JP2011126714A - 動物を誘導するために機械式に巻き取り可能かつ巻き出し可能な引き綱のロープ滑車のための制動装置 - Google Patents

Abstract

【課題】動物を誘導するためのロープ滑車の有する制動装置におけるロープの騒音を低減させる。
【解決手段】制動キー１３の下側部分１５は、ブラシの剛毛を介して、ロープ滑車１１と協働し、ロープ滑車の回転運動によって、下側部分を巻き取り方向に旋回させて、ロープ滑車が巻き取り方向に回転可能にする。
【選択図】図１ａ

Description

本発明は、動物を誘導するために機械式に巻き取り可能かつ巻き出し可能な引き綱のロープ滑車のための制動装置に関するものであり、ベルトまたはロープをばねの力に抗してロープ滑車から巻き出し可能であるとともに、ばねの力に基づいてロープ滑車へ巻き取り可能であり、当該制動装置は制動キーを含んでおり、当該制動キーは、ロープ滑車が自由に回転可能である休止位置から制動キーがロープ滑車からのロープの巻き出しをロックする作用位置へと可動であり、当該制動キーは、引き綱ハウジングから突出して利用者による操作を可能にする上側部分と、ロープ滑車と協働するとともに上側部分と旋回可能に結合された下側部分とを有しており、下側部分はロープの巻き取り方向に旋回可能であり、それにより、制動キーが作用位置にあるときにはロープ滑車からのロープの巻き出しが妨げられてロープ滑車への巻き取りが可能であるようになっている。特に、本発明は自動式の犬の引き綱に関するものであるので、以下においては主としてそのような犬の引き綱を取り上げて説明するが、そのことによって限定を行おうとするものではない。また、以下においては主としてロープを取り上げて説明するが、引き綱はベルトとして構成されていてもよい。

このような種類の制動装置は、本件出願人の特許文献１から公知である。このロープ滑車はその円周に沿って多数の突起を有しており、制動キーの下側部分が押し下げられた位置のときにこれらの突起に突き当たる。それにより、ロープ滑車からのロープのそれ以上の巻き出しが妨げられる。この押し下げられた位置のとき、下側部分はロープ滑車と摩擦を生じるように協働し、それにより、下側部分はロープ滑車が回転するときに巻き取り方向へ旋回して、巻き取り方向へのロープ滑車の回転を可能にする。ロープ滑車が再び巻き出し方向へ回転すると、下側部分は旋回してブロック位置へと戻り、ロープのそれ以上の巻き出しを妨げる。このような方策によって犬の連れ戻しが容易になる。制動キーを押し下げたままロープ滑車を犬に向かう方向へ動かすことができ、それにより、ロープが滑車に巻き取られるからである。引き続いて犬の引き綱を引き戻すと、ロープ滑車は再び巻き出し方向へ若干回転し、それにより、制動キーの下側部分はその作用位置へと旋回して、滑車からのロープのそれ以上の巻き出しを妨げる。このような種類の摩擦部材を設けることで、戻り止め爪の場合のような邪魔な騒音を回避することができる。

このような種類の犬の引き綱の構成は、いくつかの難点と結びついていることが示されている。特に、下側部分と円周面との間で十分な摩擦を実現するために、ロープ滑車の摩擦面に対する制動キーのスライド経路を正確に守ることが必要である。下側部分とロープ滑車の間の摩擦部材も、大きな摩耗を受ける。継続的に使用されて摩耗が進捗していく過程で、下側部分が十分に旋回して戻らなくなる危険があることが判明しており、そのために、引き綱は完全に機能性のあるままに保たれるものの、引き戻しプロセスが望ましくない騒音と結びつくことになる。

ドイツ実用新案出願公開第２０２００７００４２７３Ｕ１号明細書

本発明の課題は、機能は同じままで、引き綱を巻き取るときの騒音が高い信頼度で回避されるように、このようなロープ滑車のための冒頭に述べた種類の制動装置を構成することにある。

この課題は本発明によると、作用位置のときに下側部分がブラシの剛毛を介してロープ滑車と協働し、それによりロープ滑車の回転運動によって下側部分を巻き取り方向へ旋回させて、ロープ滑車が巻き取り方向へ回転可能なようにすることによって解決される。下側部分とロープ滑車との間に剛毛を配置することは、相互に可動の各部分の厳密な製作が必要なくなるという利点がある。剛毛は十分に長くてよく、下側部分の旋回をいかなる場合にも惹起し、製造時に寸法が正確に守られていなかった場合でも惹起する。さらに剛毛の使用は、摩擦面および剛毛のある程度の摩耗を機能への影響なしに許容し、それにより、滑車引き綱の信頼度の高い長期作動が可能となる。

