JP2011115650A - スプリンクラヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】環境に適しており、また耐腐食性が良く、取付場所が限定されないスプリンクラヘッドを得ることを目的とする。
【解決手段】放水口を塞ぐ弁体と、該弁体を支持する、シリンダ及びピストンからなる感熱分解部と、該シリンダ内に収容され、ピストンによって押圧される感熱体としての半田とを備えたスプリンクラヘッドにおいて、60〜150度の温度範囲のなかに、融点を持つ有機化合物を感熱体として使用し、感熱体が、前記有機化合物の微粉末を粒状に固化して成型したペレットから構成される。
また、感熱体は、半田を感熱体としたものに比べ、温度に対する感度が高く、かつ硬度が高く、荷重に対して変形しにくいものが使用される。
【選択図】図1

Description

本発明は火災を消火するスプリンクラヘッドに関するものである。
スプリンクラヘッドは、放水口を塞ぐ弁体と、弁体を支持する感熱分解部とを備えている。感熱分解部は、火災時の熱によって分解する機構で、この感熱分解部には感熱体として半田が使用されている。この半田が受熱して溶融することで、感熱分解部は分解する。
低い融点を持つ半田はSn、Pb、In、Cd等を合金にしたもので、これらの配合比率によって所定の溶融温度、例えば72度、104度を得るようにしてある。
特開平5−176207号公報
近年、環境保護が叫ばれているが、スプリンクラヘッドで使用される半田には、Pb、In、Cdといった環境にあまり相応しくない物質が使用されている。また半田を使用したスプリンクラヘッドは耐腐食性が良くないため、駐車場などの腐食雰囲気下では、感熱体としてグラスバルブを使用したスプリンクラヘッドが設置されるようになっている。
そこで本発明は、環境に適しており、また耐腐食性が良く取付場所を限定されないスプリンクラヘッドを得ることを目的とする。
本発明は、放水口を塞ぐ弁体と、該弁体を支持する、シリンダ及びピストンからなる感熱分解部と、該シリンダ内に収容され、ピストンによって押圧される感熱体とを備えたスプリンクラヘッドにおいて、60〜150度の温度範囲のなかに、融点を持つ有機化合物を感熱体として使用し、感熱体が、有機化合物の微粉末を粒状に固化して成型したペレットから構成されることを特徴とするものである。
本発明においては感熱体として半田の代わりに有機化合物を使用したので次のような効果がある。
(1)Pb、Cdなどの金属を使用しないので、環境面に配慮したスプリンクラヘッドを得ることができる。
(2)耐腐食性に優れているので、駐車場、化学実験室、厨房などの腐食性のガスが発生しうる場所にも設置可能である。
(3)形状を自由に変更できるので、シリンダの形状が異なっても、それに対応しやすい。
このほか、効果を羅列すれば次のa〜fに示す通りである。
a.環境に優しい材質表2に示すように、安息香酸系の有機化合物は一般には食品類等の防腐剤として使用されている。換言すれば、食品類に混入して使用されており、万一を考慮しても危険率の少ない物質と見なされ、たとえ一般の廃棄物として廃棄されても環境に与える影響を少なくできる。
b.融点の精度が高い従来の半田の作動温度が融点の表示温度の±3%以内であるのに対して、安息香酸系の有機化合物では0.7%以内で作動する(表2参照)。
c.材料費が安価一般に、安息香酸系のような有機化合物の材料費は金属材料に比較して極めて安く、例えば1g当たり10円程度である。実施の形態2で構成される安息香酸系の感熱体はほぼ0.1gであり、その材料費は高々1円程度になり全材料費に対して感熱体(ペレット)の占める材料費が著しく少ないことが類推できる。
d.経年変化が少ない安息香酸系等の有機化合物は単一物質なため、物理的・化学的な構造の変化が少ない([表2]参照)。
