JP2011123232A - プロジェクター - Google Patents

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Abstract

【課題】光学部品が少ない部品点数で精度良く配置されたプロジェクターを提供する。
【解決手段】プロジェクターは、光束の光軸方向、および光軸方向に対して直交する2方向に第2レンズアレイ322を位置決めする基準面を有する光学部品用筐体6と、一体的に形成され、光軸方向、および光軸方向に対して直交する2方向に第2レンズアレイ322を付勢して第2レンズアレイ322を基準面に位置付ける付勢部材7と、を備え、付勢部材7は、第2レンズアレイ322の一方の端部側に配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像光を投写するプロジェクターに関する。
従来、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成し、この画像光を投写するプロジェクターが知られている。プロジェクターは、企業内でのプレゼンテーションや、家庭内での映画鑑賞等の種々の用途に用いられている。そして、投写される画像光の画質を向上させるために、プロジェクター内部に備えられた光学部品を精度良く配置する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のプロジェクターは、第1および第2レンズアレイ等の光学部品、光学部品用筐体(ライトガイド)、および付勢部材を備えている。第1および第2レンズアレイは、光源から射出された光束を略均一な光束に調整するために設けられている。光学部品用筐体には、第1および第2レンズアレイをそれぞれ位置決めする基準面が設けられている。基準面は、光束の光軸方向、および光軸方向に対して直交する2方向の計3方向に設けられている。付勢部材は、板バネ形状を有して形成され、第1および第2レンズアレイをそれぞれ基準面に位置付けるために、第1および第2レンズアレイに対してそれぞれ3個、計6個設けられている。そして、第1および第2レンズアレイは、付勢部材によって3方向にそれぞれ付勢されて基準面に位置決めされる。
特開2003−287814号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、1つの光学部品に対して付勢部材が3つ配置されるという構成で、部品点数が多く、製造工程が煩雑になるという課題がある。また、複数の付勢部材をそれぞれ位置するスペースが必要になるため、光学系の小型化が難しいという課題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係るプロジェクターは、光源、および前記光源から射出された光束の光路上に配置される光学部品を有し、前記光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成し、前記画像光を投写するプロジェクターであって、前記光束の光軸方向、および前記光軸方向に対して直交する2方向に前記光学部品を位置決めする基準面を有する光学部品用筐体と、一体的に形成され、前記光軸方向、および前記2方向に前記光学部品を付勢して前記光学部品を前記基準面に位置付ける付勢部材と、を備え、前記付勢部材は、前記光学部品の一方の端部側に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、光学部品は、一体的に形成された付勢部材によって光軸方向、および光軸方向に対して直交する2方向の計3方向に付勢されて光学部品用筐体の基準面に位置決めされる。よって、少ない部品点数で光学部品を光軸に対して精度良く配置することが可能となるので、製造工程の簡素化を図りつつ、良好な画質の画像光を投写するプロジェクターを提供することが可能となる。また、付勢部材は、光学部品の一方の端部側に配置されているので、一方の端部側および他方の端部側に配置される形状に比べ、小さなサイズでの形成が可能となる。これによって、付勢部材を形成する部材の省資源化、低コスト化やプロジェクターの軽量化が図れる。また、付勢部材を配置するスペースを小さく形成できるので、光学系の小型化ひいてはプロジェクターの小型化が図れる。
