上記特許文献1には、同時刻に複数のテレビ番組を録画可能な録画装置が開示されている一方、録画装置により受信可能な局数よりも多い数のテレビ番組を同時刻に録画する構成については記載されていないので、上記特許文献1では、録画装置により受信可能な局数よりも多い数のテレビ番組を同時刻に録画することはできないという不都合がある。
そこで、上記不都合を解消するために、1つの録画装置により受信可能な局数よりも多い数のテレビ番組を同時刻に録画するためにさらに他の録画装置(他の機器)を用いる構成が考えられる。
しかしながら、テレビ番組を録画するために他の録画装置(他の機器)を用いる場合には、ユーザはそれぞれの録画装置に対して録画の指示を別個に行う必要があるので、ユーザに負担が掛かるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、テレビ番組を録画するために他の機器を用いた場合でも、ユーザに負担が掛かるのを抑制することが可能な録画装置および録画システムを提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
この発明の第1の局面による録画装置は、同時刻に所定数のテレビジョン信号を受信可能なチューナ部と、ユーザによるテレビ番組の録画の指示を受け付ける録画受付部と、録画受付部により録画の指示が受け付けられたテレビ番組を録画する録画部と、テレビジョン信号を受信可能な他の機器との間で通信可能な通信部と、録画受付部により録画の指示が受け付けられたテレビ番組を録画するためのテレビジョン信号を受信するように通信部を介して他の機器に指示する制御を行う制御部とを備える。
この発明の第1の局面による録画装置では、上記のように、録画受付部により録画の指示が受け付けられたテレビ番組を録画するためのテレビジョン信号を受信するように他の機器に指示する制御を行う制御部を設けることによって、制御部による指示に基づいて、録画装置の録画受付部により録画の指示が受け付けられたテレビ番組を録画の指示を受け付けていない他の機器により受信することができるので、ユーザは1つの録画装置に対して録画の指示を行うだけで、他の機器でもテレビ番組を受信することができる。これにより、テレビ番組を録画するために他の機器を用いた場合でも、ユーザに負担が掛かるのを抑制することができる。
上記第1の局面による録画装置において、好ましくは、制御部は、録画受付部により録画の指示が受け付けられた同時刻におけるテレビ番組の数がチューナ部が受信可能な所定数よりも多い場合に、録画受付部により録画の指示が受け付けられたテレビ番組を録画するためのテレビジョン信号を受信するように他の機器に指示するように構成されている。このように構成すれば、1つの録画装置により受信可能な局数よりも多い数のテレビ番組を同時刻に受信することができるので、1つの録画装置により受信可能な局数よりも多い数のテレビ番組を同時刻に録画することができる。すなわち、ユーザに負担が掛かるのを抑制しながら、1つの録画装置により受信可能な局数よりも多い数のテレビ番組を同時刻に録画することができる。
上記第1の局面による録画装置において、好ましくは、他の機器は、受信したテレビ番組を録画可能に構成されており、制御部は、録画受付部により録画の指示が受け付けられたテレビ番組を録画するように他の機器に指示するように構成されている。このように構成すれば、他の機器により受信されたテレビ番組を録画装置の録画部により録画する必要がないので、録画部の空き容量が小さくなるのを抑制することができる。
この場合、好ましくは、表示装置を接続可能な接続部をさらに備え、制御部は、録画部により録画されたテレビ番組および他の機器により録画されたテレビ番組の両方を一覧表示するように表示装置を制御するように構成されている。このように構成すれば、録画装置および他の機器のいずれに録画されたテレビ番組であっても、ユーザが録画されたテレビ番組を一覧表示で確認することができる。これによっても、ユーザの負担を軽減することができる。
上記他の機器がテレビ番組を録画可能な構成において、好ましくは、制御部は、録画部および他の機器の録画可能な空き容量を確認するとともに、録画部および他の機器の一方の空き容量が所定の容量以下の場合に、録画部および他の機器の一方から他方にデータを移動する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、録画部および他の機器の一方の空き容量だけが極端に小さくなるのを抑制することができる。
上記第1の局面による録画装置において、好ましくは、制御部は、他の機器がテレビ番組を録画することができない場合に、他の機器により受信されたテレビ番組を録画部に録画するように制御するように構成されている。このように構成すれば、他の機器によりテレビ番組を録画することができない場合(他の機器が録画部を有していない場合)でも、他の機器により受信されたテレビ番組を確実に録画することができる。
