JP2011118345A - 現像剤供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 現像剤の供給効率を向上させること。
【解決手段】 本発明の現像剤供給装置は、現像剤担持部材と搬送基板と対向部材とを備えている。搬送基板は、現像剤担持面と最近接しつつ対向する担持位置にて現像剤を現像剤担持面上に担持させるために、複数の搬送電極への多相交流電圧成分を含むバイアス電圧の印加により現像剤搬送経路にて現像剤を帯電させるとともに、現像剤搬送経路に沿って担持位置まで現像剤を搬送する。対向部材は、現像剤担持面の移動方向における担持位置と現像剤供給位置との間の位置にて、当該現像剤担持面と対向するように配置されている。この対向部材は、現像剤担持面上に担持された現像剤を現像剤担持部材との間の交番電界の作用により帯電させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、帯電した粉末状の現像剤を供給対象に対して供給するように構成された、現像剤供給装置に関する。
従来のこの種の装置として、例えば、特開平3−12678号公報、特開2008−70803号公報、等に開示されているものが知られている。かかる装置は、現像剤担持部材(現像ローラ)と、上流側現像剤搬送手段と、下流側現像剤搬送手段と、を備えている。
前記現像剤担持部材は、所定の現像領域にて静電潜像担持体(感光体ドラム)と対向するように設けられている。この現像剤担持部材は、帯電した現像剤を担持するための現像剤担持面を有している。
前記上流側現像剤搬送手段は、上流側搬送面を有している。この上流側搬送面は、前記現像領域よりも前記現像剤担持面の移動方向における上流側にて、当該現像剤担持面と所定の距離を隔てて対向するように配置されている。この上流側現像剤搬送手段は、上流側搬送電界(前記上流側搬送面上の前記現像剤を前記現像剤担持部材の移動方向における上流側から下流側に向けて移動させるための電界)を形成するように構成されている。
前記下流側現像剤搬送手段は、下流側搬送面を有している。この下流側搬送面は、前記現像領域よりも前記現像剤担持面の移動方向における下流側にて、当該現像剤担持面と所定の距離を隔てて対向するように配置されている。この下流側現像剤搬送手段は、下流側搬送電界(前記下流側搬送面上の前記現像剤を前記現像剤担持部材の移動方向における上流側から下流側に向けて移動させるための電界)を形成するように構成されている。
かかる構成においては、帯電した前記現像剤を前記現像剤担持面の移動方向(前記現像ローラの回転方向)における上流側から下流側へ向けて移動させる電界が、前記上流側搬送面上及び前記下流側搬送面上の空間に形成する。これにより、前記現像剤は、前記上流側搬送面及び前記下流側搬送面のそれぞれにて、前記現像剤担持部材の移動方向における上流側から下流側へ向けて移動する。
前記上流側現像剤搬送手段によって搬送された前記現像剤は、前記上流側搬送面と前記現像剤担持面(前記現像ローラの周面)とが対向する位置にて、当該現像剤担持面に向かう。これにより、前記現像剤は、前記現像剤担持面に付着する。すなわち、前記現像剤担持面上に、前記現像剤が担持される。
前記現像剤担持面上に担持された前記現像剤の一部は、静電潜像の現像に供されることで、前記現像領域にて消費される。すなわち、前記現像剤担持面上に担持された前記現像剤の一部は、前記現像領域に到達すると、前記静電潜像担持体の周面である静電潜像担持面上の、静電潜像に応じた位置に移行して付着する。
前記現像剤担持面上に担持された前記現像剤のうちの、前記静電潜像担持面に付着しなかった(前記現像領域にて消費されなかった)残部は、前記下流側現像剤搬送手段によって回収され、前記下流側搬送面上を、前記現像剤担持面の移動方向(前記現像ローラの回転方向)における上流側から下流側へ搬送される。
本発明の発明者は、この種の装置において、前記現像剤担持面から前記静電潜像担持面への前記現像剤の移行効率(すなわち前記現像剤の供給効率)が、あまり良好でないことを見出した。本発明は、かかる課題に対処するためになされたものである。すなわち、本発明の目的は、前記現像剤の供給効率を向上させることにある。
本発明の現像剤供給装置は、帯電した粉末状の現像剤を供給対象に対して供給するように構成されている。この現像剤供給装置は、現像剤担持部材と、搬送基板と、対向部材と、を備えている。
前記現像剤担持部材は、主走査方向と平行な円柱面状の周面である現像剤担持面を有していて、当該現像剤担持面が現像剤供給位置にて前記供給対象と対向するように設けられている。この現像剤担持部材は、前記主走査方向と平行な軸を中心として回転することで、前記現像剤担持面を前記主走査方向と直交する方向に移動させつつ、当該現像剤担持面上に担持された前記現像剤を前記現像剤供給位置に供給するように構成されている。
前記搬送基板は、前記主走査方向と交差する現像剤搬送経路に沿って配列された複数の搬送電極を備えている。この搬送基板は、前記現像剤担持面と最近接しつつ対向する担持位置にて前記現像剤を前記現像剤担持面上に担持させるために、複数の前記搬送電極への多相交流電圧成分を含むバイアス電圧の印加により前記現像剤搬送経路にて前記現像剤を帯電させるとともに、前記現像剤搬送経路に沿って前記担持位置まで前記現像剤を搬送するように構成されている。
前記対向部材は、前記現像剤担持面の移動方向における前記担持位置と前記現像剤供給位置との間の位置にて、当該現像剤担持面と対向するように配置されている。この対向部材は、前記現像剤担持面上に担持された前記現像剤を前記現像剤担持部材との間の交番電界の作用により帯電させるように構成されている。
前記対向部材は、前記主走査方向と平行な軸を中心として回転可能に構成され得る。
本発明の現像剤供給装置は、また、クリーニング部をさらに備えていてもよい。このクリーニング部は、前記対向部材に付着した前記現像剤を当該対向部材から除去するように構成されている。
