(パチンコ機の構成)
図1に示されるように、パチンコ機10の前面下部には、化粧パネルとなる下飾り12が取り付けられている。
また、パチンコ機10の下飾り12の上部には、互いに平行、かつ奥行き方向に所定の間隔をおいて配置された一対のガラス板14を装着したガラス枠16が配置されており、ガラス枠16は左側端部が軸支されて開閉可能に取り付けられている。このガラス枠16の奥側には、着脱交換可能な遊技盤18がセットされており、遊技盤18は、ガラス枠16で閉塞された状態でガラス板14に対向するようになっている。
ガラス枠16の下部には、一体皿24が配置されている。一体皿24の図1の右端部には、鍵穴27が設けられ、この鍵穴27にキーを差し込み、左右の内、一方に回すとガラス枠16が開放し、他方に回すとパチンコ機10の左側端部が軸支された内枠(図示せず)が開放する。
一体皿24には、上皿部28と、下皿部30とが設けられている。上皿部28を形成する周縁壁部32には、上皿球抜きレバー34が設けられ、この上皿球抜きレバー34を操作することで、上皿部28に貯留された遊技球PBを下皿部30へ送り出すことができるようになっている。また、下皿部30には、下皿球抜きボタン36が設けられ、この下皿球抜きボタン36を操作することで、下皿部30に貯留された遊技球PBを外部(例えば、所謂「ドル箱」)へ排出することができるようになっている。
上皿部28の周縁壁部32における図1の右端部には、球貸ボタン42と、返却ボタン44が設けられている。
また、一体皿24の右側下部には打球の発射力(飛距離)を調整するためのグリップユニット(発射ハンドル)26が取り付けられ、左側下部には、灰皿46が取り付けられている。
一体皿24における下皿部30の図1の右側には受け皿スピーカ60Uが配置されている。
ここで、一体皿24における上皿部28の周縁壁部32には、遊技者が操作可能な操作ボタン50が設けられている。この操作ボタン50は、遊技中において、操作有効期間中に操作することで、演出画像に対して介入することができるようになっており、それぞれの遊技仕様によって設定される。
ガラス枠16におけるガラス板14の周囲には、遊技の進行に応じて点灯、消灯、及び点滅するアーチ状の照明による視覚的効果や、音声等のスピーカによる聴覚的効果等の演出効果を生み出す上部演出部52が配置されている。この上部演出部52の下端部は、一体皿24の周囲に略U字型に配置された下部演出部54の上端部と連結するように配置されている。
この結果、上部演出部52と下部演出部54とで、遊技盤18の周囲を取り囲むように、遊技機枠演出部56が形成されている。
この遊技機枠演出部56は、上部演出部52及び下部演出部54共に、照明部材(LED等)が取り付けられた基板(図示省略)と、この基板を覆うように、所定の意匠で形成されたレンズカバー58が取り付けられている。
レンズカバー58は、前記照明部材が点灯する領域を区画するよう凹凸状にカットされており、区画された領域(以下、必要に応じて「レンズ部58」という)毎に照明部材の点灯制御がなされる。なお、照明部材は基本的にR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色に点灯するLEDが1組となっており、それぞれの点灯時の光量比により、様々な配色の点灯が可能となっている。
また、前記上部演出部52における、ガラス枠16の上部円弧の約1/3に相当する領域の中央及び両端には、ガラス枠スピーカ60C、60L、60Rが内蔵され、照明と同時に、音声を出力する。
なお、以下では、前述した受け皿スピーカ60Uと、このガラス枠スピーカ60C、60L、60Rを総称して、「スピーカ60」という。
さらに、ガラス枠16の上部2箇所の角部には、エラーランプとして機能する細長状の共用表示部62が設けられている。
(遊技盤の構成)
図2に示される遊技盤18は、基板となるベニヤ板に樹脂製シート状化粧材であるセルが貼着されてそのセルの表面が盤面となっており、盤面の外周端部付近に、円弧状の外レール102及び内レール104が取り付けられている。これらの外レール102及び内レール104によって囲まれた円形状の領域は、発射装置(図示省略)から発射されて打ち込まれた遊技球PBが障害物等により弾かれながら自重落下により移動可能な遊技領域19を構成している。
遊技盤18の遊技領域には、前記障害物の一部として、釘128及び風車132が点在して打ち込まれている。
遊技盤18には、センター役物105が配置されている。より具体的には、センター役物105は、その右周端に弓状の遊技球PBの通過路を残し、遊技領域19の右寄りに配置されている。
センター役物105は、大きく分類して、当該センター役物105内と他の遊技領域とを区画する複数の装飾部材105Aと、センター役物105内に流入した遊技球PBをノーマルルート(第一の通路)に沿って案内する球案内流路105BN、スペシャルルート(第二の通路)に沿って案内する球案内流路105BSと、遊技球Pの前途を振り分ける振分部105C、105Dと、ノーマルルートにおいて当り外れを決定する第1のV入賞振分部105Eと、ノーマルルートにおいて当りでも外れでもない「チャンス溝」に入賞した遊技球PBをスペシャルルートへ送り出す移送部105Fと、スペシャルルートにおいて遊技球PBを揺動させる揺動部105Gと、スペシャルルートにおいて当り/外れを決定する第2のV入賞振分部107と、遊技球PBの流動を一時的に停止させ、かつ所定のタイミングで停止解除するように動作する第1のストッパ109及び第2のストッパ111と、センター役物105の中央に設けられた矩形状の貫通孔に嵌め込まれたLCD表示部106と、センター役物105内に流入せずに遊技盤18を落下する遊技球PBを受け入れ、かつ左右に揺動させ、後述する特別通過ゲート130を通過する可能性を高めるよう遊技盤18へ戻すステージユニット115と、を備えている。
センター役物105の上部開口には羽根部材120が設けられている。羽根部材120が軸120Aを中心に回転開放すると、前記上部開口から遊技球PBがセンター役物105内へ流入可能となる。
ステージユニット115は、センター役物105の図2の左端に設けられたワープ流路200と、ワープ流路200によって案内された遊技球PBを揺動させるステージ本体202と、を備えている。
ステージ本体202は、図2の正面視で中央が最も下に凸となる円弧状を形成し、前記ワープ流路200の出口が、当該ステージ本体202の左端側に位置している。また、ステージ本体202の中央部は、さらに凹陥されており、この凹陥部202Aから遊技球PBが落下し易くなっている。なお、凹陥部202Aは、後述する特別通過ゲート130に対応している。すなわち、凹陥部202Aに案内されて落下する遊技球PBは、特別通過ゲート130に入賞し易くなっている。
なお、ワープ流路200の出口の延長方向が奥側、これに対してステージ本体202の遊技球PBの揺動面が手間側とされ、互いに図2の奥行き方向(遊技盤18の奥行き方向)において段違いとなっている。
このため、ワープ流路200の出口から飛び出る遊技球PBはセンター役物105の壁面に当接してその移動が減速した状態で、手前側のステージ本体202へ受け渡されることになる。なお、ステージユニット115の詳細については、後述する。
