JP2011118328A - ランダムパターンの作成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】均一性に優れるとともに、ランダム性にも優れるパターンを提供する。
【解決手段】複数のドットがランダムに配置された、または明度分布が配置された第1のパターンに対し、第1のパターンに含まれる空間周波数成分から、空間周波数が特定値未満である低空間周波数成分を少なくとも除去または低減するフィルタを適用して第2のパターンを作成する工程と、第2のパターンにディザリング法を適用することにより、離散化された情報に変換された第3のパターンを作成する工程とを備えるランダムパターンの作成方法である。モンテカルロ法により孤立したピクセルを移動させて第4のパターンを作成する工程を含んでもよい。
【選択図】図54

Description

本発明は、均一性に優れたランダムパターンの作成方法に関する。
現在、表示デバイス、特に広く用いられようになった液晶ディスプレイにおいては、光を散乱する手段が多く用いられている。たとえば、液晶ディスプレイの背面にある導光板を伝わる光を前面に散乱するための手段(導光板の背面側表面に形成される白色顔料によるドットパターン等)、液晶パネルの直下にある光源の光を均一に拡散させる手段(拡散板や光拡散フィルム等)、均一に光の方向をそろえて取り出すための手段(プリズムシートやレンチキュラーシート等)、表示デバイスの最表面にあって、周辺環境の鮮明な映りこみを抑制する防眩処理手段(防眩フィルム等)、および反射型表示装置に用いられる拡散反射板などである。このような手段は、一般的に、基材表面に凹凸を配置することによって実現される。
上記したような表示デバイスの構成部材への表面凹凸構造の付与は、当該表面凹凸構造パターンの元となるパターン(以下、基礎パターンともいう。)を作成し、この基礎パターンに基づいて基材表面に凹凸形状を加工することにより行なうことができる。この際、基礎パターンは、人に十分に均一であると認識されることが求められる。これは、光を散乱する構成部材の凹凸パターンに不均一な部分(いわゆるムラ)があると、それがそのまま表示のムラ、あるいは明るさの不均一性に繋がるためである。
また、基礎パターンは計算機で生成される場合が多いが、計算機で生成されたパターンは一般に有限のサイズを持つことから、このようなパターンの複数を繰り返し並べたものを基礎パターンとして凹凸構造が形成される場合、生成される有限のサイズを有するパターンの均一性が十分でないと、繰り返し模様が観察されるなど表示デバイスの品質に悪い影響を与えることになる。
基礎パターンは、均一性とともに、ランダムであることが要請される。ランダムであるとは、十分な距離だけ規則性が見出せないことを意味する。十分にランダムでない凹凸構造が表示デバイスに与える影響の一例はモアレと呼ばれる現象である。表示デバイスは、規則的に画素が配列した構造を有している。この画素の規則性とわずかに異なる規則性を有する構造を重ねると、モアレと呼ばれる明暗のムラが生じる。また、十分にランダムでない凹凸構造が数百μm程度の周期を有する場合には、虹色のパターンが見られるようになることが知られている。これは、規則的な構造により反射された光が干渉することによって起こる。コンパクトディスク(商標名)の盤面が虹色に見られる現象が、このような現象の代表的な例である。この現象も、表示品質に悪い影響を与える。
このように、表示デバイスの構成部材に凹凸構造を付与する場合、これに用いる基礎パターンは均一性とランダム性を兼ね備える必要がある。しかし、従来、密度の均一性とランダム性を両立させたパターンの生成は困難であった。上記のような光を散乱する構成部材の凹凸パターンは、ドットを分布させた基礎パターンに基づいて形成される方法が一般的である。しかし、ドットを均一な密度で配列させた場合、2次元におけるドットの最密充填構造である3角格子に近い規則的な配列に近づき、ランダム性が失われる。このような問題を解決するために、様々な方法が試みられている。
たとえば、特許文献1には、表面に凹凸形状を有する反射板において、凹部または凸部をらせん状に配置することによって凹凸パターンの均一性とランダム性を両立しようとする技術が開示されている。しかし、この方法では、有限サイズのパターンを繰り返し良好な接続性を維持して並べることが困難であるという問題がある。このことは、一定の周期で格子状の模様が観察されることを意味する。したがって、凹凸パターン間の接続性が十分でないパターンは、近年大面積化が進む表示デバイスへの適用では、直接目視されない場所に適用範囲が限られる。また、生じた模様を目立たなくするために粒子を分散させたシートを表示デバイスに設ける必要が生じる場合もある。
特許文献2には、拡散反射板の製造に用いられる遮光または光透過パターンからなるフォトマスクにおいて、均一性に優れた3角格子の規則性を崩すことによってランダム性が付与された遮光または光透過パターンを生成する技術が開示されている。しかし、この方法は、ランダム性を重視するとドットの粗密が発生するため密度の均一性が犠牲となり、ムラの発生に繋がり、逆に、規則性を重視すると十分にランダムなパターンが得られないという矛盾を抱えた手法であった。
特開2002−14211号公報 特開2005−215641号公報
本発明の目的は、均一性に優れるとともに、ランダム性にも優れるパターンを提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、画像や画像データ等からなる第1のパターンを作成した後、該第1のパターンに対し、空間周波数が特定値未満である低空間周波数成分を少なくとも除去または低減するフィルタを適用することにより第2のパターンを作成し、該第2のパターンにディザリング法を適用して、離散化された情報に変換された第3のパターンを作成する方法によれば、均一性に優れるとともに、ランダム性にも優れるパターンが実現されることを見出した。また、上記フィルタとして、第1のパターンに含まれる空間周波数成分のうち、特定の下限値B’より低い空間周波数からなる低空間周波数成分を除去または低減し、該下限値B’以上の空間周波数からなる空間周波数成分(以下、該下限値B’を空間周波数範囲下限値B’とも称する。)を抽出するハイパスフィルタ、または、第1のパターンに含まれる空間周波数成分のうち、特定の下限値Bより低い空間周波数からなる低空間周波数成分および特定の上限値Tを超える空間周波数からなる高空間周波数成分を除去または低減し、該下限値Bから該上限値Tに至る特定の範囲の空間周波数からなる空間周波数成分(以下、当該特定の範囲の下限値Bおよび上限値Tを、それぞれ空間周波数範囲下限値B、空間周波数範囲上限値Tとも称する。)を抽出するバンドパスフィルタを好適に用いることができることを見出した。本発明はかかる知見に基づき、さらに種々の検討を加えて完成されたものである。
本発明は、複数のドットがランダムに配置された、または明度分布が配置された第1のパターンに対し、第1のパターンに含まれる空間周波数成分から、空間周波数が特定値未満である低空間周波数成分を少なくとも除去または低減するフィルタを適用して第2のパターンを作成する工程と、第2のパターンにディザリング法を適用することにより、離散化された情報に変換された第3のパターンを作成する工程とを備えるランダムパターンの作成方法を提供する。
上記第3のパターンは、16段階、64段階、128段階など、各種段階数に離散化されたパターンであることができるが、本発明により作成されるランダムパターンが、レジストワークによる加工や印刷法による加工など、大量生産に適した加工手法に適用される場合、2段階に離散化された情報に変換されたパターンであることが好ましい。
本発明のランダムパターンの作成方法は、2段階に離散化された情報に変換された第3のパターンに対し、モンテカルロ法により孤立した黒、もしくは白ピクセルを移動させて第4のパターンを作成する工程をさらに備えることが好ましい。
ディザリング法としては、誤差拡散法を好ましく用いることができる。本発明の方法における1つの好ましい実施形態においては、3ピクセル以上、6ピクセル以下の範囲に変換誤差を拡散させる誤差拡散法を適用することにより、第3のパターンを作成する。
上記フィルタとしては、第1のパターンに含まれる空間周波数成分から、空間周波数が特定値未満である低空間周波数成分のみを除去または低減するハイパスフィルタを好ましく用いることができる。このハイパスフィルタは、第1のパターンに含まれる空間周波数成分から、空間周波数が0.01μm-1未満である低空間周波数成分のみを除去または低減するものであることが好ましい。
また、上記フィルタとして、第1のパターンに含まれる空間周波数成分から、空間周波数が特定値未満である低空間周波数成分を除去または低減するとともに、空間周波数が特定値を超える高空間周波数成分を除去または低減することにより、特定範囲の空間周波数成分を抽出するバンドパスフィルタを用いることも好ましい。
上記第2のパターンを作成する工程において、バンドパスフィルタの適用により抽出される上記特定範囲の空間周波数成分における空間周波数の下限値Bは、0.01μm-1以上であり、上限値Tは、1/(D×2)μm-1以下であることが好ましい。ここで、D(μm)は、第3もしくは第4のパターンに基づいて印刷を行なう印刷装置または第3もしくは第4のパターンに基づいて凹凸形状を加工する装置の分解能である。また、上記特定範囲の空間周波数成分における空間周波数の下限値Bの逆数である最長周期長1/Bおよび上限値Tの逆数である最短周期長1/Tによって下記式:
BandWidth(%)=100×(1/B−1/T)/(1/B+1/T)
で表されるBandWidthは、下記式:
15≦BandWidth(%)≦70
を満たすことが好ましい。
本発明によれば、均一性およびランダム性に優れたパターンを提供することができる。本発明の方法により得られるランダムパターンは、たとえば、防眩フィルム、拡散板、光拡散シート、導光板などの表示デバイス用構成部材に凹凸パターンを付与するための基礎パターンとして、または印刷パターンを付与するための基礎パターンとして好適に用いることができ、これにより、均一性およびランダム性に優れる凹凸パターンまたは印刷パターンを形成することが可能となる。
本発明のランダムパターンの作成方法に用いられ得る、ドットを多数ランダムに配置して作成した第1のパターンの好ましい一例を示す拡大図である。 本発明のランダムパターンの作成方法に用いられ得る、乱数により濃淡を決定したラスタイメージからなる第1のパターンの好ましい一例を示す図である。 図2に示される第1のパターンの一部を拡大して示す図である。 ドットを多数ランダムに配置して作成した第1のパターン(ランダムドットパターン)より得られる二次元配列を高速フーリエ変換(FFT)により空間周波数領域に変換して得られる空間周波数分布の一例と、乱数により濃淡を決定したラスタイメージ(乱数ラスタイメージ)からなる第1のパターンより得られる二次元配列をFFTにより空間周波数領域に変換して得られる空間周波数分布の一例とを比較する図である。 図1に示される第1のパターンより得られる二次元配列をFFTにより空間周波数領域に変換して得られた二次元的な空間周波数分布を示す図である。 図4の点線で示される空間周波数分布に対し、振幅の補正を行なった結果の一例を示す図である。 ハイパスフィルタの適用によって抽出される空間周波数帯域(透過帯域)における透過帯域の形状の一例を示す図である。 ハイパスフィルタの適用によって抽出される空間周波数帯域(透過帯域)における透過帯域ピークの形状の他の一例を示す図である。 ハイパスフィルタの適用によって抽出される空間周波数帯域(透過帯域)における透過帯域ピークの形状の他の一例を示す図である。 バンドパスフィルタの適用によって抽出される空間周波数帯域(透過帯域)における透過帯域ピークの形状の一例を示す図である。 バンドパスフィルタの適用によって抽出される空間周波数帯域(透過帯域)における透過帯域ピークの形状の他の一例を示す図である。 バンドパスフィルタの適用によって抽出される空間周波数帯域(透過帯域)における透過帯域ピークの形状の他の一例を示す図である。 バンドパスフィルタの適用によって抽出される空間周波数帯域(透過帯域)における透過帯域ピークの形状の他の一例を示す図である。 バンドパスフィルタの適用によって抽出される空間周波数帯域(透過帯域)における透過帯域ピークの形状の他の一例を示す図である。 図5に示される空間周波数分布を有する第1のパターンに対して、バンドパスフィルタを適用した後の二次元的な空間周波数分布の一例を示す図である。 BandWidthの値と自己相関係数最大値との関係を示す図である。 BandWidthの値と、誤差拡散法による二値化後の孤立ドットの発生個数との関係を示す図である。 図1に示される第1のパターンにバンドパスフィルタを適用して作成された第2のパターンの一例を示す拡大図である。 一般に知られる誤差拡散マトリクスにおける変換誤差の拡散の重み付けを説明するための図である。 Floyd & Steinbergのマトリクスに従う誤差拡散法の適用により得られる第3のパターンの一例を一部拡大して示す図である。 Jarvis,Judis and Ninkのマトリクスに従う誤差拡散法の適用により得られる第3のパターンの一例を一部拡大して示す図である。 Stuckiのマトリクスに従う誤差拡散法の適用により得られる第3のパターンの一例を一部拡大して示す図である。 Sierra 3 Lineのマトリクスに従う誤差拡散法の適用により得られる第3のパターンの一例を一部拡大して示す図である。 