JP2011128127A - 光ファイバセンサ - Google Patents

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Kazumasa Tsukada
和正 塚田
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Abstract

【課題】 光干渉信号出力をセンサ信号とするセンサでは、光干渉信号方式として、ホモダイン干渉方式があり、構成は簡単であるが、その入力となる参照光と計測光との位相関係が同位相または逆位相付近にある時にその干渉出力の歪が大きくなり、そこを避けるためには、干渉計の光路長に関係する部品には、参照光と計測光の位相関係を良好に保つために、高い工作精度と、熱膨張対策が必要であった。
【解決手段】干渉計の入力となる参照光の位相を90度変化させて、2つの位相の参照光とすることにより、一方の位相の参照光と計測光との位相関係が同相または逆相付近にあった場合には、他方の参照光と計測光の位相関係は90度近く異なることになり、必ずどちらかが歪の少ない干渉出力となることにより、前後の干渉出力から判別処理し、センサ出力とすることで、光部品の工作精度や熱膨張による位相変動を許容した光ファイバセンサを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバが外圧により、そこを通過する光信号の位相に変化を及ぼす特性を利用した光ファイバセンサに関する。
光ファイバセンサは、電磁的影響を受けないことから、従来の電気信号センサに比べて、センサ信号を安定に長距離伝送することができる。
光センサに利用される光干渉方式としては、同じ周波数の光を干渉させるホモダイン方式と異なる周波数の光を干渉させるヘテロダイン方式がある。
ホモダイン方式は構成が簡単、かつセンサ部分を無電源とすることができる。
ホモダイン方式は構成が簡単であることを特長とするが、干渉入力となる参照光と計測光の位相関係が、その干渉出力の品質に大きな影響を及ぼす。
ホモダイン方式では、参照光と計測光の位相関係が同相(位相差0度)あるいは逆相(位相差180度)付近にあると、その干渉出力の歪が大きいため、センサとしてはこの関係になることを避ける必要があった。
参照光と計測光との位相関係を一定の関係に保つには、参照光と計測光の光路長に関係する光部品は使用する光波長以上の工作精度で製造する必要がある。
干渉計に使用する光部品は、センサが置かれる温度環境による熱膨張によって、光路長が変動すると、前記位相関係が保たれなくなることがある。
干渉計の安定度を保つには、使用する光部品の熱膨張が少なく、かつ高い工作精度が要求されることから、製造コストが高くなる欠点があった。
本発明では、参照光と計測光の位相関係が、同相または逆相付近にあるときには、そこを避けて使用するため、90度異なる2つの参照光を用意する。
本発明では、一方の参照光が計測光と同相または逆相の位相関係にあった場合には、他方の参照光と計測光との位相関係は90度異なることになり、歪の少ない干渉出力を得ることができる。
本発明では、90度異なる2つの参照光を用いることにより、そのどちらかの参照光と計測光の位相関係は90度±45度に保たれる。
本発明では、2つの参照光を使用するために、計測用光として、周期性の光パルスを使用する。
本発明では、参照光と計測光を光パルスとして、時分割光多重してセンサ設置場所まで計測用光多重パルスとして一本の光ファイバにより伝送する。
本発明では多重される参照光は、周期ごとに90度位相を変化させて計測光と時分割光多重される。
本発明では、前後する90度異なる2つの参照光と計測光との2つの干渉出力を得る。
本発明では、前記2つの干渉出力とその前後する出力関係、及びセンサ信号の統計的性質から、どちらか一方の干渉出力を選択し、センサ出力とする。
本発明によれば、参照光と計測光の位相関係を一定に保つ必要がないため、干渉計を構成する部品の製造に当たっては、高い工作精度を必要としない。
本発明によれば、参照光と計測光の位相関係を一定に保つ必要がないため、干渉計を構成する部品の熱膨張による光路長の変化も許容できる。
本発明によれば、参照光と計測光の位相関係を一定に保つ必要がないため、干渉計を構成する部品の経年変化などによる光路長の変化も許容できる。
