JP2011115818A - ナット部品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】必要十分な回り止め機能及び抜け止め機能を発揮させ得るとともに、材料コストを抑えて生産効率よく得ることができるナット部品の製造方法を提供する。
【解決手段】本方法は、樹脂部材に埋め込まれるナット部品の製造方法であって、金属板材2を絞り加工して該金属板材に有底筒状のナット本体部3を形成する工程P1〜P3と、前記ナット本体部の周壁を軸方向に圧縮加工して、該ナット本体部の周壁の外周側に放射方向に突出する複数の厚肉突出部5を形成する工程P4,P5と、前記厚肉突出部に前記ナット本体部の球心方向に凹んだ凹部6を形成する工程P6と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ナット部品及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、必要十分な回り止め機能及び抜け止め機能を発揮させ得るとともに、材料コストを抑えて生産効率よく得ることができるナット部品及びその製造方法に関する。
従来のナット部品として、例えば、図13及び図14に示すように、フィルタのドレン構造115を構成する樹脂製のケース部材116に埋め込まれるものが知られている。このナット部品101は、有底円筒状の真鍮製のナット本体113を備え、このナット本体113の外周側にフランジ部114を設け、このフランジ部114の外周面にローレット114aを形成してなされている。このナット部品101によると、フランジ部114によって、ケース部材116に対するナット部品101の軸心回りの回転を規制する回り止め機能と、ナット部品101の軸方向の移動を規制する抜け止め機能とが発揮されるようになっている。
しかし、上記従来のナット部品101では、真鍮製のナット本体113を切削加工してフランジ部114を形成しているため、材料費が高く、また切削屑となる材料が多く歩留まりが悪い。また、上記従来のナット部品101では、フランジ部114により比較的強い抜け止め機能が発揮されるが、回り止め機能は、フランジ部114のローレット114aにより発揮されるため、それほど強くない。したがって、ナット部材に対してボルト部材を比較的強い力で螺合してしまうとナット部材が連れ回りしてしまう恐れがある。そのため、必要十分な回り止め機能及び抜け止め機能を発揮させ得るナット部品を材料コストを抑えて生産効率よく得る技術の出現が求められている。
なお、特許文献1には、ナット本体の外周側に軸方向に所定間隔で複数のフランジ部を形成してなるナット部品が開示されているが、このナット部品でも複数のフランジ部を切削加工すると、切削屑となる材料が極めて多く歩留まりが悪い。また、特許文献1の技術では、複数のフランジ部により極めて強い抜け止め機能が発揮されるが、回り止め機能は、平面多角形状のフランジ部により発揮されるため、やはりそれほど強くない。
また、従来のナット部の製造方法として、パネル素材を絞り加工して貫通穴を有する円筒部を形成し、その後、この円筒部を軸方向に圧縮加工(鍛造加工)して円筒部の周壁を厚肉化してナット部を得る方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この特許文献2の技術は、雌ねじ部の強度確保のために円筒部を厚肉化してなるナット部を得ることを目的としており、回り止め機能及び抜け止め機能を有するナット部品を得ることを目的としていない。そして、この特許文献2の技術では、貫通穴を有する円筒部に対して圧縮加工を施すようにしているので、その圧縮加工の際に、円筒部の軸方向の自由端側(開口端側)に向かって材料が流れ易くなる。そのため、この特許文献2の技術を単純に利用して回り止め機能及び抜け止め機能を有するナット部品を製造しても、回り止め機能及び抜け止め機能を発揮する部位での材料の流れが不十分な箇所が生じ、回り止め機能及び抜け止め機能が低下してしまう恐れがある。