Sierra 2 Lineのマトリクスに従う誤差拡散法の適用により得られる第3のパターンの一例を一部拡大して示す図である。 Sierra Filter Liteのマトリクスに従う誤差拡散法の適用により得られる第3のパターンの一例を一部拡大して示す図である。 Burksのマトリクスに従う誤差拡散法の適用により得られる第3のパターンの一例を一部拡大して示す図である。 Stevenson & Archeのマトリクスに従う誤差拡散法の適用により得られる第3のパターンの一例を一部拡大して示す図である。 図20〜27に示される第3のパターンの作成に用いた第2のパターンを一部拡大して示す図である。 図20〜27に示される、各種マトリクスに従う誤差拡散法により二値化された第3のパターンの空間周波数分布と、閾値法により二値化されたパターンの空間周波数分布とを比較する図である。 一般に知られている誤差拡散マトリクスに従う誤差拡散法の適用により第3のパターンを作成したときに発生する孤立ドットの発生個数を、閾値法により作成した場合と比較する図である。 拡散距離が1である誤差拡散マトリクスの一例を示す図である。 拡散距離が2である誤差拡散マトリクスの一例を示す図である。 拡散距離が3である誤差拡散マトリクスの一例を示す図である。 拡散距離が4である誤差拡散マトリクスの一例を示す図である。 拡散距離が5である誤差拡散マトリクスの一例を示す図である。 拡散距離が6である誤差拡散マトリクスの一例を示す図である。 拡散距離が3+4である誤差拡散マトリクスの一例を示す図である。 拡散距離が4+5である誤差拡散マトリクスの一例を示す図である。 拡散距離が3+4+5である誤差拡散マトリクスの一例を示す図である。 図31に示されるマトリクスに従う誤差拡散法の適用により得られる第3のパターンの一例を一部拡大して示す図である。 図32に示されるマトリクスに従う誤差拡散法の適用により得られる第3のパターンの一例を一部拡大して示す図である。 図33に示されるマトリクスに従う誤差拡散法の適用により得られる第3のパターンの一例を一部拡大して示す図である。 図34に示されるマトリクスに従う誤差拡散法の適用により得られる第3のパターンの一例を一部拡大して示す図である。 図35に示されるマトリクスに従う誤差拡散法の適用により得られる第3のパターンの一例を一部拡大して示す図である。 図36に示されるマトリクスに従う誤差拡散法の適用により得られる第3のパターンの一例を一部拡大して示す図である。 図37に示されるマトリクスに従う誤差拡散法の適用により得られる第3のパターンの一例を一部拡大して示す図である。 図38に示されるマトリクスに従う誤差拡散法の適用により得られる第3のパターンの一例を一部拡大して示す図である。 図39に示されるマトリクスに従う誤差拡散法の適用により得られる第3のパターンの一例を一部拡大して示す図である。 図31〜39に示される誤差拡散マトリクスに従う誤差拡散法の適用により第3のパターンを作成したときに発生する孤立ドットの発生個数を、閾値法により作成した場合と比較する図である。 図31〜39に示される誤差拡散マトリクスに従う誤差拡散法により二値化された図40〜48の第3のパターンの空間周波数分布と、閾値法により二値化されたパターンの空間周波数分布とを比較する図である。 モンテカルロ法による孤立ドットの処理方法の例を示す図である。 モンテカルロ法適用回数による第4のパターンの変化を示す図である。 モンテカルロ法適用回数と孤立ドットの発生個数との関係を示す図である。 実施例1で作成したランダムパターン(第4のパターン)を一部拡大して示す図である。 比較例1で作成したパターンを一部拡大して示す図である。 図54に示されるランダムパターンの空間周波数分布と、図55に示されるパターンの空間周波数分布とを比較する図である。 比較例2で作成したパターンを一部拡大して示す図である。 図54に示されるランダムパターンの空間周波数分布と、図57に示されるパターンの空間周波数分布とを比較する図である。 実施例2で作成したランダムパターン(第4のパターン)を一部拡大して示す図である。 実施例2で作成したランダムパターンの空間周波数分布を示す図である。 実施例3で作成したランダムパターン(第4のパターン)を一部拡大して示す図である。 実施例3で作成したランダムパターンの空間周波数分布を示す図である。 実施例4で作成したランダムパターン(第4のパターン)を一部拡大して示す図である。 比較例2で作成したパターンを一部拡大して示す図である。 図63に示されるパターンの空間周波数分布と、図64に示されるパターンの空間周波数分布とを比較する図である。 パターン1の作成に用いた第1のパターンAを一部拡大して示す図である。 パターン1を一部拡大して示す図である。 パターン2を一部拡大して示す図である。 パターン3を一部拡大して示す図である。 パターン4の作成に用いた第1のパターンBを一部拡大して示す図である。 パターン4を一部拡大して示す図である。 パターン5を一部拡大して示す図である。 パターン6を一部拡大して示す図である。 パターン7の作成に用いた第1のパターンCを一部拡大して示す図である。 パターン7を一部拡大して示す図である。 パターン8を一部拡大して示す図である。 パターン9を一部拡大して示す図である。 パターン10の作成に用いた第1のパターンDを一部拡大して示す図である。 パターン10を一部拡大して示す図である。 パターン11を一部拡大して示す図である。 パターン12を一部拡大して示す図である。 パターン13の作成に用いた第1のパターンEを一部拡大して示す図である。 パターン13を一部拡大して示す図である。 パターン14を一部拡大して示す図である。 パターン15を一部拡大して示す図である。 第1のパターンA〜Eの空間周波数分布を示す図である。 パターン1〜3の空間周波数分布を示す図である。 パターン4〜6の空間周波数分布を示す図である。 パターン7〜9の空間周波数分布を示す図である。 パターン10〜12の空間周波数分布を示す図である。 パターン13〜15の空間周波数分布を示す図である。 パターンの作製方法の違いによる低空間周波数成分の低減の程度をまとめた図である。 パターンの作製方法と孤立ドット発生個数との関係を示す図である。 明度分布をランダムに配置した第1のパターンを一部拡大して示す図である。 図94に示される第1のパターンに対し、ハイパスフィルタの適用および閾値法による二値化を行なって得られたパターンを一部拡大して示す図である。 図94に示される第1のパターンに対し、ハイパスフィルタの適用および誤差拡散法による二値化を行なって得られたパターンを一部拡大して示す図である。 図94に示される第1のパターンに対し、ハイパスフィルタの適用、誤差拡散法による二値化およびモンテカルロ法の適用を行なって得られたパターンを一部拡大して示す図である。 図95〜97に示されるパターンの孤立ドット発生個数を示す図である。 図94〜97に示されるパターンの空間周波数分布を比較する図である。
<ランダムパターンの作成方法>
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。本発明のランダムパターンの作成方法は、たとえばドットを多数ランダムに配置したパターンや明度分布を配置したパターンなどからなる第1のパターンを作成した後、第1のパターンに、第1のパターンに含まれる空間周波数成分から空間周波数が特定値未満である低空間周波数成分を少なくとも除去または低減する、ハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタ等のフィルタを適用して第2のパターンを作成し、得られた第2のパターンをディザリング法によって離散化された情報に変換して第3のパターンを作成することを特徴とする。また、後述するように、第3のパターンに含まれる孤立ドットをモンテカルロ法によって処理することにより、第4のパターンとしてもよい。
空間周波数が特定値未満である低空間周波数成分を少なくとも除去または低減するフィルタおよびディザリング法を適用した本発明の方法によれば、均一性とランダム性が両立されたパターンを得ることができ、したがって、このパターンを基礎パターンとして用いることにより、均一性およびランダム性に優れる凹凸パターンまたは印刷パターンを形成することが可能となる。ここで、本発明において、パターンが「均一である(均一性を有する)」とは、必ずしも空間的に完全に均一な状態を意味するものではなく、パターニングが施されているにも関わらず、人が均一性を有すると認識する状態を意味する。人の目は、ある程度細かい変化を一つ一つ認識することがないという特性を有しており、したがって、一定以上の細かさで変化するパターンは、人の目には均一なパターンとして認識される。これは、パターンが有する空間周波数成分のうち、低空間周波数成分が少ないことを意味する。したがって、「均一である(均一性を有する)パターン」とは、低空間周波数成分が少ないパターンと言い換えることができる。本発明において、上記のようなパターンの「均一性」は、空間周波数が特定値未満である低空間周波数成分を少なくとも除去または低減するフィルタの適用によって実現される。
本発明によれば、上記のような低空間周波数成分が少ないパターンを得ることができるため、当該パターンを基礎パターンとして加工した凹凸パターンと表示デバイスのカラーフィルタとの組み合わせによって生じる「ギラツキ」と呼ばれる表示の均一性が乱される現象を抑制することもできる。すなわち、本発明によれば、カラーフィルタの画素サイズに応じた低空間周波数成分が少ないパターンを作成することができ、したがって、カラーフィルタの画素サイズと同程度、あるいはこれよりやや大きなサイズ(周期)を有する凹凸形状が少ない凹凸パターンを形成することができるため、「ギラツキ」を効果的に抑制することが可能となる。
また、本発明において、パターンが「ランダムである(ランダム性を有する)」とは、一定の範囲について調べたとき、その付近に存在するパターンとの類似性が小さいことを意味する。このような類似性は、自己相関を解析することによって評価できる。自己相関とは、自己内部に存在する類似性の強さを数値化する手法である。
本発明の方法によれば、空間周波数が特定値未満である低空間周波数成分を少なくとも除去または低減するフィルタおよびディザリング法、さらには必要に応じてモンテカルロ法を適用した手法であるため、従来の方法では実現することが不可能な、低空間周波数成分が抑制されたランダムパターンを得ることができる。このような低空間周波数成分が抑制されたランダムパターンは、人の目によって認識されるムラの発生が高度に抑制されたものである。さらに、変化周期が高度に制御されたパターンが実現できることから、たとえばギラツキの発生が抑制された防眩フィルム等を作製するための基礎パターンとして極めて好適である。また、本発明の方法によれば、規則性の小さいランダムなパターンが得られることから、このパターンを基礎パターンとして凹凸加工を施した表示デバイス構成部材は、カラーフィルタの画素と組み合わされた場合においても、モアレ現象が生じにくい。さらに、空間周波数が特定値未満である低空間周波数成分を少なくとも除去または低減するフィルタとしてバンドパスフィルタを適用する場合には、凹凸加工や印刷加工が困難な高空間周波数成分が抑制されるため、凹凸パターンや印刷パターンの加工再現性を向上させることができる。
また、本発明の方法により得られるランダムパターンは、繰り返し並べて配置する際におけるパターン間の接続性が良好であり、表示デバイス構成部材への凹凸形状の付与などに適用される際に不利となる周期的な格子状の模様が生じにくい。
ここで、「第1〜第4のパターン」における「パターン」とは、画像、画像データ、離散化された情報の二次元配列、またはプレートに配置された開口の配列を意味する。
上記画像データは、ラスタ形式の画像データ(ラスタイメージ)であってもよいし、ベクトル形式の画像データ(ベクタイメージ)であってもよい。ラスタイメージとは、画像を色のついたドット(点)の羅列として表現したデータである。ラスタイメージでは、各ドットの色の情報は数値で保存されている。このようなラスタイメージを保存するフォーマットとしては各種存在するが、特に一般的なものとして、たとえばビットマップが挙げられる。ビットマップとしては、赤、緑、青の強さをそれぞれ8ビット深度で表した24ビットカラービットマップ、明度を8ビット深度256段階で表した8ビットグレースケールビットマップが特に広く用いられている。
ラスタイメージを保存するフォーマットとしては、ビットマップの他、圧縮アルゴリズム等が適用された画像データであるPNG(Portable Network Graphics)、TIFF(Tagged Image File Format)、JPEG、GIF(Graphics Interchange Format)など各種フォーマットを挙げることができる。
ベクタイメージにおいては、線の起終点の座標(位置)、曲線であればその曲がり方、太さ、色、それら線に囲まれた面の色などの情報が数値で保存される。これらの数値データの集合、あるいは、円の半径や中心座標、多角形の各頂点座標などを記録したものもベクタイメージに含まれる。
ベクタイメージを保存するフォーマットとしては、特に一般的なものとして、DXF(Drawing Interchange File)、SVG(Scalable Vector Graphics)が例示される。ただし、本発明においてベクタイメージは、上記定義に属するものであればよく、これらの例示された形式に限定されるものではない。また、ベクタイメージは二次元に限るものではなく、三次元の情報を有するものであってもよい。
