JP2011121738A - ブーム付き作業機におけるブーム撓み抑制装置 - Google Patents

ブーム付き作業機におけるブーム撓み抑制装置 Download PDF

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Abstract

【課題】吊荷状態又はブームの撓みによりテンションロープが緩まない状態において誤ってプリテンションリセットまたはセット操作がなされた場合のプリテンション制御動作を規制する。
【解決手段】上記テンションロープにかかる張力を検出する張力検出手段と、上記テンションロープの張力を緩めるプリテンションリセット動作または上記テンションロープの張力を高めるプリテンションセット動作を規制する規制手段とを設け、上記張力可変手段を作動させて上記テンションロープの張力を緩めるプリテンションリセット作業時または上記テンションロープの張力を高めるプリテンションセット作業時、上記張力検出手段によって上記テンションロープにかかる張力を検出し、同検出された張力値が所定値以上である場合には吊荷状態であると判断して、上記プリテンションリセット動作または上記プリテンションセット動作を規制する。
【選択図】図7

Description

本願発明は、伸縮ブームを備えたクレーン等のブーム付き作業機において、ブームの自重及び吊下荷重等による撓みを抑制するブームの撓み抑制装置に関するものである。
ブーム付の作業機の一例として、ブーム付きのクレーン(クレーン車)が知られている。このようなブーム付きクレーンは、ビル等の建造物を構築するに際して、必要な資材ユニットを吊り上げ、所要の作業場所に運搬するのに適している。このため、ビル建設等の用途に有効に利用されている。
そして、上記ビル等の建造物は、近年益々高層化するとともに、使用される資材ユニットも、次第に大型化する傾向にある。
このため、クレーン自体も大型化し、ブームの伸縮段数を増加させて、高揚程での荷送り作業に適したものが提供されるようになっている。
ところが、このようにブーム部分の長さが長くなり、吊荷の荷重も大きくなると、自重を含めてブームにかかる荷重も増大し、その撓み量も大きなものとなる。
このため、上記クレーンのようなブーム付作業機では、ブームの自重及び吊荷の荷重等による撓みを抑制するための撓み抑制装置が設けられている。
このブームの撓み抑制装置は、例えばマスト、テンションロープ、テンション部材、プリテンションシリンダ、テンションウインチ、マスト起伏シリンダ等を備え、伸縮ブームの基端ブームの先端部にマストを設け、該マストの先端部と上記基端ブームとの間にテンション部材を配置するとともに、上記マストの先端部と先端ブームの先端部との間にテンションロープを張設し、該張設されたテンションロープの張力を例えば上記マスト部分に配置したテンションウインチおよびプリテンションシリンダによって適切な張力を付与することによって、上記ブームの撓みを抑制するようにしている(例えば特許文献1を参照)。
すなわち、このようなクレーン等のブーム付き作業機におけるブームの撓み抑制装置では、格納状態から、テンション部材の伸縮ブームの後端側への連結、マスト起伏シリンダの駆動によるマストの張出し、テンションウインチの駆動によるテンションロープの繰り出し、先端ブームの先端部へのテンションロープの接続、伸縮ブームの所定量の起伏および伸長、テンションウインチのロックを行った後、最終的なプリテンションセット(目標となる適切な規定値への張力セット)を行なって作業をする。
このプリテンションセット作業は、上記テンションウインチによりテンションロープの張設を行った後に上記プリテンションシリンダを所定量縮め、上記テンションロープに所望の張力を掛けることにより行われる。
そして、その上で必要な吊荷作業を行ない、同吊荷作業が終了すると、上記張力可変手段(張力調節)であるプリテンションシリンダを伸ばして、上記プリテンションセット前の張力までテンションロープを緩めるプリテンションリセット操作を行って、同装置を上述した元の格納状態に格納するようになっている。
なお、上記プリテンションセット、リセット用のテンションロープの張力可変手段としては、上記プリテンションシリンダ以外に、例えばテンションウインチ自体を用いてプリテンションセット、リセットすることも可能である。
特開2008−120525号公報
ところが、このようなブーム撓み抑制装置において、ロープ張力可変手段であるプリテンションシリンダを伸ばしてテンションロープの張力を吊荷状態で緩める(プリテンションリセットする)と、ブームに負荷が掛かってしまい、ブームの撓みが増加して危険な状態(過負荷)になるという問題があった。
他方、逆に吊荷状態でプリテンションセットすると、ブームが本来とは異なるプリテンション状態になってしまい(本来の性能を発揮できず)、危険である。
本願発明は、このような問題を解決するためになされたもので、テンションロープの張力を緩める撓み抑制装置のプリテンションリセット作業時または上記テンションロープの張力を高めるプリテンションセット作業時において、テンションロープの張力又は実荷重を検出し、検出された張力又は実荷重が所定値以上である場合には、吊荷状態であると判断してプリテンションリセット動作またはプリテンションセット動作を規制することにより、吊荷状態又はブームの撓みによりテンションロープが緩まない状態において誤ってプリテンションリセット操作またはプリテンションセット操作がなされたような場合にも、自動的に同リセット動作またはセット操作が規制されるようにして、誤ったリセット動作またはセット操作を回避し得るようにしたブーム付き作業機におけるブーム撓み抑制装置を提供することを目的とするものである。