特開2006−327151号公報 特開2004−154802号公報
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、必要十分な回り止め機能及び抜け止め機能を発揮させ得るとともに、材料コストを抑えて生産効率よく得ることができるナット部品及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
1.樹脂部材に埋め込まれるナット部品の製造方法であって、
金属板材を絞り加工して該金属板材に有底筒状のナット本体部を形成する工程と、
前記ナット本体部の周壁を軸方向に圧縮加工して、該ナット本体部の周壁の外周側に放射方向に突出する複数の厚肉突出部を形成する工程と、
前記厚肉突出部に前記ナット本体部の球心方向に凹んだ凹部を形成する工程と、を備えることを特徴とするナット部品の製造方法。
2.前記凹部を形成する工程では、前記厚肉突出部を前記ナット本体部の球心方向に圧縮加工して前記凹部を形成する上記1.記載のナット部品の製造方法。
3.前記凹部を形成する型部は、前記ナット本体部の軸心方向に直交する平面と、該平面に対向し且つ前記ナット本体部の軸心方向に傾斜する傾斜面と、該平面及び該傾斜面を連絡する連絡面と、を有する上記2.記載のナット部品の製造方法。
4.樹脂部材に埋め込まれるナット部品であって、
有底筒状のナット本体を備え、
前記ナット本体の周壁の外周側には、前記樹脂部材に対する前記ナット本体の軸心回りの回転を規制するために放射方向に突出する複数の厚肉突出部が形成されており、
前記厚肉突出部には、前記樹脂部材に対する前記ナット本体の軸心方向の移動を規制するために該ナット本体の球心方向に凹んだ凹部が形成されていることを特徴とするナット部品。
本発明のナット部品の製造方法によると、金属板材が絞り加工されて金属板材に有底筒状のナット本体部が形成され、ナット本体部の周壁が軸方向に圧縮加工されて、ナット本体部の周壁の外周側に放射方向に突出する複数の厚肉突出部が形成され、この厚肉突出部にナット本体部の球心方向に凹んだ凹部が形成される。このように、有底筒状のナット本体部の周壁を軸方向に圧縮加工して複数の厚肉突出部を形成するようにしたので、従来のように切削加工によりフランジ部を形成するものに比べて、材料コスト及び無駄な材料を低減して生産効率を高めることができる。また、圧縮加工の際にナット本体部の軸方向で材料が略均等に流れ、適正な形状の厚肉突出部を形成することができる。そのため、ナット部品を樹脂部材に埋め込んで使用すると、複数の厚肉突出部により必要十分な回り止め機能が発揮されるとともに、凹部により必要十分な抜け止め機能が発揮される。
また、前記凹部を形成する工程では、前記厚肉突出部を前記ナット本体部の球心方向に圧縮加工して前記凹部を形成する場合は、凹部を圧縮加工する際に厚肉突出部で材料の流れが生じるため、より適正な形状の厚肉突出部を形成することができる。また、ナット本体部を形成する工程及び厚肉突出部を形成する工程に加えて、凹部を形成する工程を一連の連続プレス加工として実施でき、生産効率を更に高めることができる。
また、前記凹部を形成する型部が、平面と、傾斜面と、連絡面と、を有する場合は、凹部を圧縮加工する際に、型部の傾斜面により材料の流動量が抑えられるので、厚肉突出部での材料の流れ不良(「ひきずられ現象」とも称される。)が抑制されるとともに型耐久性が高められる。そのため、型部の平面により適正な形状の抜き止め面を形成することができる。
本発明のナット部品によると、ナット本体の周壁の外周側には、複数の厚肉突出部が形成されており、厚肉突出部には、凹部が形成されているので、ナット部品を樹脂部材に埋め込んで使用すると、複数の厚肉突出部により必要十分な回り止め機能が発揮されるとともに、凹部により必要十分な抜け止め機能が発揮される。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
