JP2011117315A - 内燃機関 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの燃焼爆発時にピストンにかかる摩擦力を低減する。
【解決手段】ピストン3のスカート部26においてスラスト側または反スラスト側の少なくとも一方の側に厚肉部26aと薄肉部26bとを形成した。薄肉部26bは、第1の薄肉部26b1と、第1の薄肉部26b1の領域の内側に配置された第2の薄肉部26b2とを有している。第2の薄肉部26b2は、第1の薄肉部26b1よりも薄く形成されており、薄肉部26bは、シリンダ2のライナー部2aへの衝突点に向かって階段状に薄くなるように形成されている。これにより、エンジン1の燃焼爆発時にピストン3にかかる摩擦力を低減できる。
【選択図】図5
【解決手段】ピストン3のスカート部26においてスラスト側または反スラスト側の少なくとも一方の側に厚肉部26aと薄肉部26bとを形成した。薄肉部26bは、第1の薄肉部26b1と、第1の薄肉部26b1の領域の内側に配置された第2の薄肉部26b2とを有している。第2の薄肉部26b2は、第1の薄肉部26b1よりも薄く形成されており、薄肉部26bは、シリンダ2のライナー部2aへの衝突点に向かって階段状に薄くなるように形成されている。これにより、エンジン1の燃焼爆発時にピストン3にかかる摩擦力を低減できる。
【選択図】図5
Description
本発明は、内燃機関に関し、更に詳しくは、ピストンにかかる摩擦力を低減することが可能な内燃機関に関する。
一般的な直噴型のディーゼルエンジンにおいては、ピストンの並進運動をクランク軸の回転運動に変えるクランク機構を設けている。このピストンの主な役割は、燃焼爆発で受けた圧力をピストンピンおよびコネクティングロッドを介してクランク軸に伝達することであり、このような機構の特性上、ピストンはスラスト力を受ける。
このスラスト力は、ピストンのスカート部とシリンダのライナー部との間に生じるが、その間に油を介在させ油膜を保持することにより、ピストンが油膜の面上を摺動することになり、ピストンのスカート部が受ける摩擦力を大幅に低減することができる。
しかしながら、スラスト力は近年の燃焼爆発圧力の上昇を受けて強大になり、油膜だけでは支えきれなくなりつつある。このため、油膜が切れてスカート部とライナー部とが一部接触した状態で摺動する、いわゆる境界潤滑状態に陥るとスカート部とライナー部との間の摩擦力が増大する、という問題がある。そして、これが、ディーゼルエンジンの燃料消費率を増大させる要因となる。
なお、ピストンのスラスト側および反スラスト側のスカート部の裏面に、周方向に隣接する薄肉部との間で段差状の剛性変化が生じるように局部的に肉厚部を設けたピストンがある(例えば特許文献1参照)。この特許文献1には、ピストンがシリンダ壁から反力を受けると、ピストンの厚肉部がそのままの形で内側へ押される一方、厚肉部に隣接する部位が逆に外側に膨らむように変形する結果、ピストンがシリンダ壁に圧接する接触面積を低減できるので、ピストンの摩擦力を低減できることが開示されている。
また、ピストンの少なくともスラスト側のスカート部の内面において、薄肉部の周方向両側に薄肉部から遠ざかるに従って連続的に厚くなるような厚肉部を設けた構造のピストンがある(例えば特許文献2参照)。この特許文献2には、スカート部の過大な変形が防止され、ピストンの傾動量を可及的に小さくでき、ラップ発生の防止およびスカート部の摩耗発生の防止が可能であることが開示されている。
また、ピストンのスラスト側において、ピストンピンよりも上側のスカート部の内周に凹部を設けて、スカート部の肉厚を局部的に薄肉にし、剛性を弱くしたピストンがある(例えば特許文献3参照)。この特許文献3には、ピストンのスラスト側のスカート部の上端がシリンダ内面に衝突する際に、スカート部の変形が大きくなり、衝撃力が緩和されることが開示されている。
また、ピストンのスラスト側のスカート部の厚さを、下方に向かって漸次厚くしたピストンがある(例えば特許文献4参照)この特許文献4には、ピストンのスラスト側のスカート部の上端がシリンダ内面に衝突する際、スカート部の薄肉部が変形し、衝撃力が緩和されることやピストンの移動方向に対して交差する位置に厚肉部と薄肉部との境界部分が形成されないのでピストンの摩擦力を低減できることが開示されている。
