JP2011127869A - 湿分分離加熱器及び給水加熱器 - Google Patents

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昌平 川野
Yuto Hirayama
勇人 平山
Yuichi Fukazawa
雄一 深澤
Hideo Matsui
秀夫 松井
Yoshiyuki Kawaharada
義幸 川原田
Tetsuji Kaneko
哲治 金子
Yumiko Abe
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    • F22B37/268Steam-separating arrangements specially adapted for steam generators of nuclear power plants

Abstract

【課題】従来に比べてさらに耐エロージョン・コロージョン性を向上させることができるとともに、製造コストの低減を図ることのできる湿分分離加熱器等を提供する。
【解決手段】 発電プラントの高圧タービンからの排気中の湿分を除去し、加熱して、過熱状態とした後低圧タービンに送るための湿分分離加熱器であって、炭素鋼から構成された本体胴と、前記本体胴の内部に収容された、加熱用蒸気を流通させるための加熱用伝熱管と、前記本体胴の所定部位に開口する。前記本体胴内に高圧タービンからの排気蒸気を取り入れるための蒸気入口と、前記本体胴内の前記蒸気入口と前記加熱用伝熱管との間に設けられたバッフル板とを具備し、前記本体胴内面の一部の領域であって、少なくとも、前記蒸気入口部分を含む領域に、耐食性合金の溶射皮膜が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、原子力発電プラント等に配置される湿分分離加熱器及び給水加熱器に関する。
一般に原子力発電プラントは、蒸気発生器、高圧タービン、湿分分離加熱器、低圧タービン、復水器、給水ポンプ、給水加熱器を順次経て、再び蒸気発生器へ戻る循環サイクルで構成されており、蒸気発生器で発生した蒸気によって高圧タービンおよび低圧タービンを駆動して発電機を作動させ、発電を行うようになっている。沸騰水型原子力発電プラント(BWR)においては、循環水を原子炉で沸騰させており、原子炉が蒸気発生器を兼ねている。
湿分分離加熱器は、高圧タービンからの排気中の湿分を除去し、さらに加熱して、過熱状態とした後、低圧タービンに送るための湿分分離器と加熱器を内蔵した設備である。初期のBWRでは加熱器のない湿分分離器が用いられてきたが、タービン熱効率の向上を狙って、改良型BWRプラント(ABWR)等に湿分分離加熱器が設置されている。給水加熱器は、復水あるいは給水をタービンからの抽気蒸気で加熱し、タービン熱効率の向上を図るための設備である。
現在の原子力向け湿分分離加熱器や給水加熱器には、高温高速水蒸気流に対する耐エロージョン・コロージョン性に優れるクロムモリブデン鋼が胴部や内部構造物に使用されている。クロムモリブデン鋼は、鉄にクロムやモリブデンを微量添加した低合金鋼であり、炭素鋼に比べて高温高速水蒸気流に対する耐エロージョン・コロージョン性に優れる。その一方、炭素鋼に比べて素材価格が高価であり、さらに機器を製造する際、溶接後熱処理を行う必要があるため、製造コストが増大する。
オーステナイト系ステンレス鋼は、高温高速水蒸気流に対する耐エロージョン・コロージョン性がクロムモリブデン鋼に比べて優れ、溶接後熱処理も不要であるが、クロムモリブデン鋼に比べてさらに素材価格が高価である。
クロムモリブデン鋼で構成される湿分分離加熱器や給水加熱器の製造コストを低減するために素材単価の安い炭素鋼を使用した場合、溶接後熱処理の製造工程が削減されるものの、高温高速水蒸気流が衝突する本体胴内面や内部構造物のバッフル板にエロージョン・コロージョンが発生する可能性がある。
なお、炭素鋼部品の流動性腐食を低減する方法として、白金族金属の皮膜を形成し、流水中の水素量を制御する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この技術は、流動性腐食の促進される150ppb以下の低酸素濃度の流水に暴露される炭素鋼部品の流動性腐食を低減する技術であって、湿分分離加熱器や給水加熱器が暴露される高温高速水蒸気流に対して、エロージョン・コロージョンを防止する効果があるとはいえない。
