JP2011124485A - リアクトル - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルの軸方向の長さが規定でき、コイルをその規定長さに固定できるリアクトルを提供する。
【解決手段】リアクトル1は、巻線2wを巻回してなるコイル2と、コイル2が配置される磁性コア3とを備える。磁性コア3は、コイル2の内側に挿通された内側コア部3iと、コイル2の外周の少なくとも一部を覆う連結コア部3oとの双方で閉磁路が形成される。内側コア部3iは、連結コア部3oよりも飽和磁束密度が高い。連結コア部3oは、内側コア部3iよりも透磁率が低く、かつ磁性材料と樹脂との混合物から構成されている。そして、内側コア部3iと連結コア部3oとは、樹脂により一体化されている。コイル2は、そのコイル2の軸方向の長さを規定するコイル固定部4が取り付けられている。そのコイル固定部4は、コイル2の両端部に当接する端部支持部4aと、各端部支持部4aを連結する連結部4bとを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッド自動車などの車載用DC-DCコンバータといった電力変換装置の構成部品に用いられるリアクトルに関するものである。
従来、磁性コアと、このコアに配置されるコイルとを備えるリアクトルが知られている。リアクトルの構造としては、巻線を巻回してなるコイルと、鉄粉を樹脂に混入したコア材料をコイルの内外に充填・硬化して形成される磁性コアとを備える形態が特許文献1に開示されている。このリアクトルは、開口部を有するアルミケース内にコイルを収容し、このケース内に上記コア材料を注入して硬化させることにより形成されている。巻線の端部はケース上部の開口から引き出される。
特開2008−192649号公報
従来のリアクトルでは、コイルをケース内に配置する過程や、コイルの内外にコア材料を充填・硬化させる過程において、コイルが伸縮することにより、コイル自体の取り扱いが難しく、リアクトルの生産効率の悪化要因となっている。
また、従来のリアクトルは、コイルの内外周をコア材料で覆う構造であり、コア材料の硬化前にコイルの軸方向の長さを規定する部材がないため、そのスプリングバックによるコイルの伸縮を抑制することができない。そのため、コア材料の硬化後にコイルの軸方向の長さにばらつきが生じることがあり、インダクタンスにもばらつきが生じてしまう。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、コイルの軸方向の長さが規定でき、コイルをその規定長さに固定できるリアクトルを提供することにある。
本発明は、コイルの両端部を支持するコイル固定部を取り付けることで上記目的を達成する。
本発明は、巻線を巻回してなるコイルと、このコイルが配置される磁性コアとを備えるリアクトルに関するものである。上記磁性コアは、上記コイルの内側に挿通された内側コア部と、上記コイルの外周の少なくとも一部を覆う連結コア部との双方で閉磁路が形成される。上記内側コア部は、上記連結コア部よりも飽和磁束密度が高い。上記連結コア部は、上記内側コア部よりも透磁率が低く、かつ磁性材料と樹脂との混合物から構成されている。そして、上記内側コア部と上記連結コア部は、上記樹脂により一体化されている。上記コイルは、そのコイルの軸方向の長さを規定するコイル固定部が取り付けられている。そのコイル固定部は、上記コイルの両端部に当接する端部支持部と、上記各端部支持部を連結する連結部とを有する。
本発明リアクトルでは、コイルの両端部に当接する端部支持部でコイルの伸縮を抑制することによって、コイルの取り扱いが容易になり、リアクトルの生産性が向上する。また、リアクトルの製造過程において、スプリングバックによってコイルが自由長に戻る状態を抑制することができるので、連結コア部の樹脂を硬化後、コイルの軸方向の長さのばらつきをなくすことができ、インダクタンスのばらつきもなくすことができる。