本発明の目的は、ピストンのスカート部においてスラスト側または反スラスト側の少なくとも一方の側に厚肉部と薄肉部とを工夫して形成することによりピストンにかかる摩擦力を低減することができる内燃機関を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の内燃機関は、内燃機関のピストンのスカート部においてスラスト側または反スラスト側の少なくとも一方の側に厚肉部と薄肉部とが形成されており、前記薄肉部は、前記スカート部の内周側においてピストンピンの径方向に対応する位置に配置された凹みにより形成されており、前記凹みは、前記スカート部の下端から前記ピストンの頂面に向かう方向に連続的に延在した状態で形成されており、前記スカート部の内周において前記スカート部の内周方向に沿って隣接する前記厚肉部と前記薄肉部との境界に段差部が形成されているものである。
また、上記の内燃機関において、前記薄肉部は、厚さの異なる複数の薄肉部を有しており、前記厚さの異なる複数の薄肉部は、シリンダへの衝突部に向かって階段状に薄くなるように配置されているものである。
また、上記の内燃機関において、前記薄肉部は、第1の薄肉部と、該第1の薄肉部の領域の内側に配置された第2の薄肉部とを有しており、前記第2の薄肉部の厚さが前記第1の薄肉部の厚さよりも薄く形成されているものである。
本発明の内燃機関によれば、ピストンのスカート部においてスラスト側または反スラスト側の少なくとも一方の側に厚肉部と薄肉部とを工夫して形成することにより、ピストンの摩擦力を低減することができる。これにより、内燃機関の燃料消費率を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態の内燃機関について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に本発明の実施の形態の内燃機関の要部断面図を示す。本実施の形態の内燃機関は、例えば、トラックのような自動車に搭載される直列4気筒のコモンレール式のディーゼルエンジン1として構成される。なお、本発明はディーゼルエンジンに限定されず、ガソリンエンジン等に適用することもできる。
このディーゼルエンジン(以下、エンジンという)1は、シリンダ(気筒)2内のピストン3の頂面に凹設されたキャビティ(燃焼室)4を有している。なお、図1はピストン3が上死点にある状態を示している。
シリンダ2の内周面にはライナー部2aが設けられ、この外側の厚肉部分には、冷却通路2bが設けられている。このシリンダ2の上部のシリンダヘッド5には、直噴用のインジェクタ6が、ピストン3の頂面中央に対向する位置に設置されている。
また、シリンダヘッド5においてインジェクタ6の左右には、吸気ポート7aおよび排気ポート7bが設置され、それぞれ吸気用のバルブ8aと排気用のバルブ8bとが設置されている。なお、符号9はバルブスプリング、符号10は回転カム、符号11はカムシャフト、符号12はロッカーアームをそれぞれ示している。
一方、シリンダ2内には、上記したピストン3が、シリンダ2の内周面のライナー部2aに沿って往復運動が可能なように設置されている。ピストン3は、例えばアルミニウム合金等からなり、その内側下部には、ピストンピンボス15が一体的に形成されている。
ピストン3は、ピストンピンボス15のピストンピン穴16に挿入されたピストンピン17を介してコネクティングロッド(連接部)18に接続され、さらにクランクピン19を介して、クランク室20内のクランクシャフト21に接続されている。このクランクシャフト21により、ピストン3の往復運動が回転運動に変換される。
次に、図2に図1のピストン3の断面図を示す。
ピストン3の外周上部に配置されているピストンリング装着部25には、トップランド25a、トップリング溝25b、セカンドランド25c、セカンドリング溝25d、サードランド25eおよびオイルリング溝25fが、ピストン3の上部から下部に向かって順に配置されている。トップリング溝25b、セカンドリング溝25dおよびオイルリング溝25fには、ピストン3の外周を一周するように図示しないメタルリングが装着される。
ピストン3においてピストンリング装着部25の下部には、スカート部26がピストン3と一体的に形成されている。スカート部26は、ピストン3の首振りを抑えピストンスラップ現象を抑制または防止する機能、ピストン3の表面積を増やしてピストン3の熱をシリンダ2側に逃がし易くする機能および燃焼圧力をクランク室20に逃がさないようにする機能等を有している。このスカート部26の内側に上記したピストンピンボス15等が設けられている。なお、符号27は、冷却流体を流す冷却空洞を示し、符号28はストラットを示している。
