JP2011119039A - 二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池内部の抵抗をより一層低減し、高出力な二次電池を提供する
【解決手段】
本発明の二次電池によれば、集電リードにおける従来の導電経路とは別に、経路の短い新たな導電経路が形成されるので、電池内部抵抗のより一層の低減が可能となる。これにより、高出力な二次電池を提供することが可能となる。また、接触部と集電リードの形状は、互いに勘合し得るように形成されているで、封口板の突出部と集電リードの一部との接続が確実に行われ、二次電池の高出力が安定して得られるようになる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、ニッケル−水素蓄電池、ニッケル−カドミウム蓄電池などの二次電池に係り、特に、一方極の芯体に溶接された集電体が、集電リードを介して封口体と接続されている二次電池に関する。
一般に、ニッケル−水素化物蓄電池、ニッケル−カドミウム蓄電池などのアルカリ蓄電池は、正極および負極の間にセパレータを介在させ、これらを渦巻状に巻回した電極体を有している。そして、この電極体の正極あるいは負極の端部には、円板状の集電体が接続されている。さらに、この電極体は、金属製電池ケースに収納されるとともに、正極の端部に接続された集電体からは、帯状の集電リードが延出しており、この集電リードが封口体に接続されている。
このようなアルカリ蓄電池は、電動工具などの高率で充放電を行う用途に使用される場合、電池構成の中でも特に、集電リードの電気抵抗が電池特性に大きな影響を与える。
集電リードの電気抵抗が大きい場合、大電流で放電を行うと、集電リードの電気抵抗に起因する大きな電圧降下が生じて電池電圧が低下するという問題を生じる。
このため、特許文献1は、集電部品を複数枚にして集電リードを構成し、又は集電部品の厚みを厚くするようにして集電リードの電気抵抗を低減する方法を提案している。(特許文献1)
一方、HEV用などの高出力用途では、電池から高出力を取り出すことが必要で、通常の用途に比べて、構成部材の抵抗低減による電池内部抵抗の一層の抑制が必要となる。
このため、特許文献2は、円筒型二次電池の集電体と封口体間を電気的に接続する方法として、内部空間が形成された枕状(筒状)の集電リードを集電体に溶接接続した後、封口体と電気的接続する方法を提案している。(特許文献2)
しかしながら、近年のHEVの高性能化に伴って、更に電池から高出力を取り出すことが必要となり、一層の電池内部の抵抗を低減が求められている。
このため、特許文献3は、内部空間が形成された枕状の集電リードが、溶接時に受ける加圧力によって起こる局所的な曲げ変形を促進する曲げ案内部を設けるとともに、集電リードはそれ自身の相対向する面または集電リードと封口板などの相対向する面との間に形成される内部空間内に突出する突出部を有し、突出部が、相対向する面に接触して、短縮された導電路を形成する方法を提案している。(特許文献3)
特許第2762599号公報 特開2001-143684号公報 特開2004-235036号公報
しかしながら、HEVの更なる高性能化に伴って、電池からより一層の高出力を取り出すことが必要となり、電池内部抵抗をより一層抑制することが求められている。
そこで、本発明の二次電池は、一方極の端子を兼ねる開口部を備えた外装容器と、前記外装容器の開口部に配置される他方極の端子を兼ねる封口体と、正極及び負極の端部に集電体が接続されて前記外装容器に収容された電極体とを有し、前記集電体と封口体との間が集電リードで接続された二次電池であって、
前記封口体には、電極体に向けて突出し、集電リードの一部と接触する接触部が形成されているとともに、前記接続部が前記集電リードの一部と嵌合によって接続されていることを特徴としている。
ここで前記接続部が、前記集電リードの一部と嵌合によって接続されているとは、接続された接続部と集電リードの一部を引き離すような力を作用させたときに、抗力が生じるような状態で接続されているこという。
本発明の二次電池によれば、集電リードにおける従来の導電経路とは別に、経路の短い新たな導電経路が形成されるので、電池内部抵抗のより一層の低減が可能となる。これにより、高出力な二次電池を提供することが可能となる。
また、接触部と集電リードの形状は、互いに勘合し得るように形成されているので、封口板の突出部と集電リードの一部との接続が確実に行われ、二次電池の高出力が安定して得られるようになる。
