JP2001330717A - 回折格子パターンとその作製方法 - Google Patents

回折格子パターンとその作製方法

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JP2001330717A
JP2001330717A JP2000146809A JP2000146809A JP2001330717A JP 2001330717 A JP2001330717 A JP 2001330717A JP 2000146809 A JP2000146809 A JP 2000146809A JP 2000146809 A JP2000146809 A JP 2000146809A JP 2001330717 A JP2001330717 A JP 2001330717A
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diffraction grating
area
diffracted light
grating pattern
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JP2000146809A
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Akira Nagano
彰 永野
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H1/00Holographic processes or apparatus using light, infrared or ultraviolet waves for obtaining holograms or for obtaining an image from them; Details peculiar thereto
    • G03H1/04Processes or apparatus for producing holograms
    • G03H1/0493Special holograms not otherwise provided for, e.g. conoscopic, referenceless holography
    • G03H2001/0497Dot matrix holograms

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  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】回折格子からなる微小なセルをマトリクス状に
複数個配置し、それらの集まりによって表現されるパタ
ーンにおいて、表現されるべきパターン(画像)を構成
する回折光とは異なる、強いピークを持った冗長な回折
光の影響を低減し、パターン(画像)の視認度を向上さ
せ、元のデザインを忠実に再現する。 【解決手段】各セルを、各々の配置領域内でセルの間隔
に起因する強いピークを持った回折光が発生しにくくな
るよう、不規則な間隔で配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板の表面に、回
折格子からなる微小なセル(ドット)をマトリクス状に
複数個配置し、それらの集まりによって表現されるパタ
ーンおよびその作製方法に関し、特に、表現されるべき
パターン(画像)を構成する回折光とは異なる、強いピ
ークを持った冗長な回折光の影響を低減し、パターン
(画像)の視認度を向上させる回折格子パターンとその
作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】回折格子パターン(微小なセル,ドット
を構成単位としないパターンであっても、回折格子を構
成単位とするものを称することとする)は、通常の印刷
技術では表現することのできない指向性のある光沢を有
することから、ディスプレイの用途や偽造防止を目的と
したセキュリティ商品に広く用いられており、より多彩
でオリジナリティの高いパターンを作製することが要求
されている。
【0003】回折格子パターンの装飾性やセキュリティ
ー性を一層向上させると共に、新たな機能(3次元表示
など)を付与することで、上記の要求に応える提案がさ
れており、本出願人による一連の出願が代表的である。
それらは、平面状の基板の表面に、回折格子からなる微
小なセル(ドット)を複数個配置することにより構成さ
