JP2011126462A - エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エアバッグの早い展開による拘束初期における拘束力の確保と、その後の拘束力の低減とが両立されるエアバッグ装置を得る。
【解決手段】サイドエアバッグ装置10は、ガス供給を受けて膨張、展開されるサイドエアバッグ12と、サイドエアバッグ12の展開初期には該サイドエアバッグ12に形成されたベントホール32を閉止状態に維持するベントホール開放遅延構造30とを備える。ベントホール開放遅延構造30は、オーバラップして配置された基布20の繋がり部38及び被覆布34の繋がり部42がサイドエアバッグ12の内圧上昇に伴って破断されることで、ベントホール32を一気に全開させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両に適用されるエアバッグ装置に関する。
基布に形成された切取部を覆う材料片に直交した2本のスリットをシームにて閉じ、エアバッグ展開後の乗員拘束の初期におけるガス漏れを抑制すると共に、その後シームが切れてベントホールが開放されると該ベントホールからガス抜きが行われる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、基布及び該基布に接合された当て布を貫通するように複数のスリットを形成し、複数のスリット間の切残し部が破断されるとベントホールが開放されるようにした技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。さらに、ベントホールの周囲を折り重ねると共に折り重ね部を接合し、エアバッグの展開圧で破断される縫製を展開側に頂部を有する山形に形成した技術が知られている(例えば、特許文献3参照)。
実開平9−134号公報 特開2003−200803号公報 特開平7−205738号公報
しかしながら、上記のような従来のエアバッグ装置では、ベントホールを展開させやすい構造を採るとガスの漏れ抑制効果が小さく、ガス漏れが抑制されやすい構造を採ると例えばシームの切れ残りなどに起因してベントホールの開度が小さくガスが抜けにくくなることが考えられる。
本発明は、エアバッグによる拘束初期における拘束力の確保と、その後の拘束力の低減とが両立されるエアバッグ装置を得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係るエアバッグ装置は、ガス供給を受けて膨張、展開されるエアバッグと、前記エアバッグに形成されたベントホールを閉止状態に維持し、該エアバッグの内圧上昇に伴って少なくとも一箇所が破断されることで、前記ベントホールが全開されるように前記ベントホールの閉止維持状態を解消するベントホール開放遅延構造と、を備えている。
請求項1記載のエアバッグ装置では、例えば車両の衝突時などに、エアバッグは、ガス供給を受けて膨張、展開され、車両の乗員を拘束する。この拘束の初期には、ベントホール開放遅延構造によってベントホールが閉止状態に維持されるので、初期からベントホールを通じてガスが漏れる構成と比べて、エアバッグの内圧が早く(短時間)で上昇する分、エアバッグが早く展開して拘束力も早く得られる。一方、この拘束(エアバッグの変形)に伴い該エアバッグの内圧が上昇すると、ベントホール開放遅延構造の少なくとも一箇所が破断される。この破断に伴うベントホール開放遅延構造によるベントホール閉止維持状態の解消とエアバッグ内圧の解放とによって、エアバッグのベントホールが全開される。これにより、エアバッグによる拘束力が速やかに低減される。
このように、請求項1記載のエアバッグ装置では、エアバッグの早い展開による拘束初期における拘束力の確保と、その後の拘束力の低減とが両立される。
請求項2記載の発明に係るエアバッグ装置は、請求項1記載のエアバッグ装置において、前記基布におけるベントホールの形成部位に重ね合わされた被覆布を備え、前記基布には、前記ベントホールを塞ぐ布片と、該布片同士又は前記基布におけるベントホールの周縁部分とを繋ぐ単一の繋がり部とが一体に形成されている。
請求項2記載のエアバッグ装置では、エアバッグによる乗員拘束の初期には、バッグ内圧で基布と密着される被覆布が布片の周囲の隙間(スリット)を覆い隠すので、所要の拘束力が確保される。そして、本エアバッグ装置では、基布側の単一の繋がり部がバッグ内圧(の上昇)により破断されると、それまで基布(繋がり部)と被覆布とで分担支持していた内圧が被覆布(の縫製部や弱め部等)に全て作用するので、該被覆布によるベントホールの閉止状態が解消される。これにより、ベントホールが全開される。
請求項3記載の発明に係るエアバッグ装置は、請求項1記載のエアバッグ装置において、前記基布におけるベントホールの形成部位に重ね合わされた被覆布を備え、前記エアバッグの基布は、前記ベントホールの周縁部から中央側に延び、該ベントホールの閉止状態を維持するように単一の基布側繋がり部で繋がった複数の基布側布片を有し、前記被覆布は、前記ベントホールの周縁部から中央側に延び、該ベントホールの閉止状態を維持するように単一の被覆側繋がり部で繋がった複数の被覆側布片を有し、前記ベントホール開放遅延構造は、前記被覆側布片が前記基布側布片の周囲の隙間を覆うように、かつ、前記エアバッグの展開状態で前記基布の厚み方向から見て前記被覆側繋がり部と前記基布側繋がり部とがオーバラップするように、前記基布に前記被覆布を接合して構成されている。
請求項3記載のエアバッグ装置では、エアバッグによる乗員拘束の初期には、バッグ内圧で基布と密着される被覆布が基布側布片の周囲の隙間(スリット)を覆い隠すので、所要の拘束力が確保される。そして、本エアバッグ装置では、それぞれ複数の基布側布片と被覆側布片とが互いの繋がり部をオーバラップさせて配置されており、このオーバラップされた(一箇所に集約された)繋がり部が破断されると、各布片が異なる方向に展開されてベントホールが全開される。
請求項4記載の発明に係るエアバッグ装置は、ガス供給を受けて膨張、展開されるエアバッグと、前記基布におけるベントホールの形成部位に重ね合わされた被覆布と、前記エアバッグの基布におけるベントホールの周縁部から中央側に延びる複数の基布側布片と、該複数の基布側布片によって前記ベントホールが閉止されるように該複数の基布側布片を部分的に繋ぐ基布側繋がり部と、前記被覆布におけるベントホールの周縁部から前記基布側布片の周囲の隙間を覆うように延びる複数の被覆側布片と、前記エアバッグの展開状態で前記基布の厚み方向から見て前記基布側繋がり部とオーバラップする位置で前記複数の被覆側布片を繋ぐことで該複数の被覆側布片が記基布側布片の周囲の隙間を覆う状態に維持する被覆側繋がり部とを含んで構成されたベントホール開放遅延構造と、を備えている。
請求項4記載のエアバッグ装置では、例えば車両の衝突時などに、エアバッグは、ガス供給を受けて膨張、展開され、車両の乗員を拘束する。この拘束の初期には、バッグ内圧で基布と密着される被覆布が基布側布片の周囲の隙間(スリット)を覆い隠すので、所要の拘束力が確保される。そして、本エアバッグ装置では、それぞれ複数の基布側布片と被覆側布片とが互いの繋がり部をオーバラップさせたベントホール開放遅延構造を備えている。このため、エアバッグの内圧が上昇すると、オーバラップされた(一箇所に集約された)繋がり部が破断され、各布片が異なる方向に展開されてベントホールが全開されつつエアバッグの内圧が解放される。これにより、エアバッグによる拘束力が速やかに低減される。
このように、請求項4記載のエアバッグ装置では、エアバッグの早い展開による拘束初期における拘束力の確保と、その後の拘束力の低減とが両立される。