上記第1の局面による録画装置において、好ましくは、通信部は、複数の他の機器との間で通信可能に構成されている。このように構成すれば、他の機器を複数用いることができるので、同時刻に受信可能なテレビ番組数を増加させることができ、その結果、同時刻に録画可能なテレビ番組数を増加させることができる。
この場合、好ましくは、制御部は、録画受付部により録画の指示が受け付けられたテレビ番組を録画するためのテレビジョン信号を受信するように複数の他の機器のうちの所定の機器に指示する際に、待機状態にある複数の他の機器のうちの所定の機器に対して待機状態から動作状態に切り替えるように指示するように構成されている。このように構成すれば、複数の他の機器のうちの所定の機器以外の他の機器を待機状態のまま維持することができるので、消費電力の低減を図ることができる。
この発明の第2の局面による録画システムは、同時刻に所定数のテレビジョン信号を受信可能な第1チューナ部とユーザによるテレビ番組の録画の指示を受け付ける録画受付部と録画受付部により録画の指示が受け付けられたテレビ番組を録画する録画部と第1制御部とを含む親機と、親機の第1制御部と通信可能に構成された第2制御部とテレビジョン信号を受信可能な第2チューナ部とを含む子機とを備え、親機の第1制御部は、親機の録画受付部により録画の指示が受け付けられたテレビ番組を録画するためのテレビジョン信号を子機の第2チューナ部により受信するように第2制御部に指示するように構成されている。
この発明の第2の局面による録画システムでは、上記のように、親機の第1制御部を、親機の録画受付部により録画の指示が受け付けられたテレビ番組を録画するためのテレビジョン信号を子機の第2チューナ部により受信するように第2制御部に指示するように構成することによって、第1制御部による指示に基づいて、親機の録画受付部により録画の指示が受け付けられたテレビ番組を録画の指示を受け付けていない子機により受信することができるので、ユーザは親機に対して録画の指示を行うだけで、子機でもテレビ番組を受信することができる。これにより、テレビ番組を録画するために他の機器(子機)を用いた場合でも、ユーザに負担が掛かるのを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態による録画システム100の構成について説明する。
本発明の一実施形態による録画システム100は、図1に示すように、親機1と、第1子機2と、第2子機3とにより主として構成されている。親機1、第1子機2および第2子機3は、互いに双方向通信可能に接続されている。なお、親機1は、本発明の「録画装置」の一例であり、第1子機2および第2子機3は、本発明の「他の機器」の一例である。
親機1は、チューナ部(Tuner)11と、ローダ12と、入出力端子13と、リモコン受信部14と、HDD(ハードディスクドライブ)15と、制御部16と、電源部17とを備えている。親機1は、チューナ部11により受信したテレビ番組を録画可能に構成されている。なお、チューナ部11は、本発明の「第1チューナ部」の一例である。
親機1のチューナ部11は、同時刻に2つのテレビジョン信号を受信可能に構成されている。ローダ12は、図示しないDVDおよびBD(Blu−ray Disc)(登録商標)に記録されたデータを読み出すために設けられている。入出力端子13は、外部機器から音声信号および映像信号を受け入れるとともに、外部機器に音声信号および映像信号を出力するために設けられている。本実施形態では、入出力端子13には、TV131が接続されている。リモコン受信部14は、リモコン141から送信される信号を受信する機能を有している。ユーザがリモコン141を用いてテレビ番組の録画指示や録画予約を行う際には、リモコン受信部14により録画指示や録画予約の信号が受信される。HDD15は、テレビ番組を録画する機能を有している。なお、入出力端子13は、本発明の「接続部」の一例であり、HDD15は、本発明の「録画部」の一例である。また、TV131は、本発明の「表示装置」の一例である。
制御部16は、親機1の各部と通信可能に接続されており、各部を制御可能に構成されている。また、制御部16は、TV131の図示しない録画受付画面を介して、ユーザから録画指示および録画予約を受け付けるように構成されている。この際、ユーザは、リモコン141を用いて録画指示および録画予約を行うことが可能である。また、制御部16は、通信部161およびフラッシュメモリ162を有している。制御部16の通信部161は、USB接続可能に構成されている。また、通信部161は、第1子機2および第2子機3の後述する通信部231および321に接続されている。これにより、制御部16は、第1子機2および第2子機3と通信することが可能である。また、制御部16のフラッシュメモリ162には、図示しないアプリケーションプログラムが格納されている。制御部16は、このアプリケーションプログラムを実行することによって、後述するHDDの空き確認処理(図2参照)、録画処理(図3および図4参照)および再生処理(図5参照)を行うように構成されている。なお、制御部16は、本発明の「録画受付部」および「第1制御部」の一例である。