本発明のリアクトルは、磁性コアが一様な材料で構成されておらず、異なる材料から構成されていることで、上述のように磁性コアの磁気特性が部分的に異なる。具体的には、内側コア部の飽和磁束密度が連結コア部の飽和磁束密度よりも高い。そのため、磁性コアを一様な材料で構成し、飽和磁束密度や透磁率がその全体に亘って一様な磁性コアと比較して、同じ飽和磁束密度を得る場合、本発明のリアクトルでは、内側コア部の断面積を小さくして、小型化できる。その上、両コア部を一体化することで、磁性コア内に、非磁性材料からなるギャップ材やエアギャップといった、磁束の飽和を低減する目的で設けられる通常のギャップを有さない構成、所謂ギャップレス構造とすることもできる。よって、内側コア部の外周面にコイルの内周面を近付けて配置することができ、コイルと内側コア部との間の隙間を小さくする、好ましくは、この隙間を実質的に無くすことができる。ここで、磁性コアがギャップ材を有する場合、ギャップ箇所にコイルを近付けて配置すると、ギャップからの漏れ磁束による影響がコイルに及んで損失が生じる。従って、ギャップ材を有する磁性コアを利用する場合、上記損失を低減するために、コイルの内周面と内側コア部の外周面との間にある程度の隙間を設ける必要がある。これに対し、ギャップレス構造とした場合、内側コア部の外周面にコイルの内周面を近付けて配置しても上記損失が生じず、コイルと内側コア部とを近付けて配置することで、より小型化できる。
本発明リアクトルは、連結コア部の構成材料を磁性材料と樹脂との混合物とし、この樹脂により内側コア部と連結コア部とを一体化する。また、連結コア部の構成樹脂により、コイルと内側コア部とを一体化することもできる。例えば、コイルと内側コア部との組物の外周を覆うように連結コア部を成形することで、所定の特性を有する磁性コアを形成できると共に、リアクトルを製造することができる。このように、連結コア部の形成、磁性コアの形成、及びリアクトルの製造を同時に行うことができ、生産性にも優れる。
更に、本発明リアクトルは、連結コア部の透磁率が内側コア部の透磁率よりも低いことで、所定のインダクタンスを十分に満たすことができる。特に、連結コア部は、磁性材料と樹脂との比率を調整することで磁気特性を容易に変更することができるため、リアクトルのインダクタンスの調整が容易である。また、連結コア部の構成樹脂により、内側コア部と連結コア部とを一体化することで、接着剤レス構造とすることができる。
本発明の一形態として、上記連結部は、上記コイルのターン間に介在される凸部を有することが挙げられる。
凸部をコイルのターン間に介在させることで、その各ターン間の絶縁を強化することができる。更に、凸部の厚さを均一にすることで、コイルのターン間を均一に保つことができる。また、凸部によってターン間の距離を調整することによって、インダクタンスを所望の値に調整することができる。
本発明の一形態として、上記コイル固定部は上記コイルの外周の少なくとも一部に配置されることが挙げられる。
コイル固定部をコイルの外側から配置する形態であると、コイル固定部の取付作業が容易にできる。また、コイルと連結コア部との間の絶縁を強化することができる。
本発明の一形態として、上記コイル固定部は上記コイルと上記内側コア部との間に配置されることが挙げられる。
コイル固定部をコイルの内側に配置することで、コイルと内側コア部との間の絶縁を強化することができる。また、このコイル固定部は、従来用いられているボビンの役割として用いることができ、コイルに対する内側コア部の位置決めもできる。
本発明リアクトルは、コイルの両端部を支持するコイル固定部を取り付けることで、コイルの軸方向の長さを規定でき、コイルをその規定長さに固定することができる。
図1は、実施形態1のリアクトルの概略を示す斜視図である。 図2は、図1のリアクトルを示し、図2(A)は図1の矢視A-A断面図であり、図2(B)は上面から見た部分切欠図である。 図3は、実施形態2のリアクトルの断面図である。
以下、図面を参照して、実施形態のリアクトルを説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
<実施形態1>
本発明に係るリアクトル1について、図1及び図2に基づいて説明する。このリアクトル1は、巻線2wを巻回してなるコイル2と、このコイル2が配置される磁性コア3とを備える。コイル2は、そのコイル2の軸方向の長さを規定するコイル固定部4が取り付けられている。以下、リアクトル1の各構成をより詳細に説明する。
[コイル]
コイル2は、1本の連続する巻線を螺旋状に巻回してなる角筒状である。巻線2wは、銅やアルミニウムといった導電性材料からなる導体の外周に、絶縁性材料からなる絶縁被覆を備える被覆線が好適である。ここでは、コイル2は、導体が銅製の平角線からなり、絶縁被覆がエナメルからなる被覆平角線をエッジワイズ巻きにして形成されている。導体の断面形状には、矩形状の他、円形状や矩形以外の多角形状などが利用できる。また、コイル2は、角筒状以外に、円筒状のものを利用できる。ここでは、コイルを一つ備える構成としているが、特許文献1に記載されるような二つのコイル素子を並列に備える構成としてもよい。