[適用例2]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記付勢部材は、前記光学部品用筐体に当接する第1当接部、前記一方の端部に当接する第2当接部、および前記端部と交差する交差端部に当接する第3当接部を有し、前記光学部品用筐体および前記光学部品に当接することで弾性変形する板バネ状に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、付勢部材は、板バネ状に形成され、第1当接部が光学部品用筐体に当接し、第2当接部および第3当接部が光学部品の互いに交差する端部に当接することで弾性変形する。これによって、第2当接部を光軸方向および光軸に直交する1方向に力が加わるように当接させ、第3当接部を光軸方向に直交する他の方向に力が加わるように当接させることが可能となる。よって、付勢部材は、光学部品を光軸方向および光軸方向に直交する2方向に付勢することが可能となる。また、付勢部材は、板バネ状になっているので、プレス加工や曲げ加工によって容易に形成することができ、低コスト化が図れる。
[適用例3]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記付勢部材は、前記光学部品を付勢することに伴う前記光学部品からの反力に抗して前記光学部品用筐体に係止される係止部を有していることが好ましい。
この構成によれば、付勢部材は、光学部品からの反力に抗して係止部が光学部品用筐体に係止される。これによって、付勢部材は、光学部品を付勢する状態を維持し、光学部品と共に光学部品用筐体に固定されることとなる。よって、他の部材を用いることなく、光学部品および付勢部材を光学部品用筐体に固定できるので、さらに少ない部品点数で光学部品を位置決めする構成が可能となる。また、付勢部材および光学部品用筐体以外の他の構成要素に付勢部材を固定するための機能や形状を盛り込むことが不要となるので、設計自由度の向上が図れる。
[適用例4]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記光学部品用筐体は、前記基準面が形成された支持溝を備え、前記支持溝は、前記光学部品の前記一方の端部に対向する他方の端部を前記基準面で支持することが好ましい。
この構成によれば、光学部品は、一方の端部が付勢部材によって付勢され、他方の端部が支持溝に形成された基準面に支持される。これによって、光学部品は、対向する両方の端部が固定されるので、安定して光学部品用筐体に位置決めされる。
本実施形態のプロジェクターの概略構成を示す模式図。 本実施形態の光学部品用筐体、第2レンズアレイ、および付勢部材を示す分解斜視図。 本実施形態の下部筐体、第2レンズアレイ、および付勢部材を示す平面図。 本実施形態の光学部品用筐体、第2レンズアレイ、および付勢部材を示す断面図。 本実施形態の付勢部材および第2レンズアレイを示す斜視図。 変形例の付勢部材を示す斜視図。
以下、本実施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照して説明する。
本実施形態のプロジェクターは、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成し、その画像光をスクリーン等に拡大投写する。
図1は、本実施形態のプロジェクターの概略構成を示す模式図である。
図1に示すように、プロジェクター1は、外装を構成する外装筐体2、制御部(図示省略)、光源装置31を有する光学ユニット3、および光源装置31や制御部に電力を供給する電源装置4等を備えている。なお、具体的な図示は省略したが、外装筐体2内には、プロジェクター1内部を冷却する冷却ファン等が配置されている。
制御部は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備え、コンピューターとして機能するものであり、プロジェクター1の動作の制御、例えば、画像の投写に関わる制御等を行う。
光学ユニット3は、制御部による制御の下、光源装置31から射出された光束を光学的に処理し、画像情報に応じた画像光を形成して投写する。
図1に示すように、光学ユニット3は、光源装置31に加え、照明光学装置32、色分離光学装置33、リレー光学装置34、電気光学装置35、投写光学装置としての投写レンズ36、これらの光学部品31〜36を光路上の所定位置に配置する光学部品用筐体6、および付勢部材7(図2参照)を備える。
光源装置31は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源311およびリフレクター312等を備える。そして、光源装置31は、光源311から射出された光束をリフレクター312によって射出方向を揃え、照明光学装置32に向けて射出する。
照明光学装置32は、第1レンズアレイ321、第2レンズアレイ322、偏光変換素子323、および重畳レンズ324を備える。
