JP2011116276A - タイヤ、該タイヤを使用したリム組み方法、及び、該タイヤとリムの組立体 - Google Patents

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Hiroyuki Matsuda
博之 松田
Satoshi Kawamata
智 川眞田
Takahisa Kamikura
貴久 神藏
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Abstract

【課題】リム組み後の操縦安定性の向上が実現し得るタイヤ、かかるタイヤのリム組み方法、及び、かかるタイヤを用いることで操縦安定性の向上が実現したタイヤとリムの組立体を提供する。
【解決手段】環状に形成されたトレッド部2と、トレッド部2の両端からタイヤ半径方向内側に配設された一対のサイドウォール部4と、サイドウォール部4のタイヤ径方向内側に連なるビード部6A、6Bとを具備し、車両外側(OUT側)のビード部6Aのビードトウ8からビードヒール9に至る領域αにおける表面粗さが、車両内側(IN側)のビード部6Bのビードトウ8からビードヒール9に至る領域βにおける表面粗さよりも小さいタイヤ1である。更に、かかるタイヤ1をリム7に組み付けるリム組み方法である。更にまた、かかるタイヤ1をリム7に組み付けてなるタイヤ1とリム7の組立体である。
【選択図】図1

Description

この発明は、リムに組み付けて使用するタイヤに関するものであり、特には、操縦安定性を向上し得るタイヤに関する。また、かかるタイヤをリムに組み付ける方法に関する。更に、かかるタイヤとリムとの組立体に関する。
一般に、空気入りタイヤのビード部に関しては、リム組みを迅速、容易、かつ、確実に行えることや、タイヤ負荷転同時にリムずれが生じないことなど、種々の性能が要求される。特に、リム組み時において、タイヤとリムとの間のフィット性を確保することは、リム組み後のリムずれを抑制する観点から重要である。
かかるフィット性を向上させる観点から、例えば、特許文献1には、タイヤのビード部とリムとの接触領域に潤滑剤を塗布してからリム組みをする方法が開示されている。
特開2005−219556号公報
しかし、近年のタイヤの性能向上の要請に伴って、操縦安定性の点においても、更なる向上が望まれている。また、上記の従来技術は、リムのフィット性の向上を図り、主として耐リムずれ性を向上させることを目的とした技術であり、操縦安定性の向上という点については、何ら検討されていない。
それゆえ、この発明は、リム組み後の操縦安定性の向上が実現し得るタイヤ、かかるタイヤのリム組み方法、及び、かかるタイヤを用いることで操縦安定性の向上が実現したタイヤとリムの組立体を提供することをその目的とする。
前記課題を解決するため、第一発明は、環状に形成されたトレッド部と、該トレッド部の両端からタイヤ半径方向内側に配設された一対のサイドウォール部と、該サイドウォール部のタイヤ径方向内側に連なるビード部とを具備するタイヤであって、かかるタイヤをリムに組み付けてタイヤ車輪とし、タイヤ車輪を車両に装着した装着姿勢にて、車両外側のビード部のビードトウからビードヒールに至る領域における表面粗さが、車両内側のビード部のビードトウからビードヒールに至る領域における表面粗さよりも小さいことを特徴とするタイヤである。
また、前記課題を解決する第二発明は、第一発明のタイヤをリムに組み付けることを特徴とするリム組み方法である。
更に、前記課題を解決する第三発明は、第一発明のタイヤをリムに組み付けてなることを特徴とするタイヤとリムの組立体。
この発明によれば、ビード部の適正化を図ることにより、リム組み後の操縦安定性の向上が実現し得るタイヤ、かかるタイヤのリム組み方法、及び、かかるタイヤを用いることで操縦安定性の向上が実現したタイヤとリムの組立体を提供することが可能である。
この発明に従うタイヤとリムの組立体のタイヤ幅方向断面図である。 従来例タイヤとリムとの組立体のタイヤ幅方向断面図である。 実施例における操縦安定性の結果を示したグラフである。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。ここに図1は、この発明に従う空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」という)とリムの組立体のタイヤ幅方向断面図である。
この発明のタイヤ1は、図1に示すように、タイヤの踏面を形成するトレッド部2、かかるトレッド部2の幅方向外側にショルダー部3を介して連なる一対のサイドウォール部4、及びこれらのサイドウォール部4のタイヤ径方向内側に配置され、リング状のビードコア5を有する一対のビード部6A、6Bを備え、タイヤ内部に一対のビード部6A、6B間でトロイド状に延びるカーカスと、このカーカスのクラウン域のタイヤ径方向外側に配置されたベルト層とを備える慣例に従ったタイヤ構造を有するものであり、かかるタイヤ1は、リム7に組み付けられ(タイヤ車輪となる)、所定の内圧が充填された状態にある。なお、ここでいう「所定の空気圧」とは、JATMA、TRA、ETRTO等の、タイヤが製造、販売、又は使用される地域において有効な工業基準、規格等に規定され、負荷能力に応じて特定される空気圧をいうものとする。
また、この発明のタイヤ1は、タイヤ車輪として車両装着された際に、タイヤ赤道面CLを境界として車両外側(OUT側)にあるビード部6Aのビードトウ8からビードヒール9に至る領域αにおける表面粗さが、タイヤ赤道面CLを境界として車両内側(IN側)にあるビード部6Bのビードトウ8からビードヒール9に至る領域βにおける表面粗さよりも小さい。
