JP2018063072A - 熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で高圧給水加熱器の伝熱管群を腐食から防ぐ高圧給水加熱器を提供する
【解決手段】本体胴と、該本体胴内に設置された複数の伝熱管からなる伝熱管群と、該本体胴に設けられ、前記伝熱管群にボイラ水を供給する給水流入水室と、伝熱管群から流出する加熱されたボイラ水を排出する給水流出水室と、前記本体胴に設けられ、該本体胴内に抽気を導入する抽気入口とドレンを導入するドレン入口と、前記本体胴内に導入された抽気及びドレンの凝縮水を排出する本体胴に設けられたドレン出口とを備えた熱交換器において、前記伝熱管のうち、ドレンが衝突する範囲の伝熱管外周面にNi−Cr系金属をコーティングした。
【選択図】図2

Description

本発明は、発電所、工場等の施設に設置されてボイラ用給水を加熱する熱交換器の一つである高圧給水加熱器に関し、特に熱交換器の伝熱管浸食防止構造に関する。
火力発電所では石油や石炭等の化石燃料を燃焼させて熱を発生させる。また、原子力発電所では核反応により熱を発生させて給水を加熱して蒸気を発生させる。上記何れの発電プラントにおいても、蒸気の圧力によってタービンを回転させることで発電機を駆動している。このような火力発電所や原子力発電所等の発電プラントにおいては、発生させた熱を効率的に利用するため、様々な熱交換が行われている。
ボイラ水の給水系統における熱交換手段としては、低圧給水加熱器、脱気器、高圧給水加熱器、節炭器等が用いられ、復水器から供給されたボイラ水はこれら各種熱交換器を経ることで徐々に高温高圧となり蒸気ドラムに導かれる。また、熱の利用効率を高めるため、低圧給水加熱器及び高圧給水加熱器は多段構成とするのが一般的である。
特に熱交換器のドレン流入口から流入する蒸気と水とからなる気液二相のドレン流の圧力は、高圧給水加熱器では相当高圧であると共に、多段で構成した高圧給水加熱器のドレン下流側(下段)においては、流入するドレン流の量がドレン上流側の高圧給水加熱器に比して増加するので、ドレン流による伝熱管群の浸食が発生しやすいという課題がある。
伝熱管におけるエロージョン、コロージョンは、ドレンの流量が多く、高圧であり、かつドレン温度が200℃を下回る高圧給水加熱器のドレン下段側で発生しやすく、伝熱管に減肉あるいは穴あきが発生すると、穴あき等が発生した漏洩管から噴出する給水が他の伝熱管に衝突し、犠牲管が発生する可能性が高まるため、速やかに発電プラントを停止し、穴あきが発生した伝熱管に閉止栓を取り付ける必要がある。
図6は長時間(1000時間)の浸漬による温度と腐食速度との関係を示した図であり、○はボイラ・熱交換器用炭素鋼鋼管(STB35)の結果、□はボイラ・熱交換器用合金鋼管(STBA24)の結果を示す図であり、同図からも明らかなように200℃を下回るといずれの鋼管の腐食速度も高まる。特に炭素鋼鋼管の場合、その腐食速度は120℃で15.6(mg/dm2・day)に達する。一方、合金鋼管の場合も120℃でピークに達するが、その腐食速度は炭素鋼鋼管の1/5以下であり、合金鋼管の方が低温時の腐食速度が低く、200℃を下回るドレン流が流入する熱交換器では有利である。
しかしながら、特に貫流ボイラの場合、給水へ溶出する銅イオンはボイラ内の蒸発管で銅の水酸化物及び酸化物として再析出し、伝熱を阻害して燃料消費量の増加や蒸気発生量の低下をもたらす。さらに析出物と管表面との隙間内でアルカリや酸が濃縮されることによる二次腐食の原因にもなるので給水系統や復水系統における銅イオンの溶出を防止するため炭素鋼鋼管加熱管が用いられる。
伝熱管群の浸食を防止するため、特許文献1ではバッフルプレートと伝熱管の貫通部の隙間部に耐熱性の軟質材料を装着して伝熱管の振動を防止する手法や、アンモニア若しくはアルカリ液を加熱用水蒸気の蒸気相部に注入し、凝縮水のpHを9.4以上に調整する手法や、酸素を含む混合ガスを加熱用水蒸気の蒸気気相部に供給して凝縮水中の溶存酸素濃度を100ppb以上に調整する手法を用いることで伝熱管のドレンによる減肉を防止している。