前記センター役物105の図2の左側には、普通図柄抽選の始動機能を持つ普通通過ゲート118が配置されている。
また、センター役物105の下部には、特別図柄抽選の始動機能を持つ特別通過ゲート130と、一般入賞口134とが縦列に配置されている。なお、「一般入賞口」とは、入賞することで、予め定められた賞球払い出しが実行され、図柄の抽選契機とはならない入賞口を言う。
特別通過ゲート130は、遊技球PBが通過可能であり、通過検出時に特別図柄抽選が実行されるようになっている。なお、この特別通過ゲート130を通過する遊技球PBのほとんどは、一般入賞口134の下端部から突出している受け部材216に到達する構成となっている。
受け部材216は、上面部216U(図10及び図11参照)がほぼ平面状であり、前記特別通過ゲート130を通過して、落下してくる遊技球PBを受け止めて、一般入賞口134へ案内する役目を有しているが、100%案内されるものではなく、遊技球PBの落下方向、回転状態等により、受け部材216から左右に逸脱する場合もあり得る構造となっている。なお、受け部材216並びに一般入賞口134についての詳細については、後述する。
さらに、図2に示される如く、前記一般入賞口134のさらに下部には、遊技領域19の下端部付近に位置してアタッカー112が配置されている。
アタッカー112には、開閉扉116が設けられている。この開閉扉116が開放又は閉塞する。すなわち、開閉扉116の開放時には、開閉扉116上に落下した遊技球PBが開閉扉116に案内されてアタッカー112へ入賞する。
また、遊技領域19の最下位置に、外れ球を遊技盤18の裏側へ排出するアウト口124が設けられている。
さらに、この遊技領域19における、アタッカー112の左右の領域には、複数の一般入賞口113が設けられると共に、遊技の進行に応じて点灯、消灯、及び点滅し照明による演出効果を生み出す照明演出用の発光素子(図示省略)が多数設けられている。
(センター役物105)
羽根部材120の開放でセンター役物105に流入した遊技球PBは、ノーマルルート又はスペシャルルートのどちらかへ案内され、最終的に何れかのV入賞領域にV入賞すれば大当りとなり、アタッカー112の所定時間、所定回数の開放遊技(特別遊技、或いは大役遊技という)を期待できる。一方、V入賞以外、すなわち外れた場合は、通常遊技が継続される。
羽根部材120が開放したとき、遊技球PBは、まず、遊技球Pの前途を振り分ける振分部105C、105Dを通過する。
図3に示される如く、振分部105C、105Dはそれぞれ回転体であり、振分部105Cの周囲には4個の溝232が形成され、振分部105Dの周囲には3個の溝234が形成されており、それぞれの1個の溝に指標部236、238が付与されている。この指標部236、238が付与された溝間で遊技球PBが受け渡されると、遊技球PBはスペシャルルートへ案内されるようになっている。
(1)スペシャルルート
図2に示される如く、スペシャルルートでは、その途中に遊技球PBを一時的に保持する第1のストッパ109が配置されている。第1のストッパ109は、この第1のストッパ109のみを駆動させる駆動源(第1のソレノイド280)によって所定のタイミングで動作して、保持又は保持解除を行なうようになっている。これに対して、例えば第1のモータ276の駆動は、振分部105C、105D、第2のV入賞振分部107、揺動部105Gに共通の駆動源である。
この第1のストッパ109の下流側には、遊技球PBを揺動させる揺動部105Gが設けられている。揺動部105Gは意匠的には、「ワイングラス」型であるが、基本的には底部が球面或いは球面に近い形状で、遊技球PBを意図的に安定させない形状となっている。しかも、揺動部105Gは、左右に往復移動しているため、遊技球一と揺動部105Gからの玉通過口とが一致したときに下流側に流下する。この結果、遊技球PBが揺動部105Gを通過するタイミングが不定期となり、遊技球PBの動向に意外性を与えることができる。
揺動部105Gを通過した遊技球PBは、第2のV入賞振分部107へ到達する。
図4に示される如く、第2のV入賞振分部107は、V入賞回転体240を備えている。V入賞回転体240の周面には、3個の溝242が形成され、その内の1個の溝242にはV入賞を示す指標部244が付与されている。遊技球PBは、この指標部244が付与された溝242に入賞したときのみ、Vゾーン246(第1のV入賞領域)へ案内されるようになっている。Vゾーン246に遊技球PBが案内されると大当りとなり、前記特別遊技(大役遊技)が実行される。一方、指標部244が付与されていない溝242に入った場合は、外れゾーン248(第1の外れ領域)に案内され、Vゾーン246に入賞検出された後に遊技盤面から排出される遊技球PBの排出路と合流する排出路に案内される。
(2)ノーマルルート
図3において、前記振分部105C、105Dにおいて、指標部236、238が付与された溝232、234の両方に入らない遊技球PBは、ノーマルルートへ案内されるようになっている。
ノーマルルートでは、遊技球PBは、球案内流路105BNに連通するようにLCD表示部106の左端に縦方向に配置された球分岐流路ユニット101を通過して、その一部がLCD表示部106の下部の第1のV入賞振分部105Eへ送られるようになっている。
本実施の形態では、球分岐流路ユニット101では、球案内流路105BNから送られる遊技球PBが複数個の場合、その内の最初の1個の遊技球PBを第2のストッパ111で保持し、2個目以降の遊技球PBを外れ球として排出する機構を設けている。この球分岐流路ユニット101の詳細構成については、後述する。
一方、保持された遊技球PBは、所定のタイミングで第2のストッパ111を解除することで、第1のV入賞振分部105Eへ案内されるようになっている。
図5に示される如く、第1のV入賞振分部105Eには、回転体283を備えている。回転体283には、その周囲に8個の溝284が形成され、その振分は、1個の「V入賞溝」、1個の「チャンス溝(特別溝)」、6個の「外れ溝」となっている。
第2のストッパ111(図2参照)の解除時期は周期性があるものではなく、かつ回転体283の回転との間で同期がとられておらず、この結果、純粋に、1/8の確率で「V入賞溝284V」へ入り、1/8の確率で「チャンス溝284C」に入り、6/8の確率で「外れ溝284D」に入ることになる。
「V入賞溝284V」に入賞すると、Vゾーン285V(第2のV入賞領域)に案内されて、前記特別遊技(大役遊技)に移行する。一方、「外れ溝284D」に入った場合は、外れゾーン285D(第2の外れ領域)に案内され、前記球分岐流路ユニット101によって、第1のV入賞振分部105Eに至らずに排出される遊技球PBと共通の排出路に案内され、通常遊技が継続される。
ここで、遊技球PBが、「チャンス溝284C」に入った場合、当該遊技球PBは、移送部105Fへ案内される。
