JP2011125120A - ブラシレスモータの駆動装置、及びブラシレスモータのロータ停止位置検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のブラシレスモータの駆動装置では、ブラシレスモータ1のロータ停止位置を検出するために、3相のいずれか2相の巻線を順番に選択し、該選択した巻線に対応する通電パターンにより通電と通電停止とを行う場合に、通電停止の際に巻線に流れている電流を、直流電源4側に流すことなくインバータ3内のスイッチング素子(U+、V+、W+、U−、V−、W−)により還流させる。これにより、通電停止時に、直流電源4とインバータ3との間に挿入されたチョークコイルLに電流を流さないようにし、インバータ3の入力電源電圧の変動を抑制する。
【選択図】図3
Description
他のロータ停止位置の検出方法としては、ロータが動かない程度の短いパルス電流を1つのコイルから他の2つのコイルに同時に流して3相通電を行い、電流をオフしたときに2つのコイルに発生する方形波パルス電圧のパルス幅を検出することでロータ停止位置を判定するものがある(例えば、特許文献2参照)。
通電パターン#1は、U相の巻線(以下、U相という)からV相の巻線(以下、U相という)に電流を流す。U相がN極磁化され、V相がS極磁化される。U、V、W相の配置及びロータ41の停止位置が図示する配置であった場合には、矢印に示すようにU相からロータ41の永久磁石42のS極、N極を順番に通り、V相に向かう磁束が形成される。
通電パターン#2は、U相からW相に電流を流す。U相がN極磁化され、W相がS極磁化される。矢印に示すようにU相からロータ41の永久磁石のS極、N極を順番に通り、W相に向かう磁束が形成される。
通電パターン#3は、V相からW相に電流を流す。V相がN極磁化され、W相がS極磁化される。矢印に示すようにV相からロータ41の永久磁石のS極、N極を順番に通り、W相に向かう磁束が形成される。
通電パターン#4は、V相からU相に電流を流す。V相がN極磁化され、U相がS極磁化される。矢印に示すようにV相からロータ41の永久磁石のS極、N極を順番に通り、U相に向かう磁束が形成される。
通電パターン#5は、W相からU相に電流を流す。W相がN極磁化され、U相がS極磁化される。矢印に示すようにW相からロータ41の永久磁石のS極、N極を順番に通り、U相に向かう磁束が形成される。
通電パターン#6は、W相からV相に電流を流す。W相がN極磁化され、V相がS極磁化される。矢印に示すようにW相からロータ41の永久磁石のS極、N極を順番に通り、V相に向かう磁束が形成される。
ステップ4では通電パターン#4(V→U通電)で通電して、規定電流に到達するまでの通電時間Tcを計測する。ステップ5では通電パターン#5(W→U通電)で通電し、規定電流に到達するまでの通電時間Tcを計測する。ステップ6では通電パターン#6(W→V通電)で通電し、規定電流に到達するまでの通電時間Tcを計測する。そして、規定電流に最も早く到達する通電相(電流の立ち上がり最も早い通電相)を検出することで、ロータ位置を推定する。図に示す例では、ステップ4におけるパターン#4(V→U通電)が相当する。従って、図8に示す例では、ロータ41のS極がV相巻線に対向し、N極がU相巻線に対向している状態と判定される。
図示するように、ブラシレスモータ1は、フライホイールダイオードを有する6個のFETのスイッチング素子(U+、V+、W+、U−、V−、W−)からなるインバータ3により通電される。また、直流電源4の正極側(+)とインバータの電源入力側(P)と結ぶ直流電源線にはチョークコイル(又はリアクトル)Lが挿入される。