また、図3の右側に図2のピストン3の断面形状(プロフィル)等を示す。符号Rsは、ピストン3の基本径(ボア)、符号PF1(実線)はピストンピン17の軸に直角な方向のピストン3の断面形状、符号PF2(破線)はピストンピン17の軸方向のピストン3の断面形状、符号Bは基本径Rsからの減寸量をそれぞれ示している。
ピストン3のスカート部26の径の方が、ピストンリング装着部25の径よりも大きい。また、スカート部26においては、ピストンピン17の軸に直角な方向の径の方が、ピストンピン17の軸方向の径よりも大きい。なお、符号Cはピストンピン17の中心線、符号Dはピストン3の軸心Aとピストンピン17の中心線Cとのオフセット量、符号Eはコンプレッションハイトを示している。
次に、図2のピストン3について図4〜図7を参照しながら説明する。図4はピストン3の裏面側(ピストンピンボス15の形成面)を見た斜視図、図5は図4のピストン3の裏面の平面図、図6は図5のピストン3からコネクティングロッド18等を削除して示した平面図、図7は図6の破線で囲む領域Gの拡大平面図をそれぞれ示している。なお、図4〜図7において、符号Xはピストンピン17の軸に直角な方向、符号Yはピストンピン17の軸方向を示している。
本実施の形態のエンジン1(図1参照)においては、ピストン3のスカート部26のスラスト側または反スラスト側の少なくとも一方の側(ここでは両方)の厚さが部分的に薄く形成されている。すなわち、スカート部26に厚肉部26aと薄肉部26bとが一体的に形成されている。
このうち、薄肉部26bは、スカート部26の内周においてピストンピン17の径方向(ピストンピン17の軸に直角なX方向)に対応する位置に配置された凹み30により形成されている。この凹み30は、スカート部26の下端からピストン3の頂面に向かう方向に連続的に延在した状態で形成されている。
この薄肉部26b(凹み30)の寸法は、スカート部26の円周方向に関してはスラスト側、反スラスト側それぞれその円周の1/7〜1/9程度、好ましくは1/8の範囲であり、ピストン3の高さ方向に関してはスカート部26の下端部から3/8〜5/8程度、好ましくは1/2の範囲とされている。
薄肉部26bは、第1の薄肉部26b1と、その第1薄肉部261の領域の内側に隣接配置された第2の薄肉部26b2とを有している。第1の薄肉部26b1および第2の薄肉部26b2は、それぞれスカート部26の内周に形成された第1の凹み30aおよび第2の凹み30bにより形成されており、第2の薄肉部26b2(第2の凹み30b)は、第1の薄肉部26b1(第1の凹み30a)よりも薄く(深く)形成されている。
このように薄肉部26bは、シリンダ2のライナー部2aへの衝突点に向かって、階段状に薄くなるように形成されている。燃焼爆発時においては、最も薄く剛性の弱い第2の薄肉部26b2がシリンダ2のライナー部2aに最初に衝突し、続いて2番目に薄く剛性の弱い第1の薄肉部26b1がシリンダ2のライナー部2aに衝突する。
また、凹み30は、第1の段差部30c1と、第2の段差部30c2とを有している。第1の段差部30c1は、スカート部26の内周面において厚肉部26aと第1の薄肉部26b1との境界(厚肉部26aと凹み30aとの境界)に形成されている。また、第2の段差部30c2は、スカート部26の内周面において第1の薄肉部26b1と第2の薄肉部26b2との境界(第1の凹み30aと第2の凹み30bとの境界)に形成されている。
第1、第2の段差部30c1,30c2において第1、第2の凹み30a,30bの底面に対する傾斜角度は90度よりも小さくなるように形成されている。このため、その傾斜角度が90度の場合に比べて、凹み30は、なだらかな階段状に形成されている。
次に、このようなエンジン1の燃焼行程時のピストン3の挙動について図8〜図12を参照しながら説明する。
図8〜図11は燃焼行程時のピストン3のスカート部26およびシリンダ2を軸心A(図1等参照)に対して垂直に切断した箇所の要部断面図を示している。なお、図11では図面を見易くするため、ライナー部2aの図示を省略している。また、図11および図12のFn、Ft,Pはスカート部26bがシリンダ2を押圧する力を示している。