第1レンズアレイ321は、光軸Lの方向(光軸方向)から見て外形形状が略矩形に形成され、マトリックス状に配列された小レンズを有して構成されており、光源装置31から射出された光束を複数の部分光束に分割する。第2レンズアレイ322は、第1レンズアレイ321と略同様の構成を有しており、重畳レンズ324とともに、部分光束を後述する液晶パネル352の表面に略重畳させる。偏光変換素子323は、第2レンズアレイ322から射出されたランダム偏光光を液晶パネル352で利用可能な略1種類の偏光光に揃える機能を有する。
色分離光学装置33は、2枚のダイクロイックミラー331,332、および反射ミラー333を備え、照明光学装置32から射出された光束を赤色光(以下「R光」という)、緑色光(以下「G光」という)、青色光(以下「B光」という)の3色の色光に分離する機能を有する。
リレー光学装置34は、入射側レンズ341、リレーレンズ343、および反射ミラー342,344を備え、色分離光学装置33で分離されたR光をR光用の液晶パネル352Rまで導く機能を有する。なお、光学ユニット3は、リレー光学装置34がR光を導く構成としているが、これに限らず、例えば、B光を導く構成としてもよい。
電気光学装置35は、入射側偏光板351、光変調素子としての液晶パネル352、射出側偏光板353、色合成光学装置としてクロスダイクロイックプリズム354を備え、色分離光学装置33で分離された各色光を画像情報に応じて変調し、画像光を形成する。
入射側偏光板351は、3色の色光毎に備えられており、色分離光学装置33で分離された各色光のうち、偏光変換素子323で揃えられた偏光光を透過し、その偏光光と異なる偏光光を吸収して液晶パネル352に射出する。
液晶パネル352は、3色の色光毎に備えられており(R光用の液晶パネルを352R、G光用の液晶パネルを352G、B光用の液晶パネルを352Bとする)、入射側偏光板351から射出された偏光光束の偏光方向を変調する。
射出側偏光板353は、入射側偏光板351と略同様の機能を有し、液晶パネル352から射出された光束のうち一定方向の偏光光を透過し、その他の光束を吸収する。
クロスダイクロイックプリズム354は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。誘電体多層膜は、液晶パネル352R,352Bから射出され、射出側偏光板353を介して射出された色光を反射し、液晶パネル352Gから射出され、射出側偏光板353を介して射出された色光を透過する。このように、電気光学装置35は、各液晶パネル352にて変調された各色光をクロスダイクロイックプリズム354が合成して画像光を形成する。
投写レンズ36は、複数のレンズを組み合わせた組レンズとして構成され、電気光学装置35にて形成された画像光をスクリーン上に拡大投写する。
付勢部材7は、板バネとして機能するように形成され、第1レンズアレイ321および第2レンズアレイ322を付勢して光学部品用筐体6に押圧固定する。
ここで、第2レンズアレイ322の固定構造について詳細に説明する。
第2レンズアレイ322は、付勢部材7によって付勢され、光学部品用筐体6の後述する基準面に位置決めされる。
先ず、光学部品用筐体6について詳細に説明する。
図2は、光学部品用筐体6、第2レンズアレイ322、および付勢部材7を示す分解斜視図である。なお、図2は、光学部品用筐体6を構成する上部筐体を省略した図である。また、以下では、説明の便宜上、光源装置31から光束が射出される方向を+X方向、投写レンズ36から画像光が投写される方向を+Y方向、X方向およびY方向に直交し、図2の図面視における上を+Z方向として記載する。
光学部品用筐体6は、図2に示すように、X方向に長く延出して形成されており、+Z方向に開口部を有し、第1レンズアレイ321、第2レンズアレイ322等の光学部品を収納する下部筐体61と、この開口部を閉塞する上部筐体62(図4に上部筐体62の一部を示す)とを備えて構成されている。
下部筐体61は、BMC(Bulk Molding Compound)等の高耐熱材料で形成され、外装筐体2の底面に沿って配置される底面部611と、底面部611の端縁から起立する側面部612とを有し、断面視略U字状に形成されている。
下部筐体61の−X側端部には、光源装置31が着脱可能に取り付けられる光源取付部613が形成されている。下部筐体61の+X側端部近傍の+Y側の側面部612には、周囲より+Z方向に突出するレンズ取付部614が設けられている。投写レンズ36は、このレンズ取付部614に取り付けられる。
