JP2018194484A - 距離測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】精度のよい補正を行うことができる距離測定装置を提供する。【解決手段】複数のレジスタに蓄積された電荷の比率に基づいて、物体までの距離を算出する距離算出部(S11)と、距離が既知の基準物体からの反射光を蓄積する複数のレジスタである複数の補正用レジスタに蓄積された電荷比率に基づいて、距離算出部が算出した距離を補正する補正値を決定する補正部(S7、S8、S9、S10)と、複数の補正用レジスタに蓄積された電荷の総量が、複数の補正用レジスタが基準物体からの反射光を蓄積する電荷の総量に基づいて定められた許容範囲内にある画素を補正用画素に決定する補正用画素決定部(S5、S6)とを備え、補正部は、補正用画素を用いて算出した電荷比率に基づいて、補正値を決定する。【選択図】図10

Description

本発明は、光の投受光を用いた距離測定装置に関する。
特許文献1には、レーザ光を装置外部に投光して、反射光を一つのフォトダイオードにより受光する装置が開示されている。また、特許文献1に開示されている装置は、回転ミラーを備えており、回転ミラーが回転することにより、逐次、反射光をフォトダイオードに導く水平方向の角度を変化させる。
加えて、水平方向の一部に物体検出をしない非検出角度領域があることを利用し、非検出角度領域に光路長が既知となる内部物体を配置して、その内部物体にレーザ光が照射されたときの受光時間に基づいて、距離を補正する補正データを算出する。補正データを算出する理由は、温度の影響により、回路内における信号伝達に遅延が生じるからである。
特開2010−203820号公報
パルス状に光を発光する光源と、測距イメージセンサとを用いた距離測定装置も知られている。測距イメージセンサを用いる場合には、一度に広い範囲から反射光を受光できるので、回転ミラーが不要になる。
測距イメージセンサを用いる距離測定装置は、光源からパルス状に光を発光し、測距イメージセンサが備える複数の画素で反射光を受光する。各画素は、光電変換素子と、複数のレジスタおよびシャッタとを備えており、光電変換素子で光電変換して生じた電荷をレジスタに蓄積する。電荷を蓄積する期間を複数のレジスタで異ならせると、物体までの距離に応じて、各レジスタに蓄積される電荷の比率が変化する。この比率に基づいて物体までの距離を算出する。
測距イメージセンサを用いた距離測定装置は、回転ミラーがないため、上述の非検出角度領域が存在しない。そこで、装置の窓など距離が既知の物体(以下、基準物体)で反射して生じた反射光の受光時間に基づいて温度補正を行うことが考えられる。基準物体で反射して生じた反射光に基づいて算出した距離が、既知の距離と一致するように補正値を算出すればよい。
しかし、特許文献1のように、内部物体に向けてレーザ光を照射する場合と異なり、光の照射方向は装置内部方向ではないので、基準物体とは異なる物体(以下、外乱物体)で反射した反射光も受光される可能性がある。
外乱物体からの反射光が光電変化されて生じた電荷が、基準物体からの反射光が光電変換されて生じた電荷とともに同じレジスタに蓄積されてしまうと、精度のよい補正ができなくなってしまう。
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、精度のよい補正を行うことができる距離測定装置を提供することにある。
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は、発明の更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、
パルス状に光を発光する光源(20)と、光源が発光した光が物体で反射して生じた反射光を受光する複数の画素(31)を備えた測距イメージセンサ(30)と、を備えた距離測定装置であって、
各画素は、
光電変換素子(32)と、各光電変換素子に対して複数設けられ、光電変換素子が変換した電荷を蓄積する複数のレジスタ(33)と、各レジスタに対応して設けられ、各レジスタに電荷を蓄積するかしないかを切り替える複数のシャッタ(34)を備え、
距離測定装置は、
複数のレジスタに蓄積された電荷の比率に基づいて、物体までの距離を算出する距離算出部(S11、S11A)と、
距離が既知の基準物体からの反射光を蓄積する複数のレジスタである複数の補正用レジスタに蓄積された電荷比率に基づいて、距離算出部が算出した距離を補正する補正値を決定する補正部(S7、S8、S8A、S9、S10、S10A)と、
複数の補正用レジスタに蓄積された電荷の総量が、複数の補正用レジスタが基準物体からの反射光を蓄積する電荷の総量に基づいて定められた許容範囲内にある画素を補正用画素に決定する補正用画素決定部(S5、S6)とを備え、
補正部は、補正用画素を用いて算出した電荷比率に基づいて、補正値を決定する。
本発明では、温度が変化して、光源に光を発光させるための信号を出力してから、実際に光が発光するまでの時間が変化しても、外乱物体が存在しなければ、複数の補正用レジスタに蓄積される電荷の総量は変化しないことを利用する。
すなわち、補正用画素決定部は、複数の補正用レジスタに蓄積された電荷の総量が、複数の補正用レジスタが基準物体からの反射光を蓄積する電荷の総量に基づいて定められた許容範囲内にある画素を補正用画素に決定する。
そして、この補正用画素を用いて算出した電荷比率に基づいて補正値を決定するので、外乱物体の影響を受けにくくなる。よって、精度のよい補正を行うことができる。
請求項2に記載の発明は、補正用レジスタとして第1補正用レジスタ(33a)と第2補正用レジスタ(33b)を備えており、
補正値を決定する際には、基準物体からの反射光により生じた電荷を第1補正用レジスタが蓄積する量と、第2補正用レジスタが蓄積する量の差が、補正値を決定しない距離算出時よりも少なくなるように、シャッタを制御するシャッタ制御部(S1A、S2A、S3A)を備えている。