特に、集電リードが、集電リード自身で形成される中空部または前記集電体とリード部自身とで囲まれて形成される空間を備えた筒状体からなり、電池の軸方向に押しつぶされるタイプのものであると、接続部が集電リードの一部とが嵌合によって接続された状態で通電溶接されるので、接続部が集電リードの一部より強固に接続されることになる。これにより、二次電池の高出力がより安定して得られるようになる。
ここで、通電溶接とは、電極体を電池ケースに収納し、電解液を注入した後、集電体に溶接されたリード部を封口体下面に接触させた状態で電池ケースの開口部を封口体で密閉し、その後、電池ケースと封口体との間に電流を流すことにより、リード部と封口体との接触部分を溶接する溶接方法のことをいう。
渦巻状電極群を模式的に示す斜視図である。 渦巻状電極群の両端部に溶接される集電体を示す図であり、(a)は負極集電体を示す正面図であり、(b)は正極集電体を示す正面図である。 本発明のニッケル水素電池を模式的に示す断面図である。 本発明の封口体を示す図であり、(a)は封口体の下面図であり、(b)は封口体を模式的に示す断面図である。 本発明の正極集電リードを模式的に示す正面図である。 正極集電リードが、正極集電体に溶接された状態を模式的に示す正面図である。 正極集電リードと、封口体を配置した後、これらを溶接する状態を模式的に示す断面図である。 本発明の封口体の接続部が、集電リードと嵌合する状態を模式的に示す図であり、(a)は封口体の接続部と集電リードが嵌合する前の状態を示す断面図であり、(b)は封口体の接続部と集電リードが嵌合した状態を示す断面図 比較例の封口体を示す図であり、(a)は封口体の下面図であり、(b)は封口体を模式的に示す断面図である。 比較例の封口体が、集電リードと接続される状態を模式的に示す図であり、(a)は封口体と集電リードが溶接される前の状態を示す断面図であり、(b)封口体と集電リードが溶接された状態を示す断面図である。 変形例の封口体を示す図であり、(a)は封口体の下面図であり、(b)は封口体を模式的に示す断面図である。 変形例の封口体の接続部が、集電リードが嵌合した状態を示す断面図である。
また以下に、本発明の円筒型二次電池の一実施の形態を図1〜8に基づいて説明する。この場合、円筒型二次電池としてニッケル−水素蓄電池を用いた場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものでなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
1.円筒型二次電池
(1)渦巻状電極群
まず、パンチングメタルからなる極板芯体31aの表面にニッケル焼結多孔体31bを形成した後、化学含浸法により水酸化ニッケルを主体とする活物質を同ニッケル焼結多孔体31bの多孔内に含浸する。ついで、これを乾燥させた後、所定の厚みになるまで圧延し、所定の寸法になるように切断してニッケル正極板31を作製する。ここで、ニッケル正極板31の幅方向の一方の端部(図1において上部)には極板芯体31aが露出した芯体露出部31cが形成されている。
また、パンチングメタルからなる極板芯体32aの表面に水素吸蔵合金を主体とするペースト状負極活物質32bを塗布し、乾燥させた後、所定の厚みになるまで圧延し、所定の寸法になるように切断して水素吸蔵合金負極板32を作製する。 ここで、水素吸蔵合
金負極板32の幅方向の一方の端部(図1において下部)には極板芯体32aが露出した芯体露出部32cが形成されている。ついで、図1に示すように、これらのニッケル正極板31と水素吸蔵合金負極板32との間にセパレータ33を介在させて渦巻状に巻回して渦巻状電極群30aを作製する。なお、この渦巻状電極群30aの高さ方向の一方の端部(図1において上部)には芯体露出部31cが突出しているとともに、他方の端部(図1において下部)には芯体露出部32cが突出している。
(2)負極集電体
本実施例の負極集電体34は、図2(a)に示すように、略円形(最大で直径が30mm)に形成されていて、中心部の周囲から端部に向けて多数のバーリング孔(例えば、直径が2mmで、バーリング高さが0.4mmで、バーリング厚みが0.1mmのもの)34aが形成されている。また、負極集電体34の外周部には、無効な溶接電流を減少させ、有効な溶接電流を増大させるために、端縁に向けて開口する一対のスリット34bが形成されている。
(3)正極集電体
正極集電体35は、図2(b)に示すように、略円形(最大で直径が30mm)に形成されていて、中心部に溶接電極挿入用の中心開口35aが形成されているとともに、この中心開口35aの周囲から端部に向けて多数のバーリング孔(例えば、直径が2mmで、バーリング高さが0.4mmで、バーリング厚みが0.1mmのもの)35bが形成されている。また、正極集電体35の外周部には、無効な溶接電流を減少させ、有効な溶接電流を増大させるために、端縁に向けて開口する一対のスリット35cが形成されている。