れるディスプレイ(パターン)に関する。
【0004】上記ディスプレイを作製する方法として
は、特開昭60−156004号公報に例示されるよう
な方法が公知である。この方法は、レーザー光の2光束
干渉による微小な干渉縞(回折格子)を、そのピッチ,
方向,および光強度を変化させて、感光性フィルムに次
々と露光するものである。
【0005】一方、レーザーではなく電子ビーム露光装
置を用い、かつコンピュータ制御により、平面状の基板
が載置されたX−Yステージを移動させて、基板の表面
に、回折格子からなる複数の微小なドットを配置するこ
とにより、回折格子パターンが形成されたディスプレイ
を作製する方法も提案されている。上記方法は、特開平
2−72320号公報や、米国特許5,058,992
号に開示されている。
【0006】また、特開平3−39701号公報におい
ては、輝度値に応じた各セルからの回折光の光量に合わ
せてセルの面積を拡大,縮小させる思想が開示されてい
る。
【0007】尚、ディスプレイ(回折格子パターン)の
構成単位である「セル」および「ドット」は同義語とし
て扱われるが、本特許においては、その他の用語につい
て、以下のように定義する。
【0008】回折格子の「配置領域」または「描画領
域」とは、マトリクス状に区分けされた各要素を指す。
配置領域内に任意の面積で存在し、実際に回折格子構造
(レリーフ型回折格子の場合は、凹凸構造)を有する部
分を「セル」と称する。さらに、製造物は「回折格子パ
ターン」として、以後の説明を統一する。
【0009】ところで、このような回折格子パターン
は、回折格子の配置領域がマトリクス状に構成される性
質上、セル内部に存在する回折格子による回折光だけで
なく、各セルそのものが回折格子として作用し、冗長な
回折光が発生するという問題点がある。
【0010】すなわち、回折格子は、一定周期の格子縞
(レリーフ型の場合は、縞状の凹凸の繰り返し)である
が、セル自体が一定周期で配置されることにより、その
周期性に起因する回折現象が生じることもある。
【0011】このセル構造に起因する回折光は、本来の
設計によって各セル内に形成される回折格子と比較し
て、格子間隔が広く、低周波成分を有する回折光を発生
させ、本来観察されるべきセル内の回折格子による回折
光と重なって観察されてしまい、視認効果を低下させて
いる。
【0012】通常、セルで構成される回折格子パターン
において、各画素の輝度を表現するには、輝度値(明る
さ)に対応してセルの面積を変化させる方法を用いてい
る。すなわち、全てのセルが最大の輝度値を有し、各セ
ルの配置領域内が全て回折格子で埋め尽くされているよ
うなパターンであれば、パターン全体から発生する回折
現象による光は、本来の回折格子によるものが大部分を
占めるようになる。
【0013】しかし、回折格子パターン内において、各
セルが様々な輝度値を有するような場合には、回折格子
の描画されている部分(セルの存在する部分)と、描画
されていない部分(配置領域内のセルの存在しない部
分)とが存在する。このような場合には、各セルとセル
以外の部分とが、回折現象の起きる条件となる「スリッ
ト部分(開口)と、それとは異なる遮光部分の組み合わ
せ」として振る舞い、意図しない回折光を生み出すこと
となる。意図しない回折光の発生は、各セルとセル以外
の部分とが周期性を伴う場合に顕著となる。
【0014】一般に、このような現象により発生した回
折光は、周期性に応じた強いピークを持ち、回折格子パ
ターンのデザインの背景部分に、光の帯のように知覚さ
れ、周辺部分において観察される像のコントラストを低
減させる。
【0015】図1に光の回折現象を、図2に全てのセル
が最大の輝度値を有している場合の回折現象を、図3に
様々な輝度値を持つセルの構造に起因する回折現象を示
す。
【0016】図1のように、単独のセルに対して入射光
を照射する場合は、セルを構成する回折格子(同図に黒
で示す遮光部と、白で示すスリット部とが、交互に周期
性を伴って配置される)によって、正負の回折光(主
に、1次)が発生する。
【0017】図2のように、それぞれ隙間無く配置され
た複数(同図では、3×3=9個)のセルからなるパタ
ーンに対して入射光を照射する場合、パターン全体から
発生する回折現象による光は、回折格子(同図では、全
て、左下がりのストライプ)によるものが大部分を占め
る。すなわち、図2の場合が、上述の「全てのセルが最
大の輝度値を有し、各セルの配置領域内が全て回折格子