また、復水器の純チタン製の冷却管の外面に、耐食性合金の溶射皮膜を形成して冷却管の耐エロージョン性を向上させる技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この技術は復水器の純チタン製の冷却管に関する技術である。
特許第3351686号公報 特開平5−45089号公報
上記したとおり、従来の湿分分離加熱器及び給水加熱器は、高温高速水蒸気流に対する耐エロージョン・コロージョン性に優れたクロムモリブデン鋼から構成されているため、その製造コストが高いという問題がある。
本発明は、上記従来の事情に対処してなされたもので、従来に比べてさらに耐エロージョン・コロージョン性を向上させることができるとともに、製造コストの低減を図ることのできる湿分分離加熱器及び給水加熱器を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、発電プラントの高圧タービンからの排気中の湿分を除去し、加熱して、過熱状態とした後低圧タービンに送るための湿分分離加熱器であって、炭素鋼から構成された本体胴と、前記本体胴の内部に収容された、加熱用蒸気を流通させるための加熱用伝熱管と、前記本体胴の所定部位に開口する、前記本体胴内に高圧タービンからの排気蒸気を取り入れるための蒸気入口と、前記本体胴内の前記蒸気入口と前記加熱用伝熱管との間に設けられたバッフル板とを具備し、前記本体胴内面の一部の領域であって、少なくとも、前記蒸気入口部分を含む領域に、耐食性合金の溶射皮膜が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、発電プラントに配置され、復水あるいは給水をタービンからの抽気蒸気で加熱するための給水加熱器であって、炭素鋼から構成された本体胴と、前記本体胴の内部に収容された、復水あるいは給水を流通させるための伝熱管と、前記本体胴の所定部位に開口する、前記本体胴内にタービンからの抽気蒸気を取り入れるための抽気蒸気入口と、前記本体胴内の前記抽気蒸気入口と前記伝熱管との間に設けられた仕切り板とを具備し、前記本体胴内面の一部の領域であって、少なくとも、前記抽気蒸気入口部分を含む領域に、耐食性合金の溶射皮膜が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、従来に比べてさらに耐エロージョン・コロージョン性を向上させることができるとともに、製造コストの低減を図ることのできる湿分分離加熱器及び給水加熱器を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る湿分分離加熱器の構成を示す模式図。 図1の湿分分離加熱器のA−A断面図。 耐食性合金の溶射皮膜の形成領域を説明するための図。 図3の要部を拡大して示す断面図。 高温蒸気流によるエロージョン・コロージョンの試験結果を示すグラフ。 本発明の一実施形態に係る給水加熱器の構成を示す模式図。 図6の給水加熱器のA−A断面図。
以下、本発明の一実施形態に係る湿分分離加熱器および給水加熱器を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る湿分分離加熱器100の構成を模式的に示した図であり、図2は、図1のA−A断面構成を示す縦断面図である。これらの図に示すように、湿分分離加熱器100は、円筒形の容器状に形成された炭素鋼製本体胴1を具備している。この炭素鋼製本体胴1の下部には、長手方向に沿って複数箇所(本実施形態では4箇所)に蒸気入口2が設けられ、炭素鋼製本体胴1の上部には、長手方向に沿って複数箇所(本実施形態では3箇所)に蒸気出口3が設けられている。また、炭素鋼製本体胴1の長手方向両側端部には、加熱用蒸気入口4と加熱用蒸気出口5が夫々設けられている。
炭素鋼製本体胴1の内部には、上記した加熱用蒸気入口4及び加熱用蒸気出口5と接続された加熱用伝熱管7が設けられており、加熱用伝熱管7と蒸気入口2との間には、バッフル板6が設けられている。また、加熱用伝熱管7の下端部と炭素鋼製本体胴1の内壁との間には、仕切り板9が設けられており、この仕切り板9によって、バッフル板6の部分を通過した蒸気を、加熱用伝熱管7に向けてガイドするようになっている。
上記構成の湿分分離加熱器100では、高圧タービンから排気された蒸気が、4ヶ所の蒸気入口2から炭素鋼製本体胴1の内部に流れ込み、3ヶ所の蒸気出口3から炭素鋼製本体胴1の外部に出ていく。この過程で、高圧タービンから排気された蒸気から湿分を分離し、加熱する。加熱用伝熱管7には、蒸気の加熱のため、加熱用蒸気を加熱用蒸気入口4から導入し、加熱用伝熱管7内を通して加熱用蒸気出口5から導出する。
