JP2010266131A - 蒸気発生器スケール付着抑制方法 - Google Patents

蒸気発生器スケール付着抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蒸気発生器におけるスケールの付着を抑制すること。
【解決手段】蒸気発生器に供給されて蒸発される水のpHを、前記蒸気発生器に供給される以前のpHよりも下げる。蒸気発生器3に供給される二次冷却水のpH値を、蒸気発生器3に供給される以前のpH値よりも下げることで、蒸気発生器3内の二次冷却水の鉄イオンが濃縮される。そして、この鉄イオンが濃縮された二次冷却水を、蒸気発生器ドレン29を介して蒸気発生器3の外部に排水すれば、蒸気発生器3内の鉄イオンを減少させることができる。この結果、蒸気発生器3へのスケールの付着を抑制できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、加圧水型原子力プラントなどの蒸気発生器へのスケールの付着を抑制する蒸気発生器スケール付着抑制方法に関する。
加圧水型原子力プラント(PWR:Pressurized Water Reactor)では、機器に使用されている炭素鋼の腐食により冷却水に鉄イオンが溶解すると、この鉄イオンが下流の機器表面に被膜となって付着して機器の性能を低下させるおそれがある。そして、蒸気発生器に鉄イオンがスケールとして付着すると、熱効率の低下や、伝熱管支持穴の閉塞や、伝熱管の腐食を助長させることがある。
かかる問題に対し、従来、特許文献1に記載の給水およびドレン水処理設備およびそのスケール付着抑制方法では、鉄イオンを低減化するため、薬剤注入によりpH値を上昇させることで、スケール付着の主要因である鉄イオンのFeへの反応速度を上げて冷却水中の鉄濃度の減少を図っている。
特開2006−150171号公報
しかし、特許文献1のスケール付着抑制方法では、冷却水中のpH値を上げることでOHの濃度を上昇させ、鉄イオンのFeへの反応を促進させて鉄濃度を減少させているが、蒸気発生器におけるスケール付着を緩和する程度で、スケール付着を十分に抑制するに至らない。したがって、頻繁に洗浄が必要であり、多大なコストが掛かると共に、プラントの稼働を停止しなくてはならない。
本発明は上述した課題を解決するものであり、蒸気発生器におけるスケールの付着を抑制することのできる蒸気発生器スケール付着抑制方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明の蒸気発生器スケール付着抑制方法では、蒸気発生器に供給されて蒸発される水のpH値を、前記蒸気発生器に供給される以前のpH値よりも下げた後、前記水の一部を蒸気発生器の外部に排出することを特徴とする。
この蒸気発生器スケール付着抑制方法によれば、蒸気発生器に供給される水のpH値を、蒸気発生器に供給される以前のpH値よりも下げることで、蒸気発生器内の水の鉄イオンが濃縮される。そして、この鉄イオンが濃縮された二次冷却水を、蒸気発生器の外部に排水することにより、蒸気発生器内の鉄イオンを減少させることができる。この結果、蒸気発生器へのスケールの付着を抑制できる。
また、本発明の蒸気発生器スケール付着抑制方法では、前記蒸気発生器に供給される以前のpH値および下げたpH値がアルカリ性の範囲内であることを特徴とする。
この蒸気発生器スケール付着抑制方法によれば、蒸気発生器に供給される以前の水のpH値がアルカリ性であれば、蒸気発生器以前の機器での水への鉄イオンの溶解が低減される。この結果、蒸気発生器に持ち込まれる鉄イオンが低減され、蒸気発生器へのスケールの付着をより抑制できる。しかも、蒸気発生器に供給された水のpH値がアルカリ性であれば、蒸気発生器におけるスケール付着が緩和されるので、蒸気発生器へのスケールの付着をより抑制できる。
また、本発明の蒸気発生器スケール付着抑制方法では、前記蒸気発生器に供給される水に不揮発性酸を添加することを特徴とする。