(4)封口体
封口体38は、図3(集電リードの記載は省略)に示すように、封口板38aと正極キャップ(正極外部端子)38bとからなり、この正極キャップ38b内には弁板38cとスプリング38dからなる弁体を備えているので、封口板38aの中心部は下方に突出して形成されている。また、封口体38の中央にはガス抜き孔が形成されているとともに、その周縁には、予め絶縁ガスケット39aが嵌着されている。図4に示すように、封口板下面側に、集電リードの一部と嵌合可能な接触部40が設けられている。接触部40は、集電リードの側面の湾曲した部分と密着できような形状となっており、かつ接触部40の先端部41は、集電リードと正極集電体の間に入り込めるような形状となっており、これにより、接触部40と集電リードの一部が嵌合することになる。
(5)正極集電リード
正極集電リード20はニッケルめっきが施された鋼板(この場合は、厚さが0.4mmのものとした)が筒状となるように折り曲げ成型することにより形成されたものであり、図5に示すように、後述する封口体38の底面に溶接される頂部21と、正極集電体35に溶接される底部22とを備えている。そして、頂部21で連続し、底部22の中央部で互いに突き合わされているとともに、底部22の一対の側部は頂部21よりも突出するよう形成されている。
ここで、頂部21の中心部には中心開口21aが設けられているとともに、この中心開口21aの周囲には封口体の底面に溶接された際の溶接点となるために封口体に向けて(図5においては紙面の裏面から表面に向けて)突出するプロジェクション突起21bが4箇所に形成されている。一方、底部22の中心部には互いに突き合わされることにより円形状に形成された溶接電極挿入用の中心開口(図示していないが、この中心開口は頂部21に形成された中心開口21aと一致する位置に形成されることとなる)が設けられているとともに、互いに突き合わされた各端部側に正極集電体の上面に溶接された際の溶接点となるために正極集電体35に向けて突出するプロジェクション突起22bが4箇所に形成されている。
(6)ニッケル−水素蓄電池
ついで、上述のような構成となる渦巻状電極群30aと、負極集電体34と、正極集電体35と、上述した正極集電リード20とを用いて、円筒型二次電池となるニッケル−水素蓄電池を作製する例について、以下に説明する。
まず、渦巻状電極群30aの下端面に露出する水素吸蔵合金負極板32の芯体露出部32cに負極集電体34を溶接する。また、渦巻状電極群30aの上端面に露出するニッケル正極板31の芯体露出部31cに正極集電体35を溶接して電極体とする。
この後、渦巻状電極群30aの上端部に溶接された正極集電体35の上に正極集電リード20を配置した後、プロジェクション突起21bの上面部に溶接電極を押し当てて、正極集電体35に正極集電リード20をスポット溶接する。これにより、正極集電リード20の底部22に形成されたプロジェクション突起22bが溶接点となって、正極集電リード20が正極集電体35に溶接されることとなる。
この場合、正極集電リード20を用いると、図6に示すように正極集電リード20が正極集電体35に溶接されることとなる。
この後、正極集電体35に正極集電リード20が溶接された渦巻状電極群30aを鉄にニッケルメッキを施した有底筒状の外装缶(底面の外面は負極外部端子となる)37内に収納する。そして、渦巻状電極群30aの中心部に形成された空間部に溶接電極を挿入し、水素吸蔵合金負極板32に溶接された負極集電体34を外装缶37の内底面にスポット溶接する。これにより、負極集電体34が外装缶37の内底面に溶接されることとなる。
ついで、外装缶37の上部内周側に防振リング39bを挿入し、外装缶37の上部外周側に溝入れ加工を施して防振リング39bの上端部に環状凹部37aを形成する。この後、外装缶37内に7Nの水酸化カリウム(KOH)水溶液からなるアルカリ電解液を注入する。この後、この正極集電リード20の上に封口体38を配置する。
ついで、図7(集電リードの記載は省略)に示すように、封口体38の上部と外装缶37の下部に一対の溶接電極W1,W2を配置した後、これらの一対の溶接電極W1,W2間に2×106N/m2の圧力を負荷しながら24Vの電圧を印加し、3kAの溶接電流を15msecの時間だけ流す通電処理を施した。これにより、正極集電リード20の頂部21に形成された4箇所のプロジェクション突起21bが溶接点となって、封口体38が正極集電リード20に溶接されることとなる。この後、外装缶37の開口端縁37bを内方にかしめた後、このかしめた部分を電池の中心軸方向に対してプレス処理を施し、外装缶の開口部を封口する。