特開2000−88207公報
しかし、特許文献1記載の発明は凝縮水のpH調整や溶存酸素濃度調整が必要であるため装置構成や調整作業が複雑化するという問題があり、より簡便な方法による浸食防止策が望まれていた。
本発明は上記の事情に鑑みなされたものであり、簡単な構成で高圧給水加熱器の伝熱管群を腐食から防ぐ高圧給水加熱器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、本体胴と、該本体胴内に設置された複数の伝熱管からなる伝熱管群と、該本体胴に設けられ、前記伝熱管群にボイラ水を供給する給水流入水室と、伝熱管群から流出する加熱されたボイラ水を排出する給水流出水室と、前記本体胴に設けられ、該本体胴内に高温高圧流体を導入する高温高圧流体入口と、前記本体胴内に導入された高温高圧流体の凝縮水を排出する本体胴に設けられた高温高圧流体出口とを備えた熱交換器において、前記伝熱管のうち、高温高圧流体が接する範囲の伝熱管外周面にNi−Cr系金属をコーティングしたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の熱交換器において、前記高温高圧流体入口と前記伝熱管との間であって、前記高温高圧流体入口から導入された高温高圧流体が接する位置に衝撃緩衝板を配置すると共に、前記伝熱管のうち、少なくとも前記衝撃緩衝板を伝って流下する高温高圧流体が接する範囲の伝熱管外周面にNi−Cr系金属をコーティングしたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1、又は2記載の熱交換器において、前記Ni−Cr系金属コーティングの厚みが100μm乃至300μmであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の熱交換器において、前記Ni−Cr系金属コーティングの厚みが200μmであることを特徴とする。
本発明によれば熱交換器のドレン入口から導入される気液二相の高温高圧流体が接する伝熱管外面に耐摩耗材料であるNi−Cr系金属をコーティングすることでエロージョン、コロージョンによる減肉を防止することができる。また抽気入口から導入される抽気が接する伝熱管外面に耐摩耗材料であるNi−Cr系金属をコーティングすることでエロージョン、コロージョンによる減肉を防止することができる。さらに、熱交換器のドレン入口及び抽気入口と伝熱管との間、あるいはドレン入口または抽気入口と伝熱管との間であって、前記ドレン入口或いは抽気入口から導入されるドレンあるいは抽気が接する位置に衝撃緩衝板を設け、かつ該衝撃緩衝板を伝って流下するドレンあるいは抽気が接する伝熱管の外周面に耐摩耗材料であるNi−Cr系金属をコーティングすることで、エロージョン、コロージョンによる減肉を防止することができる。
本発明の給水加熱器が適用される火力発電プラントの一例の概略構成を示す説明図である。 (a)は高圧給水加熱器の長手方向断面図、(b)は(a)におけるA−A断面図及び一部拡大図である。 (a)、(b)は本発明に係る熱交換器18の他の実施の形態の構成を示す図である。 本発明に係る熱交換器への改修を図る際の工程を説明する図であり、(a)は内部構造を一部表示した熱交換器の斜視図、(b)は熱交換器の本体胴を開放させる箇所を示した図、(c)は本体胴の一部を開放し、衝撃緩衝板を取り外した状態を示す図、(d)は開放された本体胴の上部から溶射を行う状態を示した図である。 衝撃緩衝板を取り付けた状態の熱交換器のドレン流入口付近の模式図である。 長時間(1000時間)の浸漬による温度と腐食速度との関係を示した図である。
