JP2011123666A - 光電式煙感知器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ゼロ検出値VNとゼロ検出値VNの初期値である初期ゼロ検出値を格納する記憶部6と、検出手段(ラビリンス内壁1、発光素子2、受光素子3)から出力される検出AD値の移動平均値を算出する移動平均値算出部51と、検出手段の感度が初期状態より低下している場合であって、ゼロ検出値VNに対する移動平均値の変化の割合が所定値を超えているときには、初期ゼロ検出値VN0を補正倍率Pで除算して新たなゼロ検出値VNを算出するゼロ検出値更新部52と、検出値と更新されたゼロ検出値VNとの差分に、補正倍率Pを乗算して検出値を補正する検出AD値補正部53と、補正された検出値を初期変換式に従って煙濃度データに変換する煙濃度演算部54を備えた。
【選択図】図1
Description
このような光電式煙感知器は、ラビリンス内の汚損等によって検出手段である受光素子の検出値が経年変化する。この経年変化が生じた場合であってもより正確に煙濃度を検知すべく、感度補正を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この感度補正方法によれば、煙感知器の受光量と煙濃度間の変換特性(変換式)は、初期の変換式を平行移動した変換式に補正される。そして、この補正された変換式に従って、受光素子が受光した受光量が煙濃度に対応するアナログ値に変換される。
したがって、汚損後は、変換式を、受光量の検知レベルを上昇させる方向に平行移動するよう補正することで、汚損の状態に即した変換式を得ることができる。
すなわち、従来技術のように、汚損前の変換式を平行移動して得た変換式では、発光素子と受光素子の汚損の状態に即した補正を行うことができなかった。
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る光電式煙感知器100を概略的に示す機能ブロック図である。
光電式煙感知器100は、その内部に検煙空間を形成するラビリンス内壁1と、発光素子2と、受光素子3と、A/D変換器4と、MPU5と、記憶部6と、伝送回路7とを備える。
なお、本実施の形態において、本発明の検出手段は、ラビリンス内壁1、発光素子2、及び受光素子3に相当する。
移動平均値算出部51は、A/D変換器から出力された受光素子3の検出値の移動平均値を算出する。
ゼロ検出値更新部52は、ラビリンス内壁1、発光素子2、受光素子3の汚損度合いに応じて、煙濃度がゼロのときの受光素子3の検出値であるゼロ検出値の補正を行う。
検出AD値補正部53は、ラビリンス内壁1、発光素子2、受光素子3の汚損度合いに応じて、検出AD値の補正を行う。
煙濃度演算部54は、記憶部6に格納された初期変換式(後述する)に従って、補正後の検出AD値を、煙濃度に対応するアナログ値(以下、煙濃度データと称する場合がある)に変換する。
煙濃度補正量算出部55は、所定の検出AD値の補正量を、煙濃度データの補正量に変換する。
補正基準情報格納部61には、初期変換式、初期ゼロ検出値VN0、上昇補正ステップ幅、低下補正ステップ係数、上昇補正時の1ステップ当たりの煙濃度補正量、及び低下補正時の1ステップ当たりの煙濃度補正量が、予め格納される。
補正情報格納部62は、書き換え可能な領域であり、上昇補正ステップ数、低下補正ステップ数、ゼロ検出値VN、煙濃度補正量が格納される。
なお、補正基準情報格納部61及び補正情報格納部62に格納される各情報については、後述する。
図2は、実施の形態に係る光電式煙感知器100の動作を示すメインフローチャートである。
まず、受光素子3が検出した検出AD値のサンプリング処理を行う(S1)。
