JP2011133859A - 放射線撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】放射線検出パネルの温度上昇を抑制しつつ、撮像によって得られた画像の品質の劣化や放射線検出パネルの破壊を防止することのできる放射線撮像装置を得る。
【解決手段】平板状に構成された制御ユニット14により制御部50および電源部70を収容すると共に、平板状に構成されたパネルユニット12により放射線検出パネル20を収容し、制御ユニット14およびパネルユニット12の各々の一端部を、ヒンジ16により、制御ユニット14の一方の面とパネルユニット12の放射線が照射される照射面18Aの反対側の面とが対向する閉状態、および制御ユニット14の一方の面とパネルユニット12の前記反対側の面とが同一平面上で側方に並ぶ開状態の2つの状態となるように回動可能に連結する。
【選択図】図3

Description

本発明は、放射線撮像装置に係り、特に、放射線検出パネルを備えた放射線撮像装置に関する。
近年、TFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリクス基板上に放射線感応層を配置し、照射されたX線等の放射線を検出し、照射放射線量の分布を表す放射線画像のデータへ直接変換して出力するFPD(Flat Panel Detector)が実用化されており、このFPD等のパネル型の放射線検出器と、画像メモリを含む制御部および電源部を内蔵し、放射線検出器から出力される放射線画像データを画像メモリに記憶する可搬型の放射線撮像装置(以下、「電子カセッテ」ともいう。)も実用化されている。電子カセッテは可搬性に優れているのでストレッチャーやベッドに載せたまま被検者を撮影できると共に、電子カセッテの位置を変更することで撮影部位の調整も容易であるため、動けない被検者を撮影する場合にも柔軟に対処することができる。
上記に関連して、特許文献1には、平面センサの面積拡大と可搬性・保管性の両立、複数方向からの撮影の実現を目的として、平面センサを有する電子カセッテ等の撮影装置において、2枚の平面センサを各々の1つの辺で接合して開閉可能な構造とする技術が開示されている。
また、特許文献2には、操作者の身体的な負荷軽減を目的として、電子カセッテ(撮影部)を撮影制御部と分離し、当該電子カセッテを鉛直状態とされた補助装置のステージにセットし、撮影時はステージに連結した油圧シリンダを作動させることで、ステージ(電子カセッテの検出面)を水平状態まで持上げる技術が開示されている。
また、特許文献3には、カセッテシステムの軽量化を目的として、インタフェース回路部、カセッテ制御部および通信ユニット等の電子部品が搭載された制御ユニットを、放射線検出器を有するカセッテに対してコネクタおよびケーブルを介して離間可能に構成し、撮影時には制御ユニットをカセッテと離間させる技術が開示されている。
さらに、特許文献4には、小型化、薄型化、運搬、保管中のX線像検出手段の保護を目的として、X線像検出手段が設けられたパネルケースと、制御手段が設けられた制御ケースと、を回動自在に連結した構成のX線撮影装置が開示されている。
特開2003−339687号公報 特開2004−173908号公報 特開2009−80103号公報 特開2000−10220号公報
電子カセッテ等の放射線撮像装置は、特に制御部や電源部が多数の電子部品を含んで構成され、一部には発熱量の多い電子部品も用いられているため、電気部品の発熱による放射線撮像装置内部の温度上昇に伴い、放射線検出器の電気的な特性が変化したり(例えばノイズの増大、TFTの暗電流の増大等)や、放射線検出器が劣化したりする(例えば、積層構造である放射線検出器の各部材の熱膨張係数の相違に起因する変形や破損、温度変化が繰り返されることに起因する接着材の劣化や剥離、放射線検出器が直接変換方式のものである場合の温度上昇に伴うアモルファスセレンの結晶化等)といった不具合が生じ、また放射線撮像装置の表面温度が過度に上昇することで被検者に不快感を与えることもある。特に、透視などの動画像撮影時には、連続的に(長時間)撮影が行われることで静止画像撮影に比べて発熱量も大きくなるので、上記の問題がより顕著になり、例えば連続動作時間を制限する等のように、使い勝手の低下に繋がる対策を講ずる必要が生ずる可能性もある。
これに対して前述の特許文献3には、放射線検出器の一部を構成するアモルファスセレンの構造変化(結晶化)を抑制することを目的として、放射線検出器を冷却する手段をカセッテ内に配設することが提案されているものの、この場合、放射線撮像装置の構成が複雑になったり、冷却手段の構成によっては放射線撮像装置の消費電力の増大を招いたりしてしまうという問題がある。また、前述の特許文献1,2,4に記載の技術は、放射線検出器の放熱や冷却については、あまり考慮されていない。
そこで、この問題を解決するために、特許文献1や特許文献4に開示されている技術を応用して、制御部および電源部を収容する制御ユニットと、放射線検出パネルを収容するパネルユニットと、を別体で構成し、連結部材により、制御ユニットおよびパネルユニットの各々の一端部を、制御ユニットの一方の面とパネルユニットの一方の面が対向する閉状態、および制御ユニットの一方の面とパネルユニットの一方の面が側方に並び、かつ略同一の方向を向く開状態の2つの状態となるように回動可能に連結する技術が考えられる。
しかしながら、この場合、開状態とされている場合に、パネルユニットの他方の面(下方を向く面)が制御ユニットの他方の面(下方を向く面)より上方に位置されてしまう場合があり、この場合で被検者を放射線撮像装置の上部に載せた状態で撮像を行う場合には、被検者による荷重によってパネルユニットが歪んでしまう結果、撮像によって得られた画像が歪んだものとなってしまったり、さらには放射線検出パネルが破壊されてしまったりする場合がある、という新たな問題が生じる。
すなわち、放射線検出パネルは、液晶ディスプレイと同様にガラス基板に形成することができ、比較的薄くすることができる。一方、制御部に用いられるインダクタンスやコイルなどの回路素子や電源部に用いられるバッテリ等は、その高さが放射線検出パネルに比較して高い場合が多い。この場合、制御ユニットに比較してパネルユニットの方が薄くなる結果、パネルユニットの下面が制御ユニットの下面より上方に位置されてしまう可能性が高い。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、放射線検出パネルの温度上昇を抑制しつつ、撮像によって得られた画像の品質の劣化や放射線検出パネルの破壊を防止することのできる放射線撮像装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の放射線撮像装置は、制御部および電源部を収容する平板状に構成された制御ユニットと、放射線検出パネルを収容する平板状に構成されたパネルユニットと、前記制御ユニットおよび前記パネルユニットの各々の一端部を、前記制御ユニットの一方の面と前記パネルユニットの放射線が入射される入射面の反対側の面とが対向する閉状態、および前記制御ユニットの一方の面と前記パネルユニットの前記反対側の面とが同一平面上で側方に並ぶ開状態の2つの状態となるように回動可能に連結する連結部材と、を備えている。
請求項1記載の放射線撮像装置は、平板状に構成された制御ユニットにより、制御部および電源部が収容される一方、平板状に構成されたパネルユニットにより、放射線検出パネルが収容される。
ここで、本発明では、連結部材により、前記制御ユニットおよび前記パネルユニットの各々の一端部が、前記制御ユニットの一方の面と前記パネルユニットの放射線が入射される入射面の反対側の面とが対向する閉状態、および前記制御ユニットの一方の面と前記パネルユニットの前記反対側の面とが同一平面上で側方に並ぶ開状態の2つの状態となるように回動可能に連結される。
すなわち、本発明では、大きな発熱源となる制御部および電源部を制御ユニットに収容すると共に、放射線検出パネルをパネルユニットに収容し、連結部材により、制御ユニットおよびパネルユニットの一端部を回動可能に連結することにより、制御部および電源部と、放射線検出パネルとの熱結合を弱くすることができる結果、放射線検出パネルの温度上昇を抑制することができるようにしている。
