JP2011123238A - 表示素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】高コントラストであり、応答速度が速く、耐久性が高く、構造色による多色表示が可能である表示素子を提供する。
【解決手段】表示素子は透明の2枚の基板1上にそれぞれ透明電極2を有し、その間にほぼ同一径の球状のポリマー微粒子3が隣同士と接触するように規則的に配列し、ポリマー微粒子の間隙を刺激応答性の高分子ゲル4が埋める形の周期構造体であるフォトニック結晶を形成する。ポリマー微粒子3は屈折率nが1.65〜2.00であり、ポリマー微粒子に無機ナノ粒子が内包され、無機ナノ粒子の屈折率nが1.90〜2.8である。
【選択図】図1

Description

本発明はカラー表示の可能な表示素子に関し、特に高コントラストのカラー表示が可能なフォトニック結晶方式の表示素子に関する。
近年、液晶ディスプレイやCRTディスプレイとは異なる表示方式で、紙のように持ち運びが容易で、読みやすい反射型表示を行う電子ペーパーと言われる表示素子が、各種提案されている。このような電子ペーパーとしては、高コントラストな白黒表示とカラー表示が可能で、メモリー性が有り、繰り返しの書き換えに対する耐久性の高い表示素子が求められている。
カラー表示が行える方式として、フォトニック結晶方式の表示素子が注目されている。例えば特許文献1には、シリカ粒子のコロイド結晶を鋳型としてポリフェロセニルシランが多孔配列した構造体を作成し、フェロセンの酸化還元を用いた反射波長の制御が試みられている(例えば、特許文献1)。
特許文献2にはフォトニック結晶の粒子として酸化還元部位を有する刺激応答性ポリマー粒子を用い、その粒径を酸化還元や温度によって変化することで反射波長の制御が可能であることが記載されている。
また、特許文献3にはコロイドフォトニック結晶の粒子としてTiOの微粒子を用いることが開示されている。
しかしながら、特許文献1の方式では、シリカとポリフェロセニルシランとの屈折率の差が小さく反射光の強度が低いため、ディスプレイとして用いると薄い画像しか表示できないという問題があった。
特許文献2の方法は粒子に酸化還元部位を導入すると、固定化するためのゲルと粒子の中をイオンが通らなければならないために反射波長の切り替え時間が長くなるといった問題があった。また粒子の形状変化は耐久性が悪いといった問題もあった。さらにこの方法で作成した微粒子の粒径分布を狭くすることは困難であり、フォトニック結晶として十分な品質の表示素子を作ることが困難となる。その結果コントラストが低くなるという問題があった。
特許文献3の方法は、TiOのような高屈折率の粒子を用いているため、高反射率のフォトニック結晶の作成が期待できるが、高屈折率の無機微粒子は一般的に密度が高く、分散性が悪いために微粒子が周期配列する前に沈降してしまい、欠陥が生じやすいという問題があり、また、フォトニック結晶の作成が困難であった。
高反射率のディスプレイにするためには粒子の屈折率を上げることが必須になるが、屈折率1.65以上のポリマー微粒子が配列したフォトニック結晶を作成した例は知られていない。
欧州特許第1549995号明細書 特開2005−31172号公報 特開2008−8951号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、高コントラストであり、応答速度が速く、耐久性が高く、構造色による多色表示が可能である表示素子を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、微粒子として屈折率が1.65以上のポリマー微粒子を用いることで、構造色による多色表示が可能で、コントラストが良好である表示素子が得られることを確認し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の上記目的は以下の構成により達成できる。
1.屈折率nが1.65〜2.00のポリマー微粒子が配列したフォトニック結晶及び外部刺激に応答する材料を含有することを特徴とする表示素子。
2.前記ポリマー微粒子の屈折率nが1.70〜1.90であることを特徴とする前記1に記載の表示素子。
3.前記ポリマー微粒子に無機ナノ粒子が内包されていることを特徴とする前記1又は2に記載の表示素子。
4.前記無機ナノ粒子の屈折率nが1.90〜2.8であることを特徴とする前記3に記載の表示素子。
5.前記無機ナノ粒子が酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛であることを特徴とする前記3又は4に記載の表示素子。
本発明の上記手段により、高コントラストであり、応答速度が速く、構造色による多色表示が可能である表示素子を提供することができた。
表示素子の断面図
以下、本発明の詳細について説明する。
(フォトニック結晶)
一般的にフォトニック結晶とは、光の波長と同程度のディメンション(格子を形成する粒子間距離:例えば可視光線の場合にはサブミクロンオーダー)で屈折率が周期的に変化する物質の内部において、ある特定波長の光が屈折、回折等により存在しなくなるという禁制波長の出現を利用するものであり、このような禁制波長の出現がちょうど半導体結晶における電子遷移禁制帯の形成と類似であることから命名された術語である。
フォトニック結晶に連続波長の光が照射され、禁制波長以外の波長の光が反射される。この反射された光の波長を選択反射波長という。
前記フォトニック結晶は、微粒子が媒体中で格子状に配列した3次元周期構造体であり、この3次元周期構造体はコロイド結晶とも呼ばれている。コロイド結晶の方式には隣接する粒子と接触して配列している最密充填型と、静電反発やポリマーの体積排除効果などを利用して隣接している粒子が接触していない非最密充填型の2種類あり、本発明のフォトニック結晶としてはどちらの方式を用いても良い。