次に、煙濃度算出メイン処理を行う(S2)。詳細は後述するが、この処理では、検出AD値を、ラビリンス内壁1、発光素子2並びに受光素子3の汚損状態に応じて補正し、煙濃度を示すアナログ値に変換する。
そして、受信機200から煙濃度出力命令を受信した場合には(S3)、受信機200に対して煙濃度データを送信し(S4)、煙濃度出力命令を受信していない場合には、ステップS5へ進む。
次に、受信機200から、煙濃度補正量算出部55によって算出された煙濃度データの補正量(以下、感度補正量とも称する)を出力すべき命令である、感度補正量出力命令を受信した場合には(S5)、受信機200に対して感度補正量を送信し(S6)、感度補正量出力命令を受信していない場合には、ステップS1へと戻る。
光電式煙感知器100は、このような一連の処理を繰り返し行う。
ここで、ラビリンス内壁1の汚損及び発光素子2並びに受光素子3の汚損と、検出AD値との関係について説明する。
図3(A)は、検出AD値から煙濃度データへの変換式を一次関数で近似した説明図である。図3(A)では、汚損が生じていない初期状態の変換式(以下、初期変換式と称する)を実線で示している。また、ラビリンス内壁1に汚損が生じた状態の検出AD値と煙濃度データとの関係を示す特性関数を一点鎖線で、発光素子2もしくは受光素子3に汚損が生じた状態の検出AD値と煙濃度データとの関係を示す特性関数を破線で示している。
ラビリンス内壁1の汚損の増加に伴い、発光素子の照射光の反射量(ノイズレベル)が一定量だけ増加するため、検出AD値は全体的に上昇する。このため、図3の一点鎖線で示すように、検出AD値と煙濃度データとの関係を示す特性関数は、初期変換式よりも上昇方向にシフト(平行移動)する。また、煙濃度がゼロのときの検出AD値(ゼロ検出値VN)は、汚損度合いに応じて上昇方向に一定量だけシフトする。
発光素子2もしくは受光素子3が汚損されると、汚損の増加に伴い、光の透過量が一定の割合で減少する。このため、図3(A)に破線で示すように、検出AD値と煙濃度データとの関係を示す特性関数は、初期変換式よりも直線の傾きが低下する。また、ゼロ検出値VNは、汚損度合いに応じて初期ゼロ検出値VN0よりも減少する。
ここで、図3を参照して、本実施の形態の感度低下時の検出AD値の補正概念を説明する。図3(B)は、感度低下時の検出AD値の補正の概念を説明する図である。
例えば、受光素子3の感度が低下して図3(B)に破線で示すような感度特性の状態にあるものとする。このときのゼロ検出値VNを、初期ゼロ検出値VN0の1/Xn(但し、x>1)倍と表現すると、あるタイミングで検出された検出AD値をXn倍することで、初期変換式上の値に換算することができる。本実施の形態では、このような概念で検出AD値を初期変換式上の値に補正する。なお、詳細は後述する図13にて説明する。
次に、図1で示した補正基準情報格納部61及び補正情報格納部62に格納される情報を、図3を参照して説明する。
初期変換式は、検出AD値を煙濃度データに変換する際に用いる変換式であり、図3(A)では実線で示している。
初期ゼロ検出値VN0は、煙濃度がゼロのときのアナログ値に対応する検出AD値である、ゼロ検出値の初期値である。この初期ゼロ検出値VN0は、初期変換式上にある。
上昇補正ステップ幅は、感度が上昇した際の検出AD値の補正において、補正を段階的に行う際の1段階当たりの補正量である。上昇補正ステップ幅は、図3(A)に一点鎖線で示す変換式それぞれの、Y軸方向における差分ΔADであるといえる。
低下補正ステップ係数は、感度が低下した際の検出AD値の補正において、補正を段階的に行う際の1段階当たりの補正係数であり、本発明の基本補正係数に相当する。図3(A)に破線で示す変換式は、初期変換式に対して、低下補正ステップ係数を所定回数累乗した値で除算することによって得られる。この低下補正ステップ係数は、図3(B)ではXで表されている。