図2に示される如く、移送部105Fは、遊技球収容部材を備えており、この遊技球収容部材は、上下方向に移動する構成となっている。通常は、遊技球収容部材は、第1のV入賞振分部105Eと面一となる位置(最下端位置)にあり、羽根部材120からの入賞検出から所定時間後に上昇し、1往復して戻るようになっている。そして、センター役物105内の入賞球と排出球の検出状況に応じて動作し、入賞球と排出球の検出数が同一の場合には、前記所定時間後であっても動作しない場合もある。遊技球収容部材に遊技球PBが収容されていると、遊技球収容部材が最上端に位置したとき、遊技球PBは、スペシャルルートへ送り込まれるようになっている。
(球分岐流路ユニット101)
図6は、球分岐流路ユニット101を三次元的に模式した流路の斜視図が示されている。実際の球分岐流路ユニット101は、周囲の様々な部品の凹凸を回避するべく、複雑な形状をしている場合があるが、基本的には、図6に示すような、筒状で、遊技球PBが一列縦隊で流動する流路を構成している。
球分岐流路ユニット101は、複数の筐体流路ブロックが連結されて構成されている。
本実施の形態では、球分岐流路ユニット101は、遊技球PBの流れに応じて、受入ブロック302、分岐ブロック304、排出ブロック306、検出ブロック308、並びに、他から合流する遊技球PB(本実施の形態では、第1のV入賞振分部105Eの回転体283を経由して外れとして外れ領域から排出される遊技球PB)を検出ブロック308へ案内する合流ブロック310に分類することができる。
前記ノーマルルートの一部である球案内流路105BNに沿って流動する遊技球PBは、受入ブロック302の図6の上端に設けられた開口部312へ到達するようになっている。
この開口部312を上端面に備えた受入ブロック302は、縦方向筒状であり、側壁の下部に開口部が設けられ、この開口部が対峙するように、分岐ブロック304が隣接して配置されている。分岐ブロック304の対峙する面も開口しており、受入ブロック302と分岐ブロック304との合わせ面は、両者の内方空間を連通する。このため、前記受入ブロック302の開口部312から流入した遊技球PBは、分岐ブロック304へ送り出されるようになっている。
分岐ブロック304は、外観が略逆L字型であり、遊技球PBが送り込まれる上部の横路314は若干傾斜がついており、この傾斜に沿って遊技球PBが縦路316に導かれ落下する。この縦路316の下端は開口部318が設けられており、落下する遊技球PBはこの開口部318から排出される場合がある。
ところで、この開口部318に対応して、前記第2のストッパ111が配設されている。第2のストッパ111は、図6の実線に示される位置(突出位置)では、前記開口部318の一部を閉塞する。この状態では、遊技球PBは、開口部318から排出されない。
一方、第2のストッパ111が図6の鎖線に示される位置(待避位置)では、前記開口部318から完全に待避され、遊技球PBは開口部318から排出可能となる。
開口部318から排出される遊技球PBは、図5に示される第1のV入賞振分部105E(図6では図示省略)へ案内され、回転体283の何れかの溝284へ入る(チャンス溝に入った遊技球PBは、移送部105Fへと導かれることになる)。
ここで、前記第2のストッパ111が突出位置にあり、前記開口部318を閉塞している場合、この第2のストッパ111に載るように、1個の遊技球PBが滞留するようになっている。なお、第2のストッパ111が待避する時期は、遊技仕様によって定められる。また、第2のストッパ111によって滞留している遊技球PBは、球分岐流路ユニット101全体の最前部(遊技者寄り)に位置しており、遊技者が目視で遊技球PBの滞留を確認できるようになっている。
図7に示される如く、分岐ブロック304の縦路316の側壁には、排出ブロック306に通じる開口部320が設けられている。この開口部320の下端部で、前記開口部318に沿った底面の一部(通路幅方向中央部に球径以下で)には、山型の突起部321が形成されている。
この山型の突起部321は、高さが球径以下に設定され、その頂点が分岐ブロック304における縦路316の側壁延長線上にあり、落下してくる遊技球PBを確実に開口部318方向へ案内するようになっている。具体的には、落下する遊技球PBが、突起部321の排出ブロック306側の傾斜面に接触しないように頂点の位置を設定していることで、最初に落下する遊技球PBに確実に開口部318に導かれる。
一方、第2のストッパ111で1個の遊技球PBが滞留している状態では、この滞留している遊技球PBの上端部が、以後に分岐ブロック304の縦路316に沿って落下してくる遊技球PBの案内部となって、開口部320へ送り出すようになっている。言い換えれば、滞留可能な遊技球PBは1個のみである。
なお、開口部320へ送り出される遊技球PBの流動は、遊技者からも目視できるようになっている。
排出ブロック306は、平面視で略L字型に屈曲したスロープ324が形成されており、図6では図示を省略した第1のV入賞振分部105Eの構成部材を回避するように、流路が定めれている。当該スロープ324の最上流側では、遊技球PBは、第1のV入賞振分部105Eよりも上部位置にあり、転動するに従い、下位置に案内される。
排出ブロック306の最下流側は検出ブロック308と接続され、内部の流路が連通している。このため、排出ブロック306のスロープ324を下った遊技球PBは、検出ブロック308に受け渡される。
検出ブロック308には、センター役物105から排出される遊技球PBを検出するための外れセンサ258が配設されており、遊技球PBはこの外れセンサ258により検出された後、回収されるようになっている。
ところで、この検出ブロック308には、別方向から合流ブロック310が接続され、この合流ブロック310から来る遊技球PBも外れセンサ258によって検出した後回収するようになっている。すなわち、2方向からの遊技球PB(何れも外れ球)を1個の外れセンサ258によって検出する構成である。
合流ブロック310は、第1のV入賞振分部105Eの回転体283に対応して設けられた外れゾーン285Dからの遊技球PBを案内するようになっている。
上記構成の球分岐流路ユニット101において、羽根部材120(図2参照)が開放しているときに流入する複数個の遊技球PBを貯めておく要素がなく、第1のV入賞振分部105Eへ案内するための1個の遊技球PB以外の複数の遊技球PBは、その流れに応じて途中で滞留せずに次々と排出してく構造である。このため、連続的に複数の遊技球PBが流動するとき、その流路内では、一列で流動する(一列縦隊)。例えば、逆に複数の遊技球PBが途中で滞留した後、一気に流動すると、遊技球PB同士の球噛みによる詰まりが発生する場合がある。通常、球噛み防止のため、流路途中に比較的広い空間を設ける必要があるが、本実施の形態では、球噛みを解消するような空間を設ける必要がない。
(ステージユニット115)
図8及び図9には、センター役物105の周縁(図2の左縁から下縁にかけての周縁)に設けられたステージユニット115が示されている。
前述したワープ流路200の入口は、センター役物105の図2の左側に位置しており、遊技盤18上の釘128により、センター役物105に入賞せずに落下してくる遊技球PBを誘導している。このため、予め定めた確率の範囲で、遊技球PBはワープ流路200へ案内される。
