JP2011122619A - 車両用ロックアップクラッチの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロックアップスリップ制御中におけるオープン制御とフィードバック制御との制御の切替えを精度良く行う。
【解決手段】発進時ロックアップスリップ制御が、ロックアップクラッチ26のトルク容量変化速度T’に応じてオープン制御とフィードバック制御とで切り替えられるので、仮に種々の誤差によりそのような誤差が無いものとしてみたノミナルのトルク容量Tに対してロックアップクラッチ26のトルク容量Tの絶対値にずれが生じさせられていたとしても、誤差を含むトルク容量変化速度T’はそのノミナルのトルク容量変化速度T’と略同じ値とされることから、トルク容量Tの絶対値に影響を与えるような誤差の有無に拘わらず発進時ロックアップスリップ制御中におけるオープン制御とフィードバック制御との制御の切替えを精度良く行うことができる。
【選択図】図10

Description

本発明は、流体伝動装置の入出力間を直結可能なロックアップクラッチを備える車両用ロックアップクラッチの制御装置に関するものである。
エンジンの動力を無段変速機や多段変速機等の自動変速機へ伝達する流体伝動装置(例えばトルクコンバータやフルードカップリング等)の入出力間を直結可能なロックアップクラッチを備える車両が良く知られている。例えば、特許文献1〜4に記載された車両がそれである。一般に、このようなロックアップクラッチは、燃費の向上等を目的として予め設定された関係から車両状態に基づいてその係合・解放が判断され、例えば車両の走行状態がロックアップ領域内に入るとロックアップ制御が開始される。更に、一般に、ロックアップクラッチに所定の滑りを与えることにより広い走行範囲でロックアップ作動を可能とするスリップ制御(ロックアップスリップ制御、フレックスロックアップ制御)を実施することで、ロックアップ制御領域を拡大させて燃費を向上させることを可能としている。
このようなスリップ制御を実行する際には、例えば制御指令値と制御系の出力との間に相関関係を持つことで、具体的には設定した目標値となるように実際値を変化させる為の指令値とその実際値との間に相関関係を持つことで、制御が成立すると考えられる。その為、例えば車両発進等の車両加速に際して、エンジン回転速度の吹け上がりを抑制して燃料消費を抑制する為に、前記ロックアップクラッチを係合に向けてスリップ係合させるロックアップスリップ制御において、ロックアップクラッチの入出力回転速度差(スリップ量)が大きいことに起因して不安定な系となる解放側の領域では、制御に対する不感帯の影響を除去する為にオープン制御(フィードフォワード制御)のみにてロックアップクラッチのトルク容量を制御する。一方で、係合側へある程度進行した以降の領域では、目標値を設定し、フィードバック制御にてロックアップクラッチのトルク容量を制御することが提案されている。また、上記オープン制御とフィードバック制御との切替方法としては、例えばロックアップクラッチにおけるクラッチ摩擦材と摩擦材の相手側部材とが接触し始めた状態である弱係合状態(すなわち接触し始めた時点(タッチ点))を境として切り替えることも提案されている。
ここで、上記オープン制御とフィードバック制御との切替えを判定する方法としては、例えばロックアップクラッチのスリップ量で判定する方法が提案されている。例えば、特許文献1には、ロックアップ解除領域からスリップ制御領域への移行時に、ロックアップクラッチの係合圧を実スリップ回転に基づいてフィードフォワード制御からフィードバック制御に切り替えると共に、その切替え時には目標スリップ回転を実スリップ回転の値から車両運転状態に応じた要求スリップ回転に切り換えることが提案されている。このようなスリップ量に基づく切り替え判定では、例えば発進(或いは加速)直後において、スリップ量が過渡的に大きくなる為に、誤判定してしまう可能性がある。
これに対して、特許文献2には、コンバータモードからスリップモードへの移行する際に、エンジントルクとロックアップクラッチのトルク容量との差が所定値よりも小さくなった場合にオープン制御からスリップ制御に切り換えることが提案されている。
尚、ロックアップクラッチの制御に関して、例えば特許文献3には、ロックアップクラッチのスリップ量の制御を単にフィードバック制御のみによって行うのではなく、フィードフォワード制御値にフィードバック制御値を加算して、ロックアップクラッチの係合圧を設定することが提案されている。
特開2002−130463号公報 特開2006−46636号公報 特開平4−203561号公報
ところで、ロックアップクラッチのトルク容量は、上述したように推定エンジントルクやポンプトルクなどに基づいて推定(算出)される場合がある。このような場合、各物理量のばらつき、推定精度の誤差、ロックアップクラッチの指示圧に対する動的な差圧のばらつき等により、定常時には物理的に差が零となる推定エンジントルクとポンプトルクとに誤差が生じる可能性がある。その為、このような誤差が推定したトルク容量に乗ることになりすなわちそのような誤差が無いものとしてみた本来のトルク容量(ノミナルのトルク容量)に対して推定したトルク容量にずれを生じさせることとなり、例えばトルク容量の絶対値を用いてオープン制御からスリップ制御への切替えを判定する際に、精度良く判定できない可能性がある。この制御の切替えを精度良く判定できないと、例えば実際に弱係合状態となるよりも早めに判定してしまうと、タッチ点に到達していないのにロックアップクラッチの指示圧を係合に向けて早めに上げることになり、係合ショックを増大させる可能性がある。反対に、例えば実際に弱係合状態となるよりも遅めに判定してしまうと、フィードバック制御により燃費の良い狙いのエンジン回転速度に収束させることが遅れ、燃費向上効果が薄れる可能性がある。このような課題は未公知であり、スリップ制御中におけるオープン制御とフィードバック制御との制御の切替えをロックアップクラッチの係合状態で判断する場合に、ロックアップクラッチのトルク容量を推定するときの誤差の有無に拘わらずその制御の切替判定を精度良く行うことについて、未だ提案されていない。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、ロックアップスリップ制御中におけるオープン制御とフィードバック制御との制御の切替えを精度良く行うことができる車両用ロックアップクラッチの制御装置を提供することにある。
前記目的を達成するための本発明の要旨とするところは、(a) 自動変速機と、エンジンの動力をその自動変速機へ伝達する流体伝動装置の入出力間を直結可能なロックアップクラッチとを備え、車両加速に際して前記エンジンの回転速度の吹け上がりが抑制されるように前記ロックアップクラッチを係合に向けてスリップ係合させるロックアップスリップ制御を行う車両用ロックアップクラッチの制御装置であって、(b) 前記ロックアップスリップ制御を、前記ロックアップクラッチのトルク容量の変化量に応じてオープン制御とフィードバック制御とで切り替えることにある。
このようにすれば、前記ロックアップスリップ制御が、前記ロックアップクラッチのトルク容量の変化量に応じてオープン制御とフィードバック制御とで切り替えられるので、仮に種々の誤差によりそのような誤差が無いものとしてみた本来のトルク容量(ノミナルのトルク容量)に対してロックアップクラッチのトルク容量の絶対値にずれが生じさせられていたとしても、誤差を含むトルク容量の変化量はノミナルのトルク容量の変化量と略同じ値とされることから、トルク容量の絶対値に影響を与えるような誤差の有無に拘わらずロックアップスリップ制御中におけるオープン制御とフィードバック制御との制御の切替えを精度良く行うことができる。よって、オープン制御とフィードバック制御とのそれぞれの制御にて行われるロックアップスリップ制御例えばロックアップスリップ制御中におけるロックアップクラッチのトルク容量制御の制御精度が向上させられる。
ここで、好適には、前記トルク容量の変化量が前記ロックアップクラッチの弱係合状態を判定する為の所定変化量を超えるまでは前記オープン制御にて前記ロックアップスリップ制御を行い、前記トルク容量の変化量が前記所定変化量を超えた以降は前記フィードバック制御にて前記ロックアップスリップ制御を行うことにある。このようにすれば、例えば前記ノミナルのトルク容量で見た本来の弱係合状態にてオープン制御とフィードバック制御とが切り替えられる。
また、好適には、前記オープン制御は、前記エンジンの回転速度の目標値を設定することなく前記ロックアップクラッチを係合に向けて進行させる為の所定のロックアップスリップ制御を行うものであり、前記フィードバック制御は、前記エンジンの回転速度の目標値を設定すると共に、フィードバック項とフィードフォワード項とを含むフィードバック制御式を用いて、前記エンジンの回転速度の実際値が前記目標値と一致するように前記ロックアップスリップ制御を行うものである。このようにすれば、例えばロックアップスリップ制御開始時にスリップ量が比較的大きくされていても、オープン制御にてロックアップクラッチを解放から係合に向けて適切に進行させられる。また、例えば適切な時期にフィードバック制御にてロックアップクラッチのトルク容量が係合に向けて上昇させられて係合ショックが抑制されたり、適切な時期にフィードバック制御にて燃費の良い目標とするエンジン回転速度を狙うことができて燃費が向上させられる。
