JP2011118996A - 光学式記録媒体の記録装置、及び光学式記録媒体の記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光ピックアップの発光波形において、オーバシュートやアンダシュートを低減し、記録品質を向上させる。
【解決手段】記録するパルスのうちラストパルスの後エッジと、イレーズトップパルスの前エッジのタイミングをほぼ一致させる。イレーズトップパルスのパワーPetと消去パワーPeの差aと、記録パワーPwと消去パワーPeの差bとの比(a/b)を変化させることで、各種の記録媒体に対しオーバシュートやアンダシュートを低減するに適した設定を行う。イレーズトップパルスの時間長Tertを記録速度に応じて切換え、各種の記録媒体の記録速度に対応する。
【選択図】図4B
【解決手段】記録するパルスのうちラストパルスの後エッジと、イレーズトップパルスの前エッジのタイミングをほぼ一致させる。イレーズトップパルスのパワーPetと消去パワーPeの差aと、記録パワーPwと消去パワーPeの差bとの比(a/b)を変化させることで、各種の記録媒体に対しオーバシュートやアンダシュートを低減するに適した設定を行う。イレーズトップパルスの時間長Tertを記録速度に応じて切換え、各種の記録媒体の記録速度に対応する。
【選択図】図4B
Description
本発明は、光学式記録媒体の記録装置、及び光学式記録媒体の記録方法に係り、特にレーザダイオード(以下、LDと略記する)の発光波形を改善した光学式記録媒体の記録装置、及び光学式記録媒体の記録方法に関するものである。
DVD(Digital Versatile Disk)やBD(Blu-ray Disk)など光ディスクをはじめとする光学式記録媒体の記録装置(以下、光ディスク装置と称する)においては、再生時のエラーレートを低減するための開発が進んでいる。このためには、特に記録媒体へ情報を記録するための記録信号波形、これを供給されるLDの発光波形を最適にするための開発が重要である。
特許文献1には、記録の際に生じる予熱効果の影響を一定にして、所望の位置に所望の形状の情報ビットを記録する技術が開示されている。
特許文献2には、多層型の相変化情報記録媒体において、微小な非晶質マークを安定に形成して、3値以上の多値記録も良好に行う技術が開示されている。
特許文献2には、多層型の相変化情報記録媒体において、微小な非晶質マークを安定に形成して、3値以上の多値記録も良好に行う技術が開示されている。
光学式記録媒体に情報を記録する際のLDの発光波形においては、規格で定められた記録信号の基本的な波形のほかに、実際にはオーバシュートやアンダシュートが発生する。これは再生時の再生波形を劣化させ、最悪はデータの読取りエラーにつながるものであるため好ましくない。
記録回路で発生された記録信号が仮に理想的なものであったとしても、LDの発光波形にはオーバシュートやアンダシュートが発生することが多い。これはLDを駆動(Drive)するLDDの出力インピーダンスや、LDとLDDとの間の配線の浮遊容量に起因することが多い。
記録回路で発生された記録信号が仮に理想的なものであったとしても、LDの発光波形にはオーバシュートやアンダシュートが発生することが多い。これはLDを駆動(Drive)するLDDの出力インピーダンスや、LDとLDDとの間の配線の浮遊容量に起因することが多い。
前記出力インピーダンスや浮遊容量をもとにしたシミュレーションにより、結果的に発光波形のオーバシュートやアンダシュートが少なくなる記録信号波形を求め、これを記録回路で発生して課題を解決することが考えられる。また実際の装置を使用してオーバシュートやアンダシュートを実測し、これが少なくなる記録信号波形を実験的に求める方法もある。
しかし、前記出力インピーダンスや浮遊容量はLDを含むOPU(Optical Pick Up)ごとに異なるものである。前記したシミュレーションや実測による方法では、機種が変わるごとに記録信号波形を改めて求める必要があり、開発効率を向上するうえで問題となっていた。
本発明の目的は前記した問題に鑑み、LDの発光波形を改善した光学式記録媒体の記録装置、及び光学式記録媒体の記録方法を提供することを目的とする。
しかし、前記出力インピーダンスや浮遊容量はLDを含むOPU(Optical Pick Up)ごとに異なるものである。前記したシミュレーションや実測による方法では、機種が変わるごとに記録信号波形を改めて求める必要があり、開発効率を向上するうえで問題となっていた。