e.耐腐食性Sn、Pb、In、Cd等を合金にした従来の半田のように腐食することがなく、腐食性ガスの環境下でも殆ど腐食現象がみられない。
f.形状が自由に変更できる。感熱体として用いた従来の半田を安息香酸系等の有機化合物に代えるだけでなく、スプリンクラヘッドそのものを有機化合物で構成することが可能になる。したがって、従来のような複数の金属からなる感熱分解部のような複雑なリンク機構がなくなり、組立荷重も不必要なスプリンクラヘッドが実現できる。
図1は本発明のスプリンクラヘッドの縦断面図である。 図2(a)はフレームの正面図、図2(b)はフレームの底面図である。 図3は感熱分解部の斜視図である。 実施の形態2の強度特性を示すグラフである。
実施の形態1
図1は本発明のスプリンクラヘッドの縦断面図、図2(a)はフレームの正面図、図2(b)はフレームの底面図、図3は感熱分解部の斜視図である。図において、1は本体で、外周にはねじ部4が設けられ、中心部には放水口5が設けられている。そして、放水口5の下端周縁には弁座7が設けられて、銅の如き金属材料からなるパッキン22によって上部を覆われた弁体20により放水口5は塞がれている。
10は有底円筒状のフレームで、内壁の上部には本体1のねじ部4に螺合されるめねじ11が設けられ、めねじ11の下方にはフランジ部12が形成されている。15は散水口で、フランジ部12と底部14との間に放射状かつ等間隔に形成され、周壁13と底部14の周縁部とに開口する。16はフレーム10の底面に設けた開口部である。
30はアームガイドで、断面がほぼコ字状に形成され、弁体20の下部をカシメて、弁体20と一体に結合されている。35は板状のバランサで、スプリンクラヘッドが組立てられた際、弁体20へ加わる所定の組立荷重を感熱分解部40のアーム41a,41bに均等にかけるものである。
40は一対のアーム41a,41b、アーム支持板46、リンク押え坂55等からなる感熱分解部で、弁体20を支持するものである。61は感熱板を兼ねた保護カバーである。次に図3を用いて感熱分解部40について少し詳しく説明する。
図3において、アーム41a,41bはほぼ逆J字状に形成されており、第1の係止穴44と第2の係止穴45が設けられている。アーム支持板46は、ほぼ四角形状に形成され、中心部に貫通穴48を有する本体47と、係止片49a,49bとからなり、アーム41a,41bの間に配設されて係止片49a,49bがアーム41a,41bの第1の係止穴44に係止される。
50は金属製のシリンダで、外壁にはつば部51が設けられている。シリンダ50はアーム支持板46の貫通穴48に挿入され、つば部51によってアーム支持板46上に載置される。53はシリンダ50内に収容された感熱体である。感熱体53は非金属材料、例えば合成樹脂、固形ワックスで構成されている。
感熱体53について、より詳しく説明すると、感熱体53は、一般的な熱可塑性樹脂の融点よりも低い低融点で溶融または軟化する樹脂が好ましく、例えばその融点は60度から110度近辺のものが使用される。具体的な例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン系共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂などが使用可能である。
また合成樹脂を成形する際に、融点によって異なる色の着色剤を添加するようにして、融点が72度の感熱体53は例えば青色、融点が104度の感熱体53は緑色に成形してもよい。このように、融点、つまりスプリンクラヘッドの動作温度によって、感熱体53を異なる色に着色するようにすれば、一目でスプリンクラヘッドの動作温度の違いが確認できるので、スプリンクラヘッドを製造する上で、感熱体53の管理や取り扱いが行いやすくなる。