第1補正用レジスタが蓄積する電荷と、第2補正用レジスタが蓄積する電荷のいずれかが微小であると、その微小な側の電荷は測定毎の変動が大きくなるため、電荷比率も測定毎の変動が大きくなる。その結果、補正値も変動が大きくなってしまう。
これに対して、本発明のようにすれば、第1補正用レジスタが蓄積する電荷、および、第2補正用レジスタが蓄積する電荷がいずれも少なくなりにくいので、補正値の変動を抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、補正部は、補正用画素が複数ある場合、各補正用画素が備える複数のレジスタに蓄積された電荷比率を用いて物体までの距離を算出し、算出した距離と基準物体までの既知の距離との距離差の単純平均値を、補正値とする。
複数の補正用画素から、それぞれ物体までの距離を算出し、その距離と基準物体までの既知の距離との差の単純平均値を補正値とすることで、精度のよい補正値を得ることができる。
請求項3に記載の発明では、補正部は、補正用画素が複数ある場合、各補正用画素が備える複数のレジスタに蓄積された電荷比率を用いて物体までの距離を算出し、算出した距離と基準物体までの既知の距離との距離差の単純平均値を、補正値とする。
請求項4に記載の発明は、複数の補正用レジスタに蓄積された電荷の総量が許容範囲を超えている画素を、外乱物体により生じた反射光を受光した外乱画素に決定する外乱画素決定部(S13)を備え、
補正部は、補正用画素が複数ある場合、各補正用画素が備える複数のレジスタに蓄積された電荷比率を用いて物体までの距離を算出し、さらに、算出した距離と基準物体までの既知の距離との距離差し、距離差のうち、外乱画素の周囲の予め設定した外乱画素周囲にある補正用画素を用いて算出した距離差は、外乱画素周囲に含まれていない補正用画素を用いて算出した距離差よりも重みを低くした加重平均値を補正値とする。
外乱画素の周囲は、レンズの収差等により外乱物体の影響を受けて、距離精度が低下する可能性がある。そこで、本発明では、補正用画素が複数ある場合、外乱画素の周囲の予め設定した外乱画素周囲にある補正用画素を用いて算出した距離差は、外乱画素周囲に含まれていない補正用画素を用いて算出した距離差よりも重みを低くした加重平均値を補正値とする。これにより、より精度のよい補正値を算出できる。
請求項5に記載の発明では、補正部は、補正用画素が複数ある場合、複数の補正用画素を用いてそれぞれ算出した距離のうち、最短距離および最長距離のうち予め定めた側の距離と、基準物体までの既知の距離との差を、補正値とする。
本発明では、複数の補正用画素を用いてそれぞれ算出した距離のうち、最短距離および最長距離のうち予め定めた側の距離を、基準物体との差を算出する値とする。本発明は、不審物体を監視するセキュリティ用途に距離測定装置を用いる場合に好適な発明である。
予め定めた側の距離を最短距離とする場合は、距離測定装置が、不審物体に入られないようにしたい敷地に設置されている場合である。反対に、予め定めた側の距離を最長距離とする場合は、距離測定装置が、不審物体に入られないようにしたい敷地の外部に設置され、その敷地方向を向いている場合である。
本発明によれば、補正値により補正された後の距離により定まる物体の位置が、敷地に最も近くなる。そのため、部外者の侵入監視など、距離測定装置をセキュリティに用いる場合に好適である。
請求項6に記載の発明は、補正用画素を用いて算出した距離と予め設定した基準物体までの距離との差が、温度変動による距離変動範囲を超えている補正用画素を、故障画素とする故障診断部(S14)を備え、
補正部は、故障画素を除外して、補正値を決定する。
補正用画素は、補正用レジスタに蓄積された電荷の総量が許容範囲内にある画素である。したがって、補正用画素を用いて算出した距離と、予め設定した基準物体までの距離との差は、温度による変動の範囲内になるはずである。そこで、基準距離との差が距離変動範囲を超えている画素を故障画素とするのである。補正部は、この故障画素を除外して補正値を決定するので、故障画素が存在していても、補正値の精度が低下してしまうことを抑制できる。
請求項7に記載の発明では、補正用レジスタが3つ以上あり、
補正用画素決定部は、繰り返し補正用画素を決定しており、かつ、補正用画素が備える補正用レジスタのうち、光源が発光した光の発光タイミングに対して相対的に遅いタイミングで反射光を蓄積する側の少なくとも1つの補正用レジスタには電荷が蓄積されていない状態が一定期間以上継続した場合、電荷が蓄積されていない補正用レジスタを未使用の補正用レジスタとし、電荷が蓄積された補正用レジスタを使用中の補正用レジスタとし、未使用の補正用レジスタを備えた補正用画素については、次の補正用画素決定時、全部の補正用レジスタに蓄積された電荷の総量が許容範囲内になくても、使用中の補正用レジスタに蓄積された電荷の総量が許容範囲であれば、当該補正用画素を継続して補正用画素とし、
補正部は、全部の補正用レジスタに蓄積された電荷の総量が許容範囲内にない補正用画素については、未使用としていた補正用レジスタには電荷が蓄積されていないとして補正値を決定する。
全部の補正用レジスタに蓄積された電荷の総量が許容範囲内になくても、未使用の補正用レジスタがある場合であって、かつ、使用中の補正用レジスタに蓄積された電荷の総量が許容範囲内であれば、次の推定が可能である。すなわち、これまで未使用の補正用レジスタであった補正用レジスタに蓄積された電荷は外乱物体からの反射光であると推定できる。一方、その外乱物体からの反射光は、これまで使用中の補正用レジスタであった補正用レジスタには蓄積されず、これまで使用中の補正用レジスタであった補正用レジスタに蓄積された電荷は基準物体からの反射光である可能性が高いと推定できる。
そこで、全部の補正用レジスタに蓄積された電荷の総量が許容範囲内になくても、未使用の補正用レジスタがある場合であって、かつ、使用中の補正用レジスタに蓄積された電荷の総量が許容範囲内であれば、この補正用画素を継続して補正用画素とするのである。