具体的には、例えば、前記クリーニング部は、剥離部材を備えている。この剥離部材は、前記対向部材と当接することで、当該対向部材から前記現像剤を除去するように配置されている。
あるいは、例えば、前記クリーニング部は、前記対向部材と対向するように配置されたクリーニング用基板を備えている。このクリーニング用基板は、前記主走査方向と交差するクリーニング経路に沿って配列された複数のクリーニング電極を備えている。そして、これらのクリーニング電極への多相交流電圧成分を含むクリーニング用バイアス電圧の印加により、前記現像剤を、前記対向部材と対向するクリーニング位置の近傍にて前記対向部材から剥離しつつ前記クリーニング経路に沿って搬送するように、当該クリーニング用基板が構成されている。
かかる構成においては、複数の前記搬送電極への前記バイアス電圧の印加により、前記現像剤が、前記現像剤搬送経路にて帯電するとともに、当該現像剤搬送経路に沿って前記担持位置まで搬送される。具体的には、例えば、前記現像剤搬送経路における上流側の端部にて、前記現像剤が帯電した状態となる(帯電する)。前記現像剤搬送経路における上流側の端部にて帯電した状態となった(帯電した)前記現像剤は、当該端部から、前記現像剤搬送経路に沿って前記担持位置まで搬送される。
前記担持位置まで搬送された前記現像剤は、当該担持位置にて、前記現像剤担持面上に担持される。この現像剤担持面は、前記現像剤担持部材の回転により、前記主走査方向と直交する方向に、前記現像剤供給位置に向かって移動する。その途中、すなわち、前記現像剤担持面の移動方向における前記担持位置と前記現像剤供給位置との間の位置にて、前記対向部材と前記現像剤担持部材との間の交番電界(典型的には両者の間の交流電圧の印加による電界)の作用により、前記現像剤が帯電させられる。この帯電作用を受けた前記現像剤は、前記現像剤担持部材の回転に伴う前記現像剤担持面の移動により、前記現像剤供給位置に到達することで、前記供給対象に供給される。
なお、前記対向部材による上述の帯電作用の際に前記対向部材に付着した前記現像剤は、前記クリーニング部によって、当該対向部材から除去され得る。
上述のように、本発明の構成においては、前記現像剤搬送経路、及び、前記対向部材と前記現像剤担持部材との間にて、前記現像剤が帯電させられる。これにより、前記現像剤の帯電状態が最適な状態に設定され得る。したがって、本発明によれば、より良好な現像剤の供給効率が得られる。
本発明の一実施形態が適用された画像形成装置としてのレーザープリンタの概略構成を示す側面図である。 図1に示されているトナー供給装置を拡大した側断面図である。 図2に示されているクリーニング部の概略構成の一具体例を示す拡大断面図である。 図2に示されている搬送基板を拡大した側断面図である。 図4に示されている各電源回路の出力波形の一例を示すグラフである。 トナーの挙動を示す概略図である。 図2に示されているクリーニング部の概略構成の他の具体例を示す拡大断面図である。 図2に示されているトナー供給装置の一変形例の構成を示す側断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
<レーザープリンタの構成>
図1を参照すると、レーザープリンタ1は、用紙搬送機構2と、感光体ドラム3と、帯電器4と、スキャナーユニット5と、トナー供給装置6と、を備えている。
レーザープリンタ1内に備えられた、図示しない給紙トレイには、シート状の用紙Pが積み重ねられた状態で収容されている。用紙搬送機構2は、用紙Pを所定の用紙搬送経路PPに沿って搬送するように構成されている。
本発明の供給対象としての感光体ドラム3の周面には、静電潜像担持面LSが形成されている。静電潜像担持面LSは、主走査方向(図中z軸方向)と平行な円筒面として形成されている。この静電潜像担持面LSは、電位分布による静電潜像が形成されるとともに、当該静電潜像に対応した位置にて本発明の現像剤としてのトナーT(図2参照)を担持するように構成されている。
感光体ドラム3は、前記主走査方向と平行な中心軸Cを中心として、図中矢印で示されている方向に回転駆動されるようになっている。すなわち、静電潜像担持面LSが、前記主走査方向と直交する副走査方向に沿って移動するように、感光体ドラム3が構成されている。
帯電器4は、静電潜像担持面LSと対向するように配置されている。この帯電器4は、コロトロン型あるいはスコロトロン型の帯電器であって、静電潜像担持面LSを一様に正帯電させるように構成されている。
スキャナーユニット5は、画像データに基づいて変調されたレーザービームLBを生成するように構成されている。すなわち、スキャナーユニット5は、画素の有無によって発光のON/OFFが制御された、所定の波長帯域のレーザービームLBを生成するように構成されている。
また、スキャナーユニット5は、生成されたレーザービームLBを、静電潜像担持面LSにおけるスキャン位置SPにて結像させるように構成されている。ここで、スキャン位置SPは、帯電器4と対向する位置よりも、感光体ドラム3の回転方向(図1における矢印で示されている方向)における下流側の位置に設けられている。
さらに、スキャナーユニット5は、静電潜像担持面LS上にてレーザービームLBが結像される位置を、前記主走査方向に沿って等速度にて移動させる(走査する)ことで、静電潜像担持面LS上に静電潜像を形成するように構成されている。
本発明の現像剤供給装置としてのトナー供給装置6は、静電潜像担持面LSと対向するように、感光体ドラム3の下方に配置されている。トナー供給装置6は、本発明の現像剤供給位置としての現像位置DPにて、トナーT(図2参照)を帯電した状態で感光体ドラム3(静電潜像担持面LS)に供給するように構成されている。ここで、現像位置DPとは、トナー供給装置6が静電潜像担持面LSと最近接しつつ対向する位置である。このトナー供給装置6の詳細な構成については後述する。
次に、レーザープリンタ1の各部の具体的な構成について、より詳細に説明する。
用紙搬送機構2は、一対のレジストローラ21と、転写ローラ22と、を備えている。