本願各発明は、該目的を達成するために、それぞれ次のような課題解決手段を備えて構成されている。
(1) 請求項1の発明の課題解決手段
本願請求項1の発明の課題解決手段は、マスト、テンションロープ、テンション部材、テンションロープの張力可変手段、テンションウインチ、マスト起伏手段を備え、伸縮ブームの基端ブームにマストを設け、該マストの先端部と基端ブームとの間にテンション部材を配置するとともに、上記マストの先端部と先端ブームの先端部または上記伸縮ブーム先端に固定されたジブ基台との間にテンションロープを張設し、該張設されたテンションロープの張力を上記張力可変手段により所定の目標値にプリテンションセットすることによって、上記伸縮ブームの撓みを抑制するようにしてなるブーム付作業機の撓み抑制装置であって、上記テンションロープにかかる張力を検出する張力検出手段と、上記テンションロープの張力を緩めるプリテンションリセット動作または上記テンションロープの張力を高めるプリテンションセット動作を規制する規制手段とを設け、上記張力可変手段を作動させて上記テンションロープの張力を緩めるプリテンションリセット作業時または上記テンションロープの張力を高めるプリテンションセット作業時、上記張力検出手段によって上記テンションロープにかかる張力を検出し、同検出された張力値が所定値以上である場合には吊荷状態であると判断して、上記プリテンションリセット動作または上記プリテンションセット動作を規制するようにしたことを特徴としている。
このような構成によると、ブームの撓み抑制装置において、プリテンションシリンダ等のロープ張力可変手段を作動させて、作業開始前の張力までテンションロープの張力を緩めるプリテンションリセット作業時またはテンションロープの張力を高めるプリテンションセット作業時、張力検出手段によりテンションロープの張力を検出し、該検出された張力値が所定値以上である場合には、吊荷状態であると判断してプリテンションリセット動作またはプリテンションセット動作を規制するから、例えば吊荷状態で誤ってプリテンションリセット操作またはプリテンションセット操作がなされたような場合にも、自動的に同リセット動作またはセット操作が規制され、誤ったリセット動作またはセット操作が確実に回避される。
その結果、確実なプリテンションリセットまたはプリテンションセットが行われ、作業の安全性が確保される。
(2) 請求項2の発明の課題解決手段
本願請求項2の発明の課題解決手段は、マスト、テンションロープ、テンション部材、テンションロープの張力可変手段、テンションウインチ、マスト起伏シリンダを備え、伸縮ブームの基端ブームにマストを設け、該マストの先端部と基端ブームとの間にテンション部材を配置するとともに、上記マストの先端部と先端ブームの先端部または上記伸縮ブーム先端に固定されたジブ基台との間にテンションロープを張設し、該張設されたテンションロープの張力を上記張力可変手段により所定の目標値にプリテンションセットすることによって、上記伸縮ブームの撓みを抑制するようにしてなるブーム付作業機の撓み抑制装置であって、実荷重値を演算する実荷重値演算手段と、テンションロープの張力を緩める上記プリテンションリセット動作または上記テンションロープの張力を高めるプリテンションセット動作を規制する規制手段とを設け、上記張力可変手段を作動させて上記テンションロープの張力を緩めるプリテンションリセット作業時または上記テンションロープの張力を高めるプリテンションセット作業時、上記実荷重値演算手段によって実荷重値を演算し、同演算された実荷重値が所定値以上である場合には吊荷状態であると判断して、上記プリテンションリセット動作またはプリテンションセット動作を規制するようにしたことを特徴としている。
このような構成によると、ブームの撓み抑制装置において、プリテンションシリンダ等のロープ張力可変手段を作動させて、作業開始前の張力までテンションロープの張力を緩めるプリテンションリセット作業時またはテンションロープの張力を高めるプリテンションセット作業時において、例えばブーム起伏反力又は/および吊荷張力などから実荷重値を演算し、該演算された実荷重値が所定値以上である場合には、吊荷状態であると判断してプリテンションリセット動作またはプリテンションセット動作を規制するから、例えば吊荷状態又はブームの撓みによりテンションロープが緩まない状態において誤ってプリテンションリセット操作またはプリテンションセット操作がなされたような場合にも、自動的に同リセット動作またはセット操作が規制され、誤ったリセット動作またはセット操作が確実に回避される。
その結果、プリテンションリセット時またはプリテンションセット時の過負荷によるブームの撓みが防止され、作業の安全性が確保される。
(3) 請求項3の発明の課題解決手段
本願請求項3の発明の課題解決手段は、上記請求項1又は2の発明の課題解決手段において、ブーム起伏角度の判定手段を設け、実際のブーム起伏角度が所定の範囲から外れている場合にも、プリテンションリセット動作またはプリテンションセット動作を規制するようにしたことを特徴としている。
実際の作業機のブーム起伏角が所定の設定範囲から外れている場合には、ブームの撓み量が増加し、プリテンションリセットまたはプリテンションセットが一律、かつ確実に行えない。
そこで、さらにブーム起伏角度の判定手段を設け、実際のブーム起伏角度が所定の設定範囲から外れている場合にも、同様にプリテンションリセット動作またはセット動作を規制することにより、プリテンションリセットまたはプリテンションセットを一律、かつ確実に行えるようになる。
(4) 請求項4の発明の課題解決手段