これにより、補正用画素を決定できず、その結果、補正部による補正ができない可能性を低くすることができる。
距離測定装置1の構成を示すブロック図である。 測距イメージセンサ30が備える画素31の配列を示す図である。 画素31の構成を示すブロック図である。 第1実施形態における投光、受光、シャッタ34のタイミングを示す図である。 内部反射光Riによりレジスタ33a、33bに蓄積される電荷量を示す図である。 内部反射光Riと人50で生じた外部反射光Roが測距イメージセンサ30に受光されていることを示す図である。 図6の状態でレジスタ33に蓄積される電荷量を示す図である。 図6よりも遠い位置に人50が存在している状態を示す図である。 図8の状態でレジスタ33に蓄積される電荷量を示す図である。 第1実施形態における距離算出処理を示すフローチャートである。 第2実施形態における距離算出処理を示すフローチャートである。 第2実施形態における補正値算出処理を示すフローチャートである。 補正値算出処理における投光、受光、シャッタ34のタイミングを示す図である。 第3実施形態で実行する処理を示すフローチャートの一部である。 第3実施形態で実行する処理を示すフローチャートの一部である。 第4実施形態で実行する処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明が適用された距離測定装置1の構成を示すブロック図である。距離測定装置1は、筐体10の内部に、光源20、測距イメージセンサ30、制御部40を備えている。
[ハードウェア構成]
筐体10は光を透過しない材料で出来ている。筐体10には、光源20が発光した投光Fが通過する投光窓11と、その投光Fが装置外部の物体で反射して生じた外部反射光Roが通過する受光窓12とを備えている。投光窓11と受光窓12は、光学窓または光学レンズである。
光源20は、LEDやパルスレーザーダイオードであり、パルス状に光を発光する。測距イメージセンサ30は、TOF(Time−of−Flight)方式で物体までの距離を測定するイメージセンサである。CMOSイメージセンサおよびCCDイメージセンサが広く知られており、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサとも、本実施形態の測距イメージセンサ30として用いることができる。測距イメージセンサ30は外部反射光Roを受光する。また、測距イメージセンサ30は、外部反射光Roだけでなく、内部反射光Riも受光する。内部反射光Riは、投光窓11の内面など、装置の内部で投光Fが反射して生じた反射光である。
制御部40は、CPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータであり、また、光源20を駆動する駆動回路も備える。
測距イメージセンサ30は、図2に示すように、格子状に画素31が平面配列された構成である。図示の便宜上、図2に示す画素31の数は、実際の画素31の数よりも少ない。画素31の数は、VGAなど、アルファベットで表現されることが多い。
図3に、各画素31の構成を示す。各画素31は、1つの光電変換素子32、3つのレジスタ33a、33b、33c、3つのシャッタ34a、34b、34cを備えている。3つのレジスタ33a、33b、33cを区別しないときはレジスタ33とする。また、3つのシャッタ34a、34b、34cを区別しないときはシャッタ34とする。本実施形態では、レジスタ33、シャッタ34の数は3つとするが、レジスタ33およびシャッタ34の数は、2つ以上であればよい。
光電変換素子32は、たとえばフォトダイオードであり、光電変換素子32に照射された光の量に応じた電荷が発生する。レジスタ33は、光電変換素子32が変換した電荷を一時的に蓄積する。レジスタ33にはコンデンサを用いる。レジスタ33は1つの光電変換素子32に対して複数設けられる。
シャッタ34は、光電変換素子32とレジスタ33との間の電気的接続をオンオフする。そのため、シャッタ34は、各レジスタ33に対応して設けられる。シャッタ34には、電子的スイッチを用いる。シャッタ34は、制御部40により制御され、1つの画素31が備える複数のシャッタ34のうち、いずれか一つが選択されてオンになる。シャッタ34のオンオフにより、レジスタ33に電荷を蓄積するかしないかが切り替えられる。以上のハードウェア構成は、公知の構成である。
制御部40は、CPUが、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、ROMなどの記録媒体に記憶されているプログラムを実行する。このプログラムを実行することで、光源20の発光制御、測距イメージセンサ30の制御、物体までの距離算出などを行う。また、プログラムを実行することは、プログラムに対応する方法が実行されることを意味する。
[距離算出原理]
次に、距離測定装置1の距離算出原理を説明する。光源20は、パルス状に投光Fを発光し、測距イメージセンサ30は外部反射光Roを受光する。投光Fを発光してから、外部反射光Roを受光するまでの時間は、光源20から投光Fを反射した物体までの距離とその物体から測距イメージセンサ30までの合計距離(以下、光路)に比例する。
よって、図4に示すように、投光Fが発生している時間を示す投光波形と測距イメージセンサ30が反射光を受光する時間を示す受光波形には、光路の長さに応じた時間差が生じる。図4の例は、光源20が周期的に投光Fを発光しているときの投光波形、受光波形、および、シャッタ34a、34b、34cのオンオフタイミングを示している。また、図4の受光波形は、内部反射光Riを受光したときの例である。
測距イメージセンサ30は、複数のシャッタ34をオンする期間を互いに異ならせることで、複数のレジスタ33が電荷を蓄積する期間を異ならせる。図4の例では、シャッタ34aは投光に同期してオンオフしている。これに対して、シャッタ34bは投光終了時点でオンする。オンしている時間は、シャッタ34aと同じである。また、シャッタ34cは、シャッタ34bがオフの時点でオンする。オンしている時間は、シャッタ34a、34bがオンしている時間と同じである。