また、本発明では、連結部材により、制御ユニットおよびパネルユニットの各々の一端部を、制御ユニットの一方の面とパネルユニットの放射線が入射される入射面の反対側の面とが対向する閉状態、および制御ユニットの一方の面とパネルユニットの前記反対側の面とが同一平面上で側方に並ぶ開状態の2つの状態となるように連結しているため、開状態で放射線画像の撮像を行う際には、パネルユニットの前記入射面が撮影対象側を向く状態、すなわち放射線撮像装置を裏返した状態で撮影を行うこととなり、この場合、制御ユニットおよびパネルユニットの双方の下面が同一平面上に位置されるため、パネルユニットの下面が制御ユニットの下面より上方に位置されてしまうことがなくなる結果、パネルユニットの歪みに起因する撮像画像の品質の劣化や放射線検出パネルの破壊を防止することができるようにしている。
なお、本発明において、閉状態で放射線画像の撮像を行う際には、制御ユニットの上にパネルユニットが重ね合わされた状態で撮像を行うことになるため、パネルユニットが歪むことはない。
このように、請求項1に記載の放射線撮像装置によれば、平板状に構成された制御ユニットにより制御部および電源部を収容すると共に、平板状に構成されたパネルユニットにより放射線検出パネルを収容し、前記制御ユニットおよび前記パネルユニットの各々の一端部を、連結部材により、前記制御ユニットの一方の面と前記パネルユニットの放射線が入射される入射面の反対側の面とが対向する閉状態、および前記制御ユニットの一方の面と前記パネルユニットの前記反対側の面とが同一平面上で側方に並ぶ開状態の2つの状態となるように回動可能に連結しているので、放射線検出パネルの温度上昇を抑制しつつ、撮像によって得られた画像の品質の劣化や放射線検出パネルの破壊を防止することができる。
なお、本発明は、請求項2に記載の発明のように、前記パネルユニットが、前記入射面の反対側の面と前記放射線検出パネルとの間に、撮像時におけるバック散乱を防止する平板状の鉛をさらに収容してもよい。これにより、撮像時におけるバック散乱を防止することができる。
また、本発明は、請求項3に記載の発明のように、前記パネルユニットが、前記入射面と前記放射線検出パネルとの間に、撮像時における撮像対象による放射線の散乱線を除去する平板状のグリッドをさらに収容してもよい。これにより、撮像時における被検者による放射線の散乱線を除去することができる。
また、本発明は、請求項4に記載の発明のように、前記制御ユニットが、前記一方の面の反対側の面に操作部および表示部の少なくとも一方を有していてもよい。
また、本発明は、請求項5に記載の発明のように、前記制御ユニットおよび前記パネルユニットが前記閉状態および前記開状態の何れの状態とされているかを検出する検出手段をさらに備え、前記制御部が、前記検出手段によって前記閉状態とされていることが検出された場合に静止画撮影を行うように制御し、前記検出手段によって前記開状態とされていることが検出された場合に動画撮影を行うように制御してもよい。これにより、静止画撮影時には、パネルユニットと制御ユニットとを重ね合わせた状態で撮影を行うことができる結果、放射線検出パネルの破壊を防止することができる一方、動画撮影時には、表面積を広くすることができる結果、動画撮影による、静止画撮影時より高い発熱に対する放熱効果を向上させることができる。
また、本発明は、請求項6に記載の発明のように、前記放射線検出パネルが、放射線が照射されることにより電荷が発生する電荷発生層と当該電荷発生層に発生した電荷を蓄積すると共に当該電荷を読み出すためのスイッチ素子が形成された基板とが積層され、前記電荷発生層が前記パネルユニットの前記入射面側となるように当該パネルユニットに内蔵されていてもよい。
また、本発明は、請求項7に記載の発明のように、前記連結部材の内部に前記放射線検出パネルから出力された電気信号を増幅する増幅回路、および当該増幅回路で増幅された電気信号をデジタルの画像データに変換するアナログ/デジタル変換器の少なくとも一方が設けられていてもよい。これにより、上記増幅回路およびアナログ/デジタル変換器の少なくとも一方の冷却効果を高めることができると共に、制御ユニットおよびパネルユニットに対して上記増幅回路およびアナログ/デジタル変換器の少なくとも一方を設けるための領域を確保する必要がなくなる。
また、本発明は、請求項8に記載の発明のように、前記制御ユニットに、外部装置と無線通信を行う無線通信部が設けられていてもよい。これにより、無線通信で用いられるアンテナを被検者から離間させることができる結果、電波障害の発生を抑制することができる。
また、本発明は、請求項9に記載の発明のように、前記制御ユニットが、表面が凹凸状に形成されていてもよい。これにより、制御ユニットの表面積を広くすることができる結果、放熱効果を向上させることができる。
また、本発明は、請求項10に記載の発明のように、前記パネルユニットが、前記制御ユニットより厚さが薄いものとしてもよい。これにより、放射線検出パネルの破壊を防止する効果を、より享受することができる。
さらに、本発明は、請求項11に記載の発明のように、前記パネルユニットが、前記制御ユニットより厚さが厚いか、または厚さが略等しいものとしてもよい。パネルユニットが制御ユニットより厚さが厚くされている場合は、開状態で放射線画像の撮影を行う場合に、発熱源となる制御ユニットに人体を接しないようにすることができ、パネルユニットと制御ユニットとの厚さが略等しい場合は、開状態で放射線画像の撮影を行う場合に、人体がパネルユニットと制御ユニットにまたがって載っても違和感をなくすることができる。
また、本発明は、請求項12に記載の発明のように、前記放射線検出パネルが、放射線を光に変換するシンチレータで放射線を光に変換し、当該光により表わされる放射線画像を示す電気信号を出力するものとし、前記シンチレータが、蛍光体材料の柱状結晶を含んで構成されてもよい。
また、本発明は、請求項13に記載の発明のように、前記蛍光体材料を、CsIすることが好ましい。
本発明の放射線撮像装置によれば、平板状に構成された制御ユニットにより制御部および電源部を収容すると共に、平板状に構成されたパネルユニットにより放射線検出パネルを収容し、前記制御ユニットおよび前記パネルユニットの各々の一端部を、連結部材により、前記制御ユニットの一方の面と前記パネルユニットの放射線が入射される入射面の反対側の面とが対向する閉状態、および前記制御ユニットの一方の面と前記パネルユニットの前記反対側の面とが同一平面上で側方に並ぶ開状態の2つの状態となるように回動可能に連結しているので、放射線検出パネルの温度上昇を抑制しつつ、撮像によって得られた画像の品質の劣化や放射線検出パネルの破壊を防止することができる、という効果が得られる。
実施の形態に係る電子カセッテの構成を示す斜視図(閉状態時)である。 実施の形態に係る電子カセッテの構成を示す斜視図(開状態時)である。 実施の形態に係る電子カセッテの構成を示す断面側面図(閉状態時)である。 実施の形態に係る電子カセッテにおけるヒンジ内での接続配線の構成を示す斜視図である。 実施の形態に係る放射線検出パネルの構成を示す断面図である。 実施の形態に係る放射線検出器のスイッチ素子の構成を概略的に示した断面図である。 実施の形態に係る放射線検出パネルの構成を示す回路図である。 実施の形態に係る制御部の電気系の構成を示すブロック図である。 実施の形態に係る電子カセッテの閉状態で撮影を行う際の各部の配置状態を示す断面図である。 実施の形態に係る電子カセッテの開状態で撮影を行う際の各部の配置状態を示す断面図である。 他の形態に係る電子カセッテの構成を示す断面側面図(閉状態時)である。 他の形態に係る電子カセッテにおけるヒンジ内に集積回路を設けた構成を示す断面図である。 他の形態に係る電子カセッテにおけるヒンジの近傍に集積回路を設けた構成を示す断面図である。 他の形態に係る直接変換方式の放射線検出パネルの構成を示す断面図である。 他の形態に係る電子カセッテの構成を示す図であり、(A)は閉状態時の側面図で、(B)は開状態時で、かつ裏返し時の側面図である。 他の形態に係る電子カセッテの構成を示す開状態時で、かつ裏返し時の側面図である。 他の形態に係る電子カセッテの制御ユニットの表面の形状を示す側面図である。 放射線検出器への放射線の表面読取方式と裏面読取方式を説明するための断面側面図である。 放射線検出パネルを表面読取方式で配置する際の構成の一例を断面図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
図1および図2には、本実施の形態に係る電子カセッテ10の構成を示す斜視図が示されている。
図1に示すように、電子カセッテ10は、後述する放射線検出パネル20(図3参照。)が収容され、照射された放射線による放射線画像を撮像する平板状のパネルユニット12と、放射線検出パネル20の撮像動作を制御する後述する制御部50(図3参照。)が収容された平板状の制御ユニット14と、を備えており、各々の一端部がヒンジ16によって連結されている。