図12(A)に示すように、時刻t1において、ある通電パターンにより巻線が通電開始され、相電流が所定の閾値に到達して通電が終了し、スイッチング素子が全相OFFされると、電源電圧(チョークコイルLの端子電圧VL)はチョークコイルLに磁気エネルギーが蓄積されることにより、電圧ΔVだけ上昇することになる。時刻t2における次の通電パターンの通電停止時においても同様である。
従って、図12(B)に示すように、時刻t1からt6において、通電パターン#1から#6による巻線への通電と通電停止とを繰り返すと、電源電圧が次第に上昇する現象が発生する。図に示す例では、電源電圧Vは、通電開始前は10Vであり、最後の通電パターンによる通電停止時には14V程度まで上昇する。
このブラシレスモータの駆動装置では、ブラシレスモータのロータ停止位置を検出するために、複数の通電パターンを用いてブラシレスモータの各巻線への通電と通電停止とを交互に繰り返す場合において、この通電停止の際に巻線に流れていた電流を、直流電源側に流すことなくインバータ内で還流させる。
これにより、ロータ停止位置を検出するために複数の種類の通電パターンを用いてモータ巻線への通電と通電停止とを交互に繰り返す場合において、通電停止の際に巻線に流れていた電流が直流電源側に流れることにより生じるインバータの入力電源電圧の変動を抑制でき、ロータ停止位置の検出精度の向上を図ることができる。
このブラシレスモータの駆動装置では、ブラシレスモータが有する各相の巻線のうちいずれか2相の巻線を順番に選択し、該選択した巻線に対応する通電パターンを用いてモータ巻線への通電と通電停止とを交互に繰り返す場合において、通電停止の際に巻線に流れる電流を直流電源側に流すことなく、インバータ内のスイッチング素子を用いて還流させる。
これにより、通電停止の際に巻線に流れる電流をインバータ内で還流させることにより、巻線により消費させて、次回の通電の際のインバータの入力電源電圧の変動を抑制し、ロータ停止位置の検出精度の向上を図ることができる。
このブラシレスモータの駆動装置では、ロータ停止位置の検出を行うために、ブラシレスモータが有する各相の巻線のうちいずれか2相の巻線を順番に選択し、該選択した巻線に対応する通電パターンにより通電と通電停止を交互に繰り返す場合において、通電停止の際に巻線に流れている電流を直流電源側に流すことなくインバータ内で還流させ、直流電源とインバータとの間に挿入されたチョークコイルに電流を流さないようにする。
これにより、チョークコイルの自己誘導作用により発生する起電力の影響を受けてインバータの入力電源電圧の変動を抑制することができ、インバータの入力電源電圧の変動による巻線電流の立ち上がりの速さの変化をなくし、ロータ停止位置の検出精度の向上を図ることができる。
これにより、ロータ停止位置を検出するために複数の種類の通電パターンを用いてモータ巻線への通電と通電停止とを交互に繰り返す場合において、通電停止の際に巻線に流れていた電流が直流電源側に流れることにより生じるインバータの入力電源電圧の変動を抑制でき、ロータ停止位置の検出精度の向上を図ることができる。
これにより、ロータ停止位置を検出するために複数の種類の通電パターンを用いてモータ巻線への通電と通電停止とを交互に繰り返す場合において、通電停止の際に巻線に流れていた電流が直流電源側に流れることにより生じるインバータの入力電源電圧の変動を抑制し、ロータ停止位置の検出精度の向上を図ることができる。
図1は、本実施形態のブラシレスモータ1の駆動装置2の構成を示す概略ブロック図である。図1に示すように、ブラシレスモータシステムは、ブラシレスモータ1と、ブラシレスモータ1の回転駆動を制御する駆動装置2とを有する。
ブラシレスモータ1は、永久磁石を有するロータとステータを有し、ステータには3相(U、V、W)の巻線(コイル)が周方向に順番に巻装されている。各相の巻線は、一端が共通接続され、他端が駆動装置2に接続された星型結線されている。なお、このブラシレスモータシステムは、ロータ位置を検出するセンサを有しないセンサレスタイプのシステムである。