また、好適には、前記所定のロックアップスリップ制御は、運転者の加速要求量に応じて予め設定された所定の一定勾配にて漸増する指令値にて前記ロックアップクラッチを係合に向けて進行させる為のスイープ制御である。このようにすれば、例えば運転者の加速要求量が大きい程エンジンの吹け上がりが急であることに対応してより早くロックアップクラッチのトルク容量を増大させてエンジン回転速度を抑制することが可能となる。
また、好適には、前記ロックアップクラッチのトルク容量は、前記エンジンに対する要求負荷に基づいて算出されるそのエンジンの推定トルクと、前記流体伝動装置の所定の作動特性に基づいて算出されるその流体伝動装置への入力トルクと、前記エンジンの回転速度変化に基づいて算出される前記流体伝動装置へのイナーシャトルクとを含む算出式を用いて逐次算出されることにある。このようにすれば、ロックアップクラッチのトルク容量が適切に算出される。また、仮に、エンジンの推定トルクや流体伝動装置への入力トルク等の推定(算出)精度の誤差等によりノミナルのトルク容量に対して算出されたトルク容量にずれが生じさせられていたとしても、算出されたロックアップクラッチのトルク容量の変化量に応じて前記ロックアップスリップ制御中におけるオープン制御とフィードバック制御が切り替えられるので、そのロックアップスリップ制御中におけるオープン制御とフィードバック制御との制御の切替えを精度良く行うことができる。
また、好適には、アクセルオンに伴う車両発進の際に、そのアクセルオンに応じて予め設定された目標回転速度以上に前記エンジンの回転速度が吹け上がるのを抑制するように、前記ロックアップスリップ制御を行うことにある。このようにすれば、車両発進の際に、エンジンの回転速度が吹け上がるのを適切に抑制することができ、燃料消費が抑制される。
また、好適には、前記自動変速機は、例えば複数組の遊星歯車装置の回転要素が係合装置によって選択的に連結されることにより複数のギヤ段(変速段)が択一的に達成される例えば前進4段、前進5段、前進6段、更にはそれ以上の変速段を有する等の種々の遊星歯車式自動変速機、動力伝達部材として機能する伝動ベルトが有効径が可変である一対の可変プーリに巻き掛けられ変速比が無段階に連続的に変化させられる所謂ベルト式無段変速機、共通の軸心まわりに回転させられる一対のコーンとその軸心と交差する回転中心回転可能な複数個のローラがそれら一対のコーンの間で挟圧されそのローラの回転中心と軸心との交差角が変化させられることによって変速比が可変とされた所謂トラクション型無段変速機、或いはエンジン軸や出力軸などに動力伝達可能に電動機が備えられる所謂パラレル式のハイブリッド車両に搭載される自動変速機などにより構成される。
また、好適には、前記エンジンとしては、例えば燃料の燃焼によって動力を発生する内燃機関等のガソリンエンジンやディーゼルエンジン等が好適に用いられるが、電動機等の他の原動機をエンジンと組み合わせて採用することもできる。
本発明が適用される車両を構成する動力伝達経路の概略構成を説明する図である。 車両に設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図である。 油圧制御回路のうち無段変速機のベルト挟圧力制御及び変速比制御等に関する要部を示す油圧回路図である。 油圧制御回路のうちロックアップクラッチの作動制御等に関する要部を示す油圧回路図である。 無段変速機の変速制御において目標入力回転速度を求める際に用いられる変速マップの一例を示す図である。 無段変速機の挟圧力制御において変速比等に応じて必要油圧を求める必要油圧マップの一例を示す図である。 スロットル弁開度をパラメータとしてエンジン回転速度とエンジントルクとの予め実験的に求められて記憶されたマップの一例を示す図である。 トルクコンバータの所定の作動特性として予め実験的に求められて記憶されたマップの一例を示す図である。 電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 電子制御装置の制御作動の要部すなわち発進時ロックアップスリップ制御中におけるオープン制御とフィードバック制御との制御の切替えを精度良く行う為の制御作動を説明するフローチャートである。 図10のフローチャートに示す制御作動を実行した場合の一例を示すタイムチャートである。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両10を構成するエンジン12から駆動輪24までの動力伝達経路の概略構成を説明する図である。図1において、エンジン12により発生させられた動力は、流体伝動装置としてのトルクコンバータ14から前後進切換装置16、車両用無段変速機(以下、無段変速機(CVT)という)18、減速歯車装置20、差動歯車装置22等を経て、左右の駆動輪24へ伝達される。
トルクコンバータ14は、エンジン12のクランク軸13に連結されたポンプ翼車14p、トルクコンバータ14の出力側部材に相当するタービン軸30を介して前後進切換装置16に連結されたタービン翼車14t、及び一方向クラッチによって一方向の回転が阻止されているステータ翼車14sとを備えており、ポンプ翼車14pとタービン翼車14tとの間で流体を介して動力伝達を行うようになっている。また、ポンプ翼車14p及びタービン翼車14tの間には、それらの間すなわちトルクコンバータ14の入出力間を直結可能なロックアップクラッチ26が設けられている。また、ポンプ翼車14pには、無段変速機18を変速制御したり、無段変速機18のベルト挟圧を発生させたり、ロックアップクラッチ26の作動を制御したり、或いは各部に潤滑油を供給したりする為の油圧をエンジン12により回転駆動されることにより発生する機械式のオイルポンプ28が連結されている。
ロックアップクラッチ26は、良く知られているように、油圧制御回路100によって係合側油室14on内の油圧PONと解放側油室14off内の油圧POFFとの差圧ΔP(=PON−POFF)が制御されることによりフロントカバー14cに摩擦係合させられる油圧式摩擦クラッチである(図4参照)。トルクコンバータ14の運転状態としては、例えば差圧ΔPが負とされてロックアップクラッチ26が解放される所謂ロックアップ解放(ロックアップオフ)、差圧ΔPが零以上とされてロックアップクラッチ26が滑りを伴って半係合される所謂ロックアップスリップ状態(スリップ状態)、及び差圧ΔPが最大値とされてロックアップクラッチ26が完全係合される所謂ロックアップ状態(係合状態、ロックアップオン)の3状態に大別される。例えば、ロックアップクラッチ26が完全係合(ロックアップオン)させられることにより、ポンプ翼車14p及びタービン翼車14tが一体回転させられてエンジン12の動力が無段変速機18側へ直接伝達される。また、所定のスリップ状態で係合するように差圧ΔPが制御されることにより、例えば入出力回転速度差(すなわちスリップ回転速度(スリップ量)=エンジン回転速度N−タービン回転速度N)Nがフィードバック制御されることにより、車両10の駆動(パワーオン)時には所定のスリップ量でタービン軸30をクランク軸13に対して追従回転させる一方、車両の非駆動(パワーオフ)時には所定のスリップ量でクランク軸13をタービン軸30に対して追従回転させられる。尚、ロックアップクラッチ26のスリップ状態においては、差圧ΔPが零とされることによりそのロックアップクラッチ26のトルク分担がなくなって、トルクコンバータ14は、ロックアップオフと同等の運転条件とされる。
前後進切換装置16は、発進クラッチとしての前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1とダブルピニオン型の遊星歯車装置16pとを主体として構成されている。トルクコンバータ14のタービン軸30はサンギヤ16sに一体的に連結され、無段変速機18の入力軸32はキャリア16cに一体的に連結されている一方、キャリア16cとサンギヤ16sとは前進用クラッチC1を介して選択的に連結され、リングギヤ16rは後進用ブレーキB1を介して非回転部材としてのハウジング34に選択的に固定されるようになっている。前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1は係合によりエンジン12の動力を駆動輪24側へ伝達する所定の摩擦係合装置としての断続装置に相当するもので、何れも油圧シリンダによって摩擦係合させられる油圧式摩擦係合装置である。
そして、前進用クラッチC1が係合させられると共に後進用ブレーキB1が解放されると、前後進切換装置16は一体回転状態とされることによりタービン軸30が入力軸32に直結され、前進用動力伝達経路が成立(達成)させられて、前進方向の駆動力が無段変速機18側へ伝達される。また、後進用ブレーキB1が係合させられると共に前進用クラッチC1が解放されると、前後進切換装置16は後進用動力伝達経路が成立(達成)させられて、入力軸32はタービン軸30に対して逆方向へ回転させられるようになり、後進方向の駆動力が無段変速機18側へ伝達される。また、前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1が共に解放されると、前後進切換装置16は動力伝達を遮断するニュートラル状態(動力伝達遮断状態)になる。
エンジン12の吸気配管36には、スロットルアクチュエータ38を用いてエンジン12の吸入空気量QAIRを電気的に制御する為の電子スロットル弁40が備えられている。
無段変速機18は、入力軸32に設けられた入力側部材である有効径が可変の駆動側プーリ(プライマリプーリ、プライマリシーブ)42と、出力軸44に設けられた出力側部材である有効径が可変の従動側プーリ(セカンダリプーリ、セカンダリシーブ)46と、それ等の両可変プーリ42、46に巻き掛けられた伝動ベルト48とを備えており、両可変プーリ42、46と伝動ベルト48との間の摩擦力を介して動力伝達が行われるベルト式の無段変速機である。