上昇補正時の1ステップ当たりの煙濃度補正量ΔS1は、感度が上昇した際の検出AD値の1ステップ当たりの補正量を、煙濃度データの補正量(変化量)に変換したものである。上昇補正ステップ幅は固定値であるため、上昇補正時の1ステップ当たりの煙濃度補正量も固定値となる。そのため、図3(A)に示すように、所定の検出AD値(基準検出AD値)を1ステップ分だけ補正したときの補正量に対応する、上昇補正時の1ステップ当たりの煙濃度補正量も固定値となる。
低下補正時の1ステップ当たりの煙濃度補正量ΔS2は、感度が低下した際の検出AD値の1ステップ当たりの補正量を、煙濃度データの補正量(変化量)に換算したものである。感度低下時の特性関数はそれぞれ傾きが異なるため、検出AD値を1ステップ分だけ補正したときの補正量に対応する煙濃度データの変化量は特性関数ごとに異なるが、これらの変化量がそれぞれ近似する値を低下補正時の1ステップ当たりの煙濃度補正量とする。言い換えると、図3(A)に示される所定の検出AD値を1ステップ分だけ補正したときの補正量に対応する、低下補正時の1ステップ当たりの煙濃度の変化量がほぼ同じ値となるように、低下補正ステップ係数を設定する。さらに、本実施の形態では、上昇補正時の1ステップ当たりの煙濃度補正量ΔS1と低下補正時の1ステップ当たりの煙濃度補正量ΔS2とがほぼ同じ値となるように、上昇補正ステップ幅の数値に合わせて低下ステップ補正係数を設定している。
低下補正ステップ数は、感度が低下したときに段階的に行う補正の、現在のステップ数である。図3(B)では、Nで表される。
ゼロ検出値VNは、現在のゼロ検出値であり、図3(A)においては各変換式とY軸との交点で表される。
煙濃度補正量は、感度上昇側あるいは感度低下側における所定の検出AD値の補正量を、煙濃度に対応するアナログ値の補正量に変換したものである。
なお、前述した図2のステップS6において、受信機200に対して送信する感度補正量は、現在の補正ステップ数(上昇補正時および低下補正時)に対応した煙濃度補正量である。受信機200は、上昇補正時および低下補正時の1ステップ当たりの煙濃度補正量の変化量が同じであるため、感度補正度合い(光電式煙感知器100の汚損度合い)を的確にユーザに伝えることができる。
ここで、受信機200に対して送信する感度補正量は、上昇補正時の感度補正量であるか、あるいは低下補正時の感度補正量であるかを、受信機200が区別できる形態となっている。そのため、感度補正度合い(光電式煙感知器100の汚損度合い)が感度上昇側あるいは感度低下側であるかを、的確にユーザに伝えることができる。
図4は、図2のステップS2で示した煙濃度算出処理を説明するフローチャートである。この煙濃度算出処理では、A/D変換器4で変換された受光素子3の検出AD値を、ラビリンス内壁1及び発光素子2もしくは受光素子3の汚損の状態に応じて補正し、煙濃度に対応するアナログ値を算出する。
まず、検出値の移動平均値A(x)を算出する。具体的には、例えば、サンプリングした過去N回分の検出AD値の合計値をサンプリング数Nで除算し、これと同様の処理をM回繰り返して得た値の合計値をMで除算することによって算出することができる。なお、移動平均の算出方法については特に限定するものではないが、上記したような算出処理を繰り返して例えば24時間の移動平均を算出することができる。
続けて、補正情報更新のタイミングであるか否か判断する。後述するように本実施の形態に係る光電式煙感知器100は検出AD値の補正を行うわけだが、補正を行うときの補正量などの補正情報は、補正を行う度に更新するのではなく、予め設定された所定タイミングで更新する。すなわち、所定の期間内は、同じ補正情報に基づいて検出AD値の補正を行う。これは、ラビリンス内壁1、受光素子3、発光素子2の汚損は一般には徐々に進行するものであるため、補正情報を毎回変更する必要性に乏しいからであり、このようにすることでMPU5の処理負担を軽減することができる。