また、ベクタイメージのうち、閉じた円や多角形の配列を有するものは、上記の「プレートに配置された開口の配列」に、容易に置き換えることが可能である。
本発明におけるパターンは、上記のように画像または画像データとして取り扱われるものに限らず、離散化された情報の二次元配列として与えられるものであってもよい。離散化された情報を保存する方法としては、浮動小数点(たとえば、64ビット浮動小数点)、整数(たとえば、符号付32ビット整数、符号なし16ビット整数)などの各種形式を挙げることができる。
(第1のパターンの作成)
第1のパターンとしては、上記で定義したパターンの中から任意のものを用いることができ、濃淡あるいは数値の変化を有する任意のパターンであってよい。より具体的には、たとえば、画像の全範囲にわたって複数のドットを配置した画像データ(黒地に白のドットを複数配置した、あるいは白地に黒のドットを複数配置した画像データなど);濃淡の変化を有するパターンなどの明度分布を有するパターン;離散化された情報の二次元配列などを挙げることができ、また、第1のパターンに対してハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタ等のフィルタを適用する際(この点については後述する)、光学的な手法でフーリエ変換を行なう場合には、開口が配置されたプレートであってもよい。さらに、パターンが形成された写真乾板(乾板)や透明基材に部分的にトナーを付着させたものも、第1のパターンとして用い得る。画像データにおけるドットの配置、明度分布およびプレートにおける開口の配置等は、規則的であってもランダム(不規則)であってもよいが、空間周波数領域において、広い範囲に振幅を有するとともに、規則性が低い(ランダム性の高い)パターンが得られることから、ランダムな配置とすることが好ましい。
第1のパターンを、作成する画像の全範囲にわたって多数のドットをランダムに描画することにより作成する場合、多数のドットをランダムに描画する手段としては、たとえば、幅WX、高さWYの画像に対し、0から1の値をとる擬似乱数列R[n]を生成させることにより、たとえばドット中心のx座標がWX×R[2×m−1]、y座標がWY×R[2×m]である多数のドットを生成する手法が挙げられる。ここで、n、mはともに自然数である。擬似乱数列を生成する方法としては、線形合同法、Knuthの乱数ジェネレータ減算アルゴリズム、Xorshiftあるいはメルセンヌツイスタなど、分布させるドット数に対応できる十分な周期長を有するものである限り、任意の擬似乱数生成法を用いることができる。あるいは、擬似乱数に限らず、熱雑音などにより乱数を生成するハードウェアにより、ランダムにドットが配列された第1のパターンを作成してもよい。
ドットの形状は、円形、楕円形などの丸状や多角形などであってよく、同一の形状を有する多数のドットを配置してもよいし、異なる2種以上の形状のドットを多数配置してもよい。また、ドットの大きさは、すべてのドットについて同じであってもよいし、異なっていてもよい。したがって、ドットが丸状である場合、1種類のドット径(ドットの直径)を持つ多数のドットをランダムに配置させることによって第1のパターンを作成してもよいし、複数種類のドット径を持つ多数のドットをランダムに配置させてもよい。
第1のパターンを構成するドットの平均ドット径(パターン中の全ドットのドット径の平均値)は特に限定されないが、バンドパスフィルタを用いる場合、通過帯域の範囲にドット径のピークを有し、当該通過帯域の範囲を下回る低空間周波数領域にピークを有さないように設定することが好ましいことから、通常4〜50μmであり、好ましくは16〜32μmである。平均ドット径が50μmを超える場合には、得られる第2のパターンに低空間周波数成分が多く含まれる傾向があり、第2のパターンに濃淡ムラが生じやすくなる。一方、第1のパターンを構成するドットの平均ドット径が小さすぎて、バンドパスフィルタを適用したときに、抽出される空間周波数成分の振幅が小さい場合、第1のパターンが有するランダム性が損なわれやすく、好ましい第2のパターンを得ることができない。平均ドット径は、バンドパスフィルタに与える空間周波数範囲上限値Tを用いて、0.5×(1/(2×T))よりも大きいことが好ましい。これにより、ドットの充填率が後述する好ましい範囲にある場合において、バンドパスフィルタによって抽出される空間周波数成分を十分に含み、かつ濃淡ムラが生じにくい第2のパターンが作成されやすい。
ハイパスフィルタを用いる場合も同様に、通過帯域の範囲にドット径のピークを有し、当該通過帯域の範囲を下回る低空間周波数領域にピークを有さないように設定することが好ましいことから、第1のパターンを構成するドットの平均ドット径は、通常4〜50μmであり、好ましくは6μm以上、より好ましくは8μm以上であり、また、好ましくは32μm以下、より好ましくは30μm以下、さらに好ましくは12μm以下である。平均ドット径が50μmを超える場合には、得られる第2のパターンに低空間周波数成分が多く含まれ、第2のパターンに濃淡ムラが生じやすくなる。
多数のドットを配置することにより第1のパターンを作成する場合におけるドットの充填率(画像全面積中のドットの占有面積)は、20〜80%であることが好ましく、20〜70%であることがより好ましく、30〜70%であることがさらに好ましく、30〜60%であることがよりさらに好ましく、40〜60%(たとえば、50%前後であってもよい)であることが特に好ましい。ドット数が極めて少なく、第1のパターンにおけるドットの充填率が20%に満たない場合、生成される第2のパターンに同心円状の特徴的なパターンからなるムラが生じ、好ましいランダムなパターンを得ることができない傾向にある。また、ドットの充填率が80%を超える場合においても同様に、閉じた円形のパターンからなるムラが多く見られるようになる傾向があり、ランダム性が損なわれる。
第1のパターンは、ベクトル形式の画像データとして作成してもよいし、ラスタ形式の画像データとして作成してもよい。ラスタ形式の場合、1ビット、2ビット、8ビットなど、任意のビット深さの画像形式で第1のパターンを作成することができる。ラスタ形式の画像データとして第1のパターンを作成する際には、パターンの詳細を描画できるように高い解像度で作成することが好ましい。好ましい解像度は、たとえば6400dpi以上であり、より好ましくは12800dpi以上である。
図1は、本発明のランダムパターンの作成方法に用いられ得る、ドットを多数ランダムに配置して作成した第1のパターンの好ましい一例を示す拡大図である。図1に示される第1のパターンは、8ビット階調のグレイスケール画像であり、黒色円形の領域がドット1である。本発明では、ドットの直径を「ドット径」、パターン中の全ドットのドット径の平均値を「平均ドット径」とする。図1に示される第1のパターンの平均ドット径は16μmである。また、画像解像度は12800dpiである。すなわち、1ピクセルのサイズは、縦横2μmに相当する。図1に示される第1のパターンにおいて、画像のサイズは、WX=0.512mm、WY=0.512mmであり、ドットの充填率は約50%である。また、ドットの中心座標を決定する擬似乱数は、広島大学のグループにより実装されたSIMD oriented Fast Mersenne Twisterプログラム、SFMT ver1.3.3に対し、主として数値607を与えることによって生成した。
また、第1のパターンとして、明度分布が配置されたパターン、たとえば、乱数により濃淡を決定したラスタイメージを用いることも好ましい。ラスタイメージの各ピクセル(画素)の濃度を乱数、あるいは計算機によって生成された擬似乱数によって決定することで、規則性が小さなパターンを得ることができる。
画素の濃度の決定方法について、0〜1の範囲の実数を出力する擬似乱数を用いる場合を例に挙げて説明する。画素の階調数は任意でよいが、取扱が容易な階調深度は、1ビット、8ビット、16ビット、24ビットなどであり、好ましくは8ビット(256階調:インデックス0〜255)である。たとえば8ビット階調の場合、8ビットの深度を有するPIXCEL[x,y]に対し、PIXCEL[x,y]=R[x+y×ImageWidth]×255を代入することによって画像を生成することができる。ここで、x、yは画像におけるピクセルの座標であり、ImageWidthはx座標の画像幅である。この例では、平均インデックスが127〜128のイメージが生成されるが、オフセットを付加することにより、平均値が異なるイメージを生成してもよい。
図2は、乱数により濃淡を決定したラスタイメージからなる第1のパターンの一例を示す図であり、図3は、その一部を拡大して示す図である。図2に示されるラスタイメージは、1画素1画素の明度を擬似乱数により決定することにより作成した8ビット階調の画像であり、具体的には、8ビットの深度を有する2次元配列PIXCEL[x,y]に対し、PIXCEL[x,y]=R[x+y×ImageWidth]×255を代入することによって作成した。ここで、x、yは画像におけるピクセルの座標であり、ImageWidthはx座標の画素幅である。配列R[]として、Microsoft Corporationによって開発された「.NET Framework2.0クラス ライブラリ」に含まれるRandomクラスNextDoubleメソッドにより生成される0.0と1.0の間の値をとるKnuthの乱数ジェネレータ減算アルゴリズムによる擬似乱数列を用いた。
また、第1のパターンは、上記のラスタイメージと同様にして生成された、離散化された情報の二次元配列であってもよい。この場合、配列の各要素の値を決定するために擬似乱数を用いる。
第1のパターンの形態は、たとえばハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタを適用するための手法や、本発明のランダムパターンを基礎パターンとして用いて凹凸形状を加工する装置または印刷を行なう印刷装置が求める入力の形式などにより適宜選定することができるが、なかでも、乱数により濃淡を決定したラスタイメージは、幅広い空間周波数範囲に振幅を有することから好ましく用いることができる。これは、ハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタ等のフィルタによって抽出される空間周波数範囲に関わらず、第1のパターンのランダム性を維持しやすいためである。
図4は、ドットを多数ランダムに配置して作成した第1のパターン(ランダムドットパターン)より得られる二次元配列をFFTにより空間周波数領域に変換して得られる空間周波数分布の一例と、乱数により濃淡を決定したラスタイメージ(乱数ラスタイメージ)からなる第1のパターンより得られる二次元配列をFFTにより空間周波数領域に変換して得られる空間周波数分布の一例とを比較する図であり、空間周波数0から0.30μm-1の領域における振幅の強度を示すものである。図4に示されるように、ランダムドットパターンは、乱数ラスタイメージと比較して、特に空間周波数0.00〜0.10μm-1の領域において、高い振幅強度を有している。なお、図4については、後で詳述する。
(第2のパターンの作成)
本発明のランダムパターンの作成方法において、第2のパターンは、第1のパターンに対し、第1のパターンに含まれる空間周波数成分から、空間周波数が特定値未満である低空間周波数成分を少なくとも除去または低減するフィルタを適用することにより作成される。本発明においては、当該フィルタとして、第1のパターンに含まれる空間周波数成分から、空間周波数が特定値未満である低空間周波数成分のみを除去または低減するハイパスフィルタ、または、第1のパターンに含まれる空間周波数成分から、空間周波数が特定値未満である低空間周波数成分を除去または低減するとともに、空間周波数が特定値を超える高空間周波数成分を除去または低減することにより、特定範囲の空間周波数成分を抽出するバンドパスフィルタを好ましく用いることができる。一般に、パターンは、その変化に応じた空間周波数成分を含んでいる。変化が激しい、もしくは配置が密にされているパターンは、空間周波数が高い成分を多く含んでおり、変化が緩やか、もしくは配置が疎なパターンは、空間周波数が高い成分は少ない。ハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタの適用により、第1のパターンに含まれる空間周波数成分から特定範囲の空間周波数成分、すなわち、長周期成分である低空間周波数成分を除去または低減することができる。ハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタの適用により、第2のパターン、第3のパターンまたは第4のパターンにおける低空間周波数成分を低減させることができる。第1のパターンへのハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタの適用による第2のパターンの作成は、具体的には、以下の(1)〜(3)の一連の操作によって実施することができる。
(1)空間周波数領域への変換