下側部分は、ロープ滑車の回転軸と平行に延びる旋回軸を介して、上側部分と結合されている。上側部分をロープ滑車に向かう方向へ押し下げることで、下側部分は剛毛と作用接続する。巻き取り方向へロープ滑車が回転することで、すなわち滑車引き綱が動物に向かって動いたときに、下側部分はこの旋回軸を中心として旋回し、それにより、下側部分はロープ滑車の突起と接触しなくなる。このようにして騒音が高い信頼度で回避される。これと反対方向へ、すなわち巻き出し方向へロープ滑車が回転すると、下側部分は剛毛によって、ロープ滑車の突起と係合する位置へと旋回する。それ以上の巻き出しが高い信頼度で妨げられる。

ブラシの剛毛は下側部分に取り付けられており、作用位置のときにロープ滑車の円周面の上に当接することが意図されていてよい。円周面は半径方向外側を向く突起を有しており、粗面または平滑であってよい。それにより、一方または他方の方向への下側部分の高い信頼度の旋回が保証される。

別案として、剛毛はロープ滑車の円周面に取り付けられており、半径方向でロープ滑車に向かって延びていることが意図されていてよい。この場合、剛毛と協働する下側部分の面が、円周面に向かう方向を向く突起を含んでおり、粗面または平滑であると好都合な場合がある。この実施形態でも、所望の位置への下側部分の高い信頼度の旋回が実現される。

円周面はロープ滑車よりも短い直径を有しており、ロープ滑車と並んで軸方向に延びていることが意図されていてよい。したがって円周面は、ロープ滑車の軸方向の延長部として構成され、ロープ滑車とともに回転する、軸方向に延びる円形の突起に配置されている。このことは、ロープ滑車の直径が剛毛によって大きくならないという利点がある。下側部分は、それぞれの間でロープが巻き取られる、ロープ滑車の横の側面と並んで延びる旋回レバーを有している。したがって滑車引き綱のハウジングは、直径に関して、従来の滑車引き綱よりも大きくする必要はない。剛毛およびこれと協働する下側部分の部材のために十分なスペースがあるように、幅を若干広くすることが必要であるにすぎない。しかし、このことは支障にはならない。

さらに、剛毛がその横に配置されたロープ滑車の円周面に配置されている場合、剛毛はロープ滑車の外側の円周面から突き出さないことが意図されていてよい。したがって、引き綱ハウジングの半径方向外側の寸法を変更する必要がない。

ブラシの剛毛は任意の材料でできていてよい。剛毛は、プラスチック材料でできていることが意図されていてよい。プラスチックの使用は、侵入してくる水分や汚れに対して剛毛が比較的影響を受けにくいという利点がある。したがって、制動装置の高い信頼度の動作を保つことが可能である。

剛毛は、円周面または下側部分で均等に配分された状態で配置されていてよい。あるいは、剛毛が束として円周面または下側部分に配置されていることも可能である。これら両方の方策により、一方または他方の方向への下側部分の確実な旋回が惹起される。下側部分に配置された剛毛は、実質的に、ロープ滑車の回転軸に向かう方向に延びている。それにより、剛毛はロープ滑車の円周面と良好に協働することができる。

円周面と下側部分が、互いに向き合って協働する剛毛を備えていることも可能である。それによっても、下側部分の確実な旋回が上側部分で惹起される。

本発明をさらに発展させた実施形態では、上側部分は下側部分とともにストッパまで作用位置へ可動であることが意図される。それにより下側部分は、両方の位置の間での下側部分の旋回が可能であるような、ロープ滑車に対する間隔に保たれることが保証される。

このときストッパは、事前設定された力を印加することで克服可能な引掛り点として構成されていることが意図されていてよく、それにより、下側部分または下側部分もしくは上側部分と結合されたブロック部材が、ロープ滑車を巻き出し方向へも巻き取り方向へもブロックする。このような引掛り点は冒頭に掲げた特許文献１から知られており、したがって詳しい説明をする必要をみない。この位置のとき、ロープ滑車は両方の回転方向でブロックされる。したがって、引き綱は調整された長さを有している。

さらに、制動キーは係止レバーによって作用位置に保持されることが意図されていてよい。係止レバーは、それが有効になった位置のとき、ロープ滑車を巻き取り方向でブロックする。それによってロープは引き出された長さで確実に保たれ、制動キーを利用者が絶えず押し下げていなくてよい。

