JP2011128601A - 放射線撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構成の複雑化や消費電力の増大を回避しつつ放射線検出パネルの温度上昇を抑制する。
【解決手段】電子カセッテ10を、放射線検出パネルを収容するパネルユニット12と、制御部及び電源部を収容する制御ユニット14に分割し、ユニット12,14を、一端部がパネルユニット12の側面に回動可能に取付けられ、他端部が制御ユニット14のに対して回動可能かつ制御ユニット14の側面に設けられた長孔76に沿って移動可能に制御ユニット14の側面に取付けられた連結ロッド16によって連結する。持ち運び時等の非撮影時には、ユニット12,14が積み重ねられた収納状態((A)参照)とすることで、パネルユニット12の被照射面の傷つきを防止し、撮影時にはユニット12,14の側面同士が間隙を隔てて対向する展開状態((C)参照)とすることで、制御ユニット16で発生する熱によるパネルユニット12の温度上昇を抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は放射線撮像装置に係り、特に、放射線検出パネルを備えた放射線撮像装置に関する。
近年、TFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリクス基板上に放射線感応層を配置し、照射されたX線等の放射線を検出し、照射放射線量の分布を表す放射線画像のデータへ直接変換して出力するFPD(Flat Panel Detector)が実用化されており、このFPD等のパネル型の放射線検出器と、画像メモリを含む制御部及び電源部を内蔵し、放射線検出器から出力される放射線画像データを画像メモリに記憶する可搬型の放射線撮像装置(以下、電子カセッテともいう)も実用化されている。電子カセッテは可搬性に優れているのでストレッチャーやベッドに載せたまま被検者を撮影できると共に、電子カセッテの位置を変更することで撮影部位の調整も容易であるため、動けない被検者を撮影する場合にも柔軟に対処することができる。
上記に関連して特許文献1には、平面センサの面積拡大と可搬性・保管性の両立、複数方向からの撮影の実現を目的として、平面センサを有する電子カセッテ等の撮影装置において、2枚の平面センサを各々の1つの辺で接合して開閉可能な構造とする技術が開示されている。
また特許文献2には、操作者の身体的な負荷軽減を目的として、電子カセッテ(撮影部)を撮影制御部と分離し、当該電子カセッテを鉛直状態とされた補助装置のステージにセットし、撮影時はステージに連結した油圧シリンダを作動させることで、ステージ(電子カセッテの検出面)を水平状態まで持上げる技術が開示されている。
また特許文献3には、カセッテシステムの軽量化を目的として、インタフェース回路部、カセッテ制御部及び通信ユニット等の電子部品が搭載された制御ユニットを、放射線検出器を有するカセッテに対してコネクタ及びケーブルを介して離間可能に構成し、撮影時には制御ユニットをカセッテと離間させる技術が開示されている。
更に特許文献4には、小型化、薄型化、運搬、保管中のX線像検出手段の保護を目的として、X線像検出手段が設けられたパネルケースと、制御手段が設けられた制御ケースと、を回動自在に連結した構成のX線撮影装置が開示されている。
特開2003−339687号公報 特開2004−173908号公報 特開2009−80103号公報 特開2000−10220号公報
電子カセッテ等の放射線撮像装置は、特に制御部や電源部が多数の電子部品を含んで構成され、一部には発熱量の多い電子部品も用いられているため、電気部品の発熱による放射線撮像装置内部の温度上昇に伴い、放射線検出器の電気的な特性が変化したり(例えばノイズの増大、TFTの暗電流の増大等)や、放射線検出器が劣化するといった不具合が生じ、また放射線撮像装置の表面温度が過度に上昇することで被検者に不快感を与えることもある。特に、透視などの動画像撮影時には、連続的に(長時間)撮影が行われることで静止画像撮影に比べて発熱量も大きくなるので、上記の問題がより顕著になり、例えば連続動作時間を制限する等のように、使い勝手の低下に繋がる対策を講ずる必要が生ずる可能性もある。
なお、放射線検出器の劣化としては、例えば、積層構造である放射線検出器の各部材の熱膨張係数の相違に起因する変形や破損、温度変化が繰り返されることに起因する接着材の劣化や剥離等が挙げられる。また、放射線検出器がアモルファスセレンを含む構成であれば、放射線検出器の温度上昇に伴うアモルファスセレンの結晶化も生じ得る。また、放射線検出器がCsIから成るシンチレータ層を含む構成であれば、温度上昇に伴って放射線検出感度の低下が生ずる。CsIの感度は、例えば温度変化1℃当り約0.3%程度の感度変化率で変化する。このため、例えば透視などの動画像撮影時には、温度変化が大きいために感度変化も大きくなり、これに伴い、撮影期間内の初期に撮影された画像と撮影期間内の終期に撮影された画像との濃度差が大きくなることで、動画像の視認性が悪化したり、動画像による診断の精度が悪化する等の問題が生ずる可能性もある。
これに対して前述の特許文献3には、放射線検出器の一部を構成するアモルファスセレンの構造変化(結晶化)を抑制することを目的として、放射線検出器を冷却する手段をカセッテ内に配設することが提案されているものの、この場合、放射線撮像装置の構成が複雑になったり、冷却手段の構成によっては放射線撮像装置の消費電力の増大を招くという問題がある。また、前述の特許文献1,2,4に記載の技術は、放射線検出器の放熱や冷却について何ら考慮されていない。
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、構成の複雑化や消費電力の増大を回避しつつ放射線検出パネルの温度上昇を抑制できる放射線撮像装置を得ることが目的である。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る放射線撮像装置は、放射線検出パネルを収容するパネルユニットと、制御部及び電源部を収容する制御ユニットと、一端部が前記パネルユニットの放射線被照射面とほぼ平行な第1の軸回りに回動可能に前記パネルユニットの側部に取付けられると共に、他端部が前記第1の軸とほぼ平行な第2の軸回りに回動可能に前記制御ユニットに取付けられた連結部と、を含んで構成されている。
請求項1記載の発明に係る放射線撮像装置は、放射線検出パネルを収容するパネルユニットと、制御部及び電源部を収容する制御ユニットと、に分離されており、両ユニットは連結部を介して連結されている。また連結部は、一端部がパネルユニットの放射線被照射面とほぼ平行な第1の軸回りに回動可能にパネルユニットの側部に取付けられると共に、他端部が第1の軸とほぼ平行な第2の軸回りに回動可能に制御ユニットに取付けられている。これにより、連結部の両端部が個々のユニットに対して回動されることで、パネルユニットと制御ユニットとの距離が変化するので、パネルユニットと制御ユニットとの距離が或る程度離間した状態、すなわち両ユニットの熱結合が弱い状態で撮影を行うことで、パネルユニットに収容された放射線検出パネルが制御ユニットに収容された制御部及び電源部の発熱の影響を受けにくくなり、放射線検出パネルの温度上昇を抑制することができる。
また、収納時や運搬時を含む非撮影時には、パネルユニットと制御ユニットとの距離が最小又は最小に近い状態(両ユニットが積み重なった状態が好ましい)としておくことで、放射線撮像装置の外形寸法が最小又は最小に近くなり、取扱い性が向上する。そして請求項1記載の発明は、連結部の両端部を個々のユニットに対して回動させてパネルユニットと制御ユニットとの距離を変化させることで、放射線検出パネルが制御部及び電源部の発熱の影響を受けにくくなる状態、又は、放射線撮像装置の外形寸法が最小又は最小に近くなる状態に切り替えることができるので、撮影時に放射線検出パネルの温度上昇を抑制することを、パネルユニット内に冷却手段を設けることで、放射線撮像装置の構成が複雑化したり消費電力の増大を招くことなく実現することができる。
なお、請求項1記載の発明において、例えば請求項2に記載したように、放射線検出パネルは、被写体を透過してパネルユニットの放射線被照射面に照射された放射線を検出するように構成することたでき、制御ユニットに収容されている制御部は、放射線検出パネルから放射線検出信号が出力されるように放射線検出パネルを駆動する駆動部と、放射線検出パネルから出力された放射線検出信号を照射放射線量の分布を表す放射線画像のデータへ変換して出力する信号処理部と、を含んで構成することができる。
また、請求項1又は請求項2記載の発明において、連結部は、例えば請求項3に記載したように、パネルユニットの放射線被照射面に制御ユニットが接している第1状態と、パネルユニットと制御ユニットの側部同士が間隙を隔てて向かい合う第2状態と、の間で回動されるように構成することが好ましい。これにより、第1状態において、パネルユニットの放射線被照射面の少なくとも一部が制御ユニットによって覆われることになり、パネルユニットの放射線被照射面の少なくとも一部を傷つき等から保護することができる。なお、請求項3記載の発明において、第1状態はパネルユニットの放射線被照射面の全面に制御ユニットが接している状態が好ましい。これにより、第1状態において、パネルユニットの放射線被照射面の全面を傷つき等から保護することができる。
また、請求項3記載の発明において、連結部は、例えば請求項4に記載したように、第2状態へ回動された状態で、一端部及び他端部の少なくとも一方が、パネルユニット又は制御ユニットに対し、パネルユニットと制御ユニットとの距離が変化する方向に移動可能にパネルユニット又は制御ユニットに取付けられていることが好ましい。これは、例えば連結部の一端部及び他端部の少なくとも一方を、パネルユニットと制御ユニットとの距離が変化する方向を長手方向としてパネルユニット又は制御ユニットに設けた長孔に取付けることで実現することができる。これにより、第2状態におけるパネルユニットと制御ユニットとの距離を、連結部の長さに応じて定まる長さ以上に離間させることができ、撮影時の両ユニットの熱結合を更に小さくすることが可能となる。
