JP2003342666A - 無鉛・無カドミニウム低融点合金、温度感応型安全弁及びヒューズエレメント - Google Patents

無鉛・無カドミニウム低融点合金、温度感応型安全弁及びヒューズエレメント

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JP2003342666A
JP2003342666A JP2003076187A JP2003076187A JP2003342666A JP 2003342666 A JP2003342666 A JP 2003342666A JP 2003076187 A JP2003076187 A JP 2003076187A JP 2003076187 A JP2003076187 A JP 2003076187A JP 2003342666 A JP2003342666 A JP 2003342666A
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low melting
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safety valve
weight
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JP2003076187A
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Hiroshi Chiba
拓 千葉
Atsuya Kameyama
厚也 亀山
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TEIKOKU METAL KOGYO KK
Hamai Industries Ltd
Original Assignee
TEIKOKU METAL KOGYO KK
Hamai Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鉛及びカドミウムを含まない低融点合金を提供
する。 【解決手段】Snが20〜55重量%、Inが40〜5
5重量%、Gaが0.05〜1.5重量%、Biが0.
05〜26重量%、Znが0.05〜1.2重量%、A
gが0.05〜1.5重量%、Sbが0.05〜1.0
重量%含まれる低融点合金。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、低融点合金にか
かり、詳しくは、鉛やカドミウムを含まない低融点合金
並びに低融点合金を用いた温度感応型安全弁及びヒュー
ズエレメントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保護の観点から、製品に対し
て有害物質を回避した設計をすることや、リサイクリン
グに配慮した設計をすること等が奨励されている。低融
点合金は、欧米にて組成規格されたものが世界的に使用
され、それぞれの温度範囲規格内に鉛やカドミニウムを
含有されたものが用いられている。このような低融点合
金は、例えば、安全器具(火災報知器、消火器や加熱器
等の制御に用いる自動安全装置等)、半田付け用と密封
用などに使用されている。この半田付け用と密封用とし
て使用するのは、熱に弱い性質を持つ部品の半田付け
や、密封に使用される。例えば、ワックスの入ったコン
デンサ接点付け、ピューターのような低融点金属、又
は、食料品、プラスチックス、織物や絶縁材料のような
有機材料の密封がある。このような用途に用いること
で、半田付けや密封時に、熱による損傷を受ける危険が
なくなり、又、硬引きバネの焼戻しも害がない。
【0003】一方、車両メーカには、車両の構成部品
に、有害物質の使用を出来得る限り回避すること、リサ
イクルの安易化を図ること等が要請されている。特に、
特定の有害物質、例えば、車両、関連機器、素材、構成
部品等について、鉛、水銀、カドミウム、六価クロム
は、含有しないことが義務化される方向に、社会的要請
が強まりつつある。ところで、半田等に代表される低融
点合金として使用される合金は、既述のように、主成分
として鉛やカドミウムを含有しており、以上のような要
請の下、低融点合金についても、鉛やカドミウムを除い
た組成とすることが必要とされている。
【0004】一方、高圧ガスを充填する容器には、ガス
の温度が上昇すると、容器内の圧力が上昇し、容器が破
裂する恐れがあるので、温度上昇に反応して、開放動作
する安全弁が取り付けられる。この安全弁には、ガスの
排出路に、低融点合金が充填された溶栓が用いられてお
り、安全弁本体の温度が所定の温度に達すると、溶栓が
溶解し、ガス排出路が開放され、ガスが排出される構成
となっている。しかし、従来の安全弁では内側から外側
へ溶栓を押し出す方向に、常時ガス圧が作用しているた
め、周囲の温度が作動温度に到達していない状態であっ
ても、長い間に、クリープ現象が起こり、溶栓が外側に
押し出されてしまうという問題がある。
【0005】従来の低融点合金としては、例えば以下に
示す文献が挙げられる。
【0006】
【特許文献1】特開2001−214985号。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特許文献1では、冷凍
装置用の可溶栓に用いられる合金であって、例えば燃料
ガスの温度感応型安全弁に用いるには、液相線温度が低