なお、シャッタ34がオンになっている時間は、温度が変化することで信号伝達に遅延が生じても、距離が既知の基準物体からの反射光に相当する電荷を蓄積する2つのレジスタ33が別のレジスタ33にならない時間になっている。
本実施形態では基準物体は投光窓11であり、この投光窓11からの反射光を蓄積するレジスタ33は、レジスタ33a、33bである。温度変化により、受光波形は、図4に示す位置よりも図右側にずれることがある。シャッタ34がオンになる時間は、温度変化により、受光波形が図4に示す位置よりも図右側にずれる程度では、受光波形の終了時点がシャッタ34bがオフになる時間を超えないように設定されている。
図4に示すタイミングでシャッタ34a、34bがオンオフすると、シャッタ34aに対応しているレジスタ33aは、時間t2〜t3の間、時間t6〜t7の間、電荷を蓄積する。一方、シャッタ34bに対応しているレジスタ33bは、時間t13〜t14の間、時間t17〜t18の間、電荷を蓄積する。
なお、本実施形態では、一般的な距離算出時の制御と同様、所定回数、t1〜t8に示すように、シャッタ34aのみをオンオフする制御を行った後、t11〜t18に示すようにシャッタ34bのみをオンオフする制御を行う。つまり、1つのシャッタ34のみをオンオフする制御を行った後、別のシャッタ34に切り替えて、そのシャッタ34のみをオンオフする制御を行う。所定回数は、たとえば100回あるいはそれ以上である。このような制御を行う理由は、1度の投光Fで受光できる光量が少ないので、連続して同じシャッタ制御を行うことで、レジスタ33に多くの電荷を蓄積するためである。なお、図4では、シャッタ34cのオンオフタイミングは、投光波形に対するシャッタ34aあるいはシャッタ34bのオンオフタイミングとの相対的な時間差を示している。実際のシャッタ34cのオンオフタイミングは、シャッタ34bのみのオンオフ制御が終了した後である。
投光波形に対する受光波形の遅れ時間は、物体までの距離に比例する。そのため、シャッタ34のオンオフタイミングが異ならせると、物体までの距離により、各レジスタ33に蓄積される電荷の量が変化する。また、物体までの距離と、投光から受光までの時間は予め算出できる。
よって、シャッタタイミングを決めることで、ある距離に位置している物体からの反射光を示す電荷を蓄積する複数のレジスタ33、および、それら複数のレジスタ33に蓄積される電荷の比率が定まる。このことは、換言すれば、複数のレジスタ33に蓄積される電荷の比率を算出することで、物体までの距離が算出できることを意味する。このようにして、物体までの距離を算出する方法は、位相差法として知られている。
図5には、図4に示す投光、および、シャッタ34の制御により、レジスタ33a、33b、33cに蓄積される電荷量を示している。内部反射光Riの光路長は短いので、主として、レジスタ33aに電荷が蓄積され、レジスタ33bに蓄積されている電荷は僅かである。また、レジスタ33cには電荷は蓄積されていない。レジスタ33cに対応するシャッタ34cがオンになるタイミングは、発光パルスの立ち下がり時点で生じた投光Fにより生じた内部反射光Riが、測距イメージセンサ30bに到達した後だからである。
内部反射光Riが生じた物体までの距離は、レジスタ33aに蓄積された電荷量と、レジスタ33bに蓄積された電荷の比率をもとに算出することができる。電荷の比率(以下、電荷比率)は、たとえば、レジスタ33aに蓄積された電荷量と、レジスタ33bに蓄積された電荷量の総量を分母とし、レジスタ33bに蓄積された電荷量を分子とする。この電荷比率に係数を乗じることで、距離を算出することができる。係数は、電荷比率を算出するレジスタ33の組み合わせ毎に異なる。
[温度補正]
ところで、電荷比率をもとにして物体までの距離を精度よく算出するためには、温度補正が必要である。距離測定装置1は、回転ミラーを備えていないので、外部物体までの距離測定が休止する休止期間がない。
そこで、本実施形態では、距離が既知の物体として投光窓11を用い、投光窓11で生じた内部反射光Riをもとにして算出した距離と、予め測定しておいた投光窓11までの距離とを比較して、補正値を算出する。
この場合、投光窓11は請求項の基準物体に相当する。投光窓11で生じた内部反射光Riを表す電荷を蓄積するレジスタ33は、レジスタ33a、レジスタ33bである。これら2つのレジスタ33a、33bが補正値を算出するために用いる補正用レジスタに相当する。また、基準物体までの、予め測定しておいた距離を基準距離とする。
基準距離と、実際に算出した距離との差が補正値である。基準距離が10mmであるのに対して、基準物体までの距離として実際に算出した距離が12mmであれば、補正値は2mmとなる。その後の外部物体までの距離を算出する際に、電荷比率から算出した距離から、この補正値を減算する。
補正値を算出する際、基準物体である投光窓11までの距離を算出するために用いるレジスタ33a、33bは、投光窓11からの反射光とは異なる物体(すなわち外乱物体)で生じた反射光を受光していない画素31が備えるレジスタ33a、33bに限定する必要がある。この理由を次に説明する。
図6は、内部反射光Riに加えて、装置外部の物体である人50で投光Fが反射して生じた外部反射光Roが、測距イメージセンサ30に受光されている状態を示している。
図7に示すように、人50で生じた外部反射光Roがレジスタ33b、レジスタ33cに蓄積された場合を考える。レジスタ33a、レジスタ33bに蓄積された電荷量の比率から算出した距離が15mmであったとする。この場合、補正値は5mmとなる。しかし、レジスタ33bには、人50で生じた外部反射光Roに相当する電荷も蓄積されている。そのため、この補正値は正確ではない。また、距離が15mm程度であれば、温度による変動の可能性もあるため、距離をもとに、外部反射光Roがレジスタ33bに蓄積されていると判断することも困難である。