図2に示す矢印は蒸気の流れであり、蒸気入口2から炭素鋼製本体胴1内に流れ込んだ蒸気がバッフル板6により左右に分岐して湿分が除去される。さらに、湿分が除去された蒸気が加熱用伝熱管7の間を通過して加熱され、蒸気出口3から流出する。このときバッフル板6によって左右に分岐された高温高速の蒸気流が炭素鋼製本体胴1の内面やバッフル板6の下面に衝突する。
一般にABWRプラントの場合、湿分分離加熱器の本体胴の高さは約4m、長さは約30mの大きさであり、1プラントに2基設置される。また、現在の原子力向け湿分分離加熱器には、本体胴やバッフル板等にクロムモリブデン鋼が相当量使用されている。
本実施例の湿分分離加熱器100では、高さ約4m、長さ約30mの本体胴が、炭素鋼から構成された炭素鋼製本体胴1とされている。そして、この炭素鋼製本体胴1の内壁の一部の領域、本実施形態では蒸気入口2から仕切り板9に至る部分の領域に、耐食性合金の溶射皮膜8が形成されている。この耐食性合金の溶射皮膜8は、蒸気入口2から炭素鋼製本体胴1の内部に流入する高温高速蒸気流が衝突する部分に形成する必要があり、特に蒸気流速が30m/sec以上となる部分に形成することが好ましい。
ここで、タービン排気蒸気は、本体胴の内面に一様に強く衝突するのではなく、内部構造物の影響を受けて流速の早い箇所と遅い箇所があり、エロージョン・コロージョンが発生する範囲はある程度限定される。具体的には、湿分分離加熱器100の場合、蒸気入口2から炭素鋼製本体胴1の内部に流入した蒸気は、まずバッフル板6に衝突してここで蒸気流が変わるので、蒸気入口2からバッフル板6の側方に至る領域、すなわち、図3に示すように、バッフル板6の両端部から仮想線(図中一点鎖線で示す。)を水平方向に伸ばした時にこの仮想線と炭素鋼製本体胴1の内壁と接触する点Pと蒸気入口2との間の領域が、特にエロージョン・コロージョンが発生する領域となる。したがって、この領域に少なくとも耐食性合金の溶射皮膜8を形成する必要がある。図2に示す実施形態では、上記点Pの上側に位置する仕切り板9の領域まで、耐食性合金の溶射皮膜8が形成されており、より耐エロージョン・コロージョン性を高めた構成となっている。
上記の炭素鋼製本体胴1を構成するための炭素鋼としては、例えばSGV480を用いることができる。また、耐食性合金の溶射皮膜8を構成するための耐食性合金としては、例えばオーステナイト系ステンレス鋼を用いることができ、オーステナイト系ステンレス鋼としては、例えば、SUS304、SUS316、SUS304L、SUS316L等を用いることができる。
また、図4に示す耐食性合金の溶射皮膜8の厚さTは、例えば、0.2mm以上1mm以下程度とすることが好ましい。本実施形態では、溶射方法として、緻密で密着力の大きい溶射層が得られる超高速フレーム溶射を用いたが、コールドスプレー法や、高速フレーム溶射、プラズマ溶射、アーク溶射を用いてもよい。
図5は、各種材料を高温蒸気流に暴露してエロージョン・コロージョン特性を評価した試験結果であり、縦軸はエロージョン・コロージョン速度を、炭素鋼SB450を1として規格化した値である。具体的な試験条件は次のとおりである。
蒸気温度:156℃
蒸気流速:62m/sec
蒸気湿り度:11%
試験時間:21日間
試験片表面積:10.38cm
試験材料:炭素鋼SB450、クロムモリブデン鋼SCMV3、ステンレス鋼SUS304
エロージョン・コロージョン速度を材質間で比較すると、炭素鋼SB450が最も大きく、クロムモリブデン鋼SCMV3、ステンレス鋼SUS304の順に小さくなり、ステンレス鋼SUS304のエロージョン・コロージョン速度は0.0012mm/年であった。なお、ここで示した値は、定検等を考慮せず1年間連続運転を行った場合の数値である。実際の機器の蒸気流速は約30m/secであり、より流速が大きい実験条件のエロージョン・コロージョン速度から、想定運転時間60年におけるエロージョン・コロージョン量を算出すると、0.0012mm/年×60年=0.072mmである。したがって、ステンレス鋼SUS304を用い、想定運転時間60年の場合、耐食性合金の溶射皮膜8の厚さ(T)は、0.072mm以上とすることが好ましい。一般的には、ステンレス鋼SUS304を用いた場合、