このコロイド結晶は、格子定数が可視光又はその周辺の紫外光や赤外光の波長と同程度である場合、これらの光をBragg回折する。この現象を利用して、コロイド結晶を特定の波長の光を透過しない光フィルターや特定の波長の光を反射するミラー、電子ペーパーなどの応用が考えられている。
(フォトニック結晶の作製方法)
前記フォトニック結晶の作成は公知の方法を用いることができ、例えば、最密充填タイプのフォトニック結晶は、重力により積み上げていく方法や液体中で電界の力を利用する方法、微粒子表面間の斥力によって規則的な構造を形成していく方法等が知られている。このような方法で微粒子の周期構造体を形成した後に紫外線硬化樹脂を流し込んで周期構造体を固定化する方法や、チオールとC=C二重結合の反応を利用して固定化する方法もある。
また非最密充填タイプのフォトニック結晶は、例えば、イオン解離性基を表面に含んだ粒子を誘電率の高い溶媒に分散すると粒子同士が反発して粒子間に間隙のある構造体を作ることができ、これにポリマーとゲル化剤を添加して固定化することもできる。
前記表示素子としてはフォトニック結晶を固定化していても、固定化されていなくても良いが、波長制御、耐久性、素子作成の容易性の観点からフォトニック結晶をポリマーやゲルによって固定化することが好ましい。
(ポリマー微粒子)
前記ポリマー微粒子の屈折率nは1.65〜2.00であり、1.70〜1.90が好ましい。nが1.65以上の場合、外部刺激に応答する材料との屈折率の差が、良好な画像を得る光を反射するために、十分な大きさになり、コントラストがより高く、ディスプレイとしてさらに色調の良いものとなる。
またnが2.00を超えると、ポリマー微粒子が配列する前に沈降してしまい、格子欠陥が出来やすかったが、nが2.00以下の場合、フォトニック結晶の構造に欠陥を生じにくくなりコントラストが向上する。nが1.70〜1.90の場合はさらにこれらの性能が向上する。
前記ポリマー微粒子としてはnが1.65〜2.00のポリマー微粒子であれば特に制限が無く用いることができる。nが1.65〜2.00のポリマーとしては、ポリオキシカルボニロキシ−1,4−フェニレンジフェニル、(メチレン−1,4−フェニレン)ポリビニルフェニルスルフィド、ブチルフェノールフォルムアルデヒド樹脂、ウレア−チオウレア−フォルムアルデヒド樹脂、ポリビニルナフタレン、ポリビニルカルバゾール、ナフタレン−フォルムアルデヒド樹脂、フェノール−フォルムアルデヒド樹脂、ポリペンタブロモフェニルメタクリレート等があげられる。
前記ポリマー微粒子は無機ナノ粒子を内包することが、ポリマー微粒子の屈折率を高く出来る点で好ましい。
無機ナノ粒子としては例えば、酸化チタンや酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化アンチモン、酸化セレン、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化イットリウム、CdO、PbO、HfO、Sb等の酸化物ナノ粒子;チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムなどのチタン酸塩類;CdS、CdSe、ZnSe、CdTe、ZnS、HgS、HgSe、PdS、SbSe等の硫化物、セレン化物、テルル化物ナノ粒子等が挙げられる。これらを1種類、または2種以上を混合して用いることが出来る。また、1種類の粒子に他の物質を被覆した、いわゆるコアーシェル型ナノ粒子を使用することも出来る。
本発明に用いる無機ナノ粒子の屈折率nは、コントラストの観点から1.90〜2.80が好ましい。nが1.90以上の無機ナノ粒子を内包することで少量の添加によりコントラストが大きく向上する。また、nが2.80以下であれば無色の無機ナノ粒子を容易に入手することが出来る。
無機ナノ粒子の透明性、屈折率の観点から、これらの無機ナノ粒子の中で、好ましいものは、金属酸化物であり、特に好ましくは酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸塩類、酸化アルミニウムである。
本発明に用いる無機ナノ粒子はそれぞれの化合物について種々製造法があるが、たとえば、TiOの場合、ジャーナル・オブ・ケミカルエンジニアリング・オブ・ジャパン第1巻1号21〜28頁(1998年)に、ZnSの場合は、ジャーナル・オブ・フィジカルケミストリー第100巻468〜471頁(1996年)に記載された公知の方法を用いることができる。
例えば、これらの方法に従えば、平均粒子直径5nmの酸化チタンは、Ti(OiPr)やTiClを原料として適当な溶媒中で加水分解させることにより容易に製造することができる。また平均粒子直径40nmの硫化亜鉛はZn(CHや過塩素酸亜鉛を原料とし硫化水素あるいは硫化ナトリウムなどで硫化することにより製造することができる。
また、酸化チタンとしては、石原産業株式会社からTTO−51(A)、TTO−51(C)、TT0−55(A)、TT0−55(B)、TT0−55(C)、TT0−55(D)が市販されており、酸化亜鉛としては、住友大阪セメント株式会社からZnO−310、ZnO−350が市販されている。
本発明では、平均粒子直径が1〜100nmの無機ナノ粒子を使用することが出来る。粒径を100nm以下に抑えることにより、透明性の優れた無機ナノ粒子を調整することが出来る。無機ナノ粒子の粒径としては100nm以下、好ましくは50nm以下、より好ましくは30nm以下である。
前記ポリマー微粒子に内包される無機ナノ粒子の含有量は特に制限はないが、粒子形状制御と反射率、フォトニック結晶形成の容易性から1〜50質量%が好ましく、10〜40質量%がさらに好ましく、20〜30質量%が特に好ましい。
前記ポリマー微粒子中に無機ナノ粒子を導入する方法としては特開2008−122468号公報の方法を参考にして合成することができる。