本発明の目的は前記した問題に鑑み、LDの発光波形を改善した光学式記録媒体の記録装置、及び光学式記録媒体の記録方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため本発明は、情報信号を記録し再生する光学式記録媒体の記録装置であって、供給された記録データに再生時のエラー訂正符号を付加し、符号の発生頻度に応じた記録符号とする記録信号処理回路と、該記録信号処理回路から供給された記録符号に基づき前記光学式記録媒体へ記録するためのライトパルスを生成し、また該ライトパルスの後エッジとタイミングが略一致した前エッジを有するイレーズトップパルスを生成するライトパルス生成回路と、該ライトパルス生成回路で生成されたライトパルスを電力増幅するレーザダイオードドライブ(LDD)と、該LDDから供給されたライトパルスに基づき、前記光学式記録媒体にレーザ光を照射して情報を記録するレーザダイオード(LD)を含む光ピックアップと、前記記録装置が含む各構成要素の動作を制御するシステム制御回路を有することを特徴としている。
また本発明は、情報信号を記録し再生する光学式記録媒体の記録方法であって、供給された記録データに再生時のエラー訂正符号を付加し、符号の発生頻度に応じた記録符号とする記録信号処理ステップと、該記録信号処理ステップから供給された記録符号に基づき前記光学式記録媒体へ記録するためのライトパルスを生成し、また該ライトパルスの後エッジとタイミングが略一致した前エッジを有するイレーズトップパルスを生成するライトパルス生成ステップと、該ライトパルス生成ステップで生成されたライトパルスを前記光学式記録媒体へ記録する記録ステップとを有し、前記ライトパルス生成ステップは、前記記録ステップにおける記録波形におけるオーバシュートないしアンダシュートを略最小値とするよう、使用する光学式記録媒体に応じて前記イレーズトップパルスのパワーレベルを設定することを特徴としている。
本発明によれば、LDの発光波形を改善した光学式記録媒体の記録装置、及び光学式記録媒体の記録方法を提供でき、記録装置の基本性能の改善に寄与できるという効果がある。
以下、本発明の実施形態の例について図面を用いながら説明する。
図1は、本発明の一実施例に関わる光ディスク装置のブロック図である。図1の光ディスク装置は、PC(Personal Computer)をはじめとするホスト装置(図示せず)からの制御に基づき、光ディスク1に映像や音声をはじめとするデータを記録し、また再生する。以下では、ホスト装置との関係については省略し、本実施例の直接関わる光ディスク装置(ドライブ装置部分)について述べることとする。
図1は、本発明の一実施例に関わる光ディスク装置のブロック図である。図1の光ディスク装置は、PC(Personal Computer)をはじめとするホスト装置(図示せず)からの制御に基づき、光ディスク1に映像や音声をはじめとするデータを記録し、また再生する。以下では、ホスト装置との関係については省略し、本実施例の直接関わる光ディスク装置(ドライブ装置部分)について述べることとする。
記録媒体である光ディスク1は、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blu-ray Disk)などである。もちろん、BD−RやDVD−Rをはじめとする一回のみ記録が可能な追記型、BD−REやDVD−RAMをはじめとする書換え型のいずれを用いても良い。
装着された光ディスク1は、シャフト2Aを介してスピンドルモータ2により回転駆動される。そのための駆動制御信号はシステム制御回路15から供給されている。
装着された光ディスク1は、シャフト2Aを介してスピンドルモータ2により回転駆動される。そのための駆動制御信号はシステム制御回路15から供給されている。
光ピックアップ3は、レーザ光束3Eを光ディスク1の記録面に照射し、データを記録ないし再生する。すなわち、記録する符号化データに基づき変調されたレーザ光がLD(Laser Diode)をはじめとする半導体レーザ光源3Aで発生され、ビームスプリッタ3Bを通過し、立上げミラー3Cで反射され、対物レンズ3Dで光ディスク1に対してフォーカス合せをされてレーザ光束3Eとされ、光ディスク1の記録面に照射され、データを記録する。再生する際は、光ディスク1の記録ピットに応じて変調された反射光であるレーザ光束3Eが、対物レンズ3Dを介して立上げミラー3Cで反射され、ビームスプリッタ3Bの接合面でも反射され、光ディテクタ3Fで電気信号に変換されながら、再生信号として検出される。なお、ここで示した光ピックアップ3の構成は簡略化された一例である。例えば収差を吸収するコリメートレンズをさらに有し、また構成要素の配列が異なるものなど別な例もあるが、本実施例においては、いずれを用いても良い。
