる。HDDは、磁気ディスク上で浮上ヘッドを浮上させる装置の一つであり、例えば、HDD内の浮上ヘッドによりバーニッシュ処理を行ってもよい。浮上ヘッドはリード素子及びライト素子を有している。
10 フレーム、11 磁気ディスク
12 浮上ヘッド、13 アコースティック・エミッション・センサ
14 スピンドル・モータ、15 ボイス・コイル・モータ、16 アクチュエータ、
17 プリアンプIC、22 モータ・ドライバ・ユニット、23 コントローラ
24 メモリ、30 浮上ヘッド、50 浮上面、51 スライダ本体浮上面
52 素子部浮上面、70 浮上面、71 スライダ本体浮上面
121 スライダ本体、122 ヘッド素子部、211 トレーリング端面
212 リーディング端面、221 ヒータ素子、222 アルミナ保護膜
301 素子部、301 スライダ本体、321 ヒータ素子、322 アルミナ保護膜
511 流入側段差面、512、513 流入側パッド面
514 中央深溝底面、515 中央段差面、516 流出側中央パッド面
517 流出側深溝底面、518 アイランド・パッド面、718 突出するパッド面
716 流出側中央パッド面、719 ブリッジ面

Claims (17)

  1. 磁気ディスクの製造方法であって、
    磁気ディスクを回転させ、
    回転している前記磁気ディスク上において浮上ヘッドの浮上を維持し、前記浮上ヘッドはスライダ本体と、そのスライダ本体のトレーリング端面に形成されている素子部と、を有し、
    前記素子部内におけるヒータ素子にパワーを与えることで、前記浮上ヘッドの一部を突出させて、前記素子部が前記磁気ディスクから離間した状態で、前記スライダ本体の一部と前記磁気ディスクとを接触させる、
    磁気ディスクの製造方法。
  2. 前記スライダ本体の浮上面は、
    前記浮上面の中心よりも流出側にその中心を有し、正圧を生成する第1空気軸受け面と、
    前記第1空気軸受け面の流出側にあって、前記第1空気軸受け面よりも小さい第2空気軸受け面と、を有し、
    前記ヒータ素子にパワーを与えて前記第2空気軸受け面を突出させて前記磁気ディスクと接触させる、
    請求項1に記載の磁気ディスクの製造方法。
  3. 前記第2空気軸受け面と前記第1空気軸受け面との間の溝によって、前記第2空気軸受け面は前記第1空気軸受け面から完全に分離している、
    請求項2に記載の磁気ディスクの製造方法。
  4. 前記第2空気軸受け面の内周側及び外周側にも、前記第1空気軸受け面の一部が延在している、
    請求項2に記載の磁気ディスクの製造方法。
  5. 前記素子部の初期リセス量は4nm以上である、
    請求項1に記載の磁気ディスクの製造方法。
  6. 前記素子部の初期リセス量は、前記スライダ本体の浮上面における最も深い溝の深さ以上である、
    請求項1に記載の磁気ディスクの製造方法。
  7. 浮上ヘッドを磁気ディスク上で浮上させる装置であって、
    前記磁気ディスクを回転させる、ディスク回転駆動部と、
    回転している前記磁気ディスク上を浮上し、スライダ本体と前記スライダ本体のトレーリング端面に形成されている素子部とを有する、浮上ヘッドと、
    前記浮上ヘッドを前記磁気ディスク上で支持する支持機構と、
    前記素子部内におけるヒータ素子にパワーを与えることで前記浮上ヘッドの一部を突出させて、前記素子部が前記磁気ディスクから離間した状態で、前記スライダ本体と前記磁気ディスクとの接触をさせる、コントローラと、
    を有する、装置。
  8. 前記スライダ本体の浮上面は、
    前記浮上面の中心よりも流出側にその中心を有し、正圧を生成する第1空気軸受け面と、
    前記第1空気軸受け面の流出側にあって、前記第1空気軸受け面よりも小さい第2空気軸受け面と、を有し、
    前記ヒータ素子にパワーを与えて前記第2空気軸受け面を突出させて前記磁気ディスクと接触させる、
    請求項7に記載の装置。
  9. 前記第2空気軸受け面と前記第1空気軸受け面との間の溝によって、前記第2空気軸受け面は前記第1空気軸受け面から完全に分離している、
    請求項8に記載の装置。
  10. 前記第2空気軸受け面の内周側及び外周側にも、前記第1空気軸受け面の一部が延在している、
    請求項8に記載の装置。
  11. 前記素子部の初期リセス量は4nm以上である、
    請求項7に記載の装置。
  12. 前記素子部の初期リセス量は、前記スライダ本体の浮上面における最も深い溝の深さ以上である、
    請求項7に記載の装置。
  13. アルチックで形成されているスライダ本体と、
    前記スライダ本体のトレーリング端面に形成されており、その初期リセス量は4nm以上である、素子部と、
    前記素子部において、アルミナの保護膜内に形成されているヒータ素子と、
    を有する浮上ヘッド。
  14. 前記スライダ本体の浮上面は、
    前記浮上面の中心よりも流出側にその中心を有し、正圧を生成する第1空気軸受け面と、
    前記第1空気軸受け面の流出側にあって、前記第1空気軸受け面よりも小さい第2空気軸受け面と、を有する、
    請求項13に記載の浮上ヘッド。
  15. 前記第2空気軸受け面と前記第1空気軸受け面との間の溝によって、前記第2空気軸受け面は前記第1空気軸受け面から完全に分離している、
    請求項14に記載の浮上ヘッド。
  16. 前記第2空気軸受け面の内周側及び外周側にも、前記第1空気軸受け面の一部が延在している、
    請求項14に記載の浮上ヘッド。
  17. 前記素子部の初期リセス量は、前記スライダ本体の浮上面の最も浅い溝の深さ以上である、
    請求項13に記載の浮上ヘッド。
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