本願請求項4の発明の課題解決手段は、上記請求項1,2又は3の発明の課題解決手段において、ワーニングメッセージ出力手段を設け、プリテンションリセット動作またはプリテンションセット動作の規制時には、同プリテンションリセット動作またはプリテンションセット動作の規制に合わせてワーニングメッセージ出力手段により、プリテンションリセット動作またはプリテンションセット動作を規制する旨のワーニングメッセージを出力するようにしたことを特徴としている。
上記プリテンションリセット動作またはセット動作の規制は、自動的に掛けられるので、規制が掛けられたことをオペレータにも分るようにし、より安心して作業ができるようにする。
以上の結果、本願発明によると、クレーン等のブーム付き作業機におけるブーム撓み抑制装置のプリテンションリセット時またはプリテンションセット時の誤操作(誤制御)や不安が回避され、作業の安全性が図られる。
本願発明の実施の形態1に係るブームの撓み抑制装置を備えたブーム付き作業機(クレーン車)の全体的な構成を示す側面図である。 図1中のX部の詳細な構成を示す斜視図である。 図1に示したクレーン車におけるブーム撓み抑制装置の格納状態を示すクレーン車全体の側面図である。 図1に示したクレーン車におけるブーム撓み抑制装置の張出状態を示すブーム撓み抑制装置部分の側面図である。 図1に示したクレーン車におけるブーム撓み抑制装置のテンションロープの掛け回し状態を示す全体的な側面図である。 本願発明の実施の形態1に係るブーム付き作業機のブーム撓み抑制装置の制御回路部分の構成を示すブロック図である。 同本願発明の実施の形態1に係るブーム付き作業機のブーム撓み抑制装置の図6の制御回路によるプリテンションリセット時の誤動作規制制御動作の内容を示すフローチャートである。 本願発明の実施の形態2に係るブーム付き作業機のブーム撓み抑制装置の制御回路部分の構成を示すブロック図である。 本願発明の実施の形態3に係るブーム付き作業機のブーム撓み抑制装置の制御回路の構成を示すブロック図である。 本願発明の実施の形態4に係るブーム付き作業機のブーム撓み抑制装置のプリテンションセット時の誤動作規制制御動作の内容を示すフローチャートである。
<実施の形態1>
図1〜図7には、例えばクレーン車に適用した本願発明の実施の形態1に係るブーム撓み抑制装置を備えたブーム付き作業機およびブーム撓み抑制装置の構成が示されている。
(クレーン車の全体的な構成)
先ず、図1〜図5を参照して、同実施の形態におけるブーム付作業機であるクレーン車Zの全体的な構成について概説する。
すなわち、このクレーン車Zは、車両1上に搭載された旋回台2に伸縮ブーム3の基端部を連結し、該伸縮ブーム3を上記旋回台2との間に配置したブーム起伏シリンダ6によって起伏動させるとともに、例えば上記伸縮ブーム3の基端ブーム3Aの先端部に張出・格納可能な状態に取付けられたマスト11を張出させて、その先端部と上記伸縮ブーム3の基端ブーム3Aの基端部とをテンションリンク、テンションロープその他のテンション部材13によって連結するとともに、上記マスト11の先端部と上記伸縮ブーム3の先端部、すなわち、先端ブーム3Bの先端部に設けられたブームヘッド3Cを後述の第1のテンションロープ14によって連結し、これらテンション部材13と第1のテンションロープ14の張力によって上記伸縮ブーム3の縦方向(起伏面に沿う方向)の撓み変形を抑制するようになっている。
なお、この実施形態では、上述のように、「マスト11を、上記伸縮ブーム3の基端ブーム3Aの先端部に張出・格納可能な状態に取付ける」としているが、この「基端ブーム3Aの先端部」とは、例えば図1に示すような上記基端ブーム3Aの先端及びその近傍の限られた部位に限定されるものではなく、当該基端ブーム3Aの先端寄りの広い範囲を意味しているものである。また、その他の構成として、例えば基端ブーム3Aの長手方向中間部位置を選んで取付けることも可能である。
また、上記ブームヘッド3C側における上記第1のテンションロープ14の接続位置を上記ブームヘッド3Cの幅方向(伸縮ブーム3に起伏面に直交する方向)に適宜張り出させて設けることで、上記伸縮ブーム3の横方向(伸縮ブーム3に起伏面に直交する方向)の撓み変形を抑制することもできるものである(上掲の特許文献1の記載を参照)。
なお、この実施の形態の場合、必ずしも上記伸縮ブーム3の先端側先端ブーム3Bの先端部にジブを設けることを要件とはしていないが、例えば図1中に仮想線で示すように、必要に応じて上記伸縮ブーム3の上記先端ブーム3Bのブームヘッド3Cの先端部にはジブ基台5を介してラチス構造のラフィングジブ4が連結される。その場合、図示のように、ラフィングジブ4は、ジブ基台5に対して前後方向に揺動可能に取付けられた前後一対のマスト41,42と、その途中を上記マスト41,42の上端に支持され、基端側を折り返しシーブ45を介して旋回台2上のバックテンションウィンチ47側から延設されたバックテンションロープ44の先端に、また先端側をラフィングジブ4の先端に各々接続されたバックテンションリンク43によって支持される。
そして、上記バックテンションロープ44を、上記旋回台2上のバックテンションウィンチ47によって巻込み・繰出しすることにより、上記バックテンションロープ44の上記折返しシーブ45と上記旋回台2側に設けた固定シーブ46との間のロープ長を増減させることによって上記ラフィングジブ4のチルト角を調整し得るようにする。
なお、さらに他の実施形態として、上述のようなバックテンションロープ44によってチルト角を調整するラチス構造のラフィングジブ4に代えて、例えば伸縮式のボックス構造のもので、且つ伸縮ブーム3との間に配置したチルトシリンダによってチルト角を調整可能としたジブも装着することができる。