また、請求項4記載の発明において、例えば請求項5に記載したように、第2状態において、パネルユニット及び制御ユニットのうちの少なくとも一方のユニットが、他方のユニットと干渉することなく第1の軸又は第2の軸回りに回転可能なように、距離が変化する方向への移動可能範囲(例えば前述の長孔の長さ)が定められていることが好ましい。これにより、第2状態でパネルユニット又は制御ユニットを回転させることで、第1状態及び第2状態におけるパネルユニットと制御ユニットの表裏の位置関係(第1の軸又は第2の軸回りの向きの関係)を任意に変化させることが可能となる。
また、請求項1〜請求項5の何れかに記載の発明において、例えば請求項6に記載したように、制御ユニットに収容されている制御部は外部との通信を行う通信部を含んで構成されていることが好ましい。これにより、放射線検出パネルによる放射線検出で得られた放射線画像のデータを外部へ送信したり、過去に撮影された放射線画像のデータやその他の情報を外部から受信することが可能となる。なお、通信部による通信は有線の通信でも無線の通信でもよい。
また、請求項1〜請求項6の何れかに記載の発明において、例えば請求項7に記載したように、制御ユニットには情報を表示可能な表示部が設けられており、制御ユニットに収容されている制御部は、表示部に情報を表示させる表示制御部を含んで構成されていることが好ましい。これにより、少なくとも放射線検出パネルによる放射線検出で得られたデータが表す放射線画像を表示部に表示させることが可能となる。また、請求項6に記載した通信部が設けられている場合には、過去に撮影された放射線画像のデータやその他の情報を外部から受信して表示部に表示させることも可能となる。
また、請求項3〜請求項5の何れかに記載の発明において、例えば請求項8に記載したように、制御ユニットには、情報を表示可能な表示部が、制御ユニットの外形のうち平面が形成された部分に表示面が露出するように設けられ、制御ユニットに収容されている制御部は、表示部に情報を表示させる表示制御部を含んで構成されており、制御ユニットは、放射線撮像装置の非使用時に、第1状態として、平面形成部がパネルユニットの放射線被照射面と接している状態とされる。これにより、請求項7記載の発明と同様に、少なくとも放射線検出パネルによる放射線検出で得られたデータが表す放射線画像を表示部に表示させることが可能となる。また、請求項8記載の発明では、第1状態で制御ユニットの平面形成部がパネルユニットの放射線被照射面と接している状態とされるので、パネルユニットの放射線被照射面を傷つき等から保護できることに加えて、表示部も破損等から保護することができる。
また、請求項7又は請求項8記載の発明において、例えば請求項9に記載したように、制御ユニットに収容されている制御部は、放射線画像のデータを含む任意の情報を記憶するための記憶部を含んで構成され、表示制御部は、記憶部にデータが記憶されている放射線画像を含む任意の情報を表示部に表示させるように構成することが好ましい。これにより、例えば撮影手順等を案内する情報を記憶部に記憶させておくことで、同情報を表示部に表示させることが可能になる等、放射線画像を含む任意の情報を表示部に表示させることが可能となる。
また、請求項9記載の発明において、例えば請求項10に記載したように、制御ユニットには、情報を入力するための入力部が設けられており、表示制御部は、入力部を介して入力された情報に基づいて表示部に表示させる情報を選択するように構成することが好ましい。これにより、本発明に係る放射線撮像装置の操作者が入力部を操作することで、表示部に所望の情報を表示させることが可能となる。なお、入力部は表示部と別に制御ユニットに設けたテンキーやキーボード、スイッチ等であってもよいし、表示部に設けたタッチパネル等であってもよい。
また、請求項1〜請求項10の何れかに記載の発明において、例えば請求項11に記載したように、放射線検出パネルは放射線変換層とスイッチング層を含んで構成され、スイッチング層を構成する基板は放射線が透過する材料から構成されていてもよい。放射線検出パネルが放射線変換層とスイッチング層を含む構成の場合、放射線変換層側から放射線が照射されるように放射線検出パネルを配置して撮影を行うことが一般的であるが、上記のようにスイッチング層を構成する基板を放射線が透過する材料から構成すれば、スイッチング層側から放射線が照射されるように放射線検出パネルを配置して撮影を行うことも可能となる。
また、請求項1〜請求項11の何れかに記載の発明において、放射線検出パネルが、放射線を吸収して発光する発光部と、発光部から放出された光を検出する検出部と、を含む場合、例えば請求項12に記載したように、発光部は柱状結晶構造部を有していることが好ましい。これにより、発光部が放射線を吸収することで発生した光は、柱状結晶構造部において、柱状結晶の間隙に案内されて検出部側へ射出されることで、検出部側へ射出される光の拡散が抑制されるので、放射線検出パネルによって検出される放射線画像のボケを抑制することができる。
また、請求項12に記載の発明において、柱状結晶構造部を有する発光部は、例えば請求項13に記載したように、CsIを含んで構成することができる。
以上説明したように本発明は、連結部の一端部を、放射線検出パネルを収容するパネルユニットの放射線被照射面とほぼ平行な第1の軸回りに回動可能にパネルユニットの側部に取付けると共に、連結部の他端部を、第1の軸とほぼ平行な第2の軸回りに回動可能に制御部及び電源部を収容する制御ユニットに取付けたので、構成の複雑化や消費電力の増大を回避しつつ放射線検出パネルの温度上昇を抑制できる、という優れた効果を有する。
第1実施形態に係る電子カセッテの外観を示す斜視図である。 第1実施形態に係る電子カセッテの内部構成を示す断面図である。 放射線検出パネルの概略構成を示す断面図である。 放射線検出パネルの概略構成を示す回路図である。 電子カセッテの電気系の概略構成を示すブロック図である。 撮影時の電子カセッテの各ユニットの配置の一例を示す側面図である。 第2実施形態に係る電子カセッテの外観を示す斜視図である。 第2実施形態に係る電子カセッテの外観を示す斜視図である。 放射線検出パネルの概略構成の他の例を示す断面図である。 図9の放射線検出パネルの信号出力部の概略構成を示す断面図である。 シンチレータ層の結晶構成の一例を模式的に示す概略図である。 放射線検出パネルの概略構成の他の例を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1には本第1実施形態に係る電子カセッテ10が示されている。図1(A)〜(C)に示すように、電子カセッテ10は、その筐体が、平板状で放射線検出パネル20(図2参照)を内蔵するパネルユニット12と、同じく平板状で制御部50や電源部70 (図2参照)等を内蔵する制御ユニット14と、に分割されており、パネルユニット12と制御ユニット14が一対の連結ロッド16を介して連結されて構成されている。
パネルユニット12は、図1(A)に示すようにパネルユニット12と制御ユニット14とが積み重ねられた状態(収納状態)において、制御ユニット14と接触する面が撮像時に放射線が照射される被照射面18とされており、パネルユニット12の被照射面18と接する4つの側面のうちの1つの側面には、電子カセッテ10が持ち運ばれる際に把持するための把持部72が取付けられている。また、パネルユニット12の4つの側面のうち、把持部72が取付けられたパネルユニット12の側面を挟んで対向する一対の側面には、当該一対の側面にほぼ直交するようにピン74が設けられている。一対の連結ロッド16は、それぞれの一端部が、パネルユニット12の一対の側面に設けられたピン74の軸周り(図1の矢印A方向:本発明における第1の軸回りの一例)に回動可能に、ピン74を介してパネルユニット12の一対の側面に取付けられている。
また、制御ユニット14の4つの側面のうち、図1(A)に示す収納状態(請求項3に記載の第1状態の一例)において、一対の連結ロッド16の一端部が取付けられたパネルユニット12の一対の側面の何れかと接する一対の側面には、当該側面の長さ方向に沿って長孔76が各々設けられている。一対の連結ロッド16の他端部には、制御ユニット14の一対の側面にほぼ直交する方向へ突出するピン78が各々取付けられている。そして、一対の連結ロッド16に各々取付けられたピン78は、制御ユニット14の異なる側面に設けられた長孔76を貫通し、その先端部には、長孔76からのピン78の離脱を防止するために長孔76の幅よりも大サイズとされたストッパ(図示省略)が取付けられている。従って、一対の連結ロッド16は、他端部がピン78を介して制御ユニット14の側面に設けられた長孔76内に遊嵌されており、制御ユニット14に対し、制御ユニット14の一対の側面にほぼ直交する軸(ピン78の軸)周り(本発明における第2の軸回りの一例:図1の矢印B方向)に回動可能とされ、かつ、ピン78が取付けられた端部が長孔76の長さ方向(図1の矢印C方向)に移動可能とされている。
これにより、電子カセッテ10は、一対の連結ロッド16がパネルユニット12及び制御ユニット14に対して回動することで、制御ユニット14のうち収納状態で被照射面18と接触していた面が被照射面18と間隔を空けて対向している中間状態(図1(B)に示す状態)を経由して、パネルユニット12と制御ユニット14とが積み重ねられた収納状態(図1(A)参照)、又は、パネルユニット12と制御ユニット14が同一平面上に載置され、パネルユニット12のピン74が設けられていない側面(後述するストッパ80が設けられている側面)と制御ユニット14の長孔76が設けられていない側面が間隙を隔てて向かい合う展開状態(図1(C)に示す状態:請求項3に記載の第2状態の一例)に遷移可能とされている。また、この展開状態では、ピン78が取付けられた一対の連結ロッド16の端部を長孔76の長さ方向(図1の矢印C方向)に移動させることで、パネルユニット12と制御ユニット14との間隙の大きさを変化させることも可能とされている。