まず、第1のパターンに含まれる空間周波数成分から特定の空間周波数成分を抽出(すなわち、特定の空間周波数成分を除去または低減)できるようにするために、第1のパターンがラスタイメージであるときには、第1のパターンを、必要に応じて、各ピクセルの明度に応じた値が代入された浮動小数点型の二次元配列g[x,y]に変換する。ここで、x、yはラスタイメージ内の直交座標上の位置を示す。このようにして得られた二次元配列g[x,y]に対し、第1のパターンにおける様々な空間周波数成分の大きさを得るための手段を適用することにより、第1のパターンに含まれる空間周波数成分と各空間周波数における振幅とを示す空間周波数分布が得られる。空間周波数成分の大きさを得るための手段としては、光学的な手法、数学的な手法などがあり、特に計算機を用いて数学的に求める方法が広く一般的に用いられている。空間周波数成分の大きさを得る数学的な方法を、一般にフーリエ変換と呼ぶ。フーリエ変換は、計算機を用いた離散フーリエ変換(以下、DFT)によって行なうことができる。したがって、空間周波数領域への変換は、第1のパターンから得られる二次元配列に対し、たとえば、計算機を用い、二次元のDFTを適用することによって行なうことができる。
DFTアルゴリズムとしては、一般的に知られているアルゴリズムを使用することができるが、特にCooley−Tukey型アルゴリズムは計算速度に優れることから好適に用いることができる。Cooley−Tukey型アルゴリズムによるDFTは、高速フーリエ変換(以下、FFT)とも呼称される。
第1のパターンがラスタ形式で作成されている場合、当該ラスタ形式の画像データは、上記DFTアルゴリズムを用いることにより、容易に計算機上で空間周波数領域に変換することができる。第1のパターンがベクトル形式で作成されており、かつ上記DFTアルゴリズムを用いて空間周波数領域に変換する場合には、ベクトル形式の画像データをラスタ形式に変換し、ラスタ形式に変換された画像データを計算機上で二次元配列g[x,y]に変換する。ここで、x、yはラスタイメージ内の直交座標上の位置を示す。一般的な、たとえば8ビット階調をもつグレイスケール画像として第1のパターンを作成した場合、白の領域には255が、黒の領域には0が割り当てられる。これらの値を用いてDFTにより、画像データを計算機上で空間周波数領域の二次元配列G[fx,fy]に変換する。ここで、fx、fyはそれぞれ、x方向の空間周波数、y方向の空間周波数を示す。なお、第1のパターンが離散化された情報の二次元配列として与えられる場合、これにDFTを適用することによって計算機上で空間周波数領域の二次元配列G[fx,fy]に変換することが可能であることは言うまでもない。
DFTを用いる場合、離散化された情報の二次元配列である第1のパターン、もしくは二次元配列に変換された第1のパターンの各配列要素から二次元配列の全要素平均値PAを減じる処理を行なってもよい。たとえば0から255の値を持つ8ビット階調のグレイスケール画像として作成された第1のパターンを二次元配列に変換した後、各配列要素から二次元配列の全要素平均値PAを減じる処理を行なうことができる。たとえば、0から255の値を持つ8ビット階調のグレイスケール画像を二次元配列に変換すると、空間周波数0において振幅を有する空間周波数スペクトルが得られることがある。これは、二次元配列を構成する全ての要素が正に偏っていることに起因する。このような場合、空間周波数0において振幅が0となるよう、各配列要素から二次元配列の全要素平均値PAを減じる処理を行なってもよい。
図5は、図1に示される第1のパターンより得られる二次元配列をFFTにより空間周波数領域に変換して得られた二次元的な空間周波数分布を示す図である。図5において、横軸および縦軸はともに、空間周波数を示している。両軸が交差する点は、空間周波数0の点であり、当該交差点(ゼロ点)から離れるに従い、空間周波数は大きくなる。また、各空間周波数における振幅の強度を色の濃さで示しており、色が濃いほど振幅が大きいことを意味する。
二次元データである画像をFFTにより空間周波数領域に変換して得られるのは、上述のように、図5のような2次元の情報である。ただし、2次元の表示は見通しが良好でないことから、以下、空間周波数分布を示す場合には、空間周波数を横軸とし、各空間周波数における振幅強度の平均値を縦軸とした一次元の空間周波数分布を示すこととする。図5に示される2次元の空間周波数分布を一次元の空間周波数分布で示したものが、上述した図4における点線のグラフである。すなわち、図4における点線のグラフは、図1に示される第1のパターンより得られる二次元配列をFFTにより空間周波数領域に変換して得られる(FFTにより空間周波数に分解した結果得られる)、一次元の空間周波数分布を示す図である。図4において、横軸は空間周波数を示し、縦軸は各空間周波数に属する要素の振幅強度の平均値を示している。ここで、振幅強度とは、二次元配列の各要素の絶対値|G[fx,fy]|を意味する。また、平均値は、FFTにより得られる最高空間周波数をfmaxとすると、空間周波数0〜fmaxの範囲を128分割し、それぞれの分割された空間周波数範囲に属する二次元配列の要素を平均することにより求められる。要素が属する空間周波数範囲は、fxおよびfyから計算される値faにより判定することができる。fmaxおよびfaの計算式である式(A)および式(B)を下記に示す。
fmax = (fxmax2+fymax21/2 (A)
a = (fx 2+fy 21/2 (B)
なお、fxmaxはfxの最大値、fymaxはfyの最大値を意味する。
図4の点線で示されるグラフのように、十分にランダムな擬似乱数によって第1のパターンを作成した場合であっても、第1のパターンは、特定の空間周波数に振幅のピークを有することがある。このような振幅ピークが存在する場合、後述するハイパスフィルタに指定する空間周波数下限値またはバンドパスフィルタに指定する空間周波数範囲上限値や下限値によっては、望ましい空間周波数特性を有する第2のパターンを得ることができない可能性があることから、特定の空間周波数範囲において各空間周波数における振幅が等しくまたは略等しくなるよう、各要素の振幅を補正することが好ましい。
図6は、図4の点線で示される空間周波数分布に対し、振幅の補正を行なった結果の一例を示す図である。振幅補正前の空間周波数分布(図4の点線のものと同一)を点線で、振幅補正後の空間周波数分布を実線で示している。図6に示される空間周波数分布においては、補正により、空間周波数0から約0.30μm-1の領域において、各要素の振幅がおよそ一定になっている。このように、ハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタによって抽出され得る空間周波数領域において振幅を一定にしておくことにより、ハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタの適用により作成された第2のパターンは、一定の振幅を有する特定範囲の空間周波数成分を有することとなる。このことは、ハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタの適用により生成されるパターン特性を制御する上で有利である。なお、上記振幅の補正は、具体的には、補正後の複素振幅絶対値Cを用いて下記式:
α=C/|Aorg
によって与えられる実数αを複素振幅Aorgに乗算することによって行なわれる。ただし、|Aorg|はゼロ値であってはならない。したがって、上記補正は|Aorg|が非ゼロ値である範囲において可能である。
(2)ハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタの適用
次に、DFTによって得られた空間周波数領域における二次元配列に対して、ハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタに対応する操作を施す。この操作により、第1のパターンに含まれる低空間周波数成分を除去または低減させる。
ハイパスフィルタは、高域通過濾波器、Low−Cut Filterとも呼称され、信号処理の分野において、指定された周波数未満の成分を除去または低減する働きを有する。ハイパスフィルタに対応する操作とは、第1のパターンに含まれる空間周波数成分のうち、空間周波数範囲下限値B’より低い空間周波数からなる低空間周波数成分を除去または低減し、該下限値B’以上の空間周波数からなる空間周波数成分を抽出する操作である。DFTを用いる場合について、より具体的に述べると、空間周波数領域に変換された配列に対し、空間周波数範囲下限値B’によって指定される範囲より低い空間周波数成分の配列要素(複素振幅の実部、虚部のそれぞれ)に対し0を代入する(振幅を0とする)、もしくは、絶対値が1よりも十分に小さな値を乗ずる操作である。絶対値が1よりも十分に小さな値として、一般にハイパスフィルタと呼ばれるフィルタの性能から例示すると、たとえば絶対値が0.5よりゼロに近い数値、絶対値が0.3よりゼロに近い数値、絶対値が0.1よりゼロに近い数値、あるいは絶対値が0.01よりゼロに近い数値などが挙げられる。一般に乗ずる値の絶対値がゼロに近いほど(ゼロを含む)、理想的なハイパスフィルタとなる。
空間周波数範囲下限値B’の値は、ハイパスフィルタに対応する透過割合の空間周波数依存が、たとえば図7に示されるように、ある空間周波数を境に急激に立ち上がる場合には、その立ち上がりの始点とみなすことができる。一方、透過割合がなだらかに立ち上がる場合、空間周波数範囲下限値B’の値は、透過帯域のピーク強度の1/2の強度を示す空間周波数とされる。バンドパスフィルタの空間周波数範囲上限値Tおよび空間周波数範囲下限値Bについても同様である。図7および後述する図8〜14で示した透過割合は、前述の各要素に乗ずる値の絶対値を示す。なお、以下で示す例では、いずれも実数を乗じてバンドパスフィルタ、およびハイパスフィルタに対応する操作を行なった。
ハイパスフィルタの適用によって抽出される空間周波数帯域(透過帯域)において、各空間周波数成分の透過割合(ハイパスフィルタ適用前における振幅強度に対するハイパスフィルタ適用後における振幅強度の割合)は、図7に示す例のように、透過帯域全体にわたって一定であってもよいし、図8に示す例のように、値が変化していてもよい。また、図9に示す例のように、透過帯域は、複数のピークを有していてもよい。
バンドパスフィルタは、帯域フィルタとも呼称され、信号処理の分野において、意図する範囲の周波数を通過させ、それ以外の周波数を除去または低減する働きを有する。バンドパスフィルタに対応する操作とは、上記で得られた第1のパターンの空間周波数分布において、第1のパターンに含まれる空間周波数成分のうち、空間周波数範囲下限値Bより低い空間周波数からなる低空間周波数成分および空間周波数範囲上限値Tを超える空間周波数からなる高空間周波数成分を除去または低減し、該下限値Bから該上限値Tに至る特定の範囲の空間周波数からなる空間周波数成分を抽出する操作であり、DFTを用いる場合について、より具体的に述べると、通過する空間周波数範囲上限値Tおよび空間周波数範囲下限値Bによって指定される範囲に含まれない配列要素に対し0を代入する(振幅を0とする)もしくは、1よりも十分に小さな値を乗ずる操作である。1よりも十分に小さな値については、上述のとおりである。
バンドパスフィルタの適用によって抽出される空間周波数帯域(透過帯域)において、各空間周波数成分の透過割合(バンドパスフィルタ適用前における振幅強度に対するバンドパスフィルタ適用後における振幅強度の割合)は、図10に示す例(透過帯域ピークの形状が矩形を有する)のように、透過帯域全体にわたって一定であってもよいし、図11に示す例(透過帯域ピークの形状がガウス型である)のように、値が変化していてもよい。また、透過割合のピーク形状は、空間周波数軸に対して左右対称であってもよいし、図12に示す例(透過帯域ピークの形状が、ピークの右側と左側とで傾きが異なる変形ガウス型である)のように、非対称であってもよい。また、透過帯域ピークは、図13および14に示す例(透過帯域ピークが2つのピークからなる)のように、複数のピークからなっていてもよい。
図15は、図5に示される空間周波数分布を有する第1のパターンに対して、バンドパスフィルタを適用した後の二次元的な空間周波数分布の一例を示す図である。図15において、横軸、縦軸および色の濃さは図5と同じ意味を表わす。図15に示されるように、上記バンドパスフィルタに対応する操作により、空間周波数範囲上限値Tおよび空間周波数範囲下限値Bによって指定される特定の範囲の空間周波数成分が除去またはその振幅強度が低減される。
次に、ハイパスフィルタに与える空間周波数範囲下限値B’、ならびにバンドパスフィルタに与える空間周波数範囲上限値Tおよび空間周波数範囲下限値Bの好ましい範囲について説明する。本発明のランダムパターンを、防眩フィルムを作製するための基礎パターンとして用いることを考慮した場合、ギラツキを効果的に抑制できる防眩フィルムを得るために、ハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタによって除去または低減される低空間周波数成分は、本発明によって得られる防眩処理がなされた透明基材(防眩フィルムなど)を適用する画像表示装置の平均的な一辺の画素サイズ〔たとえば、RGBの3色が横に並んでいる場合、RGBそれぞれの平均的な一辺の画素サイズとは、長辺と短辺の平均値である〕に対して、約10分の1以下の周期に対応する空間周波数以下の低空間周波数成分であることが好ましい。これにより、画像表示装置におけるギラツキを効果的に抑制することができる。