本発明では、参照光と計測光の位相関係を一定に保つ必要がないため、製造コストを安くできる。
は本発明の光ファイバセンサのブロック図 N1は計測用光信号発生部のブロック N2はセンサ部のブロック N3は演算処理部のブロック は本発明の光ファイバセンサの動作タイムチャート
「図1」に本発明の光ファイバセンサのブロック図を示す。
「図2」に本発明の光ファイバセンサの動作タイムチャートを示す。
N1は本発明の計測用光信号発生部を示す。
Aパルス信号発生器においてパルス幅tの電気信号パルスaを発生、B電気ー光変換器で光パルス信号bに変換され、C1光分波器でc1、c1の2つに分波される。
c1はF1光合波器に入力し、c1はG1位相信号発生器からの駆動信号g1によりE1位相変換器で周期ごとに90度位相変化を受けe1として、遅延時間tのD1遅延ファイバを経て、d1としてF1光合波器に入る。
F1光合波器出力f1は計測光c1、参照光d1が連なる2tの時分割光多重パルスとなり、計測用光多重パルスとして、一本の光ファイバを通してN2センサ部に送られる。
N2は本発明のセンサ部を示す。
N1計測用光信号発生部からの計測用光多重パルスf1はC2光分波器において、c2、c2に分波され、c2は参照光としてF2光合波器に入力する。
c2は、G2でセンサ信号を感知して、その出力g2により、E2位相変換器で光位相に変化を受けe2として、遅延時間tのD2遅延ファイバを経て、計測光d2となり、F2光合波器に入る。
F2光合波器出力f2は、前方にc2の前半部分(R)、中間にc2の後半参照光部分とd2前半計測光部分とが重なったホモダイン干渉部分(I)、後方にd2の後半部分(S)の3tの時分割多重光3信号として、光ファイバを経てN3演算処理部に送られる。
N3は本発明の演算処理部を示す。
時分割多重光3信号f2は、H1光ー電気変換器において、包絡線検波され、電気信号h1としてR,I,Sデジタル変換器でデジタル値r,i,sに変換、K1cos回路に入る。
K1cos回路において、r,i,s入力から、cosθ=(iーr)/sを算出する。
(θはホモダイン干渉時の参照光と計測光との位相差)
周期ごとに90度位相変化する参照光が基準位相における干渉時のcosθ列の出力k2、基準位相から90度進んだ位相における干渉時のcosθ列の出力k3はM演算回路に入る。
M演算回路において、前後するk2、k3により、干渉時の位相と動作勾配の関係を、k2<k3の時は正勾配、k2>k3の時は負勾配と判定する。
負勾配にあると判定されk2、k3は極性を反転させて、位相の進み方向と動作出力の増減方向を合わせる。
前後するk2、k3について、「0」に近い方が、参照光と計測光との位相差θが90度±45度にあり、「0」に近いcosθを、歪が少ない干渉出力として選択する。
前記「0」に近いcosθが属する列の、前後するcosθを直線近似補正を行い、その差分を求める。
前記差分を毎周期連続加算し、M演算回路より出力、センサ信号出力m1とする。
本発明では、k2、k3の選択切り替え動作、およびセンサ信号出力m1のオフセット除去には、センサ信号の統計的性質を利用することにより、出力誤差を改善できる。
本発明では参照光を90度位相変化させるとしたが、計測光を90度位相変化させても同様の効果が得られる。
本発明では、参照光の位相変化を90度としたが、90度前後であれば、同様の効果が得られる。
本発明では、光パルス幅t、遅延ファイバの遅延時間tとしたが、近い値であれば同様の効果が得られる。
本実施例のセンサ部における干渉計の構成は、マッハ・ツェンダー方式で説明したが、マイケルソン方式の干渉計で構成しても、同様の動作が可能である。
本発明は、海底地震観測など、離れた場所、電源供給ができない場所、電磁雑音の影響を受け易い場所、温度環境が厳しい場所などに設置するセンサシステムに適する。
N1:計測用光信号発生部
N2:センサ部
N3:演算処理部
A:パルス信号発生器
B:電気ー光変換器
C1,C2,:光分波器
D1,D2,:遅延ファイバ
E1,E2:位相変換器
F1,F2,:光合波器
G1,G2:位相信号発生器
H1:光ー電気変換器
R,I,S:デジタル変換器
K1:cos回路
M:演算回路