ところで、上記マスト11は、例えば図4に示すように、その基端部11aが上記伸縮ブーム3の基端ブーム3Aの先端部3Aaに対して、該伸縮ブーム3の起伏面に沿う方向に回動可能に枢支されていて、該マスト11と上記基端ブーム3Aとの間に配置したマスト起伏シリンダ12の伸縮によって、同図4中に実線で図示するように上記基端ブーム3Aに対して略直交するように立設される張出姿勢と、同図4中に鎖線で図示するように上記基端ブーム3Aに沿って上記基端ブーム3Aと平行に倒伏格納された格納姿勢との間で任意に姿勢が変更される。
また、上記マスト11は、同一の構造をもつ左右一対のマスト体を所定の間隔をもって並置した状態に一体化されており、これら一対のマスト体を上記基端ブーム3Aの左右両側面の外側にそれぞれ位置させた状態で、上記基端ブーム3A側に格納して保持されるようになっている。
なお、上記マスト11は、上記同一の構造をもつ左右一対のマスト体を所定の間隔をもって並置するものに変えて、例えば左右一対のマスト体を左右斜め側方に所定の角度開いた状態のもので構成することもできる。
そして、上記マスト11の先端部11bには、該マスト11の側面に直交する方向に延びる回転軸に支持された状態で、一対の固定シーブ(図2参照)18,18が取付けられている。そして、この一対の固定シーブ18,18には上記第1のテンションロープ14が巻き掛けられている。この第1のテンションロープ14の取り回しについては、後述する。
さらに、上記マスト11の軸方向の中間部位には、次に述べるテンションウィンチ15と張力可変手段としてのプリテンションシリンダ(伸縮シリンダ)16が備えられている。
なお、このプリテンションシリンダ16が、特許請求の範囲中の張力可変手段に相当する。
上記テンションウィンチ15は、図2にも示すように、例えば油圧モータ15bによって回転駆動されるウインチドラム15aを備えており、このウインチドラム15aには上記第1のテンションロープ14の一端が巻き掛けられている。このテンションウィンチ15は、巻込動及び繰出動を通常の作動形態とするものであるが、上記ブーム撓み抑制装置10の張出作業時には通常の作動形態とは異なった作動を行なうように構成されている。
すなわち、上記第1のテンションロープ14の先端側に設けられた折返しシーブ19を介して連結された第2のテンションロープ17の先端(図2参照)を上記伸縮ブーム3のブームヘッド3C側に連結した状態で、上記伸縮ブーム3を伸長作動させる場合には、通常の作動形態であれば上記テンションウィンチ15を繰出作動させるのであるが、これを、逆に巻込作動させるようになっている。
なお、以上の第1,第2のテンションロープ14,17が特許請求の範囲中のテンションロープに相当する。
このように巻込作動しているテンションウィンチ15から上記第1のテンションロープ14を上記伸縮ブーム3の伸長力によって逆に引き出すことで、上記テンションウィンチ15の油圧回路(図示省略)の油圧が上昇し、該油圧回路に設けたリリーフ弁が作動して、上記第1のテンションロープ14の引き出しが所定の抵抗をもった状態で行なわれる。その結果、上記第1のテンションロープ14は上記伸縮ブーム3の伸長に伴って所定のブレーキ力が付与された状態で引き出されることになる(すなわち、上記第1のテンションロープ14には所定のテンションが掛けられた状態となる)。
一方、上記テンションウィンチ15の一方のフランジ側には、上記ウインチドラム15aをロックするドラムロック機構20が備えられている。このドラムロック機構20は、掛止爪21aを備えた爪プレート21と該爪プレート21の掛止爪21aに選択的に掛止されるロック爪22を備え、該ロック爪22をロックシリンダ23によって、その支軸を中心として回動させることにより、その爪部を上記爪プレート21の掛止爪21aに対して選択的に掛止させることで上記ドラム15aの回転をロック・アンロックするようになっている。なお、このドラムロック機構20のロック・アンロック状態は、ロック・アンロック検出器24によって検出されるようになっている。
上記張力可変手段としてのプリテンションシリンダ16は、上記第1のテンションロープ14に所定のプリテンション(張力)を付与するものであって、その作動ロッド16a先端にはロードセル等の張力検出手段62を介して上記第1のテンションロープ14の他端が連結されている。このプリテンションシリンダ16には、油圧回路の圧力を検出する圧力センサPS1(なお、以下の説明では、図示しない他方側プリテンションシリンダ16の圧力センサをPS2とする)が付設されており、上記圧力センサPS1,PS2によって検出される上記左右プリテンションシリンダ16,16相互の油圧値によって、後述するプリテンションセット状態の完了状態が判定され、また上記張力検出手段62によってプリテンションセット後の上記第1,第2のテンションロープ14,17の張力および張力の変化が検出されるようになっている。
なお、以上の構成のブーム撓み抑制装置10は、上記伸縮ブーム3の上部両側に一対のものが並設されている。
ここで、図1、図2及び図4を参照して、上記第1のテンションロープ14の取り回しについて説明する。
上記伸縮ブーム3の先端の上記ブームヘッド3Cには、上記第2のテンションロープ17を介して折返しシーブ19が連結されている(図1参照)。また、上記折返しシーブ19には、図2に示すように、上記第1のテンションロープ14が巻き掛けられている。そして、この第1のテンションロープ14の一端側は、上記マスト11の先端部に設けられた一対の固定シーブ18のうちの一方側を経て上記テンションウィンチ15のウインチドラム15aに巻き付けられている。一方、上記第1のテンションロープ14の他端は、上記一対の固定シーブ18のうちの他方側を経て上記プリテンションシリンダ16の作動ロッド16a先端にロードセル等の張力検出手段62を介して連結されている。