パネルユニット12および制御ユニット14は、一方に対して他方がヒンジ16を回動中心として回動することにより、パネルユニット12と制御ユニット14とが並んだ開状態(図2に示す状態)と、パネルユニット12と制御ユニット14とが重なり合って折り畳まれた閉状態(図1に示す状態)となるように開閉可能とされている。
図1に示すように、本実施の形態に係る電子カセッテ10は、閉状態とされている際には、パネルユニット12の一方の面と制御ユニット14の一方の面とが対向する状態とされ、図2に示すように、開状態とされている際には、パネルユニット12の上記一方の面と制御ユニット14の上記一方の面とが同一平面上で側方に並ぶ状態とされる。
すなわち、本実施の形態に係る電子カセッテ10では、図2(A)に示されるように、開状態とされている場合において、パネルユニット12と制御ユニット14の上面の段差がなくなるように構成されている。また、本実施の形態に係る電子カセッテ10では、図1および図2に示されるように、パネルユニット12が制御ユニット14より厚さが薄くされている。
制御ユニット14には、電子カセッテ10を移動させる際に把持される取手98が設けられている。なお、本実施の形態に係る電子カセッテ10では、取手98が制御ユニット14におけるヒンジ16が設けられている側壁とは反対側の側壁の中央部に設けられているが、これに限らず、例えば、当該側壁を除くヒンジ16が設けられていない何れかの側壁の中央部や、これらの側壁の中央部より電子カセッテ10の重心位置の偏りを考慮した距離だけ偏倚した位置等、他の位置に設けてもよいことは言うまでもない。
本実施の形態に係る電子カセッテ10は、閉状態とされている場合は、放射線が照射される照射面18Aを被検者の方向に向けた状態で放射線画像の撮影を行うが、開状態とされている場合にも、照射面18Aを被検者の方向に向けた状態、すなわち、図2(B)に示すように、電子カセッテ10を裏返した状態で放射線画像の撮影を行う。
ここで、本実施の形態に係る電子カセッテ10は、制御ユニット14のパネルユニット12に対向する面の反対側の面、すなわち、図2(B)に示すように裏返して設置した際に露出される面に、画像等を表示可能な表示デバイスを備えた表示部82と、十字キーやテンキーなどの各種ボタンを備えた操作部84とが設けられている。
図3には、本実施の形態に係る電子カセッテ10の閉状態時における断面側面図が示されている。
同図に示すように、本実施の形態に係るパネルユニット12には、照射された放射線により表わされる放射線画像を撮像し、撮像した放射線画像を示す電気信号を出力する放射線検出パネル20が収容されている。また、本実施の形態に係る制御ユニット14には、放射線検出パネル20の撮像動作を制御する制御部50と、制御部50等に対して駆動用の電力を供給する電源部70とが収容されている。
ここで、放射線検出パネル20と制御部50とは、ヒンジ16を介して設けられた接続配線44により電気的に接続されている。
また、ヒンジ16には、パネルユニット12と制御ユニット14との開閉状態を検出する開閉センサ45が設けられている。この開閉センサ45は、例えば、磁石とホールセンサの組み合わせにより、パネルユニット12と制御ユニット14との開閉による磁界の変化を検出することにより上記開閉状態を検出してもよく、また、パネルユニット12と制御ユニット14との間の開閉角度を検出する角度センサを用いて上記開閉状態を検出してもよく、さらに、パネルユニット12と制御ユニット14との開閉状態によってオン状態およびオフ状態の組み合わせが変わるように配置された複数のメカニカル・スイッチを用いて上記開閉状態を検出してもよい。
このように、パネルユニット12と制御ユニット14とは、ヒンジ16によって開閉可能とされているので、接続配線44のヒンジ16部分には絶えず折り曲げ、あるいは屈曲応力が加わり、断線や破損が発生しやすくなる。このため、本実施の形態に係る電子カセッテ10では、接続配線44を、平面視クランク状のフレキシブルなプリント基板等によりに形成し、一例として図4に示すように、パネルユニット12と制御ユニット14とを開閉可能に支持するヒンジ16の回転軸16Aに接続配線44の中間部を複数回巻いて円筒部44Aを形成した後、その外周にテープを巻いて円筒部44Aを保持固定する。そして、接続配線44の円筒部44Aの両側をそれぞれ回転軸16Aに対して余裕を持たせてゼンマイ状に複数回巻いて、パネルユニット12および制御ユニット14に向けて引き出している。
これにより、パネルユニット12および制御ユニット14を開閉させると、回転軸16Aに沿って接続配線44が回転するが、接続配線44の円筒部44Aの両側が回転軸16Aに対して余裕を持たせて巻かれているので、パネルユニット12および制御ユニット14の開閉に極めて柔軟に追随し、接続配線44が破損することがない。
次に、図5〜図7を参照して、本実施の形態に係る放射線検出パネル20の構成を説明する。
図5に示すように、本実施の形態に係る放射線検出パネル20は、絶縁性基板22に薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)等のスイッチ素子24が形成されたTFT基板26を備えている。
このTFT基板26上には、入射される放射線を変換する放射線変換層の一例として、入射される放射線を光に変換するシンチレータ層28が形成されている。
シンチレータ層28としては、例えば、CsI:Tl、GOS(GdS:Tb)を用いることができる。なお、シンチレータ層28は、これらの材料に限られるものではない。また、絶縁性基板22としては、例えば、ガラス基板、各種セラミック基板、樹脂基板を用いることができる。なお、絶縁性基板22も、これらの材料に限られるものではない。
シンチレータ層28が発する光の波長域は、可視光域(波長360nm〜830nm)であることが好ましく、この放射線検出パネル20によってモノクロ撮像を可能とするためには、緑色の波長域を含んでいることがより好ましい。
シンチレータ層28に用いる蛍光体としては、具体的には、放射線としてX線を用いて撮像する場合、ヨウ化セシウム(CsI)を含むものが好ましく、X線照射時の発光スペクトルが420nm〜600nmにあるCsI(Tl)を用いることが特に好ましい。なお、CsI(Tl)の可視光域における発光ピーク波長は565nmである。
シンチレータ層28は、例えば、CsI(Tl)等の柱状結晶で形成しようとする場合、蒸着基板への蒸着によって形成されてもよい。このように蒸着によってシンチレータ層28を形成する場合、蒸着基板は、X線の透過率、コストの面からAlの板がよく使用されるがこれに限定されるものではない。なお、シンチレータ層28としてGOSを用いる場合、蒸着基板を用いずにTFT基板26の表面にGOSを塗布することにより、シンチレータ層28を形成してもよい。
シンチレータ層28とTFT基板26との間には、シンチレータ層28によって変換された光が入射されることにより電荷を発生する光導電層30が配置されている。この光導電層30のシンチレータ層28側の表面には、光導電層30にバイアス電圧を印加するためのバイアス電極32が形成されている。
光導電層30は、シンチレータ層28から発せられた光を吸収し、吸収した光に応じた電荷を発生する。光導電層30は、光が照射されることにより電荷を発生する材料により形成すればよく、例えば、アモルファスシリコンや有機光電変換材料などにより形成することができる。アモルファスシリコンを含む光導電層30であれば、幅広い吸収スペクトルを持ち、シンチレータ層28による発光を吸収することができる。有機光電変換材料を含む光導電層30であれば、可視域にシャープな吸収スペクトルを持ち、シンチレータ層28による発光以外の電磁波が光導電層30に吸収されることがほとんどなく、X線等の放射線が光導電層30で吸収されることによって発生するノイズを効果的に抑制することができる。
光導電層30を構成する有機光電変換材料は、シンチレータ層28で発光した光を最も効率良く吸収するために、その吸収ピーク波長が、シンチレータ層28の発光ピーク波長と近いほど好ましい。有機光電変換材料の吸収ピーク波長とシンチレータ層28の発光ピーク波長とが一致することが理想的であるが、双方の差が小さければシンチレータ層28から発された光を十分に吸収することが可能である。具体的には、有機光電変換材料の吸収ピーク波長と、シンチレータ層28の放射線に対する発光ピーク波長との差が、10nm以内であることが好ましく、5nm以内であることがより好ましい。
