JP2011117138A - 鉄筋コンクリート造の部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】柱10は、主筋11、12とフープ筋13とを備える。主筋11、12は、機械式継手113で接合される第1主筋11と、柱10の中央部分にて端部が突き合わされた第2主筋12からなる。第1主筋11は、第2主筋12に比べて太径である。この発明によれば、第1主筋11を第2主筋12に比べて太径とすることで、接合する主筋の比率を高めるとともに、第1主筋11が負担する引張力を第2主筋12が負担する引張力よりも大きくすることができる。よって、地震時に曲げ応力が想定以上に過大となっても、この地震時曲げ応力に対して合理的に耐力を確保できる。また、第1主筋11のみを機械式継手により接合したので、継手箇所を削減できるから、施工性を向上できる。
【選択図】図1
Description
また、従来より、構造計算上は、地震時曲げ応力が小さくなる箇所で接合するのが原則であるため、柱では中央付近か、または、施工性を考慮して床レベルから1m程度の高さに継手の位置を設定することが推奨されている。
モルタル充填式の継手を用いる場合、スリーブの両端に鉄筋を挿入し、スリーブ内にモルタルを充填することにより、鉄筋同士を接合する。一方、ねじ固定式の継手を用いる場合、スリーブの両端に鉄筋を挿入し、スリーブに取り付けたねじを締め付けることにより接合する。
また、柱の四隅の主筋を機械式継手で接合し、その他の主筋同士を突き合わせて、これらその他の主筋に添え筋を配置した柱の構造が提案されている(特許文献2参照)。
これらの提案によれば、柱の四隅の主筋のみを機械式継手で接合するので、継手箇所を削減できるから、施工コストを低減できるだけでなく、継手部分のコンクリートの充填性も改善され、施工性を向上できる。
また、主筋の呼び径としては、スリーブの大きさを考慮すると、例えば、D25、D29、D32、D35、D38、D41、D51などが挙げられる。
また、第2主筋の突き合わせる場合、2本の鉄筋の端面同士を当接させてもよいし、これら端面同士の間に隙間を形成してもよい。
また、特許文献2に示す構成では、添え筋の配筋に手間がかかる、という問題があったが、この発明によれば、第2主筋を突き合わせるだけなので、従来のような添え筋が不要となり、配筋の混雑を解消し、施工性を向上できる。
そこで、この発明によれば、第2主筋の突き合わせ位置を柱の隣り合う2側面で上下方向に異ならせた。よって、従来のように突き合わせ位置を揃えた場合に比べて、突き合わせ位置で柱の曲げ耐力が低下するのを防止できるうえに、従来のように主筋同士の突き合わせ位置を千鳥にした場合に比べて、施工手間がかからない。
柱10は、鉛直方向に延びる四角柱状の柱であり、柱10の上方に位置する柱梁接合部20および柱10の下方に位置する柱梁接合部30に接合されている。
この柱10の4つの側面を10A、10B、10C、10Dとする。
主筋11、12は、柱10の断面の四隅に配置された4本の第1主筋11と、隣り合う第1主筋11同士の間に柱10の側面10A〜10Dに沿って2本ずつ配置された計8本の第2主筋12と、からなる。
一方、第2主筋12は、上階側の鉄筋121と下階側の鉄筋122とが突き合わされた状態であり、溶接や圧接などで互いに接合されていない。
第2主筋12の突き合わせ位置は、柱10の隣り合う2側面で上下方向に異なっている。具体的には、図3にも示すように、側面10A、10Cに沿って配置された第2主筋12の突き合わせ位置は、柱10の中央部分上側であるが、側面10B、10Dに沿って配置された第2主筋12の突き合わせ位置は、柱10の中央部分下側となっている。
(1)第1主筋11を第2主筋12に比べて太径とすることで、接合される主筋の比率を高めることができ、柱主筋の応力が確実に伝達されて、継手位置での断面の曲げ耐力を大きくできる。よって、地震時に曲げ応力が想定以上に過大となっても、従来のように全ての主筋に同じ強度の鉄筋を用いた場合に比べて、曲げ応力を第1主筋11で確実に負担でき、継手部分で降伏したり破壊したりする虞がなく、地震時応力に対して合理的に耐力を確保できる。その結果、継手位置を必ずしも反曲点付近に設ける必要がなくなる。
また、第2主筋12を突き合わせるだけなので、従来のような添え筋が不要となり、配筋の混雑を解消し、施工性を向上できる。
本実施形態では、柱10に本発明を適用したが、これに限らず、梁に本発明を適用してもよい。例えば、第2主筋の突き合わせ位置を梁の上下面で水平方向に異ならせることによって、突き合わせ位置で梁の曲げ耐力が低下するのを防止できるうえに、突き合わせ位置を1本ずつずらして千鳥にした場合に比べて、配筋や施工手間がかからない。
また、本実施形態では、第1主筋11を4本配したが、これに限らず、第1主筋を5本以上配してもよい。
10A、10B、10C、10D 柱の側面
11 第1主筋
12 第2主筋
13 フープ筋(せん断補強筋)
20、30 柱梁接合部
111、112、121、122 鉄筋
113 機械式継手
Claims (5)
- 主筋とせん断補強筋とを備える鉄筋コンクリート造の部材であって、
前記主筋は、機械式継手で接合される第1主筋と、前記部材の所定位置にて端部が突き合わされた状態で配される第2主筋からなり、
前記第1主筋は、前記第2主筋に比べて、太径および/または高強度であることを特徴とする鉄筋コンクリート造の部材。 - 前記第1主筋は、前記部材断面の四隅に配置され、
前記第2主筋は、互いに接合されないことを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート造の部材。 - 前記部材は、柱であり、
前記第2主筋の突き合わせ位置は、前記柱の隣り合う2側面で上下方向に異なることを特徴とする請求項1または2に記載の鉄筋コンクリート造の部材。 - 前記部材は、梁であり、
前記第2主筋の突き合わせ位置は、前記梁の上下面で左右方向に異なることを特徴とする請求項1または2に記載の鉄筋コンクリート造の部材。 - 前記部材は、前記機械式継手の位置に貫通孔を有する梁であり、
当該貫通孔の両側には、上端筋と下端筋を繋ぐ開口補強筋が配されていることを特徴とする請求項1または2に記載の鉄筋コンクリート造の部材。
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