なお、この実施形態では、上記折返しシーブ19に巻き掛けられた上記第1のテンションロープ14を、該折返しシーブ19に連結された上記第2のテンションロープ17を介して上記伸縮ブーム3のブームヘッド3Cに接続するようにしているが、他の実施形態においては、上記第2のテンションロープ17の長さを短くしたり、場合によっては上記折返しシーブ19を直接上記ブームヘッド3Cに取付けるなど、種々の態様を採り得るものである。
したがって、上記テンションウィンチ15が巻込動あるいは繰出動を行なうことで、上記第1のテンションロープ14の上記マスト11と上記折返しシーブ19との間の長さが変化し、上記伸縮ブーム3の伸縮に対して上記第1のテンションロープ14の長さを追従させることができる。
そして、上記伸縮ブーム3を所要の長さに設定した時点で、上記ドラムロック機構20を作動させて上記テンションウィンチ15のウインチドラム15aをロックし、その時点における上記第1のテンションロープ14の長さを保持させる。このテンションウィンチ15のウインチドラム15aのロック時点で、一応上記第1のテンションロープ14には一定の大きさのプリテンションが付与されるが、上記ドラムロック機構20のウインチドラムロック位置(即ち、上記ロック爪22が選択的に掛止される上記爪プレート21における掛止爪21aの選択)のみによっては、精度良くプリテンションの調整を行なうことは困難である。
このため、この実施の形態では、上記ドラムロック機構20を作動させて上記テンションウィンチ15のウインチドラム15aをロックした後、上記プリテンションシリンダ16を適宜伸縮させて(縮めて)上記第1のテンションロープ14のプリテンション(張力)を所定の目標値(規定値)に設定するようにしている(後述)。
このように、上記伸縮ブーム3を所要の長さに設定し、それに対応させて上記第1のテンションロープ14の長さを適切に調整設定することによって、上記プリテンションシリンダ16により上記第1のテンションロープ14に所定のプリテンションを付与することで、先ず上記伸縮ブーム3の自重による撓みの大きさが所定の範囲内に抑制される。
そして、この状態で、上記伸縮ブーム3のブームヘッド3Cから吊下げられた吊荷フック7を用いて荷を吊り下げることでクレーン作業が行なわれるが、この場合、上記ブーム撓み抑制装置10によって上記伸縮ブーム3の自重による撓みが所定範囲内に抑えられているため、該伸縮ブーム3が過度に撓みを生じることなく、安全に高い揚程でのクレーン作業が実現される。
次に、図3及び図5には、上記ブーム撓み抑制装置10の張出し作業の状態を示している。
図3は、上記クレーン車Zの走行時の姿勢であって、この状態では上記伸縮ブーム3は略水平な全倒伏状態で、かつ全縮状態とされている。また、上記ブーム撓み抑制装置10は、格納姿勢にあり、上記マスト11は上記マスト起伏シリンダ12が全縮することにより、上記伸縮ブーム3の側面に沿った略水平な姿勢に格納保持されている。なお、上記マスト11の格納姿勢での保持は、図示しない固定手段によって確保されていることはいうまでもない。
この図3に示す走行時の姿勢において、上記車両1に備えられている各アウトリガを張出して、上記クレーン車Zを浮上支持した状態(図5参照)において、上記ブーム撓み抑制装置10の張出し作業が開始される。
すなわち、図5に示すように、先ず上記伸縮ブーム3を全倒伏、かつ全縮状態のまま、上記マスト起伏シリンダ12を伸長させて、上記マスト11を図3の略水平な格納位置から略鉛直な状態に立設する張出位置まで回動(起仰)させ、この張出位置で停止させる。次に伸縮ブーム3の基端ブーム3Aの後端側にテンション部材13を連結した後に、上記テンションウィンチ15を適宜巻込・繰出作動させながら、上記第1のテンションロープ14の先端側に上記折返しシーブ19を介して連結された上記第2のテンションロープ17の先端を上記伸縮ブーム3の上記ブームヘッド3C側に接続する(上記第1のテンションロープ14の上記伸縮ブーム3側への接続完了)。
その後、例えば図5に矢印Aで示すように、上記伸縮ブーム3を伸長させながら、矢印Bで示すように上記伸縮ブーム3を起仰させ、最終的に図1に示すような作業姿勢とする。
この場合、上記伸縮ブーム3の伸長に伴って、上記テンションウィンチ15が巻込作動されることにより、上記第1のテンションロープ14は所定のテンションが付与された状態のまま上記テンションウィンチ15から引き出される。従って、上記マスト11の張出姿勢は、該マスト11を後方側から支持する上記テンション部材13のテンションと、前方から支持する上記第1のテンションロープ14のテンションとの釣り合いによって規制され、例え上記伸縮ブーム3の起伏角が大きくなって上記マスト11の自重による後方側へのモーメントが増大しても、上記マスト起伏シリンダ12には大きな荷重が掛かることはなく、該マスト起伏シリンダ12の信頼性が確保され、張出作業における安全性が確保される。
ところで、以上のようなブーム撓み抑制装置10では、必要な吊荷作業を行ない、同吊荷作業がが終了すると、上記張力可変手段(張力調節手段)であるプリテンションシリンダ16を伸ばして、上記プリテンションセット前の張力まで第1のテンションロープ14を緩めるプリテンションリセット操作を行って、同装置10を上述した元の格納状態に格納するようになっている。