実施例に係るナット部品の一連の製造工程を示す説明図である。 上記ナット部品の製造工程において絞り加工P3を経て形成されるナット本体部の縦断面図である。 上記ナット部品の製造工程において圧縮加工P5を経て厚肉突出部が形成されたナット本体部の縦断面図である。 図3のIV−IV線断面図である。 上記ナット部品の製造工程において圧縮加工P6で凹部を形成する動作を説明するための説明図である。 上記ナット部品の製造工程において圧縮加工P6を経て凹部が形成されたナット本体部の縦断面図である。 図6のVII−VII線断面図である。 実施例に係るナット部品を示す斜視図である。 上記ナット部品の平面図である。 図9のX矢視図である。 図9のXI−XI線断面図である。 上記ナット部品を備えるフィルタのドレン構造の要部縦断面図である。 従来のナット部品を備えるフィルタのドレン構造の要部縦断面図である。 従来のナット部品を示す斜視図である。
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
1.ナット部品の製造方法
本実施形態1.に係るナット部品の製造方法は、樹脂部材に埋め込まれるナット部品の製造方法であって、金属板材を絞り加工して金属板材に有底筒状のナット本体部を形成する工程A(例えば、図1(a)のP1〜P3参照)と、ナット本体部の周壁を軸方向に圧縮加工して、ナット本体部の周壁の外周側に放射方向に突出する複数の厚肉突出部を形成する工程B(例えば、図1(a)(b)のP4及びP5参照)と、厚肉突出部にナット本体部の球心方向に凹んだ凹部を形成する工程C(例えば、図1(b)のP6参照)と、を備えることを特徴とする。なお、上記ナット部品の用途等は特に問わないが、フィルタのドレン構造に用いられることができる(例えば、図12参照)。
上記工程Aでの絞り加工の加工条件(例えば、プレス能力、加工温度等)は特に問わない。この工程Aで形成されるナット本体部は、例えば、有底円筒状に形成されていることができる。
上記工程Bでの圧縮加工の加工条件(例えば、プレス能力、加工温度等)は特に問わない。この工程Bで形成される厚肉突出部は、例えば、ナット本体部の軸方向に延びていることができる。これにより、回り止め機能をより高めることができる。
ここで、上記厚肉突出部が形成される前のナット本体部の周壁の厚さ(t1)は、通常、厚肉突出部の厚さ(t2)より小さな値となる(例えば、図2及び図3参照)。また、上記厚肉突出部が形成される前のナット本体部の高さ(h1)は、通常、厚肉突出部が形成された後のナット本体部の高さ(h2)より大きな値となる(例えば、図2及び図3参照)。
上記工程Cで形成される凹部は、例えば、1つの上記厚肉突出部に複数設けられていることができる。また、上記工程Cでは、例えば、厚肉突出部をナット本体部の球心方向に圧縮加工して凹部を形成することができる。この圧縮加工の加工条件(例えば、プレス能力、加工温度等)は特に問わない。また、工程Cでは、例えば、上記凹部を形成する型部は、ナット本体部の軸心方向に直交する平面と、この平面に対向し且つナット本体部の軸心方向に傾斜する傾斜面と、これら平面及び傾斜面を連絡する連絡面と、を有することができる(例えば、図5参照)。したがって、この型部により形成される凹部は、例えば、ナット本体の軸心方向に直交する平面と、この平面に対向し且つナット本体の軸心方向に傾斜する傾斜面と、これら平面及び傾斜面を連絡する連絡面と、を有することができる(例えば、図6参照)。
なお、上記実施形態1.のナット部品の製造方法としては、例えば、上記厚肉突出部及び凹部が形成されたナット本体部の底壁をせん断加工して穴部を形成する工程D(例えば、図1(b)のP7参照)と、金属板材をせん断加工して上記穴部が形成されたナット本体部を金属板材から打ち抜く工程E(例えば、図1(b)のP8参照)と、金属板材から打ち抜かれたナット本体部の周壁の内周側に雌ねじ部を形成する工程Fと、を備えることができる。これにより、上記工程A〜工程Cに加えて工程D及び工程Eを一連の連続プレス加工として実施することができる。