側面部612の内面には、Z方向に沿って窪み、光学部品を位置決めするための複数の溝が形成されている。
図3は、下部筐体61の一部、第2レンズアレイ322、および付勢部材7を+Z方向から見た平面図である。
図2、図3に示すように、下部筐体61には、光源取付部613の+X側近傍に第1レンズアレイ321が位置決めされる溝9が形成され、溝9の+X方向に第2レンズアレイ322が位置決めされる溝8が形成されている。
具体的に、溝8は、図2、図3に示すように、+Y側の側面部612に形成された案内溝81、および案内溝81に対向し、−Y側の側面部612に形成された支持溝82を有している。第2レンズアレイ322は、側端部が案内溝81および支持溝82に挿入されて光学部品用筐体6に配置される。
案内溝81および支持溝82には、図3に示すように、X方向つまり光軸方向において第2レンズアレイ322を位置決めする基準面8Xがそれぞれ形成されている。基準面8Xは、案内溝81および支持溝82の+X側の内面にY−Z平面に沿うように形成されている。つまり、基準面8Xは、光軸方向に対して直交するように形成されている。
案内溝81は、第2レンズアレイ322に加えて、付勢部材7が挿入可能に形成されている。案内溝81は、図3に示すように、第2レンズアレイ322の−X側に付勢部材7が配置されるスペースを有し、基準面8Xに対向する内面に、付勢部材7が当接する度当て面81Aが形成されている。度当て面81Aは、図3に示すように、基準面8Xに対して+Y側縁部より−Y側縁部が離間するように傾斜している。つまり、度当て面81Aは、基準面8Xに対する角度が鋭角となるように設定されている。
図4は、光学部品用筐体6、第2レンズアレイ322、および付勢部材7を示す断面図である。図4に示すように、案内溝81の度当て面81Aには、開口部811が形成されている。開口部811は、付勢部材7の後述する係止部75が係止される部位であり、度当て面81Aに対して略垂直となる方向に開口するように形成されている。
支持溝82は、第2レンズアレイ322の−Y側の端部を支持するように形成されている。
具体的に、支持溝82には、図3に示すように、基準面8Xに加え、Y方向において第2レンズアレイ322を位置決めする基準面8Yが形成されている。基準面8Yは、基準面8Xに対向して設けられ、基準面8Xに対して−Y側縁部より+Y側縁部が離間するように傾斜している。つまり、基準面8Yは、基準面8Xに対する角度が鋭角となるように設定されている。詳細については後述するが、支持溝82は、基準面8Xと基準面8Yとで第2レンズアレイ322の−Y側の端部を支持する。
また、案内溝81と支持溝82との間の底面部611には、突起部が設けられており、この突起部の+Z側の面には、図3に示すように、Z方向において第2レンズアレイ322を位置決めする基準面8Zが形成されている。基準面8Zは、X−Y平面に沿うように形成されている。このように、光学部品用筐体6には、光軸方向、および光軸方向に対して直交する2方向に第2レンズアレイ322を位置決めする基準面8X,8Y,8Zが形成されている。
溝9は、詳細な説明は省略するが、図3に示すように、溝8と同様に+Y側および−Y側の側面部612に対向して形成された案内溝91および支持溝92を有しており、X方向およびY方向において第1レンズアレイ321を位置決めする基準面9X,9Yが形成されている。そして、案内溝91と支持溝92との間の底面部611には、Z方向において第1レンズアレイ321を位置決めする基準面9Zが設けられている。このように、光学部品用筐体6には、光軸方向、および光軸方向に対して直交する2方向に第1レンズアレイ321を位置決めする基準面9X,9Y,9Zが形成されている。
次に、付勢部材7について詳細に説明する。
付勢部材7は、板金製で一体的に形成され、板バネ状に形成されている。そして、付勢部材7は、第2レンズアレイ322を基準面8X,8Y,8Zに向けて付勢する。
図5は、付勢部材7および第2レンズアレイ322を示す斜視図である。
付勢部材7は、図5に示すように、長尺状の板金から長手方向に屈曲されて複数の面を有している。そして、付勢部材7は、案内溝81に挿入され、第2レンズアレイ322の一方の端部側である+Y側の端部側にZ方向に沿って配置される。
具体的に、付勢部材7は、図5に示すように、略中央に形成される基部71、基部71の両側にそれぞれ設けられ、基部71から突出する第1当接部72,73、第1当接部72の端部から基部71側に屈曲された腕部74、および第1当接部72の一部が基部71と反対側に切り起こされて形成された係止部75を有している。また、腕部74は、第1当接部72に隣接し、基部71側に突出する屈曲部741、および屈曲部741の端部から延出する押さえ部742を有している。基部71は、第2レンズアレイ322の+Y側の端部に当接する第2当接部に相当し、押さえ部742は、第2レンズアレイ322の+Y側の端部と交差する+Z側の端部(交差端部)に当接する第3当接部に相当する。