以下、本発明を図面に示した実施形態を用いて詳細に説明する。なお、本発明に係る高圧給水加熱器の説明に先立ち、本発明の給水加熱器が適用される火力発電プラントの一例を図1を用いて説明する。ただし、図1では細かいバルブや各種補機類の図示を省略している。
図1は火力発電所の発電プラントの概要を示す図であり、ボイラ1、高圧タービン3、低圧タービン4、発電機7、復水器9、復水ポンプ10、低圧給水加熱器11、12、13、脱気器15、給水ポンプ16、高圧給水加熱器18、19、20、フラッシュタンク22、主蒸気弁25、水位調整用弁27、28、29を含む。なお、給水系統は実線で記載し、抽気を含む蒸気系統は一点鎖線で記載している。
復水器9内のボイラ水は復水ポンプ10にて低圧給水加熱器11、12、13に供給される。低圧給水加熱器11、12、13にはそれぞれ低圧タービン4の中間段から抽気された蒸気が供給され、給水されるボイラ水を加熱する。ボイラ水を加熱することで復水(凝縮水)した水はバルブ27を介して復水器9に戻される。
低圧給水加熱器11、12、13で加熱されたボイラ水は脱気器15に供給され、給水中の溶存ガスが分離・除去され、給水ポンプ16により高圧給水加熱器18、19、20へと供給される。高圧給水加熱器18、19、20にはそれぞれ高圧タービン3から抽気された蒸気が供給され、給水されるボイラ水を加熱する。ボイラ水を加熱することで復水(凝縮水)した水はバルブ28を介して脱気器15に戻される。
高圧給水加熱器18、19、20で加熱されたボイラ水はボイラ1の図示を省略した節炭器及び蒸発器で更に加熱された後、一次過熱器31や二次過熱器32で高温高圧の蒸気となり、主蒸気弁25を介して高圧タービン4に供給される。高圧タービン4では供給された高温高圧の蒸気エネルギーが回転エネルギーに変換され、発電機7が駆動される。また、高圧タービン4の最終段から排気された蒸気はボイラ1の一次再熱器35及び二次再熱器36に導かれて再び加熱され、その再加熱された蒸気は低圧タービン4に供給される。低圧タービン4に供給された蒸気も回転エネルギーに変換され、発電機7が駆動される。
低圧タービン4の最終段から排気された蒸気は復水器9に導かれ、冷却されることにより復水する。火力発電所等のように大型の発電プラントの場合、復水器9にて蒸気を冷却する媒体は海水等が用いられるのが一般的である。また一次過熱器31にて過熱された蒸気の一部はバルブ29を介してフラッシュタンク22に供給され、フラッシュタンク22で蒸気を減圧沸騰させ、それを復水器9に戻して熱回収が図られている。その他、各系統にもバルブが設けられ、低圧給水加熱器、高圧給水加熱器の水位が調整されるが、その詳細な説明は省略する。
このように発電プラントでは一次、二次過熱器、一次、二次再熱器、高圧、低圧給水加熱器、フラッシュタンク、節炭器、蒸発器(図示せず)等、多段階の熱交換が行われ、プラントの熱効率を上げている。これら熱交換器のうち高圧給水加熱器では、供給されるボイラ水が高圧であるため管式熱交換器が採用され、管内に高圧のボイラ水が流通し、管外に高圧タービンからの抽気やドレンが供給される。
また、高圧給水加熱器のドレン下流側にあたる高圧給水加熱器18では流入するドレン流が多く、かつ高圧であり、さらにドレンの温度が200℃を下回る可能性が高いため、エロージョン、コロージョンが発生しやすい。そこで、本発明では以下説明するように簡単な構成でエロージョン、コロージョンを防止できる熱交換器を提供するものである。
〔第一の実施形態〕
本発明の第一の実施形態に係る高圧給水加熱器について図2に基づいて説明する。図2は、本発明に係る高圧給水加熱器の一形態を示す図であり、(a)は高圧給水加熱器の長手方向断面図、(b)は(a)におけるA−A断面図及び一部拡大図である。なお、高圧給水加熱器18、19、20のいずれも同じ構造のため、高圧給水加熱器18を一例として説明する。