請求項5記載の発明に係るエアバッグ装置は、請求項3又は請求項4記載のエアバッグ装置において、前記複数の基布側布片は、前記基布に一対のT字状のスリットを全体としてH字状を成すように向かい合わせて形成することで、該一対のT字状のスリット間の部分を前記基布側繋がり部として形成されており、前記複数の被覆側基布側布片は、前記被覆布に一対のT字状のスリットを全体としてH字状を成すように向かい合わせて形成することで、該一対のT字状のスリット間の部分を前記被覆側繋がり部として形成されており、前記ベントホール開放遅延構造は、前記被覆布におけるH字形状のスリットが、前記基布におけるH字形状のスリットに対して、オーバラップして配置された前記基布側繋がり部及び被覆側繋がり部を中心として略90°回転した位置に位置されるように、該被覆布を前記基布に接合して構成されている。
請求項5記載のエアバッグ装置では、オーバラップされた繋がり部が破断されると、略正方形状のベントホールの対向する2辺をヒンジとする基布側布片と、残余の2辺をヒンジとする被覆側布片とが解放されたガス圧により四方に展開される。これにより、基布と被覆布とでベントホールを閉止する構成において、エアバッグの早い展開による拘束初期における拘束力が確保されると共に、その後のベントホールの速やかな全開により速やかな拘束力の低減が図られる。
請求項6記載の発明に係るエアバッグ装置は、請求項1記載のエアバッグ装置において、前記ベントホール開放遅延構造は、前記エアバッグの基布における前記ベントホールにおける両側部分を密着させて該ベントホールを閉止する閉止構造と、前記ベントホールの閉止状態が維持されるように前記閉止構造を拘束すると共に、一箇所において破断されると前記閉止構造の拘束状態を解除する拘束部材と、を含んで構成されている。
請求項6記載のエアバッグ装置では、例えば基布におけるベントホールの両側(周辺)部分を重ね合わせたり丸め込んだりして密着させてベントホールを閉止する閉止構造が、拘束部材によって拘束されている。この拘束部材が一箇所において破断されると、基布の密着によるベントホールの閉止状態が解消され、ベントホールは内圧を解放しつつ全開される。
請求項7記載の発明に係るエアバッグ装置は、請求項1〜請求項6の何れか1項記載のエアバッグ装置において前記エアバッグは、前記エアバッグは、車両用シートにおける着座乗員に対する車幅方向外側から車両前方に向けて展開されるサイドエアバッグである。
請求項7記載のエアバッグ装置では、例えば車両用シートのシートバックの側部からサイドエアバッグが膨張、展開される。これにより、乗員は、例えば車両の側面衝突に対し保護される。
請求項8記載の発明に係るエアバッグ装置は、請求項7記載のエアバッグ装置において、前記ベントホール開放遅延構造は、前記サイドエアバッグの展開状態で車両前端側に位置する部分に、前記ベントホールが車両前方を向いて開口されるように、上下に離間して少なくとも2つ設けられている。
請求項8記載のエアバッグ装置では、サイドエアバッグは、車室内面などと干渉してベントホールが塞がれてしまう場合があるが、複数のベントホール開放遅延構造をベントホールが前向きに開口されるように上下に離間して配置することで、何れかのベントホールを開放させることができる。
請求項9記載の発明に係るエアバッグ装置は、請求項8記載のエアバッグ装置において、前記エアバッグは、相対的に車両下方側に位置し相対的に高い内圧で展開される高圧部と、相対的に車両上方側に位置し相対的に低い内圧で展開される低圧部とを含んで構成されており、前記ベントホール開放遅延構造は、前記高圧部に少なくとも1つ設けられると共に前記低圧部に少なくとも1つ設けられている。
請求項9記載のエアバッグ装置では、高圧部、低圧部のそれぞれのベントホール、ベントホール開放遅延構造が設けられているので、それぞれに設定された内圧に応じてベントホールを開放させることができる。このため、エアバッグ各部の内圧に応じた拘束力を得ることができる。
以上説明したように本発明に係るエアバッグ装置は、エアバッグによる拘束初期における拘束力の確保と、その後の拘束力の低減とが両立されるという優れた効果を有する。
本発明の第1の実施形態に係るサイドエアバッグ装置のベントホール開放遅延構造を示す図であって、(A)はベントホール閉止状態の斜視図、(B)はベントホール開放状態の斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るサイドエアバッグ装置のベントホール開放遅延構造を説明するための図であって、(A)は基布側の構造を示す正面図、(B)は被覆布側の構造を示す正面図、(C)は基布と被覆布との重ね合わせ状態を示す正面図である。 本発明の第1の実施形態に係るサイドエアバッグ装置による乗員保護状態を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係るサイドエアバッグ装置を構成するサイドエアバッグを示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係るサイドエアバッグ装置を構成するサイドエアバッグの正面断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るサイドエアバッグ装置を構成するサイドエアバッグの逆止弁の構造を説明する正面断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るサイドエアバッグ装置を構成するサイドエアバッグの逆止弁のガス流通状態の正面断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るサイドエアバッグ装置を構成するサイドエアバッグの逆止弁のガス流通遮断状態の正面断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るサイドエアバッグ装置のベントホール開放遅延構造を説明するための図であって、(A)は基布側の構造を示す正面図、(B)は被覆布側の構造を示す正面図、(C)は基布と被覆布との重ね合わせ状態を示す正面図である。 本発明の第3の実施形態に係るサイドエアバッグ装置のベントホール開放遅延構造を示す図であって、(A)はベントホールを示す斜視図、(B)はベントホールの閉止構造を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係るサイドエアバッグ装置のベントホール開放遅延構造を示す図であって、(A)はベントホールの閉止状態を示す斜視図、(B)はベントホールの開放状態を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係るサイドエアバッグ装置を構成するサイドエアバッグを示す側面図である。 (A)〜(D)は、本発明の第4の実施形態に係るサイドエアバッグ装置のベントホール開放遅延構造を説明するための模式図である。 本発明の第4の実施形態に係るサイドエアバッグ装置のベントホール開放遅延構造を示す図であって、(A)はベントホールの閉止状態を示す斜視図、(B)はベントホールの周辺部分のロール折り解消状態を示す斜視図、(C)はベントホールの開放状態を示す斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係るサイドエアバッグ装置のベントホール開放遅延構造を示す平面断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るサイドエアバッグ装置の予備のベントホール開放遅延構造を示す図であって、(A)は前方側の予備のベントホール開放遅延構造を示す側面図、(B)は後方側の予備のベントホール開放遅延構造を示す側面図である。 