ところが、このようなプリテンションリセット作業時、例えば吊荷状態又はブームの撓みにより上記第1のテンションロープ14が緩まない状態において、プリテンションリセット操作がなされたような場合には、過負荷によりブームの撓みが大きくなる問題がある。
そこで、この実施の形態では、上記第1のテンションロープ14に掛かる張力を検出し、同張力が所定値以上である場合には、吊荷状態等であると判断してプリテンションリセット動作を規制するようにしている。
(プリテンションリセット動作の規制制御)
次に図6のブロック図は、この実施の形態における同プリテンションリセット動作の規制制御を行う制御回路の構成を、また図7のフローチャートは同図6の制御回路によりなされるプリテンションリセット動作の規制制御動作を示している。
図6中、符号50は、所定ビット数のマイクロコンピュータ(CPU)を中心とし、外部入力取込用のインターフェイス回路、同インターフェイス回路を介して入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器、外部のアクチュエータや画像ディスプレイ、音声回路等駆動用のドライバー回路等を備えて構成されているブーム撓み抑制コントローラ(ブーム撓み抑制制御用の電子制御ユニット:ECU)である。
一方、符号60は、上記クレーン車Zのキャビン内に設けられていて、上述したブーム撓み抑制装置10の第1のテンションロープ14のプリテンション状態をセット操作するプリテンションセットスイッチ、符号61は、同じく上記クレーン車Zのキャビン内に設けられていて、上述したブーム撓み抑制装置10の第1のテンションロープ14のプリテンションセット状態をリセットするプリテンションリセットスイッチ、62は、上記第1のテンションロープ14の張力を検出する張力検出手段であり、それぞれそれらの出力信号は、上記インターフェイス回路を介して上記ブーム撓み抑制コントローラ50に入力され、上記A/D変換器を介してマイクロコンピュータ(CPU)内に取り込まれる。
他方、符号71は、例えば上記プリテンションシリンダ16の伸縮作動用の油圧回路に供給する油圧の供給状態を制御する電磁制御弁よりなるプリテンションシリンダ駆動手段、72は、上記ブーム撓み抑制コントローラ50によりプリテンションシリンダ16のプリテンションリセット動作が規制される時に同時に駆動されてプリテンションリセット動作が規制されたことを示すワーニング情報を発生するワーニング情報発生手段である。
これらの各制御手段を用いたプリテンションリセット時の第1のテンションロープ14の張力値に対応した規制制御は、上記ブーム撓み抑制コントローラ50により、例えば図7のフローチャートに示すようにしてなされる。
すなわち、当該制御開始後、上記撓み抑制コントローラ50は、先ず上記プリテンションリセットスイッチ61のON又はOFF信号を入力する(ステップS1)。そして、そのON又はOFF状態を判定する(ステップS2)。その結果、プリテンションリセットスイッチ61がON操作されておらず、プリテンションリセット作業時でない(NO)の場合には、そのままステップS1にリターンする。
一方、同プリテンションリセットスイッチ61がON操作されており、プリテンションリセット作業時である(YES)と判定されると、続いて上記張力検出手段62からの第1のテンションロープ14の張力検出信号を入力し(ステップS3)、その時の第1のテンションロープ14の張力が吊荷状態であることを示す所定の張力値よりも小さい値であるか、または同吊荷状態であることを示す所定の張力値以上であるかを判定する(ステップS4)。
同判定の結果、前者の場合(NOの場合)には、そのままプリテンションシリンダ16を伸ばしてプリテンションリセット動作を継続させる(ステップS5)。
他方、後者の場合(YESの時)には、上述したワーニング情報手段72を作動させて、吊荷状態であり、プリテンションリセットを行うと危険である旨をオペレータに報知する(ステップS6)とともに、同プリテンションシリンダ16の駆動を停止してプリテンションリセット動作を禁止する(ステップS7)。
このような構成によると、プリテンションシリンダ16等のロープ張力可変手段を作動させて、作業開始前の張力まで第1のテンションロープ14の張力を緩める撓み抑制装置10のプリテンションリセット作業時において、第1のテンションロープ14の張力を検出し、検出された張力が所定値以上である場合には、吊荷状態であると判断してプリテンションリセット動作を規制するから、例えば吊荷状態又はブームの撓みにより第1のテンションロープ14が緩まないような状態において誤ってプリテンションリセット操作がなされたような場合にも、自動的に同リセット動作が規制され、誤ったリセット動作が確実に回避される。
その結果、プリテンションリセット時の過負荷による伸縮ブーム3の撓みが防止され、作業の安全性が確保される。
なお、上述のワーニング情報手段72としては、例えば画面での映像又は文字表示、文字表示のあるランプの点滅表示、音声報知など各種の構成が考えられる。
また、上述のプリテンションリセット動作は、本来所定の作業姿勢の範囲(設定時の値)で行う。したがって、上述の構成の場合、上記プリテンションリセット動作を規制するか否かの張力の基準値は作業姿勢に拘わらず一定とした。
しかし、該基準値は、上述のように一定でなくクレーンの作業姿勢毎に設定、つまり同作業姿勢が低い時には低い時なりの、また高い時には高い時なりの作業姿勢に応じた最適な値を持たせて規制制御するようにしてもよい。
(実施の形態2)
次に図8は、本願発明の実施の形態2に係るブーム付き作業機のブーム撓み抑制装置におけるプリテンションリセット動作規制制御回路の構成を示すブロック図である。