前記ポリマー微粒子は、屈折率が1.65以上であれば良いので、高屈折率の無機ナノ粒子を内包する場合は屈折率が1.65以下のポリマーで内包しても良い。高屈折率の無機ナノ粒子を内包する場合のポリマーとしてはアクリル系ポリマー、スチレン系ポリマー、ビニル系ポリマー、ポリエステル、などが挙げられる。ポリマー微粒子を得るためのモノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレンあるいはスチレンスチレン誘導体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル誘導体;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類;プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類;ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸またはメタクリル酸誘導体などのビニル系単量体を挙げることができる。これらモノマーは2種類以上の共重合体、ブロック重合体となっても良い。
重合開始剤としては、一般的に使用される油溶性のアゾ系開始剤、又は過酸化物系開始剤を使用できる。具体的には、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2,3−ジメチルブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2,3,3−トリメチルブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2−イソプロピルブチロニトリル等のアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキシド、オクタノイルパーオキシド、メチルエチルパーオキシド等の過酸化物系開始剤が挙げられる。重合開始剤は、重合性モノマーに対して、0.1から10質量%が好ましい。
前記ポリマー微粒子は、シリカ粒子などの無機粒子表面にポリマーをグラフト化することで得ることも可能である。
前記ポリマー微粒子の作成方法としては、ミクロゲル法、乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、シード乳化重合法、二段階膨潤法、分散重合法、懸濁重合法等、種々の公知の方法によって調製することが可能である。
例えば、ソープフリー乳化重合では、通常、用いる重合開始剤として、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩が重合時に水性媒体に可溶であればよい。通常、重合単量体100質量部に対して、重合開始剤を0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜2質量部の範囲で添加すればよい。
乳化重合法の場合では、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルエーテル等の乳化剤を重合単量体100質量部に対して、通常、0.01〜5質量部、好ましくは0.1〜2質量部で水性媒体に混合させて乳化状態にし、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩の重合開始剤を、重合単量体100質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜2質量部で添加すればよい。
分散重合の場合では、非極性溶媒中に重合性モノマー50〜100質量部、マクロモノマー5〜10質量部、重合開始剤0.5〜1部を溶解して重合すればよい。
前記ポリマー微粒子の粒径は分散性、反射波長制御の観点から50nm〜1000nmが好ましく、70nm〜800nmがさらに好ましく、90nm〜500nmが特に好ましい。
前記ポリマー微粒子の粒径分布はフォトニック結晶の形成、反射波形や強度の観点から粒度分布が狭く、単分散な微粒子であることが好ましい。具体的には、下記の式で表されるCv値が10%以下となることが好ましく、5%以下がさらに好ましい。
Cv値=(体積基準粒度分布における標準偏差)/(体積基準メジアン径)×100。
体積基準粒度分布:横軸が粒子径、縦軸が該粒子径の粒子体積の和として表した分布
体積基準メジアン径:体積基準粒度分布の最小粒子径から積分した体積が全粒子の体積の50%になる粒子径。
なお粒子径を測定する方法としては、市販の粒子径測定装置を用いることができるが、島津ナノ粒子径分布測定装置 SALD7100が好適に用いられる。
(選択反射波長を外部刺激に応じて制御)
前記フォトニック結晶のポリマー微粒子の間隔は、ポリマー粒子表面のイオン解離性基やポリマー微粒子の周囲を埋める材料が外部刺激に応答することにより、変化させることが出来る。これにより、Bragg回折の波長を制御することが出来る。
本発明の表示素子は、該ポリマー微粒子の周囲を埋める材料が、外部刺激に応答する材料であることが好ましい。
(外部刺激に応答する材料)
外部刺激に応答する材料とはポリマー骨格中に電気、温度、磁気、光などの刺激に応答してそのポリマー形状、電子状態、分子構造などが変化する物質のことを言い、本発明においてはフォトニック結晶を固定化する物質として用いられ、刺激応答性の高分子ゲルが好ましい。
該刺激応答性の高分子ゲルは、外部刺激手段によって、可逆的に膨潤/収縮してその体積が変化するポリマーであっても良いし、密度、屈折率が変化するポリマーでも良い。
該刺激応答性の高分子ゲルの各種の例を以下に述べる。酸化還元反応により帯電状態(価数)が変化する基を有する化合物として、例えば、特許文献1に記載されているビニル基を有するポリフェロセニルシラン誘導体などが使用できる。
また、刺激応答性の高分子ゲルは、酸化還元反応により帯電状態が変化する基を有する高分子の架橋体と、温度によって溶解度が変化する高分子の架橋体とが、相互侵入網目構造となって多孔質材を形成する化合物からなることが好ましい。