高圧給水加熱器18は円筒形状の本体胴51に高圧タービン3からの抽気(高温高圧流体)を導入する抽気入口(高温高圧流体入口)52と、過熱器等からの高温高圧の蒸気及び水の気液二相のドレン(高温高圧流体)を導入するドレン流入口(高温高圧流体入口)53と、導入された高温高圧流体としての蒸気やドレンが熱交換により凝縮して生じた水が外部に導かれるドレン水出口(高温高圧流体出口)54を備える。
また、給水ポンプからのボイラ水を導入する給水入口56と、熱交換後のボイラ水出口である給水出口57とを備え、給水入口56と給水出口57とは隔壁58により隔てられ、それにより給水流入室59と給水流出室60とが形成されている。本体胴51の端部にはマンホール61が設けられている。
本体胴51内には支持板63で支持され複数のU字状伝熱管65から構成した伝熱管群67と、該伝熱管群67の中心部に配置されて蒸気中の不凝縮性ガスを除去するベント管69が設けられている。伝熱管65は貫流ボイラの場合、Cuイオンの溶出を防止するため鋼管加熱管が用いられる。なお、図示を省略したが、抽気入口やドレン流入口から導入される蒸気やドレン等と伝熱管群67内を流動する給水との熱交換を効率的に行うため、伝熱管群67内には蒸気やドレン等の高温高圧流体が本体胴51内をジグザグに流れるよう仕切り板が設けられている。
本発明に係る熱交換器においては、伝熱管群67を構成する伝熱管65のうち、抽気入口52やドレン流入口53から導入される抽気やドレンが衝突する(接する)部位65a、65bにおいて、鋼管加熱管からなる伝熱管の外周面(の一部、又は全部)に耐摩耗性材料であるNi−Cr系金属のコーティング(Ni−Cr系金属膜)70が施されている。これにより、Cuイオンの溶出を最小限に抑えながら、ドレンや抽気の衝突によるエロージョン、コロージョンを防止することができる。
Ni−Cr系金属のコーティング方法としては溶射を利用し、てNi−Cr系金属を伝熱管に吹き付けて被膜を作製すれば良い。溶射の方法としては、アルゴンなどのガス中で大電流の直流アーク放電により、高温高速のプラズマジェットを溶射ガン中に生成させ、このプラズマジェット中に粉末状の溶射材料を投入することにより溶融と加速を行い成膜するプラズマ溶射や、2本の金属ワイヤ間でアーク放電を発生させ、この放電エネルギーによりワイヤを溶融させるアーク溶射や、酸素−プロピレン、酸素−水素、酸素−ケロシン、空気−ケロシンなどにより得られた高温の燃焼ガスを細長いノズル中で絞ることで高速流を作り、溶射材料粉末をノズルに供給することで溶射材料粉末が溶融、加速され、高速で基材に衝突し成膜する高速フレーム溶射などを用いることができる。
このような熱交換器においては、給水ポンプからの給水されるボイラ水は給水入口56から流入し給水流入室59を介して伝熱管65内部に導かれ、伝熱管65内を流れる間に抽気入口52やドレン流入口53から供給される蒸気やドレンと熱交換を行って、高温のボイラ水となり、給水流出室60を介して給水出口57から外部へ流出する。その後、節炭器等のさらなる熱交換器を介してさらに高温高圧となり、ボイラのドラムに供給される。抽気入口52及びドレン流入口53から供給される蒸気やドレンは、伝熱管群59を流れる低温の給水と熱交換して冷却され、ドレン水となってドレン水出口54から出ていく。
図2(b)の拡大図において太線で示したように、抽気入口52に近い伝熱管65の外周上側、すなわち、抽気入口に対向している部位65aにNi−Cr系金属膜70を溶射により付着させている。断面から見た伝熱管の配列が千鳥配列の場合、抽気入口から導入される抽気が直接衝突する範囲の伝熱管の外周面の一部にNi−Cr系金属膜70が設けられている。Ni−Cr系金属膜のコーティング厚は100μ乃至300μmであれば、耐浸食、耐腐食性を保ち、かつ、コーティングされた金属の溶出による影響が少なく済み、200μmが好ましい。
ドレン流入口53と対向している伝熱管65の部位65bについても同様にNi−Cr系金属膜70を成膜する。