両可変プーリ42及び46は、入力軸32及び出力軸44にそれぞれ固定された固定回転体42a及び46aと、入力軸32及び出力軸44に対して軸まわりの相対回転不能且つ軸方向の移動可能に設けられた可動回転体42b及び46bと、それらの間のV溝幅を変更する推力を付与する油圧アクチュエータとしての駆動側油圧シリンダ(プライマリプーリ側油圧シリンダ)42c及び従動側油圧シリンダ(セカンダリプーリ側油圧シリンダ)46cとを備えて構成されている。そして、駆動側油圧シリンダ42cへの作動油の供給排出流量が油圧制御回路100によって制御されることにより、両可変プーリ42、46のV溝幅が変化して伝動ベルト48の掛かり径(有効径)が変更され、変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT)が連続的に変化させられる。また、従動側油圧シリンダ46cの油圧であるセカンダリプーリ圧(以下、ベルト挟圧という)Pdが油圧制御回路100によって調圧制御されることにより、伝動ベルト48が滑りを生じないようにベルト挟圧力が制御される。このような制御の結果として、駆動側油圧シリンダ42cの油圧であるプライマリプーリ圧(以下、変速制御圧という)Pinが生じるのである。
図2は、エンジン12や前後進切換装置16や無段変速機18などを制御する為に車両10に設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図である。図2において、車両10には、例えば無段変速機18の変速制御やベルト挟圧力制御などに関連する油圧制御の為の車両用ロックアップクラッチの制御装置を含む電子制御装置50が備えられている。電子制御装置50は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置50は、エンジン12の出力制御や無段変速機18の変速制御及びベルト挟圧力制御やロックアップクラッチ26のトルク容量制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用や無段変速機18及びロックアップクラッチ26の油圧制御用等に分けて構成される。
電子制御装置50には、例えばクランク軸回転速度センサ52により検出されたクランク軸13の回転角度(位置)ACR及びクランク軸13の回転速度(すなわちエンジン回転速度)Nに対応するクランク軸回転速度を表す信号、タービン回転速度センサ54により検出されたタービン軸30の回転速度(タービン回転速度)Nを表す信号、入力軸回転速度センサ56により検出された無段変速機18の入力回転速度である入力軸32の回転速度(入力軸回転速度)NINを表す信号、出力軸回転速度センサ58により検出された無段変速機18の出力回転速度である出力軸44の回転速度(出力軸回転速度)NOUTすなわち出力軸回転速度NOUTに対応する車速Vを表す信号、スロットルセンサ60により検出されたエンジン12の吸気配管36(図1参照)に備えられた電子スロットル弁40のスロットル弁開度θTHを表す信号、冷却水温センサ62により検出されたエンジン12の冷却水温Tを表す信号、CVT油温センサ64により検出された無段変速機18等の油圧制御回路100内の作動油の油温TCVTを表す信号、アクセル開度センサ66により検出された運転者の加速要求量としてのアクセルペダル68の操作量であるアクセル開度Accを表す信号、吸入空気量センサ70により検出されたエンジン12の吸入空気量QAIRを表す信号、フットブレーキスイッチ72により検出された常用ブレーキであるフットブレーキが操作されたブレーキオンBONを表す信号、レバーポジションセンサ74により検出されたシフトレバー76の操作ポジション(操作位置)PSHを表す信号などが供給されている。
また、電子制御装置50からは、例えばエンジン12の出力制御の為のエンジン出力制御指令信号Sとして、電子スロットル弁40の開閉を制御する為のスロットルアクチュエータ38への駆動信号や燃料噴射装置78から噴射される燃料の量を制御する為の噴射信号や点火装置80によるエンジン12の点火時期を制御する為の点火時期信号などが出力される。また、無段変速機18の変速比γを変化させる為の変速制御指令信号S例えば駆動側油圧シリンダ42cへの作動油の流量を制御するソレノイド弁DS1及びソレノイド弁DS2を駆動するための油圧指令信号、伝動ベルト48の挟圧力を調整させる為の挟圧力制御指令信号S例えばベルト挟圧Pdを調圧するリニアソレノイド弁SLSを駆動する為の油圧指令信号、ロックアップクラッチ26の係合、解放、スリップ量Nを制御する為のロックアップ制御指令信号S例えば油圧制御回路100内のロックアップリレーバルブ124の弁位置を切り換えるリニアソレノイド弁SLUを駆動する為の油圧指令信号やロックアップクラッチ26のトルク容量Tを調節するリニアソレノイド弁SLUを駆動する為の油圧指令信号、ライン油圧Pを調圧するリニアソレノイド弁を駆動する為の油圧指令信号などが油圧制御回路100へ出力される。
シフトレバー76は、例えば運転席の近傍に配設され、順次位置させられている5つの操作ポジション「P」、「R」、「N」、「D」、及び「L」のうちの何れかへ手動操作されるようになっている。「P」ポジションは車両10の動力伝達経路を解放しすなわち車両10の動力伝達が遮断されるニュートラル状態(中立状態)とし且つメカニカルパーキング機構によって機械的に出力軸44の回転を阻止(ロック)するための駐車ポジション(位置)であり、「R」ポジションは出力軸44の回転方向を逆回転とする為の後進走行ポジション(位置)であり、「N」ポジションは車両10の動力伝達が遮断されるニュートラル状態とする為の中立ポジション(位置)であり、「D」ポジションは無段変速機18の変速を許容する変速範囲で自動変速モードを成立させて自動変速制御を実行させる為の前進走行ポジション(位置)であり、「L」ポジションは強いエンジンブレーキが作用させる為のエンジンブレーキポジション(位置)である。このように、「P」ポジション及び「N」ポジションは動力伝達経路をニュートラル状態とし車両を走行させないときに選択される非走行ポジションであり、「R」ポジション、「D」ポジション、及び「L」ポジションは動力伝達経路を動力伝達経路の動力伝達を可能とする動力伝達可能状態とし車両10を走行させるときに選択される走行ポジションである。
図3は、油圧制御回路100のうち無段変速機18のベルト挟圧力制御及び変速比制御等に関する要部を示す油圧回路図である。また、図4は、油圧制御回路100のうちロックアップクラッチ26の作動制御等に関する要部を示す油圧回路図である。
図3において、油圧制御回路100は、変速比γが連続的に変化させられるように駆動側油圧シリンダ42cへの作動油の流量を制御する変速制御弁として機能する変速比コントロールバルブUP116及び変速比コントロールバルブDN118、伝動ベルト48が滑りを生じないように従動側油圧シリンダ46cの油圧であるベルト挟圧Pdを調圧する挟圧力コントロールバルブ120、前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1が係合或いは解放されるようにシフトレバー76の操作に従って油路が機械的に切り換えられるマニュアルバルブ122等を備えている。
ここで、油圧制御回路100内の第1ライン油圧PL1は、例えばエンジン12により回転駆動される機械式のオイルポンプ28から出力(発生)される作動油圧を元圧として、例えばリリーフ型のプライマリレギュレータバルブ(第1ライン油圧調圧弁)110によりリニアソレノイド弁の出力油圧である制御油圧に基づいて無段変速機18への入力トルクTIN等に応じた値に調圧されるようになっている。また、第2ライン油圧PL2は、例えばプライマリレギュレータバルブ110による第1ライン油圧PL1の調圧の為にプライマリレギュレータバルブ110から排出される油圧を元圧として、例えばリリーフ型のセカンダリレギュレータバルブ(第2ライン油圧調圧弁)112によりリニアソレノイド弁の出力油圧である制御油圧に基づいて調圧されるようになっている。また、モジュレータ油圧Pは、例えば第1ライン油圧PL1を元圧としてモジュレータバルブ114によりリニアソレノイド弁の出力油圧である制御油圧に基づいて一定油圧に調圧されるようになっている。
変速比コントロールバルブUP116は、軸方向へ移動可能に設けられることにより入出力ポート116t及び入出力ポート116iを開閉するスプール弁子116aと、そのスプール弁子116aを入出力ポート116tと入出力ポート116iとが連通する方向へ付勢する付勢手段としてのスプリング116bと、そのスプリング116bを収容し且つスプール弁子116aに入出力ポート116tと入出力ポート116iとが連通する方向の推力を付与する為に電子制御装置50によってデューティ制御されるソレノイド弁DS2の出力油圧である制御油圧PS2を受け入れる油室116cと、スプール弁子116aに入出力ポート116iを閉弁する方向の推力を付与する為に電子制御装置50によってデューティ制御されるソレノイド弁DS1の出力油圧である制御油圧PS1を受け入れる油室116dとを備えている。また、変速比コントロールバルブDN118は、軸方向へ移動可能に設けられることにより入出力ポート118tを開閉するスプール弁子118aと、そのスプール弁子118aを閉弁方向へ付勢する付勢手段としてのスプリング118bと、そのスプリング118bを収容し且つスプール弁子118aに閉弁方向の推力を付与する為に制御油圧PS1を受け入れる油室118cと、スプール弁子118aに開弁方向の推力を付与する為に制御油圧PS2を受け入れる油室118dとを備えている。