このような条件を満たすことが可能な有機光電変換材料としては、例えばキナクリドン系有機化合物及びフタロシアニン系有機化合物が挙げられる。例えばキナクリドンの可視域における吸収ピーク波長は560nmであるため、有機光電変換材料としてキナクリドンを用い、シンチレータ層28の材料としてCsI(Tl)を用いれば、上記ピーク波長の差を5nm以内にすることが可能となり、光導電層30で発生する電荷量をほぼ最大にすることができる。
一方、TFT基板26には、光導電層30で発生した電荷を収集する電荷収集電極34が形成されている。TFT基板26では、各電荷収集電極34で収集された電荷が、スイッチ素子24によって読み出される。
次に、本実施の形態に係る放射線検出パネル20に適用可能な光導電層30について具体的に説明する。
本発明に係る放射線検出パネル20における電磁波吸収/光電変換部位は、1対の電荷収集電極34,バイアス電極32と、該電荷収集電極34,バイアス電極32間に挟まれた有機光導電層30を含む有機層により構成することができる。この有機層は、より具体的には、電磁波を吸収する部位、光電変換部位、電子輸送部位、正孔輸送部位、電子ブロッキング部位、正孔ブロッキング部位、結晶化防止部位、電極、及び層間接触改良部位等の積み重ねもしくは混合により形成することができる。
上記有機層は、有機p型化合物または有機n型化合物を含有することが好ましい。
有機p型半導体(化合物)は、主に正孔輸送性有機化合物に代表されるドナー性有機半導体(化合物)であり、電子を供与しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物をいう。したがって、ドナー性有機化合物としては、電子供与性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。
有機n型半導体(化合物)は、主に電子輸送性有機化合物に代表されるアクセプター性有機半導体(化合物)であり、電子を受容しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物をいう。したがって、アクセプター性有機化合物は、電子受容性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。
この有機p型半導体及び有機n型半導体として適用可能な材料、及び光導電層30の構成については、特開2009−32854号公報において詳細に説明されているため説明を省略する。なお、光導電層30は、さらにフラーレン若しくはカーボンナノチューブを含有させて形成してもよい。
各画素部を構成するセンサ部37は、少なくとも電荷収集電極34、光導電層30、及びバイアス電極32を含んでいればよいが、暗電流の増加を抑制するため、電子ブロッキング膜及び正孔ブロッキング膜の少なくともいずれかを設けることが好ましく、両方を設けることがより好ましい。
電子ブロッキング膜は、電荷収集電極34と光導電層30との間に設けることができ、電荷収集電極34とバイアス電極32間にバイアス電圧を印加したときに、電荷収集電極34から光導電層30に電子が注入されて暗電流が増加してしまうのを抑制することができる。
電子ブロッキング膜には、電子供与性有機材料を用いることができる。
実際に電子ブロッキング膜に用いる材料は、隣接する電極の材料および隣接する光導電層30の材料等に応じて選択すればよく、隣接する電極の材料の仕事関数(Wf)より1.3eV以上電子親和力(Ea)が大きく、かつ、隣接する光導電層30の材料のイオン化ポテンシャル(Ip)と同等のIpもしくはそれより小さいIpを持つものが好ましい。この電子供与性有機材料として適用可能な材料については、特開2009−32854号公報において詳細に説明されているため説明を省略する。
電子ブロッキング膜の厚みは、暗電流抑制効果を確実に発揮させるとともに、センサ部37の光電変換効率の低下を防ぐため、10nm以上200nm以下が好ましく、さらに好ましくは30nm以上150nm以下、特に好ましくは50nm以上100nm以下である。
正孔ブロッキング膜は、光導電層30とバイアス電極32との間に設けることができ、電荷収集電極34とバイアス電極32間にバイアス電圧を印加したときに、バイアス電極32から光導電層30に正孔が注入されて暗電流が増加してしまうのを抑制することができる。
正孔ブロッキング膜には、電子受容性有機材料を用いることができる。
正孔ブロッキング膜の厚みは、暗電流抑制効果を確実に発揮させるとともに、センサ部37の光電変換効率の低下を防ぐため、10nm以上200nm以下が好ましく、さらに好ましくは30nm以上150nm以下、特に好ましくは50nm以上100nm以下である。
実際に正孔ブロッキング膜に用いる材料は、隣接する電極の材料および隣接する光導電層30の材料等に応じて選択すればよく、隣接する電極の材料の仕事関数(Wf)より1.3eV以上イオン化ポテンシャル(Ip)が大きく、かつ、隣接する光導電層30の材料の電子親和力(Ea)と同等のEaもしくはそれより大きいEaを持つものが好ましい。この電子受容性有機材料として適用可能な材料については、特開2009−32854号公報において詳細に説明されているため説明を省略する。
なお、光導電層30で発生した電荷のうち、正孔がバイアス電極32に移動し、電子が電荷収集電極34に移動するようにバイアス電圧を設定する場合には、電子ブロッキング膜と正孔ブロッキング膜の位置を逆にすれば良い。又、電子ブロッキング膜と正孔ブロッキング膜は両方設けなくてもよく、いずれかを設けておけば、ある程度の暗電流抑制効果を得ることができる。
図6には、スイッチング素子24の構成が概略的に示されている。
電荷収集電極34に対応して、電荷収集電極34に移動した電荷を電気信号に変換して出力するスイッチング素子24が形成されている。スイッチング素子24の形成された領域は、平面視において電荷収集電極34と重なる部分を有しており、このような構成とすることで、各画素部におけるスイッチング素子24とセンサ部37とが厚さ方向で重なりを有することとなる。なお、放射線検出パネル20(画素部)の平面積を最小にするために、スイッチング素子24の形成された領域が電荷収集電極34によって完全に覆われていることが望ましい。
スイッチング素子24は、ゲート電極220、ゲート絶縁膜222、及び活性層(チャネル層)224が積層され、さらに、活性層224上にソース電極226とドレイン電極228が所定の間隔を開けて形成されている。
ドレイン電極228は、絶縁性基板22と電荷収集電極34との間に設けられた絶縁膜219を貫通して形成された導電性材料の配線を介して対応する電荷収集電極34と電気的に接続されている。これにより、電荷収集電極34で捕集された電荷をスイッチング素子24に移動させることができる。
活性層224は、例えば、アモルファスシリコンや非晶質酸化物、有機半導体材料、カーボンナノチューブなどにより形成することができる。なお、活性層224を構成する材料は、これらに限定されるものではない。
活性層224を構成可能な非晶質酸化物としては、In、Ga及びZnのうちの少なくとも1つを含む酸化物(例えばIn−O系)が好ましく、In、Ga及びZnのうちの少なくとも2つを含む酸化物(例えばIn−Zn−O系、In−Ga−O系、Ga−Zn−O系)がより好ましく、In、Ga及びZnを含む酸化物が特に好ましい。In−Ga−Zn−O系非晶質酸化物としては、結晶状態における組成がInGaO(ZnO)(mは6未満の自然数)で表される非晶質酸化物が好ましく、特に、InGaZnOがより好ましい。なお、活性層224を構成可能な非晶質酸化物は、これらに限定されるものではない。
活性層224を構成可能な有機半導体材料としては、フタロシアニン化合物や、ペンタセン、バナジルフタロシアニン等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。なお、フタロシアニン化合物の構成については、特開2009−212389号公報において詳細に説明されているため説明を省略する。
スイッチング素子24の活性層224を非晶質酸化物や有機半導体材料、カーボンナノチューブで形成したものとすれば、X線等の放射線を吸収せず、あるいは吸収したとしても極めて微量に留まるため、スイッチング素子24におけるノイズの発生を効果的に抑制することができる。