酸化還元反応により帯電状態が変化する基を有する高分子の架橋体としては、ポリビニル置換フェロセン誘導体の架橋体が挙げられ、温度によって溶解度が変化する高分子化合物としては、ポリビニル置換ニコチン酸アミド誘導体の架橋体、ポリN−イソプロピルアクリルアミド等のポリN−アルキル置換(メタ)アクリルアミドの架橋体などが挙げられ、外部刺激に応答する材料としてこれらからなる相互侵入網目構造体が使用できる。
なお、上記で挙げた各具体的な材料は一例であって、その種の材料であれば使用できることは勿論である。さらに、上記各種材料を組み合わせた高分子ゲルが使用できる。
刺激応答性の高分子ゲルを用いる場合は電解液を用いてゲルを作成することが好ましい。
(表示素子)
本発明の表示素子の一例を図1に示す。図1は表示素子の断面図である。図1において表示素子は、透明の薄膜であるフィルムやガラスなどからなる2枚の基板1上にそれぞれ透明電極2を有し、その間に、ほぼ同一径の球状のポリマー微粒子3が隣同士と接触するように規則的に配列し、該ポリマー微粒子の間隙を刺激応答性の高分子ゲル4が埋める形の周期構造体であるフォトニック結晶を形成する。
また、前記表示素子は刺激応答性の高分子ゲルにイオンを供給するために、電解液5を有することが好ましい。
屈折率がその高分子ゲルと異なるポリマー微粒子を周期的に配列させることにより、表示素子は、フォトニック結晶としての周期構造体を形成するものである。
図1に示すように、複数個の微粒子を規則配列することにより、互いに等間隔の格子面間隔dを形成する。格子面間隔dは微粒子の径Dと、d=√2D/√3の関係にある。この時、構成単位の微粒子を格子面間隔dである周期dで平行に配置配列したフォトニック結晶構造をなす周期構造体からなる表示素子は、光回折干渉により波長λの可視光をブラッグ反射し発色する。また、この反射光を除いた可視光が透過して色づく。
外部刺激手段である電圧Vを2枚の基板の各内面に設けた電極間に印加して、酸化/還元反応により、刺激応答性の高分子ゲルを膨潤させてその粒子間隔(周期構造)を大きくし、周期構造体の構成単位の大きさを変化させる。それと同時に、フォトニック結晶の構成単位の屈折率も変化する。このように、フォトニック結晶の粒子間隔と屈折率を変化させることにより、表示色を変化させることができる。また、逆極性の電圧を電極間に印加することにより、刺激応答性高分子ゲルは収縮し、可逆的に表示色を変化させることができる。上記のように、格子面間隔dを周期として可視光範囲に対応させてその周期を変化させることにより、反射波長λを可視光範囲で可逆的に変化させることが可能になる。電圧Vを対応させて調整変化させることにより波長λを可視光の波長範囲で表示色を赤、緑、青に変化させることができる。
(基板)
前記基板としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリカーボネート類、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンジナフタレンジカルボキシラート、ポリエチレンナフタレート類、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアセタール類、ポリスチレン等の合成プラスチックフィルムも好ましく使用できる。また、シンジオタクチック構造ポリスチレン類も好ましい。これらは、例えば、特開昭62−117708号、特開平1−46912、同1−178505号の各公報に記載されている方法により得ることができる。
更に、ステンレス等の金属製基盤や、バライタ紙、及びレジンコート紙等の紙支持体ならびに上記プラスチックフィルムに反射層を設けた支持体、特開昭62−253195号(29〜31頁)に支持体として記載されたものが挙げられる。RDNo.17643の28頁、同No.18716の647頁右欄から648頁左欄及び同No.307105の879頁に記載されたものも好ましく使用できる。これらの支持体には、米国特許第4,141,735号のようにTg以下の熱処理を施すことで、巻き癖をつきにくくしたものを用いることができる。
また、これらの支持体表面を支持体と他の構成層との接着の向上を目的に表面処理を行っても良い。本発明では、グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理を表面処理として用いることができる。更に公知技術第5号(1991年3月22日アズテック有限会社発行)の44〜149頁に記載の支持体を用いることもできる。更にRDNo.308119の1009頁やプロダクト・ライセシング・インデックス、第92巻P108の「Supports」の項に記載されているものが挙げられる。
その他に、ガラス基板や、ガラスを練りこんだエポキシ樹脂を用いることができる。
〔電極〕
前記表示素子においては、公知の電極を使用することができるが、対向電極の少なくとも1種が透明電極であることが好ましい。透明電極としては、透明で電気を通じるものであれば特に制限はない。例えば、Indium Tin Oxide(ITO:インジウム錫酸化物)、Indium Zinc Oxide(IZO:インジウム亜鉛酸化物)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化インジウム、酸化亜鉛、白金、金、銀、ロジウム、銅、クロム、炭素、アルミニウム、シリコン、アモルファスシリコン、BSO(Bismuth Silicon Oxide)等が挙げられる。電極をこのように形成するには、例えば、基板上にITO膜をスパッタリング法等でマスク蒸着するか、ITO膜を全面形成した後、フォトリソグラフィ法でパターニングすればよい。表面抵抗値としては、100Ω/□以下が好ましく、10Ω/□以下がより好ましい。透明電極の厚みは特に制限はないが、0.1〜20μmであるのが一般的である。
〔表示素子のその他の構成要素〕
前記表示素子には、必要に応じて、シール剤、柱状構造物、スペーサー粒子を用いることができる。