また、パネルユニット12の側面のうち、把持部72が取付けられた側面及びそれに対向する側面には、先端部が被照射面18より突出する保持位置(図1(A)に示す位置)と、先端部が被照射面18以下の高さ位置へ待避する解除位置(図1(B),(C)に示す位置)と、の間を回動可能とされたストッパ80が設けられている(図1では、把持部72が取付けられたパネルユニット12の側面に設けられたストッパ80の図示を省略している)。電子カセッテ10は、前述の収納状態でストッパ80が保持位置へ回動されると、パネルユニット12から離間する方向への制御ユニット14の移動が阻止されることで、収納状態のまま維持される。
また、図2に示すように、連結ロッド16の内部には接続配線44が挿通されており、接続配線44の一端は、パネルユニット12内へ延長されて放射線検出パネル20に接続されており、接続配線44の他端は制御ユニット14内へ延長されて制御部50に接続されている。接続配線44は、展開状態でパネルユニット12と制御ユニット14との間隙の大きさが変化された等の場合にも、放射線検出パネル20及び制御部50との接続状態を維持できる長さとされている。
次に、パネルユニット12に内蔵されている放射線検出パネル20について説明する。放射線検出パネル20は、パネルユニット12の放射線被照射面に照射された放射線を検出し、照射放射線量の分布を表す電気信号(放射線検出信号)を出力するものであり、図3に示すように、絶縁性基板22に薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)などのスイッチング素子24が形成されて成るTFT基板26を備えている。絶縁性基板22としては、例えば、ガラス基板、各種セラミック基板、樹脂基板を用いることができるが、これらの材料に限られるものではない。TFT基板26上には、入射される放射線を変換する放射線変換層の一例として、入射される放射線を光に変換するシンチレータ層28が形成されている。
なお、シンチレータ層28から放射される光の波長域は可視光域(波長360nm〜830nm)が好ましく、放射線検出パネル20によってモノクロ画像を撮像する場合にはG(緑)の波長域を含んでいることがより好ましい。シンチレータ層28に用いる蛍光体としては、具体的には、放射線としてX線を用いる場合、ヨウ化セシウム(CsI)を含むものが好ましく、X線照射時の発光スペクトルが420nm〜600nmにあるCsI(Tl)(タリウムが添加されたヨウ化セシウム)を用いることが特に好ましい。CsI(Tl)の可視光域における発光ピーク波長は565nmである。なお、シンチレータ層28としては、CsI(Tl)以外に、例えばGOS(GdS:Tb)を用いることができるが、これらの材料に限られるものではない。
シンチレータ層28とTFT基板26との間には、シンチレータ層28によって変換された光が入射されることにより電荷を発生する光導電層30が配置されている。この光導電層30のシンチレータ層28側の表面には、光導電層30にバイアス電圧を印加するためのバイアス電極32が形成されている。TFT基板26には、光導電層30で発生した電荷を収集する電荷収集電極34が形成されている。TFT基板26では、各電荷収集電極34で収集された電荷が、スイッチング素子24がオンされることで読み出される。図4に示すように、電荷収集電極34は、TFT基板26に二次元状に配置されており、それに対応してスイッチング素子24も、絶縁性基板22に2次元状に配置されている。なお、図3に示す層構成の放射線検出パネル20は、TFT基板26側よりもシンチレータ層28側が被照射面18に近くなる向きでパネルユニット12内に配置されている。
また、図4に示すように、TFT基板26には、一定方向(行方向)に延設され各スイッチング素子24をオンオフさせるための複数本のゲート配線40と、ゲート配線40と直交する方向(列方向)に延設されオン状態のスイッチング素子24を介して電荷を読み出すための複数本のデータ配線42が設けられている。
なお、図3に示すように、TFT基板26上にはTFT基板26上を平坦化するための平坦化層38が形成されている。また、TFT基板26とシンチレータ層28との間であって平坦化層38上には、シンチレータ層28をTFT基板26に接着するための接着層39が形成されている。
TFT基板26は、平面視において外縁に4辺を有する四辺形状(より詳しくは矩形状)とされており、平面視におけるTFT基板26の周端部のうちの1辺には、個々のゲート配線40及び個々のデータ配線42が接続された接続端子43が配置されている。この接続端子43は、先にも説明した接続配線44を介して制御部50に接続されている。
一方、制御ユニット14には、放射線検出パネル20の駆動や、放射線検出パネル20から出力された放射線検出信号の放射線画像データへの変換等を行う制御部50と、制御部50に電力を供給する電源部70と、収納状態でパネルユニット12の被照射面18に接する面と反対側の面(表示/操作面14A)に表示面が露出するように設けられた表示部82と、表示/操作面14Aに露出するように設けられた複数のキーから成る操作部84と、が設けられている。
図5に示すように、制御部50は、ゲート線ドライバ52、信号処理部54、画像メモリ56、カセッテ制御部58及び無線通信部60を備えている。各スイッチング素子24(図3,4参照)は、ゲート線ドライバ52からゲート配線40を介して供給される信号により行単位で順にオンされ、オン状態とされたスイッチング素子24によって読み出された電荷は、電気信号としてデータ配線42を伝送されて信号処理部54に入力される。これにより、電荷は行単位で順に読み出され、二次元状の放射線画像を表す放射線検出信号が取得される。なお、ゲート線ドライバ52は請求項2に記載の駆動部の一例である。
図示は省略するが、信号処理部54は、個々のデータ配線42毎に設けられ入力される電気信号を増幅する増幅回路及びサンプルホールド回路を備えており、個々のデータ配線42を伝送された電気信号は増幅回路で増幅された後にサンプルホールド回路に保持される。また、サンプルホールド回路の出力側にはマルチプレクサ、A/D(アナログ/デジタル)変換器が順に接続されており、個々のサンプルホールド回路に保持された電気信号はマルチプレクサに順に(シリアルに)入力され、A/D変換器によってデジタルの画像データ(放射線画像データ)へ変換される。なお、信号処理部54は請求項2に記載の信号処理部の一例である。
信号処理部54には画像メモリ56が接続されており、信号処理部54のA/D変換器から出力された画像データは画像メモリ56に順に記憶される。画像メモリ56は複数枚の放射線画像データを記憶可能な記憶容量を有しており、放射線画像の撮影が行われる毎に、撮影によって得られた放射線画像データが画像メモリ56に順次記憶される。なお、画像メモリ56は請求項9に記載の記憶部の一例である。
画像メモリ56はカセッテ制御部58と接続されている。カセッテ制御部58はマイクロコンピュータから成り、CPU58A、ROM及びRAMを含むメモリ58B、フラッシュメモリ等から成る不揮発性の記憶部58Cを備えており、電子カセッテ10全体の動作を制御する。
また、カセッテ制御部58には無線通信部60が接続されている。無線通信部60は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a/b/g/n等に代表される無線LAN(Local Area Network)規格に対応しており、無線通信による外部装置との間での各種情報の伝送を制御する。カセッテ制御部58は、無線通信部60を介して、放射線撮影の制御又は管理を行う外部装置(例えば放射線発生装置等の機器の動作を制御するコンソール、或いは病院内ネットワークに接続されたサーバ等)と無線通信が可能とされており、コンソールとの間で各種情報の送受信が可能とされている。無線通信部60は請求項6に記載の通信部の一例である。
カセッテ制御部58は、コンソールから無線通信部60を介して受信される撮影条件情報や患者情報などの各種情報を記憶し、撮影条件情報に基づいて放射線検出パネル20の駆動及び放射線検出パネル20からの電荷の読み出しを行う。また、表示部82及び操作部84もカセッテ制御部58に接続されており、カセッテ制御部58は、撮影技師等の操作者が操作部84を介して行った操作の内容を把握し、把握した内容に応じて外部との情報の送受や表示部82への各種情報の表示等の処理を行う。
また、電源部70は、上述した各種回路や各素子(表示部82や操作部84、ゲート線ドライバ52、信号処理部54、画像メモリ56、無線通信部60、カセッテ制御部58として機能するマイクロコンピュータ)に電力を供給する。なお、図5では電源部70と各種回路や各素子を接続する配線の図示を省略している。電源部70は電子カセッテ10の可搬性を確保するためにバッテリ(二次電池)を内蔵しており、各種回路・素子への電力の供給源としては充電されたバッテリが用いられる。
次に本第1実施形態の作用を説明する。電子カセッテ10は、図1(A)に示すように、パネルユニット12と制御ユニット14とが積み重ねられ、パネルユニット12の被照射面18の全面が制御ユニット14によって覆われた収納状態とされ、かつストッパ80が図1(A)に示す保持位置へ回動された状態で、把持部72が把持されて持ち運びが行われる。このように、本第1実施形態に係る電子カセッテ10は、収納状態でパネルユニット12の被照射面18の全面が制御ユニット14によって覆われて保護されるため、電子カセッテ10が運搬される際の被照射面18の傷付きが防止される。