付勢部材7は、第2レンズアレイ322が配置された案内溝81に挿入されることによって、第1当接部72,73が光学部品用筐体6に当接し、基部71および押さえ部742が第2レンズアレイ322に当接して弾性変形する。そして、付勢部材7は、第2レンズアレイ322を+X方向、−Y方向および−Z方向、つまり光軸方向、および光軸方向に対して直交する2方向に付勢して第2レンズアレイ322を基準面8X,8Y,8Zに位置付ける。
具体的に、付勢部材7は、第1当接部73側から案内溝81の度当て面81Aと第2レンズアレイ322との間に挿入される。より具体的に、付勢部材7は、第1当接部72,73が度当て面81Aに当接し、基部71が第2レンズアレイ322に当接するように挿入される。付勢部材7は、係止部75が度当て面81Aに押圧されて第2レンズアレイ322側に撓んだ状態で案内溝81に挿入される。
付勢部材7は、度当て面81Aが基準面8Xに対して鋭角に設定されているので、基部71が第2レンズアレイ322の角部に当接し、+X方向および−Y方向に付勢する。その結果、第2レンズアレイ322は、図3に示すように、案内溝81の基準面8X、および支持溝82の基準面8X,8Yに当接する。なお、第2レンズアレイ322は、基部71が当接する角部、および基準面8Yに当接する角部が面取り加工されており、破損が抑制されるように形成されている。
付勢部材7は、さらに挿入されると押さえ部742が第2レンズアレイ322の+Z側の端面に当接して第2レンズアレイ322を−Z方向に付勢する。その結果、第2レンズアレイ322は、−Z側の端面が基準面8Zに当接する。そして、第2レンズアレイ322側に撓んでいた係止部75は、先端が開口部811の+Z側の縁部まで挿入されると、度当て面81Aから押圧されている力が解除され、第2レンズアレイ322の反対側に移動する。そして、付勢部材7は、第2レンズアレイ322を付勢することに伴う第2レンズアレイ322からの反力に抗して係止部75が開口部811に係止され、図4に示すように、第2レンズアレイ322と共に光学部品用筐体6に固定される。
基準面8Yは、基準面8Xに対する角度が鋭角に設定されているので、第2レンズアレイ322は、基準面8X,8Yに当接する−Y側端部がX方向およびY方向の移動が規制されて基準面8Xと基準面8Yとで支持されることとなる。
このように、第2レンズアレイ322は、一方の端部側に配置された付勢部材7に付勢され、一方の端部に対向する他方の端部が支持溝82の基準面8Xおよび基準面8Yに支持されて基準面8X,8Y,8Zに位置付けられる。
第1レンズアレイ321は、詳細な説明は省略するが、第2レンズアレイ322と同様に、溝9に配置された第1レンズアレイ321と案内溝91との間に付勢部材7が挿入されることによって、X方向、Y方向およびZ方向に付勢され、基準面9X,9Y,9Zに位置付けられる。
以上説明したように、本実施形態のプロジェクター1によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)第1レンズアレイ321および第2レンズアレイ322は、一体的に形成された付勢部材7によって3方向に付勢されて基準面9X,9Y,9Z、および基準面8X,8Y,8Zにそれぞれ位置決めされる。よって、少ない部品点数で第1レンズアレイ321および第2レンズアレイ322を光軸Lに対して精度良く配置することができるので、製造工程の簡素化を図りつつ、良好な画質の画像光を投写するプロジェクター1を提供することが可能となる。
(2)付勢部材7は、第2レンズアレイ322の一方の端部側に配置されているので、案内溝81および支持溝82に配置される形状に比べ、小さなサイズで形成される。これによって、付勢部材7を形成する部材の省資源化、低コスト化やプロジェクター1の軽量化が図れる。また、付勢部材7を配置するスペースを小さく形成できるので、光学ユニット3の小型化ひいてはプロジェクター1の小型化が図れる。
(3)付勢部材7は、板バネ状になっているので、プレス加工や曲げ加工によって容易に形成することができ、低コスト化が図れる。