ソレノイド弁DS1は、駆動側油圧シリンダ42cへ作動油を供給してその油圧を高め駆動側プーリ42のV溝幅を小さくして変速比γを小さくする側すなわちアップシフト側へ制御する為に制御油圧PS1を出力する。また、ソレノイド弁DS2は、駆動側油圧シリンダ42cの作動油を排出してその油圧を低め駆動側プーリ42のV溝幅を大きくして変速比γを大きくする側すなわちダウンシフト側へ制御するために制御油圧PS2を出力する。具体的には、制御油圧PS1が出力されると変速比コントロールバルブUP116の供給ポート116sに入力された第1ライン油圧PL1が入出力ポート116tを経て駆動側油圧シリンダ42cへ供給されて結果的に変速制御圧Pinが連続的に制御される。また、制御油圧PS2が出力されると駆動側油圧シリンダ42cの作動油が入出力ポート116t、入出力ポート116iさらに入出力ポート118tを経て排出ポート118xから排出されて結果的に変速制御圧Pinが連続的に制御される。例えば、図5に示すような運転者の加速要求量に対応するアクセル操作量Accをパラメータとして予め実験的に求められて記憶された車速Vと目標入力軸回転速度NIN との関係(変速マップ)に従って算出された目標入力軸回転速度NIN に実際の入力軸回転速度NINが一致するように、それ等の偏差に応じて無段変速機18が変速制御され、すなわち駆動側油圧シリンダ42cに対する作動油の供給、排出によって変速制御圧Pinが制御され、変速比γが連続的に変化させられる。図5の変速マップは変速条件に相当するもので、車速Vが小さくアクセル開度Accが大きい程大きな変速比γになる目標入力軸回転速度NIN が設定されるようになっている。また、車速Vは出力軸回転速度NOUTに対応するため、入力軸回転速度NINの目標値である目標入力軸回転速度NIN は目標変速比に対応し、無段変速機18の最小変速比γminと最大変速比γmaxの範囲内で定められている。
挟圧力コントロールバルブ120は、例えば軸方向へ移動可能に設けられることにより出力ポート120tを開閉するスプール弁子120aと、そのスプール弁子120aを開弁方向へ付勢する付勢手段としてのスプリング120bと、そのスプリング120bを収容し、スプール弁子120aに開弁方向の推力を付与する為に電子制御装置50によってデューティ制御されるリニアソレノイド弁SLSの出力油圧である制御油圧PSLSを受け入れる油室120cと、スプール弁子120aに閉弁方向の推力を付与する為に出力したベルト挟圧Pdを受け入れるフィードバック油室120dとを備えている。そして、挟圧力コントロールバルブ120は、リニアソレノイド弁SLSからの制御油圧PSLSをパイロット圧として第1ライン油圧PL1を連続的に調圧制御してベルト挟圧Pdを出力するようになっている。例えば、図6に示すような伝達トルクに対応する無段変速機18の入力トルクTINをパラメータとしてベルト滑りが生じないように予め実験的に求められて記憶された変速比γと必要油圧(目標ベルト挟圧に相当)Pdとの関係(ベルト挟圧マップ)に従って従動側油圧シリンダ46cへのベルト挟圧Pdが調圧され、このベルト挟圧Pdに応じてベルト挟圧力すなわち両可変プーリ42、46と伝動ベルト48との間の摩擦力が増減させられる。また、この挟圧力コントロールバルブ120の出力油圧である従動側油圧シリンダ46c内のベルト挟圧Pdは、油圧センサ120sにより検出されるようになっている。
また、ベルト挟圧Pdを調圧する際に用いる無段変速機18の入力トルクTINは、例えばエンジントルクTにトルクコンバータ14のトルク比t(=トルクコンバータ14の出力トルク(以下タービントルクTという)/トルクコンバータ14の入力トルク(以下ポンプトルクTという))を乗じたトルク(=T×t)として電子制御装置50により算出される。このエンジントルクTは、例えばエンジン12に対する要求負荷としての吸入空気量QAIR(或いはそれに相当するスロットル弁開度θTH等)をパラメータとしてエンジン回転速度NとエンジントルクTとの予め実験的に求められて記憶された図7に示すような関係(マップ、エンジントルク特性図)から吸入空気量QAIR及びエンジン回転速度Nに基づいて推定エンジントルクTesとして電子制御装置50により算出される。或いは、エンジントルクTは、例えばトルクセンサなどにより検出されるエンジン12の実出力トルク(実エンジントルク)Tなどが用いられても良い。また、トルクコンバータ14のトルク比tは、トルクコンバータ14の速度比e(=トルクコンバータ14の出力回転速度(以下タービン回転速度Nという)/トルクコンバータ14の入力回転速度(以下ポンプ回転速度N(エンジン回転速度N)という))の関数であり、例えば速度比eとトルク比t、効率η、及び容量係数Cとのそれぞれの予め実験的に求められて記憶された図8に示すような関係(マップ、トルクコンバータ14の所定の作動特性図)から実際の速度比eに基づいて電子制御装置50により算出される。尚、推定エンジントルクTesは、実エンジントルクTそのものを表すように算出されるものであり、特に実エンジントルクTと区別する場合を除き、推定エンジントルクTesを実エンジントルクTとしての取り扱うものとする。従って、推定エンジントルクTesには実エンジントルクTも含むものとする。
マニュアルバルブ122において、入力ポート122aには例えばモジュレータバルブ114により一定油圧に調圧されたモジュレータ油圧Pが供給される。そして、シフトレバー76が「D」ポジション或いは「L」ポジションに操作されると、モジュレータ油圧Pが前進走行用出力圧として前進用出力ポート122fを経て前進用クラッチC1に供給され且つ後進用ブレーキB1内の作動油が後進用出力ポート122rから排出ポートEXを経て例えば大気圧にドレーン(排出)されるようにマニュアルバルブ122の油路が切り換えられ、前進用クラッチC1が係合させられると共に後進用ブレーキB1が解放させられる。
また、シフトレバー76が「R」ポジションに操作されると、モジュレータ油圧Pが後進走行用出力圧として後進用出力ポート122rを経て後進用ブレーキB1に供給され且つ前進用クラッチC1内の作動油が前進用出力ポート122fから排出ポートEXを経て例えば大気圧にドレーン(排出)されるようにマニュアルバルブ122の油路が切り換えられ、後進用ブレーキB1が係合させられると共に前進用クラッチC1が解放させられる。
また、シフトレバー76が「P」ポジション或いは「N」ポジションに操作されると、入力ポート122aから前進用出力ポート122fへの油路及び入力ポート122aから後進用出力ポート122rへの油路がいずれも遮断され且つ前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1内の作動油が何れもマニュアルバルブ122からドレーンされるようにマニュアルバルブ122の油路が切り換えられ、前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1が共に解放させられる。
図4において、油圧制御回路100は、電子制御装置50によってオンオフ作動させられて切換用信号圧PSLを発生させる切換用ソレノイド弁SLと、ロックアップクラッチ26の解放状態と係合或いはスリップ状態とを切り換える為のロックアップリレーバルブ124と、電子制御装置50から供給される駆動電流ISLUに対応した信号圧PSLUを出力するスリップ制御用リニアソレノイド弁SLUと、ロックアップリレーバルブ124によりロックアップクラッチ26が係合或いはスリップ状態とされているときに信号圧PSLUに従ってロックアップクラッチ26のスリップ量Nを制御したりロックアップクラッチ26を係合させる為の(すなわちロックアップクラッチ26の作動状態をスリップ状態乃至ロックアップオンの範囲で切り換える為の)ロックアップコントロールバルブ126と、作動油を冷却する為のオイルクーラ128とを、備えている。
ロックアップリレーバルブ124は、接続状態を切り換える為のスプール弁子130を備え、切換用信号圧PSLに応じてロックアップクラッチ26を解放状態とする解放側位置(オフ側位置)とロックアップクラッチ26を係合或いはスリップ状態とする係合側位置(オン側位置)とに切り換えられる。図4においては、中心線より左側がロックアップクラッチ26の解放状態であるオフ側位置(OFF)にスプール弁子130が位置された状態を示しており、中心線より右側が係合或いはスリップ状態であるオン側位置(ON)にスプール弁子130が位置された状態を示している。具体的には、ロックアップリレーバルブ124は、解放側油室14offと連通する解放側ポート132と、係合側油室14onと連通する係合側ポート134と、第2ライン油圧PL2が供給される入力ポート136と、ロックアップクラッチ26の解放時に係合側油室14on内の作動油が排出されると共にそのロックアップクラッチ26の係合時にセカンダリレギュレータバルブ112から流出させられた作動油(PREL)が排出される排出ポート138と、ロックアップクラッチ26の係合時に解放側油室14off内の作動油が排出される迂回ポート140と、セカンダリレギュレータバルブ112から流出させられた作動油(PREL)が供給されるリリーフポート142と、スプール弁子130をオフ側位置に向かって付勢する為のスプリング144と、及びスプール弁子130の端面に切換用ソレノイド弁SLからの切換用信号圧PSLを受け入れる油室146とを備えている。