前記シール剤は外に漏れないように封入するためのものであり封止剤とも呼ばれ、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エン−チオール系樹脂、シリコーン系樹脂、変性ポリマー樹脂等の、熱硬化型、光硬化型、湿気硬化型、嫌気硬化型等の硬化タイプを用いることができる。
前記柱状構造物は、基板間の強い自己保持性(強度)を付与し、例えば、格子配列等の所定のパターンに一定の間隔で配列された、円柱状体、四角柱状体、楕円柱状体、台形柱状体等の柱状構造物を挙げることができる。また、所定間隔で配置されたストライプ状のものでもよい。この柱状構造物はランダムな配列ではなく、等間隔な配列、間隔が徐々に変化する配列、所定の配置パターンが一定の周期で繰り返される配列等、基板の間隔を適切に保持でき、且つ、画像表示を妨げないように考慮された配列であることが好ましい。
前記柱状構造物は表示素子の表示領域に占める面積の割合が1〜40%であれば、表示素子として実用上十分な強度が得られる。
一対の前記基板間には、該基板間のギャップを均一に保持するためのスペーサーが設けられていてもよい。このスペーサーとしては、樹脂製または無機酸化物製の球体を例示できる。また、表面に熱可塑性の樹脂がコーティングしてある固着スペーサーも好適に用いられる。基板間のギャップを均一に保持するために柱状構造物のみを設けてもよいが、スペーサー及び柱状構造物をいずれも設けてもよいし、柱状構造物に代えて、スペーサーのみをスペース保持部材として使用してもよい。スペーサーの直径は柱状構造物を形成する場合はその高さ以下、好ましくは当該高さに等しい。柱状構造物を形成しない場合はスペーサーの直径がセルギャップの厚みに相当する。
〔電解質〕
本発明の表示素子において、電解液には、以下の電解質を電解液中に含むことができる。カリウム化合物としてKCl、KI、KBr等、リチウム化合物としてLiBF、LiClO、LiPF、LiCFSO等、テトラアルキルアンモニウム化合物として過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、ホウフッ化テトラエチルアンモニウム、ホウフッ化テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムハライド等が挙げられる。また、特開2003−187881号公報の段落番号〔0062〕〜〔0081〕に記載の溶融塩電解質組成物も好ましく用いることができる。さらに、I/I 、Br/Br 、キノン/ハイドロキノン等の酸化還元対になる化合物を用いることができる。
[電解液溶媒]
溶媒としては、一般に電気化学セルや電池に用いられ、電気化学的な酸化還元反応により可逆的に溶解析出する金属塩化合物、プロモーター等各種添加剤を溶解できる溶媒であればいずれも使用することができる。
具体的には、無水酢酸、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ブチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、アセトニトリル、アセチルアセトン、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、ジメトキシエタン、ジエトキシフラン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、プロピオニトリル、ブチロニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、メチルピロリジノン、2−(N−メチル)−2−ピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、エチルジメチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリヘプチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリノニルホスフェート、トリデシルホスフェート、トリス(トリフフロロメチル)ホスフェート、トリス(ペンタフロロエチル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、2−エチルヘキシルホスフェート、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホルトリアミド、4−メチル−2−ペンタノン、ジオクチルフタレート、ジオクチルセバケート、及びエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等のポリエチレングリコール類などが使用可能である。
さらに、常温溶融塩も溶媒として使用可能である。前記常温溶融塩とは、溶媒成分が含まれないイオン対のみからなる常温において溶融している(即ち液状の)イオン対からなる塩であり、通常、融点が20℃以下であり、20℃を越える温度で液状であるイオン対からなる塩を示す。常温溶融塩はその1種を単独で使用することができ、また2種以上を混合しても使用することもできる。
本発明に用いる電解液溶媒としては、非プロトン性極性溶媒が好ましく、特にプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジオキソラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェートが好ましい。溶媒はその1種を単独で使用しても良いし、また2種以上を混合して使用しても良い。
コントラストの観点から、電解液溶媒と透明電極の屈折率差の絶対値は0.05以内であることが好ましく、0.03以内であることがさらに好ましく、0.01以内であることが最も好ましい。
(光吸収層)
本発明の表示素子は、フォトニック結晶の構造体の下層に透過光を吸収することのできる光吸収層を設けることが好ましい。光吸収層としてはカーボンブラックを含有した樹脂基板などを用いることができる。これによりフォトニック結晶を透過した光が吸収されるのでコントラストが良好となる。