本発明の第4の実施形態に係るサイドエアバッグ装置の予備のベントホール開放遅延構造の閉止構造を示す図であって、(A)はベントホール閉止状態の断面図、(B)はベントホール開放状態の断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るサイドエアバッグ装置を構成するサイドエアバッグを示す側面図である。 本発明の第5の実施形態に係るサイドエアバッグ装置のベントホール開放遅延構造を説明するための図であって、(A)は基布側の構造を示す正面図、(B)は被覆布側の構造を示す正面図、(C)は基布と被覆布との重ね合わせ状態を示す正面図である。 本発明の第6の実施形態に係るサイドエアバッグ装置のベントホール開放遅延構造を説明するための図であって、(A)は基布側の構造を示す正面図、(B)は被覆布側の構造を示す正面図、(C)は基布と被覆布との重ね合わせ状態を示す正面図である。 本発明の第7の実施形態に係るサイドエアバッグ装置のベントホール開放遅延構造を説明するための図であって、(A)は基布側の構造を示す正面図、(B)は被覆布側の構造を示す正面図、(C)は基布と被覆布との重ね合わせ状態を示す正面図である。
本発明の実施の形態に係るエアバッグ装置としてのサイドエアバッグ装置10について図1〜図8に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印Wは、それぞれサイドエアバッグ装置10が適用された自動車の車両前方向(進行方向)、上方向、車幅方向を示している。また、以下の説明でサイドエアバッグ12(その構成部分)の形状等を説明する場合、特に断りのない場合は膨張、展開状態における形状等をいうものとする。
図3には、サイドエアバッグ装置10を構成するエアバッグとしてのサイドエアバッグ12の展開完了状態が側面図にて示されており、図4には、サイドエアバッグ12の展開完了状態を拡大した側面図が示されている。これらに示される如く、サイドエアバッグ12は、インフレータ14からガス供給を受けて車両用シート11のシートバック11Aから車両前方に向けて膨張、展開され、車両用シート11の乗員Pを車幅方向外側で所定の形状に展開されるようになっている。
図示は省略するが、サイドエアバッグ装置10は、シートバック11Aにおける乗員Pに対する車幅方向の外側(乗降用の開口を開閉するサイドドア側)部分に設けられており、車両側突時にインフレータ14を作動させてサイドエアバッグ12を乗員Pの上体とドア又は車体との間に入り込むように展開させ、主に乗員Pの肩部Sから腰部Lにかけての部分を保護する構成とされている。
サイドエアバッグ12は、相対的に高い内圧で展開される高圧部と低い内圧で展開される低圧部とを含んで構成されている。この実施形態では、サイドエアバッグ12は、乗員Pの腰部Lの側方で展開される下部(下室)12Lと、乗員Pの肩部Sの側方で展開される上部(上室)12Uと、及び乗員Pの胸部Bの側方で展開される中間部(中間室)12Mとを主要部として構成されており、下部12L及び上部12Uが高圧部とされると共に、中間部12Mが低圧部とされている。これにより、サイドエアバッグ12は、所謂3チャンバ構造のエアバッグとされている。
より具体的には、図5に示される如く、サイドエアバッグ12の下部12Lは、基布16によって独立した袋状に形成されている。基布16は、サイドエアバッグ12の上下の厚み方向(車幅方向)中央部が縫製により接合されている。上側の縫製部16Uは下部12L内に位置し、下側の縫製部16Lは下部12Lの外側(下側)に位置している。図3及び図4に示される如く、車両前端側が折り返し部16Fとされた基布16は、車両後端部16Rにおいても厚み方向中央部が縫製により接合されて上記の通り袋状の下部12Lを形成している。
また同様に、サイドエアバッグ12の上部12Uは、図5に示される如く、基布18によって独立した袋状に形成されている。基布18は、サイドエアバッグ12の厚み方向中央部で縫製により接合されている。下側の縫製部18Lは上部12U内に位置し、上側の縫製部18Uは上部12Uの外側(上側)に位置している。図3及び図4に示される如く、左右の基布18は、車両前端部18Fから車両後端部18Rにかけて縫製により接合されることで上記の通り袋状の上部12Uを形成している。
これらサイドエアバッグ12の下部12L、上部12Uを構成する基布16、18は、表面にシリコンコート等の織り目シール加工が施されており、その織り目を経由した内部からのガス漏れが防止(中間部12Mに対し抑制)されるようになっている。サイドエアバッグ12の高圧部である下部12L、上部12Uの内圧保持用のシリコンコートは、ガス漏れ防止の観点からは下部12L、上部12Uの内面に施すことが好ましい。
一方、中間部12Mは、上記の通りそれぞれ独立した袋状を成す下部12L、上部12Uにおけるサイドエアバッグ12の厚み方向の両側の側壁を基布20にて縫製等にて連結することで、該基布20及び下部12L、上部12Uに囲まれた空間として形成されている。基布20は、車両前端側が折り返し部20Fとされると共に、車両後端部20Rが縫製による接合部とされている。なお、サイドエアバッグ12の低圧部である中間部12Mを構成する基布20は、基布16、18の表面に施された如きシリコンコート等の織り目シール加工は施されていない。
また、この実施形態では、サイドエアバッグ12内における車両前後方向の後部には、車両上下方向に長手のインフレータ14を収容したインフレータ収容部12Iが形成されている。インフレータ収容部12Iは、図6及び図7に示される如く、中間部12Mの車両後部に独立した筒状体として基布22により形成されている。インフレータ収容部12Iは、上下の開口端が下部12L、上部12Uへのガス供給路を成すようになっており、筒壁部に形成された図示しない孔やスリットなど中間部12Mへのガス供給路を成す構成とされている。
そして、インフレータ収容部12Iの下側の開口端と下部12Lとの間には逆止弁(一方向弁)24が設けられると共に、インフレータ収容部12Iの上側の開口端と上部12Uとの間には逆止弁(一方向弁)26が設けられている。逆止弁24、26は、基布16の縫製部16U側、基布18の縫製部18L側における非縫製部から布片24A、26Aを下部12L、上部12U内に延設することで構成されている。すなわち、逆止弁24、26は、インフレータ収容部12I側からのガス流れによって一対の布片24A、26A間にガス流路が形成される(図7参照)一方、下部12Lの内圧がインフレータ収容部12I側よりも高くなると、該内圧によって布片24A、26Aが折り重ねられてガス流路を閉じるようになっている(図8参照)。
また、サイドエアバッグ装置10は、インフレータ収容部12I内でインフレータ14を覆うディフューザ28を備えている。ディフューザ28は、両端開口の円筒状に形成されており、インフレータ14が発生したガスを下側開口端から逆止弁24に向けて流出させると共に上側開口端から逆止弁26に向けて流出させる構成とされている。また、ディフューザ28の筒壁には図示しない貫通孔が形成されており、インフレータ収容部12I内(を経由して中間部12M)に向けてガスを流出させるようになっている。インフレータ14及びディフューザ28は、サイドエアバッグ12の下部12L、上部12Uそれぞれへの供給ガス量が中間部12Mへの供給ガス量よりも多くなるように構成されている。なお、インフレータ収容部12Iが上記ディフューザ28の機能を果たすようにしても良い。