電源部17は、制御部16からの指示に基づいて、親機1を電源オフ状態、スタンバイ状態(待機状態)、内部パワーオン状態および動作状態の各状態に切り替える機能を有している。ここで、電源オフ状態とは、装置の各部に電力が供給されない状態であり、スタンバイ状態(待機状態)とは、制御部16など装置の一部にだけ電力が供給される状態である。また、内部パワーオン状態とは、スタンバイ状態(待機状態)における状態であり、制御部16に加えてHDD15など内部の所定部分にのみさらに電力が供給される状態である。また、動作状態とは、装置の全体に電力が供給される状態である。
第1子機2は、チューナ部(Tuner)21と、HDD(ハードディスクドライブ)22と、制御部23と、電源部24とを備えている。また、第1子機2は、チューナ部21により受信したテレビ番組を録画可能に構成されている。第2子機3は、チューナ部(Tuner)31と、制御部32と、電源部33とを備えている。また、第2子機3は、第1子機2と異なり、HDDを備えていない。また、第2子機3のHDDを備えていないこと以外の構成は、第1子機2と同様である。なお、チューナ部21および31は、本発明の「第2チューナ部」の一例であり、制御部23および32は、本発明の「第2制御部」の一例である。
第1子機2(第2子機3)のチューナ部21(31)は、同時刻に2つのテレビジョン信号を受信可能に構成されている。第1子機2のHDD22は、テレビ番組を録画する機能を有している。
第1子機2(第2子機3)の制御部23(32)は、第1子機2(第2子機3)の各部と通信可能に接続されており、各部を制御可能に構成されている。また、制御部23(32)は、通信部231(321)およびフラッシュメモリ232(322)を有している。制御部23(32)の通信部231(321)は、USB接続可能に構成されている。また、通信部231(321)は、親機1の制御部16に設けられた通信部161に接続されている。これにより、第1子機2(第2子機3)の制御部23(32)は、親機1の制御部16と双方向通信することが可能である。また、第1子機2の制御部23および第2子機3の制御部32は、通信部231および321を介して互いに通信可能に接続されている。また、制御部23(32)のフラッシュメモリ232(322)には、図示しないアプリケーションプログラムが格納されている。また、制御部23(32)は、このアプリケーションプログラムを実行することによって、親機1が後述するHDDの空き確認処理(図2参照)、録画処理(図3および図4参照)および再生処理(図5参照)を行う際に、親機1の制御部16からの指示に基づいて所定の動作を実行するように構成されている。
第1子機2(第2子機3)の電源部24(33)は、制御部23(32)からの指示に基づいて、第1子機2(第2子機3)を電源オフ状態、スタンバイ状態(待機状態)、内部パワーオン状態および動作状態の各状態に切り替える機能を有している。具体的には、第1子機2および第2子機3の状態は、後述のように、親機1の制御部16からの指示に基づいて切り替えられる。また、第1子機2および第2子機3は、親機1が電源オフ状態の場合には、電源オフ状態になり、親機1がスタンバイ状態(待機状態)の場合には、スタンバイ状態(待機状態)になるように構成されている。
次に、図2を参照して、本発明の一実施形態による録画システム100の親機1により実行されるHDDの空き確認処理について説明する。
まず、図2のステップS1において、制御部16は、親機1がスタンバイ状態(待機状態)か否かを判断し、スタンバイ状態でない場合には、そのままHDD空き確認処理を終了する。すなわち、親機1がスタンバイ状態の場合にのみ、制御部16によりHDDの空き確認が実施される。一方、親機1がスタンバイ状態の場合には、制御部16は、ステップS2において、親機1とHDD22を有する第1子機2とを内部パワーオン状態に切り替える。なお、第1子機2は、上述のように、親機1がスタンバイ状態の場合にはスタンバイ状態になっている。そして、ステップS3において、制御部16は、親機1のHDD15の空き容量を確認するとともに、第1子機2のHDD22の空き容量を確認する。この際、制御部16は、第1子機2の制御部23に対して第1子機2のHDD22の空き容量を確認する指示を出し、第1子機2の制御部23から確認結果を受け取る。
その後、ステップS4において、制御部16は、空き容量の少ないHDDがあるか否かを確認する。具体的には、制御部16は、空き容量が25GB(ギガバイト)以下であれば、HDDの空き容量が少ないと判断する。そして、制御部16は、親機1のHDD15および第1子機2のHDD22のいずれもが25GBよりも大きい空き容量を有している場合(空き容量が少なくない場合)には、そのままHDD空き確認処理を終了し、いずれか一方でも空き容量が少ない場合には、ステップS5に進む。