この時、図8に示すように前述したプレス処理により、電池内の正極集電リードが押し潰されるように扁平状に変形する。さらに、接触部40が、集電リードの側面の湾曲した部分と密着し、かつ接触部40の先端部41が、集電リードと正極集電体の間に入り込む。これにより、接触部40と集電リードの湾曲部の一部とが嵌合する。このとき、通電処理による電流が、嵌合部分にも流れるので、接触部40と集電リードの湾曲部の一部は強固に溶接される。以上のようにして6.0Ahの実施例のニッケル−水素蓄電池Aが得られる。
また、図9に示すように、封口板下面側に、接触部を設けなかったこと以外、実施例のニッケル−水素蓄電池と同様にして、比較例のニッケル−水素蓄電池Bを得た。尚、比較例のニッケル−水素蓄電池においては、図10に示すように封口板と集電リードが、溶接部以外の部分で接触していない。
(5)評価試験
上述のように作製した各電池A,Bについて、25℃の温度雰囲で、1Itの充電電流でSOCの120%まで充電し、1時間休止後に25℃の温度雰囲で、1Itの放電電流で電池電圧が0.9Vになるまで放電させる充放電サイクルを10回繰り返して、電池の活性化を行なった。この後、各電池A,Bを20セルづつ使用し、25℃の温度雰囲気で、1Itの充電々流で電池容量に対して50%まで充電を行った後、開路状態で1時間放置した後、最大200Aまで、各ステップ間に30分の休止を入れながら10秒間の充放電を繰り返し、各10秒放電時電圧と各放電電流値から最小二乗法により求まる直線が0.9Vに達する時の電流値(放電出力)を求める放電性評価試験を、各電池A,Bに行った。得られた10秒目の放電出力において、電池Bの10秒目の放電出力を100とし、電池Aの10秒目の放電出力をそれとの比率(10秒目放電出力比)として求めると、下記の表1に示すような結果が得られた。
Figure 2011119039
上記表1の結果から明らかなように、電池Bの10秒目放電出力比は100であるのに対して、電池Aの10秒目放電出力比は103で、電池Aは電池Bよりも10秒目放電出力比が向上していることが分かる。
これは、電池Aが、封口体下部に設けた接合部と集電リードが接続されていることにより、電池Bに比べて導電経路数が増加し、かつ経路が短縮された導電経路が形成されることによって抵抗低減されているからであると考える。
また、電池Aは、接続部と集電リードが勘合により接続されていることにより、接続部と集電リードの接続の構造安定性が高くなり、製造バラツキや使用時の振動等の影響を受けずに、確実に抵抗低減効果を発現できるからであると考える。
(変形例)
上述した実施例の接合部に代え、図11に示したように、先端部41に係留部41を形成したものを用いこともできる。この場合、集電リードの側面の湾曲した部分に係留部41が入り込む穴を設けておけば、図12 に示すように、係留部41が集電リードにかみ込んだ状態で接合部と集電リードの一部が勘合されるので、接続部が集電リードの一部より強固に接続されることになる。これにより、二次電池の高出力がより安定して得られるようになる。
20…正極集電リード、31…ニッケル正極板、32…水素吸蔵合金負極板、33…セパレータ、34…負極集電体、35…正極集電体、37…外装缶、38…封口体、38a…封口板、38b…正極キャップ、38c…弁板、38d…スプリング、39a…絶縁ガスケット、39b…防振リング、40…接続部

Claims (3)

  1. 一方極の端子を兼ねる開口部を備えた外装容器と、前記外装容器の開口部に配置される他方極の端子を兼ねる封口体と、正極及び負極の端部に集電体が接続されて前記外装容器に収容された電極体とを有し、前記集電体と封口体との間が集電リードで接続された二次電池であって、
    前記封口体には、電極体に向けて突出し、集電リードの一部と接触する接触部が形成されているとともに、前記接続部が、前記集電リードの一部と嵌合によって接続されていることを特徴とする二次電池。
  2. 前記勘合によって接続されている状態が、接続された接続部と集電リードの一部を引き離すような力を作用させたときに、抗力が生じるような状態で接続されていることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記集電リードは、集電リード自身で形成される中空部または前記集電体とリード部自身とで囲まれて形成される空間を備えた筒状体からなり、電池の軸方向に押しつぶされていることを特徴とする請求項1から2に記載の二次電池。
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