で埋め尽くされているようなパターン」に当たり、意図
しない回折光は、殆ど発生しない。
【0018】何らかの絵柄をパターンとして表現する
際、図2のように画素である全てのセルが等しい面積で
隙間無く配置されることは少ない。一般に、表現する絵
柄(元のデータ)に応じて、画素の存在する部分と存在
しない部分とに分かれる。また、画素それぞれは、面積
を変えることで輝度が変調されたり、フルカラー画像を
構成する場合には、表示する色に応じて、色分解される
3原色(例えば、赤・緑・青)の比率が変化する。従っ
て、一般的なパターンは、図3に例示するようになる。
【0019】図3のように、各セルが様々な輝度値を有
するパターンに対して入射光を照射する場合には、回折
格子の描画されている部分(セルの存在する部分)と、
描画されていない部分(セルの存在しない部分)とが存
在し、セル領域と非セル領域とが、図1における「遮光
部とスリット部」として機能してしまい、本来の回折格
子(図3の左下がりのストライプ)からの回折光とは異
なる「セル構造による±1次回折光」が、上述した「意
図しない回折光」として生み出される。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、セルを構成
単位とする回折格子パターンにおいて、観察される画像
の品質を損ねることなく、セル配置に起因する意図しな
い回折光の悪影響を低減させ、より元のデザインに忠実
な画像を表現できる回折格子パターンとその製造方法を
提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明では、各セルを各
々の配置領域内でセル構造による強いピークを持った回
折光が発生しにくくなるよう不規則に配置することで、
上記の目的を達成する。
【0022】請求項1の発明による回折格子パターン
は、回折格子からなる微小なセルが、基板表面にマトリ
クス状に複数配置されることにより構成され、回折格子
の空間周波数,回折格子の方向,前記セルの配置される
領域の少なくとも何れかが変化してなるパターンにおい
て、面積の大小により、セルから出射する回折光の光量
を制御した各セルが、それぞれの周辺のセルと、不規則
な間隔で離間して配置されていることを特徴とする。
【0023】請求項2の発明は、上記(請求項1記載
の)回折格子パターンにおいて、面積の大小により、セ
ルから出射する回折光の光量を制御した各セルが、予め
決定される各セルの最大輝度に相当する描画領域内に存
在していることを特徴とする。
【0024】請求項3の発明は、上記(請求項2記載
の)回折格子パターンにおいて、面積の大小により、セ
ルから出射する回折光の光量を制御した各セルが、予め
決定される各セルの最大輝度に相当する描画領域内で、
それぞれの周辺のセルと拡大,縮小,相似などの関連性
がない形状を成していることを特徴とする。
【0025】請求項4の発明は、上記(請求項1〜3の
何れかに記載の)回折格子パターンにおいて、セルの面
積と、セルから出射する回折光の光量とが比例関係にあ
ることを特徴とする。
【0026】請求項5の発明は、上記(請求項2〜3の
何れかに記載の)回折格子パターンにおいて、予め決定
される各セルの最大輝度に相当する描画領域のサイズ
が、300μm角以下であることを特徴とする。
【0027】請求項6の発明による回折格子パターンの
製造方法は、コンピュータ・グラフィックスや、スキャ
ナ, デジタルカメラなどにより得られる画像データの各
画素から、各画素に対応したセルを構成する回折格子の
空間周波数,回折格子の方向,回折格子の配置領域等を
決定するステップと、各画素の輝度値から、セルの面積
を決定するステップと、各セルを、それぞれの周辺に存
在する任意のセルと、不規則な間隔で離間して再配置す
るステップと、を含み、上記ステップに基づいて、各セ
ルを描画していくステップからなることを特徴とする。
【0028】請求項7の発明は、上記(請求項6記載
の)回折格子パターンの製造方法において、各画素の輝
度値から面積を決定された各セルについて、予め決定さ
れる各セルの最大輝度に相当する描画領域内に、ランダ
ムに配置位置を選定するステップを含むことを特徴とす
る。
【0029】請求項8の発明は、上記(請求項7記載
の)回折格子パターンの製造方法において、各画素の輝
度値から面積を決定された各セルについて、予め決定さ
れる各セルの最大輝度に相当する描画領域内で、それぞ