光ピックアップ3は、スレッド機構(図示せず)に搭載されており、光ディスク1上の半径方向に移動して所定のトラック位置において記録再生を行う。このための制御信号は、システム制御回路15で生成される。また対物レンズ3Dはアクチュエータ(図示せず)に搭載されており、やはりシステム制御回路15で生成される制御信号に基づき、レーザ光束3Eが光ディスク1の所定の記録トラック上に正しくフォーカスするように位置を微調整される。
次に信号回路部の動作について説明する。まずデータ記録時は、ホスト装置(図示せず)から入力端子4Aを介して、入出力回路5に記録データが供給される。元の信号が動画像の映像信号である場合には、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)方式によりデータ圧縮された記録データが供給される。これはバッファメモリ6に一時的に格納される。記録信号処理回路7は、メモリ6から所定量のデータを読み出したうえで、エラー訂正符号を付加し、また符合の発生確率に応じた符号化のための変調処理などを行って記録信号を生成する。ライトパルス生成回路8は、前記した記録信号を受けてレーザ発光パルス列に変換する。さらにLDD(Laser Diode Drive)9は前記レーザ発光パルス列を受けて、さきのLD(3A)を駆動できるように電力増幅して、ピックアップ3のLD(3A)に供給する。これにより、記録信号は光ディスク1へ記録される。
一方再生時には、光ディテクタ3Fで検出された電気信号としての再生信号が、AFE(Analog Front End)回路10に供給される。AFE回路10は、ディジタル記録であっても本質的にはアナログ信号として扱うべき前記再生信号の処理を行う。これはプッシュプル信号処理回路10A(図中のPP処理)とEQ(Equalizer)回路10Bを含んでいる。プッシュプル信号処理回路10Aは、再生信号を演算処理してTE(Tracking Error)信号や信号やFE(Focus Error)信号を生成し、システム制御回路15に供給する。システム制御回路15は、供給されたTE信号やFE信号に基づきトラッキング用とフォーカス用のサーボ信号を生成し、光ピックアップ3に供給してその動作を制御する。なお、TE信号やFE信号の詳しい生成方法については、本発明の主眼ではないので記載を省略する。
一方EQ回路10Bにおいては、光ピックアップ3や光ディスク1でデータを記録再生した際の、振幅や位相の周波数特性が等化され、再生信号の波形がさきのLDD(9)の出力波形に極力近づくようにされる。さらにDEM(Demodulator)回路12で、前記した記録信号処理回路7での符号化変調処理が復調され、ECC(Error Correction Circuit)回路13で記録再生過程におけるエラー訂正処理が施される。これはECCDET(Detector)回路14で、前記した記録信号処理回路7で付加されたエラー訂正符号に基づいてエラーを検出した際に機能する。ECC回路13において必要なエラー訂正を施された再生データは、バッファメモリ6に一時的に格納される。バッファメモリ6に格納された再生データは、入出力回路5と出力端子4Bを介してホスト装置(図示せず)へ逐次転送される。
なお、さきのECCDET回路14の出力は、システム制御回路15の含むベリファイ判定回路15Aにも供給されている。一度記録されたデータが、再生時にECC回路13でエラー訂正できる程度の品質で記録できたかを確認するのがベリファイである。多くの場合、少なくも記録したデータを最初に再生する際に実施している。ベリファイ判定の方法にはいくつかの方法が考えられるが、ここでは、ECCDET回路14で検出したエラー発生の頻度に応じて判定するようにしている。
次に図2を用いて、LDの発光波形に発生する前記したオーバシュートやアンダシュートについて説明する。図2は、LDDの駆動制御信号とLDの発光波形の一例を示す波形図である。図示した波形は、6Tパルスの一個分である。ここでLDDの駆動制御信号とは図1のLDD(9)の出力信号であり、元はライトパルス生成回路8で生成された記録信号である。図中のPwは記録パワーを、Peは消去パワーを、0はゼロパワー(無発光)を示す。またLDの発光波形とは図1のレーザ光束3Eの波形である。