インバータ3は、フライホイールダイオードを有する6個のFET等のスイッチング素子を直流電源4の正負両端子間に2個ずつブリッジ接続して構成される回路であって、直流電源4から供給された直流電圧を制御装置21から入力されるパルス幅変調信号(駆動信号)に基づく交流電圧に変換し、ブラシレスモータ1の各相に印加する。具体的には、2つのスイッチング素子を直列に接続した直列回路が、ブラシレスモータ1の各相(U、V、W)の巻線に対応して設けられ、直流電源4の正負両端子間に3つ並列に接続されている。また、直列回路におけるスイッチング素子の接続点が対応する巻線の他端に接続されている。
なお、インバータ3とグランドレベルの間には、シャント抵抗3Aが設けられている。シャント抵抗3Aを用いてインバータ3に流れる電流、つまりブラシレスモータ1に入力される電流は、電流検出回路13を用いて検出される。
このロータ停止位置検出部32は、ロータ停止位置を検出するための通電パルス信号を発生する通電パルス生成部33を有し、また、ロータ停止位置を検出する際に使用される停止位置検出用通電パターン34と、この通電パターンによる通電を停止する際に使用されるスイッチング素子(U+、V+、W+、U−、V−、W−)の通電停止時OFFパターン35とが記憶されている。
ロータ位置推定部24は、通電パルス幅検出部23内の記憶部23Aに記憶された各通電パターンごとの通電パルス幅の情報を基に、最小の通電パルス幅を示した通電パターンを判定してロータ停止位置を推定する。
図3は、本実施形態における通電パターン#1及び通電パターン#2により通電を行った後に、高電位側のスイッチング素子(U+、V+、W+)を一括ONにし、低電位側のスイッチング素子(U−、V−、W−)を一括OFFにして通電を停止させる場合の電流の流れるルートを示す図である。
一方、図6(B)に示す本実施形態の場合は、モータ巻線に通電する制御の後にモータ巻線の自己誘導により生じる電流をインバータ3で還流させる制御を行い、放電電流をインバータ3とブラシレスモータ1との間で還流させて各相の巻線で消費させるようにしたので、チョークコイルLにブラシレスモータ1側からの放電電流が流れなくなり、電圧の上昇を抑制するとともに、スイッチング素子をオフにする前の電圧に戻るまでの時間が8msに短縮されている。これにより、通電パターンを切り替える際に電源電圧が安定するまでの待機時間を短縮することができ、ロータ停止位置検出に要する時間を短縮することができる。
これに対して、図6(D)に示す本実施形態の通電では、放電電流をインバータ3とブラシレスモータ1とで還流させるようにしたので、チョークコイルLにブラシレスモータ1側から放電電流が流れなくなり、図6(C)と比較して、電源電圧の変動が大幅に少なくなる。これにより、最短の通電パルス幅となる通電パターンを誤りなく検出することができ、ロータ停止位置の検出精度を向上させることができる。
このとき、ロータ位置推定部24は、時刻t1における通電パターンによる電流値の通電パルス幅が最小であることを判定し、当該通電パターンに対応するロータの停止位置を検出する。
さらには、図3乃至図5に示した例において、一括ONにされる高電位側のスイッチング素子(U+、V+、W+)のうちの、電流が流れないスイッチング素子については、ONであってもOFFであってもよい。例えば、図3(B)に示す例では、一括ONにされる高電位側のスイッチング素子(U+、V+、W+)のうち、高電位側のスイッチング素子V+(フライホイールダイオードには電流が流れる)、W+については、OFFであってもよい。すなわち、電流の流れるルートに応じて(通電パターンに応じて)、高電位側のスイッチング素子(U+、V+、W+)のいずれか1つのスイッチング素子のみを選択してONにするようにしてもよい。