ワープ流路200は、蛇行しながら遊技盤PBの下方へ連通しているが、その下端部において、一旦遊技盤18の奥側へクランク状に屈曲され、遊技球PBの落下の勢いが低減され、遊技盤18の中央へ向かう傾斜路200Aに沿って流動する構造となっている。
この傾斜路200Aは、遊技盤18に設けられたセンター役物105を装着する貫通孔に入り込んだ状態で配置されている。この傾斜路200Aの出口は、ステージ本体202の左端側に位置している。
ステージ本体202は、センター役物105の一部として形成されており、この結果、遊技盤18に設けられた貫通孔に入り込んだ状態で配置されている。
ステージ本体202上部は、遊技球PBが揺動する空間が形成されているが、左端部を除きセンター役物105内で使用する駆動系等を(例えば、第1のV入賞振分部105Eを駆動するためのモータ等)被覆するためのカバー204が突出しており、その奥行きは、遊技球PBの1個分の直径程度となっている。
一方、ステージ本体202の左端部は、その奥行きが、遊技球PBの2個分の直径程度となっており、ステージ本体202の揺動面に対して、段差部206を持って高位置とされた受け止めステージ208が形成されている。
この受け止めステージ208は、前記傾斜路200Aの出口と対向しているため、ワープ流路200に入って傾斜路200Aから排出される遊技球PBは、まず受け止めステージ208に到達することになる。また、受け止めステージ208は、手前側が低位となるように傾斜している。
このとき、受け止めステージ208は、傾斜路200Aの出口から排出される遊技球PBの流動方向の距離が遊技球PBの2個分の直径程度と極めて短いため、カバー204の壁面204Aに当接することで、減速し、かつ傾斜しているため、段差を越えて、ステージ本体202へ移行するようになっている。また、受け止めステージ208はステージ本体202側に下り傾斜するとともに傾斜路200Aの出口側にむけて下り傾斜している。これは、ステージ本体202の左端側から遊技球PBをスムーズに流下させるためである。なお、夫々の傾斜角度はステージ側への傾斜の方が、傾斜路200A側への傾斜よりも大きいものとなっている。
ここで、ステージ本体202の最前端には、受け止めステージ208に対応する幅寸法に相当する幅寸法分、落下防止用のリブ202Bが形成されているとともに、ステージ本体202の揺動面には、受け止めステージ208に対応する幅寸法に相当する幅寸法分遊技球PBの奥行き方向の揺れを低減するように断面U字状の方向転換部202Cを形成して、前後方向(奥行き方向)から盤面の左右方向へスムーズに遊技球が流路変更できるように設定されている。
このリブ202B及び方向転換部202Cは、受け止めステージ208からステージ本体202へ移行する遊技球PBが、その勢いでステージ本体202から、直ちに逸脱することを防止する役目を有している。本実施の形態では、ステージ本体202の端部に近い部分は奥側が低位となるように傾斜され、中央寄りは、手前側が低位となるように傾斜されている(図9(A)に示す、ステージ本体202上の直線矢印は、高低差を指し、矢視方向に沿って低位であることを示している。)。そのため、ステージ本体202上の遊技球PBは、ステージ本体202の傾斜によりカバー204に接触しながら中央部に向かって流下し、次第にステージ本体202の傾斜に沿ってカバー204から手前側に移動するようになっており、カバー204も遊技球PBを揺動させるための構成の一部となっている。この構造により、受け止めステージ208からステージ本体202へ移行する遊技球PBのほとんどがステージ本体202上に残り、かつ左右に揺動し、最終的には、比較的高い確率でステージ本体202の凹陥部202A及びその近傍から遊技盤18面へ戻される。
(一般入賞口134)
図2に示されるように一般入賞口134は、特別通過ゲート130の直下にあり、一般入賞口134へ入賞する可能性のある遊技球PBのほとんどが、特別通過ゲート130を通過した遊技球PBである。
図10〜図12に示される如く、一般入賞口134は、前記アタッカー112を構成する役物装置210の一部として構成されている。なお、アタッカー112を構成する役物と一体とする必然性はない。しかしながら、近年、センター役物105が大型化される傾向にあるため、アタッカー112を一体的にすることによりコンパクトに設計できるというメリットもある。
役物装置210は、遊技盤18面に密着する肉厚寸法が極めて薄い(遊技球PBの流動にほとんど影響を与えない厚さ)ベース板212を備えており、このベース板212のほぼ中央部に矩形状の貫通孔が設けられ、開閉扉116が取り付けられている。
ベース板212の裏面側には、アタッカー112の流路ユニット(図示省略)が取り付けられており、この流路ユニットが貫通するように、遊技盤18には貫通孔が設けられている。
なお、流路ユニットには、開閉扉116を開閉するためのアタッカーソレノイド274(図13参照)や入賞した遊技球PBを検出するアタッカーセンサ260(図13参照)が取り付けられている。
また、ベース板212の左右方向中央部、かつ開閉扉116よりも上方には、一般入賞口134が形成されている。
この一般入賞口134は、ベース板212の裏面側で一般入賞流路に連通している。この一般入賞流路は、アタッカー112の流路ユニットとは別の流路で案内されるようになっており、前記アタッカーセンサ260とは別の一般入賞センサ262(図13参照)が配置されている。
図11及び図12に示される如く、一般入賞口134は、上部が半円形で、下部が方形の周縁形状となっている。
また、下辺部134Dから若干隙間を開けた左右辺部134L、134Rからは、それぞれ対向する左右辺部134R、134Lに向けて一対の突起部214が形成されている。突起部214は、底辺が下辺部134Dに平行な略直角三角形状であり、突出先端の頂点がR面となっている。
ここで、この突起部214の底辺を結ぶ線(図11及び図12(B)に示す仮想線A)上に遊技球PBがあるとき、この遊技球PBが前記一般入賞口134の左右辺部134L又は134Rの何れかに接触する場合がある。このとき、突起部214は、遊技球PBと干渉しない大きさに形成されている。すなわち、突起部214の存在により、遊技球PBの一般入賞口134への入賞が妨げられるようなことがない構成となっている。
一般入賞口134の下辺部134Dよりも下部、かつ前記開閉扉116よりも上部のベース板212には、受け部材216が取り付けられている。すなわち、受け部材216は、ベース板212とは別体の成形部材であり、ベース板212に後付けで組み付けられるようになっている。
受け部材216は、正面視で六角形であり、手前から奥にかけて柱形状となっている。この受け部材216の上面部216Uは平らになっている。また、受け部材216の裏面部216Rは、組付け時にベース板212に突き当てられるようになっている。ここで、上面部216Uは、この裏面部216Rよりも奥側に突出している(以下「突出部216A」という)。
図12(A)及び(B)に示される如く、この突出部216Aの所定の肉厚寸法t1は、前記一般入賞口134の突起部214の底辺間を結ぶ仮想線Aと下辺部134Dとの間(以下、「隙間部218」という)の寸法t2と、所定の嵌め合い公差の関係となっている。また、突出部216Aの幅は、一般入賞口134の底部の幅寸法と、所定の嵌め合い公差の関係となっている。さらに、突出部216Aは、ベース板212の厚さ分だけ突出している。