まず、図8に示すように、ピストン3は、そのスカート部26の外周とシリンダ2のライナー部2aの内壁との間に適度な距離を隔てた状態でシリンダ2内に収容されている。この状態でピストン3の上死点後にピストン3が爆発圧力を受けると、図9に示すように、ピストン3のスカート部26の第2の薄肉部26b2がシリンダ2のライナー部2aの内壁に押し付けられる。
このため、図10に示すように、スカート部26において他の部分よりも剛性の低い第2の薄肉部26b2は、ピストン3の内側に凹み始める。続いて、スカート部26において2番目に薄く剛性の低い第1の薄肉部26b1がシリンダ2のライナー部2aに衝突し、ピストン3の内側に凹む。すなわち、2段階で変形が進む。
その後、さらに変形が進むと、図11に示すように、スカート部26の厚肉部26aがシリンダ2のライナー部2aの内壁に接触し始める。厚肉部26aでは剛性が相対的に高い上、スラスト力は円弧部分で加わるので力Pは接線成分の力Ftと接線の直角成分の力Fnとに分割される。この接線成分の力Ftの反力はピストン3のスカート部26の第2の薄肉部26b2をさらに変形させる。その結果、ピストン3のスカート部26は、接線の直角成分の力Fnがかかる箇所で油膜が形成され摺動することになる。
一方、図12に従来のピストン50の燃焼行程時におけるスカート部51の状態を示す。この従来技術のピストン50の場合、スカート部51の厚さが一定であり、スカート部51のシリンダ52に対する衝突点51aの剛性が高い。このため、スカート部51の変形は小さく、スラスト力2Pはスカート部51の衝突点51aにかかり続ける。したがって、スカート部51の衝突点51aでは、荷重が大きく、境界潤滑状態に陥り易い。このため、ピストン50の摩擦力が増大する。
これに対して、本実施の形態のエンジン1のピストン3では、図11に示すピストン3のスカート部26からシリンダ2のライナー部2aに作用する力Ftが、図12に示す従来の衝突点51aに作用する力(=2P)よりも大幅に小さいため(Ft<<2P)、境界潤滑状態にはなり難い。このため、ピストン3のスカート部26とシリンダ2のライナー部2aとの間に発生する摩擦力を大幅に低減できる。
また、図13はピストン3を用いた場合にスカート部26の側面に形成される油膜形成面31(斜線の領域)の状態を示し、図14は図12の従来技術のピストン50を用いた場合にスカート部51の側面に形成される油膜形成面53(斜線の領域)の状態を示している。上記のようにピストン3は、スカート部26に作用する力を従来技術のピストン50よりも小さくすることができる上、図13および図14に示すように、油膜形成面31の面積を従来技術のピストン50よりも大きくすることができるので面圧を下げることができることから、ピストン3にかかる摩擦力を大幅に低減することができる。
したがって、本実施の形態のエンジン1においては、燃焼爆発時におけるピストン3にかかる摩擦力を低減することができるので、エンジン1の燃料消費率を低減することができる。
また、本実施の形態のエンジン1におけるピストン3のスカート部26においてはシリンダ2のライナー部2aに衝突する部分に薄肉部26bを形成し剛性を下げたことにより、薄肉部26bがライナー部2aに衝突すると大きな衝撃も無く変形するので、ピストンスラップ現象を抑制または防止することができる。
また、ピストン3のスカート部26とシリンダ2のライナー部2aとの間での境界潤滑状態を低減することができるので、ピストン3のスカート部26およびシリンダ2のライナー部2aの摩耗を大幅に低減することができる。
また、スカート部26の変形のみを考慮して第1の薄肉部26b1を無くし、第2の薄肉部26b2のみにしてしまうと、上記の厚肉部26aと薄肉部26bとの厚さの差が急激になり、厚肉部26aと薄肉部26bとの境界部での機械的強度が低下する。これに対して、本実施の形態におけるエンジン1のピストン3においては、薄肉部26bの厚さを階段状に形成したことにより、厚肉部26aと薄肉部26bとの境界部での機械的な強度を確保しつつ、燃焼爆発時にスカート部26の第2の薄肉部26b2と第1の薄肉部26b1とで順次変形を行わせることで全体として要求通りの変形を生じさせることができる。
次に、特許文献1〜4のピストンとの構造および作用効果の差異を説明する。