2.ナット部品
本実施形態2.に係るナット部品は、樹脂部材に埋め込まれるナット部品であって、有底筒状のナット本体を備え、ナット本体の周壁の外周側には、樹脂部材に対するナット本体の軸心回りの回転を規制するために放射方向に突出する複数の厚肉突出部が形成されており、厚肉突出部には、樹脂部材に対するナット本体の軸心方向の移動を規制するためにナット本体の球心方向に凹んだ凹部が形成されていることを特徴とする。
なお、上記ナット部品は、例えば、上記実施形態1.に係るナット部品の製造方法により得られるものであることができる。また、上記ナット本体としては、例えば、上記実施形態1.で説明したナット本体部の構成を適用することができる。また、上記厚肉突出部としては、例えば、上記実施形態1.で説明した厚肉突出部の構成を適用することができる。さらに、上記凹部としては、例えば、上記実施形態1.で説明した凹部の構成を適用することができる。さらに、上記実施形態2.のナット部品としては、例えば、ナット本体の底壁に穴部が形成され、ナット本体の周壁の内周側には雌ねじ部が形成されている形態を挙げることができる。
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本実施例では、本発明に係る「ナット部品」として、フィルタのドレン構造に用いられるナット部品を例示する。
(1)ナット部品の製造方法
本実施例に係るナット部品の製造方法は、図1(a)(b)に示すように、金属板材2にナット本体部3を形成する工程P1〜P3と、ナット本体部3の周壁3aに厚肉突出部5を形成する工程P4,P5と、厚肉突出部5に凹部6を形成する工程P6と、ナット本体部3の底壁3bに穴部7を形成する工程P7と、金属板材2からナット本体部3を打ち抜く工程P8と、ナット本体部3に雌ねじ部8を形成する工程と、を備えている。なお、図1中に記載されているP1〜P8は工程(プロセス)番号である。また、上記金属板材2は帯状の鋼板であり、この金属板材2は各工程P1〜P8で切り離されることなく繋がっている。
上記ナット本体部3を形成する工程P1〜P3では、金属板材2に複数回(図中で3回)の絞り加工(プレス加工)が施されて、この金属板材2に有底円筒状のナット本体部3が形成される。なお、上記工程P1ではナット本体部3の主な絞り加工が行われ、工程P2,P3ではナット本体部3の縮径加工が行われる。
上記厚肉突出部5を形成する工程P4,P5では、ナット本体部3の周壁3aにナット本体部3の軸方向に複数回(図中で2回)の圧縮加工(プレス加工;鍛造加工)が施されて、ナット本体部3の周壁3aの外周側に放射方向に突出する複数(図4中で8つ)の厚肉突出部5が形成される。なお、上記工程P4では厚肉突出部5のラフな圧縮加工が行われ、工程P5では厚肉突出部5の仕上げ圧縮加工が行われる。
上記凹部6を形成する工程P6では、複数の厚肉突出部5のうちの対向する2組の厚肉突出部5に対してナット本体部3の球心方向に圧縮加工(プレス加工;鍛造加工)が施されて凹部6が形成される。この凹部6は、図6及び図7に示すように、1つの上記厚肉突出部5に対して延設方向に所定間隔で複数個(図6中で2つ)設けられている。
また、上記凹部6を形成する型部9は、図5に示すように、ナット本体部3の軸心方向に直交する平面9aと、この平面9aに対向し且つナット本体部3の軸心方向に傾斜する傾斜面9bと、これら平面9a及び傾斜面9bを連絡する連絡面9cと、を有している。したがって、型部9により形成される凹部6は、図6に示すように、ナット本体部3の軸心方向に直交する平面6aと、この平面6aに対向し且つナット本体部3の軸心方向に傾斜する傾斜面6bと、これら平面6a及び傾斜面6bを連絡する連絡面6cと、を有している。なお、上記型部9は、傾斜面10を介してパンチ11の下端側と係合しており、パンチ11の上下移動が型部9の横方への移動に変換されるようになっている。