レジストローラ21は、用紙Pを所定のタイミングにて感光体ドラム3と転写ローラ22との間に向けて送り出すように構成されている。
転写ローラ22は、感光体ドラム3の外周面である静電潜像担持面LSと、転写位置TPにて、用紙Pを挟んで対向するように配置されている。また、転写ローラ22は、図中矢印で示されている方向に回転駆動されるようになっている。
転写ローラ22は、図示しないバイアス電源回路に接続されている。すなわち、転写ローラ22と感光体ドラム3との間で、静電潜像担持面LS上に付着したトナーT(図2参照)を用紙Pに転写させるための所定の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。
<<トナー供給装置>>
トナー供給装置6の側断面図(前記主走査方向を法線とする面による断面図)である図2を参照すると、トナー供給装置6のケーシングをなすトナーボックス61は、側断面視にて略U字状に形成された箱状部材であって、その長手方向が上下方向(図中y軸方向)と平行となるように配置されている。
トナーボックス61の内部には、粉末状の乾式現像剤としてのトナーTが収容されている。すなわち、トナーTは、トナーボックス61における底部の略半円筒状の部分の内側に形成された空間である、トナー貯留部61a内に貯留されている。なお、本実施形態においては、トナーTは、正帯電性、非磁性一成分の、黒色トナーである。トナーボックス61の頂部であって、感光体ドラム3と対向する位置には、開口部61bが形成されている。すなわち、開口部61bは、感光体ドラム3に向けて上方に開口するように設けられている。
本発明の現像剤担持部材としての現像ローラ62は、円柱面状の周面であるトナー担持面62aを有するローラ状の部材であって、感光体ドラム3と対向するように設けられている。すなわち、本発明の現像剤担持面としてのトナー担持面62aが現像位置DPにて感光体ドラム3における静電潜像担持面LSと所定間隔のギャップを介して対向するように、現像ローラ62が配置されている。
現像ローラ62は、トナーボックス61における、開口部61bが形成された上端部にて、回動可能に支持されている。本実施形態においては、現像ローラ62は、前記主走査方向と平行な回転中心軸がトナーボックス61の内側に位置することで、トナー担持面62aのほぼ上半分がトナーボックス61の外側の露出するように、トナーボックス61に収容されている。
トナーボックス61の内部には、側断面視にて上下方向に長手方向を有する略長円状に形成されたトナー搬送経路TTPに沿って、搬送基板63が設けられている。搬送基板63は、トナーボックス61の内壁面に固定されている。搬送基板63は、そのトナー搬送経路TTPに沿った表面であるトナー搬送面TTS上にてトナーTを進行波電界により搬送するように構成されている。本実施形態においては、搬送基板63は、底部搬送基板63aと、垂直搬送基板63bと、回収基板63cと、を備えている。なお、搬送基板63(底部搬送基板63a、垂直搬送基板63b、及び回収基板63c)の内部構成の詳細については後述する。
底部搬送基板63aは、トナー貯留部61aの底面を構成するように、トナーボックス61の内側の空間における底部にて、トナーボックス61の内壁面に固定されている。底部搬送基板63aは、側断面視にて半円筒形状に屈曲され上方に開口する凹状の曲板状部材であって、トナー貯留部61a内のトナーTを垂直搬送基板63bの下端部に向けて円滑に搬送するように、平板状の垂直搬送基板63bの下端部と滑らかに接続されている。
垂直搬送基板63bは、トナーボックス61の内壁面に固定されている。この垂直搬送基板63bは、底部搬送基板63aと接続された下端部からトナーTを垂直上方に搬送するように立設されている。垂直搬送基板63bの上端部は、現像ローラ62の中心とほぼ同じ高さに(当該中心よりも若干上方まで)設けられている。この上端部は、現像ローラ62における円柱面状のトナー担持面62aと対向するように設けられている。この垂直搬送基板63bの上端部とトナー担持面62aとが最も近接しつつ対向するトナー担持位置TCPにて、両者の間には、所定間隔のギャップが設けられている。
本実施形態においては、底部搬送基板63a及び垂直搬送基板63bは、側断面視にて反転J字状(J字を鏡に映した状態)に継ぎ目なく一体に形成されている。そして、垂直搬送基板63bは、底部搬送基板63aから受け渡されたトナーTを、現像位置DPよりもトナー担持面62aの移動方向における上流側のトナー担持位置TCPに向けて、トナー搬送方向TTDに搬送するように構成されている(トナー搬送方向TTDはトナー搬送経路TTPの接線方向である)。
回収基板63cは、垂直搬送基板63bの上端部と現像ローラ62を挟んだ反対側にて、現像ローラ62と対向するように設けられている。すなわち、回収基板63cは、トナーボックス61の開口部61bよりもトナー搬送方向TTDにおける下流側に配置されている。本実施形態においては、回収基板63cのトナー搬送方向TTDにおける終端部は、現像ローラ62の下端に対応する位置に設けられている。回収基板63cは、現像位置DPにて消費されなかったトナーTを現像ローラ62から回収するとともに、この回収されたトナーTを下方のトナー貯留部61aに向けて搬送するように構成されている。具体的には、本実施形態においては、回収基板63cは、平板状に形成されている。そして、回収基板63cは、現像ローラ62と所定間隔(現像位置DPにおける感光体ドラム3と現像ローラ62とのギャップの間隔よりも狭い間隔)のギャップを隔てて対向しつつ、トナーTを垂直下方に搬送するように設けられている。
対向部材64は、トナー担持面62aの移動方向におけるトナー担持位置TCPと現像位置DPとの間の位置にて、トナー担持面62aと対向するように配置されている。この対向部材64は、トナー担持面62a上に担持されたトナーTをトナー担持面62aとの間の交番電界の作用により帯電させるように構成されている。本実施形態においては、対向部材64は、前記主走査方向と平行な中心軸を有するローラ状の部材であって、当該中心軸を中心として回転駆動されるようになっている。対向部材64(のトナー担持面62aと対向する表面である対向ローラ表面64a)とトナー担持面62aとの間には、所定間隔のギャップが設けられている。