Claims (17)

  1. 光パルス幅tの周期性光パルスを光分波器により2波に分波し、一方を参照光、他方を計測光とする計測用光信号発生部を備えることを特徴とする光ファイバセンサ。
  2. 「請求項1」で分波された参照光を周期ごとにその相対位相を90度変化させる手段を備え、基準位相の参照光を基準参照光、基準から90度進んだ参照光を進み参照光とする計測用光信号発生部を備えることを特徴とする光ファイバセンサ。
  3. 「請求項2」で90度の位相変化を受けた参照光をt時間遅延させて、「請求項1」の計測光と光合波器により合波する計測用光信号発生部を備えることを特徴とする光ファイバセンサ。
  4. 「請求項3」の合波により、前方に計測光、後方に参照光が時分割光多重され、計測用光多重パルスとして出力する計測用光信号発生部を備えることを特徴とする光ファイバセンサ。
  5. 「請求項4」の計測用光多重パルスを光分波器により、2波に分波するセンサ部を備えることを特徴とする光ファイバセンサ。
  6. 「請求項5」で分波した一方の分波にセンサ信号として取り込む位相変化を与えるセンサ部を備えることを特徴とする光ファイバセンサ。
  7. 「請求項6」で位相変化を受けた一方の分波をt時間遅延させて、「請求項5」で分波した他方の分波と光合波器で合波するセンサ部を備えることを特徴とする光ファイバセンサ。
  8. 「請求項7」の光合波器出力では、前方に他方の分波の前半分(R)、中間に他方の分波の中の参照光部分と、一方の分波の中の計測光部分が重なったホモダイン干渉部分(I)、後方に一方の分波の後半分(S)を時分割多重光3信号として出力するセンサ部を備えることを特徴とする光ファイバセンサ。
  9. 「請求項8」で出力した時分割多重光3信号を電気信号に変換し、R、I、S各部分の電気信号としてr、i、sを求める演算処理部を備えることを特徴とする光ファイバセンサ。
  10. 「請求項9」で求めたr,i、sの値から、「請求項8」における計測光と参照光とのホモダイン干渉時の位相差θとして、cosθ=(iーr)/sを求める演算処理部を備えることを特徴とする光ファイバセンサ。
  11. 「請求項10」で求めたcosθを干渉時の参照波が基準参照波と進み参照波の2列に分別する演算処理部を備えることを特徴とする光ファイバセンサ。
  12. 請求項11」分別した前後するcosθ値が基準参照波の干渉時<進み参照波の干渉時ときは正勾配、基準参照波の干渉時>進み参照波の干渉時のときは負勾配と判定する演算処理回路を備えることを特徴とする光ファイバセンサ。
  13. 「請求項12」で比較した前後する基準参照波の干渉時と進み参照波の干渉時のcosθ値が「0」に近いcosθを有効値と判別する演算処理部を備えることを特徴とする光ファイバセンサ。
  14. 「請求項13」で判別した有効値のcosθが負勾配の領域にあるときは、極性を反転する演算処理部を備えることを特徴とする光ファイバセンサ。
  15. 「請求項14」における有効値のcosθを直線近似により補正値を求める演算処理部を備えることを特徴とする光ファイバセンサ。
  16. 「請求項15」で求めた補正値と同じ列の1つ前の補正値との差分を求める演算処理部を備えることを特徴とする光ファイバセンサ。
  17. 「請求項16」で求めた各周期の差分を加算して、センサ信号出力とする演算処理部を備えることを特徴と光ファイバセンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013077280A1 (ja) * 2011-11-25 2013-05-30 白山工業株式会社 光ファイバセンサ
JP2020003270A (ja) * 2018-06-26 2020-01-09 株式会社リコー 原子磁気センサ、グラジオメータ、生体磁気計測装置

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