制御部16は、ステップS5において、タイマー予約時間を確認する。具体的には、制御部16は、テレビ番組の録画予約があるか否かを確認するとともに、録画予約に基づく録画開始時間を確認する。そして、ステップS6において、制御部16は、録画開始時間までに空き容量の小さい方から空き容量の大きい方にデータを移動することが可能か否かを判断する。すなわち、制御部16は、録画が行われない間にデータ移動可能か否かを判断する。そして、間もなく録画が開始される場合など、データ移動するのに十分な時間がない場合には、制御部16は、そのままHDD空き確認処理を終了する。これにより、テレビ番組を録画中にHDD間でデータ移動されるのが防止される。
一方、録画開始時間までにデータ移動が可能な場合には、制御部16は、ステップS7において、親機1のHDD15および第1子機2のHDD22のうちの空き容量の小さい方から空き容量の大きい方へ所定量のデータ(たとえば、2番組分のデータ)を移動させる。その後、ステップS8において、制御部16は、親機1および第1子機2を内部パワーオフ状態にしてHDD空き確認処理を終了する。なお、制御部16は、上記のHDD空き確認処理を所定時間毎に実行する。また、上記のように、制御部16により、親機1がスタンバイ状態(待機状態)の場合にデータの移動が行われるので、データ移動が他の動作と同時に行われるのを抑制することができる。これにより、各動作に不具合が生じるのを抑制することができる。
次に、図3および図4を参照して、本発明の一実施形態による録画システム100の親機1により実行される録画処理について説明する。
図3のステップS11において、制御部16は、同時刻に録画する番組数を確認する。すなわち、制御部16は、ユーザからの録画指示および録画予約に基づいて、同時録画する番組数を確認する。その後、ステップS12において、制御部16は、親機1のHDD15の空き容量および第1子機2のHDD22の空き容量を確認するとともに、親機1、第1子機2および第2子機3により受信可能な局数を確認する。そして、制御部16は、HDD15および22の空き容量および受信可能な局数に基づいて、同時録画可能な番組数を確認する。具体的には、制御部16は、HDD15および22の空き容量に何番組分録画可能かを判断するとともに、親機1、第1子機2および第2子機3により最大で6局受信可能(親機1、第1子機2および第2子機3のそれぞれが2局づつ受信可能)であると判断する。そして、制御部16は、HDD15および22の空き容量に6番組以上録画可能であると判断した場合には、同時録画できる番組数を6番組と判断するとともに、HDD15および22の空き容量に5番組以下しか録画できないと判断した場合には、HDD15および22の空き容量に録画可能な番組数(5番組以下)を同時録画できる番組数であると判断する。
その後、制御部16は、ステップS13において、ステップS11で確認した同時録画番組数がステップS12で確認した同時録画できる番組数以下(許容範囲内)であるか否かを判断する。許容範囲内であれば、ステップS14に進み、同時録画番組数が同時録画できる番組数より多い場合(許容範囲外の場合)には、制御部16は、ステップS15において、入出力端子13を介してTV131に図示しないエラー画面を表示させる。エラー画面には、ユーザに対して同時録画する番組数を減らすことを促す表示がされる。そして、ステップS16およびステップS17において、制御部16は、ユーザから録画指示または録画予約された番組のうちのいずれかの番組のキャンセルを受け付け、キャンセルを受け付けるまでこの処理を繰り返す。
その後、ステップS14において、制御部16は、同時録画する番組数(いずれかの番組がキャンセルされた場合には、キャンセル後の同時録画番組数)が2番組以下か否かを判断する。すなわち、制御部16は、同時録画する番組数がチューナ部11により受信可能な局数以下か否かを判断する。そして、2番組以下の場合には、制御部16は、ステップS18において、親機1のHDD15の空き容量に基づいて同時録画する番組数が親機1で全て録画可能か否かを判断する。親機1で全て録画可能な場合には、制御部16は、ステップS19において、親機1で録画を実行する。この際、制御部16は、親機1のチューナ部11にテレビ番組を受信させるとともに、受信したテレビ番組をHDD15に録画させる。