ロックアップコントロールバルブ126は、スプール弁子148と、そのスプール弁子148をスリップ(SLIP)側位置に向かって付勢する為のスプリング150と、スプール弁子148をスリップ側に位置向かって付勢する為にトルクコンバータ14の係合側油室14on内の油圧PONを受け入れる油室152と、スプール弁子148を完全係合(ON)側位置に向かって付勢する為にトルクコンバータ14の解放側油室14off内の油圧POFFを受け入れる油室154と、スリップ制御用リニアソレノイド弁SLUから出力される信号圧PSLUが供給される油室156と、第2ライン油圧PL2が供給される入力ポート158と、ロックアップリレーバルブ124の迂回ポート140から出力される油圧が供給される制御ポート160とを備えている。尚、図4においては、中心線より左側がスリップ(SLIP)側位置にスプール弁子148が位置された状態を示しており、中心線より右側が完全係合(ON)側位置にスプール弁子148が位置された状態を示している。
スリップ制御用リニアソレノイド弁SLUは、電子制御装置50からの指令に従って、ロックアップクラッチ26の係合乃至スリップ係合時におけるその係合圧を制御する信号圧PSLUを出力するものである。例えば、モジュレータ油圧Pを元圧とし、そのモジュレータ油圧Pを減圧して信号圧PSLUを出力する電磁制御弁であって、電子制御装置50から供給される指令値に対応する駆動電流(励磁電流)ISLUに比例した信号圧PSLUを発生させる。また、スリップ制御用リニアソレノイド弁SLUのドレーンポート162は、チェックボール164に連通されているため、そのチェックボール164によって常時塞がれており、そのチェックボール164に所定以上の圧力がかかると開弁させられて作動油が排出されるように構成されている。
切換用ソレノイド弁SLは、電子制御装置50からの指令に従って所定の切換用信号圧PSLを出力するものである。例えば、非励磁状態(オフ状態)では切換用信号圧PSLをドレン圧とするが、励磁状態(オン状態)では切換用信号圧PSLをモジュレータ油圧Pとして油室146に作用させることで、ロックアップリレーバルブ124のスプール弁子130を係合状態であるオン側位置(ON)に移動させるように構成されている。
以上のように構成された油圧制御回路100により係合側油室14on及び解放側油室14offへの作動油圧の供給状態が切り換えられ、ロックアップクラッチ26の作動状態が切り換えらる。先ず、ロックアップクラッチ26がスリップ状態乃至ロックアップオンとされた場合を説明する。ロックアップリレーバルブ124において、切換用ソレノイド弁SLによって切換用信号圧PSLが油室146へ供給されてスプール弁子130がオン側位置へ付勢されると、入力ポート136に供給された第2ライン油圧PL2が係合側ポート134から係合側油室14onへ供給される。この係合側油室14onへ供給される第2ライン油圧PL2が油圧PONとなる。同時に解放側油室14offは、解放側ポート132から迂回ポート140を経てロックアップコントロールバルブ126の制御ポート160に連通させられる。そして、解放側油室14off内の油圧POFFがロックアップコントロールバルブ126により調整されて(すなわちロックアップコントロールバルブ126により差圧ΔP(=PON−POFF)すなわち係合圧が調整されて)、そのロックアップクラッチ26の作動状態がスリップ状態乃至ロックアップオンの範囲で切り換えられる。
具体的には、ロックアップリレーバルブ124のスプール弁子130が係合(ON)側位置へ付勢されているときにすなわちロックアップクラッチ26が係合乃至スリップ状態に切り換えられているときに、ロックアップコントロールバルブ126においてスプール弁子148が完全係合(ON)側位置へ付勢される為の信号圧PSLUが油室156へ供給されず、スプリング150の推力によってスプール弁子148がスリップ(SLIP)側位置とされると、入力ポート158に供給された第2ライン油圧PL2が制御ポート160から迂回ポート140を経て解放側ポート132から解放側油室14offへ供給される。この制御ポート160から出力される作動油の流量は、油室156へ供給される信号圧PSLUによって制御される。すなわち、スプール弁子148がスリップ(SLIP)側位置とされた状態においては、差圧ΔPがスリップ制御用リニアソレノイド弁SLUの信号圧PSLUによって制御されてロックアップクラッチ26のスリップ状態が制御される。
また、ロックアップリレーバルブ124のスプール弁子130がON側位置へ付勢されているときに、ロックアップコントロールバルブ126においてスプール弁子148が完全係合(ON)側位置へ付勢される為の信号圧PSLUが油室156に供給されると、入力ポート158から解放側油室14offへは第2ライン油圧PL2が供給されず、その解放側油室14offからの作動油がドレーンポートEXから排出される。これにより、差圧ΔPが最大とされてロックアップクラッチ26が完全係合状態となる。また、ロックアップクラッチ26がスリップ状態もしくは完全係合状態において、ロックアップリレーバルブ124はオン側位置に位置させられるため、リリーフポート142と排出ポート138とが連通させられる。これにより、セカンダリレギュレータバルブ112から流出させられた作動油(PREL)が排出ポート138からオイルクーラ128に供給される。
一方、ロックアップリレーバルブ124において、切換用信号圧PSLが油室146に供給されず、スプリング144の付勢力によってスプール弁子130がオフ側位置へ位置させられると、入力ポート136に供給された第2ライン油圧PL2が解放側ポート132から解放側油室14offへ供給される。そして、係合側油室14onを経て係合側ポート134に排出された作動油が排出ポート138からオイルクーラ128に供給されて冷却される。すなわち、ロックアップリレーバルブ124のスプール弁子130がオフ側位置へ位置させられている状態においては、ロックアップクラッチ26は解放状態とされ、スリップ制御用リニアソレノイド弁SLU乃至ロックアップコントロールバルブ126を介してのスリップ乃至係合制御は行われない。換言すれば、スリップ制御用リニアソレノイド弁SLUから出力される信号圧PSLUが変化させられた場合であっても、ロックアップリレーバルブ124のスプール弁子130がオフ側位置へ位置させられている限りにおいてその変化はロックアップクラッチ26の係合状態(差圧ΔP)に反映されない。
ここで、アクセルオン(アクセルペダル68の踏込み操作)に伴う車両発進等の車両加速に際して、エンジン回転速度Nの吹け上がりを抑制して燃料消費を抑制する為に、例えばアクセル開度Accに応じて燃費や動力性能を両立させる為の予め設定された目標エンジン回転速度N に制御するときにその目標エンジン回転速度N 以上にエンジン回転速度Nが吹け上がるのをなるべく抑制して燃料消費を抑制する為に、アクセルオン時からロックアップクラッチ26を係合に向けてスリップ係合させる制御(発進時ロックアップスリップ制御や加速時ロックアップスリップ制御:以下、加速時ロックアップスリップ制御を含めて発進時ロックアップスリップ制御と称す)を実行する場合について考える。このような発進時ロックアップスリップ制御を実行する車両状態において、ロックアップクラッチ26が解放されている状態でのアクセルオン直後(例えば車両発進直後)では、エンジン回転速度Nが立ち上がる過渡期である為にエンジントルクTの変動やエンジン回転速度Nの変動が比較的大きくなり、エンジン回転速度Nの目標値(目標エンジン回転速度N )を設定し難い。
その為、一般的に、上述したような発進時ロックアップスリップ制御では、車両発進の当初はオープンループ制御(オープン制御)にてスリップ量N(=N−N)を制御し(すなわちロックアップクラッチ26のトルク容量Tを制御し)、ロックアップクラッチ26の作動状態が係合側へある程度進行した以降は目標エンジン回転速度N を設定し、クローズドループによるフィードバック制御に切り替えてロックアップクラッチ26のトルク容量Tを制御することが種々提案されている。また、本実施例では、発進時ロックアップスリップ制御におけるオープン制御とフィードバック制御との切替え方法として、例えばロックアップクラッチ26のクラッチ摩擦材と摩擦材の相手側部材(フロントカバー14c)とが接触し始めた状態である弱係合状態(すなわち接触し始めた時点(タッチ点))を境として切り替える。
上記弱係合状態の判定方法としては、例えばロックアップクラッチ26のスリップ量Nを用いて判定する方法やロックアップクラッチ26のトルク容量Tの絶対値を用いて判定する方法がある。しかしながら、スリップ量Nに基づく判定方法では、例えば発進(或いは加速)直後においてスリップ量Nが過渡的に大きくなる為に、誤判定してしまう可能性がある。また、ロックアップクラッチ26のトルク容量Tは、例えば後述するように推定エンジントルクTesやポンプトルクTなどに基づいて推定(算出)される。推定エンジントルクTesとポンプトルクTとは、定常時には物理的に差が零とされるものであるが、各物理量のばらつき、推定精度の誤差、ロックアップクラッチ26の指示圧(電子制御装置50から供給される指令値に対応する駆動電流ISLUに比例した信号圧PSLUに相当)に対する動的な差圧ΔPのばらつき等により、両者に誤差が生じる可能性がある。その為、算出したトルク容量Tにこのような誤差が乗ることになりすなわちそのような誤差が無いものとしてみた本来のトルク容量T(ノミナルのトルク容量T)に対して算出したトルク容量Tにずれが生じることになり、トルク容量Tの絶対値に基づく判定方法でも、誤判定してしまう可能性がある。このような弱係合状態の誤判定は、例えば実際の弱係合状態よりも早い判定により、タッチ点に到達していないのにロックアップクラッチ26の指示圧を係合に向けて早めに上げることになって係合ショックを増大させる可能性がある。反対に、例えば実際の弱係合状態よりも遅い判定により、燃費の良い目標エンジン回転速度N に収束させることが遅れることになって燃費向上効果が薄れる可能性がある。