補正情報の更新タイミングである場合には、補正情報更新処理を行う。
(S24)
続けて、前回更新された補正情報に基づいて、検出AD値の補正処理、及び検出AD値を煙濃度に対応するアナログ値に変換する処理を行う。
まず、上昇補正実施中か否かを判断する。具体的には、記憶部6に格納された上昇補正ステップ数の値が0より大きいか否か判断し、大きい場合、すなわち上昇補正実施中の場合にはステップS233へ進む。上昇補正実施中でない場合には、ステップS232に進む。
低下補正実施中か否かを判断する。具体的には、記憶部6に格納された低下補正ステップ数の値が0より大きいか否か判断し、大きい場合、すなわち低下補正実施中の場合はステップS234へ進む。低下補正実施中でない場合には、ステップS235に進む。
検出AD値の移動平均値A(x)に応じた、補正ステップ数の更新処理を行う。補正ステップ数更新処理は、上昇補正中、低下補正中、補正未実施中のいずれの状態にあるかによって処理が異なる。以下、順に説明する。
図6は、図5のステップS233に示した上昇補正中における補正ステップ数更新処理を説明するフローチャート、図7は、同じく補正ステップ数更新処理を説明する図である。
Kの値が0以上であって、かつ、Kの値が上昇補正ステップ幅未満である場合(図7のケース2参照)には、上昇補正ステップ数を変更せず、そのまま処理を終了する。ここでは、移動平均値A(x)と現在のゼロ検出値VNとの差が上昇補正ステップ幅未満であるため、図3で説明した煙濃度に対する検出AD値の変化傾向にほとんど変化がないといえるので、現状通りの上昇補正ステップ数としている。
このように、算出した移動平均値A(x)の値に応じて、上昇補正ステップ数を算出する。
図8は、図5のステップS234に示した低下補正中における補正ステップ数更新処理を説明するフローチャート、図9は、同じく補正ステップ数更新処理を説明する図である。
K2の値が低下補正ステップ係数未満である場合には(図9のケース2参照)、そのまま処理を終了する。ここでは、現在のゼロ検出値VNに対する移動平均値A(x)の変化量が、低下補正ステップ係数よりも小さかったため、図3で説明した煙濃度に対する検出AD値の変化傾向にほとんど変化がないといえるので、現状通りの低下補正ステップ数としている。
このように、算出した移動平均値A(x)の値に応じて、低下補正ステップ数を算出している。
図10は、図5のステップS235に示した補正未実施中における補正ステップ数更新処理を説明するフローチャート、図11は、同じく補正ステップ数更新処理を説明する図である。
そして、初期ゼロ検出値VN0が移動平均値A(x)未満の場合には、両者の差分が予め記憶部6に格納された上昇補正ステップ幅以上か否か判定し(S2352)、Yesの場合は(図11のケース1参照)、上昇補正ステップ数をインクリメント(例えば、+1)する(S2353)。Noの場合は(図11のケース2参照)、上昇補正ステップ数を変更せず、そのまま処理を終了する。
また、初期ゼロ検出値VN0が移動平均値A(x)より大きい場合には、初期ゼロ検出値VN0を移動平均値A(x)で割った値が、予め記憶部6に格納された低下補正ステップ係数以上か否か判定する(S2354)。そして、Yesの場合は(図11のケース4参照)、低下補正ステップ数をインクリメント(例えば、+1)する(S2355)。Noの場合は(図11のケース3参照)、低下補正ステップ数を変更せず、そのまま処理を終了する。
また、初期ゼロ検出値VN0と移動平均値A(x)が等しい場合には、上昇補正ステップ数と低下補正ステップ数のいずれも変更せず、そのまま処理を終了する。
このように、移動平均値A(x)と初期ゼロ検出値VN0との関係に基づいて、上昇方向あるいは低下方向に補正すべく、上昇補正ステップ数や低下補正ステップ数を算出している。