図2から分かるように、LDDの駆動制御信号が矩形波であっても、LDの発光波形には図中の丸印で囲った部分に、オーバシュートとアンダシュートが発生している。最後のパルスがPwからPeへ戻る際に、LDの発光波形ではPeを通り過ぎて0に到るアンダシュートが発生し、0からPeへ戻る際にオーバシュートが発生している。これは再生波形に記録波形との誤差を発生させ、最悪は読取りエラーの原因にもなる。
なお、Tとは動作の基本クロックの周期であり、DVDの場合は記録信号には3Tパルスから14Tパルスが用いられる。発生頻度の多い符号ほど3Tをはじめとする時間長の短いパルスが用いられるよう、記録信号処理回路7は動作している。
次に図3Aと図3Bを用いて、前記したオーバシュートやアンダシュートが発生する原因を説明する。図3Aは、LDDやLD周辺の一例を示す回路図及び等価回路図である。図3Bは、LDDからLDへの伝達特性の一例を示す周波数特性図である。
図3Aにおいて、LDDの最終段は、例えばエミッタ接地(コレクタフォロア)回路が使用される。トランジスタのコレクタとバイアス電源VHI(一例として6〜10V程度)の間には、マイクロストリップ線を介してLDが直接負荷として接続される。LDの発光に応じて記録媒体には情報が記録される。LDDは、例えば抵抗40オームと容量10pF程度が並列となった出力インピーダンスを有する。マイクロストリップ線の長さLは装置の事情に応じて変わるが、例えば30mm程度とする。その幅Wは、0.3mm程度のものが使われることが多い。LDは例えば図示ずるように、左側の容量0.6pFから右側の抵抗8.8オームに到る、各抵抗、コイル、容量で表される。
図3Aにおいて、LDDの最終段は、例えばエミッタ接地(コレクタフォロア)回路が使用される。トランジスタのコレクタとバイアス電源VHI(一例として6〜10V程度)の間には、マイクロストリップ線を介してLDが直接負荷として接続される。LDの発光に応じて記録媒体には情報が記録される。LDDは、例えば抵抗40オームと容量10pF程度が並列となった出力インピーダンスを有する。マイクロストリップ線の長さLは装置の事情に応じて変わるが、例えば30mm程度とする。その幅Wは、0.3mm程度のものが使われることが多い。LDは例えば図示ずるように、左側の容量0.6pFから右側の抵抗8.8オームに到る、各抵抗、コイル、容量で表される。
図3Bにおいては、マイクロストリップ線の幅Wが0.3mmのみならず、図示する4つの場合につき、LDDからLDへの伝達特性を表す周波数特性の一例が示されている。すなわち、数百MHzのカットオフ周波数(−3dB)を有するLPF(Low Frequency Pass Filter)特性を示し、帯域外の1〜2GHzにピークを有する高次の周波数特性を示す。このため、LDに実際に流れる電流波形にはオーバシュートやアンダシュートが発生する。これによりLD発光波形においても急峻な変化後の過渡期間に、図2に示したようなオーバシュートやアンダシュートが発生することとなる。
次に、前記したオーバシュートやアンダシュートを低減する方法について説明する。図2に示したLDD駆動制御信号におけるパルス波形は、6Tパルスの本来の波形を示した。しかし実際には、最後のラストパルス(Last Pulse)の後に0パワー期間をおき、さらにイレーズトップパルス(Erase Top Pulse)と呼ばれるパルスを経て、消去パワーPeに到ることが多かった。イレーズトップパルスは、実際の消去が始まるタイミングが遅れないよう消去パワー期間の前に付されたものである。
本実施例においては、このイレーズトップパルスの前エッジのタイミングを、ラストパルスの後エッジのタイミングとほぼ一致させ、ラストパルス直後のアンダシュートにより意図せずに発生する無発光期間、さらにはその後のオーバシュートを低減するようにしている。
本実施例においては、このイレーズトップパルスの前エッジのタイミングを、ラストパルスの後エッジのタイミングとほぼ一致させ、ラストパルス直後のアンダシュートにより意図せずに発生する無発光期間、さらにはその後のオーバシュートを低減するようにしている。
本実施例につき、図4Aと図4Bを対比させながら説明する。
図4Aは一般的な記録パルスの波形図であり、図4Bは本発明の一実施例を示す記録パルスの波形図である。ここでは図2とは異なり、4Tパルスを例にとって示している。
図4Aは一般的な記録パルスの波形図であり、図4Bは本発明の一実施例を示す記録パルスの波形図である。ここでは図2とは異なり、4Tパルスを例にとって示している。