市販されている画像表示装置を例に挙げて具体的に述べると、たとえば対角が約103インチのフルハイビジョン(解像度水平1920×垂直1080ドット等)に相当する画像表示装置に適用する場合、ハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタにより除去または低減される低空間周波数成分の空間周波数の最大値、すなわち、空間周波数範囲下限値B’または空間周波数範囲下限値Bは、0.01μm-1以上であることが好ましい。また、対角が約50インチのハイビジョン(解像度水平1366×垂直768ドット等)に相当する画像表示装置に適用する場合、空間周波数範囲下限値B’または空間周波数範囲下限値Bは、0.02μm-1以上であることが好ましい。同様の考察から、対角約32インチのハイビジョンに相当する画像表示装置に適用する場合、空間周波数範囲下限値B’または空間周波数範囲下限値Bは、0.03μm-1以上であることが好ましい。対角約37インチのフルハイビジョンに相当する画像表示装置に適用する場合、空間周波数範囲下限値B’または空間周波数範囲下限値Bは、0.04μm-1以上であることが好ましい。対角約20インチのハイビジョンに相当する画像表示装置に適用する場合、空間周波数範囲下限値B’または空間周波数範囲下限値Bは、0.05μm-1以上であることが好ましい。対角約22インチのフルハイビジョン相当する画像表示装置に適用する場合、空間周波数範囲下限値B’または空間周波数範囲下限値Bは、0.07μm-1以上であることが好ましい。このように、適用する画像表示装置の解像度およびサイズに応じて、ハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタに与える空間周波数範囲下限値を適切に調整することにより、画像表示装置に対し適切な範囲の低空間周波数成分が除去または低減された第2、第3または第4のパターンを作成することができ、これを基礎パターンとして用いて凹凸形状を加工することにより、ギラツキが抑制された防眩フィルムを実現することができる。
また、バンドパスフィルタにおいては、本発明のランダムパターンを基礎パターンとする凹凸パターンまたは印刷パターン加工における加工適性の観点から、空間周波数範囲上限値Tは、1/(D×2)μm-1以下であることが好ましい。ここで、D(μm)は、本発明のランダムパターン(第3または第4のパターン)に基づいて凹凸形状を加工する装置または本発明のランダムパターンに基づいて印刷を行なう印刷装置の分解能である。空間周波数範囲上限値Tが1/(D×2)μm-1を超える場合、加工再現性良く凹凸形状を付与したり印刷を行なうことが困難となる。加工再現性が、空間周波数範囲上限値Tが小さいほど良好となることから、空間周波数範囲上限値Tは、より好ましくは1/(D×4)μm-1以下であり、さらに好ましくは1/(D×6)μm-1以下である。空間周波数範囲上限値Tが1/(D×6)μm-1以下である場合、たとえば、生産性が高いレーザー描画装置を用いて良好な加工再現性で透明基材上に凹凸形状を形成できるため特に好ましい。一方、空間周波数範囲上限値Tが大きくなるほど、周期のより細かい構造を有する第2のパターンが形成されるため、加工再現が困難となりやすい。
透明基材上に凹凸形状を加工する装置は、従来公知の装置であってよく、たとえば、レーザー描画装置、精密旋盤などを用いることができる。レーザー描画装置を用いてレジストを露光し、凹凸形状を形成する場合、レーザーのスポット直径が分解能D(μm)に相当する。また、先端が半球状のボールエンドミルを備える精密旋盤を用いて凹凸形状を形成する場合であって、先端半径がr(μm)であるボールエンドミルを用いて、加工後の凹凸面における平坦面と各位置における面とのなす角度がθ度(θはたとえば10度である)以内となるようにして凹凸形状を加工する場合においては、2×r÷(sin(θ÷180×π))が分解能D(μm)に相当する。なお、本発明のランダムパターン(第3または第4のパターン)を用いて、凹凸面を有する金型を作製し、金型の凹凸面を透明基材上に転写することにより、凹凸形状を加工する場合、透明基材上に凹凸形状を加工する装置とは、凹凸面を有する金型を作製する際に用いる加工装置を意味する。
また、本発明のランダムパターンを、防眩フィルムを作製するための基礎パターンとして用いることを考慮した場合、空間周波数範囲下限値Bの逆数である最長周期長1/Bと空間周波数範囲上限値Tの逆数である最短周期長1/Tとの中間である中間周期長MainPeriod=(1/B+1/T)/2は、6μm以上33μm以下の範囲内であることが好ましい。MainPeriodは、バンドパスフィルタに与える空間周波数範囲上限値Tに対応する周期長(1÷T)μmと空間周波数範囲下限値Bに対応する周期長(1÷B)μmとの平均値に相当する。MainPeriodが33μmを上回る場合には、透明基材上への凹凸形状の加工において、空間周波数が0.10μm-1より低い微細凹凸表面形状が形成されにくく、防眩性を効果的に発現できない。また、MainPeriodが6μmを下回る場合には、透明基材上への凹凸形状の加工において、空間周波数が0.01μm-1を下回る微細凹凸表面形状が形成される可能性があり、その結果、得られた防眩フィルムを高精細の画像表示装置の表面に配置したときにギラツキが発生する可能性がある。
さらに、最長周期長1/B、最短周期長1/T、および最長周期長1/Bと最短周期長1/Tの中間である中間周期長MainPeriod〔=(1/B+1/T)/2〕を用いて定義される下記式(1):
BandWidth(%)=100×(1/B−1/T)/(2×MainPeriod) (1)
で表されるBandWidth(バンド幅)は、下記式(2):
15≦BandWidth(%)≦70 (2)
を満たすことが好ましい。
BandWidthは、上記式(1)に示されるように、最長周期長1/Bと最短周期長1/Tとの差に比例する数値である。BandWidthは、中間周期長MainPeriod=(1/B+1/T)/2を上記式(1)に代入することにより、下記式(1)’:
BandWidth(%)=100×(1/B−1/T)/(1/B+1/T) (1)’
によって定義することもできる。
図16は、BandWidthの値と自己相関係数最大値との関係を示す図である。自己相関係数最大値とは、自己相関係数の最大値を意味する。自己相関係数は、ウィーナー・ヒンチンの定理に基づき、第3のパターンを二次元フーリエ変換により空間周波数領域における二次元配列に変換した後、各要素の係数を二乗し、さらにこれに逆フーリエ変換を施すことにより得られる。自己相関係数最大値は、自身の平行移動に関する自己相関の強さを示す指標となる数値である。したがって、自己相関係数最大値が高いほど、透明基材上に加工される凹凸パターンや印刷パターンにおいて、似たようなパターンが連続しやすくなり、付近に存在するパターンとの類似性が高くなるため、パターンのランダム性が損なわれやすくなる。なお、図16に示される自己相関係数最大値は、第1のパターンに対し、MainPeriod=12μm、透過帯域ピークの形状が矩形であるバンドパスフィルタを適用して第2のパターンを作成し、これに誤差拡散距離5の誤差拡散法(誤差拡散法については後で詳述する)を適用することによって作成された第3のパターンに関するものであり、移動距離が20μm以上の範囲における自己相関係数最大値である。
図16に示されるように、自己相関係数最大値は、BandWidthが15%未満のときに極端に増加する一方、BandWidthが15%以上である場合においては、比較的低い値を維持することがわかる。したがって、付近に存在するパターンとの類似性が低く、よりランダム性の高いパターンを得るためには、BandWidthの値は、15%以上であることが好ましく、15%を超えることがより好ましい。
一方、第2のパターンが有する空間周波数範囲が広くなるほど、周期長の異なる多数の成分が足し合わされることによって、第2のパターンに対して後述する二値化処理を行なったときに孤立したドットが生成されやすくなるという傾向が、検討の結果明らかとなった。図17は、BandWidthの値と、第2のパターンを後述する誤差拡散法によって二値化して得られる第3のパターンの孤立ドットの発生個数との関係を示す図であり、第1のパターンに対し、MainPeriod=12μm、透過帯域ピークの形状が矩形であるバンドパスフィルタを適用して第2のパターンを作成し、これに誤差拡散距離5の誤差拡散法(誤差拡散法については後で詳述する)を適用することによって作成された第3のパターンに関するものである。図17において、「孤立ドットの発生個数」とは、第3のパターンに存在する、16個以下の連続した同色のピクセル(画素)からなる塊(島)をいう。
図17に示されるように、孤立したドットの発生個数は、BandWidthが70%を超える場合に急激に増加する傾向が見られる一方、BandWidthが70%以下である場合においては、比較的低い値を維持することがわかる。したがって、凹凸形状の加工再現性を良好なものとするためには、BandWidthの値は、70%以下であるがこと好ましく、65%以下であることがより好ましい。
以上より、加工再現性が良好で、かつよりランダム性の高いパターンを得るためには、BandWidthは上記式(2)を満たすことが好ましい。上記式(2)を満たすバンドパスフィルタの適用により、後述するモンテカルロ法を用いた孤立ドットの低減処理を必ずしも行なうことなく、加工再現性が良好なランダムパターンを得ることが可能となる。
なお、バンドパスフィルタを適用した後の、空間周波数範囲下限値Bから空間周波数範囲上限値Tの範囲の空間周波数分布に対し、第1のパターンの空間周波数分布の場合と同様に、振幅強度が好ましくは一定となるよう、振幅強度を増減させる処理を施してもよい。滑らかに空間周波数成分の振幅強度を変化させることにより、より滑らかな(角ばった凹凸形状が少ない)凹凸パターンまたは印刷パターンを得ることができるようになる。
(3)第2のパターンの生成
次に、ハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタに対応する操作を施すことによって得られた空間周波数の情報を、逆離散フーリエ変換(IDFT)により二次元配列に変換し、この二次元配列に基づき、第2のパターンを生成する。IDFTアルゴリズムとしては、上記DFTと同様、一般的に知られているアルゴリズムを使用することができる。第2のパターンは、8ビット、16ビット、32ビット、64ビットなど、各種のビット深度を持つことができる。
図18は、図1に示される第1のパターンにバンドパスフィルタを適用して作成された第2のパターンの一例を示す拡大図である。図18も図1同様、12800dpiの画像データである。バンドパスフィルタに与えた空間周波数範囲下限値Bおよび空間周波数範囲上限値Tはそれぞれ、0.043μm-1、0.059μm-1である。
なお、第2のパターンを生成する際には、IDFTによって得られた二次元配列の最大値と最小値が、生成する第2のパターンのビット深度によって規定される最大値・最小値にそれぞれに対応するように換算して代入してもよい。すなわち、IDFTにより計算された二次元配列要素の最大値をImax、最小値をIminとすると、要素の値Ixを8ビット(0−255)のパターンに変換する場合、パターンの各画素に代入される値は、255×(Ix−Imin)÷(Imax−Imin)で計算される。上記図18の画像データは、このような換算を行なって得られたものである。
以上、DFTを用いたハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタの適用により第2のパターンを作成する方法の例を述べたが、これ以外の方法によっても第2のパターンを作成することが可能である。たとえば、第1のパターンとして開口が配置されたプレートを用い、これに光学的な手法でフーリエ変換を行なうことによっても第2のパターンを得ることができる。具体的に説明すると、焦点を一致させた2枚のレンズからなる空間周波数フィルタリング光学系を用意し、第1のパターンを1枚目のレンズの焦点面に配置する。このとき、2枚のレンズの焦点が一致する面(フーリエ面)に、画像の空間周波数分布が得られる。このフーリエ面において、光の透過率を空間的に変化させることにより、所望する範囲の空間周波数を透過させることができる。
フィルタリングされた出力画像は、2枚目のレンズのフーリエ面の反対側の焦点面に得られる。たとえば、開口の中心部のみがフーリエ面に透過するようにプレートを配置すると、上記画像の低空間周波数成分のみが出力画像として得られる。逆に、開口の中心部を遮光すると、高空間周波数成分のみが出力画像として得られる。したがって、フーリエ面において中心部分とその周辺部分を遮光することにより、2枚目のレンズの反対側の焦点面に、目的とする空間周波数分布を有する第2のパターンを得ることができる。
(第3のパターンの作成)
本発明では、上記のようにして得られた第2のパターンに対し、ディザリング法を適用することにより、離散化された情報に変換された第3のパターンを作成する。この第3のパターンは、均一性およびランダム性に優れるものであり、各種表示デバイス用構成部材に凹凸パターンを付与するための基礎パターンとして、または印刷パターンを付与するための基礎パターンとして好適に用いることができる。「離散化された情報」は、一般にはデジタルデータとも呼称され、コンピュータ上で扱われる情報は、ほとんどの場合、離散化された情報である。離散化された情報の例としては、ビットマップデータ等のコンピュータ上で取り扱うことのできる画像データ;および、128ビット、64ビット、32ビット、16ビット等の各種ビット深度を有する浮動小数点数、または符号あり、もしくは符号なし整数などが挙げられる。