一方、親機1で全てを録画することができない場合には、制御部16は、図4のステップS20において、親機1で1番組を録画可能か否かを判断する。親機1で1番組を録画可能な場合には、制御部16は、ステップS21において、HDD22を有する第1子機2に対してスタンバイ状態(待機状態)から動作状態に切り替えるように指示する。これにより、第1子機2の電源部24は、第1子機2をスタンバイ状態(待機状態)から動作状態に切り替える。なお、この際、第2子機3は、動作状態に切り替えられず、スタンバイ状態(待機状態)を維持している。そして、制御部16は、ステップS22において、親機1および第1子機2で録画を実行する。すなわち、制御部16は、親機1のチューナ部11にテレビ番組を受信させるとともに、受信したテレビ番組をHDD15に録画させる。さらに、制御部16は、第1子機2のチューナ部21にテレビ番組を受信させるとともに、チューナ部21により受信されたテレビ番組をHDD22に録画させる。その後、ステップS30に進む。
また、親機1で1番組も録画することができない場合には、制御部16は、ステップS23において、HDD22を有する第1子機2に対してスタンバイ状態(待機状態)から動作状態に切り替えるように指示する。そして、ステップS24において、制御部16は、第1子機2に録画を実行させる。すなわち、制御部16は、第1子機2のチューナ部21にテレビ番組を受信させるとともに、チューナ部21により受信されたテレビ番組をHDD22に録画させる。その後、ステップS30に進む。
同時録画する番組数が2番組よりも多い場合(2番組以下でない場合)には、ステップS25において、制御部16は、同時録画番組数が3または4番組であるか否かを判断する。すなわち、制御部16は、同時録画する番組数が親機1のチューナ部11および第1子機2のチューナ部21により受信可能な局数以下か否かを判断する。同時録画番組数が3または4番組である場合には、制御部16は、ステップS26において、HDD22を有する第1子機2に対してスタンバイ状態(待機状態)から動作状態に切り替えるように指示する。これにより、第1子機2の電源部24は、第1子機2をスタンバイ状態(待機状態)から動作状態に切り替える。なお、この際、第2子機3は、動作状態に切り替えられず、スタンバイ状態(待機状態)を維持している。そして、ステップS27において、制御部16は、親機1および第1子機2で録画を実行する。すなわち、制御部16は、親機1のチューナ部11にテレビ番組を受信させるとともに、受信したテレビ番組をHDD15に録画させる。さらに、制御部16は、第1子機2のチューナ部21にテレビ番組を受信させるとともに、チューナ部21により受信されたテレビ番組をHDD22に録画させる。これにより、3または4番組が同時録画される。
同時録画番組数が5または6番組である場合には、制御部16は、ステップS28において、第1子機2および第2子機3の両方に対してスタンバイ状態(待機状態)から動作状態に切り替えるように指示する。これにより、第1子機2の電源部24および第2子機3の電源部33は、それぞれ、第1子機2および第2子機3をスタンバイ状態(待機状態)から動作状態に切り替える。そして、ステップS29において、制御部16は、親機1で2番組を同時録画するとともに、第1子機2に2番組を録画させる。さらに、制御部16は、第2子機3に1つまたは2つのテレビ番組を受信させ、第2子機3により受信されたテレビ番組を親機1で録画する。すなわち、制御部16は、親機1のチューナ部11に2つのテレビ番組を受信させるとともに、受信した2つのテレビ番組をHDD15に録画させる。また、制御部16は、第1子機2のチューナ部21に2つのテレビ番組を受信させるとともに、チューナ部21により受信された2つのテレビ番組をHDD22に録画させる。さらに、制御部16は、第2子機3のチューナ部31に1つまたは2つのテレビ番組を受信させるとともに、第2子機3のチューナ部31により受信された1つまたは2つのテレビ番組のデータを第2子機3から通信部161を介して受け取り、親機1のHDD15に録画させる。これにより、5または6番組が同時録画される。また、このように第2子機3により受信したテレビ番組を親機1で録画することによって、第2子機3に録画機能を設ける必要がないので、第2子機3の構成を簡易にすることができる。
そして、ステップS30において、制御部16は、第1子機2からHDD22に録画されたテレビ番組の録画情報を取得する。具体的には、制御部16は、第1子機2の制御部23から録画情報としての番組タイトルや収録時間などの情報を取得する。その後、録画処理は終了される。
次に、図5を参照して、本発明の一実施形態による録画システム100の親機1により実行される再生処理について説明する。
図5のステップS31において、制御部16は、ユーザから親機1を動作状態に切り替える指示があるか否かを判断する。ユーザはリモコン141を用いて親機1に対してスタンバイ状態(待機状態)から動作状態に切り替える指示を行うことが可能である。制御部16は、動作状態に切り替える指示があるまでこの判断を繰り返し、ユーザから指示があると、ステップS32において、親機1をスタンバイ状態から動作状態に切り替える。具体的には、電源部17が制御部16の指示に基づいて親機1をスタンバイ状態から動作状態に切り替える。