この実施の形態では、プリテンションリセット動作規制制御用のパラメータとして、上記実施の形態1の構成における第1のテンションロープ14にかかる張力値に変えて、例えば図8に示すように、伸縮ブーム3の起伏反力を検出する起伏反力検出手段63又は/および吊荷張力を検出する吊荷張力検出手段64の検出値を基に、ブーム撓み抑制コントローラ50により実荷重値を演算し、同演算された実荷重値が吊荷状態であることを示す所定の値のよりも小さい場合には、そのままプリテンションシリンダ16を伸ばしてプリテンションリセット動作を継続させる。
なお、上記実荷重値を演算するパラメータとしては、上記のような起伏反力や吊荷張力の他にも、例えばバックテンションロープ44の張力その他各種の吊荷の実荷重値を示すパラメータが使用される。
他方、同実荷重値が吊荷状態であることを示す所定の値以上である場合には、上述したワーニング情報手段72を作動させて、吊荷状態であり、プリテンションリセットを行うと危険である旨をオペレータに報知するとともに、同プリテンションシリンダ16の駆動を停止してプリテンションリセット動作を禁止する。
このような構成によっても、プリテンションシリンダ16等のロープ張力可変手段を作動させて、作業開始前の張力値まで第1のテンションロープ14の張力を緩める撓み抑制装置10のプリテンションリセット作業時において、例えば吊荷状態又はブームの撓みにより第1のテンションロープ14が緩まないような状態において誤ってプリテンションリセット操作がなされたような場合にも、自動的に同リセット動作が規制されるので、やはり誤ったリセット動作が確実に回避される。
その結果、プリテンションリセット時の過負荷による伸縮ブーム3の撓みが防止され、作業の安全性が確保される。
(実施の形態3)
次に図9は、本願発明の実施の形態2に係るブーム付き作業機のブーム撓み抑制装置におけるプリテンションリセット動作規制制御回路の構成を示すブロック図である。
プリテンションリセット動作の規制制御は、上述のように吊荷状態における作業の安全性を向上させるためには、さらに伸縮ブーム3の長さやジブ4の長さ、ジブ4の角度等を検出し、それらが本来の設定値の範囲にあるか否かをブーム撓み抑制コントローラ50によって判定し、実際の伸縮ブーム3の長さやジブ4の長さ、角度が上記本来の設定値の範囲内にある場合には、そのままプリテンションシリンダ16を伸ばしてプリテンションリセット動作を継続させる。
他方、実際の伸縮ブーム3の長さやジブ4の長さ、角度が上記本来の設定値の範囲内にない場合には、上述したワーニング情報手段72を作動させて、吊荷状態であり、プリテンションリセットを行うと危険である旨をオペレータに報知するとともに、同プリテンションシリンダ16の駆動を停止してプリテンションリセット動作を禁止する。
このような構成によると、プリテンションシリンダ16等のロープ張力可変手段を作動させて、作業開始前の張力まで第1のテンションロープ14の張力を緩める撓み抑制装置10のプリテンションリセット作業時において、吊荷状態であるか否かのみでなく、伸縮ブーム3やジブ4の状態をも考慮した上で、自動的に同リセット動作が規制されるようになり、誤ったリセット動作が、より確実に回避される。
その結果、プリテンションリセット時の過負荷による伸縮ブーム3の撓みが確実に防止され、より有効に作業の安全性が確保される。
(実施の形態4)
次に図10のフローチャートは、本願発明の実施の形態4に係るブーム撓み抑制装置のプリテンションセット時の誤動作規制制御動作の内容を示している。
上記のようなブーム撓み抑制装置では、上記プリテンションリセット時だけではなく、逆に同じ吊荷状態でプリテンションセットすると、上記伸縮ブーム3が本来とは異なるプリテンション状態になってしまい(本来の性能を発揮できず)、危険である。
この実施の形態では、このような問題を解決するために構成されている。
すなわち、この実施の形態におけるプリテンションセット時の第1のテンションロープ14の張力値に対応した規制制御は、上記実施の形態1の図6のものと同様のブーム撓み抑制コントローラ50により、例えば図10のフローチャートに示すようにしてなされる。
すなわち、当該制御開始後、上記撓み抑制コントローラ50は、先ず上記プリテンションセットスイッチ60のON又はOFF信号を入力する(ステップS1)。そして、そのON又はOFF状態を判定する(ステップS2)。その結果、プリテンションセットスイッチ60がON操作されておらず、プリテンションセット作業時でない(NO)の場合には、そのままステップS1にリターンする。
一方、同プリテンションセットスイッチ60がON操作されており、プリテンションセット作業時である(YES)と判定されると、続いて上記張力検出手段62からの第1のテンションロープ14の張力検出信号を入力し(ステップS3)、その時の第1のテンションロープ14の張力が吊荷状態であることを示す所定の張力値よりも小さい値であるか、または同吊荷状態であることを示す所定の張力値以上であるかを判定する(ステップS4)。
同判定の結果、前者の場合(NOの場合)には、そのままプリテンションシリンダ16を縮めてプリテンションセット動作を継続させる(ステップS5)。
他方、後者の場合(YESの時)には、上述したワーニング情報発生手段72を作動させて、吊荷状態であり、プリテンションセットを行うと危険である旨をオペレータに報知する(ステップS6)とともに、同プリテンションシリンダ16の駆動を停止してプリテンションセット動作を禁止する(ステップS7)。