また、「離散化された情報への変換」とは、連続関数を離散表現に変換すること、アナログデータをデジタルデータに変換すること、または、より多くの段階数で表現されている離散化されている情報を、より少ない段階数で表現された情報に変換することを意味し、デジタル信号をより少ないビット深度で表現されるデジタル信号に変換することを含む。離散化された情報への変換の例としては、たとえば、連続関数である余弦関数を離散的に表現すること、および、より段階数の多い32ビット浮動小数点で表現された情報を、より段階数の少ない8ビット整数に変換することなどが挙げられる。
第3のパターンは、2段階に離散化された情報に変換された、すなわち、二値化されたパターンであることが好ましい。これは、本発明のランダムパターンを基礎パターンとする凹凸加工がレーザー描画装置等を用いたレジストワークを含む場合などにおいては、レーザーが照射されるか否かの二値によって、レジストパターンが生成されるためである。
第2のパターンから、離散化された情報に変換された第3のパターン、特には二値化された第3パターンを得る方法として、本発明ではディザリング法を用いる。ディザリング法は、アナログデータのデジタルデータへの変換、あるいはデジタルデータのビットレートやビット深度を変換するための手法の一つであり、デジタル信号処理の一手法として位置づけることができる。方形確率密度関数や三角形確率密度関数などのランダムな信号を付与することで、信号を離散化する際の誤差の偏りを低減させる手法、あるいは、パターンディザ法、誤差拡散法など各種の手法が知られている。
上記のなかでも、本発明においては、より均一性に優れるランダムパターンを得ることができ、これにより、モアレや表示ムラおよび繰り返し模様が発生しにくい凹凸パターンまたは印刷パターンを形成することが可能であり、また、局所的な平均明度の変動を抑制する効果が期待でき、さらに、マトリクスの最適化により、加工が困難な細かい模様の発生を抑制できる可能性があることから、ディザリング法として誤差拡散法を用いることが好ましい。誤差拡散法は、離散化する際に生じる誤差を周辺に拡散させることを特徴とする。
誤差拡散法のアルゴリズムの概要を、8ビット256階調のグレースケールビットマップを1ビット2階調の白黒ビットマップに変換する場合を例に挙げて説明する。今、変換対象のピクセル(画素)が有する明度値が64であったとする。この画素を1ビット2階調の白黒ビットマップに変換する場合、8ビットでは明度値255と表現される白、もしくは明度値0で表現される黒に変換する必要がある。通常はより近い値に変換することになる。したがって、明度値が64である画素は、255よりも0に近いため、0に対応する値(すなわち黒)に変換される。この際、変換によって、8ビット階調の画像と比較すると、変換された後の画像では−64の明度値誤差が生じる。これは、画像の明度の総和が64だけ減少したことを意味する。誤差拡散法では、生じた−64の明度値誤差を相殺するように、事前に決定された重みに従って、周囲の画素の明度値を変更する。このような操作をすべての画素について繰り返すことにより二値化が行なわれる。
重みの付け方については、画像処理の分野においていくつか好ましいとされるマトリクスが知られている。たとえば、Floyd & Steinberg;Jarvis,Judis and Nink;Stucki;Burks;Stevenson & Arche;Sierra 3 Line;Sierra 2 Line;Sierra Filter Liteなどが好ましい重み付けを有するマトリクスとして知られている。
図19は、上記例示されたマトリクスにおける変換誤差の拡散の重み付けを説明するための図である。マトリクスの一例として、Floyd & Steinbergを例に挙げて説明すると、ピクセルAは、変換対象のピクセルである。上記の例のように、ピクセルAの変換(明度値64から0への変換)により、変換された後の画像に−64の明度値誤差が生じた場合、この明度値誤差を相殺するように、隣接する4つのピクセルの明度値を、7:1:5:3の重み付けで変更する。すなわち、隣接する4つのピクセルの明度値をそれぞれ、(7/16)×64、(1/16)×64、(5/16)×64、(3/16)×64だけ増加させる。なお、斜線のハッチングが付されたピクセルBは、二値化処理が完了したピクセルを示している。また、「0」と記載されたピクセルは、誤差を拡散させない重みがゼロのピクセルである。
バンドパスフィルタの適用により得られた第2のパターンに対して、図19に示されるマトリクスに従う誤差拡散法を適用して得られた第3のパターンの例を図20〜27に示す。図20〜27に示される第3のパターンはいずれも、8ビットグレースケールイメージとして得られた図28に示される第2のパターンから作成したものであり、1ビットの白黒画像データからなる。より具体的に説明すると、図20〜27に示される第3のパターンは、12800dpiの解像度で1.024mm四方の8ビットのビットマップイメージをKnuthの乱数ジェネレータ減算アルゴリズムにより生成された0から1の値を有する擬似乱数列を用いて作成した第1のパターンに対し、空間周波数範囲下限値Bおよび空間周波数範囲上限値Tが下記式(I)および(II):
B=1/(MainPeriod*(1+BandWidth/100)) (I)
T=1/(MainPeriod*(1−BandWidth/100)) (II)
であり、透過帯域ピークの形状が矩形型であるバンドパスフィルタを適用することによって得られた図28に示される第2のパターンを、各種マトリクスを用いた誤差拡散法によって二値化したものである。MainPeriod=12(μm)、BandWidth=20(%)とした。なお、図20〜27は、画像の特徴を把握しやすくするため、生成された第3のパターンから一部を拡大して示したものである。
ここで、二値化を行なう手法としては、本発明に係るディザリング法のほか、閾値法が知られている。閾値法とは、グレイスケールインデックス(明度値)に特定の閾値を設定し、閾値を超えるピクセル(画素)については白(または黒)を与え、閾値以下のピクセルについては黒(または白)を与えることにより、二値化を行なう手法である。次に示すように、ディザリング法による、とりわけ誤差拡散法による離散化された情報への変換は、閾値法と比較して、より低空間周波数成分を低減でき、したがって、より均一性の高いパターンが得られる点において有利である。
図29は、図20〜27に示される、各種マトリクスに従う誤差拡散法により二値化された第3のパターンの空間周波数分布と、閾値法により二値化されたパターンの空間周波数分布とを比較する図である。図29に示されるように、閾値法により二値化を行なう場合、得られるパターンは、低空間周波数領域において比較的高い振幅強度を示す。一方、誤差拡散法を適用した場合、いずれのマトリクスを採用した場合においても、低空間周波数成分をより低減させることができる。したがって、誤差拡散法の適用により、より均一性の高いパターンを得ることができる。また、本発明のランダムパターンを、防眩フィルムを作製するための基礎パターンとして用いる場合、低空間周波数成分の低減は、ギラツキを効果的に抑制できる防眩フィルムを得る上で有利である。なお、図29における閾値法により二値化されたパターンは、図28に示される第2のパターンに対し、中間値127を閾値として、これよりも大きい値を白、これ以下の値を黒とする二値化により作成したものである。
このように、図19に示されるような一般に知られている誤差拡散マトリクスに従う誤差拡散法の適用により、より均一性の高い第3のパターンを得ることができる。しかし、これらの誤差拡散マトリクスに従って二値化された第3のパターンを作成する方法は、同色のピクセルが一定数以上の集団として存在していない孤立したピクセル(以下、「孤立ドット」という。)を多く発生させる傾向にある。ここで、「孤立ドット」とは、二値化されたパターンに存在する、16個以下の連続した同色のピクセル(画素)からなる塊(島)をいう。第3のパターンが多くの孤立ドットを有する場合、1辺が4ピクセル以下の塊(島)が存在し得ることとなり、たとえばCTP法やウェットエッチングを含むプロセスまたは旋盤加工等の当該パターンを用いた凹凸加工や印刷加工に高い精度が要求され、加工再現性が妨げられる場合がある。
図30は、一般に知られている誤差拡散マトリクスに従う誤差拡散法の適用により第3のパターンを作成したときに発生する孤立ドットの発生個数を、閾値法により作成した場合と比較する図である。図示された数値は、閾値法により二値化されたパターンを作成したときに発生する孤立ドットの発生個数に対する比を示している。図30に示されるように、孤立ドットの発生頻度が最も少ないStevenson & Archeのマトリクスでも、発生個数は閾値法の27倍であり、Floyd & Steinbergのマトリクスを用いた場合には155倍にも達する。
本発明者らは鋭意検討した結果、孤立ドットの発生個数を抑制するためには、誤差拡散マトリクスとして、短距離の誤差拡散を含まないマトリクスを用いることが好ましいことを見出した。
図31〜39は、それぞれ拡散距離が1、2、3、4、5、6、3+4、4+5および3+4+5である誤差拡散マトリクスの例を示す図である。これらの図は、図19と同様、変換誤差の拡散の重み付けを示したものである。拡散距離(誤差拡散距離)とは、変換対象のピクセル(ピクセルA)の白または黒への変換によって生じた明度値誤差を相殺するために、明度値を変更するピクセルと変換対象のピクセルとの距離をいい、「拡散距離1」とは、明度値を変更するピクセルと変換対象のピクセルとが隣接していることを意味する(図31参照)。「拡散距離2」とは、変換対象のピクセルから数えて2つ目のピクセルを、明度値を変更するピクセルとする(明度値を変更するピクセルと変換対象のピクセルとの間に1つのピクセルが介在する)ことを意味する(図32参照)。以下の拡散距離についても同様である。また、図37の「拡散距離3+4のマトリクス」とは、図33に示される「拡散距離3のマトリクス」と図34に示される「拡散距離4のマトリクス」の合成である。図38および39についても同様である。
また、図31〜39に示されるマトリクスに従う誤差拡散法の適用により得られる第3のパターンの例をそれぞれ図40〜48に示す。用いた第2のパターンは図28に示されるパターンである。なお、図40〜48は、画像の特徴を把握しやすくするため、生成された第3のパターンから一部を拡大して示したものである。さらに、図49は、図31〜39に示される誤差拡散マトリクスに従う誤差拡散法の適用により第3のパターンを作成したときに発生する孤立ドットの発生個数を、閾値法により作成した場合と比較する図である。図示された数値は、閾値法により二値化されたパターンを作成したときに発生する孤立ドットの発生個数に対する比を示している。
図49に示されるように、誤差拡散距離が1の場合には、閾値法と比較して247倍に達する個数の孤立ドットが発生するが、誤差拡散距離を大きく設定するに従い、発生個数が減少することが分かる。特に誤差拡散距離が1を超える場合、急激に孤立ドットの数が減少することがわかる。図49に示される結果から、孤立ドットの発生をより効果的に抑制するためには、誤差拡散距離は、1を超える(すなわち、1ピクセルを超える範囲に変換誤差を拡散させる、以下同様)ことが好ましく、2以上であることがより好ましく、3以上であることがさらに好ましい。また、誤差拡散距離の上限は特に制限されないが、たとえば6以下である。なかでも、3以上の誤差拡散距離を持つマトリクスを用いて作成したパターンは、加工範囲の幅が広く、良好な加工適性が期待される。
図50は、図31〜39に示される誤差拡散マトリクスに従う誤差拡散法により二値化された図40〜48の第3のパターンの空間周波数分布と、閾値法により二値化されたパターンの空間周波数分布とを比較する図である。この閾値法により二値化されたパターンは、図29のものと同じである。図50から、いずれの誤差拡散マトリクスを用いた場合でも、閾値法と比べ、低空間周波数成分の振幅を低減できることがわかる。
(第4のパターンの作成)
本発明では、2段階に離散化された情報に変換された(二値化された)上記の第3のパターンに対して、孤立ドットを減少させる操作をさらに施し、第4のパターンを作成してもよい。第3のパターンを孤立ドットが減少された第4のパターンに変換することにより、これを基礎パターンとする凹凸パターンまたは印刷パターン加工における加工再現性をより向上させることができる。第4のパターンの作成に用いる二値化されたパターンは、閾値法によって二値化されたものであってもよいが、パターンの均一性を考慮すると、誤差拡散法等のディザリング法によって二値化された第3のパターンを用いることが好ましい。ただし、上述のように、上記式(2)を満たすバンドパスフィルタの適用により第2のパターンを作成する場合には、このような孤立ドットの低減処理は必ずしも必要ではない。
上記孤立ドットを減少させる操作としては、モンテカルロ法により、第3のパターンに存在する孤立ドットである黒または白のピクセルを同色の塊(島)まで移動させる手法を好ましく用いることができる。モンテカルロ法は、乱数に基づいてシミュレーションを行なう手法の総称である。孤立ドットの処理方法としては、単純に孤立しているドットを削除する方法が最も単純である。しかし、画像処理においてこのような単純な方法を用いると局所的に平均的な明度の値が変化する場合があり、これは、低空間周波数成分の増大に繋がる。モンテカルロ法は、局所的にも平均的な明度に影響を与えることなく、孤立ドットを処理する有効な手法である。以下、モンテカルロ法による孤立ドットの処理方法の具体例を、図51を参照して説明する。