(4)付勢部材7は、第2レンズアレイ322からの反力に抗して係止部75が光学部品用筐体6に係止されることによって、第2レンズアレイ322と共に光学部品用筐体6に固定される。これによって、他の部材を用いることなく、第2レンズアレイ322および付勢部材7を光学部品用筐体6に固定できるので、さらに少ない部品点数で第2レンズアレイ322を位置決めすることが可能となる。また、付勢部材7および下部筐体61以外の上部筐体62等の他の構成要素に付勢部材7を固定するための機能や形状、例えば、付勢部材7の屈曲部741を押圧するために上部筐体62の強度を高めたり、上部筐体62に屈曲部741を押圧するための形状を盛り込んだりすることが不要となるので、設計自由度の向上が図れる。
(5)第2レンズアレイ322は、一方の端部が付勢部材7によって付勢され、他方の端部が支持溝82に形成された基準面8X,8Yに支持される。これによって、第2レンズアレイ322は、対向する両方の端部が固定されるので、安定して光学部品用筐体6に位置決めされる。
(変形例)
なお、前記実施形態は、以下のように変更してもよい。
前記実施形態では、付勢部材7に付勢されて位置決めされる光学部品として第1レンズアレイ321および第2レンズアレイ322が用いられているが、他の光学部品、例えば偏光変換素子323等の光学部品を付勢部材7によって位置決めするように構成してもよい。
前記実施形態の係止部75は、第1当接部72の一部が切り起こされて形成されているが、他の部位に形成してもよい。図6は、変形例の付勢部材17を示す斜視図である。付勢部材17は、図6に示すように、前記実施形態の付勢部材7と同様に、基部171、第1当接部172,173および腕部174を備え、係止部175は、第1当接部173の端部から延出し、基部171と反対側に屈曲されるように形成されている。
前記実施形態の付勢部材7の係止部75を廃止し、上部筐体62で屈曲部741を押圧することによって押さえ部742が第2レンズアレイ322を−Z方向に付勢するように構成してもよい。
前記実施形態のプロジェクター1は、光変調素子として透過型の液晶パネル352を用いているが、反射型液晶パネルを利用したものであってもよい。
前記実施形態の光源装置31は、放電型の光源311を採用しているが、レーザーダイオード、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro Luminescence)素子、シリコン発光素子などの各種固体発光素子で構成してもよい。
1…プロジェクター、3…光学ユニット、6…光学部品用筐体、7,17…付勢部材、8,9…溝、8X,8Y,8Z,9X,9Y,9Z…基準面、31…光源装置、61…下部筐体、62…上部筐体、71,171…基部、72,73,172,173…第1当接部、75,175…係止部、81,91…案内溝、81A…度当て面、82,92…支持溝、311…光源、321…第1レンズアレイ、322…第2レンズアレイ、742…押さえ部、811…開口部、L…光軸。

Claims (4)

  1. 光源、および前記光源から射出された光束の光路上に配置される光学部品を有し、前記光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成し、前記画像光を投写するプロジェクターであって、
    前記光束の光軸方向、および前記光軸方向に対して直交する2方向に前記光学部品を位置決めする基準面を有する光学部品用筐体と、
    一体的に形成され、前記光軸方向、および前記2方向に前記光学部品を付勢して前記光学部品を前記基準面に位置付ける付勢部材と、
    を備え、
    前記付勢部材は、前記光学部品の一方の端部側に配置されていることを特徴とするプロジェクター。
  2. 請求項1に記載のプロジェクターであって、
    前記付勢部材は、前記光学部品用筐体に当接する第1当接部、前記一方の端部に当接する第2当接部、および前記端部と交差する交差端部に当接する第3当接部を有し、前記光学部品用筐体および前記光学部品に当接することで弾性変形する板バネ状に形成されていることを特徴とするプロジェクター。
  3. 請求項1または請求項2に記載のプロジェクターであって、
    前記付勢部材は、前記光学部品を付勢することに伴う前記光学部品からの反力に抗して前記光学部品用筐体に係止される係止部を有していることを特徴とするプロジェクター。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
    前記光学部品用筐体は、前記基準面が形成された支持溝を備え、前記支持溝は、前記光学部品の前記一方の端部に対向する他方の端部を前記基準面で支持することを特徴とするプロジェクター。
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