また、放射線画像の撮影が可能な位置迄電子カセッテ10が持ち運ばれると、操作者により、まずパネルユニット12が下側となる(制御ユニット14の表示/操作面14Aが上側を向く)ように基台上に電子カセッテ10を載置し、次にストッパ80を図1(B),(C)に示す解除位置へ回動させた後に、パネルユニット12と積み重ねられていた制御ユニット14の側面等を把持し、制御ユニット14の表示/操作面14Aがおよそ水平の状態を維持したまま、ピン74をおよその回動中心として制御ユニット14を移動させる(この移動に伴い、一対の連結ロッド16がパネルユニット12及び制御ユニット14に対して回動する)操作が行われることで、図1(A)に示す収納状態から図1(B)に示す中間状態を経由して図1(C)に示す展開状態へ遷移する。これにより、パネルユニット12の被照射面18が露出する一方、制御ユニット14は表示/操作面14Aが上側を向いた状態のまま維持される。
操作者は、電子カセッテ10を展開状態にすると、操作部84を介して外部装置からの撮影条件情報や患者情報の受信を指示する。これにより、カセッテ制御部58は、無線通信部60を介して外部装置から撮影条件情報や患者情報を受信し、受信した患者情報のうち患者の特定に利用可能な情報(例えば患者の氏名やID等)を表示部82に表示させる。これにより、撮影技師等の操作者が被検者本人に対して氏名を確認し、確認した氏名を表示部82に表示されている患者氏名と照合する等により、撮影を行う被検者の取違いが無いか否かを確認することが可能となる。
なお、表示部82に表示させる情報は患者の情報に限られるものではなく、例えば撮影条件情報を表示部82に表示させることで、今回の撮影条件を撮影技師等の操作者に認識させたり、同一の被検者の同一の部位に対して以前に撮影した放射線画像のデータを外部装置から取得して表示部82に表示させることで、以前の撮影における撮影範囲を撮影技師等の操作者に認識させるようにしてもよい。また、撮影対象部位に応じたサンプル画像や撮影ガイダンスを表示部82に表示させるようにしてもよい。
なお、本第1実施形態に係る電子カセッテ10は、放射線画像の撮影にあたり、収納状態の電子カセッテ10が、制御ユニット14の表示/操作面14Aが上側を向くように載置されるので、操作者による各種情報の受信指示や、外部装置からの各種情報の受信、患者に関する情報の表示部82への表示は、電子カセッテ10を展開状態にする前の収納状態で行うことも可能である。
撮影技師等の操作者による被検者の確認が終了すると、電子カセッテ10は、図6(A)に示すように、放射線を発生する放射線発生装置86と間隔を空けて配置され、パネルユニット12の被照射面18上には被検者の撮影対象部位Bが配置される。放射線発生装置86は予め与えられた撮影条件等に応じた放射線量の放射線を射出する。放射線発生装置86から射出された放射線Xは撮影対象部位Bの各位置を透過し、撮影対象部位Bの各透過位置における放射線透過率に応じて線量が変化した後に電子カセッテ10の被照射面18に照射される。これにより、電子カセッテ10に内蔵された放射線検出パネル20の個々の電荷収集電極34には、被照射面18上の対応する位置における放射線Xの照射線量に応じた電荷が収集されて蓄積される。
カセッテ制御部58は、放射線Xの照射終了後に、ゲート線ドライバ52を制御してゲート線ドライバ52から1ラインずつ順に各ゲート配線40にON信号を出力させ、各ゲート配線40に接続された各スイッチング素子24を1ラインずつ順にオンさせる。これにより、1ラインずつ順に各電荷収集電極34に蓄積された電荷が電気信号として各データ配線42に流れ出す。各データ配線42に流れ出した電気信号(放射線検出信号)は信号処理部54に入力され、デジタルの画像データ(放射線画像データ)へ変換されて画像メモリ56に記憶される。カセッテ制御部58は、撮影が終了すると、画像メモリ56に記憶された放射線画像データが表す放射線画像を表示部82に表示させるか、放射線画像データをコンソール等の外部装置へ送信する。なお、上記の動作は静止画像を撮影する場合であるが、撮影を連続的に行うことで動画像の撮影を行ってもよい。
このように、本第1実施形態に係る電子カセッテ10は、パネルユニット12と制御ユニット14の側面同士が間隙を隔てて向かい合う展開状態、すなわちパネルユニット12と制御ユニット14との熱結合が収納状態よりも大幅に小さい状態とした後に撮影を行うことで、制御ユニット14内の制御部50や電源部70等で発生した熱が伝導して放射線検出パネル20の温度が上昇することを、パネルユニット12内に冷却手段等を設けることなく抑制することができる。これにより、放射線検出パネル20の特性の変化が抑制され、撮影される放射線画像の画質が安定すると共に、放射線検出パネル20の劣化も抑制され、放射線検出パネル20の耐久性も向上する。特に、温度変化に対する放射線の感度変化率が高いCsIを含む材料でシンチレータ層28を構成した場合、上記のように放射線検出パネル20の温度上昇を抑制できることで、動画像を撮影する場合であっても、動画像の視認性が悪化したり、動画像による診断の精度が悪化することを防止できる、という顕著な画質安定効果が得られる。また、パネルユニット12の表面温度の上昇も抑制できることで、撮影時にパネルユニット12と接触している被検者に不快感を与えることも防止することができる。
また、本第1実施形態に係る電子カセッテ10は、パネルユニット12と制御ユニット14を連結ロッド16を介して連結した構造であり、連結ロッド16はパネルユニット12及び制御ユニット14に対して回動可能とされているので、撮影時の制御ユニット14の位置・姿勢の自由度が高く、図6(A)に示すように、撮影時に制御ユニット14をパネルユニット12と同一平面上に載置する以外に、例えば図6(B)に示すように制御ユニット14をパネルユニット12と高さ位置の異なる平面上に載置したり、図6(C)に示すように制御ユニット14をパネルユニット12に対して斜めに配置する等、撮影技師等の操作者の好み等に応じて撮影時の制御ユニット14の位置・姿勢を変化させることも可能となる。
また、本第1実施形態に係る電子カセッテ10は、撮影を行う際に展開状態とし、パネルユニット12のみを撮影対象部位Bに配置すればよいので、撮影対象部位Bに配置する部分の厚みが薄くなり、例えば臥位の被検者の下に挿入することも容易となる。また、本第1実施形態に係る電子カセッテ10は、制御ユニット14が撮影対象部位Bと空間的に離れているため、空冷ファンによって制御ユニット14を強制冷却する等の場合にも、被検者に風が直接当たらないようにすることを容易に実現できる。
また、本第1実施形態に係る電子カセッテ10は、撮影を行う際に展開状態とすることで表面積が大きくなるため、放熱効果が高くなる。特に動画像の撮影時には制御ユニット14の発生熱量も増加するため、表面積が大きくなることは放熱の面で好ましい。なお、制御ユニット14は表面を凹凸状として表面積を増やすことで放熱効果を更に高めた構成としてもよい。凹凸の形状は、波型、半球形などいずれであってもよい。
また、本第1実施形態に係る電子カセッテ10は、撮影時に制御ユニット14を放射線Xの照射領域外に配置できるため、制御ユニット14に被曝防止用の重金属を内蔵させる必要が無くなり、軽量化、薄型化が可能となる。また、本第1実施形態に係る電子カセッテ10は、展開状態で被検者と離間する制御ユニット14内に無線通信部60が設けられており、無線通信のアンテナも被検者から離間した位置に配置されることになるため、電波障害が起こりにくいという利点も有する。
〔第2実施形態〕
次に本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。図7,8には本第2実施形態に係る電子カセッテ90が示されている。
本第2実施形態に係る電子カセッテ90は、第1実施形態で説明した電子カセッテ10と同様に、放射線検出パネル20がパネルユニット12に内蔵されているが、この放射線検出パネル20は、図3に示したTFT基板26(や平坦化層38、接着層39)が放射線が透過する材料から構成されており、本第2実施形態に係る放射線検出パネル20は、第1実施形態で説明したようにシンチレータ層28側から放射線が照射された場合に加えて、TFT基板26側から放射線が照射された場合にも、入射放射線の検出(シンチレータ層28における入射放射線の光への変換、光導電層30における電荷の発生、電荷収集電極34における発生電荷の収集)が可能とされている。このため、本第2実施形態に係る電子カセッテ90では、第1実施形態で説明した被照射面18(放射線検出パネル20のシンチレータ層28側に位置している面)の裏面(放射線検出パネル20のTFT基板26側に位置している面)も放射線が照射される被照射面とされており、放射線画像の撮影に際しては表裏の被照射面が選択的に使用される。
なお、表裏の被照射面のうち、シンチレータ層28側の被照射面(以下、便宜上「表側の被照射面」という)は、被照射面とシンチレータ層28との間にTFT基板26等が存在しておらず、TFT基板26側の被照射面(以下、便宜上「裏側の被照射面」という)よりもシンチレータ層28に入射される放射線の線量が大きいので、通常の撮影では表側の被照射面が使用される。一方、裏側の被照射面は、シンチレータ層28に入射される放射線の線量が表側の被照射面を用いる場合よりも小さくなるものの、シンチレータ層28のうち厚み方向に沿って光導電層30により近い部分で放射線から光への変換が行われることで、シンチレータ層28のうち放射線から光への変換を行う部分と光導電層30との距離が小さく、光導電層30に入射される光の拡散度合いも小さくなることで、より高精細の放射線画像が得られる。このため、撮影時の電子カセッテ90への照射放射線量が比較的高くかつ高精細の放射線画像が必要な場合には、裏側の被照射面を用いて撮影が行われる。