このように流入する蒸気やドレンによる衝撃を緩和するための衝撃緩和板を用いなくとも蒸気やドレンにより伝熱管に生じるエロージョン、コロージョンを低減し、効率的な熱交換器を提供することができる。
このNi−Cr系金属膜の成膜作業は、既設の本体胴の一部を開放した状態で実施することが可能である。
〔第二の実施形態〕
図3(a)、(b)は本発明に係る熱交換器18の他の実施の形態を表す図であり、図2に示した実施の形態と比較して、抽気入口52及びドレン流入口53の下方であって、該抽気入口52及びドレン流入口53と伝熱管65との間に抽気或いはドレンによるエロージョン、コロージョン発生を防止する衝撃緩衝板71、72を設けると共に、衝撃緩衝板71、72を伝って流下する抽気或いはドレンが衝突する範囲の伝熱管65の外周面にNi−Cr系金属膜をコーティングしたものである(コーティング部分をハッチングで示す)。
抽気入口52及びドレン流入口53から導入される抽気やドレンは高温高圧であるため、衝撃緩衝板71、72を利用することで、伝熱管65へのエロージョン、コロージョン発生をより一層防止すると共に、衝撃緩衝板71、72に一旦当たってからこれを伝って流下するドレン等が衝突する範囲の伝熱管65の外周面にNi−Cr系金属70をコーティングしたため、ドレン等が衝突する部位の伝熱管のエロージョン、コロージョン発生を更に低減することができる。
〔第三の実施形態〕
図4は従来の熱交換器から本発明に係る熱交換器への改修を図る際の工程を説明する図であり、(a)は内部構造を一部表示した熱交換器の斜視図、(b)は熱交換器の本体胴を開放させる箇所を示した図、(c)は本体胴の一部を開放し、衝撃緩衝板を取り外した状態を示す図、(d)は開放された本体胴の上部から溶射を行う状態を示した図である。なお、衝撃緩衝板を備えた熱交換器のドレン流入口側に施行する場合を例に挙げて説明する。
まず、高圧給水加熱器18のドレン流入口53が設けられた本体胴51のドレン流入口53周辺を例えば破線75で示した線に沿って切断し、本体胴51内に格納されている衝撃緩衝板72、伝熱管群67、支持板63を視認(露出)できる状態とし、さらに衝撃緩衝板72を取り外し、衝撃緩衝板72の直下の伝熱管65を露出させる。
その後、例えば、高速フレーム溶射機の溶射ガン80を本体胴51の開口部51aから伝熱管群67の外周上面に向けてNi−Cr系金属を溶射することで、伝熱管群67のうち、溶射ガン80から放出される金属が到達する範囲の伝熱管65の上面にNi−Cr系金属膜をコーティングすることができる。多くの場合、伝熱管65は千鳥配列に配置されているので、ドレン流入口53から見て1段目の伝熱管65の外周部の上側にコーティングが形成されることとなる。
Ni−Cr系金属のコーティングの膜厚は100μm乃至300μmの範囲であり、好ましくは200μm程度であれば耐腐食性を保ち、かつ、コーティング金属の溶出による問題点を極力少なくすることができる。
溶射による金属コーティング後は再び衝撃緩衝板72を取り付け、更に本体胴51の開口部を溶接等で閉止することで、所望の範囲の伝熱管65の外周面に耐摩耗性金属であるNi−Crの被膜を有する熱交換器を得ることができる。なお、Ni−Cr系金属をコーティングした後、衝撃緩衝板72を取り付けず、本体胴51の開口部を閉止しても良い。
図5は衝撃緩衝板を取り付けた状態の熱交換器のドレン流入口付近の模式図である。ドレン流入口53に対向する伝熱管65の外周の一部であり、かつ、ドレン流82が衝撃緩衝板72を伝って流下する部位を含む領域65b(斜線部分)にNi−Cr系金属のコーティングを施すことでエロージョン、コロージョンを防止する。また、上記したように衝撃緩衝板72を省略した場合であっても、ドレン流入口53から流入し、伝熱管65に衝突する領域65bの伝熱管外周上面にコーティング70が施されているので、エロージョン、コロージョンの発生を防止することができる。
<本発明の構成、作用、効果のまとめ>