下記では、本発明及び制動装置の作動方式を模式図を参照して詳しく説明する。

ロープ滑車と制動キーを両方の側から（ａ、ｃ）、および正面図として（ｂ）休止位置で示す図である。 ロープ滑車と制動キーを両方の側から（ａ、ｃ）、および正面図として（ｂ）休止位置で示す図である。 ロープ滑車と制動キーを両方の側から（ａ、ｃ）、および正面図として（ｂ）休止位置で示す図である。 制動キーが押し下げられたロープ滑車を下側部分とともに作用位置で示す図である。 制動キーが押し下げられたロープ滑車を下側部分とともに作用位置で示す図である。 制動キーが押し下げられたロープ滑車を下側部分とともに作用位置で示す図である。 図２の図面であるが、下側部分が旋回している。 図２の図面であるが、下側部分が旋回している。 図２の図面であるが、下側部分が旋回している。 制動キーが完全に押し下げられたときのロープ滑車である。 制動キーが完全に押し下げられたときのロープ滑車である。 制動キーが完全に押し下げられたときのロープ滑車である。

動物を誘導するための図面に示す引き綱はロープ滑車１１を有しており、このロープ滑車はばねの力に抗して巻き出し方向１２へ回転可能であり、それにより、図示しないロープが滑車１１から巻き出される。往復してスライド可能なように図面には示さないハウジングに支承された制動キー１３が設けられている。この制動キー１３により、巻き出し方向および巻き取り方向でロープ滑車をブロックすることができる。

制動キー１３は、引き綱が組み立てられた位置のときに引き綱ハウジングから突出して、利用者による操作を可能にする上側部分１４を有している。さらに、旋回軸１６を介して旋回可能なように制動キー１３の上側部分１４と結合された下側部分１５が設けられている。具体的にはこの配置は、ロープ滑車１１の横の側面２２にある突起１７と下側部分が協働し、それにより、図２に示す位置のときに巻き出し方向への回転を妨げるように行われている。図１に示す休止位置では、下側部分はその係止ラグ１８によって突起１７と係合することができないので、ロープ滑車は両方の回転方向へ回転可能である。

さらにロープ滑車１１はブラシ１９を有しており、その剛毛２０が下側部分１５の延長部２１と協働する。ここでは延長部２１は、ロープ滑車１１の横の仕切り側面２２の横に並んで延びている。ブラシ１９は、ロープ滑車と回転不能に結合されたロープ滑車の軸方向の突起に配置されており、この突起の円周面２３に剛毛２０が取り付けられている。ここでは剛毛２０は、ロープ滑車の半径方向に延びている。延長部とロープ滑車は互いに一体的に結合されていてよい。

図１に示す休止位置のとき、下側部分１５とその係止ラグ１８、ならびに延長部２１はいずれもロープ滑車１１もしくはブラシ１９と係合しない。制動キーが押し下げられた図２に示す作用位置のときには、係止ラグ１８が突起１７に突き当たるので、滑車はもはや巻き出し方向へ回転することができない。

図３に示す制動キーの作用位置では、ロープ滑車が巻き取り方向２４へ回転する。延長部２１はブラシ１９の剛毛２０に入り込み、それにより、係止ラグ１８がロープ滑車１１の突起１７と係合できなくなる位置への下側部分１５の旋回を惹起する。したがってロープ滑車は、巻き取り方向２４へ自由に回転可能である。この位置のとき、ばね力に基づいてロープをロープ滑車へ騒音を出すことなく巻き取ることができる。

図４には、ロープ滑車が巻き取り方向へも巻き出し方向へもブロックされる制動キーの位置が示されている。引掛り点が設けられており、制動キーはこれを超えて図２および３に示す作用位置からロープ滑車に向かう方向へ押圧されなくてはならない。それにより、下側部分１５の延長部２１がいっそう剛毛の中に押し込まれ、このことは、剛毛の弾性に基づいて可能である。それと同時に、下側部分１５と結合されているブロック部材２５が、ロープ滑車１１の突起１７と係合する。このブロック部材２５は上側部分と固定的に結合されているので、ロープ滑車の回転は巻き取り方向２４へも巻き出し方向１２へも高い信頼度で妨げられる。

制動キーを作用位置で保持するために、図示しない係止手段が設けられていてもよい。このような種類の係止レバーは、たとえば本件出願人のドイツ実用新案出願公開第２９８０４６１５Ｕ１号明細書から公知であり、したがって詳しく説明する必要をみない。係止手段は係止位置のとき、同じくロープ滑車１１の突起１７に係合して、それ以上の巻き取りを妨げる。そして、ロープを事前設定された固定可能な引き綱の長さで、動物を誘導するために利用することができる。