すなわち、受け部材216の裏面部216Rがベース板212の所定位置に突き当てられるとき(仮位置決め)、突出部216Aは、前記隙間部218に挿入される。この挿入が、受け部材216を組み付けるときの位置決め基準となる。言い換えれば、例えば、ベース板212から位置決めのための遊技盤前方への突起等を設ける必要がない。
なお、前記仮位置決めのために、本実施の形態では、図12に示される如く、裏面部216Rに仮位置決め用の突起部220が形成され、ベース板212に突起部220が挿入される貫通孔224が形成されている。
受け部材216の裏面部216Rには、縦方向に2個の円溝が形成され、雌ねじ部216Bが形成されている。これに対応して、裏面部216Rが突き当てられるベース板212には、縦方向に2個の貫通孔226が設けられている。
受け部材216の突出部216Aが隙間部218に挿入されながら裏面部216Rがベース板212に突き当てられると、雌ねじ部216Bが貫通孔226とそれぞれ同軸となる。ベース板212の裏面からは、貫通孔226を介して、ビス228が雌ねじ部216Bに螺合され、この結果、受け部材216がベース板212に固定されるようになっている。2箇所でのビス締めは、受け部材216の回転方向の移動を制限するものである。
また、受け部材216の前面部216Fには、当該前面部216Fの面積よりも広い面積の装飾プレート230が取り付けられ(或いは、一体成形され)、見掛け上、上面部216Uの幅寸法が広く見えるような感覚を持たせている。
(制御系の構成)
次に、図13を用いてパチンコ機10の制御系について説明する。図13に示されるように、本実施の形態に係るパチンコ機10の制御系は、主制御部150を中心として構成されており、この主制御部150には、演出制御部152と払出制御部154とが接続されている。主制御部150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御部150からの命令信号に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。
主制御部150からは盤用外部端子190を介して遊技店に設置される管理コンピュータ(図示省略)へ遊技の進行状態を示す情報(始動入賞信号や大当たり情報信号、図柄確定回数信号)が送信される。
主制御部150には、入力系として、特別通過ゲート130を通過する遊技球PBを検出する特別通過ゲートセンサ250、普通通過ゲート118を通過する遊技球PBを検出する普通通過ゲートセンサ252、羽根部材120が開放したときにセンター役物105内に流入した遊技球PBを検出する流入センサ254、V入賞した遊技球を検出するV入賞センサ256、V入賞を逸した(外れた)遊技球PBを検出する外れセンサ258、アタッカー112の開閉扉116の開放時に入賞する遊技球PBを検出するアタッカーセンサ260、一般入賞口113,134のそれぞれの入賞を検出する複数の一般入賞センサ262、264が接続されている。なお、一般入賞口113と、一般入賞口134とが別々の一般入賞センサ262,264としたのは、それぞれ賞球払出数が異なる場合があるからである。
さらに、遊技の進行に関わるものではないが、エラー検知システムに関する部材として、主制御部150には、遊技盤18面近傍の磁力を検出する磁気センサ266、遊技盤18における振動を検出する振動センサ268及びガラス枠16等の開放状態を検出する開放検出センサ270が接続されている。
また、主制御部150には、出力系として、羽根部材120を開閉するための羽根部材ソレノイド272、アタッカー112の開閉扉116を開閉するためのアタッカーソレノイド274が接続されている。
さらに、主制御部150には、センター役物105内に設けられた動作系の駆動源として、第1のモータ276、第2のモータ278、第3のモータ279、第1のソレノイド280、第2のソレノイド282が接続されている。
第1のモータ276は、前記振分部105C、105Dと、第2のV入賞振分部107、揺動部105Gの共通の駆動源であり、第2のモータ278は、前記第1のV入賞振分部105Eの駆動源、第3のモータ279は移送部105Fの駆動源である。第1のソレノイド280は第1のストッパ109の駆動源であり、第2のソレノイド282は第2のストッパ111の駆動源である。
演出制御部152には、図柄制御部156を介してLCD表示部106が接続されている。また、演出制御部152は、パチンコ機10の各種遊技部品に設けられた照明演出用の発光素子126の点灯、消灯、及び点滅を制御し、さらに、スピーカ60を作動させて効果音等の音声出力を制御する。また、演出制御部152の入力系として、操作ボタン50が接続されている。
この演出制御部152に制御されるLCD表示部106には演出図柄映像が表示され、スピーカ60からはその演出表示に対応した効果音等の音声が出力される。これにより、遊技者は、視覚及び聴覚を通じて、演出図柄による演出を楽しむことができる。
払出制御部154には、払出装置160及び発射制御部164が接続され、発射制御部164には発射装置40が接続されている。この払出制御部154は、パチンコ機10内に設けられた払出装置160を作動させて、賞球又は貸し球の払い出し及び停止動作と払出数を制御する。また、発射制御部164は、遊技者によるグリップユニット26(図1参照)の操作により発射装置40を作動させて、遊技球PBの発射開始、及び、グリップユニット26の操作量に応じた発射力を制御する。
さらに、払出制御部154では、枠用外部端子191を介して賞球又は貸球の払出しに関する情報である払出情報を遊技店に設置された管理コンピュータ(図示省略)へ送信するようになっている。
(センター役物105の動作駆動系)
図13に示したように、センター役物105には、第1のモータ276、第2のモータ278、第2のモータ279、並びに、第1のソレノイド280、第2のソレノイド282が設けられ、当該センター役物105内の遊技球PBの流れ(ノーマルルート/スペシャルルート)を決定する重要な役目を有している。
図14に示される如く、第1のモータ276は、その駆動軸に取り付けられた駆動歯車300(歯数20)に対して、複数の歯車が連結され、それぞれ振分部105C、105Dと、第2のV入賞振分部107、揺動部105Gへ駆動力を伝達している。
振分部105C、105Dは回転体であり、振分部105Cの回転軸には回転体歯車302(歯数36)が取り付けられ、振分部105Dの回転軸には回転体歯車304(歯数27)が取り付けられている。この歯車302(歯数36)と歯車304(歯数27)との間には、アイドル歯車306(歯数37)が介在されており、前記駆動歯車300(歯数20)は、分岐歯車308(歯数28)を介して、回転体歯車304(歯数27)と噛み合っている。このため、駆動歯車300(歯数20)が回転すると、回転体歯車302(歯数36)、回転体歯車304(歯数27)は、駆動歯車300(歯数20)の回転方向と同一方向にそれぞれ回転することになる。