54はシリンダ50内に摺動可能に収容され、感熱体53を押圧する第1のピストンである。55はリンク押え板で、中心部にねじ穴57を有する本体56と、その両側に突設された嵌合片58a,58bからなり、アーム41a,41bの間に配設されて嵌合片58a,58bがアーム41a,41bの第2の係止穴45に遊嵌する。59は一端に設けたねじ部60がリンク押え板55のねじ穴57に螺入され、他端が第1のピストン54に当接する第2のピストンである。
図1に戻って、感熱分解部40のアーム41a,41bの先端部は、フレーム10の内壁に設けたフランジ部12に係止し、フレーム10の螺入によりその頭部がバランサ35によって圧下されている。この時、アーム41a,41bはフランジ部12への係止部を支点として外方に開く方向(シリンダ50から離れる方向)の回転力が寸与され、この回転力はアーム41a,41bに係止したアーム支持板46により規制されている。
次にこのスプリンクラヘッドの動作について説明する。いま、火災が発生して感熱板兼保護カバー61が加熱され、その熱及び周辺からの熱気流により感熱体53が加熱されると、感熱体53は軟化するため、第1のピストン54が感熱体53を押し潰して下方に下がる。更に、感熱体53が溶融し始めると、溶融した感熱体53の一部がシリンダ50と第1のピストン54の間に入り込み、シリンダ50及びこれに固定されたアーム支持板46が上昇し、両アーム41a,41bが、フレーム10のフランジ部12との係止部を支点として外方に回動する。この結果、アーム41a,41bの係止穴44と、アーム支持板46の係止片49a,49bとの係合が外れ、感熱分解部40は分解する。これにより、保護カバー61を含む感熱分解部40及びバランサ35は、フレーム10の底部14に設けた開口部16から外部に落下する。
同時に弁体20と一体化されたアームガイド30は、自重と消火水の圧力によりフレーム10の開口部16の両端部に沿って下降し、弁体20のフランジ部がフレーム10の底部14に着座し、開口部16を閉塞する。これにより、放水口5が開口され、消火水はフレーム10内を通って散水□15から散水される。
なお本実施形態においては、感熱体53を普通の合成樹脂から構成した場合で説明したが、例えば熱可塑性樹脂と硬化プラスチックからなる二層構造の合成樹脂によって感熱体53を構成してもよい。そしてシリンダ50内面に接触する部分に、感熱体53の熱可塑性樹脂の部分を位置させ、第1のピストン54が当接する部分に感熱体53の硬化プラスチックの部分を位置させる。このようにすると、感熱体53の熱可塑性樹脂の部分は、シリンダ50から伝わる熱によって軟化及び溶融しやすい。そして感熱体53の硬化プラスチックの部分には、常時、第1のピストン54が当接しており、荷重がかかっているが、硬化性を有するので、変形しにくく、スプリンクラヘッドの誤動作を防止することができる。また熱によって体積が収縮する熱収縮性の樹脂を感熱体に使用してもよい。また感熱体の形状は、偏平な円柱ではなく、高さのある円柱でもよい。
実施の形態2
本願発明者により先の発明の出願後においても、本発明について不断の継続的な実験・研究が推進された。その結果、先の出願をより以上発展させた追加の発明をなすに至ったので、この追加の発明を実施の形態2としてその技術的な内容を次に説明する。
前記の動作説明で述べたように、スプリンクラヘッドは火災発生初期において屋内温度が低温度から高温度に移行するときの感熱体53の固体→液体という物理的な遷移に伴う相の変化を利用して、感熱分解部40を分解させて散水口15から加圧消火水を散水させて初期消火するという原理が応用されている。そして、この感熱体53として対応する温度範囲の融点を持つ有機化合物(合成樹脂)のような非金属材料を用いると化学的な性質に伴う環境汚染や腐食の防止等の面で種々の利点のあることは、実施の形態1において説明した通りである。この種の有機化合物の物質名とそれぞれの融点を、次表の表1に例示する。