下側部分の延長部２１の剛毛のほうを向く面は、円周方向で２つまたはそれ以上のブラシの剛毛束２０にわたって延びる面を有している。それにより、ロープ滑車の回転方向に依存して、下側部分の確実な往復旋回が保証される。特に、常に複数の剛毛または剛毛束が下側部分に係合して、旋回した位置で確実に保持するので、下側部分の振り子運動が回避される。

１１ ロープ滑車
１２ 巻き出し方向
１３ 制動キー
１４ 上側部分
１５ 下側部分
１６ 旋回軸
１７ 突起
１８ 係止ラグ
１９ ブラシ
２０ 剛毛
２１ 延長部
２２ 仕切り側面
２３ 円周面
２４ 巻き取り方向
２５ ブロック部材

Claims (15)

1. 動物を誘導するために機械式に巻き取り可能かつ巻き出し可能な引き綱のロープ滑車のための制動装置であって、ロープはばねの力に抗して前記ロープ滑車（１１）から巻き出し可能であるとともに、前記ばねの力に基づいて前記ロープ滑車へ巻き取り可能であり、前記制動装置は制動キー（１３）を含んでおり、該制動キーは、前記ロープ滑車（１１）が自由に回転可能である休止位置から前記制動キーが前記ロープ滑車からのロープの巻き出しをロックする作用位置へと可動であり、前記制動キーは、引き綱ハウジングから突出して利用者による操作を可能にする上側部分（１４）と、前記ロープ滑車と協働するとともに前記上側部分と旋回可能に結合された下側部分（１５）とを有しており、前記下側部分は前記ロープの巻き取り方向（１２）に旋回可能であり、それにより、前記制動キーが作用位置にあるときには前記ロープ滑車からのロープの巻き出しが妨げられて前記ロープ滑車への巻き取りが可能であるようになっている、そのような制動装置において、前記作用位置のときに前記下側部分（１５）はブラシ（１９）の剛毛（２０）を介して前記ロープ滑車（１１）と協働し、それにより前記ロープ滑車の回転運動によって前記下側部分（１５）を巻き取り方向へ旋回させて、前記ロープ滑車が巻き取り方向へ回転可能なようにすることを特徴とする制動装置。
2. 前記ブラシの剛毛は前記下側部分に取り付けられており、作用位置のときに前記ロープ滑車の円周面に当接することを特徴とする、請求項１に記載の制動装置。
3. 前記円周面は半径方向外側に向く突起を有しており、粗面または平滑であることを特徴とする、請求項２に記載の制動装置。
4. 前記剛毛（２０）は前記ロープ滑車の円周面（２３）に取り付けられており、前記ロープ滑車に対して半径方向に延びていることを特徴とする、請求項１に記載の制動装置。
5. 前記剛毛と協働する前記下側部分の面は前記円周面に向かう方向を向く突起を含んでおり、粗面または平滑であることを特徴とする、請求項４に記載の制動装置。
6. 前記円周面（２３）は前記ロープ滑車（１１）よりも短い直径を有しており、前記ロープ滑車に並んで軸方向に延びていることを特徴とする、請求項２または４に記載の制動装置。
7. 前記剛毛（２０）は前記ロープ滑車（１１）の外側の円周面から突き出ていないことを特徴とする、請求項４から６までのいずれか一項に記載の制動装置。
8. 前記剛毛はプラスチック材料でできていることを特徴とする、請求項１から７のいずれか一項に記載の制動装置。
9. 前記剛毛は前記円周面（２３）または前記下側部分に均等に配分された状態で配置されていることを特徴とする、請求項１から８のいずれか一項に記載の制動装置。
10. 前記剛毛は束（２０）として前記円周面または前記下側部分に配置されていることを特徴とする、請求項１から９のいずれか一項に記載の制動装置。
11. 前記円周面と前記下側部分は互いに向き合う協働する剛毛を備えていることを特徴とする、請求項１から１０のいずれか一項に記載の制動装置。
12. 前記上側部分は前記下側部分とともにストッパに当たるまで作用位置へ可動であることを特徴とする、請求項１から１１のいずれか一項に記載の制動装置。
13. 前記ストッパは事前設定された力の印加によって克服可能な引掛り点として構成されており、それにより、前記下側部分または前記上側部分と結合されたブロック部材は前記ロープ滑車を巻き出し方向へも巻き取り方向へもブロックすることを特徴とする、請求項１２に記載の制動装置。
14. 前記制動キーは作用位置のとき係止レバーによって保持されることを特徴とする、請求項１から１３のいずれか一項に記載の制動装置。
15. 前記係止レバーは有効な位置にあるときに前記ロープ滑車を巻き取り方向でブロックすることを特徴とする、請求項１４に記載の制動装置。

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