また、本第2実施形態に係る電子カセッテ90は、上記のように放射線画像の撮影に際して表裏の被照射面が選択的に使用されることから、パネルユニット12に対して制御ユニット14の表裏を反転させることを可能とするために、図7,8にも示すように、制御ユニット14の一対の側面に設けられた長孔76の長さが、第1実施形態で説明した電子カセッテ10よりも長くされている。なお、本第2実施形態に係る電子カセッテ90における長孔76の長さは、制御ユニット14が、パネルユニット12と干渉することなく、制御ユニット14の一対の側面にほぼ直交する軸(ピン78の軸)周りに回転することが可能なように定められている。
次に本第2実施形態の作用を説明する。本第2実施形態に係る電子カセッテ90は、図7(A)に示すように、パネルユニット12と制御ユニット14とが積み重ねられ、制御ユニット14の表示/操作面14Aがパネルユニット12の表裏の被照射面のうちの一方と接している状態が収納状態とされ、この状態から更にストッパ80が図7(A)に示す保持位置へ回動された状態で、把持部72が把持されて持ち運びが行われる。このように、本第2実施形態に係る電子カセッテ90は、収納状態において、制御ユニット14の表示/操作面14Aの全面がパネルユニット12によって覆われて保護され、制御ユニット14は表示/操作面14Aの裏面14Bが外部に露出している状態となるので、制御ユニット14の表示/操作面14Aの傷つきや表示部82・操作部84の破損等が防止される。
なお、本第2実施形態に係る電子カセッテ90は、上記の収納状態において、パネルユニット12の表裏の被照射面のうち、制御ユニット14の表示/操作面14Aと接していない被照射面が外部に露出している状態となるので、当該被照射面に傷つき等が生ずる恐れがある。これを考慮すると、パネルユニット12の表裏の被照射面のうち、収納状態で制御ユニット14の表示/操作面14Aと接しない被照射面については、例えば放射線を透過する材料によって傷つき防止のためのコーティングを施すようにしてもよいし、収納状態の電子カセッテ90を更に保護ケース等に収納して持ち運ぶことで、上記の被照射面の傷つきを防止するようにしてもよい。
また、本第2実施形態では、放射線画像の撮影が可能な位置迄電子カセッテ90が持ち運ばれると、操作者により、まず基台上に電子カセッテ90を載置し(例えばパネルユニット12が下側となるように載置し)、次にストッパ80を図7(B)〜(D)に示す解除位置へ回動させた後に、パネルユニット12及び制御ユニット14のうち上側に位置しているユニット(図7では制御ユニット14)の側面等を把持し、前記ユニットの上面(図7では制御ユニット14の裏面14B)がおよそ水平の状態を維持したまま、ピン74又はピン78をおよその回動中心として前記ユニットを移動させる(この移動に伴い、一対の連結ロッド16がパネルユニット12及び制御ユニット14に対して回動する)操作が行われることで、図7(A)に示す収納状態から図7(B)に示す中間状態を経由して図7(C)に示す展開状態へ遷移する。
ここで、パネルユニット12の表裏の被照射面のうち、放射線画像の撮影に用いる被照射面が、収納状態で制御ユニット14の表示/操作面14Aと接していた被照射面(図7,8では便宜上、この被照射面に符号「18A」を付して示している)の裏面(収納状態で外部に露出していた被照射面:図7(D)では便宜上、この被照射面に符号「18B」を付して示している)である場合には、例えば図7(C)に矢印Dで示すように、展開状態となった電子カセッテ90全体を一体的に回転させて裏返す。これにより、図7(D)に示すように、パネルユニット12は撮影に用いる被照射面(収納状態で外部に露出していた被照射面18B)が上側を向き、かつ制御ユニット14は表示/操作面14Aが上側を向いた状態となり、第1実施形態で説明した被検者の確認や放射線画像の撮影等を行うことが可能となる。
なお、パネルユニット12のうち収納状態で外部に露出していた被照射面18Bを放射線画像の撮影に用いるための手順は上記に限られるものではなく、例えば、まずパネルユニット12が上側となるように電子カセッテ90を基台上に載置し、次にストッパ80を解除位置へ回動させた後に、上側に位置しているパネルユニット12の側面等を把持し、パネルユニット12の上面(すなわち収納状態で外部に露出していた被照射面18B)がおよそ水平の状態を維持したまま、ピン78をおよその回動中心としてパネルユニット12を移動させる操作を行うことによっても実現でき、この場合、電子カセッテ90は展開状態へ遷移すると図7(D)に示す状態(パネルユニット12のうち撮影に用いる被照射面(収納状態で外部に露出していた被照射面18B)が上側を向き、かつ制御ユニット14の表示/操作面14Aが上側を向いた状態)となる。
また、パネルユニット12の表裏の被照射面のうち、放射線画像の撮影に用いる被照射面が、収納状態で制御ユニット14の表示/操作面14Aと接していた被照射面(被照射面18A)の場合には、図8(A)(及び図7(C))に示すように、展開状態へ遷移した電子カセッテ90に対し、操作者により、ピン78をおよその回動中心として制御ユニット14を(例えば図8に示す矢印E方向へ)回転させながら、長孔76の長さ方向に沿った一方の端部又はその付近に位置しているピン78及びピン78が取付けられた連結ロッド16の端部が、長孔76内を反対側の端部側へ(例えば図8に示す矢印F方向へ)移動させる操作が行われる。これにより、電子カセッテ90は、図8(A)に示す状態から、図8(B)に示す状態を経て、図8(C)に示すように、パネルユニット12は撮影に用いる被照射面(収納状態で制御ユニット14の表示/操作面14Aと接していた被照射面18A)が上側を向き、かつ制御ユニット14は表示/操作面14Aが上側を向いた状態となり、第1実施形態で説明した被検者の確認や放射線画像の撮影等を行うことが可能となる。
また、例えば被検者の足のうち膝から下の部分を撮影する場合、被検者は片方の膝を立てた姿勢でベッドの上に座ると共に、被照射面が鉛直方向におよそ沿う向きとなるように被検者が電子カセッテを保持した状態で撮影が行われることが多いが、この場合、電子カセッテを保持している被検者の手が多少被爆する可能性がある。これに対し、本第2実施形態に係る電子カセッテ90は、図8(B)に示す状態から、制御ユニット14の裏面14Bがパネルユニット12側を向くように制御ユニット14の表裏を反転させた後に、図8(D)に示すように、パネルユニット12の被照射面18が鉛直方向におよそ沿う向きとなるように電子カセッテ90全体をおよそ90°回転させれば、連結ロッド16を介してパネルユニット12に連結されている制御ユニット14によってパネルユニット12の転倒が阻止される状態となる。
このため、電子カセッテ90の被照射面18を鉛直方向におよそ沿う向きに配置して撮影を行う場合にも、電子カセッテ90を図8(D)に示す状態・姿勢とすることで、被検者が電子カセッテ90を手で保持することなく、被検者の撮影対象部位Bを被照射面18の前面に位置させるのみで、被検者の撮影対象部位Bの撮影を行うことができる。また、図8(D)に示す状態では制御ユニット14の表示/操作面14Aが外側(パネルユニット12側と反対側)を向いているので、この状態で、撮影技師等の操作者が操作部84を操作したり表示部82に表示された情報を視認することも可能である。
このように、本第2実施形態に係る電子カセッテ90は、パネルユニット12の表裏の被照射面の何れを用いて放射線画像の撮影を行う場合にも、図7(D)及び図8(C)に示すように、パネルユニット12と制御ユニット14の側面同士が間隙を隔てて向かい合っていることで、パネルユニット12と制御ユニット14との熱結合が収納状態よりも大幅に小さい状態で撮影を行うことができるので、制御ユニット14内の制御部50や電源部70等で発生した熱が伝導して放射線検出パネル20の温度が上昇することを、パネルユニット12内に冷却手段等を設けることなく抑制することができる。これにより、放射線検出パネル20の特性の変化が抑制され、撮影される放射線画像の画質が安定すると共に、放射線検出パネル20の劣化も抑制され、放射線検出パネル20の耐久性も向上する。また、パネルユニット12の表面温度の上昇も抑制できることで、撮影時にパネルユニット12と接触している被検者に不快感を与えることも防止することができる。
また、本第2実施形態に係る電子カセッテ90は、第1実施形態で説明した電子カセッテ10と同様に、撮影時の制御ユニット14の位置・姿勢の自由度が高く、図6(A)〜 (C)に示すように、撮影技師等の操作者の好み等に応じて撮影時の制御ユニット14の位置・姿勢を変化させることができるので、パネルユニット12の表裏の被照射面の何れを放射線画像の撮影に用いることも可能であることと相俟って、放射線画像の撮影の自由度が向上する。また、本第2実施形態に係る電子カセッテ90は、パネルユニット12の表裏の被照射面の何れを放射線画像の撮影に用いる場合にも、図7(D)及び図8(C)に示すように、制御ユニット14を表示/操作面14Aが上側を向いた状態とすることができ、
パネルユニット12の表裏の被照射面の何れを用いるかに拘わらず、被検者の確認や放射線画像の撮影等を同じ手順で行うことが可能となる。
また、本第2実施形態に係る電子カセッテ90についても、第1実施形態で説明した電子カセッテ10と同様に、撮影を行う際に展開状態とし、パネルユニット12のみを撮影対象部位Bに配置すればよいので、撮影対象部位Bに配置する部分の厚みが薄くなり、例えば臥位の被検者の下に挿入することも容易となる。また、本第2実施形態に係る電子カセッテ90についても、第1実施形態で説明した電子カセッテ10と同様に、制御ユニット14が撮影対象部位Bと空間的に離れているため、空冷ファンによって制御ユニット14を強制冷却する等の場合にも、被検者に風が直接当たらないようにすることを容易に実現できる。
また、本第2実施形態に係る電子カセッテ90についても、第1実施形態で説明した電子カセッテ10と同様に、撮影を行う際に展開状態とすることで表面積が大きくなるため、放熱効果が高くなる。特に動画像の撮影時には制御ユニット14の発生熱量も増加するため、表面積が大きくなることは放熱の面で好ましい。