(S2361)
まず、記憶部6に格納された上昇補正ステップ数が0であるか否か判定する。
(S2362)
上昇補正ステップ数が0でない場合、すなわち、上昇補正中である場合には、ゼロ検出値VNは、記憶部6に格納された上昇補正ステップ幅と上昇補正ステップ数とを乗算した値に初期ゼロ検出値VN0を加算した値とする。
(S2363)
上昇補正ステップ数が0である場合、低下補正ステップ数が0であるか否か判定する。
(S2364、S2365)
低下補正ステップ数が0でない場合、すなわち、低下補正中である場合には、低下補正ステップ係数を、低下補正ステップ数の数だけ掛け合わせ、補正倍率Pを求める(S2364)。なお、この補正倍率Pは、本発明の所定の補正係数に相当する。
そして、初期ゼロ検出値VN0を補正倍率Pで除算することにより、ゼロ検出値VNを算出する(S2365)。
(S2366)
上昇補正ステップ数及び低下補正ステップ数が0の場合、すなわち、上昇補正も低下補正も行っていない場合には、ゼロ検出値VNは、初期ゼロ検出値VN0とする。
次に、図4のステップS24に示す補正及び煙濃度算出処理の詳細を説明する。この補正及び煙濃度算出処理は、ステップS23で更新した補正情報に基づいて、検出AD値を補正し、補正後の検出AD値に基づいて、煙濃度に対応するアナログ値を算出する処理である。なお、記憶部6には、前述した補正情報更新処理において更新された、現在の上昇補正ステップ数又は低下補正ステップ数、及びゼロ検出値VNが格納された状態である。
(S241)
記憶部6に格納された上昇補正ステップ数が0であるか否か判定し、0でない場合にはステップS243へ、0である場合にはステップS242へ進む。
(S242)
記憶部6に格納された低下補正ステップ数が0であるか否か判定し、0でない場合にはステップS246へ、0である場合にはステップS250へ進む。
ここで説明する一連の処理は、上昇補正ステップ数が0でない場合、すなわち、上昇補正中である場合の処理である。
まず、検出AD値とゼロ検出値VNとの差分を求め、これを差分AD値とする(S243)。そして、予め記憶部6に格納された初期変換式に基づいて、差分AD値を煙濃度に対応するアナログ値に変換する(S244)。すなわち、ラビリンス内壁1が汚損してゼロ検出値VNが上昇方向に変動した場合の検出AD値を、ゼロ検出値VNとの差分を取ることによって補正し、その値を、初期変換式に基づいて煙濃度に対応するアナログ値に変換している。
続けて、上昇補正時の1ステップ当たりの煙濃度補正量と上昇補正ステップ数とを乗算して、煙濃度補正量を算出する(S245)。
ここで説明する一連の処理は、上昇補正ステップ数が0であって低下補正ステップ数が0でない場合、すなわち、低下補正中である場合の処理である。
まず、検出AD値とゼロ検出値VNとの差分を求め、これを差分AD値とする(S246)。そして、差分AD値と補正倍率P(図12のステップS2364参照)とを乗算する(S247)。続けて、予め記憶部6に格納された初期変換式に基づいて、差分AD値と補正倍率Pとを乗算した値を、煙濃度に対応するアナログ値に変換する(S248)。すなわち、受光素子3又は発光素子2が汚損してゼロ検出値VNが低下方向に変動した場合の検出AD値を補正し、その値を、初期変換式に基づいて煙濃度に対応するアナログ値に変換している。
続けて、低下補正時の1ステップ当たりの煙濃度補正量と低下補正ステップ数を乗算して、煙濃度補正量を算出する(S249)。
ここで説明する一連の処理は、上昇補正ステップ数及び低下補正ステップ数が0の場合、すなわち、上昇補正も低下補正も行っていない場合の処理である。
まず、検出AD値と初期ゼロ検出値VN0の差分を求め、これを差分AD値とする(S250)。そして、予め記憶部6に格納された初期変換式に基づいて、差分AD値を煙濃度に対応するアナログ値に変換する(S251)。また、煙濃度補正量は初期値(例えば、0)にする(S252)。