不揮発性酸としては、ホウ酸やクエン酸などがある。不揮発性酸は、蒸気発生器内での水の蒸発により水相に濃縮されるため、蒸気発生器内の水のpH値が低下し、蒸気発生器内で鉄イオンが濃縮される。この結果、蒸気発生器に持ち込まれる鉄イオンの殆どが蒸気発生器から排出されることになるので、蒸気発生器へのスケールの付着を抑制できる。
また、本発明の蒸気発生器スケール付着抑制方法では、前記蒸気発生器内に揮発性酸を添加することを特徴とする。
揮発性酸としては、炭酸、酢酸などのいわゆる弱酸がある。そして、揮発性酸の添加により、蒸気発生器内の水のpH値が低下し、蒸気発生器内で鉄イオンが濃縮される。この結果、蒸気発生器に持ち込まれる鉄イオンの殆どが蒸気発生器から排出されることになるので、蒸気発生器へのスケールの付着を抑制できる。
また、本発明の蒸気発生器スケール付着抑制方法では、前記蒸気発生器に供給される水が流通する部位を低合金鋼またはステンレス鋼で構成することを特徴とする。
この蒸気発生器スケール付着抑制方法によれば、水のpH値を高くしてアルカリ性の範囲にすると、水への鉄イオンの溶解が抑えられるが、必然的に蒸気発生器内に供給される水のpH値も高くなり、蒸気発生器でのスケール付着を助長させる傾向にある。この点、この蒸気発生器スケール付着抑制方法によれば、低合金鋼またはステンレス鋼は、耐食性に優れ、水への鉄イオンの溶解を抑えるため、蒸気発生器に供給される以前の水のpH値を比較的低く設定できる。この結果、蒸気発生器の鉄イオンの持ち込みを抑えたうえで、蒸気発生器内に供給される水のpH値を低くすることで、蒸気発生器へのスケールの付着をより抑制できる。
本発明によれば、蒸気発生器内の水の鉄イオンが濃縮され、蒸気発生器の外部に排水されるので、蒸気発生器におけるスケールの付着を抑制できる。
図1は、本発明の実施の形態に係る蒸気発生器スケール付着抑制方法が適用される加圧水型原子力プラントを示す概略構成図である。
以下に、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1に示すように、加圧水型原子力プラントの原子炉格納容器1内には、加圧水型原子炉2および蒸気発生器3が格納されている。加圧水型原子炉2と蒸気発生器3とは、冷却水配管4,5を介して連結されている。冷却水配管4には、加圧器6が設けられ、冷却水配管5には、冷却水ポンプ7が設けられている。冷却水ポンプ7は、一次冷却系として、一次冷却水(軽水)を、冷却水配管4,5を介して加圧水型原子炉2と蒸気発生器3とを循環させる。加圧器6は、加圧水型原子炉2の炉心部における一次冷却水の沸騰を抑制するため、150〜160気圧程度の高圧状態を維持するように制御される。
蒸気発生器3は、蒸気タービン10に冷却水配管11を介して連結されている。蒸気タービン10は、高圧タービン10Aおよび低圧タービン10Bを有すると共に、発電機(図示せず)が接続されている。また、高圧タービン10Aと低圧タービン10Bとの間には、湿分分離加熱器12が設けられている。湿分分離加熱器12は、高圧タービン10Aに低温再熱管13を介して連結されていると共に、低圧タービン10Bに高温再熱管14を介して連結されている。さらに、蒸気タービン10の低圧タービン10Bは、復水器15を有している。復水器15は、冷却水(例えば、海水)を給排するように構成されている。この復水器15は、冷却水配管16を介して脱気器17に連結されている。そして、冷却水配管16には、復水器15側から順に、復水ポンプ18、復水脱塩装置19、復水ブースターポンプ20、低圧給水加熱器21が設けられている。また、脱気器17は、冷却水配管22を介して蒸気発生器3に連結されている。冷却水配管22には、脱気器17側から順に、湿分分離加熱器ドレンタンク23、給水ポンプ24および高圧給水加熱器25が設けられている。復水ポンプ18、復水ブースターポンプ20および給水ポンプ24は、二次冷却系として、二次冷却水(純水)を、復水ポンプ18により復水器15から冷却水配管16を介して復水脱塩装置19に送り、復水ブースターポンプ20により冷却水配管16を介して低圧給水加熱器21を経て脱気器17に送り、給水ポンプ24により冷却水配管22を介して湿分分離加熱器ドレンタンク23から高圧給水加熱器25を経て蒸気発生器3に送る。なお、脱気器17から湿分分離加熱器ドレンタンク23へは、冷却水配管22を介して脱気器17で脱気された二次冷却水が送られる。