また、レジスタ33cにも電荷が蓄積されているが、レジスタ33cに電荷が蓄積されていることを根拠に、レジスタ33bにも、外部反射光Roに相当する電荷が蓄積されているとすることもできない。この理由は次の通りである。人50の位置が、図8に示すように、図7よりもさらに距離測定装置1から遠くなると、図9に示すように、人50で生じた外部反射光Roに相当する電荷はレジスタ33cには蓄積されるが、レジスタ33bには蓄積されないからである。
そこで、本実施形態では、補正用レジスタであるレジスタ33a、33bに蓄積された電荷の総量が許容範囲内であるか否かにより、レジスタ33a、33bに外部反射光Roに相当する電荷が蓄積されているか否かを判断する。
温度により信号伝達に遅延が生じると、受光波形が図4の右側にずれる。しかし、受光波形が図4の右側にずれても、受光する光が内部反射光Riのみであれば、レジスタ33a、33bに蓄積される電荷の総量には変化がない。
これに対して、図7から分かるように、外部反射光Roがレジスタ33bに受光されると、レジスタ33a、33bに蓄積される電荷の総量が、外部反射光Roの分だけ増える。したがって、レジスタ33a、33bに蓄積される電荷の総量を用いることで、補正用レジスタに、基準物体とは別の物体からの反射光に相当する電荷が蓄積されているかどうかを、精度よく判断することができる。
許容範囲は、画素31が、内部反射光Riのみを受光したときにレジスタ33a、33bが蓄積する電荷の総量を予め実験により求めておき、その総量を基準して、誤差等を考慮して設定する。
測距イメージセンサ30は、複数の画素31を備えているので、各画素31に対して、レジスタ33a、33bに蓄積された電荷の総量が、上記許容範囲内にあるか否かを判断する。そして、レジスタ33a、33bに蓄積された電荷の総量が許容範囲内にある画素31を、補正用画素に決定する。この補正用画素を用いて算出した、レジスタ33a、33bの電荷比率から、補正値を算出する。
[距離算出処理の流れ]
次に、図10を用いて、距離算出処理を説明する。距離測定装置1は、予め定められた周期で、図10に示す処理を繰り返し実行する。ステップ(以下、ステップを省略)S1では、シャッタ制御Aで電荷を蓄積する。シャッタ制御Aは、図4の左側に示す、シャッタ34aのみをオンオフする制御を意味する。つまり、シャッタ制御Aは、光源20を制御してパルス状に投光Fを発光させつつ、投光Fのパルスに同期して、シャッタ34aをオンオフする動作を所定回数繰り返す制御である。
S2では、シャッタ制御Bで電荷を蓄積する。シャッタ制御Bは、図4の右側に示す、シャッタ34bのみをオンオフする制御を意味する。つまり、シャッタ制御Bは、光源20を制御してパルス状に投光Fを発光させつつ、投光Fの終了時点からシャッタ34bを、投光Fのパルス幅と同じ時間、オンする動作を所定回数繰り返す制御である。
S3では、シャッタ制御Cで電荷を蓄積する。シャッタ制御Cは、図4において二点鎖線で示すタイミングでシャッタ34cのみをオンオフする制御を意味する。つまり、シャッタ制御Cは、光源20を制御してパルス状に投光Fを発光させつつ、投光Fの終了時点からさらにパルス幅分の期間が経過した後に、シャッタ34cを、投光Fのパルス幅と同じ時間、オンする動作を所定回数繰り返す制御である。
S4では、各画素31のレジスタ33a、33b、33cから電荷を読み出す。S5では、画素31ごとに、レジスタ33a、33bに蓄積されている電荷総量を算出する。S6では、S5で算出した電荷総量が許容範囲内にある画素31を、補正用画素に決定する。
S7では、S6で決定した補正用画素のレジスタ33a、33bに蓄積された電荷比率を算出する。S8では、電荷比率から物体までの距離が算出できる式に、S7で各補正用画素に対して算出した電荷比率を代入して、投光窓11までの距離を、補正用画素ごとに算出する。S9では、S8で算出した距離から、画素31ごとに定められている基準距離を引くことで、距離差を算出する。S10では、S9で算出した距離差を単純平均して補正値とする。
S11では、補正用画素としなかった画素31を用いて、レジスタ33aとレジスタ33bの電荷比率、レジスタ33bとレジスタ33cの電荷比率から、補正前距離を算出する。S12では、その補正前距離にS10で算出した補正値を減算して、補正後距離を算出する。
この図10に示す処理において、S5、S6は請求項の補正用画素決定部に相当する処理であり、S7−S10は請求項の補正部に相当する処理であり、S11は請求項の距離算出部に相当する処理である。
[第1実施形態の効果]
以上、説明した第1実施形態では、補正値を算出するために用いるレジスタ33、すなわち、補正用レジスタであるレジスタ33a、333bに蓄積された電荷総量が、許容範囲内にある画素31を補正用画素に決定する(S5、S6)。電荷総量が許容範囲内にある画素31は、外乱物体の影響をほとんど受けていないと推定できる。この補正用画素を用いて算出した電荷比率に基づいて補正値を決定するので、外乱物体の影響を受けにくくなる。よって、精度のよい補正を行うことができる。
また、本実施形態では、各補正用画素について算出した距離と基準距離との距離差の単純平均値を補正値としているので、精度のよい補正値を得ることができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態を説明する。この第2実施形態以下の説明において、それまでに使用した符号と同一番号の符号を有する要素は、特に言及する場合を除き、それ以前の実施形態における同一符号の要素と同一である。また、構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分については先に説明した実施形態を適用できる。
第2実施形態でも、レジスタ33a、33bが補正用レジスタである。ただし、レジスタ33aを第1補正用レジスタとし、レジスタ33bを第2補正用レジスタとする。