表1にはA〜Xの24種のスプリンクラヘッドの動作温度に適した低融点、例えば60〜300℃、好ましくは60〜150℃の融点を有する有機化合物の物質名がほぼ低融点から高融点に向かって順に掲げられ、右端にそれぞれの融点(℃)が表示されている。ここで、本願発明者は表1に示された24種の有機化合物のうちで、融点の増加方向に沿ってほぼ等間隔に並ぶC,E,G…等からなる安息香酸が主成分である安息香酸系の物質に着目した。具体的には、表1の第3行のCは融点69のP−ヒドロキシ安息香酸ブチルであり、第5行のEは融点76のP−ヒドロキシ安息香酸イソブチルであり、さらに第7行のGは融点97のP−ヒドロキシ安息香酸プロピルである。以下、第9行のIは融点117の“エチル”,第11行のKは融点121の“メチル”,…等のような順序に並んだ安息香酸系の物質である。
そこで、表1から安息香酸系の物質C,E,G…等だけを摘出し、その融点や物性等の物理的な性質を一覧的に示した表2が作成された。表2から、安息香酸系の有機化合物は“ブチル”や“イソブチル“等のアルキル基を変えることにより融点を変化させることができ、かつその融点の温度範囲が前記スプリンクラヘッドの動作温度をほぼカバーできることが確認された。この結果、スプリンクラヘッドの感熱体に安息香酸系の有機化合物を適用すれば、融点を自由に設定でき実施の形態1に述べられた製作の容易性を一層高めることができる等の効果が更に付随することになる。つまり、半田の場合は、Sb,Pb,In,Cdなどの合金であるため、これらの配合比率を変えることで、所望の融点で溶けるように設定しなければならない。これに対して、安息香酸系の物質は、単一の物質であるので市販の材料である微粉末をそのままペレット、即ち微粉末を圧縮するなどして、シリンダ形状に合うように、粒状に固化して成型するだけでよい。
一方、感熱分解部40の一部を構成する従来の半田(可溶合金)53は円板状に成形されて、シリンダ50内で周囲に狭い円筒状の隙間(図1には示されていない)を設けて収容されている。図3に示すように、シリンダ50内の半田53は、上方から第1ピストン54と第2ピストン59に押圧されて組立荷重が加えられる。普通、この種の組立荷重は、スプリンクラヘッドの火災の発生に対する応答特性を向上させるために50〜60Kgf程度に設定される。このため、長い期間が経過すると、半田は押し潰され、シリンダ50と第1のピストン54の隙間に流入することになる。このような半田の形状の変化をクリープといい、実際にスプリンクラヘッドに感熱体を組み込む前に、その感熱体がクリープを引き起こさないかを調べるために、次のようなクリープ試験が行われる。本願の実施の形態2における2種類の有機化合物を用いた感熱体について、荷重を与えたときの強度を計測する実験的なクリープ試験を行った。
上記のように円筒状のシリンダ50の内底面に配置された可溶性の試験試料に50Kgf程度の荷重が加えられると、液体と同様に試験試料の中央部の厚さが減少して周辺部がシリンダ50と第1ピストン54との間の隙間内に押し上げられることが知られている。クリープ試験はこのような実験設備により実際の組立荷重の1/13程度の一定荷重Wを加えて或る時間経過したときを初期状態として、その後の試料の高さを測定し、荷重によってどれだけ押し潰されたか、その減じた分の高さhの経時変化が測定される。発明者による実験的な試験サンプルには融点の公称作動温度が69〜72と75〜77の安息香酸系の2種類のサンプルS1とS2が使われ、従来から用いられている半田と比較された。