また、トナー供給装置6には、クリーニング部65が備えられている。このクリーニング部65は、対向部材64の円筒面状の周面である対向ローラ表面64aに付着したトナーTを当該対向ローラ表面64aから除去することで、当該対向ローラ表面64aをクリーニングするように構成されている。
図3は、図2に示されているクリーニング部65の概略構成の一具体例を示す拡大断面図である。図3を参照すると、クリーニング部65は、クリーニングケース65aと、クリーニングブレード65bと、を備えている。
クリーニングケース65aは、絶縁性の合成樹脂製の箱状部材であって、対向部材64と対向するように配置されている。クリーニングケース65aの、対向部材64と対向する位置には、開口部が設けられている。この開口部は、対向ローラ表面64aの一部をクリーニングケース65a内に収容するように、対向部材64の主走査方向(用紙幅方向)に沿った幅の全体にわたって設けられている。すなわち、クリーニングケース65aは、対向部材64の一部を主走査方向(用紙幅方向)における全体にわたって収容するようになっている。
本発明の剥離部材としてのクリーニングブレード65bは、クリーニングケース65a内に収容されている。このクリーニングブレード65bは、対向ローラ表面64aの、クリーニングケース65a内に収容された部分と当接(摺動)することで、当該部分からトナーTを除去(剥離)するように設けられている。具体的には、クリーニングブレード65bの基端部は、クリーニングケース65aに支持されている。そして、クリーニングブレード65bは、先端部が、上述の基端部から、画像形成動作の終了後のクリーニング動作時における対向部材64の回転駆動による対向ローラ表面64aの移動方向とは反対の方向に突出することで、当該対向ローラ表面64aといわゆる「カウンター当接」するように配置されている。
再び図2を参照すると、搬送基板63における底部搬送基板63a及び垂直搬送基板63bは、搬送電源回路66と電気的に接続されている。回収基板63cは、回収電源回路67と電気的に接続されている。現像ローラ62は、現像バイアス電源回路68と電気的に接続されている。
搬送電源回路66、回収電源回路67、及び現像バイアス電源回路68は、トナーTをトナー搬送経路TTPに沿ってトナー搬送方向TTDに循環させる(トナー貯留部61a内のトナーTを現像ローラ62に一旦担持させつつ現像位置DPまで供給するとともに、現像位置DPにて消費されなかったトナーTを現像ローラ62から回収して下方のトナー貯留部61aに還流させる)ために必要な電圧を出力するようになっている。
すなわち、搬送電源回路66及び回収電源回路67は、トナー搬送面TTS上にてトナーTをトナー搬送方向TTDに搬送するための進行波電界を形成するように、後述するような多相交流電圧成分を含む搬送バイアス電圧を出力するようになっている。また、現像バイアス電源回路68は、トナー担持位置TCPにてトナーTをトナー担持面62a上に担持させ、静電潜像担持面LS上に形成された電位分布による静電潜像に対応してトナーTを現像位置DPにてトナー担持面62a上から静電潜像担持面LS上に移行させ、現像位置DPを経てトナー担持面62a上に残留したトナーTを回収基板63c側に移行させるために必要な電圧(典型的には直流電圧成分と交流電圧成分とが重畳された現像バイアス電圧)を出力するようになっている。
対向部材64は、帯電バイアス電源回路69と電気的に接続されている。帯電バイアス電源回路69は、現像ローラ62(トナー担持面62a)と対向部材64(対向ローラ表面64a)とが対向する位置にて交番電界を発生させることで、トナー担持面62a上に担持されたトナーTを当該交番電界の作用により帯電させるようになっている。すなわち、帯電バイアス電源回路69は、上述の現像バイアス電源回路68による交流電圧成分によって現像ローラ62と対向部材64との間に交番電界を形成すべく、直流電圧成分のみを含む帯電バイアス電圧を出力するようになっている。すなわち、実質的に現像ローラ62と対向部材64との間に交流電圧が印加されるように、現像バイアス電源回路68及び帯電バイアス電源回路69が構成されている。
具体的には、本実施形態においては、搬送電源回路66は、+800Vの直流電圧成分と振幅300V、周波数300Hzの多相交流電圧成分とが重畳された搬送バイアス電圧(+500〜+1100V)を出力するようになっている。回収電源回路67は、+100Vの直流電圧成分と振幅300V、周波数300Hzの多相交流電圧成分とが重畳された回収バイアス電圧(−200〜+400V)を出力するようになっている。現像バイアス電源回路68は、+500Vの直流電圧成分と振幅1000V、周波数1kHzの多相交流電圧成分とが重畳された搬送バイアス電圧(−500〜1500V)を出力するようになっている。帯電バイアス電源回路69は、+600Vの直流電圧成分のみを含む帯電バイアス電圧を出力するようになっている。
<<<搬送基板の内部構成>>>
図4を参照すると、搬送基板63は、薄板状の部材であって、フレキシブルプリント配線基板と同様の構成を有している。具体的には、搬送基板63は、搬送電極631と、搬送電極支持フィルム632と、搬送電極コーティング層633と、搬送電極オーバーコーティング層634と、から構成されている。
搬送電極631(なお、底部搬送基板63aにおける搬送電極631を底部搬送電極631a、垂直搬送基板63bにおける搬送電極631を垂直搬送電極631b、回収基板63cにおける搬送電極631を回収電極631cと称する。)は、前記主走査方向と平行な長手方向を有する線状の配線パターンであって、例えば、銅箔によって形成されている。複数の搬送電極631は、トナー搬送経路TTPに沿って配列されていて、互いに平行に配置されている。