れの周辺のセルと拡大,縮小,相似などの関連性がない
形状を成すように、各セルの外形を決定するステップを
含むことを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。図4は、回折格子
セルを形成する手法を概念的に示す説明図である。上述
のように、回折格子セルの形成方法は、2光束干渉法に
よる光学的な露光形成と、電子線(EB)描画による形
成の2通りが代表的であり、図4(a) が2光束干渉法、
図4(b) が電子線(EB)描画法を示す説明図である。
【0031】レーザー光を用いる2光束干渉法では、感
光材料面で2光束のレーザーが干渉する直前に、所望の
明るさに対応するマスクを設置し、レーザーによる露光
面積を規定することでセルの輝度値を確定する。(図4
(a) )
【0032】また、マスクを用いずセルの面積は全て同
一とし、各セルでの露光時間を増減させることでセルの
輝度値(回折効率)を確定する方法もある。
【0033】一方、電子線(EB)描画法では、輝度値
に対応した各セル固有の面積の内部に回折格子を描画し
てセルの輝度値を確定する。(図4(b) )
【0034】上記のような形成方法により作製された回
折格子パターンは、図5〜7の各図に示すように、所定
面積のセルが配置された構成となる。
【0035】図5は、全てのセルが最大の輝度値を有
し、回折格子の配置領域とセルの面積が同じ場合のパタ
ーンの一例である。この場合、回折格子パターン全体に
回折格子が形成されているため、セル構造の周期性に起
因した回折光は非常に弱い。
【0036】しかし、一般に回折格子パターンとして、
絵や文字等のデザインを施す場合、その表現方法の多様
さから各セルの面積を画素の輝度値に対応し変化させ、
階調をつけることが行われる。
【0037】従来の手法により、面積を変化させ階調を
施したセルは、図6に示すように、配置領域の左右上下
のいずれかの辺に接するように配置するか、もしくは図
7に示すように、配置領域の中心点を基準としてそれぞ
れのセルを配置する、という手法が用いられていた。
【0038】図6に示すように各セルを配置すると、等
間隔で配置された隣接しているセルの周期性に起因する
回折光が発生されることとなる。同図(4×4=16セ
ル)の2行目から、セル配置に起因する±1次回折光が
生じているが、それぞれのセルは配置領域の右辺に接し
て配置されているため、セルの配置間隔(ピッチ)は、
配置領域の上下の辺の長さに等しく周期性を持つことに
なるためである。
【0039】セル配置に起因する(意図しない)回折格
子は、各セルに形成された回折格子よりも非常に大きな
格子間隔を持ち、本来の(セル内の)回折格子と比較し
て、回折角度の小さい回折光を発生させる。
【0040】また、その(意図しない)回折格子は、バ
イナリー格子と見なすことができるため、高次の回折光
まで含めて、比較的強い強度分布をなす。
【0041】この場合、(意図しない)回折光は、(意
図しない)回折格子の周期性が左右方向であるため、左
右方向に生じることになり、パターンを観察した場合
(図6では、左または右からの観察)に渡るノイズ成分
として強く知覚される。
【0042】一方、図7に示すように、各配置領域の中
心部にそれぞれセルを配置した場合には、マトリクスの
配置方向に応じて、すなわち同図での上下および左右方
向に回折光が発生することになる。そのため、図7に示
す場合においては、セル構造に起因して生成される±1
次回折光は、同図の右列に図示する「手前−奥方向」
と、同図の1行に図示する「左−右方向」の2種類のノ
イズ成分として知覚される。
【0043】本発明では、図8に例示するように、各セ
ルを、左右方向のセル配置に基づく周期性を排除し、セ
ルを再構成することで、図6に示したような(意図しな
い)回折光成分を低減することが可能とする。
【0044】これは、上下方向や斜め方向についても、
セル構造の周期性が見られる場合でも適用が可能であ
り、同様の効果を見込むことができる。
【0045】また、配置領域の中心にセルを配置する場
合においても、図9に例示するように、周辺のセル配置
間隔が一様とならないようにそれぞれ座標をずらすこと
で、セル構造に起因する回折光を低減することが可能と
なる。
【0046】この場合、セルの配置座標を上下方向に移
動させることで、上下方向に発生する回折光成分を、左
右方向に移動させることで、左右方向に発生する回折光
成分を低減できる。