従って、加圧水型原子力プラントでは、一次冷却水は、加圧水型原子炉2により燃料(原子燃料)としての低濃縮ウランまたはMOXにより加熱され、かつ加圧器6により所定の高圧に維持された状態で、冷却水配管4を通して蒸気発生器3に送られる。蒸気発生器3では、高圧高温の一次冷却水と二次冷却水との間で熱交換が行われ、冷やされた一次冷却水は、冷却水配管5を通して加圧水型原子炉2に戻される。
また、蒸気発生器3にて、高圧高温の一次冷却水と熱交換を行って生成された二次冷却水の蒸気は、冷却水配管11を通して蒸気タービン10(高圧タービン10Aから低圧タービン10B)に送られ、この蒸気により蒸気タービン10を駆動して発電機により発電を行う。このとき、蒸気発生器3からの蒸気は、高圧タービン10Aを駆動した後、湿分分離加熱器12で蒸気に含まれる湿分が除去されると共に、加熱されてから低圧タービン10Bを駆動する。湿分分離加熱器12で除去された湿分は、湿分分離加熱器ドレンポンプ26aにより湿分分離加熱器ドレン26を介して湿分分離加熱器ドレンタンク23に送られて貯留される。そして、蒸気タービン10を駆動した蒸気は、復水器15で冷却されて復水となり、復水脱塩装置19で復水に含まれる海水成分が除去され、低圧給水加熱器21で、低圧タービン10Bから抽気した低圧蒸気により加熱され、脱気器17で溶存酸素や不凝結ガス(アンモニアガス)などの不純物が除去される。その後、二次冷却水は、湿分分離加熱器ドレンタンク23に一旦貯留され、高圧給水加熱器25で、高圧タービン10Aから抽気した高圧蒸気により加熱された後、蒸気発生器3に戻される。
また、低圧給水加熱器21では、低圧蒸気が凝縮された凝縮水を、低圧給水加熱器ドレンポンプ27aにより低圧給水加熱器ドレン27を介して冷却水配管22に排水する。なお、低圧給水加熱器21の凝縮水を復水器15に排水してもよい。また、高圧給水加熱器25では、高圧蒸気が凝縮された凝縮水を、高圧給水加熱器ドレンポンプ28aにより低圧給水加熱器ドレン28を介して脱気器17に排水する。なお、高圧給水加熱器25の凝縮水を復水器15に排水してもよい。また、蒸気発生器3では、冷却水配管22により戻された二次冷却水の一部を、不純物と共に、蒸気発生器3の二次冷却系底側に配置した蒸気発生器ドレン29を介して蒸気発生器3の外部に排水する。蒸気発生器ドレン29を介して排水された二次冷却水は、復水器15に送られて浄化される。
このような加圧水型原子力プラントにおいて、二次冷却系の冷却水配管16,22や、復水ポンプ18、復水脱塩装置19、復水ブースターポンプ20、低圧給水加熱器21、脱気器17、湿分分離加熱器ドレンタンク23、給水ポンプ24および高圧給水加熱器25におけるケーシングなどの機器は、主に炭素鋼で構成されている。すなわち、各機器を構成する炭素鋼から時間の経過とともに腐食生成物としての鉄イオンが二次冷却水に溶解し、下流の機器表面に被膜となって付着して機器の性能を低下させるおそれがある。特に、蒸気発生器3の伝熱管の内面に鉄イオンが付着すると、熱効率の低下や、伝熱管支持穴の閉塞や、伝熱管の腐食を助長させることがある。
ここで、発明者等は、蒸気発生器3への鉄イオンの持ち込みは、二次冷却水のpH値に依存して決定され、pH値が低いほど鉄濃度が高くなることを見出した。蒸気発生器3内では、蒸気が発生して水相は濃縮されるが、鉄イオンは殆ど濃縮されず、蒸気発生器3内にスケールとして付着してしまう。蒸気発生器3内での二次冷却水の鉄濃度はpH値により支配される。
そこで、本実施の形態の蒸気発生器スケール付着抑制方法では、蒸気発生器3に供給されて蒸発される二次冷却水のpH値を、蒸気発生器3に供給される以前のpH値よりも下げた後、この二次冷却水の一部を蒸気発生器3の外部に排出する。
蒸気発生器3に供給される二次冷却水のpH値を、蒸気発生器3に供給される以前のpH値よりも下げることで、蒸気発生器3内の二次冷却水の鉄イオンが濃縮される。そして、この鉄イオンが濃縮された二次冷却水を、蒸気発生器ドレン29を介して蒸気発生器3の外部に排水することにより、蒸気発生器3内の鉄イオンを減少させることができる。この結果、蒸気発生器3へのスケールの付着を抑制することが可能になる。