本体胴、複数の伝熱管からなる伝熱管群、給水流入水室、給水流出水室、抽気入口、ドレン入口、ドレン出口を備えた熱交換器において、伝熱管のうち、抽気またはドレンが衝突する範囲の伝熱管外周面にNi−Cr系金属をコーティングした。これにより抽気またはドレンの衝突による伝熱管群のエロージョン、コロージョンを防止することができる。
また、上記構成に加え、ドレン入口と伝熱管との間、及び/または、抽気入口と伝熱管との間であって、ドレン入口から導入されたドレンが衝突する位置、及び/または、抽気入口から導入された抽気が衝突する位置に衝撃緩衝板を配置すると共に、伝熱管のうち、少なくとも衝撃緩衝板を伝って流下するドレン、及び/または、抽気が衝突する範囲の伝熱管外周面にNi−Cr系金属をコーティングした。これにより高圧給水加熱器のドレン下流側の熱交換器において、流入するドレン量が増加し、エロージョン、コロージョンが発生しやすい状況であっても、Ni−Cr系金属のコーティングにより伝熱管群のエロージョン、コロージョンを防止することができる。
さらに、Ni−Cr系金属のコーティングの厚みが100μm乃至300μm、好ましくは200μmである。これにより、鋼管加熱管からなる伝熱管の外周面に耐摩耗性材料であるNi−Cr系金属のコーティングを施し、貫流ボイラにおいてCuイオンの溶出を最小限に抑えながら、ドレンや抽気の衝突によるエロージョン、コロージョンを防止することができる。
1…ボイラ、3…高圧タービン、4…低圧タービン、7…発電機、9…復水器、10…復水ポンプ、11、12、13…低圧給水加熱器、15…脱気器、16…給水ポンプ、18、19、20…高圧給水加熱器、22…フラッシュタンク、25…主蒸気弁、27、28、29…バルブ、31…一次過熱器、32…二次過熱器、35…一次再熱器、36…二次再熱器、51…本体胴、52…抽気入口(高温高圧流体入口)、53…ドレン流入口(高温高圧流体入口)、54…ドレン水出口(高温高圧流体出口)、56…給水入口、57…給水出口、58…隔壁、59…給水流入室、60…給水流出室、61…マンホール、63…支持板、65…伝熱管、67…伝熱管群、69…ベント管、70…Ni−Cr系金属コーティング、71、72…衝撃緩衝板、75…切断部、80…溶射ガン、82…ドレン流

Claims (4)

  1. 本体胴と、
    前記本体胴内に設置された複数の伝熱管からなる伝熱管群と、
    前記本体胴に設けられ、前記伝熱管群にボイラ水を供給する給水流入水室と、前記伝熱管群から流出する加熱されたボイラ水を排出する給水流出水室と、
    前記本体胴内に高温高圧流体を導入する高温高圧流入口と、
    前記本体胴内に導入された高温高圧流体の凝縮水を排出する高温高圧流体出口と、を備えた熱交換器において、
    前記伝熱管のうち、高温高圧流体が接する範囲の伝熱管外周面にNi−Cr系金属をコーティングしたことを特徴とする熱交換器。
  2. 前記高温高圧流体入口と前記伝熱管との間であって、前記高温高圧流体入口から導入された高温高圧流体が接する位置に衝撃緩衝板を配置すると共に、前記伝熱管のうち、少なくとも前記衝撃緩衝板を伝って流下する高温高圧流体が接する範囲の伝熱管外周面にNi−Cr系金属をコーティングしたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記Ni−Cr系金属コーティングの厚みが100μm乃至300μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱交換器。
  4. 前記Ni−Cr系金属コーティングの厚みが200μmであることを特徴とする請求項3に記載の熱交換器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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