これにより、チョークコイルLの影響によりインバータ3の入力電源電圧が変動することを抑制することができる。このため、インバータ3の入力電源電圧の変動により巻線電流の立ち上がり早さが変化することがなくなり、ロータ停止位置の検出精度の向上が図れる。
Claims (4)
- 高電位側のスイッチング素子及び低電位側のスイッチング素子を直列接続しブラシレスモータの各相の巻線に対応した直列回路を有し、各直列回路の両端が直流電源に接続され、前記高電位側のスイッチング素子と前記低電位側のスイッチング素子との接続点が前記ブラシレスモータの各相の巻線に接続されたインバータと、
予め定められた複数の通電パターンを順次用いて前記インバータの前記高電位側のスイッチング素子及び前記低電位側のスイッチング素子のオンとオフとを切り替えて前記ブラシレスモータの各相の巻線に通電を行う第1の制御と、前記直流電源から前記ブラシレスモータの各相の巻線への通電を停止させる際に前記高電位側のスイッチング素子及び前記低電位側のスイッチング素子のオンとオフとを切り替えて巻線の自己誘導により生じる電流を前記インバータにおいて該巻線に還流させる第2の制御とを交互に行う通電パルス生成部と
前記通電パルス生成部の前記第1の制御により前記ブラシレスモータの各相の巻線に流れる電流を検出して前記ブラシレスモータのロータの位置を検出するロータ位置推定部と
を備えることを特徴とするブラシレスモータの駆動装置。 - 前記通電パルス生成部が、
前記ブラシレスモータのロータ停止位置を検出するために、前記ブラシレスモータの各相のうちのいずれか2相の巻線を順次選択し、該選択した巻線に対応する通電パターンにより前記スイッチング素子のオンとオフとを切り替えて該選択した巻線に通電し、
前記選択した巻線への通電を停止する際に、前記選択した巻線に対応する直列回路の前記高電位側のスイッチング素子及び前記低電位側のスイッチング素子のオンとオフとを切り替えて、前記選択した巻線に流れる電流を還流させる
ことを特徴とする請求項1に記載のブラシレスモータの駆動装置。 - 前記インバータと前記直流電源との間に接続されたチョークコイルが設けられ、
前記高電位側のスイッチング素子と、前記低電位側のスイッチング素子とそれぞれには並列にフライホイールダイオードが接続され、
前記通電パルス生成部が、前記巻線への通電を停止する際に、前記高電位側のスイッチング素子の全てをオンにし、低電位側のスイッチング素子の全てをオフにする、或いは、高電位側のスイッチング素子の全てをオフにし、低電位側のスイッチング素子の全てをオンにする
ことを特徴とする請求項2に記載のブラシレスモータの駆動装置。 - 高電位側のスイッチング素子及び低電位側のスイッチング素子を直列接続しブラシレスモータの各相の巻線に対応した直列回路を有し、各直列回路の両端が直流電源に接続され、前記高電位側のスイッチング素子と前記低電位側のスイッチング素子との接続点が前記ブラシレスモータの各相の巻線に接続されたインバータを備えるブラシレスモータの駆動装置におけるブラシレスモータのロータ停止位置検出方法であって、
予め定められた複数の通電パターンを順次用いて前記インバータの前記高電位側のスイッチング素子及び前記低電位側のスイッチング素子のオンとオフとを切り替えて前記ブラシレスモータの各相の巻線に順次通電を行う第1の制御と、前記直流電源から前記ブラシレスモータの各相の巻線への通電を停止させる際に前記高電位側のスイッチング素子及び前記低電位側のスイッチング素子のオンとオフとを切り替えて巻線の自己誘導により生じる電流を前記インバータにおいて該巻線に還流させる第2の制御を交互に行う通電過程と、
前記通電過程の第1の制御における前記ブラシレスモータの各相の巻線に流れる電流を検出して前記ブラシレスモータのロータの位置を検出するロータ位置推定過程と
を備えることを特徴とするブラシレスモータのロータ停止位置検出方法。
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