上述の実験結果が、図4のグラフに示されている。縦軸は元の感熱体の高さに対して減じた分の変位量h、横軸には“日”(day)が目盛られている。なお、ここで感熱体の初期状態の高さは2mm程度である。図4のグラフ上にプロットされた従来の半田の変化を表す折線S3は測定開始から9日を経過しても未だ不安定な正接勾配を持ち、変位量の大きいt=0.35mmに向かう漸近線になっている。これに対して、本発明の実施の形態2に用いられた安息香酸系のサンプルの累積変位量を示す折線S1とS2は、実験開始後の既に5日と7日後には共にt=0.1mmの近似値を示す横軸に収斂している。図4のグラフに示すように、安息香酸系の物質を用いた本発明によれば、従来の半田に比較して荷重に対する経時(経年)変化量が30%以下の値を示し、しかも経過時間に対する安定度が速く変動がはるかに少ないことが実験的に確かめられた。
次に感熱体の感度についての測定結果を表3に示す。この測定では、図4のサンプルS2とS3を使用し、スプリンクラヘッド内にそれぞれのサンプルをセットして、そのスプリンクラヘッドを熱気流雰囲気下に設置して、どの程度の時間で動作するか感度を比較した。スプリンクラヘッドに感熱体をセットして、熱気流雰囲気下に設置すると、時間の経過に伴い、感熱体の温度は緩やかに上昇していく。このとき、横軸を時間、縦軸を感熱体の温度とすると、その時間と温度の関係は、ある時定数によって定まる指数関数で表すことができる。この時定数は、感度が高い程、小さくなり、表3で示すように、安息香酸系の感熱体の時定数は、半田の時定数よりも小さく、感度の点で優れていることがわかった。また、スプリンクラヘッドが動作するまでに要した時間は、有機化合物で14.6秒、そして、半田で18.4秒であった。このように図4及び表3の結果から、ヒドロキシ安息香酸エステルを成分とする感熱体は、半田を感熱体としたものに比べ、温度に対する感度が高く、かつ硬度が高く、荷重に対して変形しにくいことがわかった。この硬度が高い点は、結晶性を有する有機化合物の粉末を圧縮成型してペレット状にしたからだと考えられる。
実施の形態3
一般に、有機化合物は、水に溶けにくいという物性をもつ。しかし、非常に温度の高い温水下では、溶けうる可能性がある。そこで、有機化合物からなるペレットに防水性のコーティング剤を塗布したり、又はビニル袋やカプセルのようなもので、ペレットを包んだりして、ペレットにコーティングを施すようにしてもよい。このようにすると、防水性及び耐水性を高めることができ、環境の悪い場所に設置されるスプリンクラヘッドに適した感熱体を作成できる。
本発明の各実施の形態においては、フラッシュ型のスプリンクラヘッドを使用した場合で説明したが、マルチ型やフレーム型のスプリンクラヘッドにも本実施形態の感熱体を使用することができる。また、実施の形態1において、スプリンクラヘッドの動作温度によって感熱体の色を異なるようにしてもよいと記載したが、この点については、実施の形態2でも同様のことが言える。また、芳香族系の有機化合物、例えばナフタレンなどを使用して、スプリンクラヘッドの動作温度によって感熱体のニオイを異ならせるようにしてもよい。このようにすると、目の悪い人でも、スプリンクラヘッドの組立作業を行うことができ、また暗い場所で作業することができる。またスプリンクラヘッドに感熱体を組み込んだ後でも、何度で動作する感熱体が組み込まれているかを、ニオイを嗅ぐだけで知ることができる。なお、有機化合物自体のニオイを使わずに、無臭の感熱体に香料を付加することで、感熱体が特定のニオイを生じる物質になるようにしてもよく、このようにしても同様の効果が得られる。
本発明においては感熱体として半田の代わりに合成樹脂または固形ワックスを使用したので次のような効果がある。
(1)Pb、Cdなどの金属を使用しないので、環境面に配慮したスプリンクラヘッドを得ることができる。
(2)耐腐食性に優れているので、駐車場、化学実験室、厨房などの腐食性のガスが発生しうる場所にも設置可能である。
(3)形状を自由に変更できるので、シリンダの形状が異なっても、それに対応しやすい。
このほか、上記の実施の形態1の効果と一部重複するが、実施の形態2による効果を羅列すれば次のa〜fに示す通りである。