また、この煙濃度補正量は、現在の光電式煙感知器100の汚損度合いを表すものであるともいえる。したがって、煙濃度補正量を受信機200に送信し、受信機200にてこの煙濃度補正量を所定の表示単位に換算して表示すれば、光電式煙感知器100の汚損度合いを的確にユーザに伝えることができる。
ここで、本実施の形態では、上昇補正時の1ステップ当たりの煙濃度補正量と低下補正時の1ステップ当たりの煙濃度補正量とがほぼ等しい値となるように、上昇補正ステップ幅の数値に合わせて低下ステップ補正係数を設定した。このため、受信機200は、上昇補正時および低下補正時の1ステップ当たりの煙濃度補正量の変化量が同じであるため、感度補正度合い(光電式煙感知器100の汚損度合い)を的確にユーザに伝えることができる。このとき、補正基準情報格納部61において、上昇補正時の1ステップ当たりの煙濃度補正量および低下補正時の1ステップ当たりの煙濃度補正量の両方を格納する必要がなくなる。
さらに、受信機200に対して送信する感度補正量は、上昇補正時の感度補正量であるか、あるいは低下補正時の感度補正量であるかを、受信機200が区別できる形態である。そのため、感度補正度合い(光電式煙感知器100の汚損度合い)が感度上昇側あるいは感度低下側であるかを、的確にユーザに伝えることができる。
Claims (4)
- 検煙空間内に収納された発光素子及び受光素子を有し、前記発光素子の発光により生じる煙の散乱光を受光した前記受光素子の検出値を出力する検出手段と、
前記検出手段が出力する検出値を変換式に従って煙濃度データに変換する煙濃度演算部と、を備えた光電式煙感知器において、
煙濃度がゼロのときの前記受光素子の検出値であるゼロ検出値を格納するゼロ検出値記憶部と、
前記ゼロ検出値の初期値である初期ゼロ検出値を格納する初期ゼロ検出値記憶部と、
前記検出手段から出力される前記検出値の移動平均値を算出する移動平均値算出部と、
前記検出手段の感度が初期状態より低下している場合であって、前記ゼロ検出値に対する前記移動平均値の変化の割合が所定値を超えているときには、前記初期ゼロ検出値を所定の補正係数で除算して新たなゼロ検出値を算出するゼロ検出値更新部と、
前記検出値と前記ゼロ検出値更新部により更新されたゼロ検出値との差分に、前記所定の補正係数を乗算して前記検出値を補正する検出値補正部と、を備え、
前記煙濃度演算部は、前記検出値補正部により補正された前記検出値を、前記変換式に従って煙濃度データに変換する
ことを特徴とする光電式煙感知器。 - 前記補正係数は、一定の値である基本補正係数をN乗して算出される値であり、
前記Nは、前記ゼロ検出値更新部が前記新たなゼロ検出値を前回算出した際の値に1を加算した値である
ことを特徴とする請求項1記載の光電式煙感知器。 - 前記基本補正係数は、
前記Nの値を1ずつ増加させて算出される前記補正係数を用いて所定の検出値を繰り返して補正した場合、補正後のそれぞれの所定の検出値に対応する前記煙濃度データの変化量がほぼ一定となるように設定されている
ことを特徴とする請求項2記載の光電式煙感知器。 - 前記検出手段の感度が初期状態より上昇している場合であって、前記ゼロ検出値と前記移動平均値との差分が所定量を超えているときには、
前記ゼロ検出値更新部は、前記初期ゼロ検出値に所定の補正値を加算して新たなゼロ検出値を算出し、
前記検出値補正部は、前記検出値から前記ゼロ検出値更新部により更新されたゼロ検出値を減算することにより前記検出値を補正する
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか記載の光電式煙感知器。
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