ここで、回転体歯車302(歯数36)、回転体歯車304(歯数27)の歯数は、36歯と27歯であり、その比は36:27=4:3である(1以外の約数が存在し、最小公倍数=108)。従って、回転体歯車302(歯数36)が3回転すると、回転歯車304(歯数27)が4回転することになり(それぞれが、108歯分進む)、一定の周期が発生する。以下、これを「同期周期」という。
図3に示される如く、回転歯車302(歯数36)の振分部105Cを構成する回転体は、4個の溝232が形成され、回転体歯車304(歯数27)の振分部105Dを構成する回転体は、3個の溝234が形成されており、それぞれの1個の溝に指標部236、238が付与されている。この指標部236、238が付与された溝間で遊技球PBが受け渡されると、遊技球PBはスペシャルルートへ案内されるようになっている。
ここで、初期状態では、振分部105C、105Dを定速度回転させ、羽根部材120が開放して流入した遊技球PBが振分部105Cにおける指標部236が付与された溝232に入ったとき、その後の回転によって、この遊技球PBが、振分部105C、105D間の通路を通って振分部105Dに到達し、ちょうど振分部105Dにおける指標部238が付与された溝234が対応するようにしておく。
これにより、振分部105Cにおける指標部236が付与された溝232に遊技球PBが入った場合、その3回転に1回は、遊技球PBを振分部105Dにおける指標部238が付与された溝234へ入れることができる。
なお、前記回転体歯車302(歯数36)、回転体歯車304(歯数27)の歯数の関係は一例であり、比較的早期(例えば、一桁回転以内)で、同期周期をとることができる歯数の関係を設定(周期性有り設定)すればよい。すなわち、同期周期が長ければ長いほど、スペシャルルートへの案内の難易度が高くなり、同期周期が短ければ短いほど、スペシャルルートへの案内の難易度が低くなる。なお、アイドル歯車306(歯数37)の歯数は、この同期周期の関係に関与しない。
一方、前記分岐歯車308(歯数28)には、前記回転体歯車304(歯数27)以外に、スライド動作用歯車310(歯数58)が噛み合っている。
このスライド用歯車310は、回転体312が同軸上に取り付けられている。回転体312には、偏心軸314が設けられ、偏心軸314は、回転体312の回転に応じて、回転軸回りを周回する。
この偏心軸314は、スライドプレート316に設けられた縦長孔316Aに収容されている。
スライドプレート316は、矩形状でその左右から一対のアーム316Bが延長されている。アーム316Bには、横長孔316Cがそれぞれ設けられており、固定軸318が収容されている。この固定軸318の収容により、スライドプレート316は、図14の左右方向のみ移動可能となり、上下方向、或いは回転方向が制限される。
この状態で、回転体312が回転すると、偏心軸314の周回に伴って、スライドプレート316は左右への移動を繰り返す。すなわち、偏心軸314が図14のように縦長孔316Aの最上端に位置しているときを中立状態とすると、この中立状態から偏心軸314が図14の時計方向に1周回すると、スライドプレート316は、図14の右端へ移動し方向転換し、中立位置を通過して左端へ移動し、さらに方向転換して中立位置に戻る。すなわち、回転体312の1回転でスライドプレート316は1往復する。
前記スライド動作用歯車310(歯数58)は、アイドル歯車320(歯数37)を介して、V歯車322(歯数23)に連結されている。V歯車322(歯数23)は、前記第2のV入賞振分部107を構成する回転体が同軸上に取り付けられている。
ここで、前記回転体歯車304(歯数27)とV歯車322(歯数23)を対比すると、最小公倍数が、27×23(=621歯で、1以外の約数が存在しない)となり、回転体歯車304(歯数27)によるスペシャルルートへの案内時期と、V歯車322(歯数37)との間に相関関係がほとんどない。
すなわち、回転体歯車304(歯数27)が23回転、V歯車322(歯数23)が27回転しないと、両者の周期が一致しない。
これは、前記回転体歯車302(歯数36)、回転体歯車304(歯数27)の歯数の関係(一桁回転以内での周期一致)に比べると、同期周期をとることができない歯数の関係であり、「周期性無し設定」と言うことができる。
本実施の形態では、単一の駆動源である駆動歯車(歯数20)に対して、分岐歯車308によって、回転体歯車304(歯数27)→アイドル歯車306(歯数37)→回転歯車302(歯数36)の連結で構成された「周期性有り設定」と、揺動歯車310(歯数55)→アイドル歯車320(歯数37)→V歯車322(歯数23)の連結で構成された「周期性無し設定」とを、共有させていることに特徴がある。すなわち、連結する動作部材(主として回転部材)のそれぞれの周期を相互に調整する(ここでは、歯車の歯数調整)ことで、単一の駆動源で、一方は意図的に周期性を持たせて遊技者の技量を試させる遊技仕様、他方は見掛け上何ら関連性を持たせない(周期性がない)遊技仕様といった、2種類の遊技仕様(遊技性)をもたらすことが可能となっている。
以下に本実施の形態の作用を説明する。
パチンコ機10による遊技では、遊技者がグリップユニット26を操作すると、遊技球PBが一球ずつ発射装置によって上方へ発射される。発射された遊技球PBは、外レール102に沿って遊技盤18の遊技領域19に打ち込まれ、遊技釘や風車に当たり方向を変えながら遊技領域19内を落下する。そして、入賞せずに遊技領域19の下端部に至った遊技球PBはアウト口からパチンコ機10内に回収される。
また、遊技球PBが遊技領域19内に設けた入賞口に入賞したり、通過ゲートを通過すると、それぞれの遊技制御に基づく処理(例えば、抽選等)が実行されると共に、LCD表示部106への画像表示演出、スピーカ60を用いた音演出等が実行される。
(遊技仕様の一例)
遊技球PBが発射され、遊技盤面上を落下して、特別通過ゲート130を通過すると、特別図柄抽選が実行され、その抽選結果は、LCD表示部106に演出を交えて報知される。
この特別図柄抽選の結果が当りであると、羽根部材120が所定時間、かつ所定回数開放する。この羽根部材120の開放中は、遊技球PBをセンター役物105内に流入させることができる。流入した遊技球PBは、流入センサ254によってカウントし、最終的に、V入賞球及び外れ球として回収して、それぞれの検出センサ(V入賞センサ256、外れセンサ258)で検出した遊技球PBの数と照合する。
遊技球PBがセンター役物105内に流入すると、遊技球PBは、まず、振分部105C、105Dによって、ノーマルルートかスペシャルルートに仕分けられる。
ノーマルルートに案内された遊技球PBは、球案内流路105BNを通り、球分岐流路ユニット101へ送られる。
球分岐流路ユニット101には、第2のストッパ111が設けられ、最初に到達した1個の遊技球PBが滞留される。なお、2個目以降の遊技球PBは、外れ球として排出される。
流入センサ254にて検出されてから所定のタイミングで、第2のストッパ111が解除されると、遊技球PBは、第1のV入賞振分部105Eへ送られる.