コイル2を形成する巻線2wの両端部は、ターン部分から適宜引き延ばされて後述する連結コア部3oの外部に引き出され、絶縁被覆が剥がされて露出された導体部分に、銅やアルミニウムなどの導電性材料からなる端子部材(図示せず)が接続される。この端子部材を介して、コイルに電力供給を行う電源などの外部装置(図示せず)が接続される。巻線2wの導体部分と端子部材との接続には、TIG溶接などの溶接の他、圧着などが利用できる。
[磁性コア]
磁性コア3は、上記コイル2の内側に挿通された内側コア部3iと、このコイルの外周の少なくとも一部を覆う連結コア部3oとを備え、その双方で閉磁路が形成される。特に、磁性コア3は、内側コア部3iの構成材料と、連結コア部3oの構成材料とが異なることで、磁気特性が異なる。具体的には、内側コア部3iは連結コア部3oよりも飽和磁束密度が高く、連結コア部3oは内側コア部3iよりも透磁率が低い。
≪内側コア部≫
内側コア部3iは、上記コイル2の内周面の形状に沿った外形を有する。即ち、内側コア部3iは、図1に示すように、端面形状が角を丸めた矩形状(トラック形状)の直方体である。この内側コア部3iは、その全体が圧粉成形体から構成されており、ギャップ材やエアギャップ、接着剤が介在していない。
圧粉成形体は、代表的には、表面に絶縁被膜を具える軟磁性粉末を成形後、上記絶縁被膜の耐熱温度以下で焼成することにより得られる。軟磁性粉末に加えて適宜結合剤を混合した混合粉末を利用したり、上記絶縁被膜としてシリコーン樹脂などからなる被膜を具えた粉末を利用したりすることができる。圧粉成形体の飽和磁束密度は、軟磁性粉末の材質や、上記軟磁性粉末と上記結合剤との混合比、種々の被膜の量などを調整することで変化させることができる。例えば、飽和磁束密度の高い軟磁性粉末を用いたり、結合剤の配合量を低減して軟磁性材料の割合を高めたりすることで、飽和磁束密度が高い圧粉成形体が得られる。その他、成形圧力を高くすることでも飽和磁束密度を高められる傾向にある。所望の飽和磁束密度となるように軟磁性粉末の選択や成形圧力の調整などを行うとよい。
上記軟磁性粉末は、Fe,Co,Niといった鉄族金属粉末の他、Fe-Si,Fe-Ni,Fe-Al,Fe-Co,Fe-Cr,Fe-Si-AlなどのFe基合金粉末、或は希土類金属粉末、フェライト粉末などが利用できる。特に、Fe基合金粉末は、飽和磁束密度が高い圧粉成形体を得易い。このような粉末は、アトマイズ法(ガス又は水)や、機械的粉砕法などにより製造することができる。特に、結晶がナノサイズであるナノ結晶材料からなる粉末、好ましくは異方性ナノ結晶材料からなる粉末を用いると、高異方性で低保磁力の圧粉成形体が得られる。軟磁性粉末に形成される絶縁被膜は、例えば、燐酸化合物、珪素化合物、ジルコニウム化合物又は硼素化合物などが挙げられる。結合剤は、例えば、熱可塑性樹脂、非熱可塑性樹脂、又は高級脂肪酸が挙げられる。この結合剤は、上記焼成により消失したり、シリカなどの絶縁物に変化したりする。圧粉成形体は、絶縁被膜などの絶縁物が存在することで、軟磁性粉末同士が絶縁されて、渦電流損失を低減することができ、コイルに高周波の電力が通電される場合であっても、上記損失を少なくすることができる。圧粉成形体は、公知のものを利用してもよい。
図1に示すリアクトル1では、内側コア部3iにおけるコイル2の軸方向の長さがコイル2のその長さよりも若干長く、内側コア部3iの両端面がコイルの端面から突出している。内側コア部3iの長さは、コイル2の長さに等しくてもよいし、若干短くてもよい。内側コア部3iの長さがコイル2の長さと同等以上であることで、コイル2がつくる磁束を内側コア部3iに十分に通過させることができる。
≪連結コア部≫
連結コア部3oは、その全体が磁性材料と樹脂との混合物(成形硬化体)により形成されており、磁性コア3が閉磁路となるように上記内側コア部3iに連結される。図1に示す連結コア部3oは、コイル2と、コイル2内に挿通された内側コア部3iとの組物の外周を実質的に全て覆うように形成されている。即ち、連結コア部3oは、コイル2の外周全体、コイル2の両端面及び内側コア部3iの両端面を覆う。このような連結コア部3oと内側コア部3iとにより、磁性コア3は、環状の閉磁路を形成することができる。この連結コア部3oと内側コア部3iとは接着剤を介在することなく、連結コア部3oの構成樹脂により接合されている。従って、磁性コア3は、その全体に亘ってギャップを介することなく一体化された一体物である。