そこで、本実施例では、前記発進時ロックアップスリップ制御例えば前記発進時ロックアップスリップ制御中におけるロックアップクラッチ26のトルク容量制御を、ロックアップクラッチ26のトルク容量Tの変化量に応じてオープン制御とフィードバック制御とで切り替える。つまり、ロックアップクラッチ26の弱係合状態をロックアップクラッチ26のトルク容量Tの変化量に基づいて判定する。尚、ここでの変化量は、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される制御上は、変化速度と同意として取り扱う。
具体的には、図9は、電子制御装置50による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図9において、エンジン出力制御部すなわちエンジン出力制御手段82は、エンジン12の出力制御の為にエンジン出力制御指令信号S、例えばスロットル信号や噴射信号や点火時期信号などをそれぞれスロットルアクチュエータ38や燃料噴射装置78や点火装置80へ出力する。例えば、エンジン出力制御手段82は、目標スロットル弁開度θTH をアクセル開度Accに応じた目標エンジントルクT が得られる為のスロットル開度θTHとし、目標エンジントルクT が得られるようにスロットルアクチュエータ38により電子スロットル弁40を開閉制御する他、燃料噴射装置78により燃料噴射量を制御したり、点火装置80により点火時期を制御する。
変速制御部すなわち変速制御手段84は、例えば図5に示すような変速マップから実際の車速V及びアクセル開度Accで示される車両状態に基づいて入力軸回転速度NINの目標入力軸回転速度NIN を設定する。そして、変速制御手段84は、実入力軸回転速度NINがその目標入力軸回転速度NIN と一致するように、例えば実入力軸回転速度NINと目標入力軸回転速度NIN との回転偏差ΔNIN(=NIN −NIN)に基づいて無段変速機18の変速を例えばフィードバック制御により実行する。つまり、変速制御手段84は、回転偏差ΔNINに基づいて駆動側油圧シリンダ42cに対する作動油の流量を制御することにより両可変プーリ42、46のV溝幅を変化させる為の変速制御指令信号(油圧指令)Sを決定し、その変速制御指令信号Sを油圧制御回路100へ出力して変速比γを連続的に変化させる。油圧制御回路100は、変速制御手段84からの変速制御指令信号Sに従って無段変速機18の変速が実行されるようにソレノイド弁DS1及びソレノイド弁DS2を作動させて駆動側油圧シリンダ42cへの作動油の供給・排出により変速制御圧Pinを調圧する。
ベルト挟圧力制御部すなわちベルト挟圧力制御手段86は、例えば図6に示すようなベルト挟圧マップから無段変速機18の入力トルクTIN(=エンジントルクT×トルク比t:Tは例えば推定エンジントルクTes)及び実変速比γ(=NIN/NOUT)で示される車両状態に基づいて目標ベルト挟圧Pdを設定する。そして、ベルト挟圧力制御手段86は、その目標ベルト挟圧Pdが得られるように従動側油圧シリンダ46cのベルト挟圧Pdを調圧する為の挟圧力制御指令信号Sを油圧制御回路100へ出力する。油圧制御回路100は、ベルト挟圧力制御手段86からの挟圧力制御指令信号Sに従ってベルト挟圧Pdが増減されるようにリニアソレノイド弁SLSを作動させてベルト挟圧Pdを調圧する。このように、ベルト挟圧力制御手段86は、無段変速機18の入力トルクTINに応じてリニアソレノイド弁SLSを作動させてベルト挟圧Pdを制御することにより、ベルト滑りが発生しない範囲で燃費向上の為出来るだけ低い値になるようにベルト挟圧力を制御する。
ロックアップクラッチ制御部すなわちロックアップクラッチ制御手段88は、例えばスロットル弁開度θTH及び車速Vを変数としてロックアップ解放(ロックアップオフ)領域、スリップ制御領域(ロックアップスリップ制御作動領域)、ロックアップ制御作動領域(ロックアップオン)領域を有する予め記憶された不図示の関係(マップ、ロックアップ領域線図)から実際のスロットル弁開度θTH及び車速Vで示される車両状態に基づいてロックアップクラッチ26の作動状態の切換えを制御する。例えば、ロックアップクラッチ制御手段88は、上記ロックアップ領域線図から実際の車両状態に基づいてロックアップクラッチ26のロックアップ解放領域、ロックアップスリップ制御作動領域、ロックアップ制御作動領域の何れかであるかを判断し、ロックアップクラッチ26のロックアップ解放への切換え或いはロックアップスリップ制御作動乃至ロックアップ制御作動への切換えの為のロックアップ制御指令信号Sを油圧制御回路100へ出力する。また、ロックアップクラッチ制御手段88は、ロックアップスリップ制御作動領域であると判断すると、ロックアップクラッチ26の実際のスリップ量Nを逐次算出し、その実際のスリップ量Nが目標スリップ量N となるように差圧ΔPを制御する為のロックアップ制御指令信号Sを油圧制御回路100へ出力する。
油圧制御回路100は、ロックアップクラッチ制御手段88からのロックアップ制御指令信号Sに従ってロックアップクラッチ26の解放とスリップ状態乃至係合とが切り換えられるように切換用ソレノイド弁SLを作動させてロックアップリレーバルブ124の弁位置を解放側(OFF)位置と係合側(ON)位置とで切り換える。また、油圧制御回路100は、ロックアップクラッチ制御手段88からのロックアップ制御指令信号Sに従ってロックアップクラッチ26のスリップ状態乃至係合におけるトルク容量Tがロックアップコントロールバルブ126を介して増減されるようにスリップ制御用リニアソレノイド弁SLUを作動させてロックアップクラッチ26を係合したりロックアップクラッチ26のスリップ量Nを制御する。例えば、比較的高車速領域においては、ロックアップクラッチ26をロックアップ(完全係合)してポンプ翼車14pとタービン翼車14tとを直結することで、トルクコンバータ14の滑り損失(内部損失)を無くして燃費を向上させている。また、比較的低中速領域においては、ポンプ翼車14pとタービン翼車14tとの間に所定の微少な滑りを与えて係合させるスリップ制御(ロックアップスリップ制御)を実施することで、ロックアップ作動領域を拡大し、トルクコンバータ14の伝達効率を向上して燃費を向上させている。
ロックアップクラッチ制御手段88は、アクセルオンに伴う車両発進に際して、エンジン回転速度Nが抑制されるようにロックアップクラッチ26をスリップ係合させながら係合に向けて制御する為のロックアップ制御指令信号Sを油圧制御回路100へ出力する発進時ロックアップスリップ制御を実行する発進時ロックアップスリップ制御手段として機能する。例えば、ロックアップクラッチ制御手段88は、アクセル開度Accに応じて燃費や動力性能を両立させる為の目標エンジン回転速度N を設定し、その目標エンジン回転速度N 以上にエンジン回転速度Nが吹け上がるのを抑制すると共に目標エンジン回転速度N にエンジン回転速度Nが維持(収束)されるように、ロックアップクラッチ26をスリップ係合させながら係合に向けて制御する。つまり、目標エンジン回転速度N と車速Vと共に変化する入力軸回転速度NIN(タービン回転速度N)とのスリップ量Nを制御して、エンジン回転速度Nの吹け上がりを抑制すると共に目標エンジン回転速度N に維持する。但し、ロックアップクラッチ制御手段88は、車両発進当初は、目標エンジン回転速度N を設定せず、ロックアップクラッチ26が弱係合状態となるまでオープン制御にて所定の発進時ロックアップスリップ制御を行ってロックアップクラッチ26のトルク容量Tを制御し、弱係合状態となった後には目標エンジン回転速度N を設定し、フィードバック制御にて発進時ロックアップスリップ制御を行ってロックアップクラッチ26のトルク容量Tを制御する。
つまり、ロックアップクラッチ制御手段88は、アクセルオンに伴う車両発進に際して、後述する弱係合状態判定手段94によりロックアップクラッチ26の弱係合状態が判定されるまでは、目標エンジン回転速度N を設定することなくロックアップクラッチ26を係合側へ進行させる為に、所定の一定勾配で漸増する指示圧(スリップ制御用リニアソレノイド弁SLUへの指令値である駆動電流ISLUに比例した信号圧PSLUに相当)にてロックアップクラッチ26のトルク容量Tを制御する単純スイープ制御を所定の発進時ロックアップスリップ制御として実行する。この所定の一定勾配は例えばアクセル開度Accに応じて予め設定された値としても良い。この場合には、オープン制御としてアクセル開度Accに応じた所定の一定勾配を設定して上記スイープ制御を実行するフィードフォワード制御が実行される。具体的には、アクセル開度Accが大きい程エンジン12の吹け上がりが急であることに対応してより早くトルク容量Tを増大させてエンジン回転速度Nを抑制するという観点から、上記所定の一定勾配をアクセル開度Accが大きい程大きな勾配となるように設定する。