図4Aで示すように一般的には記録パルスは、イレーズトップパルスと呼ばれるパルスを有している。これはラストパルスの所定時間後に時間長Tertにわたり、記録パワーPwと消去パワーPeの間のパワーPetをもって発生される。すなわちTertの期間のパワーが、図中の破線で示すようにPeであればイレーズトップパルスを有さない場合、実線で示すようにPetであればイレーズトップパルスを有する場合となる。Tertは前記したとおり、実際の消去パワーの立ち上がりが遅れないような最適値に設定される。
これに対して本実施例では図4Bで示すように、イレーズトップパルスの前エッジのタイミングを、ラストパルスの後エッジのタイミングとほぼ一致させている。これにより、前記したようなアンダシュートやオーバシュートが低減されるようにしている。
本実施例のさらなる特徴として、図示するようなPetとPeの差である値aと、PwとPeの差である値bとの比(a/b)をパラメータとし、イレーズトップパルスのパワー値Petを適した値に設定することがある。BD−RE、DVD−Rなど、各記録媒体に応じてオーバシュートやアンダシュートの少ない適した設定値が異なる。この適した設定値は、予め実測することで得ることができ、また光ディスク装置ごとに変わる要素は少ない。このため、記録媒体の種類を判別した際に、(a/b)の値を記録媒体ごとの適した値に設定するよう、システム制御回路15がライトパルス生成回路8に指示すれば良い。もちろん媒体ごとの差が小さければ、(a/b)の値を一定値にしても良い。
本実施例のさらなる特徴として、図示するようなPetとPeの差である値aと、PwとPeの差である値bとの比(a/b)をパラメータとし、イレーズトップパルスのパワー値Petを適した値に設定することがある。BD−RE、DVD−Rなど、各記録媒体に応じてオーバシュートやアンダシュートの少ない適した設定値が異なる。この適した設定値は、予め実測することで得ることができ、また光ディスク装置ごとに変わる要素は少ない。このため、記録媒体の種類を判別した際に、(a/b)の値を記録媒体ごとの適した値に設定するよう、システム制御回路15がライトパルス生成回路8に指示すれば良い。もちろん媒体ごとの差が小さければ、(a/b)の値を一定値にしても良い。
ここで図5を用いて、前記(a/b)の値を変化させた際にオーバシュートやアンダシュートの変化を実測した例を説明する。図5は、本発明の一実施例におけるLD発光波形の波形図である。使用した記録媒体はDVD−RWであるが、BD−REでも同様な結果を得ている。
図5において(a/b)が0%の場合、すなわちイレーズトップパルスを使用しない場合には、さきの図2と同様なオーバシュートとアンダシュートが発生している。(a/b)を10%、15%と増加させるとともに、0パワーに到るまでのオーバシュートが低減していき、35%でほぼ問題ないまでに低減できている。当然ながら100%近い値であればマークを記録するに到るので、適用することはできない。しかし35%という値は、この記録パワーからは離れているので問題ない。しかも当然ながら次の消去パワーの立ち上がりが遅れることはなく、前記したイレーズトップパルスの作用と本実施例が目的とした作用は両立できることが分かる。さらに、従来のようにシミュレーションや実測で記録信号波形を求めた場合と比較し、(a/b)をパラメータとした実測により最適値を定められるため、新たな機種を開発する際の開発効率も向上できる。
図5において(a/b)が0%の場合、すなわちイレーズトップパルスを使用しない場合には、さきの図2と同様なオーバシュートとアンダシュートが発生している。(a/b)を10%、15%と増加させるとともに、0パワーに到るまでのオーバシュートが低減していき、35%でほぼ問題ないまでに低減できている。当然ながら100%近い値であればマークを記録するに到るので、適用することはできない。しかし35%という値は、この記録パワーからは離れているので問題ない。しかも当然ながら次の消去パワーの立ち上がりが遅れることはなく、前記したイレーズトップパルスの作用と本実施例が目的とした作用は両立できることが分かる。さらに、従来のようにシミュレーションや実測で記録信号波形を求めた場合と比較し、(a/b)をパラメータとした実測により最適値を定められるため、新たな機種を開発する際の開発効率も向上できる。
また本実施例のさらなる特徴として、従来とは異なり図4のイレーズトップパルスの時間長Tertを可変とすることで、記録速度が異なる記録媒体に対応できることがある。