上記構成を採用し、タイヤ赤道面CLを境界として車両外側(OUT側)にあるビード部6Aのビードトウ8からビードヒール9に至る領域αにおける表面粗さを、タイヤ赤道面CLを境界として車両内側(IN側)にあるビード部6Bのビードトウ8からビードヒール9に至る領域βにおける表面粗さよりも小さくすると、両表面粗さの差異に起因したビード部6A、6Bとリム7との摩擦係数の差異により、車両外側(OUT側)にある領域αがリム7に対し深くフィットするのに対し、車両内側(IN側)にある領域βがリム7に対し浅くフィットすることとなり、車両外側(OUT側)にある領域αのタイヤ幅方向長さW1が車両内側(IN側)にある領域βのタイヤ幅方向長さW2よりも小さくなる。そのことから、車両外側(OUT側)におけるトレッド半幅W3が、車両内側(IN側)におけるトレッド半幅W4よりも小さくなり、タイヤ1をタイヤ幅方向断面で見たときに、非対称形状となる。その結果、タイヤ1が上記したような非対称形状を有していることから、直進走行時には、タイヤ1のサイドウォール部4の撓みが車両外側よりも車両内側において大きく、車両外側よりも車両内側においてタイヤの接地長が長くなるのに対し、コーナリング走行時には、タイヤ1は車両外側から車両内側に向かって横力が負荷され、車両外側よりも車両外側のサイドウォール部が大きく撓む結果、タイヤ1の接地長の車両内側と車両内側間における差が小さくなり、トレッド部全域にわたり横力に抗する力が平均的に発生することから、特には、コーナリング性能が向上する。その結果、ウェット路面及びドライ路面における操縦安定性が向上することとなる。更に、通常、非対称形状となるタイヤの製造は加硫金型を変更したり、ベルト構造を正確に変更することが必要であり、製造そのものが困難であるのに対し、本願発明のタイヤは、ビード部6A、6Bのビードトウ8からビードヒール9に至る領域における表面粗さを制御するだけで、タイヤを非対称形状とし得ることから、生産コスト及び労力の観点から好ましい。
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更することが可能である。
次に、ビード部のビードトウからビードヒールに至る領域における表面粗さが左右のビード部にて同一である従来のタイヤ(従来例タイヤ)、及び、この発明に従い、車両外側のビード部のビードトウからビードヒールに至る領域における表面粗さを、車両内側のビード部のビードトウからビードヒールに至る領域における表面粗さよりも小さくした実施例のタイヤ(実施例タイヤ)をそれぞれ試作し、各種の性能評価に供したので、以下説明する。なお、これらのタイヤはいずれもタイヤサイズが205/55R16の乗用車用ラジアルタイヤである。上述の各種タイヤをサイズ6.5J×16のリムに組み付けて、内部に230kPa(相対圧)の空気圧を適用した後、車両に装着し、ドライ路面における操縦安定性の評価に供した。
従来例タイヤは、図2に示すように、リム組み後もタイヤ赤道面を境界とした対称形状を有する。また、車両内側と車両外側にある両ビード部のビードトウからビードヒールに至る領域における表面粗さは、同一である。
実施例タイヤは、図1に示すように、リム組み後はタイヤ赤道面を境界として非対称形状を有する。また、車両外側のビード部のビードトウからビードヒールに至る領域における表面粗さは、車両内側のビード部のビードトウからビードヒールに至る領域における表面粗さよりも小さい。
ドライ路面における操縦安定性は、プロのドライバーが上記車両をテスト用のサーキットコースにて、種々の条件で走行させ、グリップ性やコーナリング走行時のハンドリング性等を指標として総合的にフィーリングにより評価した。評価は、従来例タイヤの結果を基準値100として、実施例タイヤについて相対値を算出し、比較することにより行った。なお、数値が大きいほど、操縦安定性に優れることを示す。また、その測定結果を図3に示す。
図3の結果から明らかなように、ドライ路面における操縦安定性は、従来例タイヤに比して、実施例タイヤにおいて、顕著に向上していた。
かくしてこの発明によって、リム組み後の操縦安定性の向上が実現し得るタイヤ、かかるタイヤのリム組み方法、及び、かかるタイヤを用いることで操縦安定性の向上が実現したタイヤとリムの組立体を提供することが可能となった。
1 タイヤ
2 トレッド部
3 ショルダー部
4 サイドウォール部
5 ビードコア
6A、6B ビード部
7 リム
8 ビードトウ
9 ビードヒール

Claims (3)

  1. 環状に形成されたトレッド部と、該トレッド部の両端からタイヤ半径方向内側に配設された一対のサイドウォール部と、該サイドウォール部のタイヤ径方向内側に連なるビード部とを具備するタイヤにおいて、
    該タイヤをリムに組み付けてタイヤ車輪とし、該タイヤ車輪を車両に装着した装着姿勢にて、車両外側のビード部のビードトウからビードヒールに至る領域における表面粗さが、車両内側のビード部のビードトウからビードヒールに至る領域における表面粗さよりも小さいことを特徴とするタイヤ。
  2. 請求項1に記載のタイヤをリムに組み付けることを特徴とするリム組み方法。
  3. 請求項1に記載のタイヤをリムに組み付けてなることを特徴とするタイヤとリムの組立体。
JP2009276324A 2009-12-04 2009-12-04 タイヤ、該タイヤを使用したリム組み方法、及び、該タイヤとリムの組立体 Withdrawn JP2011116276A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114025948A (zh) * 2019-07-03 2022-02-08 横滨橡胶株式会社 轮胎硫化用模具及轮胎的制造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114025948B (zh) * 2019-07-03 2022-06-24 横滨橡胶株式会社 轮胎硫化用模具及轮胎的制造方法

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