<ポリマー微粒子1の合成>
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器にイソパラフィン系炭化水素(エクソン化学社製、Isopar G)100部に2−ビニルナフタレン(新日鐵化学株式会社製)15部、シリコーンマクロマー(チッソ株式会社製、サイラプレーンFM0721)0.8部、アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業株式会社製)0.15部を溶解し、220rpmで攪拌しながら75℃に加熱した。この温度で20時間撹拌し反応を終了したところ、白色微粒子が得られた。
<ポリマー微粒子2の合成>
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器にイソパラフィン系炭化水素(エクソン化学社製、Isopar G)100部にペンタブロモフェニルメタクリレート12部、シリコーンマクロマー(チッソ株式会社製、サイラプレーンFM0721)0.8部、アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業株式会社製)0.13部を溶解し、220rpmで攪拌しながら85℃に加熱した。この温度で20時間撹拌し反応を終了したところ、白色微粒子が得られた。
<ポリマー微粒子3の合成>
(1.分散剤の作製)
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器にメタクリロキシプロピル変性シリコーン(チッソ株式会社製、サイラプレーンFM−0721)12質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(東京化成工業株式会社製)5.5質量部、重合開始剤であるアゾビスジメチルバレロニトリル0.13質量部をシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、KF−96L 1cs)170質量部に溶解した溶液を収容し、窒素雰囲気下で65℃で5.5時間加熱した。反応終了後シリコーンオイルを蒸発させて除去し、均一で透明な樹脂を得た。
(2.酸化チタンの分散及び反応性基の付与)
次に、撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器内に前記分散剤0.8質量部、酸化チタン(石原産業株式会社製、TTO−55(A))12質量部、シリコーンオイル80質量部を合わせて氷冷しながらホモジナイザーで1時間超音波照射し、酸化チタンを分散した。終了後4−ビニルベンジルクロリド0.2質量部を加えて45℃で3時間加熱して酸化チタンに吸着した分散剤の余剰のアミノ基をビニル基に変性した。
(3.ポリマー微粒子の作製)
続いて上記に2−ビニルナフタレン34質量部、マクロマーであるメタクリロキシプロピル変性シリコーン(チッソ株式会社製、サイラプレーンFM−0721)25質量部、及び重合開始剤である過酸化ラウロイル7質量部を加え、75℃で10時間反応させた。反応終了後固体成分のみを回収、乾燥することにより白色の酸化チタン−樹脂複合粒子を作製した。
<ポリマー微粒子4の合成>
(1.分散剤の作製)
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器にメタクリロキシプロピル変性シリコーン(チッソ株式会社製、サイラプレーンFM−0721)11質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(東京化成工業株式会社製)5.5質量部、重合開始剤であるアゾビスジメチルバレロニトリル0.15質量部をシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、KF−96L 1cs)170質量部に溶解した溶液を収容し、窒素雰囲気下で60℃、5.5時間加熱した。反応終了後シリコーンオイルを蒸発させて除去し、均一で透明な樹脂を得た。
(2.酸化亜鉛の分散及び反応性基の付与)
次に、撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器内に前記分散剤0.8質量部、酸化亜鉛(住友大阪セメント株式会社製、ZnO−310)12質量部、シリコーンオイル80質量部を合わせて氷冷しながらホモジナイザーで1時間超音波照射し、酸化チタンを分散した。終了後4−ビニルベンジルクロリド0.2質量部を加えて45℃で3時間加熱して酸化チタンに吸着した分散剤の余剰のアミノ基をビニル基に変性した。
(3.ポリマー微粒子の作製)
続いて上記に2−ビニルナフタレン35質量部、マクロマーであるメタクリロキシプロピル変性シリコーン(チッソ株式会社製、サイラプレーンFM−0721)22質量部、及び重合開始剤である過酸化ラウロイル6.3質量部を加え、75℃で10時間反応させた。反応終了後固体成分のみを回収、乾燥することにより白色の酸化亜鉛−樹脂複合粒子を作製した。
<ポリマー微粒子5の合成>
(1.分散剤の作製)
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器にメタクリロキシプロピル変性シリコーン(チッソ株式会社製、サイラプレーンFM−0721)13質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(東京化成工業株式会社製)5質量部、重合開始剤であるアゾビスジメチルバレロニトリル0.13質量部をシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、KF−96L 1cs)160質量部に溶解した溶液を収容し、窒素雰囲気下で65℃で6時間加熱した。反応終了後シリコーンオイルを蒸発させて除去し、均一で透明な樹脂を得た。
(2.酸化チタンの分散及び反応性基の付与)