周知のとおりCD、DVD、BDにおいては、単位時間内のデータをその何倍かの速度で記録する高速記録が可能である。一般に追記型の媒体の方が書換え型の媒体よりも、より早い速度での記録が可能である。さきの図2の発光波形でオーバシュートやアンダシュートを発生する時間長は、この記録速度に関わらず、例えば3ns程度と一定である。
周知のとおりCD、DVD、BDにおいては、単位時間内のデータをその何倍かの速度で記録する高速記録が可能である。一般に追記型の媒体の方が書換え型の媒体よりも、より早い速度での記録が可能である。さきの図2の発光波形でオーバシュートやアンダシュートを発生する時間長は、この記録速度に関わらず、例えば3ns程度と一定である。
DVDの場合、基本とする動作クロックの周波数は一倍速で26.16MHzである。したがい、前記した周期Tは38.2nsである。よってさきの3nsとは、(5/64)Tの期間に相当する。そこで一倍速(標準速)での記録では、図4Bで示すTertを(5/64)Tとし、二倍速での記録では(5/32)T、四倍速での記録では(5/16)Tと切換えることで、記録速度に応じたTertの最適な切換えができる。これは対応できる記録速度の異なる複数種類の記録媒体への適用も可能とするものである。このための切換えは、使用する記録速度に基づき、システム制御回路15がライトパルス発生回路8にTertの値を指示することで行なわれる。
ここまで示した実施形態は一例であって、本発明を限定するものではない。例えば、光ピックアップ3やLDD(9)に関し部分的に具体的な構成を示したが、これは限定条件ではない。このほか本発明の趣旨に基づきながら異なる実施形態を考えられるが、いずれも本発明の範疇にある。
1:光ディスク、3:光ピックアップ、7:記録信号処理回路、8:ライトパルス生成回路、9:LDD。
Claims (5)
- 情報信号を記録し再生する光学式記録媒体の記録装置であって、
供給された記録データに再生時のエラー訂正符号を付加し、符号の発生頻度に応じた記録符号とする記録信号処理回路と、
該記録信号処理回路から供給された記録符号に基づき前記光学式記録媒体へ記録するためのライトパルスを生成し、また該ライトパルスの後エッジとタイミングが略一致した前エッジを有するイレーズトップパルスを生成するライトパルス生成回路と、
該ライトパルス生成回路で生成されたライトパルスを電力増幅するレーザダイオードドライブ(LDD)と、
該LDDから供給されたライトパルスに基づき、前記光学式記録媒体にレーザ光を照射して情報を記録するレーザダイオード(LD)を含む光ピックアップと、
前記記録装置が含む各構成要素の動作を制御するシステム制御回路
を有することを特徴とする光学式記録媒体の記録装置。 - 請求項1に記載の光学式記録媒体の記録装置において、前記システム制御回路は、前記光ピックアップが照射するレーザ光の発光波形におけるオーバシュートないしアンダシュートを略最小値とするよう、使用する光学式記録媒体に応じて前記ライトパルス生成回路が生成する前記イレーズトップパルスのパワーレベルを制御することを特徴とする光学式記録媒体の記録装置。
- 請求項1に記載の光学式記録媒体の記録装置において、前記システム制御回路は、前記光学式記録媒体に記録する記録速度に応じて、前記ライトパルス生成回路が生成する前記イレーズトップパルスの時間長を制御することを特徴とする光学式記録媒体の記録装置。
- 情報信号を記録し再生する光学式記録媒体の記録方法であって、
供給された記録データに再生時のエラー訂正符号を付加し、符号の発生頻度に応じた記録符号とする記録信号処理ステップと、
該記録信号処理ステップから供給された記録符号に基づき前記光学式記録媒体へ記録するためのライトパルスを生成し、また該ライトパルスの後エッジとタイミングが略一致した前エッジを有するイレーズトップパルスを生成するライトパルス生成ステップと、
該ライトパルス生成ステップで生成されたライトパルスを前記光学式記録媒体へ記録する記録ステップとを有し、
前記ライトパルス生成ステップは、前記記録ステップにおける記録波形におけるオーバシュートないしアンダシュートを略最小値とするよう、使用する光学式記録媒体に応じて前記イレーズトップパルスのパワーレベルを設定することを特徴とする光学式記録媒体の記録方法。 - 請求項4に記載の光学式記録媒体の記録方法であって、前記ライトパルス生成ステップは、前記光学式記録媒体に記録する記録速度に応じて、前記イレーズトップパルスの時間長を設定することを特徴とする光学式記録媒体の記録方法。
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