第1のV入賞振分部105Eには、回転体283が配置され、その周囲にある8個の溝284の何れかに入る。
回転体283では、1/8の確率で「V入賞溝284V」へ入り、1/8の確率で「チャンス溝284C」に入り、6/8の確率で「外れ溝284D」に入る。
「V入賞溝284V」に入賞すると、Vゾーン285Vに案内されて、前記特別遊技(大役遊技)に移行する。一方、「外れ溝284D」に入った場合は、外れゾーン285Dに案内され、前記球分岐流路ユニット101によって、第1のV入賞振分部105Eに至らずに排出される遊技球PBと共通の排出路に案内され、通常遊技が継続される。
ここで、遊技球PBが、「チャンス溝284C」に入った場合、当該遊技球PBは、移送部105Fへ案内される。
移送部105Fは、ノーマルルートでV入賞を逸した遊技球PBの一部、すなわち、1/8の確率で「チャンス溝284C」に入った遊技球PBをスペシャルルートへ移行させるべく、遊技球PBを受入れた遊技球収容部材を上昇させる。
次に、振分部105C、105Dにより、スペシャルルートに案内された遊技球PBは、パイプ形状の第1のストッパ109によって、一時的にその流動が停止され、流入センサ254にて検出されてから所定のタイミングで、ワイングラス形状の揺動部105Gへ送られる。
揺動部105Gでは、遊技球PBがワイングラスの底面で揺動しながら、不規則なタイミングで下流路へ案内され、第2のV入賞振分部107へ到達する。なお、前記移送部105Fによって案内される遊技球PBもこの第2のV入賞振分部107へ到達する。
第2のV入賞振分部107には、V入賞回転体240が設けられ、1/3の確率でV入賞する。V入賞すると、前記特別遊技(大役遊技)に移行する。
(周期性有り設定の動作)
ここで、振分部105C、105Dは、それぞれ定速度で回転しており、振分部105Cが3回転する間に、振分部105Dが4回転するように制御されている。
すなわち、振分部105Cにおける指標部236が付与された溝232と、振分部105Dにおける指標部238が付与された溝234とは、振分部105C3回転、振分部105Dが4回転する毎に同期する。
このため、羽根部材120が開放して流入した遊技球PBが振分部105Cにおける指標部236が付与された溝232に入ったとき、その後の回転によって、この遊技球PBが、振分部105C、105D間の通路を通って振分部105Dに到達し、ちょうど振分部105Dにおける指標部238が付与された溝234が対応する。
これにより、振分部105Cにおける指標部236が付与された溝232に遊技球PBが入った場合、振分部105Cの3回転に1回は、遊技球PBを振分部105Dにおける指標部238が付与された溝234へ入れることができる。
(周期性無し設定の動作)
一方、振分部105C、105Dの回転動作に対して、スペシャルルートにおける揺動部105Gと、第2のV入賞振分部107のV入賞回転体240との動作の間には、規則性がない設定となっている。
例えば、遊技球PBが、振分部105Cの指標部236が付与された溝232→振分部105Dの指標部238が付与された溝234を受け渡されてスペシャルルートに入ったとき、そのタイミングによって、V入賞回転体240の指標部244が付与された溝242(Vゾーン)に入るか否かを判定することができない。言い換えれば、狙い打ちをすることができないようにした。
さらに、本実施の形態の揺動部105Gでは、遊技球PBが次のステージへいつ移行するかの予測がつかないように不規則に流動する構造となっているため、さらに予測がつきにくくしている。
(センター役物105の動作駆動系の共通化)
本実施の形態では、前述した「周期性有り設定」の動作と、「周期性無し設定」の動作を、単一のモータ(第1のモータ276)によって実現している。
この第1のモータ276を含め、当該第1のモータ276の回転で駆動する各部材には、それぞれ歯車が取り付けられ、この歯車が適宜噛み合っている。駆動する部材と、歯車との対照は以下の通りである。
(1)第1のモータ276→歯車300(歯数20)
(2)振分部105C→歯車302(歯数36)
(3)振分部105D→歯車304(歯数27)
(4)揺動部105G→歯車310(歯数55)
(5)V入賞回転体240→歯車322(歯数23)
以下、歯車によって周期性の有無を検証する。
回転体歯車302(歯数36)、回転体歯車304(歯数27)の歯数は、36歯と27歯であり、その比は36:27=4:3である(最小公倍数=108)。従って、回転体歯車302(歯数36)が3回転すると、回転歯車304(歯数27)が4回転することになる(それぞれが、108歯分進む)。以下、これを「同期周期」という。
なお、この場合、比較的早期(例えば、一桁回転以内)で、同期周期をとることができる設定(周期性有り設定)と言うことができる。
一方、前記回転体歯車304(歯数27)とV歯車322(歯数23)を対比すると、最小公倍数が、27×23(=621歯)となり、回転体歯車304(歯数27)によるスペシャルルートへの案内時期と、V歯車322(歯数37)との間に相関関係がほとんどない。すなわち、回転体歯車304(歯数27)が23回転、V歯車322(歯数23)が27回転しないと、両者の周期が一致しない。
これは、前記回転体歯車302(歯数36)、回転体歯車304(歯数27)の歯数の関係(一桁回転以内での周期一致)に比べると、同期周期をとることができない歯数の関係であり、「周期性無し設定」と言うことができる。
このように、本実施の形態では、単一の駆動源である駆動歯車(歯数20)に対して、分岐歯車308によって、回転体歯車304(歯数27)→アイドル歯車306(歯数37)→回転歯車302(歯数36)の連結で構成された「周期性有り設定」と、揺動歯車310(歯数55)→アイドル歯車320(歯数37)→V歯車322(歯数23)の連結で構成された「周期性無し設定」とを、共有させることができる。
(ステージユニット115)
遊技球PBが遊技盤18面を落下するとき、その一部は、釘128により、ワープ流路200の入口に誘導され、予め定めた確率の範囲でワープ流路200へ入る。
ワープ流路200内の遊技球PBは、蛇行しながら移動し、屈曲部で一旦遊技盤18の奥側へクランク状に屈曲されると共に、落下の勢いが低減された状態で、傾斜路200Aへ案内される。
傾斜路200Aから排出される遊技球PBは、まず受け止めステージ208に到達する。受け止めステージ208は、傾斜路200Aの出口から排出される遊技球PBの流動方向の距離が極めて短いため、カバー204の壁面204Aに当接する。この当接によって、遊技球PBの流動速度が減速し、この減速状態で段差を越えて、ステージ本体202へ移行する。
ここで、受け止めステージ208からステージ本体202へ遊技球PBが移行するとき、遊技球の流動速度の減速が不十分であると、その勢いで、ステージ本体202から直ちに逸脱する場合があった。
しかし、本実施の形態では、ステージ本体202の最前端に、受け止めステージ208に対応する幅寸法に相当する幅寸法分、落下防止用のリブ202Bを形成した。
このリブ202Bにより、受け止めステージ208からステージ本体202へ移行する遊技球PBのほとんどがステージ本体202上に残り、左右に揺動し、最終的に遊技盤18面へ戻される。