【0047】このように、表現するパターンの元データ
に忠実に配置されるセルが、配置領域の外形に接してい
ない場合は、請求項2に記載したように、領域内では何
れの方向にもセルを移動させることが可能であるため、
効果的にセル構造に起因する回折光の低減を図ることが
できる。
【0048】一方、表現するパターンの元データに忠実
に配置されるセルが、図10(a) に示すように、配置領
域の外形に接している場合においても、図10(b) に示
すように、輝度値に対応しているセルの面積を変化させ
ることなく形状を変化させることで(例えば、縦横=50
×30μmのセルを、縦横=30×50μmのセルとして再構
築する等の処理を行うことで)、上述の効果を実現する
ことができる。(請求項3に相当)
【0049】さらに、図1(c) に例示するように、形状
を変化させた後のセルの形状は、元データの画素の形状
に忠実である必要はなく、矩形ではなく、他の任意の形
状を成しても良い。
【0050】当然、表現するパターンの元データに対し
て、セルの配置のみならず形状までも任意に変えること
は、「回折格子パターンによる元データの忠実な再現」
ではないが、セルのサイズ(配置領域のサイズ)が特定
値よりも小さければ、肉眼で観察する場合には、そのよ
うな変更は、人間が識別できるものではない。
【0051】視力に応じた分解能,パターンの標準的な
観察距離などから、上記のサイズを決めることができ
る。肉眼で識別することが困難な程度のセルの大きさを
定めるにあたって、例えば、視力0.7の人が70cm
離れてパターンを視覚する場合について考える。視力が
0.7の人の眼の分解能は、1.4分(=1.4°/6
0)であり、70cm離れて、300μm以上離れた2
点を識別することができる。従って、回折格子パターン
を70cm離れて視覚する場合に、サイズが300μm
角以下のセルについては、その存在(当然、形状も)を
認識することができないため、本発明の目的が達成され
る。
【0052】上記のケースよりも視力の良い人が、さら
に近づいてパターンを視覚する場合については、 (1) 視力が1.0の人の眼の分解能は1.0分=(1.0
/60)°であり、50cm離れて、150 μm以上離れた2
点を識別することができる。 (2) 視力が1.5の人の眼の分解能は0.66分=(0.
66/60)°であり、30cm離れて、58μm以上離れた2
点を識別することができる。
【0053】上記(1) のケースでは150 μm角以下,上
記(2) のケースでは58μm角以下とすれば、観察者には
セルの形状を識別することができず、セルのサイズを3
00μm角よりも遙かに小さくすれば、一層、本発明の
目的に合致するが、実用上、最初のケースが一般的であ
り、「予め決定される各セルの最大輝度に相当する描画
領域のサイズを、300μm角以下とする」ことは、妥
当な数値範囲である。
【0054】上記のような手法により形状,配置位置等
が決定されたセルは、請求項6〜8に示す手順に基づく
回折格子パターンの作製方法により、実現することが可
能である。
【0055】特に、請求項4に示すように、セルの面積
と元データの画素の持つ輝度値の間に比例関係が成り立
つようにセルの面積を決定することで、元となる画像の
輝度値との対応関係が明確となり、回折光の光量に作用
する露光量等の要素を、それぞれのセルで変化させる必
要がなくなるため、製造工程を簡略化することが可能と
なる。製造工程が簡略化されるとは言え、セルの配置を
不規則にしたことで、精巧な偽造パターンを作製するこ
とは極めて困難になり、製造物(回折格子パターン)の
セキュリティ性は、逆に向上することになる。
【0056】また、本発明は、立体感のある3次元画像
をデザインした回折格子パターンについても、同様に適
用が可能である。3次元画像の構成の一例としては、図
11に示すように、各視差画像の輝度値に対応するセル
が横方向に配置される構造を成しているため、各視差に
対応するセルの配置を置き換えることで、セル構造に起
因する回折光成分を低減することができる。
【0057】
【発明の効果】本発明による回折格子パターンは、セル
を各配置領域内において不規則に配置させたことから、
以下に示すような効果を有する。 (a) セルとセルでない部分の周期性による回折光の発生
を低減できるため、観察される回折格子パターンにデザ
インと無関係なノイズが強く現れることを回避すること
が可能である。 (b) セルの配置を不規則にするため、精巧な偽造パター