一方、ロックアップクラッチ制御手段88は、後述する弱係合状態判定手段94によりロックアップクラッチ26の弱係合状態が判定された場合は、その判定時の実エンジン回転速度Nを仮の目標エンジン回転速度N に設定すると共に、その仮の目標エンジン回転速度N からアクセル開度Accに応じて設定した燃費や動力性能を両立させる為の本来の目標エンジン回転速度N に向けて目標エンジン回転速度N を変化させる。このときの変化は、例えば予め設定した一定の変化勾配でスイープさせても良いし、エンジントルクTが大きい程大きく設定される所定の変化勾配でスイープさせても良い。また、ロックアップクラッチ制御手段88は、目標エンジン回転速度N と実際のタービン回転速度Nに基づいてその目標エンジン回転速度N を得る為の目標スリップ回転速度すなわち目標スリップ量N (=N −N)を算出する。そして、ロックアップクラッチ制御手段88は、ロックアップクラッチ26の弱係合状態が判定された以降は上記スイープ制御に替えて、実際のスリップ量Nが目標スリップ量N と一致するように、例えば次式(1)に示すような予め定められたフィードバック制御式を用いて算出した駆動電流ISLU(駆動電流ISLUに比例した信号圧PSLUに相当する指示圧)にてロックアップクラッチ26のトルク容量Tを制御するフィードバック制御を実行する。この式(1)において、eは目標スリップ量N と実際のスリップ量Nとの偏差、Kは比例定数、Kは積分定数、Kは微分定数、KFFはフィードフォワード定数、右辺第1項はフィードバック項、右辺第2項はフィードフォワード項である。
SLU=(K×e+K×(∫edt)+K×(de/dt))
+KFF(f(T,θTH,N)) ・・・(1)
発進時制御実行中判定部すなわち発進時制御実行中判定手段90は、ロックアップクラッチ制御手段88により発進時ロックアップスリップ制御が実行されているか否かを、例えばロックアップクラッチ制御手段88からのロックアップ制御指令信号Sに基づいて判定する。
トルク容量変化速度算出部すなわちトルク容量変化速度算出手段92は、推定エンジントルクTesと、トルクコンバータ14の入力トルクとしてのポンプトルクTと、エンジン12側からトルクコンバータ14のポンプ翼車14pへ入力されるイナーシャトルクTとに基づいて、ロックアップクラッチ26のトルク容量Tを逐次算出する。また、トルク容量変化速度算出手段92は、その算出したトルク容量Tに基づいてトルク容量Tの変化速度(トルク容量変化速度)T’を逐次算出する。
具体的には、トルク容量変化速度算出手段92は、例えば図7に示すようなエンジントルク特性図(エンジントルクマップ)から実際のエンジン回転速度N及び吸入空気量QAIRに基づいて推定エンジントルクTesを算出する。また、トルク容量変化速度算出手段92は、エンジン回転速度N及びタービン回転速度Nに基づいてトルクコンバータ14の速度比e(=N/N)を算出し、図8に示すようなトルクコンバータ14の作動特性図からその算出した速度比eに基づいてトルクコンバータ14の容量係数Cを算出し、次式(2)に示す関係からその容量係数C及びエンジン回転速度Nに基づいてポンプトルクTを算出する。また、トルク容量変化速度算出手段92は、次式(3)に示す関係からエンジン回転部慣性モーメント(エンジンイナーシャ)I及びエンジン回転速度Nに基づいてイナーシャトルクTを算出する。そして、トルク容量変化速度算出手段92は、次式(4)に示す関係から上記算出した推定エンジントルクTes、ポンプトルクT、及びイナーシャトルクTに基づいてロックアップクラッチ26のトルク容量Tを逐次算出する。更に、トルク容量変化速度算出手段92は、次式(5)に示す関係から上記算出したトルク容量Tに基づいてトルク容量変化速度T’を逐次算出する。尚、上記エンジンイナーシャIは、例えば設計的に或いは予め実験的に求められて記憶された定数(実験値)である。
=C×N ・・・(2)
=I×(dN/dt) ・・・(3)
=Tes−T−T ・・・(4)
’=dT/dt ・・・(5)
弱係合状態判定部すなわち弱係合状態判定手段94は、例えばロックアップクラッチ26が弱係合状態とされたか否かを判定する。例えば、弱係合状態判定手段94は、トルク容量Tの変化量が所定変化量を超えたか否かに基づいて、すなわちトルク容量変化速度算出手段92により算出されたトルク容量変化速度T’が所定変化速度T'THを超えたか否かに基づいて、ロックアップクラッチ26が弱係合状態とされたか否かを判定する。この所定変化量すなわち所定変化速度T'THは、例えばロックアップクラッチ26の弱係合状態を判定する為の予め求められて設定された判定閾値である。より具体的には、所定変化速度T'THは、ロックアップクラッチ26が弱係合状態となるときの理論上の(或いは実験的に求めた)トルク容量変化速度T’に対して例えば(1/2)〜(3/4)程度のトルク容量変化速度T’に設定されている。
図10は、電子制御装置50の制御作動の要部すなわち発進時ロックアップスリップ制御中におけるオープン制御とフィードバック制御との制御の切替えを精度良く行う為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。また、図11は、図10のフローチャートに示す制御作動を実行した場合の一例を示すタイムチャートである。
図10において、先ず、発進時制御実行中判定手段90に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、例えば発進時ロックアップスリップ制御が実行されているか否かが、ロックアップ制御指令信号Sに基づいて判定される。このS10の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが肯定される場合(図11のt1時点以降)はトルク容量変化速度算出手段92に対応するS20において、例えば吸入空気量QAIRに基づいて算出される推定エンジントルクTesと、トルクコンバータ14の作動特性図に基づいて算出されるポンプトルクTと、エンジン回転速度Nの変化量に基づいて算出されるイナーシャトルクTとを含む算出式である前記式(4)に示す関係を用いてロックアップクラッチ26のトルク容量Tが逐次算出される。更に、前記式(5)に示す関係からその算出したトルク容量Tに基づいてトルク容量変化速度T’が逐次算出される(図11のt1時点以降)。次いで、弱係合状態判定手段94に対応するS30において、例えば、上記S20にて算出されたトルク容量変化速度T’が所定変化速度T'THを超えたか否かに基づいて、ロックアップクラッチ26が弱係合状態とされたか否かが逐次判定される(図11のt1時点以降)。このS30の判断が否定される場合(図11のt4時点以前)はロックアップクラッチ制御手段88に対応するS40において、例えば発進時ロックアップスリップ制御中のスリップ制御用リニアソレノイド弁SLUへの指令値である駆動電流ISLU(駆動電流ISLUに比例した信号圧PSLUに相当する指示圧)としてクアップクラッチ26を係合側へ進行させる為の所定の一定勾配で漸増する駆動電流ISLUがアクセル開度Accに応じて設定(算出)され、その一定勾配で漸増する駆動電流ISLUにてロックアップクラッチ26のトルク容量Tを制御する単純スイープ制御が実行される(図11のt2時点乃至t4時点)。一方、上記S30の判断が肯定される場合(図11のt4時点)はロックアップクラッチ制御手段88に対応するS50において、例えばその肯定された時点の実エンジン回転速度Nが仮の目標エンジン回転速度N に設定されると共に、その仮の目標エンジン回転速度N からアクセル開度Accに応じて設定した燃費や動力性能を両立させる為の本来の目標エンジン回転速度N に向けて目標エンジン回転速度N が変化させられる(図11のt4時点以降)。次いで、同じくロックアップクラッチ制御手段88に対応するS60において、例えば上記S50にて算出された目標エンジン回転速度N に基づいて目標スリップ量N (=N −N)が算出される。そして、上記S40にて実行されているスイープ制御に替えて、例えば実際のスリップ量Nが目標スリップ量N と一致するように前記式(1)に示すような予め定められたフィードバック制御式を用いて算出したスリップ制御用リニアソレノイド弁SLUへの指令値である駆動電流ISLUにて、ロックアップクラッチ26のトルク容量Tを制御するフィードバック制御が実行される(図11のt4時点以降)。
これにより、図11からも明らかなように、例えば推定エンジントルクTesと算出されるポンプトルクTとに誤差があると、誤差をないものとしたノミナルのトルク容量(二点鎖線)に対して、計算上のトルク容量Tにはそのまま誤差分が含まれる。その為、トルク容量Tを用いて弱係合状態が判定される従来例の場合には、ノミナルのトルク容量での本来の弱係合状態の判定ポイント(図11のt4時点)に対して、誤判定(図11のt3時点)される可能性がある。そうすると、実際にはロックアップクラッチ26が弱係合状態とされてないにも拘わらず、係合圧が上昇させられて係合ショックが増大する可能性がある。これに対して、トルク容量変化速度T’を用いて弱係合状態が判定される本実施例の場合には、本来の弱係合状態の判定ポイントにて精度良く判定される(図11のt4時点)。よって、適切にスイープ制御からフィードバック制御へ切り替えられて、係合ショックが抑制される。また、上記誤差の出方によっては、本来の弱係合状態の判定ポイントに対して遅れた時点にて誤判定される場合もある。この場合には、フィードバック制御への切り替えが遅れることになり、目標エンジン回転速度N への収束が遅れるので、燃費向上効果が薄れる可能性がある。これに対して、本実施例の場合には本来の弱係合状態の判定ポイントにて精度良く判定されるので、燃費を向上することが可能になる。このように、本実施例は、ロックアップクラッチ26の制御性を向上させる技術であり、例えばロックアップ領域が拡大し、燃費を向上させたりドライバビリティを向上させることができる。尚、上記ノミナルのトルク容量Tは、計算上のトルク容量Tに含まれる上記誤差の数値がわかっているものとして例示したものに過ぎず、実機上は上記誤差を把握できないので、この誤差を含む計算上のトルク容量Tから上記ノミナルのトルク容量Tを算出できないのは言うまでもない。