厚さ(T)≧0.0012mm/年×想定運転時間(年)
とすることが好ましい。
また、さらに余裕を持たせるためには、上記のように算出された値に安全率を乗じた耐食性合金の溶射皮膜8の厚さ(T)とすることが好ましく、例えば想定運転時間60年の場合、上記した0.072mmに安全率2を乗じ、0.01mmの位を切り上げると、0.2mmとなる。
一方、耐食性合金の溶射皮膜8の厚さ(T)を必要以上に厚くすると、溶射に必要な施工時間が過大になり、また、必要とされる材料の量も多くなるため、製造コストの増加を招く。このため、耐食性合金の溶射皮膜8の厚さ(T)の上限は、1mm以下程度とすることが好ましい。
なお、溶射材料として、SUS304と同じオーステナイト系ステンレス鋼であるSUS316やSUS304L、SUS316Lを用いても、SUS304の場合と同様な耐エロージョン・コロージョン性の効果が得られる。また、オーステナイト系ステンレス鋼以外でも、耐エロージョン・コロージョン性が良好な耐食性合金であれば使用することができる。
上記のように、本実施形態では、大きさの大きい湿分分離加熱器の本体胴を炭素鋼からなる炭素鋼製本体胴1とし、かつ、炭素鋼製本体胴1内の蒸気流速の速い部分にのみ選択的に耐食性合金の溶射皮膜8を形成することによって、必要な耐エロージョン・コロージョン性を確保しつつ、クロムモリブデン鋼を使用した従来の湿分分離加熱器に比べて製造コストの低減を図ることができる。
図6は、本発明の一実施形態に係る給水加熱器200の構成を模式的に示した図であり、図7は、図6のA−A断面構成を示す縦断面図である。これらの図に示すように、給水加熱器200は、円筒形の容器状に形成された炭素鋼製本体胴10を具備している。この炭素鋼製本体胴10の長手方向の一方の端部には、復水あるいは給水を取り入れるための給水入口11と、給水を導出するための給水出口12が設けられている。また、炭素鋼製本体胴10の上部には、タービンからの抽気蒸気を取り入れるための抽気蒸気入口13が設けられ、炭素鋼製本体胴10の下部側面には、ドレン水を排出するためのドレン水出口14が設けられている。
また、図7に示すように、炭素鋼製本体胴10の内部には、伝熱管15が配設されており、この伝熱管15は、給水入口11と、給水出口12に接続されている。また、伝熱管15と抽気蒸気入口13との間には、仕切り板16が配設されている。
上記構成の給水加熱器200では、給水入口11から伝熱管15内に給水が供給され、この給水は、伝熱管15内を通って給水出口12から外部に導出される。また、炭素鋼製本体胴10内には、抽気蒸気入口13から、タービンからの抽気蒸気が導入され、この抽気蒸気は伝熱管15内を通る給水を加熱した後、凝縮してドレン水としてドレン水出口14から導出されるようになっている。
図7に矢印で示すように、抽気蒸気入口13から炭素鋼製本体胴10内に入った加熱用蒸気は、仕切り板16で流れの方向を変え、伝熱管15の外面を通って伝熱管15内部の給水を加熱し、ドレン水出口14へ流れていく。このとき伝熱管15への蒸気の直撃を避けるために設けられた仕切り板16により、高温高速流の蒸気が炭素鋼製本体胴10内面に強く衝突する。
そこで、従来は本体胴にクロムモリブデン鋼が用いられている。ABWRプラントの場合、給水加熱器の本体胴の高さは約2m、長さ約13mの大きさであり、給水加熱器は、1プラントに4基設置される。このため、従来は本体胴等にクロムモリブデン鋼が相当量使用されている。
これに対して、本実施形態の給水加熱器200では、本体胴を炭素鋼製本体胴10とするとともに、抽気蒸気入口13から伝熱管15の上端の側方に至る領域の炭素鋼製本体胴10の内壁に、高耐食性合金の溶射皮膜8が形成された構成となっている。これによって、必要な耐エロージョン・コロージョン性を確保しつつ、クロムモリブデン鋼を使用した従来の給水加熱器に比べて製造コストの低減を図ることができる。
上記高耐食性合金の溶射皮膜8の形成領域は、少なくとも、仕切り板16の端部から仮想線(図7に一点鎖線で示す。)を水平方向に伸ばし炭素鋼製本体胴10の内壁と接触する点Pと、抽気蒸気入口13との間の領域とすればよい。前述した気水分離加熱器100の場合と同様な理由で、この領域において特にエロージョン・コロージョンが発生するからである。