また、本実施の形態の蒸気発生器スケール付着抑制方法では、蒸気発生器3に供給される以前のpH値および下げたpH値が7以上のアルカリ性の範囲内であることが好ましい。
蒸気発生器3に供給される以前の二次冷却水のpH値がアルカリ性であれば、蒸気発生器3以前での二次冷却系の冷却水配管16,22や、復水ポンプ18、復水脱塩装置19、復水ブースターポンプ20、低圧給水加熱器21、脱気器17、湿分分離加熱器ドレンタンク23、給水ポンプ24および高圧給水加熱器25におけるケーシングなどの機器において、二次冷却水への鉄イオンの溶解が低減される。この結果、蒸気発生器3に持ち込まれる鉄イオンが低減され、蒸気発生器3へのスケールの付着をより抑制することが可能になる。また、蒸気発生器3に供給された二次冷却水のpH値がアルカリ性であれば、蒸気発生器におけるスケール付着が緩和されるので、蒸気発生器3へのスケールの付着をより抑制することが可能になる。
また、本実施の形態の蒸気発生器スケール付着抑制方法では、蒸気発生器3に供給される二次冷却水に不揮発性酸を添加する。
蒸気発生器3内への不揮発性酸の添加は、図1に示す添加装置30が適用される。添加装置30は、冷却水配管22における高圧給水加熱器25の下流側であって、蒸気発生器3の二次冷却水の入口近傍に配置されている。添加装置30は、例えばポンプにより所定量の不揮発性酸を添加するように構成されている。なお、添加装置30を蒸気発生器3に配置して、蒸気発生器3内に不揮発性酸を直接添加するように構成してもよい。
不揮発性酸としては、ホウ酸やクエン酸などがある。不揮発性酸は、蒸気発生器3内での二次冷却水の蒸発により水相に濃縮されるため、蒸気発生器3内の二次冷却水のpH値が低下することになる。すなわち、不揮発性酸の添加により、蒸気発生器3内の二次冷却水のpH値が低下し、蒸気発生器3内の鉄イオンが濃縮される。蒸気発生器3内のpH値が1変化すると、水素イオンは1桁変化し、鉄イオンの溶解度もほぼ1桁変化する。例えば、復水脱塩装置19と復水ブースターポンプ20との間で、冷却水配管16にアンモニアやヒトラジンなどの揮発性薬品が注入されて、蒸気発生器3に供給される以前の二次冷却水のpH値が10に設定された条件で、蒸気発生器3に供給される二次冷却水にホウ酸20ppmを添加した場合、アルカリとなるアンモニアは蒸発し、不揮発性酸により蒸気発生器3内の二次冷却水のpH値が1低下して9となる。このとき、蒸気発生器ドレン29を介して蒸気発生器3の外部に排水される鉄イオンは、pH値10のときと比較して20倍〜50倍程度に濃縮される。蒸気発生器3の外部に排水される二次冷却水に含まれる鉄イオンは、通常1〜2%であるが、20倍〜50倍に濃縮されたことで、排水される二次冷却水に含まれる鉄イオンが20%〜100%となる。この結果、蒸気発生器3に持ち込まれる鉄イオンの殆どが蒸気発生器ドレン29から排出されることになるので、蒸気発生器3へのスケールの付着を抑制することが可能になる。
また、本実施の形態の蒸気発生器スケール付着抑制方法では、蒸気発生器3に供給される二次冷却水に揮発性酸を添加する。
蒸気発生器3内への揮発性酸の添加は、図1に示す添加装置30が適用される。揮発性酸としては、炭酸、酢酸などのいわゆる弱酸で、蒸気発生器3内では気液分配が無視できるもので、かつ蒸気発生器3における伝熱管と伝熱管支持板との間の隙間などで堆積しないものであることが必要である。
そして、揮発性酸は水相に濃縮されるため、蒸気発生器3内の二次冷却水のpH値が低下することになる。すなわち、揮発性酸の添加により、蒸気発生器3内の二次冷却水のpH値が低下し、蒸気発生器3内の鉄イオンが濃縮される。この結果、蒸気発生器3に持ち込まれる鉄イオンの殆どが蒸気発生器ドレン29から排出されることになるので、蒸気発生器3へのスケールの付着を抑制することが可能になる。