このように、本実施の形態では、センター役物105に搭載する駆動系を被覆するカバー204が、ステージ本体202の奥行きを狭めてしまい(遊技球PBの1個分の直径程度)、遊技球PBの流動の勢いを抑制しきれず、ステージ本体202上での揺動という本来の目的を達成できない場合に、ワープ流路200に案内された遊技球PBを受け止めステージ208を設けた。これによりステージ本体202へ移行する前に減速し、かつ、ステージ本体202の最前端にリブ202Bを設けることで、受け止めステージ208上での減速が不足したとしても、確実にステージ本体202に遊技球PBを残し、ワープ流路200に案内された、ほとんどの遊技球PBをステージ本体202で揺動させ、遊技盤18へ戻すことができる。
(受け部材216の組み付け)
一般入賞口134は、アタッカー112を構成する役物装置210に設けられており、その開口は、遊技盤18面と所謂面一となっているため、このままでは、通過ゲート130を通過した遊技球PBであっても、ほとんど、入賞することがない。このため、この一般入賞口134の下辺部134Dよりも下、アタッカー112の開閉扉116よりも上には、受け部材216を取り付けている。
受け部材216は、上面部216Uが平面とされ、若干手前側から奥側にかけて低位となるように傾斜している。
受け部材216の裏面部216Rをベース板212に突きあてるとき、上面部216Uの奥側に形成した突出部216Aは、一般入賞口134に形成した一対の突起部214、214よりも下の下辺部134Dとの間で形成された隙間部218に挿入される。この隙間部218の寸法t2(図12(B)参照)と、突出部216Aの肉厚寸法t1(図12(A)参照)とは、所定の嵌め合い公差の関係であり、突出部216Aが隙間部218に挿入されることで、受け部材216を位置決めすることができる。
受け部材216が位置決めされると、ベース板212の裏面側の貫通孔226へビス228を合わせ、受け部材216の裏面部216Rに形成した雌ねじ部216Bへ螺合する。このとき、ビス締め位置が、縦方向に2箇所であるため、受け部材216の回転を確実に制限することができる。
このように受け部材216を組み付けると、その上面部216Uが一般入賞口134の開口面よりも奥側に入り込むため、案内路が大きくなり、見掛け上、一般入賞口134へ入賞し易くなるように見せることができる。
また、突出部216Aが、隙間部218に挿入されることが、受け部材216を組み付けるときの位置決め基準となるため、例えば、ベース板212から位置決めのための突起等を設ける必要がなく、デザイン的にも有利となる。
さらに、上面部216Uが位置決めの手段になるため、受け部材216の左右方向はもちろん、上下方向の組み付け間違いもない。
また、受け部材216の前面部216Fには、当該前面部216Fの面積よりも広い面積の装飾プレート230を取り付けたため(或いは、一体成形したため)、遊技者から正面視すると、上面部216Uの幅寸法が広く見えるような感覚を持たせることができる。
このように本実施の形態では、役物装置210のベース板212側から、受け部材216を位置決めするための突起等を設けず、上面部216Uから延長された突出部216Aを、一般入賞口134の隙間部218に合わせて挿入することで、確実に位置決めすることができ、さらに、上面部216Uが一般入賞口134の開口よりも奥側に入り込むことで、見掛け上、入賞し易い感覚を遊技者に抱かせることができる。また、ベース板212の裏面側、縦方向に沿って2個のビス228を用いて、受け部材216を固定しているため、回転方向の強度にも強く、頻繁に落下してくる遊技球PBを受け止めても、その回転方向の角度が変化することがない。
上面部216Uが入賞口内までオーバーラップしているので、段差等の障害が無くスムーズに入賞させることができる。
(球分岐流路ユニット101)
前記羽根部材120が開放し、ノーマルルートに沿って遊技球PBが流動するとき、まず球案内流路105BNに沿って流動し、その後、遊技球PBは、球流路分岐ユニット101へ受け渡される。
球流路分岐ユニット101での遊技球PBは、受入ブロック302の開口部312へ到達し、受入ブロック302の側壁下部から、分岐ブロック304へ送り出される。
遊技球PBは、分岐ブロック304の横路314の傾斜に沿って遊技球PBが縦路316に導かれ落下する。この縦路316の下端に位置する開口部318が第2のストッパ111によって閉塞されている間は、遊技球PBは、開口部318近傍で滞留し、排出されない。
所定の遊技仕様の下で、第2のストッパ111が開口部318から待避すると、滞留していた遊技球PBは、第1のV入賞振分部105Eへ送り出される。
ところで、羽根部材120が開放中にセンター役物105内へ流入する遊技球PBは、1個とは限らず、複数個の遊技球PBが流入する場合がある。その内の、一部又は全部が、ノーマルルートへ案内されると、複数個の遊技球PBが球流路分岐ユニット101を通過することになる。
この場合、本実施の形態では、羽根部材120の開放で流入した遊技球PBの順序を変えることなく、一列縦隊で流動させているため、球流路分岐ユニット101内での球噛みが生じることがない。
ここで、第2のストッパ111によって滞留する遊技球PBは1個に制限され、第1のV入賞振分部105Eへ送り出される遊技球PBの数は、1個である。
すなわち、分岐ブロック304の縦路を落下してくる最初の遊技球PBは、突起部321の傾斜面によって確実に開口部318方向へ案内され、第2のストッパ111によって滞留する。一方、分岐ブロック304の縦路を落下してくる次以降の遊技球PBは、滞留している1個目の遊技球PBの上端、並びに突起部321に案内されて、開口部320へ送られ、排出ブロック306へ受け渡される。この排出ブロック306への遊技球PBの受け渡しも、一列縦隊で実行されるため、球噛み等の問題がない。
なお、第2のストッパ111で滞留している遊技球PB、並びに、この遊技球PBによって排出ブロック306へ送り出される遊技球PBは、全て遊技者から目視可能であり、遊技者が遊技仕様に対して不信感を持つようなことがない。
排出ブロック306の最下流側は検出ブロック308と接続され、排出ブロック306のスロープ324を下った遊技球PBは、検出ブロック308に受け渡され、外れセンサ258により検出された後、回収される。
検出ブロック308には、別方向から合流ブロック310が接続され、この合流ブロック310から来る遊技球PBも外れセンサ258によって検出した後、回収する。すなわち、2方向からの遊技球PB(何れも外れ球)を1個の外れセンサ258によって検出することができる。
本実施の形態では、合流ブロック310は、第1のV入賞振分部105Eの回転体283に対応して設けられた外れゾーン285Dからの遊技球PBを案内しているが、他の部位から外れ球を案内するようにしてもよい。
このように、本実施の形態の球分岐流路ユニット101では、第1のV入賞振分部105Eへ案内するための1個の遊技球PB以外の複数の遊技球PBは、その流れに応じて次々と排出してく。通常、球噛み防止のため、流路途中に比較的広い空間を設ける必要があるが、本実施の形態では、球噛みを解消するような空間を設ける必要がない。この結果、遊技球PBを一列縦隊でしか流動しない構造とすることで、コンパクトな構造とすることができる。また、球分岐流路ユニット101以外の他のルート(例えば、第1のV入賞振分部105Eの回転体283から外れゾーン285Dを介して案内されるルート)から送られる外れ球を、共通の外れセンサ258で検出することができ、センサ数を減らすことができる。