また、本第2実施形態に係る電子カセッテ90についても、第1実施形態で説明した電子カセッテ10と同様に、撮影時に制御ユニット14を放射線Xの照射領域外に配置できるため、制御ユニット14に被曝防止用の重金属を内蔵させる必要が無くなり、軽量化、薄型化が可能となる。また、本第2実施形態に係る電子カセッテ90についても、第1実施形態で説明した電子カセッテ10と同様に、展開状態で被検者と離間する制御ユニット14内に無線通信部60が設けられており、無線通信のアンテナも被検者から離間した位置に配置されることになるため、電波障害が起こりにくいという利点も有する。
続いて、第1実施形態で説明した電子カセッテ10や第2実施形態で説明した電子カセッテ90において、放射線検出パネル20(図3参照)に代えて使用可能な放射線検出パネルの他の構成について、図9を参照して説明する。図9に示す放射線検出パネル100は、絶縁性の基板102上に信号出力部104、センサ部106が順に設けられたTFT基板26の上層にシンチレータ層28が積層されており、TFT基板26には、信号出力部104及びセンサ部106を備えた画素部が、基板102上にマトリクス状に複数配置されている。
センサ部106は、上部電極116と、下部電極108と、電極116,108の間に配置された光電変換膜112と、を有し、光電変換膜112は、シンチレータ層28から放出された光を吸収して電荷を発生する有機光電変換材料により構成されている。なお、センサ部106は、信号出力部104とは別に、シンチレータ層28から放出された光の光量を検出することで、放射線検出パネル100に照射された放射線量を検出する構成であり、センサ部106による放射線量の検出結果は、電極108,116と接続された図示しない信号処理部を介して読み出され、例えば放射線検出パネル100への放射線の照射開始/終了タイミングの検知や、放射線検出パネル100への放射線照射量の積算値の検知等に用いられる。
上部電極116は、シンチレータ層28から放出された光を光電変換膜112に入射させる必要があるため、少なくともシンチレータ層28の発光波長に対して透明な導電性材料で構成することが好ましく、具体的には、可視光に対する透過率が高く、抵抗値が小さい透明導電性酸化物(TCO;Transparent Conducting Oxide)を用いることが好ましい。なお、上部電極116としてAuなどの金属薄膜を用いることもできるが、90%以上の光透過率を得ようとすると抵抗値が増大し易くなるため、TCOの方が好ましい。例えば、ITO、IZO、AZO、FTO、SnO、TiO、ZnO等を用いることが好ましく、プロセス簡易性、低抵抗性、透明性の観点からITOが最も好ましい。なお、上部電極116は、全画素部共通の一枚構成としてもよいし、画素部毎に分割してもよい。
光電変換膜112は、有機光電変換材料を含み、シンチレータ層28から放出された光を吸収し、吸収した光に応じた電荷を発生する。有機光電変換材料を含む光電変換膜112は可視域にシャープな吸収スペクトルを持ち、シンチレータ層28から放出された光以外の電磁波が光電変換膜112に吸収されることが殆ど無く、X線等の放射線が光電変換膜112で吸収されることによって発生するノイズを効果的に抑制することができる。
光電変換膜112を構成する有機光電変換材料は、シンチレータ層28から放出された光を最も効率良く吸収するために、その吸収ピーク波長が、シンチレータ層28の発光ピーク波長と近いほど好ましい。有機光電変換材料の吸収ピーク波長とシンチレータ層28の発光ピーク波長とが一致することが理想的であるが、双方の差が小さければシンチレータ層28から放出された光を十分に吸収することが可能である。具体的には、有機光電変換材料の吸収ピーク波長と、シンチレータ層28の放射線に対する発光ピーク波長との差が10nm以内であることが好ましく、5nm以内であることがより好ましい。
このような条件を満たすことが可能な有機光電変換材料としては、例えばキナクリドン系有機化合物及びフタロシアニン系有機化合物が挙げられる。例えばキナクリドンの可視域における吸収ピーク波長は560nmであるため、有機光電変換材料としてキナクリドンを用い、シンチレータ層28の材料としてCsI(Tl)を用いれば、上記ピーク波長の差を5nm以内にすることが可能となり、光電変換膜112で発生する電荷量をほぼ最大にすることができる。
放射線検出パネル100に適用可能な光電変換膜112について具体的に説明する。放射線検出パネル100における電磁波吸収/光電変換部位は、1対の電極108,116と、該電極108,116に挟まれた光電変換膜112を含む有機層である。この有機層は、より具体的には、電磁波を吸収する部位、光電変換部位、電子輸送部位、正孔輸送部位、電子ブロッキング部位、正孔ブロッキング部位、結晶化防止部位、電極、及び、層間接触改良部位等を積み重ねるか、若しくは混合することで形成することができる。
上記有機層は、有機p型化合物または有機n型化合物を含有することが好ましい。有機p型半導体(化合物)は、主に正孔輸送性有機化合物に代表されるドナー性有機半導体(化合物)であり、電子を供与しやすい性質を有する有機化合物である。さらに詳しくは2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物である。従って、ドナー性有機化合物としては、電子供与性を有する有機化合物であれば何れの有機化合物も使用可能である。有機n型半導体(化合物)は、主に電子輸送性有機化合物に代表されるアクセプター性有機半導体(化合物)であり、電子を受容し易い性質を有する有機化合物である。更に詳しくは2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物である。従って、アクセプター性有機化合物は、電子受容性を有する有機化合物であれば何れの有機化合物も使用可能である。
有機p型半導体及び有機n型半導体として適用可能な材料や、光電変換膜112の構成については、特開2009−32854号公報において詳細に説明されているため説明を省略する。
各画素部を構成するセンサ部106は、少なくとも下部電極108、光電変換膜112及び上部電極116を含んでいればよいが、暗電流の増加を抑制するため、電子ブロッキング膜110及び正孔ブロッキング膜114の少なくとも何れかを設けることが好ましく、両方を設けることがより好ましい。
電子ブロッキング膜110は、下部電極108と光電変換膜112との間に設けることができ、下部電極108と上部電極116との間にバイアス電圧を印加したときに、下部電極108から光電変換膜112に電子が注入されて暗電流が増加してしまうことを抑制することができる。電子ブロッキング膜110には電子供与性有機材料を用いることができる。実際に電子ブロッキング膜110に用いる材料は、隣接する電極の材料及び隣接する光電変換膜112の材料等に応じて選択すればよく、隣接する電極の材料の仕事関数(Wf)より1.3eV以上電子親和力(Ea)が大きく、かつ、隣接する光電変換膜112の材料のイオン化ポテンシャル(Ip)と同等のIp、若しくはそれより小さいIpを有するものが好ましい。この電子供与性有機材料として適用可能な材料については、特開2009−32854号公報において詳細に説明されているため説明を省略する。
電子ブロッキング膜110の厚みは、暗電流抑制効果を確実に発揮させるとともに、センサ部106の光電変換効率の低下を防ぐため、10nm以上200nm以下が好ましく、より好ましくは30nm以上150nm以下、特に好ましくは50nm以上100nm以下である。
正孔ブロッキング膜114は、光電変換膜112と上部電極116との間に設けることができ、下部電極108と上部電極116との間にバイアス電圧を印加したときに、上部電極116から光電変換膜112に正孔が注入されて暗電流が増加してしまうことを抑制することができる。正孔ブロッキング膜114には電子受容性有機材料を用いることができる。実際に正孔ブロッキング膜114に用いる材料は、隣接する電極の材料及び隣接する光電変換膜112の材料等に応じて選択すればよく、隣接する電極の材料の仕事関数(Wf)より1.3eV以上イオン化ポテンシャル(Ip)が大きく、かつ、隣接する光電変換膜112の材料の電子親和力(Ea)と同等のEa、若しくはそれより大きいEaを有するものが好ましい。この電子受容性有機材料として適用可能な材料については、特開2009−32854号公報において詳細に説明されているため説明を省略する。
正孔ブロッキング膜114の厚みは、暗電流抑制効果を確実に発揮させると共に、センサ部106の光電変換効率の低下を防ぐため、10nm以上200nm以下が好ましく、より好ましくは30nm以上150nm以下、特に好ましくは50nm以上100nm以下である。
なお、光電変換膜112で発生した電荷のうち、正孔が上部電極116に移動し、電子が下部電極108に移動するようにバイアス電圧を設定する場合には、電子ブロッキング膜110と正孔ブロッキング膜114の位置を逆にすれば良い。また、電子ブロッキング膜110と正孔ブロッキング膜114は両方設けることは必須ではなく、何れかを設けておけば、或る程度の暗電流抑制効果を得ることができる。
各画素部の下部電極108の下方の基板102に設けられた信号出力部104は、下部電極108に対応して、下部電極108に移動した電荷を蓄積するコンデンサ120と、コンデンサ120に蓄積された電荷を電気信号に変換して出力する電界効果型薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、単に薄膜トランジスタという)122が形成されている。コンデンサ120及び薄膜トランジスタ122の形成された領域は、平面視において下部電極108と重なる部分を有している。なお、放射線検出パネル100(の画素部)の平面積を最小にするために、コンデンサ120及び薄膜トランジスタ122の形成領域は下部電極108によって完全に覆われていることが望ましい。