そして、以上説明したサイドエアバッグ装置10を構成は、サイドエアバッグ12の内圧調整用に該サイドエアバッグ12に設けられたベントホール開放遅延構造30を備えている。この実施形態におけるベントホール開放遅延構造30は、サイドエアバッグ12の展開初期にはベントホール32を閉じ、サイドエアバッグ12の内圧が所定値を超えるとベントホール32を開放させて該サイドエアバッグ12の内圧を解放する構成とされている。以下、具体的に説明する。なお、この実施形態では、図3及び図4に示される如く、サイドエアバッグ12における高圧部である下部12L、低圧部である中間部12Mにそれぞれベントホール開放遅延構造30が設けられている。これら各ベントホール開放遅延構造30は、ベントホール32が開放される内圧の設定が異なる以外は基本的に同様に構成されているので、以下、主に中間部12M(基布20)に設けられたベントホール開放遅延構造30について説明し、特記する以外は下部12L(基布16)に設けられたベントホール開放遅延構造30については説明を省略する。
図1(B)に示される如く、ベントホール開放遅延構造30は、基布20に被覆布34が重ねあわされた部分に設けられている。被覆布34は、略矩形(正方形)状に形成され、周縁部において基布20に縫製等により接合されている。この実施形態では、被覆布34の基布20への縫製部35は、図2(C)に示される如く、基布20のみを縫う起点35Sからベントホール32を囲む略「コ」字状を成し、基布20のみを縫う終点35Eに至っている。なお、縫製部35は、ベントホール32を囲む矩形環状に形成されても良い(第2の実施形態を示す図9(C)参照)。
ベントホール開放遅延構造30のベントホール32は、図1(B)に示される如く、基布20と被覆布(追加布)34との重ね合わせ部において、略正方形状に開口されるようになっている。このベントホール32は、基布20における基布側布片としての左右一対の布片32L、32Rが左右に展開されると共に、被覆布34における被覆側布片としての上下一対の布片32U、32Dが上下に展開されることで開口される構成とされている。
図2(A)に示される如く、布片32L、32Rは、基布20に横臥した如き「H」字状のスリット36を設けることで、該スリット36に3方から囲まれた部分として、スリット36における上下に並列された直線部分の左右端部間を結ぶ部分をヒンジ部(図2(A)に示す符号H参照)として展開されるように形成されている。左右の布片32L、32Rは、互いの長手方向の略中央部において基布側繋がり部としての繋がり部38にて連結されており、これによりベントホール32の閉止姿勢に保持されるようになっている。繋がり部38は、中間部12M(下部12L)の内圧が所定値を超えると後述する繋がり部42と共に破断されるように、寸法が決められている。この実施形態では、繋がり部38は基布20の切り残し部とされている。したがって、スリット36は、略「T」字状のスリット36Uと、逆「T]字状のスリット36Lとで全体として略「H」字状を成す構成とされている。
図2(B)に示される如く、布片32U、32Dは、被覆布34に「H」字状のスリット40を設けることで、該スリット40に3方から囲まれた部分として、スリット40における左右に並列された直線部分の上下端部間を結ぶ部分をヒンジ部(図2(B)に示す符号H参照)として展開されるように形成されている。上下の布片32U、32Lは、互いの長手方向の略中央部において被覆側繋がり部としての繋がり部42にて連結されており、これによりベントホール32の閉止姿勢に保持されるようになっている。繋がり部42は、中間部12M(下部12L)の内圧が所定値を超えると、基布20の繋がり部38と共に破断されるように、寸法が決められている。この実施形態では、繋がり部42は被覆布34の切り残し部とされており、スリット40は、横臥した左右一対の略「T」字状のスリット40L、40Rで全体として略「H」字状を成す構成とされている。
さらに、図2(C)に示される如く、サイドエアバッグ装置10では、基布20、被覆布34の重ね合わせ(厚み)方向から見て、基布20に形成されたスリット36は被覆布34にてバッグ外側から塞がれ、被覆布34に形成されたスリット40は基布20にてバッグ内側から塞がれている。これにより、サイドエアバッグ装置10では、スリット36、スリット40を経由してガスが流出し難い構成とされている。
そして、ベントホール開放遅延構造30では、基布20に形成された繋がり部38と、被覆布34に形成された繋がり部42とが、これらの重ね合わせ(厚み)方向から見てオーバラップして配置されている。すなわち、ベントホール開放遅延構造30においては、内圧を受ける方向から見て一箇所に集約された破断部とされた繋がり部38、42が破断されることで、各布片32L、32R、32U、32Dがサイドエアバッグ12の内圧の解放に伴い一気に展開されてベントホール32が全開されるようになっている。なお、繋がり部38と繋がり部42とを縫製などにより結合しても良い。
またサイドエアバッグ装置10では、サイドエアバッグ12の下部12Lに形成されたベントホール開放遅延構造30、及び中間部12Mに形成されたベントホール開放遅延構造30は、それぞれの基布16、20の折り返し部16F、20Fである車両前端部に配置されている。そして、サイドエアバッグ装置10では、中間部12Mに設けられたベントホール開放遅延構造30が、下部12Lに設けられたベントホール開放遅延構造30に対し低い内圧でベントホール32が開放、展開される構成とされている。このため、本実施形態では、サイドエアバッグ12の下部12Lのベントホール開放遅延構造30は、中間部12Mのベントホール開放遅延構造30に対し、繋がり部38、42の幅が狭く設定されている。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
上記構成のサイドエアバッグ装置10では、例えば適用された自動車が側突に至ると、図示しない側突センサからの信号を受けたエアバッグECUによりインフレータ14作動され、該インフレータ14がガスを発生する。このガスは、ディフューザ28の上下の開口端から逆止弁24、26を通じてサイドエアバッグ12の下部12L、上部12Uに供給される。また、インフレータ14のガスは、ディフューザ28、インフレータ収容部12Iの筒壁に適宜設けた孔やスリットを通じて中間部12Mに供給される。
すると、サイドエアバッグ12は、その下部12L、上部12U、及び中間部12Mのそれぞれにおいて膨張され、図3に示される如く、乗員Pに対する車幅方向外側で展開される。インフレータ14からのガス供給により、又は腰部L、肩部Sの拘束に伴って下部12L、上部12Uの内圧がインフレータ収容部12I側の内圧よりも高くなると、逆止弁24、26が閉止される。これにより、サイドエアバッグ12は、下部12L、上部12Uからインフレータ収容部12I側へのガス流出が防止又は著しく抑制され、該下部12L、上部12Uの内圧が相対的に高い状態に維持される。一方、下部12L、上部12Uに対し供給ガス量(容量あたりのガス量)が少ない中間部12Mは、相対的に低い内圧で展開される。
すると、サイドエアバッグ装置10が適用された車両では、乗員Pは、サイドエアバッグ12の高圧部である下部12L、上部12Uにおいて腰部L、肩部Sがしっかりと拘束される一方、サイドエアバッグ12の低圧部である中間部12Mにおいて胸部Bが柔らかく拘束される。この拘束に伴って、下部12L、中間部12Mの内圧がそれぞれの所定値を超えると、各ベントホール開放遅延構造30の繋がり部38、42が破断される。すると、図1(B)に示される如く、内圧を受けた左右上下の布片32L、32R、32U、32Dが展開されてベントホール32が開放される。これにより、サイドエアバッグ12の下部12L、中間部12Mの内圧が解放され、側面衝突時の乗員拘束の後期において拘束力が低減される。