このような構成によると、プリテンションシリンダ16等のロープ張力可変手段を作動させて、所定の目標張力(例えば1t)まで第1のテンションロープ14の張力を高める撓み抑制装置10のプリテンションリセット作業時において、第1のテンションロープ14の張力を検出し、検出された張力が所定値以上である場合には、吊荷状態であると判断してプリテンションセット動作を規制するから、例えば吊荷状態又はブームの撓みにより第1のテンションロープ14が緩まないような状態において誤ってプリテンションセット操作がなされたような場合にも、自動的に同セット動作が規制され、誤ったセット動作が確実に回避される。
その結果、プリテンションセット時の過負荷による伸縮ブーム3の撓みが防止され、作業の安全性が確保される。
もちろん、この場合において、上記実施の形態2,3の技術的思想を組み合わせ、実荷重値をパラメータとして、同様の制御を行うことも可能である。
1 ・・車両
2 ・・旋回台
3 ・・伸縮ブーム
4 ・・ラフィングジブ
5 ・・ジブ基台
6 ・・ブーム起伏シリンダ
7 ・・吊荷フック
10 ・・ブーム撓み抑制装置
11 ・・マスト
12 ・・マスト起伏シリンダ
13 ・・テンションリンク
14 ・・第1のテンションロープ
15 ・・テンションウィンチ
15a ・・ウインチドラム
15b ・・油圧モータ
16 ・・プリテンションシリンダ
17 ・・第2のテンションロープ
18 ・・固定シーブ
19 ・・折返しシーブ
20 ・・ドラムロック機構
21 ・・爪プレート
22 ・・ロック爪
23 ・・ロックシリンダ
24 ・・ロック・アンロック検出器
41 ・・マスト
42 ・・マスト
43 ・・バックテンションリンク
44 ・・バックテンションロープ
45 ・・折返しシーブ
46 ・・固定シーブ
47 ・・バックテンションウィンチ
60 ・・プリテンションセットスイッチ
61 ・・プリテンションリセットスイッチ
62 ・・張力検出手段
63 ・・起伏反力検出手段
64 ・・吊荷張力検出手段
Z ・・クレーン車

Claims (4)

  1. マスト、テンションロープ、テンション部材、テンションロープの張力可変手段、テンションウインチ、マスト起伏手段を備え、伸縮ブームの基端ブームにマストを設け、該マストの先端部と基端ブームとの間にテンション部材を配置するとともに、上記マストの先端部と先端ブームの先端部または上記伸縮ブーム先端に固定されたジブ基台との間にテンションロープを張設し、該張設されたテンションロープの張力を上記張力可変手段により所定の目標値にプリテンションセットすることによって、上記伸縮ブームの撓みを抑制するようにしてなるブーム付作業機の撓み抑制装置であって、上記テンションロープにかかる張力を検出する張力検出手段と、上記テンションロープの張力を緩めるプリテンションリセット動作または上記テンションロープの張力を高めるプリテンションセット動作を規制する規制手段とを設け、上記張力可変手段を作動させて上記テンションロープの張力を緩めるプリテンションリセット作業時または上記テンションロープの張力を高めるプリテンションセット作業時、上記張力検出手段によって上記テンションロープにかかる張力を検出し、同検出された張力値が所定値以上である場合には吊荷状態であると判断して、上記プリテンションリセット動作または上記プリテンションセット動作を規制するようにしたことを特徴とするブーム付き作業機におけるブーム撓み抑制装置。
  2. マスト、テンションロープ、テンション部材、テンションロープの張力可変手段、テンションウインチ、マスト起伏シリンダを備え、伸縮ブームの基端ブームにマストを設け、該マストの先端部と基端ブームとの間にテンション部材を配置するとともに、上記マストの先端部と先端ブームの先端部または上記伸縮ブーム先端に固定されたジブ基台との間にテンションロープを張設し、該張設されたテンションロープの張力を上記張力可変手段により所定の目標値にプリテンションセットすることによって、上記伸縮ブームの撓みを抑制するようにしてなるブーム付作業機の撓み抑制装置であって、実荷重値を演算する実荷重値演算手段と、テンションロープの張力を緩める上記プリテンションリセット動作または上記テンションロープの張力を高めるプリテンションセット動作を規制する規制手段とを設け、上記張力可変手段を作動させて上記テンションロープの張力を緩めるプリテンションリセット作業時または上記テンションロープの張力を高めるプリテンションセット作業時、上記実荷重値演算手段によって実荷重値を演算し、同演算された実荷重値が所定値以上である場合には吊荷状態であると判断して、上記プリテンションリセット動作またはプリテンションセット動作を規制するようにしたことを特徴とするブーム付き作業機におけるブーム撓み抑制装置。
  3. ブーム起伏角度の判定手段を設け、実際のブーム起伏角度が所定の範囲から外れている場合にも、プリテンションリセット動作またはプリテンションセット動作を規制するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載のブーム付き作業機におけるブーム撓み抑制装置。
  4. ワーニングメッセージ出力手段を設け、プリテンションリセット動作またはプリテンションセット動作の規制時には、同プリテンションリセット動作またはプリテンションセット動作の規制に合わせてワーニングメッセージ出力手段により、プリテンションリセット動作またはプリテンションセット動作を規制する旨のワーニングメッセージを出力するようにしたことを特徴とする請求項1,2又は3記載のブーム付き作業機におけるブーム撓み抑制装置。
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