第2実施形態では、図11に示す距離算出処理を周期的に実行する。図11に示す処理は外部物体までの距離を算出するための処理であり、実行周期は図10と同じでよい。ただし、第2実施形態では、図11の実行周期よりも長い補正周期毎に、図11に示す処理に代えて、図12に示す補正値算出処理を実行する。図12に示す処理は、補正値を決定するための処理である。
まず、図11を説明する。図11は、図10から、補正値を算出する部分を除いた処理である。第2実施形態では、補正値は、図12を実行して算出する。図12を実行して補正値が更新されるまでは、最後に図12を実行して決定した補正値を用いて図11を実行する。
次に図12を説明する。図12に示す処理では、図10のS1、S2、S3、S8、S11に代えて、それぞれ、S1A、S2A、S3A、S8A、S11Aを実行する。S1A、S2A、S3Aは請求項のシャッタ制御部に相当する。
S1Aでは、シャッタ制御A1で電荷を蓄積する。シャッタ制御A1は、図13の左側に示す、シャッタ34aのみをオンオフする制御である。なお、図13に示す受光波形は、図4と同様、内部反射光Riである。
第1実施形態で説明したシャッタ制御Aは、外部物体の距離を測定するときと同様、投光波形に同期してシャッタ34aをオンオフする制御であった。これに対して、シャッタ制御A1は、投光Fの発光よりも先にシャッタ34aをオンにする。シャッタ34aをオンにしている時間は、投光Fのパルス幅と同じである。よって、シャッタ34aをオンにしている時間はシャッタ制御Aと同じである。
シャッタ制御A1においてシャッタ34aをオンにするタイミングは、受光波形の前半の約半分の期間を、レジスタ33aが電荷を蓄積できるようにするタイミングである。また、シャッタ制御A1における光源20の制御、光源20の発光回数、シャッタ34aのオンオフ回数は、シャッタ制御Aと同じである。
S2Aでは、シャッタ制御B1で電荷を蓄積する。シャッタ制御B1は、図13の右側に示す、シャッタ34bのみをオンオフする制御である。第1実施形態で説明したシャッタ制御Bは、外部物体の距離を測定するときと同様、投光波形の終了時点でシャッタ34bをオンにし、投光Fのパルス幅と同じ時間、オンを継続する制御であった。
これに対して、シャッタ制御B1は、投光波形の終了よりも先にシャッタ34bをオンにする。シャッタ34bをオンにしている時間は、投光Fのパルス幅と同じである。よって、シャッタ34bをオンにしている時間はシャッタ制御Bと同じである。また、シャッタ制御B1における光源20の制御、光源20の発光回数、シャッタ34bのオンオフ回数は、シャッタ制御Bと同じである。
シャッタ制御B1においてシャッタ34bをオンにするタイミングは、受光波形の後半の約半分の期間を、レジスタ33aが電荷を蓄積できるようにするタイミングである。よって、図13に示すように、シャッタ34aは投光波形の開始から時間T1が経過したときにオフになるのに対して、シャッタ34bは投光波形の開始から時間T1が経過したときにオンになる。
S3Aでは、シャッタ制御C1で電荷を蓄積する。シャッタ制御C1は、図13において二点鎖線で示すタイミングでシャッタ34cのみをオンオフする制御を意味する。つまり、シャッタ制御C1は、光源20を制御してパルス状に投光Fを発光させつつ、投光Fの開始点から、時間T1+パルス幅分の期間が経過した後に、シャッタ34cを、投光Fのパルス幅と同じ時間、オンする動作を所定回数繰り返す制御である。
図13から分かるように、補正値算出処理では、シャッタ34aがオフになるタイミングと、シャッタ34bがオンになるタイミングが、内部反射光Riを表す受光波形の受光期間の半分程度の時点になっている。そのため、レジスタ33bに蓄積される電荷は、図4に示すタイミングでシャッタ34bがオンオフする場合に比較して増加する。その分、レジスタ33aに蓄積される電荷は減少する。しかし、レジスタ33aに蓄積される電荷とレジスタ33bに蓄積される電荷は等量程度になるので、2つのレジスタ33a、33bには、ともに、図5においてレジスタ33bに蓄積されている電荷よりも多い電荷が蓄積される。
したがって、補正値算出処理では、内部反射光Riをレジスタ33aが蓄積する量と、レジスタ33bが蓄積する量の差が、距離算出処理時よりも少なくなるように、シャッタ34a、34bを制御していることになる。
S8Aでは、S8と同様、電荷比率から物体までの距離が算出できる式に、S7で各補正用画素に対して算出した電荷比率を代入して、投光窓11までの距離を、補正用画素ごとに算出する。また、S8Aは、S8と同様、補正部の一部を構成する。ただし、シャッタタイミングが距離算出処理とは異なるため、S8Aで用いる式は、S8とは相違する。
距離算出部に相当するS11Aでは、補正用画素としなかった画素31を用いて、レジスタ33aとレジスタ33bの電荷比率、レジスタ33bとレジスタ33cの電荷比率から、補正前距離を算出する。ただし、S8Aと同様、シャッタタイミングが距離算出処理とは異なることに起因して、S11Aで用いる式は、S11とは相違する。
[第2実施形態の効果]
補正用レジスタとなるレジスタ33a、33bが蓄積する電荷のいずれかが微小であると、その微小な側の電荷は測定毎の変動が大きくなるため、電荷比率も測定毎の変動が大きくなる。その結果、補正値も変動が大きくなってしまう。
これに対して、第2実施形態では、内部反射光Riをレジスタ33aが蓄積する量と、レジスタ33bが蓄積する量の差が、距離算出処理時よりも少なくなるように、シャッタ34a、34bを制御している。よって、レジスタ33aが蓄積する電荷、および、レジスタ33bが蓄積する電荷がいずれも少なくなりにくいので、補正値の変動を抑制することができる。
ただし、補正値算出処理では、距離算出処理時に比較して、シャッタ34a、34b、34cのオンオフタイミングが、全体的に前にずれる。その結果、投光Fしてからの外部反射光Roを受光できる期間が短くなるので、最大測定距離が短くなる。