トナー搬送経路TTPに沿って多数配列された各搬送電極631は、3本置きに同一の電源回路に接続されている。すなわち、電源回路VAに接続された搬送電極631,電源回路VBに接続された搬送電極631,電源回路VCに接続された搬送電極631,電源回路VDに接続された搬送電極631,電源回路VAに接続された搬送電極631,電源回路VBに接続された搬送電極631,電源回路VCに接続された搬送電極631・・・が、トナー搬送経路TTPに沿って順に配列されている(なお、これらの電源回路VAないしVDは、図2における搬送電源回路66等の構成要素である。)。
ここで、図5は、図4に示されている各電源回路VAないしVDの出力波形の一例を示すグラフである。本実施形態においては、図5に示されているように、各電源回路VAないしVDは、ほぼ同一波形の交流電圧である駆動電圧を出力するように構成されている。また、各電源回路VAないしVDが発生する電圧の波形における位相が、90°ずつ異なるように、各電源回路VAないしVDが構成されている。すなわち、電源回路VAから電源回路VDに向かう順に、電圧の位相が90°ずつ遅れるようになっている。このように、搬送基板63は、各搬送電極631に対して上述のような駆動電圧(搬送バイアス電圧あるいは回収バイアス電圧)が印加されて、トナー搬送面TTSに沿った進行波状の電界が発生することで、正帯電したトナーTをトナー搬送方向TTDに搬送するように構成されている。
複数の搬送電極631は、搬送電極支持フィルム632の表面上に形成されている。搬送電極支持フィルム632は、可撓性のフィルムであって、ポリイミド樹脂等の絶縁性の合成樹脂から構成されている。搬送電極コーティング層633は、絶縁性の合成樹脂から構成されている。この搬送電極コーティング層633は、搬送電極支持フィルム632における搬送電極631が設けられている表面、及び搬送電極631を覆うように設けられている搬送電極コーティング層633の上には、搬送電極オーバーコーティング層634が設けられている。すなわち、上述の搬送電極コーティング層633は、搬送電極オーバーコーティング層634と搬送電極631との間に形成されている。搬送電極オーバーコーティング層634の表面(すなわちトナー搬送面TTS)は、トナーTがスムーズに搬送され得るように、凹凸の極めて少ない平滑な面として形成されている。
<レーザープリンタの動作説明>
次に、上述のように構成されたレーザープリンタ1による動作の概要を、実施形態の構成による作用・効果とともに、図面を適宜参照しつつ説明する。
<<給紙動作>>
まず図1を参照すると、図示しない前記給紙トレイ上に積載された用紙Pの先端が、レジストローラ21まで送られる。このレジストローラ21にて、用紙Pの斜行が補正されるとともに、搬送タイミングが調整される。その後、用紙Pは、転写位置TPまで給送される。
<<潜像形成面上へのトナー像の担持>>
上述のように用紙Pが転写位置TPに向けて搬送されている間に、感光体ドラム3の周面である静電潜像担持面LS上に、以下のようにしてトナーTによる像が担持される。
<<<静電潜像の形成>>>
感光体ドラム3の静電潜像担持面LSは、まず、帯電器4によって、正極性に一様に帯電される。帯電器4によって帯電された静電潜像担持面LSは、感光体ドラム3の図中矢印で示されている方向の回転により、スキャナーユニット5と対向する(正対する)位置であるスキャン位置SPまで、前記副走査方向に沿って移動する。
このスキャン位置SPにて、画像情報に基づいて変調されたレーザービームLBによって静電潜像担持面LSが露光される。すなわち、レーザービームLBが、前記主走査方向に沿って走査されつつ、静電潜像担持面LSに照射される。このレーザービームLBの変調状態に応じて、静電潜像担持面LS上の正電荷が消失する部分が生じる。これにより、静電潜像担持面LS上に、正電荷のパターン(画像状分布)による静電潜像が形成される。静電潜像担持面LSに形成された静電潜像は、感光体ドラム3の図中矢印で示されている方向の回転により、トナー供給装置6と対向する現像位置DPに向かって移動する。
<<<帯電トナーの搬送・供給>>>
図2及び図4を参照すると、トナーボックス61内に貯留されているトナーTは、底部搬送基板63aにおける搬送電極オーバーコーティング層634との接触や摩擦等により帯電する。底部搬送基板63aにおける搬送電極オーバーコーティング層634と接触あるいは近接している、帯電したトナーTは、底部搬送電極631aに対する多相交流電圧成分を含む上述の搬送バイアス電圧の印加によって発生する進行波状の電界により、トナー搬送方向TTDに搬送され、垂直搬送基板63bにスムーズに受け渡される。
垂直搬送基板63bは、その下端部にて底部搬送基板63aから受け渡されたトナーTを、垂直搬送電極631bに対する上述の搬送バイアス電圧の印加によって発生する進行波状の電界により、垂直上方のトナー搬送方向TTDに搬送する。ここで、底部搬送基板63aから垂直搬送基板63bに受け渡されたトナーTには、帯電状態が不良なもの(逆極性すなわち負極性に帯電したものや、低帯電あるいは無帯電のもの、等。)が混入している。
もっとも、本実施形態の構成においては、垂直搬送基板63bによってトナー担持位置TCPに向けて垂直上方に搬送されている際や、垂直搬送基板63bと現像ローラ62との間に形成された電界によって正帯電のトナーTがトナー担持位置TCPにて現像ローラ62に担持される際に、帯電状態が不良なトナーTは、重力や上述の電界の作用により、トナー搬送経路TTPから逸脱し、垂直搬送基板63bから下方に落下する。これにより、帯電状態が良好なトナーTのみが選択的に、トナー担持位置TCPまで搬送される。すなわち、垂直搬送基板63bにて、トナーTにおける、帯電状態が良好なものと不良なものとが、良好に選別される。トナー搬送経路TTPから逸脱して下方に落下してきたトナーTは、トナー貯留部61aに還流する。