ンを作製することは極めて困難である。
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】回折格子による光の回折現象を示す説明図。
【図2】全てのセルが最大の輝度値を有している場合
の、回折格子パターンからの回折現象を示す説明図。
【図3】様々な輝度値を持つセルの構造に起因する回折
現象を示す説明図。
【図4】回折格子セルを形成する手法を概念的に示す説
明図であり、図4(a) が2光束干渉法、図4(b) が電子
線(EB)描画法を示す説明図である。
【図5】全てのセルが最大の輝度値を有し、回折格子の
配置領域と、セルの描画面積が同じである場合の回折格
子パターンに係る説明図。
【図6】セルの配置領域の辺に沿って配置されたセルに
よる回折光の発生を示す説明図。
【図7】セルの中心を基準に配置されたセルによる回折
光の発生を示す説明図。
【図8】セルを左右方向に移動し、再配置した状態を示
す説明図。
【図9】セルを上下左右方向に移動し、再配置した状態
を示す説明図。
【図10】セルの外形を変化させ、上下左右方向に移動
し、再配置した状態を示す説明図。
【図11】3次元画像を表現するセルについて、本発明
を適用する場合の一例を示す説明図。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回折格子からなる微小なセルが、基板表面
    にマトリクス状に複数配置されることにより構成され、
    回折格子の空間周波数,回折格子の方向,前記セルの配
    置される領域の少なくとも何れかが変化してなるパター
    ンにおいて、 面積の大小により、セルから出射する回折光の光量を制
    御した各セルが、それぞれの周辺のセルと、不規則な間
    隔で離間して配置されていることを特徴とする回折格子
    パターン。
  2. 【請求項2】面積の大小により、セルから出射する回折
    光の光量を制御した各セルが、予め決定される各セルの
    最大輝度に相当する描画領域内に存在していることを特
    徴とする請求項1記載の回折格子パターン。
  3. 【請求項3】面積の大小により、セルから出射する回折
    光の光量を制御した各セルが、予め決定される各セルの
    最大輝度に相当する描画領域内で、それぞれの周辺のセ
    ルと拡大,縮小,相似などの関連性がない形状を成して
    いることを特徴とする請求項2記載の回折格子パター
    ン。
  4. 【請求項4】セルの面積と、セルから出射する回折光の
    光量とが比例関係にあることを特徴とする請求項1〜3
    の何れかに記載の回折格子パターン。
  5. 【請求項5】予め決定される各セルの最大輝度に相当す
    る描画領域のサイズが、300μm角以下であることを
    特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の回折格子パタ
    ーン。
  6. 【請求項6】コンピュータ・グラフィックスや、スキャ
    ナ, デジタルカメラなどにより得られる画像データの各
    画素から、各画素に対応したセルを構成する回折格子の
    空間周波数,回折格子の方向,回折格子の配置領域等を
    決定するステップと、 各画素の輝度値から、セルの面積を決定するステップ
    と、 各セルを、それぞれの周辺に存在する任意のセルと、不
    規則な間隔で離間して再配置するステップと、を含み、
    上記ステップに基づいて、各セルを描画していくステッ
    プからなることを特徴とする回折格子パターンの作製方
    法。
  7. 【請求項7】各画素の輝度値から面積を決定された各セ
    ルについて、予め決定される各セルの最大輝度に相当す
    る描画領域内に、ランダムに配置位置を選定するステッ
    プを含むことを特徴とする請求項6記載の回折格子パタ
    ーンの作製方法。
  8. 【請求項8】各画素の輝度値から面積を決定された各セ
    ルについて、予め決定される各セルの最大輝度に相当す
    る描画領域内で、それぞれの周辺のセルと拡大,縮小,
    相似などの関連性がない形状を成すように、各セルの外
    形を決定するステップを含むことを特徴とする請求項7
    記載の回折格子パターンの作製方法。
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