JP2011119403A - フレキシブルプリント基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】湾曲させた部分の歪みを正確に測定可能なフレキシブルプリント基板を得ること。
【解決手段】帯状のベースフィルム21からなる基材層と、配線パターンが設けられた導体箔をベースフィルム21上に配置して形成された配線層とを有するフレキシブルプリント基板20であって、配線パターンは、導体箔の一部をジグザグに配置した線路状として形成された歪みゲージ機能部26を複数含み、複数の歪みゲージ機能部26がフレキシブルプリント基板20の長手方向に整列して配置された。
【選択図】図2

Description

本発明は、フレキシブルプリント基板に関する。
従来、携帯電話端末やカーナビゲーションシステムなどの高密度実装製品に内蔵する複数の基板間の配線部材として、フレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)が用いられている。
フレキシブルプリント基板は、ポリイミドなどの薄い絶縁体フィルムの間に導体箔で形成した配線パターンを挟んだ構造となっており、紙のように柔らかく湾曲させて使用できるという特徴を生かして、製品内部の小さな隙間を大きく変形させながら配線する際に用いられている。また、折り畳み型の携帯電話端末のヒンジ部分のように可動する機構部品の間を通して、部品の動きに合わせて湾曲させて使用することもある。
近年、製品の小型化に伴って製品内部の配線空間が小さくなっているが、曲げ部の曲率が大きくなれば、フレキシブルプリント基板に発生する歪みが大きくなり、繰り返して伸長・湾曲することによって導体箔が疲労し断線する可能性が高くなる。ある回数繰り返し曲げ伸ばしても断線を生じさせないようにしつつ曲率を大きくするためには、フレキシブルプリント基板に実際に生じる歪みを正確に把握し、歪みと繰り返し曲げ伸ばし耐久性との相関関係から適切な曲げ形状を設定する必要がある。
ところで、物体の歪みを測定する場合、一般には歪みゲージが用いられる。歪みゲージは、金属抵抗体(金属箔)から形成した微小幅の線路が薄い絶縁体フィルム上にジグザグに配置された構造であり、被測定物に貼り付けて使用される。被測定物が変形すると歪みゲージも同じように変形するため、金属抵抗体の長さや幅が変わって電気抵抗が変化する。この電気抵抗の変化を測定することで被測定物の歪み量を測定することが可能である。
歪みゲージを使用するにあたっては、歪みゲージ自身の剛性や、貼り付けの際に用いられる接着剤の影響を無視できる程度の剛性を被測定物が備えていることが前提となる。このため、紙のように非常に剛性の低い物体の歪みを測定する場合、歪みゲージを貼り付けることで、歪みゲージや接着剤によって剛性が変化してしまうため、被測定物の歪みを正確に測定することが困難である。
特許文献1には、内蔵した歪みゲージによって歪みを測定可能なリジッド基板が開示されている。
特許文献2には、金属板と絶縁層と導電配線とからなる可撓性の積層基板に、絶縁フィルムと金属箔とからなる歪みゲージを表裏積層配置し複数配列させて測定対象物(土壌)に埋め込み、被測定物の内部変位を計測する歪みゲージ付き可撓性配線基板が開示されている。
特開2001−15882号公報 特開2008−157830号公報
上記特許文献1の技術は、リジッド基板の半導体パッケージ実装部分の歪み量を測定するためのものである。すなわち、特許文献1に記載の発明は、リジット基板上の特定の位置で基板面内の任意方向に発生しうる歪みを測定するものであり、柔軟性があって大きく変形させることが可能な被測定物の歪みを測定することを想定したものではない。
また、特許文献2の技術は、可撓性配線基板の表裏に対をなして歪みゲージを配置する構成であるが、表裏の各面において導電配線上に歪みゲージを設置し、さらに表面と裏面とで歪みゲージをフレキシブルプリント基板の厚さ方向に重ねて配置している。したがって、基板全体としては導電配線及び歪みゲージが二つずつ重なって配置されている状態となり、フレキシブルプリント基板の剛性に影響を与えることとなる。すなわち、特許文献2に開示される発明は、柔軟性があって剛性が低いフレキシブルプリント基板の剛性が、歪みゲージの積層によって影響を受けてしまい、正確に歪みが測定できないという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、湾曲させた部分の歪みを正確に測定可能なフレキシブルプリント基板を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、帯状のベースフィルムからなる基材層と、配線パターンが設けられた導体箔をベースフィルム上に配置して形成された配線層とを有するフレキシブルプリント基板であって、配線パターンは、導体箔の一部をジグザグに配置した線路状として形成された歪みゲージ部を含むことを特徴とする。