次に、撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器内に前記分散剤0.9質量部、酸化チタン(石原産業株式会社製、TTO−55(A))12質量部、シリコーンオイル80質量部を合わせて氷冷しながらホモジナイザーで1時間超音波照射し、酸化チタンを分散した。終了後4−ビニルベンジルクロリド0.2質量部を加えて45℃で3時間加熱して酸化チタンに吸着した分散剤の余剰のアミノ基をビニル基に変性した。
(3.ポリマー微粒子の作製)
続いて上記にスチレン37質量部、マクロマーであるメタクリロキシプロピル変性シリコーン(チッソ株式会社製、サイラプレーンFM−0721)22質量部、及び重合開始剤である過酸化ラウロイル6.5質量部を加え、75℃で10時間反応させた。反応終了後固体成分のみを回収、乾燥することにより白色の酸化チタン−樹脂複合粒子を作製した。
<ポリマー微粒子6〜8の合成>
(3.ポリマー微粒子の作製)工程におけるモノマーをスチレンの代わりに、表1に記載の通り、メタクリル酸メチル、フェニルメタクリレート、1−ビニル−2−ピロリドンに変更した以外は、ポリマー微粒子3の合成と同様の方法でポリマー微粒子を合成した。
<ポリマー微粒子9の合成>
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器にイソパラフィン系炭化水素(エクソン化学社製、Isopar G)100部に2−ビニルナフタレン(新日鐵化学株式会社製)13部、シリコーンマクロマー(チッソ株式会社製、サイラプレーンFM0721)0.2部、アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業株式会社製)0.15部を溶解し、200rpmで攪拌しながら65℃に加熱した。この温度で20時間撹拌し反応を終了したところ、白色微粒子が得られた。
<ポリマー微粒子10の合成>
(1.分散剤の作製)
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器にメタクリロキシプロピル変性シリコーン(チッソ株式会社製、サイラプレーンFM−0721)12質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(東京化成工業株式会社製)5.5質量部、重合開始剤であるアゾビスジメチルバレロニトリル0.13質量部をシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、KF−96L 1cs)170質量部に溶解した溶液を収容し、窒素雰囲気下で65℃で5.5時間加熱した。反応終了後シリコーンオイルを蒸発させて除去し、均一で透明な樹脂を得た。
(2.酸化チタンの分散及び反応性基の付与)
次に、撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器内に前記分散剤0.8質量部、酸化チタン(石原産業株式会社製、TTO−55(A))12質量部、シリコーンオイル80質量部を合わせて氷冷しながらホモジナイザーで1時間超音波照射し、酸化チタンを分散した。終了後4−ビニルベンジルクロリド0.2質量部を加えて45℃で3時間加熱して酸化チタンに吸着した分散剤の余剰のアミノ基をビニル基に変性した。
(3.ポリマー微粒子の作製)
続いて上記に2−ビニルナフタレン28質量部、マクロマーであるメタクリロキシプロピル変性シリコーン(チッソ株式会社製、サイラプレーンFM−0721)8質量部、及び重合開始剤である過酸化ラウロイル4質量部を加え、70℃で3時間、75℃で8時間反応させた。反応終了後固体成分のみを回収、乾燥することにより白色の酸化チタン−樹脂複合粒子を作製した。
<ポリマー微粒子11の合成>
(1.分散剤の作製)
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器にメタクリロキシプロピル変性シリコーン(チッソ株式会社製、サイラプレーンFM−0721)12質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(東京化成)5.1質量部、重合開始剤であるアゾビスジメチルバレロニトリル0.13質量部をシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、KF−96L 1cs)170質量部に溶解した溶液を収容し、窒素雰囲気下で65℃、5.5時間加熱した。反応終了後シリコーンオイルを蒸発させて除去し、均一で透明な樹脂を得た。
(2.分散剤への反応性基の付与)
次に、撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器内に前記分散剤0.8質量部、酸化チタン(石原産業株式会社製、TTO−55(A))25質量部、シリコーンオイル75質量部を合わせて氷冷しながらホモジナイザーで1時間超音波照射し、酸化チタンを分散した。終了後4−ビニルベンジルクロリド0.2質量部を加えて45℃で3時間加熱して酸化チタンに吸着した分散剤の余剰のアミノ基をビニル基に変性した。
(3.粒子の作製)
続いて上記に2−ビニルナフタレン45質量部、マクロマーであるメタクリロキシプロピル変性シリコーン(チッソ株式会社製、サイラプレーンFM−0721)8質量部、及び重合開始剤である過酸化ラウロイル3.5質量部を加え、70℃で10時間反応させた。反応終了後固体成分のみを回収、乾燥することにより白色の酸化チタン−樹脂複合粒子を作製した。
<表示素子1の作製>
ガラス板上に設けられた透明電極上に、ポリマー微粒子1の水分散体を用いて、基板引き上げ法により、ポリマー微粒子1の膜を形成した。