まず、特許文献1の場合、燃焼爆発時にピストンのスカート部がシリンダ内壁に衝突すると、厚肉部はあまり変形せずピストンの内側に押し込まれる一方で、薄肉部のみが大きく撓み、薄肉部において厚肉部に隣接する部分が外側に膨らみシリンダ内壁を圧するようになる。しかし、特許文献1の場合、厚肉部と薄肉部との間で極端に剛性が変わるように構成されており、薄肉部において特に厚肉部との境界部分において大きな応力変化が発生するので、その境界部の薄肉部が劣化する虞がある。
これに対して、本実施の形態におけるエンジン1のピストン3においては、厚肉部26aと薄肉部26bとの境界部に第1の段差部30c1を設け、薄肉部26bの厚さを階段状に形成し、剛性の異なる部分を順次変形することにより、上記のように厚肉部26aと薄肉部26bとの境界部分の機械的強度を高めることができる上、その境界部に大きな応力変化が発生しないようにすることができる。このため、厚肉部26aと薄肉部26bとの境界部分での劣化を抑制することができる。
また、特許文献1の場合、燃焼爆発時にピストンのスカート部においてシリンダ内壁に衝突する部分が厚く形成され剛性が高くなっているので、ピストンとシリンダとの衝突により打音が鳴る、いわゆるピストンスラップ現象が生じる虞がある。これに対して、本実施の形態のエンジン1におけるピストン3においては、燃焼爆発時にスカート部26の薄肉部26bがシリンダ2のライナー部2aに衝突するので、大きな衝撃も無く、ピストンスラップ現象を抑制または防止することができる。
また、特許文献3,4では共に、スカート部の横方向に帯状に薄肉部分を設けるものであるが、このように薄肉部を構成すると、ピストンスラップの低減には有効であるが、油膜形成部分は、図14に示したものと同じになり、摩擦力の低減効果はあまり望めない。これに対して、本実施の形態のエンジン1におけるピストン3においては、図13に示したような油膜形成状態になり、面圧が低下し、効果的に摩擦力を下げることができる。
本発明の内燃機関は、ピストンのスカート部においてスラスト側または反スラスト側の少なくとも一方の側に薄肉部と厚肉部とを工夫して形成したことにより、ピストンの摩擦力を低減することができるので、自動車等の内燃機関に利用できる。
1 ディーゼルエンジン(内燃機関)
2 シリンダ(気筒)
2a ライナー部
3 ピストン
4 キャビティ(燃焼室)
15 ピストンピンボス
16 ピストンピン穴
17 ピストンピン
26 スカート部
26a 厚肉部
26b 薄肉部
26b1 第1の薄肉部
26b2 第2の薄肉部
30 凹み
30a 第1の凹み
30b 第2の凹み
30c1 第1の段差部
30c2 第2の段差部
2 シリンダ(気筒)
2a ライナー部
3 ピストン
4 キャビティ(燃焼室)
15 ピストンピンボス
16 ピストンピン穴
17 ピストンピン
26 スカート部
26a 厚肉部
26b 薄肉部
26b1 第1の薄肉部
26b2 第2の薄肉部
30 凹み
30a 第1の凹み
30b 第2の凹み
30c1 第1の段差部
30c2 第2の段差部
Claims (3)
- 内燃機関のピストンのスカート部においてスラスト側または反スラスト側の少なくとも一方の側に厚肉部と薄肉部とが形成されており、
前記薄肉部は、前記スカート部の内周側においてピストンピンの径方向に対応する位置に配置された凹みにより形成されており、
前記凹みは、前記スカート部の下端から前記ピストンの頂面に向かう方向に連続的に延在した状態で形成されており、
前記スカート部の内周において前記スカート部の内周方向に沿って隣接する前記厚肉部と前記薄肉部との境界に段差部が形成されている内燃機関。 - 前記薄肉部は、厚さの異なる複数の薄肉部を有しており、前記厚さの異なる複数の薄肉部は、シリンダへの衝突部に向かって階段状に薄くなるように配置されている請求項1記載の内燃機関。
- 前記薄肉部は、第1の薄肉部と、該第1の薄肉部の領域の内側に配置された第2の薄肉部とを有しており、
前記第2の薄肉部の厚さが前記第1の薄肉部の厚さよりも薄く形成されている請求項1または2記載の内燃機関。
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RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
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