また、活性層224をカーボンナノチューブで形成した場合、スイッチング素子24のスイッチング速度を高速化することができ、また、可視光域での光の吸収度合の低いスイッチング素子24を形成できる。なお、カーボンナノチューブで活性層224を形成する場合、活性層224に極微量の金属性不純物が混入するだけで、スイッチング素子24の性能は著しく低下するため、遠心分離などにより極めて高純度のカーボンナノチューブを分離・抽出して形成する必要がある。
ここで、上述した非晶質酸化物、有機半導体材料、カーボンナノチューブや、有機光電変換材料は、いずれも低温での成膜が可能である。従って、絶縁性基板22としては、半導体基板、石英基板、及びガラス基板等の耐熱性の高い基板に限定されず、プラスチック等の可撓性基板、アラミド、バイオナノファイバを用いることもできる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の可撓性基板を用いることができる。このようなプラスチック製の可撓性基板を用いれば、軽量化を図ることもでき、例えば持ち運び等に有利となる。
また、基板22には、絶縁性を確保するための絶縁層、水分や酸素の透過を防止するためのガスバリア層、平坦性あるいは電極等との密着性を向上するためのアンダーコート層等を設けてもよい。
アラミドは、200度以上の高温プロセスを適用できるために,透明電極材料を高温硬化させて低抵抗化でき、また、ハンダのリフロー工程を含むドライバICの自動実装にも対応できる。また、アラミドは、ITO(indium tin oxide)やガラス基板と熱膨張係数が近いため、製造後の反りが少なく、割れにくい。また、アラミドは、ガラス基板等と比べて薄く基板を形成できる。なお、超薄型ガラス基板とアラミドを積層して絶縁性基板22を形成してもよい。
バイオナノファイバは、バクテリア(酢酸菌、Acetobacter Xylinum)が産出するセルロースミクロフィブリル束(バクテリアセルロース)と透明樹脂との複合したものである。セルロースミクロフィブリル束は、幅50nmと可視光波長に対して1/10のサイズで、かつ、高強度、高弾性、低熱膨である。バクテリアセルロースにアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の透明樹脂を含浸・硬化させることで、繊維を60−70%も含有しながら、波長500nmで約90%の光透過率を示すバイオナノファイバが得られる。バイオナノファイバは、シリコン結晶に匹敵する低い熱膨張係数(3−7ppm)を有し、鋼鉄並の強度(460MPa)、高弾性(30GPa)で、かつフレキシブルであることから、ガラス基板等と比べて薄く絶縁性基板22を形成できる。
本実施の形態では、絶縁性基板22上に、スイッチング素子24、センサ部37、透明な平坦化層38を順に形成し、当該絶縁性基板22上に光吸収性の低い接着樹脂等を用いた接着層39でシンチレータ層28を貼り付けることにより放射線検出パネル20を形成している。以下、透明絶縁膜206まで形成された絶縁性基板22をTFT基板26と称する。
センサ部37は、図7に示すように、TFT基板26に二次元状に配置されており、それに対応して、スイッチ素子24が、絶縁性基板22に2次元状に配置されている。
また、TFT基板26には、一定方向(行方向)に延設され各スイッチ素子24をオン・オフさせるための複数本のゲート配線40と、ゲート配線40と直交する方向(列方向)に延設されオン状態のスイッチ素子24を介して電荷を読み出すための複数本のデータ配線42が設けられている。
なお、TFT基板26には、TFT基板26上を平坦化するための平坦化層38が形成されている。また、TFT基板26とシンチレータ層28との間であって、平坦化層38上には、シンチレータ層28をTFT基板26に接着するための接着層39が形成されている。
TFT基板26は、平面視において外縁に4辺を有する四辺形状をしている。具体的には、矩形状に形成されている。平面視におけるTFT基板26の周端部には、1辺において、個々のゲート配線40および個々のデータ配線42が接続された接続端子43が配置されている。この接続端子43は、接続配線44を介して制御部50に接続される。
図8には、本実施の形態に係る制御部50の電気系の概略構成を示すブロック図が示されている。
同図に示すように、制御部50は、ゲート線ドライバ52と、信号処理部54と、画像メモリ56と、カセッテ制御部58と、無線通信部60とを備えている。
各スイッチ素子24(図5,図7も参照。)は、ゲート線ドライバ52からゲート配線40を介して供給される信号により行単位で順にオンされ、オン状態とされたスイッチ素子24によって読み出された電荷は、電気信号としてデータ配線42を伝送されて信号処理部54に入力される。これにより、電荷は行単位で順に読み出され、二次元状の放射線画像が取得可能となる。
図示は省略するが、信号処理部54は、個々のデータ配線42毎に、入力される電気信号を増幅する増幅回路およびサンプルホールド回路を備えており、個々のデータ配線42を伝送された電気信号は増幅回路で増幅された後にサンプルホールド回路に保持される。また、サンプルホールド回路の出力側にはマルチプレクサ、A/D(アナログ/デジタル)変換器が順に接続されており、個々のサンプルホールド回路に保持された電気信号はマルチプレクサに順に(シリアルに)入力され、A/D変換器によってデジタルの画像データへ変換される。
信号処理部54には画像メモリ56が接続されており、信号処理部54のA/D変換器から出力された画像データは画像メモリ56に順に記憶される。画像メモリ56は所定枚分の画像データを記憶可能な記憶容量を有しており、放射線画像の撮影が行われる毎に、撮影によって得られた画像データが画像メモリ56に順次記憶される。
画像メモリ56はカセッテ制御部58と接続されている。カセッテ制御部58はマイクロコンピュータによって構成され、CPU(中央処理装置)58A、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含むメモリ58B、フラッシュメモリ等からなる不揮発性の記憶部58Cを備えており、電子カセッテ10全体の動作を制御する。
また、カセッテ制御部58には無線通信部60が接続されている。無線通信部60は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a/b/g/n等に代表される無線LAN(Local Area Network)規格に対応しており、無線通信による外部機器との間での各種情報の伝送を制御する。カセッテ制御部58は、無線通信部60を介して、コンソールなどの放射線撮影全体を制御する外部装置と無線通信が可能とされており、コンソールとの間で各種情報の送受信が可能とされている。カセッテ制御部58は、コンソールから無線通信部60を介して受信される撮影条件や患者情報などの各種情報を記憶し、撮影条件に基づいて電荷の読み出しを開始する。
また、カセッテ制御部58は、表示部82、操作部84、開閉センサ45が各々接続されており、表示部82への各種情報の表示を制御すると共に、操作部84に対する操作内容、およびパネルユニット12と制御ユニット14との開閉状態を把握することができる。
また、電子カセッテ10には、上述したように電源部70が設けられており、上述した各種回路や各素子(表示部82、操作部84、開閉センサ45、ゲート線ドライバ52、信号処理部54、画像メモリ56、無線通信部60やカセッテ制御部58として機能するマイクロコンピュータ等)は、電源部70から供給された電力によって作動する。電源部70は、電子カセッテ10の可搬性を損なわないように、バッテリ(充電可能な二次電池)を内蔵しており、充電されたバッテリから各種回路・素子へ電力を供給する。なお、図8では、電源部70と各種回路や各素子を接続する配線を省略している。
次に、本実施の形態に係る電子カセッテ10の作用を説明する。
電子カセッテ10は、図1および図3に示すようにパネルユニット12と制御ユニット14とが重なり合って折り畳まれた閉状態で搬送される。
一方、電子カセッテ10は、放射線画像を撮影する際、図2(A)に示すようにパネルユニット12と制御ユニット14とが並んだ開状態とされた後、図2(B)に示すように裏返される。また、電子カセッテ10は、コンソールから無線通信部60を介して患者情報を受信する。カセッテ制御部58は、患者情報が受信されると、当該患者情報に基づく患者に関する情報(例えば、患者の氏名やID(Identification))を表示部82に表示するように制御する。このように、本実施の形態に係る電子カセッテ10は、表示部82に氏名やIDが表示されるので、例えば撮影技師が患者本人に対して氏名を確認し、確認した氏名を上記画面に表示されている氏名と照合すること等により、撮影を行う患者の取り違いがないか否かを確実に確認することができる。