以上により、乗員Pは、サイドエアバッグ装置10によって側面衝突に対し良好に保護される。
ここで、サイドエアバッグ装置10では、ベントホール32が基布20の布片32L、32R及び被覆布34の布片32U、32Dにて閉止される構造である。換言すれば、サイドエアバッグ12の展開時には内圧で基布20と被覆布34とが密着されるので、基布20における布片32L、32Rを形成するスリット36は被覆布34にて塞がれ、被覆布34における布片32U、32Dを形成するスリット40は基布20にて塞がれる。このため、サイドエアバッグ装置10では、サイドエアバッグ12(下部12L、中間部12M)の展開に伴ってベントホール32を経由してガスがサイドエアバッグ12の外部に漏れることが効果的に抑制される。
これにより、サイドエアバッグ装置10では、側面衝突時の乗員拘束の初期に、サイドエアバッグ12の各部を所要の内圧で展開させて所要の拘束力を得ることができる。
一方、サイドエアバッグ装置10では、ベントホール開放遅延構造30は、基布20の繋がり部38と被覆布34の繋がり部42とがオーバラップした一箇所が内圧によって破断されると、4枚の布片32L、32R、32U、32Dが一気に展開されてベントホール32が一気に全開される。これにより、側面衝突時の乗員拘束の後期に、下部12L、中間部12Mのガスを排出して乗員Pの拘束力を低減し、適正な拘束力でPを拘束、保護することができる。
例えば、ベントホールを閉止する布片の周囲を縫製することで該ベントホールの閉止状態を維持する比較例では、エアバッグの内圧により縫製糸が一箇所で破断されて内圧が一部解放された場合等、縫製糸の他の部分が切れ残ってしまい、ベントホールが全開されないことが懸念される。これに対してサイドエアバッグ装置10では、上記の通りベントホール32を解放するための破断部が一箇所であるため、該破断部の破断によりベントホール32は一気に全開され、上記比較例の如き切れ残りの問題が生じることはない(該問題が解消される)。
このように、第1の実施形態に係るサイドエアバッグ装置10では、サイドエアバッグ12による拘束初期における拘束力の確保と、その後の拘束力の低減とが両立される。
また、サイドエアバッグ装置10では、ベントホール32の周縁から内方に延設された複数の布片32L、布片32Rが基布20に設けられると共に、ベントホール32の周縁から内方に延設された複数の布片32U、布片32Dが被覆布34に設けられている。これにより、繋がり部38、繋がり部42をベントホール32の中央部にオーバラップするように配置して、上記作用効果に寄与するベントホール開放遅延構造30を容易に構成することができる。
(他の実施形態)
次に、本発明の他の実施形態を説明する。なお、上記第1の実施形態又は前出の構成と基本的に同一の部品・部分については、上記第1の実施形態又は前出の構成と同一の符号を付して説明を省略する。
(第2の実施形態)
図9(A)〜図9(C)には、第2の実施形態に係るサイドエアバッグ装置50を構成するベントホール開放遅延構造52が、図2(A)〜図2(C)に対応する正面図にて示されている。これらの図に示される如く、サイドエアバッグ装置50は、ベントホール開放遅延構造52が、略矩形状の布片32L、32R、32U、32Dに代えて、略直角二等辺三角形状の計8枚の布片32T、32Sを有する点で、第1の実施形態に係るサイドエアバッグ装置10とは異なる。
具体的には、図9(A)に示される如く、基布20(基布16)には、略「十」字状のスリット54が形成されており、各布片32Tは、スリット54の隣り合う端部間を結ぶ部分をヒンジ部(図9(A)に示す符号H参照)として展開されるように形成されている。各布片32Tは、それぞれの頂部において繋がり部55にて連結されており、これによりベントホール32の閉止姿勢に保持されるようになっている。繋がり部55は、中間部12M(下部12L)の内圧が所定値を超えると破断されるように、寸法が決められている。この実施形態では、繋がり部55は基布20の切り残し部とされている。したがって、スリット54は、4つの直線状のスリット54Aを90°間隔で放射状に並べて、全体として略「十」字状を成す構成とされている。
一方、図9(B)に示される如く、被覆布34には、略「X」字状のスリット56が形成されており、各布片32Sは、スリット56の隣り合う端部間を結ぶ部分をヒンジ部(図9(B)に示す符号H参照)として展開されるように形成されている。各布片32Sは、それぞれの頂部において繋がり部58にて連結されており、これによりベントホール32の閉止姿勢に保持されるようになっている。繋がり部58は、中間部12M(下部12L)の内圧が所定値を超えると破断されるように、寸法が決められている。この実施形態では、繋がり部58は被覆布34の切り残し部とされている。したがって、スリット56は、4つの直線状のスリット56Aを90°間隔で放射状に並べて、全体として略「X」字状を成す構成とされている。
さらに、図9(C)に示される如く、サイドエアバッグ装置10では、基布20、被覆布34の重ね合わせ(厚み)方向から見て、基布20に形成されたスリット54は被覆布34にてバッグ外側から塞がれ、被覆布34に形成されたスリット56は基布20にてバッグ内側から塞がれている。これにより、サイドエアバッグ装置10では、スリット54、スリット56を経由してガスが流出し難い構成とされている。
そして、ベントホール開放遅延構造52では、基布20に形成された繋がり部55と、被覆布34に形成された繋がり部58とが、これらの重ね合わせ(厚み)方向から見てオーバラップして配置されている。すなわち、ベントホール開放遅延構造52においては、内圧を受ける方向から見て実質的に一箇所の破断部とされた繋がり部55、58が破断されることで、各布片32T、32Sが一気に展開されてベントホール32が全開されるようになっている。なお、繋がり部55、58を縫製などにより結合しても良い。サイドエアバッグ装置50における他の構成は、図示しない部分を含め、サイドエアバッグ装置10の対応する構成と同じである。
したがって、第2の実施形態に係るサイドエアバッグ装置10によっても、基本的に第1の実施形態に係るサイドエアバッグ装置10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。
なお、上記した第1、第2の実施形態では、上部12Uにベントホール開放遅延構造30が設けられていない例を示したが、本発明はこれに限定されず、上部12Uにベントホール開放遅延構造30、52を設けても良い。
また、上記した第1、第2の実施形態では、下部12L、中間部12Mに各1つのベントホール開放遅延構造30、52が設けられた例を示したが、本発明はこれに限定されず、下部12L、上部12U、中間部12Mの少なくとも1つに2つ以上のベントホール開放遅延構造30、52を設けた構成としても良い。この構成では、例えば折り返し部16Fに設けられたベントホール開放遅延構造30、52の繋がり部38、42又は繋がり部55、58が車内部品などに干渉して破断されない場合でも、他のベントホール開放遅延構造30においてベントホール32が全開されて拘束後期の拘束力を低減することができる。
(第3の実施形態)
図12には、第3の実施形態に係るサイドエアバッグ装置60を構成するサイドエアバッグ62が、図4に対応する側面図にて示されている。この図に示される如く、サイドエアバッグ装置60は、ベントホール開放遅延構造64を備えて構成されている点で、第1の実施形態に係るサイドエアバッグ装置10とは異なる。