上記穴部7を形成する工程P7では、上記厚肉突出部5及び凹部6が形成されたナット本体部3の底壁3bにせん断加工(プレス加工)が施されて穴部7が形成される。また、上記金属板材2からナット本体部3を打ち抜く工程P8では、ナット本体部3の周囲の金属板材2にせん断加工(プレス加工)を施して上記穴部7が形成されたナット本体部3が金属板材2から打ち抜かれる。さらに、上記雌ねじ部8を形成する工程では、金属板材2から打ち抜かれたナット本体部3の周壁3aの内周側に雌ねじ部8(図11参照)が形成される。その結果、後述するナット部品が得られる。
(2)ナット部品の構成
次に、上記ナット部品の製造方法で得られるナット部品1の構成について説明する。このナット部品1は、図8〜図11に示すように、有底円筒状のナット本体13(上記ナット本体部3に相当する)を備えている。このナット本体13の周壁13aの外周側には、後述の樹脂部材に対するナット本体13の軸心回りの回転を規制するために放射方向に突出する複数(図9中で8つ)の上記厚肉突出部5が形成されている。また、これら複数の厚肉突出部5のうちの対向する2組の厚肉突出部5には、後述の樹脂部材に対するナット本体13の軸心方向の移動を規制するためにナット本体13の球心方向に凹んだ上記凹部6が形成されている。さらに、ナット本体13の底壁13bには上記穴部7が形成され、ナット本体13の周壁13aの内周側には雌ねじ部8(図11参照)が形成されている。
次に、上記ナット部品1を備えるフィルタのドレン構造15の構成について説明する。このドレン構造15は、図12に示すように、樹脂製のケース部材16(本発明に係る「樹脂部材」として例示する。)を備えている。このケース部材16にはインサート成形により上記ナット部品1が埋め込まれている。そして、ナット本体13の周壁13aの内周側及び底壁13bの穴部7によってドレン穴17が構成されている。このドレン穴17を塞ぐようにナット本体13の雌ねじ部8にはドレンボルト18が螺合されている。さらに、ナット本体13の底壁13bの外面には、弾性部材19によりドレン穴17を閉鎖する方向に付勢された弁体20が圧接されている。そして、このドレン構造15では、ドレン穴17からドレンボルト18を取り外してから、ドレン穴17に治具(図示省略)を挿入して弁体20を弾性部材19の付勢力に抗して押し上げることによりドレン穴17が開放されてケース部材16内の流体がドレン穴17から外部に排出される。
(3)実施例の効果
本実施例のナット部品の製造方法によると、金属板材2が絞り加工(プレス加工)されて金属板材2に有底筒状のナット本体部3が形成され、ナット本体部3の周壁3aが軸方向に圧縮加工(プレス加工;鍛造加工)されて、ナット本体部3の周壁3aの外周側に放射方向に突出する複数の厚肉突出部5が形成され、この厚肉突出部5にナット本体部3の球心方向に凹んだ凹部6が形成される。このように、有底筒状のナット本体部3の周壁3aを軸方向に圧縮加工して複数の厚肉突出部5を形成するようにしたので、従来のように切削加工によりフランジ部を形成するものに比べて、材料コスト及び無駄な材料を低減して生産効率を高めることができる。また、圧縮加工の際にナット本体部3の軸方向で材料が略均等に流れ、適正な形状の厚肉突出部5を形成することができる。そのため、ナット部品1を樹脂製のケース部材16に埋め込んで使用すると、複数の厚肉突出部5により必要十分な回り止め機能が発揮されるとともに、凹部6により必要十分な抜け止め機能が発揮される。
また、本実施例では、厚肉突出部5をナット本体部3の球心方向に圧縮加工(プレス加工;鍛造加工)して凹部6を形成するようにしたので、凹部6を圧縮加工する際に厚肉突出部5で材料の流れが生じるため、より適正な形状の厚肉突出部5を形成することができる。また、ナット本体部3を形成する工程P1〜P3及び厚肉突出部5を形成する工程P4,P5に加えて、凹部6を形成する工程P6を一連の連続プレス加工として実施でき、生産効率を更に高めることができる。