そこで、第2実施形態では、補正値を算出しないときは、シャッタ34aを投光Fに同期してオンにする距離算出処理を実行する。これにより、最大測定距離が短くなる時間を減少させている。
<第3実施形態>
第3実施形態は、第1実施形態あるいは第2実施形態と組み合わせることができる。図14、図15に、第3実施形態において実行する処理を示す。第3実施形態では、図14に示すように、S6とS7の間にS13を実行する。また、図15に示すように、S10に代えてS10Aを実行する。S10Aは、S10と同様、補正部の一部である。
S13は請求項の外乱画素決定部に相当しており、外乱画素を決定する。外乱画素は、S6で決定した補正用画素以外の画素31である。補正用画素以外の画素31は、補正にとっては外乱となる外部反射光Roが受光されている。外部反射光Roは、外部物体から反射光であり、外部物体は、本実施形態において、基準物体以外の物体である外乱物体からの反射光である。
次に図15を説明する。S10Aでは、S9で算出した距離差をのうち、外乱画素周囲にある補正用画素を用いて算出した距離差は、外乱画素周囲に含まれていない補正用画素を用いて算出した距離差よりも重みを低くした加重平均値を補正値とする。
外乱画素周囲は、S13で決定した外乱画素の周囲の予め設定した範囲である。補正用画素それ自体は外乱物体からの反射光を受光していないとしても、外乱画素の周囲にあると、補正用画素が受光する反射光も、レンズの収差などにより、外乱物体の影響を受けている恐れがある。外乱画素周囲の大きさは、この影響が生じる恐れがある範囲である。また、外乱画素周囲がこの理由で設けられるので、外乱画素に近いほど、重みは低い値にする。外乱画素のごく近傍は、重みを最も低い値、すなわちゼロにしてもよい。
このように、外乱画素周囲の補正用画素を用いて算出した距離差の重みを低くした加重平均値を補正値とすると、より精度のよい補正値を算出できる。
<第4実施形態>
第4実施形態は、第1〜第3実施形態と組み合わせることができる。図16に、第4実施形態において実行する処理を示す。第4実施形態では、図16に示すように、S8またはS8Aの後、S10の前に、S14を実行する。
S14は、画素31に異常があるか否かを診断する画素診断処理であり、請求項の故障診断部に相当する。具体的には、S14では、S8またはS8Aで画素31ごとに算出した投光窓11までの距離と、基準距離との差が、温度変動による距離変動範囲を超えている画素31を故障画素と診断する。
S14において基準距離との差を算出する画素31は、S5、S6の処理において電荷総量が許容範囲内にある画素である。つまり、レジスタ33a、33bが、内部反射光Riに起因する電荷のみを蓄積していると判断した画素である。したがって、基準距離との差は、温度による変動の範囲内になるはずである。それにもかかわらず、基準距離との差が距離変動範囲を超えている場合、何らかの故障が疑われる。そこで、基準距離との差が距離変動範囲を超えている画素を故障画素とするのである。
以降の処理は、この故障画素を除外して実行する。よって、故障画素を除外して補正値が決定されるので、故障画素が存在していても、補正値の精度が低下してしまうことを抑制できる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の変形例も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
<変形例1>
補正用画素が複数ある場合、複数の補正用画素を用いてそれぞれ算出した距離のうちで最短距離および最長距離のうち予め定めた側の距離と基準距離との差を補正値としてもよい。
この変形例1は、距離測定装置1をセキュリティ用途に用いる場合に好適である。予め定めた側の距離を最短距離とする場合は、距離測定装置1が、不審物体に入られないようにしたい敷地内に設置されている場合である。反対に、予め定めた側の距離を最長距離とする場合は、距離測定装置1がその敷地の外部に設置され、その敷地方向を向いている場合である。
このようにすると、補正後距離により定まる物体の位置が、敷地に最も近くなる。そのため、部外者の侵入監視など、距離測定装置1をセキュリティに用いる場合に好適である。
<変形例2>
基準物体は、距離が既知であれば距離測定装置1の外部にある物体でもよい。
<変形例3>
変形例3では、補正用レジスタを3つ備える。また、レジスタ33を4つ以上備える場合には、補正用レジスタを4つ以上にしてもよい。図4、図13において、受光波形が検出される可能性がある期間を3つ以上に分けるようにシャッタ34を制御すれば、補正用レジスタを3つ以上にすることができる。また、この変形例3でも、補正用画素は繰り返し決定する。
3つ以上の補正用レジスタに電荷が蓄積される時間帯は、想定される遅延時間の変動幅を考慮して決定する。実際の遅延時間が短い場合、光源20が発光した光の発光タイミングに対して相対的に遅いタイミングで反射光を蓄積する側の少なくとも一つの補正用レジスタには電荷が蓄積されないことも想定される。
補正用レジスタに設定されているが、電荷が蓄積されない状態が一定時間継続した補正用レジスタを未使用の補正用レジスタとする。一方、電荷が蓄積された補正用レジスタは使用中の補正用レジスタとする。一定時間は、適宜設定するが、少なくとも、補正用画素の決定周期の複数回分以上、たとえば、補正用画素の決定周期の5回分以上とする。
未使用の補正用レジスタを備えた補正用画素については、次回の補正用画素決定時、全部の補正用レジスタに蓄積された電荷総量が許容範囲内になくても、使用中の補正用レジスタに蓄積された電荷総量が許容範囲であれば、継続して補正用画素とする。
未使用の補正用レジスタがあれば、今回、未使用の補正用レジスタに蓄積された電荷は、外乱物体からの反射光である可能性がある。しかも、使用中の補正用レジスタに蓄積された電荷の総量が許容範囲内であるので、未使用の補正用レジスタに蓄積された電荷が、外乱物体からの反射光である可能性は一層高い。