サイドエアバッグ62は、相対的に高い内圧で展開される高圧部と低い内圧で展開される低圧部とを含んで構成されている。この実施形態では、サイドエアバッグ62は、乗員Pの腰部Lの側方で展開される下部62Lと、及び乗員Pの胸部Bの側方で展開される上部62Uとを主要部として構成されており、下部62Lが高圧部とされると共に、上部62Uが低圧部とされている。これにより、サイドエアバッグ62は、所謂2チャンバ構造のエアバッグとされている。
サイドエアバッグ62の下部62Lは、サイドエアバッグ12の下部12Lと同様に構成されている。一方、上部62Uは、車両前端側を折り返し部66Fとする基布66の上端部66U及び車両後端部66Rを縫製部として下向きに開口する袋状に形成されており、この開口縁部が下部62Lの上端側に縫製等によって接合されている。図12に示す例では、下部62L、上部62Uにそれぞれベントホール開放遅延構造30が形成された例を示しているが、これらベントホール開放遅延構造30の一方又は双方が設けられない構成としても良い。
インフレータ14は、上部62U内の車両後端側に車両上下方向に沿って配置されている。ディフューザ68は、ディフューザ28よりも短い筒状に形成され、下側の開口端から逆止弁24に向けてガスを噴き出すと共に、上側の開口端及び筒壁のガス孔から上部62U内にガスを噴き出すようになっている。インフレータ14及びディフューザ68は、サイドエアバッグ62の下部62Lへの供給ガス量(容量あたりのガス量)が上部62Uへの供給ガス量よりも多くなるように構成されている。
ベントホール開放遅延構造64は、サイドエアバッグ62の上部62Uにおける車両前端側でかつ上端側の角隅部62Aに設けられている。図10(A)に示される如く、ベントホール開放遅延構造64では、角隅部62Aにおける基布66の左右合わせ部の非縫合部としてベントホール70が形成されている。そして、図10(B)に示される如く、角隅部62Aを折り返して、基布66におけるベントホール70の孔縁部を含む部分を密着させることで、ベントホール70を閉止している(閉止構造)。この折り返し部(閉止構造)を拘束部材としての樹脂ピン72にて基布66における他の部分に係止することで、ベントホール70が閉止状態に維持されるようになっている。すなわち、サイドエアバッグ装置60では、樹脂ピン72による一点止めでベントホール70が閉止状態に維持される構成である。
樹脂ピン72は、基布66におけるサイドエアバッグ62の上部62Uを構成する部分及び上記折り返し部(角隅部62A)の計4枚重ね合わせ部分を貫通しており、図11(A)に示される上部62Uの展開過程で、上部62Uの内圧(上部62Uを構成する部分重ね合わせ部を引き離そうとする圧力)が所定値を超えると破断されるようになっている。図11(B)に示される如く、樹脂ピン72が破断されるとサイドエアバッグ62の上部62Uの内圧(展開圧)で角隅部62Aの折り返し状態が解消されると共に、該上部62Uの内圧(ガス)を解放しつつベントホール70が開放される構成である。
すなわち、サイドエアバッグ装置60は、単一の樹脂ピン72が一箇所で破断されることで、ベントホール70が全開される構成である。サイドエアバッグ装置60の他の構成は、基本的にサイドエアバッグ装置10の対応する構成と同じである。
したがって、第3の実施形態に係るサイドエアバッグ装置60によっても、基本的に第1の実施形態に係るサイドエアバッグ装置10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。
また、サイドエアバッグ62の上部62Uにベントホール開放遅延構造64が設けられたサイドエアバッグ装置60においては、ベントホール開放遅延構造64をベントホール開放遅延構造30が機能しなかった場合の予備のベントホール開放遅延構造として捉えることができる。この構成では、例えば折り返し部66Fに設けられたベントホール開放遅延構造30の繋がり部38、42が車内部品などに干渉して破断されない場合でも、ベントホール開放遅延構造64においてベントホール70が全開されて拘束後期の拘束力を低減することができる。
なお、サイドエアバッグ62の上部62Uに、ベントホール開放遅延構造30を設けずに、単一のベントホール開放遅延構造としてベントホール開放遅延構造64を設けても良い。また、サイドエアバッグ62の上部62U側の構造に係らず、下部62Lに予備のベントホール開放遅延構造64を設けても良く、下部62Lに、ベントホール開放遅延構造30を設けずに、単一のベントホール開放遅延構造としてベントホール開放遅延構造64を設けても良い。
(第4の実施形態)
図18には、第4の実施形態に係るサイドエアバッグ装置80を構成するサイドエアバッグ82が、図4に対応する側面図にて示されている。この図に示される如く、サイドエアバッグ装置80は、ベントホール開放遅延構造30に代えてベントホール開放遅延構造84を備えて構成されている点、及び予備のベントホール開放遅延構造88、90を備えている点で、第3の実施形態に係るサイドエアバッグ装置60とは異なる。
サイドエアバッグ82は、サイドエアバッグ62と同様に2チャンバ構造のエアバッグとされている。すなわち、サイドエアバッグ82は、下部62Lに対応する下部82Lと上部62Uに対応する上部82Uとを有して構成されている。ベントホール開放遅延構造84は、下部82L、上部82Uの車両前端部を構成する基布66の折り返し部66Fにそれぞれ設けられている。これら各ベントホール開放遅延構造84は、ベントホール85が開放される内圧の設定が異なる以外は基本的に同様に構成されているので、以下、主に上部82U(基布66)に設けられたベントホール開放遅延構造84について説明し、下部82L(基布16)に設けられたベントホール開放遅延構造84については説明を省略する。
ベントホール開放遅延構造84は、基布66における折り返し部66Fに形成されたベントホール85の周辺部分を図13(A)〜図13(D)に示される如くロール状に巻き込み(ロール折りし)、基布66におけるベントホール85の孔縁部を含む部分を密着させることで、ベントホール85を閉止している(閉止構造)。そして、図15に示される如くロール折り部分66rを貫通した拘束部材としての縫製糸86によるループ縫いによって、図13(D)及び図14(A)に示される如くベントホール85の閉止状態が維持される構成である。縫製糸86によるループ縫い構造は、基布66のロール折り部分66rを2回貫通して成るものの、縫製糸86が何れか一箇所で破断されることで、該縫製糸86によるロール折り部分66rの保持力が解消される構造である。
縫製糸86の保持力が解消されたサイドエアバッグ82は、図14(B)に示される如くロール折りが解消され、図14(C)に示される如くベントホール85が上部82Uの内圧(ガス)を解放しつつ開放されるようになっている。なお、縫製糸86のループ縫い構造に代えて、例えば単一の樹脂ピン72を用いてロール折り部分66rを保持するようにしても良い。
予備のベントホール開放遅延構造88は、サイドエアバッグ82の上部82Uにおける車両前端側でかつ上端側の角隅部82Aに設けられ、予備のベントホール開放遅延構造90は、サイドエアバッグ82の上部82Uにおける車両後端側でかつ上端側の角隅部82Bに設けられている。
予備のベントホール開放遅延構造88は、図16(A)に示される如く、左右の基布66が重ね合わされた角隅部82Aにおける非縫製部がベントホール92とされており、ベントホール92は閉止構造94にて閉止状態に維持されている。閉止構造94は、図17(A)に示される如く、重ね合わされた基布66にベントホール92の縁部に沿って配置された複数の貫通孔95と、該基布66の重ね合わせ(厚み)方向の同じ側から各貫通孔95に折り返し部96Aを挿通させた単一の糸96と、基布66の重ね合わせ方向の反対側に各貫通孔95から突出した折り返し部96Aを1回ずつ貫通して繋ぎ合わせる細糸98とを主要部として構成されている。