その後、制御部16は、ステップS33において、ユーザから録画番組リストを表示する指示があるか否かを判断する。ユーザは、リモコン141を用いて親機1に対して録画番組リストを表示させる指示を行うことが可能である。制御部16は、ユーザから録画番組リストの表示指示があるまでこの判断を繰り返し、表示指示があると、ステップS34において、図6に示すように、TV131に録画番組リスト131aを表示させる。この際、制御部16は、親機1のHDD15に録画された番組情報(番組タイトルや収録時間など)、および、上記した録画処理(図3および図4参照)のステップS30において第1子機2から取得した録画情報に基づいて、HDD15および22内の両方の番組を一覧表示させる。また、録画番組リスト131aには、番組がHDD15または22のいずれに録画されているかについては表示されない。これにより、ユーザに番組の録画場所を意識させないようにすることができる。また、ユーザは、録画番組リスト131aに一覧表示された番組タイトルを選択することによって対応する番組を再生して表示させることが可能である。
そして、ステップS35において、制御部16は、ユーザにより番組が選択されたか否かを判断し、選択されるまでこの判断を繰り返す。番組が選択されると、制御部16は、ステップS36において、選択された番組が親機1のHDD15および第1子機2のHDD22のいずれに録画されているかを判断する。親機1のHDD15に録画されている場合には、制御部16は、ステップS37において、対応する番組を再生し、ステップS38において、再生した番組をTV131に表示させる。
一方、第1子機2のHDD22に録画されている場合には、制御部16は、ステップS39において、第1子機2に対してスタンバイ状態(待機状態)から動作状態に切り替えるように指示する。これにより、第1子機2の電源部24は、第1子機2をスタンバイ状態(待機状態)から動作状態に切り替える。なお、この際、第2子機3は、動作状態に切り替えられず、スタンバイ状態(待機状態)を維持している。その後、ステップS40において、制御部16は、対応する番組を第1子機2に再生させるとともに、第1子機2から通信部161を介して再生データを取得する。そして、制御部16は、ステップS38において、第1子機2から取得した再生データに基づいてTV131に対応する番組を表示させる。
本実施形態では、上記のように、チューナ部11が同時刻に2つのテレビ番組を受信する場合に、親機1により録画の指示を受け付けたテレビ番組を録画するためのテレビジョン信号を受信するように第1子機2の制御部23および第2子機3の制御部32に指示するように親機1の制御部16を構成することによって、制御部16による指示に基づいて、親機1により録画の指示を受け付けたテレビ番組を録画の指示を受け付けていない第1子機2および第2子機3により受信することができるので、ユーザは親機1に対して録画の指示を行うだけで、第1子機2および第2子機3でもテレビ番組を受信することができる。これにより、テレビ番組を録画するために他の機器(第1子機2および第2子機3)を用いた場合でも、ユーザに負担が掛かるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、親機1により録画の指示が受け付けられた同時刻におけるテレビ番組の数がチューナ部11が受信可能な所定数(本実施形態では2つ)よりも多い場合に、親機1により録画の指示が受け付けられたテレビ番組を録画するためのテレビジョン信号を受信するように第1子機2および第2子機3に指示するように親機1の制御部16を構成することによって、親機1により受信可能な局数よりも多い数のテレビ番組を同時刻に受信することができるので、親機1により受信可能な局数よりも多い数のテレビ番組を同時刻に録画することができる。すなわち、ユーザに負担が掛かるのを抑制しながら、親機1により受信可能な局数よりも多い数のテレビ番組を同時刻に録画することができる。
また、本実施形態では、受信したテレビ番組を録画可能に第1子機2を構成するとともに、チューナ部11が同時刻に所定数(本実施形態では2つ)のテレビジョン信号を受信する場合に、親機1により録画の指示が受け付けられたテレビ番組を録画するように第1子機2に指示するように親機1の制御部16を構成することによって、第1子機2により受信されたテレビ番組を親機1のHDD15に録画する必要がないので、HDD15の空き容量が小さくなるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、親機1のHDD15に録画されたテレビ番組および第1子機2のHDD22に録画されたテレビ番組の両方を一覧表示する録画番組リスト131aを表示するように親機1の制御部16によりTV131を制御することによって、親機1および第1子機2のいずれに録画されたテレビ番組であっても、ユーザが録画されたテレビ番組を一覧表示で確認することができる。これによっても、ユーザの負担を軽減することができる。