連結コア部3oの形状は、磁性コア3が閉磁路を形成することができれば特に問わない。例えば、内側コア部3iの長さがコイル2の長さよりも長く、内側コア部3iの少なくとも一方の端面が連結コア部3oから露出され、当該端面と連結コア部3oの表面とで磁性コア3の外形をつくる形態としてもよい。或いは、コイル2の外周の少なくとも一部が連結コア部3oにより覆われず露出された形態としてもよい。
そして、磁性材料と樹脂との混合物(成形硬化体)は、代表的には、射出成形、注型成形により形成することができる。射出成形は、通常、軟磁性粉末(必要に応じて更に非磁性粉末を加えた混合粉末)と流動性のあるバインダ樹脂とを混合し、この混合流体を、所定の圧力をかけて成形型に流し込んで成形した後、バインダ樹脂を硬化させる。注型成形は、射出成形と同様の混合流体を得た後、この混合流体を、圧力をかけることなく成形型に注入して成形・硬化させる。いずれの成形手法も、バインダ樹脂には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂が好適に利用できる。バインダ樹脂に熱硬化性樹脂を用いた場合、成形体を加熱して樹脂を熱硬化させる。バインダ樹脂に常温硬化性樹脂或は低温硬化性樹脂を用いてもよく、この場合、成形体を常温〜比較的低温に放置して樹脂を硬化させる。成形硬化体は、非磁性材料であるバインダ樹脂が多く残存するため、圧粉成形体と同じ軟磁性粉末を用いたとしても、圧粉成形体よりも飽和磁束密度が低く、かつ透磁率も低くなる。
上記射出成形や注型成形を利用する場合も、軟磁性粉末(或いは非磁性粉末)とバインダ樹脂との配合を変えることで、連結コア部3oの透磁率を調整することができる。例えば、軟磁性粉末の配合量を減らすと、透磁率は小さくなる傾向にある。リアクトル1が所望のインダクタンスを有するように、連結コア部3oの透磁率を調整するとよい。
連結コア部3oに利用する軟磁性粉末は、上述した内側コア部3iに利用する軟磁性粉末と同様のものを利用することができる。
[コイル固定部]
コイル固定部4は、コイル2の両端部に当接する一対の端部支持部4aと、各端部支持部4aを連結する連結部4bとを有する長方形板状である。本例では、各端部支持部4aは台形板状であり、連結部4bは矩形板状でその一面に並列して複数の突条(凸部)を有している。コイル固定部4の外形は長方形の他、平行四辺形、多角形などの種々の外形が採用できる。
≪端部支持部≫
各端部支持部4aは、コイル2の各端部にそれぞれ当接し、コイル2の軸方向の長さを規定して、コイル2の伸縮を抑制するための部材である。コイル2の自由長が所望のコイル長よりも長い場合、コイル2を両端から圧縮し、そのコイル2の軸方向の長さを自由長よりも短く規定して固定する。本例では、図1に示すように、コイル2の上面側と下面側において、台形板状の端部支持部4aがコイル2の周方向に沿ってコイル2の両端部に配置され、コイル2を両端から圧縮して固定している。
端部支持部4aの形状は、コイル2の伸縮を抑制することができれば特に問わない。端部支持部4aの外形は台形の他、長方形、矩形以外の多角形などの種々の外形が採用できる。本例では、端部支持部4aを外形が台形状の部材とし、後述する連結部4bと組み合せてコイル固定部4が長方形状となるようにしている。
端部支持部4aの材質は、熱伝導性が高く、絶縁性の高いものを利用することが好ましい。具体的には、エポキシ樹脂やポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂などが利用できる。また、耐熱性や剛性などが高い非磁性材料であるアルミナなどのセラミックスも利用が期待できる。
≪連結部≫
連結部4bは、上記各端部支持部4aを連結するための部材である。図1に示すように、連結部4bは、コイル2の各ターン間に介在される突条(凸部)を備えている。この凸部の断面の形状は矩形で、その厚さを均一にすることで、各ターン間を均一に保っている。
連結部4bは、上記各端部支持部4aを連結することができれば、コイル2の周方向に沿った長さは、各端部支持部4aのその長さに合わせる必要はない。例えば、連結部4bのコイル2の周方向に沿った長さは、各端部支持部4aの長辺方向に沿った長さの中心部分のみに連結される程度の長さでもよい。しかし、図1に示すように、連結部4bと端部支持部4aとにおいてコイルの周方向に沿った長さが同じであると、コイル2に確実に取り付けられる。