糸96の両端は、それぞれベントホール92に対する両側で基布66に固定されており、細糸98の両端は、それぞれベントホール92に対する両側で基布66に固定されている。以上により、閉止構造94は、細糸98が何れか一箇所で破断されると、該細糸98による各折り返し部96Aの抜け止め状態が解消される構成とされている。したがって、上部82Uの所定値以上の内圧によって細糸98が破断した場合、図17(B)に示される如く糸96が全体として各貫通孔95から抜け出し、該上部82Uの内圧(ガス)を解放しつつベントホール92が開放されるようになっている。
予備のベントホール開放遅延構造90は、図16(B)に示される如く、基布66に形成された切り欠き部66Cを縁部とするベントホール100が、予備のベントホール開放遅延構造88と同様に閉止構造94にて閉止状態に維持される構成とされている。したがって、予備のベントホール開放遅延構造90では、ベントホール100をベントホール92よりも大きく開口させることができる。このベントホール開放遅延構造88、90においては、糸96、細糸98によるベントホール92、100の縁部の密着構造が閉止構造に相当し、細糸98は拘束部材にも相当する。サイドエアバッグ装置80における他の構成は、サイドエアバッグ装置60の対応する構成と基本的に同じである。
したがって、第4の実施形態に係るサイドエアバッグ装置80によっても、基本的に第3の実施形態に係るサイドエアバッグ装置60(サイドエアバッグ装置10)と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。
なお、第4の実施形態では、予備のベントホール開放遅延構造88、90が設けられた例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、予備のベントホール開放遅延構造88、90の少なくとも一方が設けられない構成としても良く、ベントホール開放遅延構造84に代えてベントホール開放遅延構造88、90の少なくとも一方を設けた構成としても良い。さらに、第3の実施形態におけるベントホール開放遅延構造64に代えて、ベントホール開放遅延構造84、88、90の少なくとも一方をベントホール開放遅延構造30に対する予備としても良い。
また、上記した第3、第4の実施形態では、2チャンバ構造のサイドエアバッグ62、82への適用例を示したが、3チャンバ構造のサイドエアバッグにベントホール開放遅延構造64、84、88、90の一部又は全部を適用しても良い。
(第5の実施形態)
図19(A)〜図19(C)には、第5の実施形態に係るサイドエアバッグ装置110を構成するベントホール開放遅延構造112が、図2(A)〜図2(C)に対応する正面図にて示されている。これらの図に示される如く、サイドエアバッグ装置110は、ベントホール開放遅延構造112が、繋がり部38に対し繋がり部42がオフセットして配置されている点で、第1の実施形態に係るサイドエアバッグ装置10とは異なる。また、サイドエアバッグ装置110は、被覆布34が基布20の内側に縫製部114によって接合されている点で、第1の実施形態に係るサイドエアバッグ装置10とは異なる。
具体的には、図19(B)に示される如く、ベントホール開放遅延構造112における繋がり部42は、スリット40R、40Lの水平部分がベントホール開放遅延構造30の構成に対し下側に配置されることで、繋がり部38に対し下側にオフセットされている。また、縫製部114は、縫製部35と比較して基布20と被覆布34とを弱く接合している。この実施形態では、縫製部114の接合強度は、基布20に対する被覆布34の位置決め(仮縫い)程度とされている(この実施形態では、繋がり部42より先に破断されない程度の強度とされている)。サイドエアバッグ装置110における他の構成は、図示しない部分を含め、サイドエアバッグ装置10の対応する構成と同じである。
したがって、第5の実施形態に係るサイドエアバッグ装置110によっても、基本的に第1の実施形態に係るサイドエアバッグ装置10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。この点を補足すると、繋がり部38と繋がり部42とがオフセットされていても、これらの何れか一方(一箇所)がサイドエアバッグ12の内圧(上昇)によって破断されると、それまで基布20と被覆布34とで分担支持されていたサイドエアバッグ12の内圧が、ベントホール32を塞ぐ部分の内圧は基布20及び被覆布34のうち繋がり部38及び繋がり部42の他方が設けられている側の布だけで(この段階では、スリット36、40はシールされたまま)支持されることとなるので、結局繋がり部38及び繋がり部42の他方も直ちに破断され、ベントホール32が一気に全開される。
また、サイドエアバッグ装置110では、被覆布34を基布20の内側に接合されているので、縫製部114を弱い接合部することができ、製造工程の簡素化に寄与する。例えば、基布20の外側に弱い縫製部114で被覆布34を接合した構成では、基布20の36を通じて被覆布34に作用するサイドエアバッグ12の低い内圧で縫製部114が破断されてしまう。一方、内側に配置された被覆布34は基布20に支持されるので、弱い縫製部114が低い内圧で破断されることが抑制される。なお、強固な縫製部35によって被覆布34を強固に基布20に接合する場合は、被覆布34は基布20に対する内側、外側の何れに配置しても良い。
(第6の実施形態)
図20(A)〜図20(C)には、第6の実施形態に係るサイドエアバッグ装置120を構成するベントホール開放遅延構造122が、図2(A)〜図2(C)に対応する正面図にて示されている。これらの図に示される如く、サイドエアバッグ装置120は、ベントホール開放遅延構造122が、スリット40が形成された被覆布34に代えて、スリット40が形成されていない被覆布124にてベントホール32を塞いで構成されている点で、第1の実施形態に係るサイドエアバッグ装置10とは異なる。また、サイドエアバッグ装置120は、被覆布34が基布20の内側に縫製部126によって接合されている点で、第1の実施形態に係るサイドエアバッグ装置10とは異なる。
縫製部126は、縫製部35と比較して基布20と被覆布34とを弱く接合しており、ティアシームとして捉えることができる。この実施形態では、縫製部126の接合強度は、基布20に対する被覆布34の位置決め(仮縫い)程度とされている。サイドエアバッグ装置120における他の構成は、図示しない部分を含め、サイドエアバッグ装置10の対応する構成と同じである。サイドエアバッグ装置120における他の構成は、図示しない部分を含め、サイドエアバッグ装置10の対応する構成と同じである。
したがって、第6の実施形態に係るサイドエアバッグ装置120によっても、基本的に第1の実施形態に係るサイドエアバッグ装置10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。この点を補足すると、繋がり部38(一箇所)がサイドエアバッグ12の内圧(上昇)によって破断されると、それまで基布20と被覆布34とで分担支持されていたサイドエアバッグ12の内圧が被覆布124だけで(この段階では、スリット36、40はシールされたまま)支持されることとなるので、該被覆布124を基布20に接合している弱い縫製部126が直ちに破断され、ベントホール32が一気に全開される。