さらに、本実施例では、凹部6を形成する型部9を、平面9aと、傾斜面9bと、連絡面9cと、を有するものを採用したので、凹部6を圧縮加工する際に、型部9の傾斜面9bにより材料の流動量が抑えられ、厚肉突出部5での材料の流れ不良(「ひきずられ現象」とも称される。)が抑制されるとともに型耐久性が高められる。そのため、型部9の平面9aにより適正な形状の抜き止め面を形成することができる。
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、上記実施例では、凹部6を圧縮加工(プレス加工)により形成するようにしたが、これに限定されず、例えば、凹部6を切削加工により形成するようにしてもよい。
また、上記実施例では、金属板材2に複数回の絞り加工を施してナット本体部3を形成するようにしたが、これに限定されず、例えば、金属板材2に1回の絞り加工を施してナット本体部3を形成するようにしてもよい。また、上記実施例では、ナット本体部3に複数回の圧縮加工を施して厚肉突出部5を形成するようにしたが、これに限定されず、例えば、ナット本体部3に1回の圧縮加工を施して厚肉突出部5を形成するようにしてもよい。さらに、上記実施例では、厚肉突出部5に1回の圧縮加工を施して凹部6を形成するようにしたが、これに限定されず、例えば、厚肉突出部5に複数回の圧縮加工を施して凹部6を形成するようにしてもよい。
また、上記実施例では、複数の厚肉突出部5のうちの特定の厚肉突出部に凹部6を形成するようにしたが、これに限定されず、全ての厚肉突出部5に凹部6を形成するようにしてもよい。
さらに、上記実施例では、ナット本体部3を円筒状に形成して、円筒状のナット本体13を備えるナット部品1を例示したが、これに限定されず、ナット本体部3を角筒状に形成して、角筒状のナット本体13を備えるナット部品1としてもよい。
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
樹脂部材に埋め込まれるナット部品を得る技術として広く利用される。特に、回り止め機能及び抜け止め機能を有するナット部品を得る技術として好適に利用される。
1;ナット部品、2;金属板材、3;ナット本体部、3a;周壁、3b;底壁、5;厚肉突出部、6;凹部、9;型部、9a;平面、9b;傾斜面、9c;連絡面、13;ナット本体、13a;周壁、13b;底壁、P1〜P3;ナット本体部を形成する工程、P4,P5;厚肉突出部を形成する工程、P6;凹部を形成する工程。

Claims (4)

  1. 樹脂部材に埋め込まれるナット部品の製造方法であって、
    金属板材を絞り加工して該金属板材に有底筒状のナット本体部を形成する工程と、
    前記ナット本体部の周壁を軸方向に圧縮加工して、該ナット本体部の周壁の外周側に放射方向に突出する複数の厚肉突出部を形成する工程と、
    前記厚肉突出部に前記ナット本体部の球心方向に凹んだ凹部を形成する工程と、を備えることを特徴とするナット部品の製造方法。
  2. 前記凹部を形成する工程では、前記厚肉突出部を前記ナット本体部の球心方向に圧縮加工して前記凹部を形成する請求項1記載のナット部品の製造方法。
  3. 前記凹部を形成する型部は、前記ナット本体部の軸心方向に直交する平面と、該平面に対向し且つ前記ナット本体部の軸心方向に傾斜する傾斜面と、該平面及び該傾斜面を連絡する連絡面と、を有する請求項2記載のナット部品の製造方法。
  4. 樹脂部材に埋め込まれるナット部品であって、
    有底筒状のナット本体を備え、
    前記ナット本体の周壁の外周側には、前記樹脂部材に対する前記ナット本体の軸心回りの回転を規制するために放射方向に突出する複数の厚肉突出部が形成されており、
    前記厚肉突出部には、前記樹脂部材に対する前記ナット本体の軸心方向の移動を規制するために該ナット本体の球心方向に凹んだ凹部が形成されていることを特徴とするナット部品。
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