上述のようにして、正帯電のトナーTが、垂直搬送基板63bによってトナー担持位置TCPまで搬送される。この間に、トナー搬送面TTSとの接触により、トナーTの帯電量が徐々に増加する。すなわち、本実施形態においては、搬送基板63のトナー搬送方向TTDにおける上流側の端部である底部搬送基板63a(特にトナー貯留部61aに貯留されているトナーTの「水面」近傍)と、垂直搬送基板63bの下端部からトナー担持位置TCPに至るまでの領域と、において、上述の搬送バイアス電圧の作用により、トナーTが帯電する。
垂直搬送基板63bによってトナー担持位置TCPまで搬送されたトナーTは、このトナー担持位置TCPにて、搬送バイアス電圧及び現像バイアス電圧の作用により、トナー担持面62a上に担持される。そして、現像ローラ62の回転駆動により、トナー担持面62aが現像位置DPまで移動することで、トナーTが現像位置DPに供給される。この現像位置DPの近傍にて、静電潜像担持面LSに形成された静電潜像が、現像バイアス電圧の作用により、トナーTによって現像される。すなわち、静電潜像担持面LS上であって、静電潜像における正電荷が消失した部分に、トナーTがトナー担持面62aから移行し付着する。これにより、トナーTによる画像(以下、「トナー像」と称する。)が、静電潜像担持面LS上に担持される。
現像位置DPを通過した(現像位置DPにて消費されなかった)トナー担持面62a上のトナーTは、上述の現像バイアス電圧及び回収バイアス電圧の作用で、回収基板63c側に移行する。すなわち、かかるトナーは、回収基板63cによってトナー担持面62aから回収される。
ところで、本発明の発明者は、従来のこの種の装置において、トナー担持面62aから静電潜像担持面LSへのトナーTの移行効率(現像効率すなわちトナーTの供給効率)が、あまり良好でないことを見出した。これは、トナー担持面62a上に対するトナーTの付着力が強すぎることが原因であると考えられる。
図6(A)に示されているように、通常の非磁性一成分現像装置(現像ローラ62に対して帯電したトナーTをスポンジローラやブレード等によって担持させる方式の装置)においては、トナーTは現像ローラ62とスポンジローラやブレードとの間で摩擦帯電させられるため、トナーTにおける帯電位置(図中グレーの塗りつぶし部分参照)は均一に散らばっているものと想定される。一方、図6(B)に示されているように、従来のこの種の装置においては、以下の理由により、トナーTにおける帯電位置が局所的に集中している(トナーTにおける特定の部分が集中的に帯電している)ものと想定される。したがって、図6(B)に示されている状態においては、図6(A)に示されている状態に比べ、静電気力によるトナーTの付着力が強力になっているものと考えられる(図中下向き矢印参照)。
図6(C)に示されているように、搬送基板63による電界搬送中に、トナーTは、ループ状の電気力線に沿ってホッピングしながら進行する(図中破線参照)。このとき、トナーTは、(最も)帯電した特定の位置を先頭として飛翔する。このため、かかる特定の位置が集中的にトナー搬送面TTSと衝突し、摩擦帯電する。よって、当該位置が、搬送基板63による電界搬送中に集中的にチャージアップしていく。
これに対し、本実施形態の構成においては、図6(B)に示されているような帯電状態となってトナー担持位置TCPの近傍にてトナー担持面62a上に一旦担持されたトナーTは、現像ローラ62と対向部材64とが対向する位置にて、図6(D)に示されているように、交番電界の作用により帯電させられる(なお、本例においては、対向部材64は、画像形成動作中すなわち上述の帯電作用の間、回転駆動が停止している。)。
かかる交番電界の作用による帯電によって、トナーTの帯電状態が、より均一化される。すなわち、図6(D)に示されているような帯電によって、現像ローラ62と対向部材64とが対向する位置を経たトナーTは、図6(A)に示されているような、帯電位置が均一に散らばった状態に近づく。これにより、トナー担持面62a上におけるトナーTの付着力が、従来(図6(B)参照)よりも緩和される。したがって、本実施形態の構成によれば、現像位置DPにおける現像効率が向上する。また、回収基板63cによる回収効率も向上する。
回収基板63c側に良好に移行したトナーTは、上述の回収バイアス電圧の作用で、垂直下方に搬送される。回収基板63cの下端部にて、トナーTには、重力と同方向の慣性が作用する。このため、回収基板63cの下端部よりも下方においては、トナーTは、重力と、この重力と同方向の慣性の作用で、トナー貯留部61aに落下する。よって、回収基板63cがトナー貯留部61aに達するまで設けられていなくても、トナーTがトナー貯留部61aに良好に還流する。
なお、対向部材64による、上述のようなトナーTの帯電作用の際に対向ローラ表面64aに付着したトナーTは、クリーニング部65によって、当該対向ローラ表面64aから除去される。具体的には、画像形成動作の終了後のクリーニング動作時に、対向部材64が回転駆動される。すると、対向ローラ表面64aとクリーニングブレード65bとが摺動する。これにより、対向ローラ表面64a上に付着していたトナーTは、対向ローラ表面64aから剥離され、クリーニングケース65a内に収容される。
<<潜像形成面から用紙へのトナー像の転写>>
図1を参照すると、上述のようにして感光体ドラム3の静電潜像担持面LS上に担持されたトナー像は、当該静電潜像担持面LSが図中矢印で示されている方向に回転することにより、転写位置TPに向けて搬送される。そして、この転写位置TPにて、トナー像が、静電潜像担持面LSから用紙P上に転写される。
<変形例の例示列挙>
なお、上述の実施形態は、出願人が取り敢えず本願の出願時点において最良であると考えた本発明の代表的な実施形態を、単に例示したものにすぎない。よって、本発明はもとより上述の実施形態に何ら限定されるものではない。したがって、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、上述の実施形態に対して種々の変形が施され得ることは、当然である。