連結部4bの凸部の断面の形状は、各ターン間を保つことができれば、矩形の他、円形、楕円形、多角形など種々の外形が採用できる。
連結部4bは、各端部支持部4aを連結する機能を有していれば、凸部が無い平板や棒状体であっても構わない。
連結部4bの材質は、熱伝導性が高く、絶縁性の高いものを利用することが好ましい。具体的には、エポキシ樹脂やポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂などが利用できる。このような絶縁性材料で構成することで、連結部4bによって、コイル2の外周面と連結コア部3oとの絶縁性を高めることができ、ターン間に凸部が介在されることで、各ターン間の絶縁性を高められる。連結部4bは、端部支持部4aの材質と異なる材質で別個に成形後、接着などで一体化しても構わないが、端部支持部4aと同じ材質で一体化された一体物として成形すれば、コイル固定部4の成形が容易になる。一方、コイル2の両端部を強固に固定するために、端部支持部4aを連結部4bよりも高強度の材質で成形することも可能である。
コイル2は、巻線2wを螺旋状に巻回して形成されているため、図2(A)に示すように、上面側のコイル固定部4と下面側のコイル固定部4とは、巻線2wの巻回ピッチに応じて配置される。本例では、上面左側の端部支持部4aは、下面左側の端部支持部4aに対してコイルの軸方向に沿って1ピッチ分右側にずれて配置される。それに伴い、上面側の連結部4bの凸部は、下面側の連結部4bの凸部に対してコイルの軸方向に沿って1ピッチ分右側にずれて配置される。本例では、コイル2を構成するターンの上面側が図2(B)に示すように傾斜しており、このターンの形状に沿って、連結部4bの凸部を傾斜させることで、コイル2を固定している。また、連結部4bの並列された複数の凸部により形成された溝にそれぞれ各ターンを嵌め込むことでコイル2が固定される。
このコイル固定部4は、コイル2の上面側、下面側以外にも側面側にも設置することができる。更に、コイル2の全周を覆うようにコイル固定部4を設置すると、固定する面積が大きくなり、コイル2を強固に固定でき、コイル固定部4が脱落し難く運搬なども容易である。コイル2の全周を覆うようにコイル固定部4を設置する場合は、コイル固定部4を複数に分割して成形し、その分割片を組み合わせて筒状に形成できる構成が好ましい。
[その他の構成要素]
コイル2と磁性コア3との間の絶縁性は、コイル2を構成する巻線2wの絶縁被覆により確保することができる。その絶縁性をより高めるために、コイル2において磁性コア3に接触する箇所に、絶縁物を介在させてもよい。例えば、内側コア部3iの外周に絶縁性材料からなる筒状のボビン(図示せず)を配置してもよい。特に、内側コア部3iの外周に配置するボビンは、その両端から外周方向に延びる環状のフランジ部を具えるボビンとすると、コイル2の端面と連結コア部3oとの間の絶縁性を高められる。ボビンの構成材料には、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂などの絶縁性樹脂が好適に利用できる。
[リアクトルの製造方法]
本発明のリアクトル1は、例えば、以下のようにして製造することができる。まず、巻線2wを巻回してなるコイル2の外周に、コイル固定部4を配置する。コイル2の各ターン間に連結部4bの凸部を介在させ、端部支持部4aによってコイル2の両端部を固定させる。コイル固定部4によって固定されたコイル2内に圧粉成形体からなる内側コア部3iを挿入する。こうすることで、コイル固定部4によりコイルが伸縮せず、内側コア部3iが挿入し易い。コイル固定部4を配置する前に、内側コア部3iをコイル2内に挿入してもよい。このコイル固定部4によって固定されたコイル2と内側コア部3iとの組物を金型(図示せず)に収納し、巻線2wの端部は、金型の開口から引き出し、必要に応じて金型外部において固定を行う(図示せず)。この金型内に、連結コア部3oを構成する磁性材料とバインダ樹脂との混合流体を適宜流し込んで、所定の形状の連結コア部3oに形成した後、バインダ樹脂を硬化させることで、リアクトル1が得られる。
[効果]