また、本実施の形態の蒸気発生器スケール付着抑制方法では、蒸気発生器3に供給される二次冷却水が流通する部位を低合金鋼またはステンレス鋼で構成する。
低合金鋼またはステンレス鋼とする対象部位は、二次冷却系の冷却水配管16,22や、復水ポンプ18、復水脱塩装置19、復水ブースターポンプ20、低圧給水加熱器21、脱気器17、湿分分離加熱器ドレンタンク23、給水ポンプ24および高圧給水加熱器25におけるケーシングなどの蒸気発生器以前の機器がある。
二次冷却水が流通する部位が炭素鋼で構成されている場合、二次冷却水のpH値を高くしてアルカリ性の範囲にすることで、二次冷却水への鉄イオンの溶解が抑えられるが、必然的に蒸気発生器3内に供給される二次冷却水のpH値も高くなり、蒸気発生器3でのスケール付着を助長させる傾向にある。
この点、低合金鋼またはステンレス鋼は、耐食性に優れ、二次冷却水への鉄イオンの溶解を抑えるため、蒸気発生器3に供給される以前の二次冷却水のpH値を比較的低く設定できる。この結果、蒸気発生器3の鉄イオンの持ち込みを抑えたうえで、蒸気発生器3内に供給される二次冷却水のpH値を低くすることで、蒸気発生器3へのスケールの付着をより抑制することが可能になる。
なお、上述した実施の形態では、不揮発性酸を添加する箇所を、蒸気発生器3の二次冷却水の入口近傍、または蒸気発生器3に直接としたが、この限りではない。例えば、蒸気発生器3に供給される以前の二次冷却水のpH値をアルカリ性で安定させるため、上述したように復水脱塩装置19と復水ブースターポンプ20との間で、冷却水配管16にアンモニアやヒトラジンなどの揮発性酸を注入している。ここにおいて、揮発性酸と共に不揮発性酸を添加することで、蒸気発生器3に供給される以前では、二次冷却水が揮発性酸に依存するpH値となるが、蒸気発生器3内では、揮発性酸が二次冷却水と共に蒸発するので、残った不揮発性酸により二次冷却水のpH値が下がることになる。すなわち、蒸気発生器3内の二次冷却水のpH値を下げるための不揮発性酸を、他の添加物と同じ箇所で添加することが可能になる。
以上のように、本発明に係る蒸気発生器スケール付着抑制方法は、蒸気発生器におけるスケールの付着を抑制することに適している。
1 原子炉格納容器
2 加圧水型原子炉
3 蒸気発生器
4,5 冷却水配管
6 加圧器
7 冷却水ポンプ
10 蒸気タービン
10A 高圧タービン
10B 低圧タービン
11,16,22 冷却水配管
12 湿分分離加熱器
13 低温再熱管
14 高温再熱管
15 復水器
17 脱気器
18 復水ポンプ
19 復水脱塩装置
20 復水ブースターポンプ
21 低圧給水加熱器
23 湿分分離加熱器ドレンタンク
24 給水ポンプ
25 高圧給水加熱器
26 湿分分離加熱器ドレン
26a 湿分分離加熱器ドレンポンプ
27 低圧給水加熱器ドレン
27a 低圧給水加熱器ドレンポンプ
28 低圧給水加熱器ドレン
28a 高圧給水加熱器ドレンポンプ
29 蒸気発生器ドレン
30 添加装置

Claims (5)

  1. 蒸気発生器に供給されて蒸発される水のpH値を、前記蒸気発生器に供給される以前のpH値よりも下げた後、前記水の一部を蒸気発生器の外部に排出することを特徴とする蒸気発生器スケール付着抑制方法。
  2. 前記蒸気発生器に供給される以前のpH値および下げたpH値がアルカリ性の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の蒸気発生器スケール付着抑制方法。
  3. 前記蒸気発生器に供給される水に不揮発性酸を添加することを特徴とする請求項1または2に記載の蒸気発生器スケール付着抑制方法。
  4. 前記蒸気発生器に供給される水に揮発性酸を添加することを特徴とする請求項1または2に記載の蒸気発生器スケール付着抑制方法。
  5. 前記蒸気発生器に供給される水が流通する部位を低合金鋼またはステンレス鋼で構成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の蒸気発生器スケール付着抑制方法。
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