上述のように、本実施例によれば、前記発進時ロックアップスリップ制御例えば前記発進時ロックアップスリップ制御中におけるロックアップクラッチ26のトルク容量制御が、ロックアップクラッチ26のトルク容量Tの変化量(実質的にはトルク容量変化速度T’)に応じてオープン制御とフィードバック制御とで切り替えられるので、仮に種々の誤差によりそのような誤差が無いものとしてみたノミナルのトルク容量Tに対してロックアップクラッチ26のトルク容量Tの絶対値にずれが生じさせられていたとしても、誤差を含むトルク容量変化速度T’はそのノミナルのトルク容量変化速度T’と略同じ値とされることから、トルク容量Tの絶対値に影響を与えるような誤差の有無に拘わらず発進時ロックアップスリップ制御中におけるオープン制御とフィードバック制御との制御の切替えを精度良く行うことができる。よって、オープン制御とフィードバック制御とのそれぞれの制御にて行われる発進時ロックアップスリップ制御例えば発進時ロックアップスリップ制御中におけるロックアップクラッチ26のトルク容量制御の制御精度が向上させられる。
また、本実施例によれば、前記トルク容量変化速度T’がロックアップクラッチ26の弱係合状態を判定する為の所定変化速度T'THを超えるまでは前記オープン制御にて前記発進時ロックアップスリップ制御を行い、前記トルク容量変化速度T’がその所定変化速度T'THを超えた以降は前記フィードバック制御にて前記発進時ロックアップスリップ制御を行うので、例えば前記ノミナルのトルク容量Tで見た本来の弱係合状態にてオープン制御とフィードバック制御とが切り替えられる。
また、本実施例によれば、前記オープン制御は、目標エンジン回転速度N を設定することなくロックアップクラッチ26を係合に向けて進行させる為の所定の発進時ロックアップスリップ制御を行うものであり、前記フィードバック制御は、目標エンジン回転速度N を設定すると共に、フィードバック項とフィードフォワード項とを含むフィードバック制御式を用いて、実エンジン回転速度Nが目標エンジン回転速度N と一致するように前記発進時ロックアップスリップ制御を行うものであるので、例えば発進時ロックアップスリップ制御開始時にスリップ量Nが比較的大きくされていても、オープン制御にてロックアップクラッチ26を解放から係合に向けて適切に進行させられる。また、例えば適切な時期にフィードバック制御にてロックアップクラッチ26のトルク容量Tが係合に向けて上昇させられて係合ショックが抑制されたり、適切な時期にフィードバック制御にて燃費の良い目標とするエンジン回転速度Nを狙うことができて燃費が向上させられる。
また、本実施例によれば、前記所定の発進時ロックアップスリップ制御は、アクセル開度Accに応じて予め設定された所定の一定勾配にて漸増する指令値にてロックアップクラッチ26を係合に向けて進行させる為のスイープ制御であるので、例えばアクセル開度Accが大きい程エンジン12の吹け上がりが急であることに対応してより早くロックアップクラッチ26のトルク容量Tを増大させてエンジン回転速度Nを抑制することが可能となる。
また、本実施例によれば、ロックアップクラッチ26のトルク容量Tは、エンジン12に対する要求負荷(例えば吸入空気量QAIR、スロットル弁開度θTH等)に基づいて算出される推定エンジントルクTesと、トルクコンバータ14の所定の作動特性(例えば作動特性図)に基づいて算出されるトルクコンバータ14への入力トルク(すなわちポンプトルクT)と、エンジン12の回転速度変化(実質的にはエンジン回転速度変化速度N'(=dN/dt))に基づいて算出されるトルクコンバータ14へのイナーシャトルクTとを含む算出式(例えば前記式(4))を用いて逐次算出されるので、ロックアップクラッチ26のトルク容量Tが適切に算出される。また、仮に、推定エンジントルクTesやポンプトルクT等の推定(算出)精度の誤差等により上記ノミナルのトルク容量Tに対して算出されたトルク容量Tにずれが生じさせられていたとしても、算出されたロックアップクラッチ26のトルク容量Tの変化量に応じて前記発進時ロックアップスリップ制御中におけるオープン制御とフィードバック制御が切り替えられるので、その発進時ロックアップスリップ制御中におけるオープン制御とフィードバック制御との制御の切替えを精度良く行うことができる。
また、本実施例によれば、アクセルオンに伴う車両発進の際に、そのアクセルオンに応じて予め設定された目標回転速度N 以上にエンジン回転速度Nが吹け上がるのを抑制するように、前記発進時ロックアップスリップ制御を行うことにあるので、車両発進の際に、エンジン回転速度Nが吹け上がるのを適切に抑制することができ、燃料消費が抑制される。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、発進時ロックアップスリップ制御を例示して本発明を説明したが、例えば発進時でなく車両走行中のアクセルペダル68の踏増し操作に伴う加速時ロックアップスリップ制御であっても本発明は適用され得る。尚、このようなロックアップスリップ制御は、アクセルオン(アクセルペダル68の踏増し操作)に伴う車両発進(車両加速)に際して、そのアクセルオンに伴ってエンジン回転速度Nが目標エンジン回転速度N 以上に一旦(一時的に)上昇してしまうことを抑制するように、ロックアップクラッチ26をスリップ係合させながら係合に向けて制御することであるので、アクセルペダル68の踏み込み具合に対する車両加速感等において運転者が違和感等を感じ難くする為に、例えばアクセル開度Accが比較的低開度となるアクセルオンに伴う車両発進時(アクセルペダル68の踏増し量が少ない車両加速時)に実行されるようにしても良い。
また、前述の実施例では、流体伝動装置としてロックアップクラッチ26が備えられているトルクコンバータ14が用いられていたが、トルク増幅作用のないフルードカップリングが用いられてもよい。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
12:エンジン
14:トルクコンバータ(流体伝動装置)
18:無段変速機(自動変速機)
26:ロックアップクラッチ
50:電子制御装置(制御装置)

Claims (6)

  1. 自動変速機と、エンジンの動力を該自動変速機へ伝達する流体伝動装置の入出力間を直結可能なロックアップクラッチとを備え、車両加速に際して前記エンジンの回転速度の吹け上がりが抑制されるように前記ロックアップクラッチを係合に向けてスリップ係合させるロックアップスリップ制御を行う車両用ロックアップクラッチの制御装置であって、
    前記ロックアップスリップ制御を、前記ロックアップクラッチのトルク容量の変化量に応じてオープン制御とフィードバック制御とで切り替えることを特徴とする車両用ロックアップクラッチの制御装置。
  2. 前記トルク容量の変化量が前記ロックアップクラッチの弱係合状態を判定する為の所定変化量を超えるまでは前記オープン制御にて前記ロックアップスリップ制御を行い、
    前記トルク容量の変化量が前記所定変化量を超えた以降は前記フィードバック制御にて前記ロックアップスリップ制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の車両用ロックアップクラッチの制御装置。
  3. 前記オープン制御は、前記エンジンの回転速度の目標値を設定することなく前記ロックアップクラッチを係合に向けて進行させる為の所定のロックアップスリップ制御を行うものであり、
    前記フィードバック制御は、前記エンジンの回転速度の目標値を設定すると共に、フィードバック項とフィードフォワード項とを含むフィードバック制御式を用いて、前記エンジンの回転速度の実際値が前記目標値と一致するように前記ロックアップスリップ制御を行うものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用ロックアップクラッチの制御装置。
  4. 前記所定のロックアップスリップ制御は、運転者の加速要求量に応じて予め設定された所定の一定勾配にて漸増する指令値にて前記ロックアップクラッチを係合に向けて進行させる為のスイープ制御であることを特徴とする請求項3に記載の車両用ロックアップクラッチの制御装置。
  5. 前記ロックアップクラッチのトルク容量は、前記エンジンに対する要求負荷に基づいて算出される該エンジンの推定トルクと、前記流体伝動装置の所定の作動特性に基づいて算出される該流体伝動装置への入力トルクと、前記エンジンの回転速度変化に基づいて算出される前記流体伝動装置へのイナーシャトルクとを含む算出式を用いて逐次算出されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両用ロックアップクラッチの制御装置。
  6. アクセルオンに伴う車両発進の際に、該アクセルオンに応じて予め設定された目標回転速度以上に前記エンジンの回転速度が吹け上がるのを抑制するように、前記ロックアップスリップ制御を行うことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の車両用ロックアップクラッチの制御装置。
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