コイル2の両端部を支持するコイル固定部4を取り付けることで、コイル2の伸縮を抑制することができ、コイル2の取り扱いが容易になり、リアクトル1の生産性が向上する。更に、スプリングバックによってコイル2が自由長に戻る状態を抑制することができるので、コア材料を硬化後のコイル2の軸方向の長さのばらつきをなくすことができ、インダクタンスのばらつきもなくすことができる。
また、絶縁性材料により構成されたコイル固定部4を取り付けることで、リアクトル1は、コイル2の外周面と連結コア部3oとの絶縁性を高めることができる。更に、凸部をコイルのターン間に介在させることで、その各ターン間の絶縁性を高めることができる。
<実施形態2>
次に、図3を参照して、実施形態2のリアクトル1を説明する。実施形態2のリアクトル1は、コイル固定部4をコイル2と内側コア部3iとの間に配置する点が、実施形態1と異なる。以下、この相違点を中心に説明し、その他の構成は実施形態1のリアクトル1と同様であるため、説明を省略する。
[リアクトルの製造方法]
実施形態2のリアクトル1は、例えば、以下のようにして製造することができる。まず、コイル2内に内側コア部3iを挿入する前に、コイル2の内側からコイル2の内周の少なくとも一部に、コイル固定部4を配置する。本例では、図3に示すように、コイル2の内周面において上面側と下面側とにそれぞれコイル固定部4を配置する。コイル2の内側からコイル2の各ターン間に連結部4bの凸部を介在させ、端部支持部4aによってコイル2の両端部を固定させる。そのコイル固定部4が配置されたコイル2内に内側コア部3iを挿入する。コイル固定部4をコイル2と内側コア部3iとの間に配置させることにより、別途ボビンなどの絶縁物を配置する必要がない。それ以降の製造方法は、実施形態1における製造方法と同様である。
[効果]
コイル固定部4をコイル2の内側に配置することで、コイル2と内側コア部3iとの間の絶縁を強化することができる。また、コイル固定部4は、ボビンの役割として用いることができ、コイルに対する内側コア部の位置決めもできる。
上述した実施形態は、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であり、本発明の範囲は上述した構成に限定されるものではない。例えば、本例では、コイル2を両端から圧縮してコイル2の軸方向の長さを規定し、コイル2をその規定長さに固定しているが、コイルの自由長が所望のコイル長よりも短い場合、コイルを両端から引っ張り、そのコイルの軸方向の長さを自由長よりも長く規定し、ターン間に凸部を介在させることで、コイルをその規定長さに固定することも可能である。
本発明リアクトルは、ハイブリッド自動車や電気自動車、燃料電池車といった車両に搭載される双方向DC-DCコンバータといった電力変換装置の構成部品に利用することができる。
1 リアクトル
2 コイル 2w 巻線
3 磁性コア 3i 内側コア部 3o 連結コア部
4 コイル固定部 4a 端部支持部 4b 連結部

Claims (4)

  1. 巻線を巻回してなるコイルと、
    前記コイルの内側に挿通された内側コア部と、前記コイルの外周の少なくとも一部を覆う連結コア部との双方で閉磁路が形成される磁性コアとを備えるリアクトルであって、
    前記内側コア部は、前記連結コア部よりも飽和磁束密度が高く、
    前記連結コア部は、前記内側コア部よりも透磁率が低く、かつ磁性材料と樹脂との混合物から構成されており、
    前記内側コア部と前記連結コア部は、前記樹脂により一体化されており、
    前記コイルは、そのコイルの軸方向の長さを規定するコイル固定部が取り付けられ、
    前記コイル固定部は、
    前記コイルの両端部に当接する端部支持部と、
    前記各端部支持部を連結する連結部とを有することを特徴とするリアクトル。
  2. 前記連結部は、前記コイルのターン間に介在される凸部を有することを特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記コイル固定部は前記コイルの外周の少なくとも一部に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載のリアクトル。
  4. 前記コイル固定部は前記コイルと前記内側コア部との間に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載のリアクトル。
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