また、本実施の形態に係る電子カセッテ10は、閉状態において静止画像の撮影が可能とされ、開状態において動画像の撮影が可能とされている。
撮影技師は、患者の確認を終了した後、静止画像の撮影を行う場合は、電子カセッテ10を図9に示すように閉状態として放射線を発生する放射線発生装置80と間隔を空けて配置し、照射面18A上に患者の撮影対象部位Bを配置する。一方、動画像の撮影を行う場合には、電子カセッテ10を図10に示すように開状態とすると共に裏返し、放射線発生装置80と間隔を空けて配置した後、照射面18A上に患者の撮影対象部位Bを配置する。
カセッテ制御部58は、開閉センサ45による検出結果に基づいてパネルユニット12と制御ユニット14との開閉状態を把握しており、閉状態とされている場合は静止画像の撮影が可能な静止画撮影モードとなり、開状態とされている場合は動画像の撮影が可能な動画撮影モードとなる。カセッテ制御部58は、無線通信部60を介してコンソールへ撮影モードを通知する。
コンソールでは、通知された撮影モードに応じた撮影条件の設定が可能となり、撮影技師により撮影条件が設定される。コンソールは、撮影条件の設定が完了すると、設定された撮影条件を示す撮影条件情報を電子カセッテ10へ無線通信で送信する。
撮影技師は、撮影条件の設定完了後、コンソールに対して撮影開始を指示する指示操作を行う。これにより予め与えられた撮影条件等に応じた放射線量の放射線が放射線発生装置80から射出される。放射線発生装置80から射出された放射線Xは、撮影対象部位Bを透過することで画像情報を担持した後に電子カセッテ10に照射される。
放射線発生装置80から照射された放射線Xは、撮影対象部位Bを透過した後に電子カセッテ10に到達する。これにより、電子カセッテ10に内蔵された放射線検出パネル20の各電荷収集電極34には照射された放射線Xの線量に応じた電荷が収集されて蓄積される。
カセッテ制御部58は、ゲート線ドライバ52を制御してゲート線ドライバ52から1ラインずつ順に各ゲート配線40にオン信号を出力させ、各ゲート配線40に接続された各スイッチ素子24を1ラインずつ順にオンさせる。これにより、1ラインずつ順に各電荷収集電極34に蓄積された電荷が電気信号として各データ配線42に流れ出す。各データ配線42に流れ出した電気信号は信号処理部54に入力され、デジタルの画像情報へ変換されて、画像メモリ56に記憶される。
カセッテ制御部58は、静止画撮影モードとされている場合は、1フレーム分(1枚分)の画像情報の読み出しが終了すると、当該読み出しを終了して画像メモリ56に記憶された画像情報をコンソールへ送信する一方、動画撮影モードとされている場合には、画像情報の読み出しを繰り返し行いつつ、画像メモリ56に記憶された画像情報を随時コンソールへ送信する。
このように、本実施の形態に係る電子カセッテ10では、大きな発熱源となる制御部50および電源部70を制御ユニット14に収容すると共に、放射線検出パネル20をパネルユニット12に収容し、ヒンジ16により、制御ユニット14およびパネルユニット12の一端部を回動可能に連結しているので、制御部50および電源部70と、放射線検出パネル20との熱結合を弱くすることができる結果、放射線検出パネル20の温度上昇を抑制することができる。
また、本実施の形態に係る電子カセッテ10では、ヒンジ16により、制御ユニット14およびパネルユニット12の各々の一端部を、制御ユニット14の一方の面とパネルユニット12の放射線が入射される入射面(照射面18A)の反対側の面とが対向する閉状態、および制御ユニット14の一方の面とパネルユニット12の前記反対側の面とが同一平面上で側方に並ぶ開状態の2つの状態となるように連結しているため、開状態で放射線画像の撮像を行う際には、パネルユニット12の前記入射面が撮影対象側を向く状態、すなわち電子カセッテ10を裏返した状態で撮影を行うこととなり、この場合、制御ユニット14およびパネルユニット12の双方の下面が同一平面上に位置されるため、パネルユニット12の下面が制御ユニット14の下面より上方に位置されてしまうことがなくなる結果、パネルユニット12の歪みに起因する撮像画像の品質の劣化や放射線検出パネル20の破壊を防止することができる。
なお、本実施の形態に係る電子カセッテ10では、閉状態で放射線画像の撮像を行う際には、制御ユニット14の上にパネルユニット12が重ね合わされた状態で撮像を行うことになるため、パネルユニット12が歪むことはない。
特に、本実施の形態に係る電子カセッテ10では、パネルユニット12が、制御ユニット14より厚さが薄いものとされているので、放射線検出パネル20の破壊を防止する効果を、より高いレベルで享受することができる。
また、本実施の形態に係る電子カセッテ10では、制御ユニット14およびパネルユニット12が閉状態および開状態の何れの状態とされているかを検出する開閉センサ45を備え、制御部50により、開閉センサ45によって閉状態とされていることが検出された場合に静止画撮影を行うように制御し、開閉センサ45によって開状態とされていることが検出された場合に動画撮影を行うように制御しているので、静止画撮影時には、パネルユニット12と制御ユニット14とを重ね合わせた状態で撮影を行うことができる結果、放射線検出パネル20の破壊を防止することができる一方、動画撮影時には、表面積を広くすることができる結果、動画撮影による、静止画撮影時より高い発熱に対する放熱効果を向上させることができる。
特に、本実施の形態に係る電子カセッテ10は、発熱量の多い動画撮影を行う際に開状態として動画撮影を行うことにより、制御ユニット14内の制御部50で発生した熱のパネルユニット12内の放射線検出パネル20への伝搬を抑制できるため、放射線検出パネル20の特性の変化が抑制され、撮影される放射線画像の画質が安定し、また、放射線検出パネル20の耐久性が向上する。また、パネルユニット12は、放射線画像の撮影の際に患者と接触するが、制御部50で発生した熱のパネルユニット12への伝搬を抑制することにより、パネルユニット12の表面温度が高くなりすぎて患者が不快に感じることを防止できる。さらに、放射線検出パネル20においては、積層構造とされ、各層を構成する部材の熱膨張係数が異なることに起因する、熱による変形や破損が発生したり、接着材が温度サイクルにより劣化して剥がれたりしてしまうことを抑制できる。
また、本実施の形態に係る電子カセッテ10は、開状態とすることにより、表面積が大きくなるため、放熱効果が高くなる。特に動画撮影時には発生する熱量が多いため、この際に表面積が大きくなることは放熱の面で好ましい。
また、本実施の形態に係る電子カセッテ10は、開状態とした際に、患者と離間される制御ユニット14内に無線通信部60が設けられており、無線通信に用いるアンテナもまた患者から離間されるため、電波障害が起こりにくい。
また、GOSは温度変化による感度の変化はほとんどないが、CsIは温度の上昇により感度が変化(例えば、温度が1℃上昇する毎に感度が約0.3%低下)する。従って、シンチレータ層28をCsIにより形成した場合、連続的に撮影を繰り返す動画撮影(透視撮影)中にシンチレータ層28の温度が大きく変化すると、シンチレータ層28の感度変化が大きくなり、一連の動画撮影画像において、フレーム初期の画像と最後の画像で濃度差が大きくなり、視認性が悪くなり、また、診断精度も低下してしまう。しかし、本実施の形態に係る電子カセッテ10は、開状態で動画撮像を行うことにより、制御部50で発生した熱が放射線検出パネル20に伝わり難いため、CsIの温度変化による感度変化を抑制できる。
また、本実施の形態に係る電子カセッテ10は、開状態での動画撮像中に静止画撮影を行うものとしてもよい。この場合、電子カセッテ10は、開状態での動画撮像中に静止画撮影が行われることになるが、開状態で静止画撮影が行われることになるため、動画撮像中に複数の静止画の撮影が適宜行われる場合においても静止画像の視認性を確保できる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記の実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また、実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