以下、代表的な変形例について、幾つか例示する。以下の変形例の説明において、上述の実施形態にて説明されているものと同様の構成及び機能を有する部材に対しては、上述の実施形態と同様の符号が用いられ得るものとする。そして、かかる部材の説明については、技術的に矛盾しない範囲内において、上述の実施形態における説明が援用され得るものとする。
もっとも、言うまでもなく、変形例とて、以下に列挙されたものに限定されるものではない。また、複数の変形例が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、複合的に適用され得る。
本発明(特に、本発明の課題を解決するための手段を構成する各構成要素における、作用的・機能的に表現されているもの)は、上述の実施形態及び下記変形例の記載に基づいて限定解釈されてはならない。このような限定解釈は、(特に先願主義の下で出願を急ぐ)出願人の利益を不当に害する反面、模倣者を不当に利するものであって、発明の保護及び利用を目的とする特許法の目的に反し、許されない。
(1)本発明の適用対象は、単色のレーザープリンタに限定されない。例えば、本発明は、カラーのレーザープリンタや、単色及びカラーの複写機等の、いわゆる電子写真方式の画像形成装置に対して、好適に適用され得る。このとき、感光体の形状は、上述の実施形態のようなドラム状でなくてもよい。例えば、平板状や無端ベルト状等であってもよい。露光光源としては、レーザースキャナ以外のもの(LED、EL(エレクトロルミネッセンス)素子、蛍光体、等)が好適に用いられ得る。この場合、「主走査方向」は、発光素子(LED等)の配列方向と平行な方向となる。あるいは、本発明は、上述の電子写真方式以外の方式(例えば、感光体を用いないトナージェット方式、イオンフロー方式、マルチスタイラス電極方式、等)の画像形成装置に対しても、好適に適用され得る。
(2)図5を参照すると、各電源回路VA〜VDが発生する電圧の波形は、矩形波状以外にも、正弦波状や三角波状等の任意のものが用いられ得る。また、上述の実施形態においては、4つの電源回路VA〜VDが設けられるとともに、各電源回路VA〜VDが発生する電圧の位相が90°ずつ異なっていた。もっとも、本発明はこれに限定されず、例えば、3つの電源回路が備えられるとともに、各電源回路が発生する電圧の位相が120°ずつ異なるようになっていてもよい。
(3)上述の各種のバイアス電圧は、適宜変更され得る。具体的には、例えば、現像バイアス電圧(現像ローラ62への印加電圧)は、直流電圧成分(接地を含む)のみであってもよい(これに対応して他のバイアス電圧も適宜変更される)。
(4)感光体ドラム3と現像ローラ62とは、接触していてもよい。
(5)搬送基板63の構成や配置は、上述の実施形態のものに限定されない。例えば、搬送基板63と現像ローラ62とは、接触していてもよい。
搬送電極オーバーコーティング層634は、省略され得る。あるいは、搬送電極631が搬送電極支持フィルム632内に埋め込まれることで、搬送電極コーティング層633及び搬送電極オーバーコーティング層634の双方が省略され得る。
底部搬送基板63aの中央部は、平坦であってもよい。すなわち、底部搬送基板63aにおける曲面状の部分は、垂直搬送基板63bの下端部との接続部のみであってもよい。
底部搬送基板63aは、垂直搬送基板63bと別体に構成されていてもよい。この場合、底部搬送基板63aと垂直搬送基板63bとは、それぞれ別々の電源と接続されていてもよい。
垂直搬送基板63bは、実質的に上下方向に沿って立設していればよく、多少傾いていてもよい。回収基板63cも、多少傾いていてもよい。回収基板63cの下端部は、トナー貯留部61aに至るまで(すなわち底部搬送基板63aと接続するように)設けられていてもよい。
本発明は、上述の実施形態のような、底部搬送基板63a及び垂直搬送基板63bによるトナー担持位置TCPまでの搬送経路の全体によってトナーTを帯電させる構成に限定されない。すなわち、例えば、垂直搬送基板63bにおける搬送電極オーバーコーティング層634の材質を適宜選択することで、垂直搬送基板63bによる搬送中のトナーTのチャージアップが可及的に抑制される場合があり得る。この場合、トナーTの帯電は、主としてトナー搬送経路TTPにおける上流側の端部(すなわち底部搬送基板63a)にて行われることとなる。かかる場合であっても、現像ローラ62と対向部材64とが対向する位置にてトナーTが交番電界の作用により帯電させられることで、現像位置DPにおける無帯電あるいは低帯電のトナーTの割合が可及的に減少され得る。
(6)クリーニング部65の構成は、上述の実施形態にて開示されたものに限定されない。例えば、クリーニングブレード65bに代えて、ブラシローラ等が用いられ得る。
図7は、図2に示されているクリーニング部65の概略構成の他の具体例を示す拡大断面図である。図7に示されているように、本例におけるクリーニング部65は、クリーニング用基板65cを備えている。
クリーニング用基板65cは、対向ローラ表面64aの、クリーニングケース65a内に収容された部分と対向するように、クリーニングケース65a内に設けられている。このクリーニング用基板65cは、搬送基板63と同様の構成を備えている。すなわち、クリーニング用基板65cは、主走査方向と交差するクリーニング経路CPに沿って配列された複数のクリーニング電極65c1を備えている。
そして、クリーニング用基板65cは、複数のクリーニング電極65c1へのクリーニングバイアス電源回路691からの多相交流電圧成分を含むクリーニング用バイアス電圧の印加により、トナーTを、対向部材64と所定のギャップを隔てて最近接しつつ対向するクリーニング位置CPOの近傍にて対向ローラ表面64aから剥離しつつ、当該クリーニング位置CPOからクリーニングケース65aの底部に向けて、クリーニング経路CPに沿って搬送するようになっている。