次に乾燥ベンゼン200質量部に10質量部の下記化合物1と90質量部の下記化合物2を溶解した濃厚溶液を上記ポリマー微粒子1の膜に滴下し、溶媒を真空中で除去し、積層体を作製した。該積層体及び研磨したポリテトラフルオロエチレン(PTFE;Teflon(登録商標))を、該積層体のポリマー微粒子膜がPTFEの研磨面と向き合うように重ね、結合クリップで互いに結合し、該積層体を加熱し、前記化合物1と前記化合物2を重合した(190℃、13時間、N2下)。重合終了後にこれらを注意深く分離し、コロイド状結晶基板を得た。これをTHFに一夜浸漬し、コロイド結晶状基板中に残存する未重合成分やオリゴマーを除去しゲル化積層体を作製した。
電解液として0.3MのLiPF/グルタロニトリルを用意した。前記ゲル化積層体と透明電極基板を重ねて、周囲をエポキシ系硬化樹脂を使用して貼り合わせた後、加熱押圧して空セルを形成した。次いで、この空セルに上述した電解液を真空注入し、注入口をエポキシ系紫外線硬化樹脂にて封止した。その後ゲル化積層体の裏側にカーボンブラックで黒色にしたPETフィルムを貼付した。このように表示素子1を作製した。
Figure 2011123238
化合物1及び化合物2はK.Temple,J.A.Massey,Z.Chen,N.Vaidya,A.Berenbaum,M.D.Foster,I.Manners,J.Inorg.Organomet.Poly.9,189(1999)及びM.J.MacLachlan,A.J.Lough,I.Manners,Macromolecules29,8562(1996)に記載の方法で合成した。
<表示素子2〜11の作製>
微粒子をポリマー微粒子2〜11に変更した以外は表示素子1と同様の方法で表示素子2〜11を作製した。
<表示素子12〜14の作製>
表1の通り、ポリマー微粒子をシリカ微粒子(扶桑化学工業株式会社製、PL−20)、ポリスチレン微粒子(モリテックス社製、5017B)、酸化チタン粒子(引用文献3の実施例<微粒子(P−1)の作製>に記載の方法で得られた酸化チタン微粒子)に変更した以外は表示素子1と同様の方法で表示素子12〜14を作製した。
<表示素子15(特許文献2に相当)の作製>
ビニルナフタレンをビニルフェロセンに変更した以外はポリマー微粒子1と同様の方法でポリマー微粒子12を作成した。
ガラス板上に設けられた透明電極上に、ポリマー微粒子12の水分散体を用いて、基板引き上げ法により、ポリマー微粒子12の膜を形成した。これを鋳型として、γ−ブチロラクトンに末端をアクリル化したポリエチレンオキサイドとLiPFを加えた溶液を滴下し、電子線照射することで架橋反応を起こしゲル化することでフォトニック結晶を固定化しゲル化積層体を作製した。
作成した該ゲル化積層体と透明電極基板を重ねて、周囲をエポキシ系硬化樹脂を使用して貼り合わせた後、加熱押圧して空セルを形成した。次いで、この空セルに0.3MのLiPF/γ−ブチロラクトンからなる電解質液を真空注入し、注入口をエポキシ系紫外線硬化樹脂にて封止した。その後ゲル化積層体の裏側にカーボンブラックで黒色にしたPETフィルムを貼付した。このように表示素子15を作成した。
(評価)
(粒径及び粒径分布の測定)
粒径の測定はSEM(日本電子、JSM−7500F)で行い、数平均粒径を求め、粒径とした。
粒径分布の評価はUPA−ST150(マイクロトラック社製)で測定したCv値で行った。
(屈折率の測定)
アッベ屈折計(アタゴ(株)製Type−4)により屈折率を測定した。
(コントラストの評価)
上記で作製した各表示素子に電圧を走引した。このとき最大の反射率となる波長が450nmになったところで電源を切り、表示素子の任意の1箇所の分光反射率をコニカミノルタセンシング社製の分光測色計CM−3700dで測定し、450nmのコントラストを下記の式から算出した。
450nmのコントラスト=450nmの反射率/分光反射率のベースラインの反射率
コントラストが10以上を◎、7〜9を○、4〜6を△、3以下を×とした。
同様に550nmと630nmでのコントラストも測定した。
(繰り返し耐久性)
上記で作製した各表示素子に1.0Vの電圧を10秒印加した。このときの表示素子の任意の1箇所の最大の反射率となる波長をコニカミノルタセンシング社製の分光測色計CM−3700dで測定した。その後−1.0Vの電圧を10秒印加した後に再び1.0Vの電圧を10秒印加した。これを1000回繰り返したときに最大の反射率となる波長の変化が±5nm以内を○、±10nm以内を△、±10nm以上を×とした。
(速度の評価)
上記で作製した各表示素子に1.5Vの電圧を印加した。このとき最大の反射率となる波長が500nmになったところで電源を切り、電圧印加開始からの時間を測定して評価した。時間が5秒以内を◎、6〜10秒以内を○、11〜20秒以内を△、30秒以上を×とした。
以上の評価結果を表1に示した。
Figure 2011123238
表1の結果より、本発明の表示素子はコントラストが高く、繰り返し耐性が良好で切り替え速度も良好な表示素子であることが明らかになった。
1 基板
2 透明電極
3 ポリマー微粒子
4 刺激応答性の高分子ゲル
5 電解液
6 光吸収層

Claims (5)

  1. 屈折率nが1.65〜2.00のポリマー微粒子が配列したフォトニック結晶及び外部刺激に応答する材料を含有することを特徴とする表示素子。
  2. 前記ポリマー微粒子の屈折率nが1.70〜1.90であることを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
  3. 前記ポリマー微粒子に無機ナノ粒子が内包されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示素子。
  4. 前記無機ナノ粒子の屈折率nが1.90〜2.8であることを特徴とする請求項3に記載の表示素子。
  5. 前記無機ナノ粒子が酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛であることを特徴とする請求項3又は4に記載の表示素子。
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