例えば、上記実施の形態では特に言及しなかったが、一例として図11に示すように、パネルユニット12における照射面18Aの反対側の面と放射線検出パネル20との間に、撮像時におけるバック散乱を防止する平板状の鉛90Aをさらに収容してもよく、照射面18Aと放射線検出パネル20との間に、撮像時における撮像対象による放射線の散乱線を除去する平板状のグリッド90Bをさらに収容してもよい。鉛90Aを設けることにより、撮像時におけるバック散乱を防止することができる一方、グリッド90Bを設けることにより、撮像時における被検者による放射線の散乱線を除去することができる。
また、上記実施の形態では、コンソールなどの外部装置との間で無線通信を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、有線通信を行うものとしてもよい。この場合においても、制御ユニット14に有線通信を行うためのケーブルが接続されるコネクタを設けることにより、コネクタやケーブルが患者の邪魔にならない。また、被検者の下にカセッテを装入する際、摩擦抵抗や無理な荷重が掛からないため、緩みや断線などの接触不良によるトラブルを起こりにくくすることができる。
また、本実施の形態に係る電子カセッテ10は、開状態とした際に、動画撮影モードとする場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、操作部84から開状態である場合にも静止画撮影の撮影指示を受け付けるものとし、カセッテ制御部58が、操作部84で静止画撮影の撮影指示を受け付けた場合に、開状態においても静止画撮影モードで動作するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、表示部82により患者に関する情報を表示する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、撮影された放射線画像や、撮影条件を表示部82により表示してもよい。また、患者の同じ撮影対象部位を定期的に撮影して経時的な変化を観察する場合等には、コンソールから患者の撮影対象部位で過去に撮影された放射線画像を受信して当該放射線画像を表示部82により表示するようにしてもよい。また、撮影対象部位に応じてサンプル画像や撮影ガイダンスを表示部82により表示してもよい。
また、上記実施の形態では、ゲート線ドライバ52や信号処理部54を制御ユニット14内に設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ゲート線ドライバ52や信号処理部54等の電子部品をASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の集積回路55で構成し、一例として図12に示すように、当該集積回路55をヒンジ16内に配置してもよい。これにより、集積回路55の冷却効果を高めることができる。なお、集積回路55は、必ずしもヒンジ16内に設ける必要はなく、一例として図13に示すように、制御ユニット14におけるヒンジ16の近傍や、パネルユニット12におけるヒンジ16の近傍に配置してもよい。
なお、この場合に、信号処理部54に設けられている増幅回路、サンプルホールド回路、マルチプレクサ、A/D変換器等の電子回路は、必ずしも集積回路で一体構成する必要はなく、これらの電子回路の一部を集積回路とは別体構成として、当該電子回路については集積回路とは異なる位置に設けてもよいことは言うまでもない。
また、電子カセッテ10は、制御ユニット14およびパネルユニット12の開閉を行うことにより、電源オン・オフや、休止モードから撮影モードへの移行など、装置の状態が自動的に遷移するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、本発明に係る放射線検出パネルの一例として、放射線をシンチレータ層28で光へ一旦変換した後に、変換した光を光導電層30で電荷に変換して蓄積する間接変換方式の放射線検出パネル20を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、放射線を、アモルファスセレン等を用いたセンサ部によって電荷へ直接変換して蓄積する直接変換方式の放射線検出パネルを用いてもよい。
直接変換方式の放射線検出パネルの一例を図14に示す。この放射線検出パネルでは、入射される放射線を電荷に変換する光導電層48がTFT基板26上に形成されている。光導電層48としては、アモルファスSe、Bi12MO20(M:Ti、Si、Ge)、Bi12(M:Ti、Si、Ge)、Bi、BiMO(M:Nb、Ta、V)、BiWO、Bi2439、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、MNbO(M:Li、Na、K)、PbO、HgI、PbI、CdS、CdSe、CdTe、BiI、GaAs等のうち少なくとも1つを主成分とする化合物などが用いられるが、暗抵抗が高く、X線照射に対して良好な光導電性を示し、真空蒸着法により低温で大面積成膜が可能な非晶質(アモルファス)材料が好適である。光導電層48上には、光導電層48の表面側に形成され、光導電層48へバイアス電圧を印加するためのバイアス電極49が形成される。また、TFT基板26には、間接変換方式の放射線検出パネルと同様に、光導電層48で発生した電荷を収集する電荷収集電極34が形成されている。一方、直接変換方式の放射線検出パネルのTFT基板26は、各電荷収集電極34で収集された電荷を蓄積する電荷蓄積容量35が設けられている。各電荷蓄積容量35に蓄積された電荷はスイッチング素子24がオンされることで読み出される。
また、上記実施の形態では、取手98を制御ユニット14のみに設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一例として図15に示されるように、閉状態とされているときは重なり合って一体となり、開状態とされているときは分離されるように、取手98Aをパネルユニット12に設ける一方、取手98Bを制御ユニット14に設ける形態としてもよい。さらに、取手はパネルユニット12のみに設ける形態としてもよいことは言うまでもない。
また、上記実施の形態では、電子カセッテとしてパネルユニット12が制御ユニット14より厚さが薄くされているものを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一例として図16(A)に示されるように、パネルユニット12と制御ユニット14との厚さが略等しい電子カセッテを適用する形態としてもよく、一例として図16(B)に示されるように、パネルユニット12が制御ユニット14より厚さが厚くされている電子カセッテを適用する形態としてもよい。
パネルユニット12と制御ユニット14との厚さが略等しい電子カセッテを適用する場合は、開状態で放射線画像の撮影を行う場合に、人体がパネルユニット12と制御ユニット14にまたがって載っても違和感がなく、パネルユニット12が制御ユニット14より厚さが厚くされている電子カセッテを適用する場合は、開状態で放射線画像の撮影を行う場合に、発熱源となる制御ユニット14に人体を接しないようにすることができる。
これに対し、上記実施の形態に係る電子カセッテ10のように、パネルユニット12が制御ユニット14より厚さが薄くされている電子カセッテを適用する場合は、開状態で放射線画像の撮影を行う場合に、パネルユニット12の放射線の入射面側に撮像時における撮像対象による放射線の散乱線を除去する平板状のグリッドを載置しても、上記のようにパネルユニット12側を制御ユニット14と略等しい厚み、または使用するうえで違和感のない範囲でパネルユニット12側を制御ユニット14より高くすることをシステムとして実現することができる。
また、上記実施の形態では、制御ユニット14の表面を平面とした場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、一例として図17に示すように、制御ユニット14の表面を凹凸状に形成する形態としてもよい。この場合、制御ユニット14の表面積を増加させることができる結果、放熱効果をより高めることができる。なお、この場合の凹凸の形状は、図17に示すような波形の他、半円形、矩形等の他の形状としてもよいことは言うまでもない。
また、上記実施の形態では、本発明の連結部材としてヒンジ16を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、制御ユニット14およびパネルユニット12を回動可能に連結するものであれば、如何なる部材も適用可能である。