この場合、帯電バイアス電源回路69は、画像形成動作停止中(搬送電源回路66の出力停止中)であるクリーニング動作時において、500Vの直流電圧成分と振幅1300V、周波数2kHzの多相交流電圧成分とが重畳されたバイアス電圧(−800〜1800V)を出力するようになっている。さらに、クリーニングバイアス電源回路691は、クリーニング動作時において、0Vの直流電圧成分と振幅300V、周波数300Hzの多相交流電圧成分とが重畳されたクリーニング用バイアス電圧(−300〜300V)を出力するようになっている。
(7)対向部材64の構成も、上述の実施形態にて開示されたものに限定されない。図8は、図2に示されているトナー供給装置6の一変形例の構成を示す側断面図である。図8に示されているように、対向部材64は、トナー担持面62aに倣って側断面視にて円弧状に曲げられた薄板状あるいは薄膜状の部材であってもよい。かかる構成においては、現像ローラ62と対向部材64との間でトナーTに交番電界が作用する領域の、トナー搬送経路TTPに沿った長さが大きくなる。これにより、トナーTの帯電状態が、よりいっそう均一化される。
この場合、図8に示されているように、対向部材64は、搬送基板63と一体化され得る。具体的には、対向部材64は、搬送基板63における搬送電極631(図4参照)と同様に形成され得る。あるいは、対向部材64と搬送基板63とを別体に構成することで、現像ローラ62と対向部材64との間のギャップの調整が簡易に行われ得る。
(8)また、感光ドラム3と対向部材64との間の距離は、現像ローラ62と対向部材64との間の距離よりも大きく、かつ、感光ドラム3と対向部材64との間の距離は、感光ドラム3と現像ローラ62との間の距離より大きくすることが望ましい。このように構成することで、対向部材64から感光ドラム3にトナーTが直接ジャンピングすることを防止することができる。
(9)その他、特段に言及されていない変形例についても、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、本発明の技術的範囲に含まれることは当然である。
また、本発明の課題を解決するための手段を構成する各要素における、作用・機能的に表現されている要素は、上述の実施形態や変形例にて開示されている具体的構造の他、当該作用・機能を実現可能ないかなる構造をも含む。さらに、本明細書にて引用した各公報の内容(明細書及び図面を含む)は、本明細書の一部を構成するものとして援用され得る。
1…レーザープリンタ 3…感光体ドラム(供給対象)
6…トナー供給装置(現像剤供給装置) 61…トナーボックス
62…現像ローラ(現像剤担持部材) 62a…トナー担持面(現像剤担持面)
63…搬送基板 63a…底部搬送基板
63b…垂直搬送基板 631…搬送電極
64…対向部材 64a…対向ローラ表面
65…クリーニング部 66…搬送電源回路
67…回収電源回路 68…現像バイアス電源回路
69…帯電バイアス電源回路 DP…現像位置(現像剤供給位置)
LS…静電潜像担持面 T…トナー
TCP…トナー担持位置 TTD…トナー搬送方向
TTP…トナー搬送経路 TTS…トナー搬送面
特開平3−12678号公報 特開2008−70803号公報 特開2004−279880号公報

Claims (5)

  1. 帯電した粉末状の現像剤を供給対象に対して供給するように構成された、現像剤供給装置において、
    主走査方向と平行な円柱面状の周面である現像剤担持面を有し、当該現像剤担持面が現像剤供給位置にて前記供給対象と対向するように設けられ、前記主走査方向と平行な軸を中心として回転することで前記現像剤担持面が前記主走査方向と直交する方向に移動するように構成された、現像剤担持部材と、
    前記主走査方向と交差する現像剤搬送経路に沿って配列された複数の搬送電極を備え、前記現像剤を、前記現像剤担持面と最近接しつつ対向する担持位置にて前記現像剤担持面上に担持させるように、複数の前記搬送電極への多相交流電圧成分を含むバイアス電圧の印加により前記現像剤搬送経路にて帯電させるとともに前記現像剤搬送経路に沿って前記担持位置まで搬送するように構成された、搬送基板と、
    前記現像剤担持面の移動方向における前記担持位置と前記現像剤供給位置との間の位置にて、当該現像剤担持面と対向するように配置されていて、当該現像剤担持面上に担持された前記現像剤を前記現像剤担持部材との間の交番電界の作用により帯電させるように構成された、対向部材と、
    を備えたことを特徴とする、現像剤供給装置。
  2. 請求項1に記載の、現像剤供給装置であって、
    前記対向部材は、前記主走査方向と平行な軸を中心として回転可能に構成されたことを特徴とする、現像剤供給装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の、現像剤供給装置において、
    前記対向部材に付着した前記現像剤を当該対向部材から除去するように構成されたクリーニング部をさらに備えたことを特徴とする、現像剤供給装置。
  4. 請求項3に記載の、現像剤供給装置であって、
    前記クリーニング部は、
    前記対向部材と当接することで、当該対向部材から前記現像剤を除去するように配置された、剥離部材
    を備えたことを特徴とする、現像剤供給装置。
  5. 請求項3に記載の、現像剤供給装置であって、
    前記クリーニング部は、前記対向部材と対向するように配置されたクリーニング用基板を備え、
    前記クリーニング用基板は、前記主走査方向と交差するクリーニング経路に沿って配列された複数のクリーニング電極を備えていて、これらのクリーニング電極への多相交流電圧成分を含むクリーニング用バイアス電圧の印加により、前記現像剤を、前記対向部材と対向するクリーニング位置の近傍にて前記対向部材から剥離しつつ前記クリーニング経路に沿って搬送するように構成されたことを特徴とする、現像剤供給装置。
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