(第7の実施形態)
図21(A)〜図21(C)には、第7の実施形態に係るサイドエアバッグ装置130を構成するベントホール開放遅延構造132が、図2(A)〜図2(C)に対応する正面図にて示されている。これらの図に示される如く、サイドエアバッグ装置130は、ベントホール開放遅延構造132が、基布20側の左右一対の布片32L、32Rに代えて、ベントホール32を閉止する単一の布片32Aを有する点で、第6の実施形態に係るサイドエアバッグ装置120とは異なる。
具体的には、サイドエアバッグ装置130を構成する基布20には、全体として略「H」字状を成すスリット36に代えて、全体として略「コ」字状を成すスリット134が形成されている。スリット134は、横臥した略「L」字状のスリット134Uと、該134Uと上下対称を成す形状のスリット134Lとを有し、これらの間が繋がり部136とされている。サイドエアバッグ装置130における他の構成は、図示しない部分を含め、サイドエアバッグ装置120(サイドエアバッグ装置10)の対応する構成と同じである。
したがって、第7の実施形態に係るサイドエアバッグ装置120によっても、基本的に第6の実施形態に係るサイドエアバッグ装置120(サイドエアバッグ装置10)と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。この点を補足すると、繋がり部136(一箇所)がサイドエアバッグ12の内圧(上昇)によって破断されると、それまで基布20と被覆布34とで分担支持されていたサイドエアバッグ12の内圧が被覆布124だけで(この段階では、スリット36、40はシールされたまま)支持されることとなるので、該被覆布124を基布20に接合している弱い縫製部126が直ちに破断され、ベントホール32が一気に全開される。
さらに、上記した各実施の形態では、本発明をサイドエアバッグに適用した例を示したが、本発明はこれに限定されず、他のエアバッグ装置に本発明を適用しても良い。
10 サイドエアバッグ装置(エアバッグ装置)
11 車両用シート
12 サイドエアバッグ(エアバッグ)
16・18・20 基布
30 ベントホール開放遅延構造
32 ベントホール
32L・32R・32T 布片(基布側布片)
32U・32D・32S 布片(被覆側布片)
34 被覆布
36・40 スリット(H字状のスリット)
36U・36L・40L・40R スリット(T字状のスリット)
38 繋がり部(基布側繋がり部)
42 繋がり部(被覆側繋がり部)
50・60・80・110・120・130 サイドエアバッグ装置
52・64・84・88・90・112・122・132 ベントホール開放遅延構造
54・56 スリット
55 繋がり部(基布側繋がり部)
58 繋がり部(被覆側繋がり部)
62・82 サイドエアバッグ(エアバッグ)
66 基布
70・85・92・100 ベントホール
72 樹脂ピン(拘束部材)
86 縫製糸(拘束部材)
94 閉止構造
98 細糸(拘束部材)
124 被覆布
134・134U・134L スリット

Claims (9)

  1. ガス供給を受けて膨張、展開されるエアバッグと、
    前記エアバッグに形成されたベントホールを閉止状態に維持し、該エアバッグの内圧上昇に伴って少なくとも一箇所が破断されることで、前記ベントホールが全開されるように前記ベントホールの閉止維持状態を解消するベントホール開放遅延構造と、
    を備えたエアバッグ装置。
  2. 前記基布におけるベントホールの形成部位に重ね合わされた被覆布を備え、
    前記基布には、前記ベントホールを塞ぐ布片と、該布片同士又は前記基布におけるベントホールの周縁部分とを繋ぐ単一の繋がり部とが一体に形成されている請求項1記載のエアバッグ装置。
  3. 前記基布におけるベントホールの形成部位に重ね合わされた被覆布を備え、
    前記エアバッグの基布は、前記ベントホールの周縁部から中央側に延び、該ベントホールの閉止状態を維持するように単一の基布側繋がり部で繋がった複数の基布側布片を有し、
    前記被覆布は、前記ベントホールの周縁部から中央側に延び、該ベントホールの閉止状態を維持するように単一の被覆側繋がり部で繋がった複数の被覆側布片を有し、
    前記ベントホール開放遅延構造は、前記被覆側布片が前記基布側布片の周囲の隙間を覆うように、かつ、前記エアバッグの展開状態で前記基布の厚み方向から見て前記被覆側繋がり部と前記基布側繋がり部とがオーバラップするように、前記基布に前記被覆布を接合して構成されている請求項1記載のエアバッグ装置。
  4. ガス供給を受けて膨張、展開されるエアバッグと、
    前記基布におけるベントホールの形成部位に重ね合わされた被覆布と、
    前記エアバッグの基布におけるベントホールの周縁部から中央側に延びる複数の基布側布片と、該複数の基布側布片によって前記ベントホールが閉止されるように該複数の基布側布片を部分的に繋ぐ基布側繋がり部と、前記被覆布におけるベントホールの周縁部から前記基布側布片の周囲の隙間を覆うように延びる複数の被覆側布片と、前記エアバッグの展開状態で前記基布の厚み方向から見て前記基布側繋がり部とオーバラップする位置で前記複数の被覆側布片を繋ぐことで該複数の被覆側布片が記基布側布片の周囲の隙間を覆う状態に維持する被覆側繋がり部とを含んで構成されたベントホール開放遅延構造と、
    を備えたエアバッグ装置。
  5. 前記複数の基布側布片は、前記基布に一対のT字状のスリットを全体としてH字状を成すように向かい合わせて形成することで、該一対のT字状のスリット間の部分を前記基布側繋がり部として形成されており、
    前記複数の被覆側基布側布片は、前記被覆布に一対のT字状のスリットを全体としてH字状を成すように向かい合わせて形成することで、該一対のT字状のスリット間の部分を前記被覆側繋がり部として形成されており、
    前記ベントホール開放遅延構造は、前記被覆布におけるH字形状のスリットが、前記基布におけるH字形状のスリットに対して、オーバラップして配置された前記基布側繋がり部及び被覆側繋がり部を中心として略90°回転した位置に位置されるように、該被覆布を前記基布に接合して構成されている請求項3又は請求項4記載のエアバッグ装置。
  6. 前記ベントホール開放遅延構造は、
    前記エアバッグの基布における前記ベントホールにおける両側部分を密着させて該ベントホールを閉止する閉止構造と、
    前記ベントホールの閉止状態が維持されるように前記閉止構造を拘束すると共に、一箇所において破断されると前記閉止構造の拘束状態を解除する拘束部材と、
    を含んで構成されている請求項1記載のエアバッグ装置。
  7. 前記エアバッグは、車両用シートにおける着座乗員に対する車幅方向外側から車両前方に向けて展開されるサイドエアバッグである請求項1〜請求項6の何れか1項記載のエアバッグ装置。
  8. 前記ベントホール開放遅延構造は、前記サイドエアバッグの展開状態で車両前端側に位置する部分に、前記ベントホールが車両前方を向いて開口されるように、上下に離間して少なくとも2つ設けられている請求項7記載のエアバッグ装置。
  9. 前記エアバッグは、相対的に車両下方側に位置し相対的に高い内圧で展開される高圧部と、相対的に車両上方側に位置し相対的に低い内圧で展開される低圧部とを含んで構成されており、
    前記ベントホール開放遅延構造は、前記高圧部に少なくとも1つ設けられると共に前記低圧部に少なくとも1つ設けられている請求項8記載のエアバッグ装置。
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