まず、対象画素(ピクセル)が「孤立ドット」であるか否かを判定する。ここで説明する具体例における「孤立ドット」とは、周囲の最近接8画素のうち、対象画素と同じ段階にある(同色の)画素の個数が2個以下のものと定義される。たとえば、対象画素が黒である場合、最近接8画素のうち、黒画素の個数が2個以下であれば、孤立ドットと判定される。白画素についても同様である。次に、孤立ドットと判定された画素を、空いている最近接画素のうち、乱数で選択された画素に移動させる。
たとえば、図51(a)においては、対象画素が黒である場合、最近接8画素のうち1画素のみが黒であるため孤立ドットと判定され、対象画素は、空いている最近接7画素のうち、乱数で選択された画素に移動される。また、図51(b)においては、対象画素が黒である場合、最近接8画素のうち2画素が黒であるため孤立ドットと判定され、対象画素は、空いている最近接6画素のうち、乱数で選択された画素に移動される。図51(c)においては、対象画素が黒である場合、最近接8画素のうち3画素が黒であるため、孤立ドットと判定されず、移動させない。
以上のようなモンテカルロ法による操作を繰り返し行なうことにより、孤立ドットを効果的に減少させることができる。モンテカルロ法による操作を、たとえば10〜60回程度繰り返すと、バンドパスフィルタを透過した空間周波数成分の空間周波数の値が、周期長に換算して3ピクセルから6ピクセルの間の時、孤立ドットがほとんど検出されない、良好な加工適性が期待されるパターンを得ることができる。
図52(a)〜(f)は、モンテカルロ法適用回数による第4のパターンの変化を示す図である。図52(a)〜(f)に示されるパターンは、図44に示される第3のパターン(拡散距離5)に対して、モンテカルロ法をそれぞれ、0、4、8、20、40および60回適用して孤立ドットを処理して得られたものである。また、図53は、モンテカルロ法適用回数と孤立ドットの発生個数との関係を示す図である。図53における孤立ドット発生個数比は、図30および図49と同様、図28に示される第2のパターンから閾値法により二値化されたパターンを作成したときに発生する孤立ドットの発生個数に対する比である。このように、繰り返しモンテカルロ法を適用することにより、孤立ドットの低減が可能であり、より優れた加工適性が期待される第4のパターンを作成することができる。
上記した第4のパターンの作成例は、第2のパターンとして、第1のパターンに対しバンドパスフィルタを適用して作成したものを用いたものであるが、ハイパスフィルタを適用して作成した第2のパターンを用いる場合であっても、バンドパスフィルタの場合と同様に、二値化および孤立ドットの低減処理により、低空間周波数成分が低減され、加工適性に優れる第4のパターンを得ることができる。
以上に示される、第2のパターンに対してディザリング法(なかでも誤差拡散法)を適用して第3のパターンを作成し、これにモンテカルロ法を適用して第4のパターンを作成する方法は、第2のパターンを作成する際、上記式(2)を満たすバンドパスフィルタを適用しない場合においても、均一性に優れ(低空間周波数成分が低減され)、ランダム性に優れ、さらには孤立ドットが低減されたパターンを得ることが可能であることから、好ましい実施形態の1つである。
<ランダムパターンを用いた凹凸パターンまたは印刷パターンの加工>
上記のようにして得られた本発明のランダムパターン(第3のパターンまたは第4のパターン)は、たとえば、防眩フィルム、拡散板、光拡散シート、導光板などの表示デバイス用構成部材に凹凸パターンを付与するための基礎パターンとして、または印刷パターンを付与するための基礎パターンとして好適に用いることができ、これにより、均一性およびランダム性に優れる凹凸パターンまたは印刷パターンを形成することが可能となる。本発明のランダムパターンは、離散化された情報に変換されたパターンであることから、上記凹凸パターンや印刷パターンを加工する際に用いる装置が離散化された情報に変換された基礎パターンを必要とする場合に特に有効である。
たとえば、表示デバイス用構成部材への凹凸パターンの付与は、本発明のランダムパターンを基礎パターンとして、透明基材上に凹凸形状を加工することによって行なうことができる。透明基材上に凹凸形状を加工する際に用いる装置は、従来公知の装置であってよく、たとえば、レーザー描画装置、レーザー加工装置、自動彫刻装置、精密旋盤などを用いることができる。レーザー加工装置としては、たとえば、レーザーマーカ、レーザー彫刻機、レーザー加工機などとして販売されている各種加工装置を用いることができる。たとえばレーザー描画装置等のレジストワークを伴う加工装置を用いる場合、ランダムパターンが有する離散化された情報は、好ましくは2段階に離散化された情報である。また、加工装置として数値制御切削加工装置を用いる場合、ランダムパターンとしては、その加工装置が指定する段階数(あるいは有効桁数)で離散化された情報に変換されたパターンを用いることができる。本発明のランダムパターンを基礎パターンとする印刷パターンの形成には、従来公知の印刷装置を用いることができる。
また、本発明のランダムパターンが、離散化された情報の二次元配列からなる場合、当該二次元配列に格納される値に基づいて行なう加工においては、加工装置の特性に応じてこれらの値を変換し、加工に用いることができる。たとえば、レーザー加工機やレーザー彫刻機の場合には、レーザー照射回数に読み替えてもよい。精密旋盤のようなバイトの深さを制御する加工装置の場合には、バイト押し込み量に対応する量に変換してもよい。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
図54に示されるランダムパターン(第4のパターン)を作成した。図54に示される第4のパターンは、12800dpiの解像度で生成された32.768mm四方のパターンであり、図54はそのうち1.024mm四方を切り出したものである。この第4のパターンは、12800dpiの解像度で32.768mm四方の8ビットのビットマップイメージをKnuthの乱数ジェネレータ減算アルゴリズムにより生成された0から1の値を有する擬似乱数列を用いて作成した第1のパターンに対し、空間周波数範囲下限値Bおよび空間周波数範囲上限値Tがそれぞれ上記式(I)および(II)〔MainPeriod=12(μm)、BandWidth=20(%)とした。〕で表され、透過帯域ピークの形状がガウス型であるバンドパスフィルタを適用することによって得られた第2のパターンを、誤差拡散距離が4である図34に示される誤差拡散マトリクスに従う誤差拡散法の適用により二値化して第3のパターンを作成し、さらに、上記したモンテカルロ法を60回繰り返し適用して作成したものである。
<比較例1>
閾値法(閾値はグレイスケールインデックス(明度値)127に設定)を用いて二値化したこと以外は、上記実施例1で作成した第3のパターンと同様にして図55に示されるパターンを作成した。
図56は、図54に示される実施例1のランダムパターンの空間周波数分布と、図55に示される比較例1のパターンの空間周波数分布とを比較する図である。図56より、誤差拡散法を適用した図54のパターンにおいては、低空間周波数成分がより低減されており、より均一性に優れていることがわかる。また、実施例1のランダムパターンと比較例1のパターンの自己相関係数最大値を測定したところ、実施例1のランダムパターンの自己相関係数最大値は、比較例1のパターンの自己相関係数最大値を1としたとき約0.95であり、十分に高いランダム性を有していることがわかる。
<比較例2>
バンドパスフィルタおよび誤差拡散法を適用することなく、多数のドットをランダムに配置することのみによって図57に示されるパターンを作成した。図57に示されるパターンは、1mm2当たり直径約15μmに相当する5000個のドットを配列させたものである。できるだけ均一にドットが分布したものとするため、設定したドット密度に対応する三角格子を設定し、その格子点から、ドットの中心座標XおよびYのそれぞれを、設定された三角格子の格子に対してシフトさせることによりパターンを生成した。なお、シフト後の座標の決定には、下記に示すC#(Microsoft社により開発されたプログラミング言語であり、言語仕様は「JIS X 3015プログラム言語C#」等により規定されている)によるプログラムコードを用いた。この関数に、Averageとしてシフトさせる格子点の座標値(XまたはY)およびDeviationに対して0.3×15μmを与えることで、ドット位置をランダムにシフトさせた。この時、擬似乱数(C#プログラムコードにおける「RandomFunction()」)は広島大学のグループにより提案されたSIMD oriented Fast Mersenne Twisterプログラム、SFMT ver1.3.3に対し、種として数値607を与えることにより得た。
(比較例2で用いたC#によるプログラムコード)
//cx,cy:新たに描画するドット中心のX座標・Y座標を示す。
//px,py :設定された三角格子点のX座標・Y座標を示す。
//pD:0.3
//CoreSize:ドットの直径
cX = NormalRandom(px, pD * CoreSize);
cY = NormalRandom(py, pD * CoreSize);
//乱数の正規化関数
// RandomFunction():乱数を返す関数。
// RandomFunctionValueMax():乱数が取る値の最大値を返す関数。
// Math :.NET Framework Mathクラスライブラリ
public double NormalRandom(double Average,double Deviation)
{
double buff = 0;
buff = Deviation*Math.Sqrt(-2 * Math.Log(((double)RandomFunction() / (do uble)RandomFunctionValueMax()))) * Math.Sin(2 * Math.PI * ((double)Rando mFunction() / (double)RandomFunctionValueMax()))+Average;
if(buff<0){buff=0;};
return buff;
}
図58は、図54に示される実施例1のランダムパターンの空間周波数分布と、図57に示される比較例2のパターンの空間周波数分布とを比較する図である。図58より、図57のパターンでは低空間周波数成分が大きく現れている一方、バンドパスフィルタおよび誤差拡散法を適用した図54のパターンにおいては、低空間周波数成分がより低減されており、より均一性に優れていることがわかる。
<実施例2>
図59に示されるランダムパターン(第4のパターン)を作成した。図59に示されるランダムパターンは、12800dpiの解像度で生成された32.768mm四方のパターンであり、図59はそのうち1.024mm四方を切り出したものである。図59に示される第4のパターンは、第1のパターンに対し、バンドパスフィルタを適用して第2のパターンを作成した後、誤差拡散法の適用により二値化して第3のパターンを作成し、さらに、モンテカルロ法を60回繰り返し適用して作成された第4のパターンである。用いた第1のパターンは、12800dpiの解像度で32.768mm四方の8ビットのビットマップイメージであり、8ビットの深度を有する2次元配列PIXCEL[x,y]に対し、PIXCEL[x,y]=R[x+y×ImageWidth]×255を代入することによって作成した。ここで、x、yは画像におけるピクセルの座標であり、ImageWidthはx座標の画素幅である。配列R[]として、「.NET Framework2.0クラス ライブラリ」に含まれるRandomクラスNextDoubleメソッドにより生成される0.0と1.0の間の値をとるKnuthの乱数ジェネレータ減算アルゴリズムによる擬似乱数列を用いた。バンドパスフィルタとしては、空間周波数範囲下限値Bが0.045μm-1であり、空間周波数範囲上限値Tが0.080μm-1であって、透過帯域ピークが、低空間周波数側の傾斜がより急峻である非対称形状を有するバンドパスフィルタを用いた。また、誤差拡散マトリクスとしては、図33に示される拡散距離が3である誤差拡散マトリクスと図34に示される拡散距離が4である誤差拡散マトリクスとを0.4:0.6の割合で合成したもの(図33×0.4+図34×0.6)を用いた。図59に示されるランダムパターンの空間周波数分布を図60に示す。低空間周波数成分が低減されており、均一性に優れていることがわかる。
<実施例3>