a.環境に優しい材質表2に示すように、安息香酸系の有機化合物は一般には食品類等の防腐剤として使用されている。換言すれば、食品類に混入して使用されており、万一を考慮しても危険率の少ない物質と見なされ、たとえ一般の廃棄物として廃棄されても環境に与える影響を少なくできる。
b.融点の精度が高い従来の半田の作動温度が融点の表示温度の±3%以内であるのに対して、安息香酸系の有機化合物では0.7%以内で作動する(表2参照)。
c.材料費が安価一般に、安息香酸系のような有機化合物の材料費は金属材料に比較して極めて安く、例えば1g当たり10円程度である。実施の形態2で構成される安息香酸系の感熱体はほぼ0.1gであり、その材料費は高々1円程度になり全材料費に対して感熱体(ペレット)の占める材料費が著しく少ないことが類推できる。
d.経年変化が少ない安息香酸系等の有機化合物は単一物質なため、物理的・化学的な構造の変化が少ない([表2]参照)。
e.耐腐食性Sn、Pb、In、Cd等を合金にした従来の半田のように腐食することがなく、腐食性ガスの環境下でも殆ど腐食現象がみられない。
f.形状が自由に変更できる。感熱体として用いた従来の半田を安息香酸系等の有機化合物に代えるだけでなく、スプリンクラヘッドそのものを有機化合物で構成することが可能になる。したがって、従来のような複数の金属からなる感熱分解部のような複雑なリンク機構がなくなり、組立荷重も不必要なスプリンクラヘッドが実現できる。
1 本体、4 ねじ部、5 放水口、7 弁座、10 フレーム、11 めねじ、12 フランジ部、13 周璧、14 底部、15 散水口、20 弁体、22 パッキン、30 アームガイド、35 バランサ、40 感熱分解部、41a,41b アーム、44 第1の係止穴、45 第2の係止穴、47 本体、46 アーム支持板、48 貫通穴、49a,49b 係止片、50 シリンダ、51 つば部、53 感熱体、54 第1のピストン、55 リンク押え板、56 本体、57 ねじ穴、61 保護カバー、58a,58b 嵌合片、59 第2のピストン、60 ねじ部。

Claims (5)

  1. 放水口を塞ぐ弁体と、該弁体を支持する、シリンダ及びピストンからなる感熱分解部と、該シリンダ内に収容され、ピストンによって押圧される感熱体とを備えたスプリンクラヘッドにおいて、
    60〜150度の温度範囲のなかに、融点を持つ有機化合物を前記感熱体として使用し、
    前記感熱体が、前記有機化合物の微粉末を粒状に固化して成型したペレットから構成されることを特徴とするスプリンクラヘッド。
  2. 前記有機化合物からなる前記感熱体の一定荷重に対する経年変化量が、実際にスプリンクラヘッドに使用されるときの組立荷重の1/13程度の一定荷重を一週間にわたってかけるとき、前記感熱体の初期状態の高さの7%以下であることを特徴とする請求項1記載のスプリンクラヘッド。
  3. 前記融点の表示温度の±0.7%以内で、前記スプリンクラヘッドは、作動することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスプリンクラヘッド。
  4. 前記有機化合物は、フタル酸ジシクロヘキシル、パルミチン酸、P−ヒドロキシ安息香酸ブチル、β−メトキシナフタリン、P−ヒドロキシ安息香酸イソブチル、アセト酢酸アニリド、P−ヒドロキシ安息香酸プロピル、アセトアニリド、P−ヒドロキシ安息香酸エチル、無水コハク酸、P−ヒドロキシ安息香酸メチル、から選ばれることを特徴とする請求項1記載のスプリンクラヘッド。
  5. 前記有機化合物は、ヒドロキシ安息香酸エステルで構成したことを特徴とする請求項1記載のスプリンクラヘッド。
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