コンデンサ120は、基板102と下部電極108との間に設けられた絶縁膜124を貫通して形成された導電性材料の配線を介して対応する下部電極108と電気的に接続されている。これにより、下部電極108で捕集された電荷はコンデンサ120に移動される。
図10に示すように、薄膜トランジスタ122は、ゲート電極126、ゲート絶縁膜128及び活性層(チャネル層)130が積層され、更に、活性層130上にソース電極132とドレイン電極19が所定の間隔を開けて形成されている。活性層130は、例えばアモルファスシリコンや非晶質酸化物、有機半導体材料、カーボンナノチューブ等のうちの何れかにより形成することができるが、活性層130を形成可能な材料はこれらに限定されるものではない。
活性層130を形成可能な非晶質酸化物としては、例えば、In、Ga及びZnのうちの少なくとも1つを含む酸化物(例えばIn−O系)が好ましく、In、Ga及びZnのうちの少なくとも2つを含む酸化物(例えばIn−Zn−O系、In−Ga−O系、Ga−Zn−O系)がより好ましく、In、Ga及びZnを含む酸化物が特に好ましい。In−Ga−Zn−O系非晶質酸化物としては、結晶状態における組成がInGaO(ZnO)(mは6未満の自然数)で表される非晶質酸化物が好ましく、特に、InGaZnOがより好ましい。なお、活性層130を形成可能な非晶質酸化物はこれらに限定されるものではない。
また、活性層130を形成可能な有機半導体材料としては、例えば、フタロシアニン化合物や、ペンタセン、バナジルフタロシアニン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、フタロシアニン化合物の構成については、特開2009−212389号公報で詳細に説明されているため、説明を省略する。
薄膜トランジスタ122の活性層130を非晶質酸化物や有機半導体材料、カーボンナノチューブ等のうちの何れかによって形成すれば、X線等の放射線を吸収せず、或いは吸収したとしても極めて微量に留まるため、信号出力部104におけるノイズの発生を効果的に抑制することができる。
また、活性層130をカーボンナノチューブで形成した場合、薄膜トランジスタ122のスイッチング速度を高速化することができ、また、薄膜トランジスタ122における可視光域の光の吸収度合いを低下させることができる。なお、活性層130をカーボンナノチューブで形成する場合、活性層130にごく微量の金属性不純物が混入しただけで薄膜トランジスタ122の性能が著しく低下するため、遠心分離等により非常に純度の高いカーボンナノチューブを分離・抽出して活性層130の形成に用いる必要がある。
ここで、薄膜トランジスタ122の活性層130を形成可能な非晶質酸化物や有機半導体材料等、光電変換膜112を構成する有機光電変換材料は、いずれも低温での成膜が可能である。従って、基板102としては、半導体基板、石英基板、及びガラス基板等の耐熱性の高い基板に限定されず、プラスチック等の可撓性基板、アラミド、バイオナノファイバを用いることもできる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の可撓性基板を用いることができる。このようなプラスチック製の可撓性基板を用いれば軽量化を図ることもでき、例えば電子カセッテの持ち運び等に有利となる。
なお、有機光電変換材料で形成した膜及び有機半導体材料で形成した膜は何れも十分な可撓性を有しているので、有機光電変換材料で形成した光電変換膜112と、活性層130を有機半導体材料で形成した薄膜トランジスタ122と、を組み合わせた構成であれば、患者の体の重みが荷重として加わるパネル部の高剛性化は必ずしも必要ではない。但し、本実施形態のようにパネルユニット12と制御ユニット14とが離間した状態で撮影が行われる構成の場合にはパネルユニット12の高剛性化は有効である。
また、基板102には、絶縁性を確保するための絶縁層、水分や酸素の透過を防止するためのガスバリア層、平坦性あるいは電極等との密着性を向上するためのアンダーコート層等を設けてもよい。
アラミドは、200度以上の高温プロセスを適用できるために,透明電極材料を高温硬化させて低抵抗化でき、また、ハンダのリフロー工程を含むドライバICの自動実装にも対応できる。また、アラミドは、ITO(indium tin oxide)やガラス基板と熱膨張係数が近いため、製造後の反りが少なく、割れにくい。また、アラミドは、ガラス基板等と比べて薄く基板を形成できる。なお、超薄型ガラス基板とアラミドを積層して基板102を形成してもよい。
バイオナノファイバは、バクテリア(酢酸菌、Acetobacter Xylinum)が産出するセルロースミクロフィブリル束(バクテリアセルロース)と透明樹脂とを複合したものである。セルロースミクロフィブリル束は、幅50nmと可視光波長に対して約1/10のサイズで、かつ、高強度、高弾性、低熱膨である。バクテリアセルロースにアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の透明樹脂を含浸・硬化させることで、繊維を60〜70%も含有しながら、波長500nmで約90%の光透過率を示すバイオナノファイバが得られる。バイオナノファイバは、シリコン結晶に匹敵する低い熱膨張係数(3〜7ppm)を有し、鋼鉄並の強度(460MPa)、高弾性(30GPa)で、かつフレキシブルであることから、ガラス基板等と比べて薄く基板102を形成できる。
また、放射線検出パネル100は、シンチレータ層28が形成された側(表側)から放射線が照射(表面照射)された場合には、シンチレータ層28の上面側(TFT基板26の反対側)がより強く発光し、TFT基板26側(裏側)から放射線が照射(裏面照射)された場合には、TFT基板26を透過した放射線がシンチレータ層28に入射することでシンチレータ層28のTFT基板26側がより強く発光する。TFT基板26に設けられた各センサ部106には、シンチレータ層28で発生した光により電荷が発生する。このため、放射線検出パネル100は、裏側から放射線が照射された場合の方が表側から放射線が照射された場合よりもTFT基板26とシンチレータ層28の発光位置とが接近することから、撮影によって得られる放射線画像の分解能が高い。
また、放射線検出パネル100は、光電変換膜112を有機光電変換材料により構成しており、光電変換膜112で放射線が殆ど吸収されない。このため、放射線検出パネル100は、裏面照射により放射線がTFT基板26を透過するように配置された場合にも光電変換膜112による放射線の吸収量が少ないため、放射線に対する感度の低下を抑えることができる。裏面照射では、放射線がTFT基板26を透過してシンチレータ層28に到達するが、このように、TFT基板26の光電変換膜112を有機光電変換材料により構成した場合、光電変換膜112での放射線の吸収が殆どなく放射線の減衰を少なく抑えることができるため、裏面照射に適している。
また、プラスチック樹脂や、アラミド、バイオナノファイバ等は何れも放射線の吸収が少なく、前述のように基板102をこれらの材料で形成した場合、基板102の放射線の吸収量も少なくなるため、裏面照射により放射線がTFT基板26を透過する場合でも、放射線に対する感度の低下を抑えることができる。
また、基板102を剛性の高いプラスチック樹脂やアラミド、バイオナノファイバ等で形成した場合、放射線検出パネル100自体の剛性が高くなるため、パネルユニット12の厚みを薄く形成することができる。また、基板102を剛性の高いプラスチック樹脂やアラミド、バイオナノファイバ等で形成した場合、放射線検出パネル100自体が可撓性を有するため、放射線検出パネル100の耐衝撃性が向上し、パネルユニット12等に衝撃が加わった場合に放射線検出パネル100が破損し難くなる。
なお、上記ではパネルユニット12の4つの側面のうち、一対の連結ロッド16の一端部がピン74を介して取付けられた一対の側面に挟まれた側面に把持部72を取付けた態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、連結ロッド16の一端部がピン74を介して取付けられた側面に把持部72も取付けるようにしてもよい。この場合、収納状態の電子カセッテ10又は電子カセッテ90の把持部72が把持されて持ち運ばれている途中で、利用者の意図に反して電子カセッテ10又は電子カセッテ90が展開状態となってしまうことを、より確実に防止することができる。また、把持部72はパネルユニット12に取付けることに限られるものでもなく、制御ユニット14に取付けるようにしてもよい。
また、上記では制御ユニット14側に長孔76を設け、制御ユニット14に対して連結ロッド16の端部を長孔76に沿って移動可能とした構成を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パネルユニット12側に長孔を設け、パネルユニット12に対して連結ロッド16の端部を長孔に沿って移動可能としてもよいし、制御ユニット14及びパネルユニット12に長孔を各々設け、制御ユニット14及びパネルユニット12に対し、連結ロッド16の端部を長孔に沿って各々移動可能としてもよい。
また、上記では、請求項6に記載の通信部の一例として、外部装置と無線通信を行う構成の無線通信部60を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記の無線通信部に代えて、外部装置と有線通信を行う構成の有線通信部を設けてもよいし、無線通信部及び有線通信部を各々設けてもよい。上記のように、電子カセッテに有線通信部を設ける場合、有線通信を行うためのケーブルが接続されるコネクタは制御ユニット14に設けることが好ましい。これにより、コネクタやケーブルが被検者と干渉することを防止できると共に、被検者の下に電子カセッテを装入する際に、コネクタやケーブルに摩擦抵抗や無理な荷重が加わることで緩みや断線等の接触不良が生ずることを未然に防止することができる。