図61に示されるランダムパターン(第4のパターン)を作成した。図61に示される単位パターンは、12800dpiの解像度で生成された32.768mm四方のパターンであり、図61はそのうち1.024mm四方を切り出したものである。図61に示される第4のパターンは、第1のパターンに対し、バンドパスフィルタを適用して第2のパターンを作成した後、誤差拡散法の適用により二値化して第3のパターンを作成し、さらに、モンテカルロ法を60回繰り返し適用して作成された第4のパターンである。用いた第1のパターンは、12800dpiの解像度で32.768mm四方の8ビットのビットマップイメージであり、8ビットの深度を有する2次元配列PIXCEL[x,y]に対し、PIXCEL[x,y]=R[x+y×ImageWidth]×255を代入することによって作成した。ここで、x、yは画像におけるピクセルの座標であり、ImageWidthはx座標の画素幅である。配列R[]として、「.NET Framework2.0クラス ライブラリ」に含まれるRandomクラスNextDoubleメソッドにより生成される0.0と1.0の間の値をとるKnuthの乱数ジェネレータ減算アルゴリズムによる擬似乱数列を用いた。バンドパスフィルタとしては、空間周波数範囲下限値Bが0.055μm-1であり、空間周波数範囲上限値Tが0.100μm-1であって、透過帯域ピークの形状がガウス関数型であるバンドパスフィルタを用いた。また、誤差拡散マトリクスとしては、図34に示される拡散距離が4である誤差拡散マトリクスと図35に示される拡散距離が5である誤差拡散マトリクスとを0.9:0.1の割合で合成したもの(図34×0.9+図35×0.1)を用いた。図61に示されるランダムパターンの空間周波数分布を図62に示す。低空間周波数成分が低減されており、均一性に優れていることがわかる。
<実施例4>
図63に示されるランダムパターン(第4のパターン)を作成した。図63に示される単位パターンは、12800dpiの解像度で生成された32.768mm四方のパターンであり、図63はそのうち1.024mm四方を切り出したものである。図63に示される単位パターンは、第1のパターンに対し、ハイパスフィルタを適用して第2のパターンを作成した後、誤差拡散法の適用により二値化して第3のパターンを作成し、さらに、モンテカルロ法を60回繰り返し適用して作成された第4のパターンである。用いた第1のパターンは、平均ドット径が8μmであるドットを10000個/mm2の密度でランダムに分布させることにより作成した。この際、できるだけ均一にドットが分布したものとするため、設定したドット密度に対応する三角格子を設定し、その格子点から、ドットの中心座標XおよびYのそれぞれを、設定された三角格子の格子に対してシフトさせることによりパターンを生成した。なお、シフト後の座標の決定は、比較例2で用いたのと同じプログラムコードを用い、同様にして行なった。
ハイパスフィルタとしては、空間周波数範囲下限値B’が0.067μm-1であるハイパスフィルタを用いた。また、誤差拡散マトリクスとしては、図34に示される拡散距離が4である誤差拡散マトリクスと図35に示される拡散距離が5である誤差拡散マトリクスとを0.9:0.1の割合で合成したもの(図34×0.9+図35×0.1)を用いた。
<比較例3>
閾値法を用いて二値化したこと以外は実施例4と同様にして、図75に一部を示すパターンを作成した。
図65は、図63に示されるパターンの空間周波数分布と、図64に示されるパターンの空間周波数分布とを比較する図である。図65より、誤差拡散法を適用した図63のパターンは、低空間周波数成分がより低減されており、均一性により優れていることがわかる。
<ハイパスフィルタの適用によるパターンの作成および評価>
以下に示す方法により、パターン1〜15を作成した。
(1)パターン1:平均ドット径が24μmであるドットを1111個/mm2の密度でランダムに分布させることにより作成した、図66に一部を示す第1のパターンAに対し、空間周波数範囲下限値B’が約0.07μm-1であるハイパスフィルタを適用して第2のパターンを作成した後、127を閾値とした閾値法により二値化してパターン1を得た。図67は、パターン1を一部拡大して示す図である。なお、上記第1のパターンの作成にあたっては、実施例4で用いた第1のパターンと同じ方法を採用してドット分布の均一化を図った。
(2)パターン2:パターン1の作成に用いた第2のパターンに、図34に示される拡散距離が4である誤差拡散マトリクスと図35に示される拡散距離が5である誤差拡散マトリクスとを0.9:0.1の割合で合成した誤差拡散マトリクス(図34×0.9+図35×0.1)を用いた誤差拡散法を適用して第3のパターンであるパターン2を得た。図68は、パターン2を一部拡大して示す図である。
(3)パターン3:パターン2にモンテカルロ法を60回繰り返し適用して第4のパターンであるパターン3を得た。図69は、パターン3を一部拡大して示す図である。
(4)パターン4:平均ドット径が20μmであるドットを1600個/mm2の密度でランダムに分布させることにより作成した、図70に一部を示す第1のパターンBを用いたこと以外は、パターン1と同様にしてパターン4を得た。図71は、パターン4を一部拡大して示す図である。
(5)パターン5:パターン4の作成に用いた第2のパターンに、図34に示される拡散距離が4である誤差拡散マトリクスと図35に示される拡散距離が5である誤差拡散マトリクスとを0.9:0.1の割合で合成した誤差拡散マトリクス(図34×0.9+図35×0.1)を用いた誤差拡散法を適用して第3のパターンであるパターン5を得た。図72は、パターン5を一部拡大して示す図である。
(6)パターン6:パターン5にモンテカルロ法を60回繰り返し適用して第4のパターンであるパターン6を得た。図73は、パターン6を一部拡大して示す図である。
(7)パターン7:平均ドット径が16μmであるドットを2500個/mm2の密度でランダムに分布させることにより作成した、図74に一部を示す第1のパターンCを用いたこと以外は、パターン1と同様にしてパターン7を得た。図75は、パターン7を一部拡大して示す図である。
(8)パターン8:パターン7の作成に用いた第2のパターンに、図34に示される拡散距離が4である誤差拡散マトリクスと図35に示される拡散距離が5である誤差拡散マトリクスとを0.9:0.1の割合で合成した誤差拡散マトリクス(図34×0.9+図35×0.1)を用いた誤差拡散法を適用して第3のパターンであるパターン8を得た。図76は、パターン8を一部拡大して示す図である。
(9)パターン9:パターン8にモンテカルロ法を60回繰り返し適用して第4のパターンであるパターン9を得た。図77は、パターン9を一部拡大して示す図である。
(10)パターン10:平均ドット径が12μmであるドットを4444個/mm2の密度でランダムに分布させることにより作成した、図78に一部を示す第1のパターンDを用いたこと以外は、パターン1と同様にしてパターン10を得た。図79は、パターン10を一部拡大して示す図である。
(11)パターン11:パターン10の作成に用いた第2のパターンに、図34に示される拡散距離が4である誤差拡散マトリクスと図35に示される拡散距離が5である誤差拡散マトリクスとを0.9:0.1の割合で合成した誤差拡散マトリクス(図34×0.9+図35×0.1)を用いた誤差拡散法を適用して第3のパターンであるパターン11を得た。図80は、パターン11を一部拡大して示す図である。
(12)パターン12:パターン11にモンテカルロ法を60回繰り返し適用して第4のパターンであるパターン12を得た。図81は、パターン12を一部拡大して示す図である。
(13)パターン13:平均ドット径が8μmであるドットを10000個/mm2の密度でランダムに分布させることにより作成した、図82に一部を示す第1のパターンEを用いたこと以外は、パターン1と同様にしてパターン13を得た。図83は、パターン13を一部拡大して示す図である。
(14)パターン14:パターン13の作成に用いた第2のパターンに、図34に示される拡散距離が4である誤差拡散マトリクスと図35に示される拡散距離が5である誤差拡散マトリクスとを0.9:0.1の割合で合成した誤差拡散マトリクス(図34×0.9+図35×0.1)を用いた誤差拡散法を適用して第3のパターンであるパターン14を得た。図84は、パターン14を一部拡大して示す図である。
(15)パターン15:パターン14にモンテカルロ法を60回繰り返し適用して第4のパターンであるパターン15を得た。図85は、パターン15を一部拡大して示す図である。
第1のパターンA〜Eの空間周波数分布を図86に、パターン1〜15の空間周波数分布を図87〜91に示す。また、図92は、パターンの作製方法の違いによる低空間周波数成分の低減の程度をまとめたものである。図92に示されるように、平均ドット径が異なるいずれの第1パターンを用いる場合であっても、ハイパスフィルタの適用、さらには誤差拡散法、モンテカルロ法の適用により、低空間周波数成分が効果的に低減されることがわかる。特に、誤差拡散法を適用した第3のパターンおよびさらにモンテカルロ法を適用した第4のパターンで、低空間周波数成分の低減効果が顕著である。
ハイパスフィルタを用いる場合、バンドパスフィルタと異なり、抽出する空間周波数領域に上限値を設けないため、孤立ドットの発生も懸念されるが、上記パターン1〜15のように、用いる第1のパターンがドットをランダムに配置したパターンである場合、図93に示すように孤立ドットの多発は見られなかった。
一方、図94に示されるような明度分布をランダムに配置した第1のパターンを用いる場合、これにハイパスフィルタを適用し、閾値法により二値化したパターン、および、ハイパスフィルタを適用し、誤差拡散法により二値化したパターンでは孤立ドットが十分な程度まで低減されにくく、モンテカルロ法の適用により孤立ドットの低減処理を行なうことが好ましい。
図95は、図94に示される第1のパターンに対し、上記パターン1の作成と同様の方法でハイパスフィルタの適用および閾値法による二値化を行なって得られたパターンを一部拡大して示す図である。図96は、図94に示される第1のパターンに対し、上記パターン2の作成と同様の方法でハイパスフィルタの適用および誤差拡散法による二値化を行なって得られたパターンを一部拡大して示す図である。図97は、図94に示される第1のパターンに対し、上記パターン3の作成と同様の方法でハイパスフィルタの適用、誤差拡散法による二値化およびモンテカルロ法の適用を行なって得られたパターンを一部拡大して示す図である。図98は、図95〜97に示されるパターンの孤立ドット発生個数を示す図である。また、図99は、図94〜97に示されるパターンの空間周波数分布を比較する図である。図98および99に示されるように、第1のパターンが高空間周波数成分を多く含む場合であっても、ハイパスフィルタおよびモンテカルロ法の適用により、低空間周波数成分が十分に低減されているとともに、孤立ドットの発生が少ない良好なパターンが得られることがわかる。
1 ドット。

Claims (10)

  1. 複数のドットがランダムに配置された、または明度分布が配置された第1のパターンに対し、第1のパターンに含まれる空間周波数成分から、空間周波数が特定値未満である低空間周波数成分を少なくとも除去または低減するフィルタを適用して第2のパターンを作成する工程と、
    前記第2のパターンにディザリング法を適用することにより、離散化された情報に変換された第3のパターンを作成する工程と、
    を備えるランダムパターンの作成方法。
  2. 前記第3のパターンは、2段階に離散化された情報に変換されたパターンである請求項1に記載のランダムパターンの作成方法。
  3. 2段階に離散化された情報に変換された第3のパターンに対し、モンテカルロ法により孤立した黒、もしくは白ピクセルを移動させて第4のパターンを作成する工程をさらに備える請求項2に記載のランダムパターンの作成方法。
  4. 前記ディザリング法は、誤差拡散法である請求項1〜3のいずれかに記載のランダムパターンの作成方法。
  5. 3ピクセル以上、6ピクセル以下の範囲に変換誤差を拡散させる誤差拡散法を適用することにより、第3のパターンを作成する請求項4に記載のランダムパターンの作成方法。
  6. 前記フィルタは、前記第1のパターンに含まれる空間周波数成分から、空間周波数が特定値未満である低空間周波数成分のみを除去または低減するハイパスフィルタである請求項1〜5のいずれかに記載のランダムパターンの作成方法。
  7. 前記フィルタは、前記第1のパターンに含まれる空間周波数成分から、空間周波数が0.01μm-1未満である低空間周波数成分のみを除去または低減するハイパスフィルタである請求項6に記載のランダムパターンの作成方法。
  8. 前記フィルタは、前記第1のパターンに含まれる空間周波数成分から、空間周波数が特定値未満である低空間周波数成分を除去または低減するとともに、空間周波数が特定値を超える高空間周波数成分を除去または低減することにより、特定範囲の空間周波数成分を抽出するバンドパスフィルタである請求項1〜5のいずれかに記載のランダムパターンの作成方法。
  9. 前記第2のパターンを作成する工程において、前記バンドパスフィルタの適用により抽出される前記特定範囲の空間周波数成分における空間周波数の下限値Bは0.01μm-1以上であり、上限値Tは、1/(D×2)μm-1以下〔D(μm)は、前記第3もしくは第4のパターンに基づいて印刷を行なう印刷装置または前記第3もしくは第4のパターンに基づいて凹凸形状を加工する装置の分解能である。〕である請求項8に記載のランダムパターンの作成方法。
  10. 前記特定範囲の空間周波数成分における空間周波数の下限値Bの逆数である最長周期長1/Bおよび上限値Tの逆数である最短周期長1/Tによって下記式:
    BandWidth(%)=100×(1/B−1/T)/(1/B+1/T)
    で表されるBandWidthが下記式:
    15≦BandWidth(%)≦70
    を満たす請求項9に記載のランダムパターンの作成方法。
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