給水加熱器200の場合も、前述した気水分離加熱器100と同様の理由で、高耐食性合金として、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼であるSUS304、SUS316、SUS304L、SUS316L等を用いることができ、必要な耐エロージョン・コロージョン性が得られる。また、オーステナイト系ステンレス鋼以外でも、耐エロージョン・コロージョン性が良好な耐食性合金であれば使用することができる。
また、高耐食性合金の溶射皮膜8の厚さは、気水分離加熱器100の場合と同様にすればよく、一般的には、ステンレス鋼SUS304を用いた場合、
厚さ(T)≧0.0012mm/年×想定運転時間(年)
とすることが好ましい。具体的には、例えば、0.2mm以上1mm程度の厚さとすればよい。また、溶射方法についても、気水分離加熱器100の場合と同様に、緻密で密着力の大きい溶射層が得られる超高速フレーム溶射や、コールドスプレー法、高速フレーム溶射、プラズマ溶射、アーク溶射等を用いることができる。
1……炭素鋼製本体胴、2……蒸気入口、3……蒸気出口、4……加熱用蒸気入口、5……加熱用蒸気出口、6……バッフル板、7……伝熱管、8……高耐食性合金の溶射皮膜、9……仕切り板、10……炭素鋼製本体胴、11……給水入口、12……給水出口、13……抽気蒸気入口、14……ドレン出口、15……伝熱管、16……仕切り板、100……気水分離加熱器,200……給水加熱器。

Claims (8)

  1. 発電プラントの高圧タービンからの排気中の湿分を除去し、加熱して、過熱状態とした後低圧タービンに送るための湿分分離加熱器であって、
    炭素鋼から構成された本体胴と、
    前記本体胴の内部に収容された、加熱用蒸気を流通させるための加熱用伝熱管と、
    前記本体胴の所定部位に開口する、前記本体胴内に高圧タービンからの排気蒸気を取り入れるための蒸気入口と、
    前記本体胴内の前記蒸気入口と前記加熱用伝熱管との間に設けられたバッフル板とを具備し、
    前記本体胴内面の一部の領域であって、少なくとも、前記蒸気入口部分を含む領域に、耐食性合金の溶射皮膜が形成されていることを特徴とする湿分分離加熱器。
  2. 前記耐食性合金の溶射皮膜が形成された前記本体胴内面の一部の領域が、
    少なくとも、前記本体胴内面の前記蒸気入口から前記バッフル板の側方に至る領域である
    ことを特徴とする請求項1記載の湿分分離加熱器。
  3. 前記耐食性合金は、SUS304、SUS316、SUS304L、SUS316Lのいずれかのオーステナイト系ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1又は2記載の湿分分離加熱器。
  4. オーステナイト系ステンレス鋼からなる前記耐食性合金の溶射皮膜の厚さT(mm)が、
    T(mm)≧0.0012mm/年×想定運転時間(年)
    とされていることを特徴とする請求項3記載の湿分分離加熱器。
  5. 発電プラントに配置され、復水あるいは給水をタービンからの抽気蒸気で加熱するための給水加熱器であって、
    炭素鋼から構成された本体胴と、
    前記本体胴の内部に収容された、復水あるいは給水を流通させるための伝熱管と、
    前記本体胴の所定部位に開口する、前記本体胴内にタービンからの抽気蒸気を取り入れるための抽気蒸気入口と、
    前記本体胴内の前記抽気蒸気入口と前記伝熱管との間に設けられた仕切り板とを具備し、
    前記本体胴内面の一部の領域であって、少なくとも、前記抽気蒸気入口部分を含む領域に、耐食性合金の溶射皮膜が形成されていることを特徴とする給水加熱器。
  6. 前記耐食性合金の溶射皮膜が形成された前記本体胴内面の一部の領域が、
    少なくとも、前記本体胴内面の前記抽気蒸気入口から前記仕切り板の側方に至る領域である
    ことを特徴とする請求項5記載の給水加熱器。
  7. 前記耐食性合金は、SUS304、SUS316、SUS304L、SUS316Lのいずれかのオーステナイト系ステンレス鋼であることを特徴とする請求項5又は6記載の給水加熱器。
  8. オーステナイト系ステンレス鋼からなる前記耐食性合金の溶射皮膜の厚さT(mm)が、
    T(mm)≧0.0012mm/年×想定運転時間(年)
    とされていることを特徴とする請求項7記載の給水加熱器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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