本発明によれば、断線が生じないことを保障しつつフレキシブルプリント基板を可能な限り大きな曲率で曲げることが可能となり、これを適用する装置の小型化及び長寿命化を実現できるという効果を奏する。
図1は、本発明にかかるフレキシブルプリント基板の実施の形態1の断面構成を示す図である。 図2は、実施の形態1に係るフレキシブルプリント基板の斜視図である。 図3は、フレキシブルプリント基板の平面図である。 図4は、一般的な歪みゲージの構成を示す図である。 図5は、歪み計測用のダミーフレキシブルプリント基板の平面図である。 図6は、本発明にかかるフレキシブルプリント基板の実施の形態2の断面構成を示す図である。
以下に、本発明にかかるフレキシブルプリント基板の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかるフレキシブルプリント基板の実施の形態1の断面構成を示す図である。フレキシブルプリント基板(FPC)20は、基材層としてのベースフィルム21、配線層としての導体箔22及び保護層としてのカバーレイフィルム23を有する。ベースフィルム21は、厚さ12〜50μm程度のフィルム状の絶縁体である。導体箔22は、厚さ12〜50μm程度の銅で形成されている。カバーレイフィルム23は、導体箔22の保護用のフィルム状の絶縁体であり、ベースフィルム21と同程度の厚さである。
図2に、FPC20の斜視図を示す。導体箔22は、歪みゲージ機能部26と配線25とを含む配線パターンが形成されている。なお、図1に示した断面は配線パターンとして導体箔22が存在する部分での断面であるため3層構成となっているが、これが存在しない部分ではベースフィルム21とカバーレイフィルム23との2層構成となる。FPC20は、長手方向の端部に端子24a、24bをそれぞれ備えており、基板間の配線材として用いられる。
図3に、FPC20の平面図を示す。図3に示すように、歪みゲージ機能部26は、FPC20の長手方向に沿って複数個整列し、配線25と並んで配置されている。歪みゲージ機能部26と配線25とが同じ導体箔22で形成されており、厚さ方向に重なり合わないことにより、FPC20の剛性が部分的に高くなることはない。歪みゲージ機能部26を、配線25と同じ導体箔22を用いてFPC20に形成することにより、製品の使用中にFPC20の歪みの状態をリアルタイムに観測することが可能となる。
図4に、一般的な歪みゲージの構成を示す。薄いフィルム状絶縁体11とその上にジグザグに配置された金属抵抗体(線路)12とを備え、金属抵抗体12の端部から取り出された導線13がブリッジ回路が構成された電気回路に接続される。これを被測定物に貼り付けると、被測定物が変形した際に金属抵抗体12の抵抗が変化するため、抵抗の変化を読み取ることで歪みが計測される。
歪みゲージ機能部26は、図4に示した一般的な歪みゲージと同様に、微小幅の線路(導体箔22の一部)をジグザグにレイアウトした構造となっており、各歪みゲージ機能部26からは、信号線(図4における導線13に相当)が引き出され、端子24a、24bまで達している。FPC20の変形によって生じる導体箔22の抵抗の変化は、FPC20の端部の端子24a、24bからブリッジ回路を備えた他の基板へコネクタ等を介して転送されて読み取られる。また、この時、端子24a、24bの端子番号と、歪みゲージ機能部26の位置との対比を取れば、FPC20のどの位置がどの程度変形しているか(換言すると、FPC20の長手方向のどの位置にある歪みゲージ機能部26にどれだけの歪みが生じているか)といった、歪みの分布を把握できる。また、折り畳み型携帯端末のヒンジ部のような可動部分に収納される場合には、歪みゲージ機能部26の出力値に基づいて、端末の開き角度を検出することも可能である。
導体箔22はカバーレイフィルム23で覆われているため、歪みゲージ機能部26を形成する微小幅の導線が摩擦などで断線することを防止できる。ここではカバーレイフィルム23を備えた構成を例として示したが、カバーレイフィルム23を備えない構成であっても良い。