また、本実施形態では、親機1のHDD15および第1子機2のHDD22の一方の空き容量が25GB以下の場合に、親機1のHDD15および第1子機2のHDD22の一方から他方にデータを移動することによって、親機1のHDD15および第1子機2のHDD22の一方の空き容量だけが極端に小さくなるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、第2子機3により受信されたテレビ番組を親機1のHDD15により録画することによって、録画機能を有さない第2子機3により受信されたテレビ番組でも確実に録画することができる。
また、本実施形態では、親機1の制御部16により、親機1により録画の指示が受け付けられたテレビ番組を録画するためのテレビジョン信号を受信するように第1子機2に指示する際に、待機状態にある第1子機2および第2子機3のうちの第1子機2に対して待機状態から動作状態に切り替えるように指示することによって、第1子機2および第2子機3のうちの第2子機3を待機状態のまま維持することができるので、消費電力の低減を図ることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、録画システムの一例として、1台の親機と2台の子機とを備えた録画システムを示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、1台の親機と1台の子機とを備えた録画システムであってもよいし、1台の親機と3台以上の子機とを備えた録画システムであってもよい。
また、上記実施形態では、録画機能を有する第1子機および録画機能を有さない第2子機の両方を設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、録画機能を有する子機のみを設ける構成であってもよいし、録画機能を有さない子機のみを設ける構成であってもよい。
また、上記実施形態では、表示装置としての機能を有さない構成の親機を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示装置としての機能を有する録画装置に本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では、HDDの空き確認処理において、録画装置としての親機および他の機器としての第1子機の空き容量が25GB以下(所定量以下)の場合に他方にデータを移動する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、空き容量が全体の容量の所定割合以下の場合にデータを移動する構成であってもよい。
また、上記実施形態では、HDDの空き確認処理において、空き容量の小さい方から空き容量の大きい方へデータを移動する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、録画機能を有する子機が複数ある場合には、空き容量の最も小さいものから空き容量の最も大きいものへデータを移動する構成であってもよい。
また、上記実施形態では、録画機能を有さない他の機器としての第2子機により受信したテレビ番組を録画装置としての親機で録画する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、録画機能を有さない第2子機により受信したテレビ番組を録画機能を有する他の機器としての第1子機で録画する構成であってもよい。
また、上記実施形態では、録画装置としての親機と他の機器としての第1子機(第2子機)とをUSB接続する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、双方向通信可能な接続であれば、親機と子機とをLAN(Local Area Network)接続する構成であってもよい。
また、上記実施形態では、他の機器の一例として、表示装置を接続するための接続部やDVD、BD(Blu−ray Disc)(登録商標)などの記録媒体からデータを読み出すローダを有さない第1子機(第2子機)を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、接続部やローダを有する他の機器(子機)であってもよい。この場合、たとえば、他の機器(子機)としてDVD録画装置やBD録画装置を用いてもよい。
また、上記実施形態では、録画装置の一例として、2局のテレビジョン信号を受信可能な親機を示すとともに、他の機器の一例として、2局のテレビジョン信号を受信可能な第1子機(第2子機)を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、録画装置(親機)および他の機器(子機)は、1局のみのテレビジョン信号を受信可能な構成であってもよいし、3局以上のテレビジョン信号を受信可能な構成であってもよい。