そこで、全部の補正用レジスタに蓄積された電荷の総量が許容範囲内になくても、未使用の補正用レジスタがあり、かつ、使用中の補正用レジスタに蓄積された電荷の総量が許容範囲内であれば、補正用画素を継続して補正用画素とするのである。これにより、補正用画素を決定できず、その結果、補正値が決定できない期間を短くすることができる。
なお、補正値を決定する際、全部の補正用レジスタに蓄積された電荷の総量が許容範囲内にない補正用画素については、未使用としていた補正用レジスタには電荷が蓄積されていないとして補正値を決定することになる。
1 距離測定装置、 10 筐体、 11 投光窓、 12 受光窓、 20 光源、 30 測距イメージセンサ、 31 画素、 32 光電変換素子、 33 レジスタ、 33a 第1補正用レジスタ、 33b 第2補正用レジスタ、 34 シャッタ、 40 制御部、 50 人、 F 投光、 Ri 内部反射光、 Ro 外部反射光、 S1A、S2A、S3A シャッタ制御部、 S5、S6 補正用画素決定部、 S7、S8、S8A、S9、S10、S10A 補正部、 S11、S11A 距離算出部、 S13 外乱画素決定部、 S14 故障診断部

Claims (7)

  1. パルス状に光を発光する光源(20)と、前記光源が発光した光が物体で反射して生じた反射光を受光する複数の画素(31)を備えた測距イメージセンサ(30)と、を備えた距離測定装置であって、
    各画素は、
    光電変換素子(32)と、各光電変換素子に対して複数設けられ、前記光電変換素子が変換した電荷を蓄積する複数のレジスタ(33)と、各レジスタに対応して設けられ、各レジスタに電荷を蓄積するかしないかを切り替える複数のシャッタ(34)を備え、
    前記距離測定装置は、
    複数の前記レジスタに蓄積された電荷の比率に基づいて、物体までの距離を算出する距離算出部(S11、S11A)と、
    距離が既知の基準物体からの反射光を蓄積する複数の前記レジスタである複数の補正用レジスタに蓄積された電荷比率に基づいて、前記距離算出部が算出した距離を補正する補正値を決定する補正部(S7、S8、S8A、S9、S10、S10A)と、
    複数の前記補正用レジスタに蓄積された電荷の総量が、複数の前記補正用レジスタが前記基準物体からの反射光を蓄積する電荷の総量に基づいて定められた許容範囲内にある前記画素を補正用画素に決定する補正用画素決定部(S5、S6)とを備え、
    前記補正部は、前記補正用画素を用いて算出した前記電荷比率に基づいて、前記補正値を決定する距離測定装置。
  2. 前記補正用レジスタとして第1補正用レジスタ(33a)と第2補正用レジスタ(33b)を備えており、
    前記補正値を決定する際には、前記基準物体からの前記反射光により生じた電荷を前記第1補正用レジスタが蓄積する量と、前記第2補正用レジスタが蓄積する量の差が、前記補正値を決定しない距離算出時よりも少なくなるように、前記シャッタを制御するシャッタ制御部(S1A、S2A、S3A)を備えている請求項1に記載の距離測定装置。
  3. 前記補正部は、前記補正用画素が複数ある場合、各補正用画素が備える複数の前記レジスタに蓄積された電荷比率を用いて物体までの距離を算出し、算出した距離と前記基準物体までの既知の距離との距離差の単純平均値を、前記補正値とする請求項1または2に記載の距離測定装置。
  4. 複数の前記補正用レジスタに蓄積された電荷の総量が前記許容範囲を超えている前記画素を、外乱物体により生じた反射光を受光した外乱画素に決定する外乱画素決定部(S13)を備え、
    前記補正部は、前記補正用画素が複数ある場合、各補正用画素が備える複数の前記レジスタに蓄積された電荷比率を用いて物体までの距離を算出し、さらに、算出した距離と前記基準物体までの既知の距離との距離差し、前記距離差のうち、前記外乱画素の周囲の予め設定した外乱画素周囲にある前記補正用画素を用いて算出した距離差は、前記外乱画素周囲に含まれていない前記補正用画素を用いて算出した距離差よりも重みを低くした加重平均値を前記補正値とする請求項1または2に記載の距離測定装置。
  5. 前記補正部は、前記補正用画素が複数ある場合、複数の前記補正用画素を用いてそれぞれ算出した前記距離のうち、最短距離および最長距離のうち予め定めた側の距離と、前記基準物体までの既知の距離との差を、前記補正値とする請求項1または2に記載の距離測定装置。
  6. 前記補正用画素を用いて算出した距離と予め設定した前記基準物体までの距離との差が、温度変動による距離変動範囲を超えている前記補正用画素を、故障画素とする故障診断部(S14)を備え、
    前記補正部は、前記故障画素を除外して、前記補正値を決定する請求項1〜5のいずれか1項に記載の距離測定装置。
  7. 前記補正用レジスタが3つ以上あり、
    前記補正用画素決定部は、繰り返し前記補正用画素を決定しており、かつ、前記補正用画素が備える前記補正用レジスタのうち、前記光源が発光した光の発光タイミングに対して相対的に遅いタイミングで前記反射光を蓄積する側の少なくとも1つの前記補正用レジスタには電荷が蓄積されていない状態が一定期間以上継続した場合、電荷が蓄積されていない前記補正用レジスタを未使用の前記補正用レジスタとし、電荷が蓄積された前記補正用レジスタを使用中の前記補正用レジスタとし、未使用の前記補正用レジスタを備えた前記補正用画素については、次の補正用画素決定時、全部の前記補正用レジスタに蓄積された電荷の総量が前記許容範囲内になくても、使用中の前記補正用レジスタに蓄積された電荷の総量が前記許容範囲であれば、当該補正用画素を継続して前記補正用画素とし、
    前記補正部は、全部の前記補正用レジスタに蓄積された電荷の総量が前記許容範囲内にない前記補正用画素については、未使用としていた前記補正用レジスタには電荷が蓄積されていないとして前記補正値を決定する請求項1に記載の距離測定装置。
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