更に、先に説明した第1実施形態では、図3に示す放射線検出パネル20が、TFT基板26側よりもシンチレータ層28側が被照射面18に近くなる向きでパネルユニット12内に配置された構成の電子カセッテ10を説明したが、第1実施形態で説明した電子カセッテ10における放射線検出パネル20の向きは上記に限定されるものではなく、第2実施形態と同様に、放射線検出パネル20のTFT基板26(や平坦化層38、接着層39)を放射線が透過する材料で構成した上で、当該放射線検出パネル20を、シンチレータ層28側よりもTFT基板26側が被照射面18に近くなる向きでパネルユニット12内に配置した構成を採用してもよい。これにより、より高精細の放射線画像を得ることができる。
また、シンチレータ層28としてヨウ化セシウム(CsI)を含む材料等を用い、TFT基板26を透過した放射線がシンチレータ層28に入射するように放射線パネルを配置する場合、例として図11に示すように、シンチレータ層28を、放射線入射側(TFT基板26側)に柱状結晶28Aから成る柱状結晶領域が形成され、シンチレータ層28の放射線入射側と反対側に非柱状結晶28Bから成る非柱状結晶領域が形成された構成とすることが好ましい。なお、図11に示す構成のシンチレータ層28は請求項12に記載の発光部の一例である。また、図11に示す構成のシンチレータ層28としてCsIを含む材料を用いた場合、当該シンチレータ層28は請求項13に記載の発光部の一例である。
上記のように、シンチレータ層28を柱状結晶領域及び非柱状結晶領域が形成された構成にすると共に、高効率の発光が得られる柱状結晶28Aから成る柱状結晶領域をTFT基板26側に配置することで、シンチレータ層28で発生された光は柱状結晶28Aの間隙に案内されてTFT基板26側へ射出され、TFT基板26側へ射出される光の拡散が抑制されることで、放射線検出パネルによって検出される放射線画像のボケが抑制される。また、シンチレータ層28の深部(非柱状結晶領域)に到達した光も、非柱状結晶28Bによって光電変換層16側へ反射されることで、光電変換層16に入射される光の光量(シンチレータ層28で発光された光の検出効率)が向上する。
なお、シンチレータ層28の放射線入射側に位置する柱状結晶領域の厚みをt1とし、シンチレータ層28の支持基板20側に位置する非柱状結晶領域の厚みをt2としたときに、t1とt2が下記の関係式を満たすことが好ましい。
0.01≦(t2/t1)≦0.25
柱状結晶領域の厚みt1と非柱状結晶領域の厚みt2とが上記関係式を満たすことで、発光効率が高く光の拡散を防止する領域(柱状結晶領域)と、光を反射する領域(非柱状結晶領域)と、のシンチレータ層28の厚み方向に沿った比率が好適な範囲となり、シンチレータ層28の発光効率、シンチレータ層28で発光された光の検出効率、及び、放射線画像の解像度が向上する。非柱状結晶領域の厚みt2が厚過ぎると発光効率の低い領域が増え、放射線画像検出器10の感度の低下に繋がることから、(t2/t1)は0.02以上かつ0.1以下の範囲であることがより好ましい。
なお、上記では請求項12,13に記載の発光部の一例として、柱状結晶領域と非柱状結晶領域が連続的に形成された構成のシンチレータ層28を説明したが、例えば上記の非柱状結晶領域に代えてアルミニウム等から成る光反射層が設けられ、柱状結晶領域のみが形成された構成であってもよいし、他の構成であってもよい。
また、上記では、本発明に係る放射線検出パネルの一例として、放射線をシンチレータ層28で光へ一旦変換した後に、変換した光を光導電層30で電荷に変換して蓄積する間接変換方式の放射線検出パネル20を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、放射線を、アモルファスセレン等を用いたセンサ部によって電荷へ直接変換して蓄積する直接変換方式の放射線検出パネルを用いてもよい。
直接変換方式の放射線検出パネルの一例を図12に示す。この放射線検出パネルでは、入射される放射線を電荷に変換する光導電層48がTFT基板26上に形成されている。光導電層48としては、アモルファスSe、Bi12MO20(M:Ti、Si、Ge)、Bi4312(M:Ti、Si、Ge)、Bi23、BiMO4(M:Nb、Ta、V)、Bi2WO6、Bi24239、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、MNbO3(M:Li、Na、K)、PbO、HgI2、PbI2、CdS、CdSe、CdTe、BiI3、GaAs等のうち少なくとも1つを主成分とする化合物などが用いられるが、暗抵抗が高く、X線照射に対して良好な光導電性を示し、真空蒸着法により低温で大面積成膜が可能な非晶質(アモルファス)材料が好適である。光導電層48上には、光導電層48の表面側に形成され、光導電層48へバイアス電圧を印加するためのバイアス電極49が形成される。またTFT基板26には、間接変換方式の放射線検出パネルと同様に、光導電層48で発生した電荷を収集する電荷収集電極34が形成されている。一方、直接変換方式の放射線検出パネルのTFT基板26は、各電荷収集電極34で収集された電荷を蓄積する電荷蓄積容量35が設けられている。各電荷蓄積容量35に蓄積された電荷はスイッチング素子24がオンされることで読み出される。
その他、上記の実施形態で説明した電子カセッテ10,90及び放射線検出パネル20の構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
10 電子カセッテ
12 パネルユニット
14 制御ユニット
14A 表示/操作面
16 連結ロッド
18 被照射面
20 放射線検出パネル
50 制御部
52 ゲート線ドライバ
54 信号処理部
56 画像メモリ
58 カセッテ制御部
60 無線通信部
70 電源部
74 ピン
76 長孔
78 ピン
82 表示部
84 操作部
86 放射線発生装置
90 電子カセッテ

Claims (13)

  1. 放射線検出パネルを収容するパネルユニットと、
    制御部及び電源部を収容する制御ユニットと、
    一端部が前記パネルユニットの放射線被照射面とほぼ平行な第1の軸回りに回動可能に前記パネルユニットの側部に取付けられると共に、他端部が前記第1の軸とほぼ平行な第2の軸回りに回動可能に前記制御ユニットに取付けられた連結部と、
    を含む放射線撮像装置。
  2. 前記放射線検出パネルは、被写体を透過して前記パネルユニットの放射線被照射面に照射された放射線を検出し、
    前記制御ユニットに収容されている制御部は、前記放射線検出パネルから放射線検出信号が出力されるように前記放射線検出パネルを駆動する駆動部と、前記放射線検出パネルから出力された放射線検出信号を照射放射線量の分布を表す放射線画像のデータへ変換して出力する信号処理部と、を含んで構成されている請求項1記載の放射線撮像装置。
  3. 前記連結部は、前記パネルユニットの放射線被照射面に前記制御ユニットが接している第1状態と、前記パネルユニットと制御ユニットの側部同士が間隙を隔てて向かい合う第2状態と、の間で回動される請求項1又は請求項2記載の放射線撮像装置。
  4. 前記連結部は、前記第2状態へ回動された状態で、前記一端部及び前記他端部の少なくとも一方が、前記パネルユニット又は前記制御ユニットに対し、前記パネルユニットと前記制御ユニットとの距離が変化する方向に移動可能に前記パネルユニット又は前記制御ユニットに取付けられている請求項3記載の放射線撮像装置。
  5. 前記第2状態において、前記パネルユニット及び前記制御ユニットのうちの少なくとも一方のユニットが、他方のユニットと干渉することなく前記第1の軸又は前記第2の軸回りに回転可能なように、前記距離が変化する方向への移動可能範囲が定められている請求項4記載の放射線撮像装置。
  6. 前記制御ユニットに収容されている制御部は外部との通信を行う通信部を含んで構成されている請求項1〜請求項5の何れか1項記載の放射線撮像装置。
  7. 前記制御ユニットには情報を表示可能な表示部が設けられており、
    前記制御ユニットに収容されている制御部は、前記表示部に情報を表示させる表示制御部を含んで構成されている請求項1〜請求項6の何れか1項記載の放射線撮像装置。
  8. 前記制御ユニットには、情報を表示可能な表示部が、前記制御ユニットの外形のうち平面が形成された部分に表示面が露出するように設けられ、
    前記制御ユニットに収容されている制御部は、前記表示部に情報を表示させる表示制御部を含んで構成されており、
    前記制御ユニットは、前記放射線撮像装置の非使用時に、前記第1状態として、前記平面形成部が前記パネルユニットの放射線被照射面と接している状態とされる請求項3〜請求項5の何れか1項記載の放射線撮像装置。
  9. 前記制御ユニットに収容されている制御部は、放射線画像のデータを含む任意の情報を記憶するための記憶部を含んで構成され、
    前記表示制御部は、前記記憶部にデータが記憶されている放射線画像を含む任意の情報を前記表示部に表示させる請求項7又は請求項8記載の放射線撮像装置。
  10. 前記制御ユニットには、情報を入力するための入力部が設けられており、
    前記表示制御部は、前記入力部を介して入力された情報に基づいて、前記表示部に表示させる情報を選択する請求項9記載の放射線撮像装置。
  11. 前記放射線検出パネルは放射線変換層とスイッチング層を含んで構成され、前記スイッチング層を構成する基板は放射線が透過する材料から構成されている請求項1〜請求項10の何れか1項記載の放射線撮像装置。
  12. 前記放射線検出パネルは、放射線を吸収して発光する発光部と、前記発光部から放出された光を検出する検出部と、を含み、前記発光部は柱状結晶構造部を有している請求項1〜請求項11の何れか1項記載の放射線検出パネル。
  13. 前記柱状結晶構造部を有している前記発光部はCsIを含む請求項12記載の放射線検出パネル。
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