また、上記実施の形態では、表示部82および操作部84の双方を制御ユニット14に設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示部82および操作部84の何れか一方のみを制御ユニット14に設ける形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、放射線検出パネル20のシンチレータ層28が接着された表側から放射線を照射して放射線画像の撮像を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、放射線検出パネル20のTFT基板26側(裏側)から放射線を照射して放射線画像の撮影を行う形態としてもよい。なお、この場合、パネルユニット12に放射線検出パネル20を上記実施の形態とは表裏逆向きに収納することになる。
放射線検出パネル20は、図18に示すように、シンチレータ層28が形成された側から放射線が照射されて、当該放射線の入射面の裏面側に設けられたTFT基板26により放射線画像を読み取る、いわゆる裏面読取方式(所謂PSS(Penetration Side Sampling)方式)とされた場合、シンチレータ層28の同図上面側(TFT基板26の反対側)でより強く発光し、TFT基板26側から放射線が照射されて、当該放射線の入射面の表面側に設けられたTFT基板26により放射線画像を読み取る、いわゆる表面読取方式(所謂ISS(Irradiation Side Sampling)方式)とされた場合、TFT基板26を透過した放射線がシンチレータ層28に入射してシンチレータ層28のTFT基板26側がより強く発光する。TFT基板26に設けられた各センサ部37には、シンチレータ層28で発生した光により電荷が発生する。このため、放射線検出パネル20は、表面読取方式とされた場合の方が裏面読取方式とされた場合よりもTFT基板26に対するシンチレータ層28の発光位置が近いため、撮影によって得られる放射線画像の分解能が高い。
また、放射線検出パネル20は、光導電層30を有機光電変換材料により構成した場合、光導電層30で放射線がほとんど吸収されない。このため、本実施の形態に係る放射線検出パネル20は、表面読取方式により放射線がTFT基板26を透過する場合でも光導電層30による放射線の吸収量を少ないため、放射線Xに対する感度の低下を抑えることができる。表面読取方式では、放射線がTFT基板26を透過してシンチレータ層28に到達するが、このように、TFT基板26の光導電層30を有機光電変換材料により構成した場合、光導電層30での放射線の吸収が殆どなく放射線の減衰を少なく抑えることができるため、表面読取方式に適している。
また、スイッチング素子24の活性層224を構成する非晶質酸化物や光導電層30を構成する有機光電変換材料は、いずれも低温での成膜が可能である。このため、絶縁性基板22を放射線の吸収が少ないプラスチック樹脂、アラミド、バイオナノファイバで形成することができる。このように形成された絶縁性基板22は放射線の吸収量を少ないため、表面読取方式により放射線がTFT基板26を透過する場合でも、放射線Xに対する感度の低下を抑えることができる。
このため、放射線検出パネル20は、例えば、図19に示すように、放射線検出パネル20はTFT基板26が照射面18A側となるようにパネルユニット12内部の筐体部分に貼り付けるものとしもよい。絶縁性基板22を剛性の高いプラスチック樹脂やアラミド、バイオナノファイバで形成した場合、放射線検出パネル20自体の剛性が高いため、パネルユニット12の筐体を薄く形成することができる。また、絶縁性基板22を剛性の高いプラスチック樹脂やアラミド、バイオナノファイバで形成した場合、放射線検出パネル20自体が可撓性を有するため、衝撃が加わった場合でも放射線検出パネル20が破損しづらい。
また、本実施の形態に係る電子カセッテ10は、閉状態で撮影する場合、図2(A)に示すように、放射線が照射される照射面18Aを被検者の方向に向けた状態とし、開状態で撮影する場合、図2(B)に示すように、電子カセッテ10を裏返して照射面18Aを被検者の方向に向けた状態として放射線画像の撮影を行うため、パネルユニット12内部にTFT基板26が照射面18A側となるように放射線検出パネル20を配置することにより、閉状態及び開状態で共に表面読取方式により放射線画像の撮影を行うことができる。
その他、上記実施の形態で説明した電子カセッテ10および放射線検出パネル20の構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
10 電子カセッテ
12 パネルユニット
14 制御ユニット
16 ヒンジ
20 放射線検出パネル
22 絶縁性基板
24 スイッチ素子
26 TFT基板
28 シンチレータ層
30 光導電層
38 平坦化層
39 接着層
45 開閉センサ
48 光導電層
49 バイアス電極
50 制御部
55 集積回路
58 カセッテ制御部
60 無線通信部
70 電源部
80 放射線発生装置
82 表示部
84 操作部
90A 鉛
90B グリッド

Claims (13)

  1. 制御部および電源部を収容する平板状に構成された制御ユニットと、
    放射線検出パネルを収容する平板状に構成されたパネルユニットと、
    前記制御ユニットおよび前記パネルユニットの各々の一端部を、前記制御ユニットの一方の面と前記パネルユニットの放射線が入射される入射面の反対側の面とが対向する閉状態、および前記制御ユニットの一方の面と前記パネルユニットの前記反対側の面とが同一平面上で側方に並ぶ開状態の2つの状態となるように回動可能に連結する連結部材と、
    を備えた放射線撮像装置。
  2. 前記パネルユニットは、前記入射面の反対側の面と前記放射線検出パネルとの間に、撮像時におけるバック散乱を防止する平板状の鉛をさらに収容する
    請求項1記載の放射線撮像装置。
  3. 前記パネルユニットは、前記入射面と前記放射線検出パネルとの間に、撮像時における撮像対象による放射線の散乱線を除去する平板状のグリッドをさらに収容する
    請求項1または請求項2記載の放射線撮像装置。
  4. 前記制御ユニットは、前記一方の面の反対側の面に操作部および表示部の少なくとも一方を有する
    請求項1〜請求項3の何れか1項記載の放射線撮像装置。
  5. 前記制御ユニットおよび前記パネルユニットが前記閉状態および前記開状態の何れの状態とされているかを検出する検出手段をさらに備え、
    前記制御部は、前記検出手段によって前記閉状態とされていることが検出された場合に静止画撮影を行うように制御し、前記検出手段によって前記開状態とされていることが検出された場合に動画撮影を行うように制御する
    請求項1〜請求項4の何れか1項記載の放射線撮像装置。
  6. 前記放射線検出パネルは、放射線が照射されることにより電荷が発生する電荷発生層と当該電荷発生層に発生した電荷を蓄積すると共に当該電荷を読み出すためのスイッチ素子が形成された基板とが積層され、前記電荷発生層が前記パネルユニットの前記入射面側となるように当該パネルユニットに内蔵されている
    請求項1〜請求項5の何れか1項記載の放射線撮像装置。
  7. 前記連結部材の内部に前記放射線検出パネルから出力された電気信号を増幅する増幅回路、および当該増幅回路で増幅された電気信号をデジタルの画像データに変換するアナログ/デジタル変換器の少なくとも一方が設けられている
    請求項1〜請求項6の何れか1項記載の放射線撮像装置。
  8. 前記制御ユニットに、外部装置と無線通信を行う無線通信部が設けられている
    請求項1〜請求項7の何れか1項記載の放射線撮像装置。
  9. 前記制御ユニットは、表面が凹凸状に形成されている
    請求項1〜請求項8の何れか1項記載の放射線撮像装置。
  10. 前記パネルユニットは、前記制御ユニットより厚さが薄い
    請求項1〜請求項9の何れか1項記載の放射線撮像装置。
  11. 前記パネルユニットは、前記制御ユニットより厚さが厚いか、または厚さが略等しい
    請求項1〜請求項9の何れか1項記載の放射線撮像装置。
  12. 前記放射線検出パネルは、放射線を光に変換するシンチレータで放射線を光に変換し、当該光により表わされる放射線画像を示す電気信号を出力するものとし、
    前記シンチレータは、蛍光体材料の柱状結晶を含んで構成された
    請求項1〜請求項11の何れか1項記載の放射線撮像装置。
  13. 前記蛍光体材料を、CsIとした
    請求項12項記載の放射線撮像装置。
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