なお、FPC20が歪み試験のみを目的とし、製品の電気配線機能が不要な場合は、配線25は無くとも良い。図5に示す歪み計測用のダミーFPC20’は、配線25を省略したものであり、適当な位置で切り出して長さを調節した上で歪みゲージ機能部26を使用することが可能である。
FPC20の曲げ部は、断線防止の観点から曲率に上限があるため、長手方向にある程度の長さをもって存在する(換言すると、FPC20は屈曲ではなく湾曲する。)。このため、歪みゲージ機能部26をFPC20の長手方向に配列させることにより、柔軟性があり、大きく変形させることが可能なFPC20において、曲げ部の歪みを測定することが可能となる。
このように、本実施の形態に係るフレキシブルプリント基板は、長手方向にある程度の長さにわたって発生する歪みを測定可能である。したがって、断線を防止しつつ限界に近い曲率で湾曲させることが可能となるため、高密度実装製品の小型化を実現できる。また、断線が発生しない曲率でフレキシブルプリント基板を湾曲させることにより、これを用いた製品の耐用年数を延ばし、長寿命化を図ることができる。
実施の形態2.
図6は、本発明にかかるフレキシブルプリント基板の実施の形態2の断面構成を示す図である。本実施の形態に係るFPC30は、配線層を2層備えた構成であり、ベースフィルム31a、導体箔32a、ベースフィルム31b、導体箔32b及びカバーレイフィルム33を有する。ここで、ベースフィルム31a、31bは、実施の形態1のベースフィルム21と同様である。また、導体箔32a、32bは、実施の形態1の導体箔22と同様である。カバーレイフィルム33は、実施の形態1のカバーレイフィルム23と同様である。なお、図6に示す断面は、導体箔32a及び32bが配線パターンとして存在する部分での断面であるため5層構成となっているが、導体箔32aの配線パターン又は導体箔32bの配線パターンが存在しない部分では4層構成となり、両方の導体箔32a、32bの配線パターンが存在しない部分での断面は3層構成となる。
本実施の形態においては、歪みゲージ機能部は、導体箔32a、32bにそれぞれ設けられている。二つの配線層にそれぞれ歪みゲージ機能部を設ける場合でも、各々の歪みゲージ機能部は導体箔32a、32bの厚さ内に収まるため、FPC30の剛性が部分的に高くなることはない。したがって、内蔵する歪みゲージ機能部を利用してFPC30の歪みを精度良く測定することが可能である。
この他については実施の形態1と同様であるため、重複する説明は割愛する。
以上のように、本発明にかかるフレキシブルプリント基板は、湾曲させた部分の歪みを正確に測定するのに有用である。
20、30 フレキシブルプリント基板(FPC)
20’ ダミーFPC
21、31a、31b ベースフィルム
22、32a、32b 導体箔
23、33 カバーレイフィルム
24a、24b 端子
25 配線
26 歪みゲージ機能部

Claims (5)

  1. 帯状のベースフィルムからなる基材層と、配線パターンが設けられた導体箔を前記ベースフィルム上に配置して形成された配線層とを有するフレキシブルプリント基板であって、
    前記配線パターンは、前記導体箔の一部をジグザグに配置した線路状として形成された歪みゲージ部を含むことを特徴とするフレキシブルプリント基板。
  2. 前記配線パターンは前記歪みゲージ部を複数含み、該複数の歪みゲージ部が前記ベースフィルムの長手方向に整列して配置されたことを特徴とする請求項1記載のフレキシブルプリント基板。
  3. 前記配線パターンは、前記ベースフィルムの長手方向の両端部を結ぶ連結配線を含み、
    前記歪みゲージ部と前記連結配線とが前記配線層内において重ならずに配置されたことを特徴とする請求項1又は2記載のフレキシブルプリント基板。
  4. 前記基材層と前記配線層とを交互に2以上ずつ積層し、各配線層の前記導体箔が前記歪みゲージ部を含んだ配線パターンを有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のフレキシブルプリント基板。
  5. 表面に保護層が形成されたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のフレキシブルプリント基板。
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