くすぎ、使用に適さない。
【0008】この発明は、鉛及びカドミウムを含まない
低融点合金を提供するとともに、低融点合金を用いた温
度感応型安全弁と、従来の合金型温度ヒューズは線状・
板状が困難であったものを容易に加工し易い低融点合金
とこの低融点合金を用いたヒューズエレメントを提供す
ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上のような目的は、以
下の発明により達成される。 (1) Snが20〜55重量%、Inが40〜55重
量%、Gaが0.05〜1.5重量%、Biが1.0〜
26重量%を含む低融点合金。
【0010】(2) さらに、Znを0.05〜1.2
重量%含む上記(1)に記載の低融点合金。
【0011】(3) さらに、Agを0.05〜1.5
重量%含む上記(1)又は(2)に記載の低融点合金。
【0012】(4) さらに、Sbを0.05〜1.0
重量%含む上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の低
融点合金。
【0013】(5) 上記(1)〜(4)のいずれか1
に記載の低融点合金に対して、3〜500μmの粒径を
有するセラミック粒状体を、0.02〜2.0重量%含
有した低融点合金。
【0014】(6) 上記(1)〜(4)のいずれか1
に記載の低融点合金に対して、3〜500μmの粒径を
有する金属粒状体を、0.002〜2.0重量%含有
し、前記金属粒状体を構成する金属の融点は、上記
(1)〜(4)のいずれか1に記載の低融点合金の混合
時溶解温度よりも高い温度である低融点合金。
【0015】(7) 円柱状に形成された上記(1)〜
(6)のいずれか1に記載の低融点合金。
【0016】(8) 筒状に形成された上記(1)〜
(6)のいずれか1に記載の低融点合金。
【0017】(9) シリンダと、シリンダ内に挿入さ
れ、シリンダ内と外部とを連通する開口部を開放する開
放位置と閉鎖する閉鎖位置との間で移動するピストン
と、ピストンが閉鎖位置から開放位置へ移動すると容積
が縮小する収納部と、ピストンを開放位置の方向へ付勢
する付勢部材と、収納部と外部とを連通する連通路とを
備えた温度感応型安全弁における、前記収納部に充填さ
れる上記(1)〜(6)、(8)のいずれか1に記載の
低融点合金。
【0018】(10) 温度感応型安全弁の溶栓として
使用される上記(1)〜(7)のいずれか1に記載の低
融点合金。
【0019】(11) 前記温度感応型安全弁は、水素
ガス容器用安全弁であって、液相線温度が100〜11
0℃の範囲内である上記(9)又は(10)に記載の低
融点合金。
【0020】(12) 上記(1)〜(11)のいずれ
か1に記載の低融点合金を溶栓として用いた温度感応型
安全弁。
【0021】(13) 電子部品・電気器具・一般産業
機器等に使用されている合金型温度ヒュ−ズの低融点可
溶合金片(ヒュ−ズエレメント)に使用される上記
(1)〜(6)のいずれか1に記載の低融点合金。
【0022】(14) 板状又は線状に形成された上記
(1)〜(6)、(13)のいずれか1に記載の低融点
合金。
【0023】(15) 上記(1)〜(6)、(1
3)、(14)のいずれか1に記載の低融点合金で構成
されているヒューズエレメント。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の低融点合金は、Snが2
0〜55重量%、Inが40〜55重量%、Gaが0.
05〜1.5重量%、Biが0.05〜26重量%の組
成を含有する。好ましくは、Snが21.05〜52.
00重量%、Inが42.00〜54.00重量%、G
aが0.1〜0.8重量%、Biが1.0〜25.0重
量%の組成を含むとよい。この範囲の組成では、液相温
度は68℃〜129℃の範囲となる。
【0025】さらに、Snが36.00〜46.95重
量%、Inが42.00〜53.00重量%、Gaが
0.2〜0.5重量%、Biが1.0〜12.0重量%
の組成を含むとよく、液相温度は、90℃〜129度の
範囲となる。また、Snが41.00〜46.00重量
%、Inが50.00〜52.50重量%、Gaが0.
2〜0.5重量%、Biが1.0〜6.0重量%の組成
を含む合金では、液相温度は、100℃〜108℃の範
囲となる。
【0026】なお、上記組成の合金に、さらにZn、A
g、Sbの少なくとも1つを含むことにより、合金の粘
性、硬度が向上し、クリープの発生を抑制する効果が向
上するなどが得られる。これらの含有量は、Znは0.
05〜1.2重量%、好ましくは0.1〜1.0重量
%、さらに好ましくは、0.3〜0.7重量%、一層好
ましくは0.4〜0.7重量%の範囲であるとよい。A
gは、0.05〜1.5重量%、好ましくは0.10〜
1.0重量%、より好ましくは0.1〜0.60重量
%、一層好ましくは0.1〜0.30重量%であると良
い。Sbは、0.05〜1.0重量%、好ましくは0.
10〜0.50重量%、より好ましくは0.1〜0.3
0重量%、一層好ましくは0.1〜0.30重量%であ
ると良い。
【0027】以上のように、Zn、Ag、Sbを含有す
ることにより、硬度、粘性が増し、金属としての機械的
・物理的性能が向上するため、機械的・生産的材料とし
て利用することが一層容易となる。例えば、安全弁の溶
栓として装填するために、円柱状や筒状に形成・加工す
ること、さらに、ヒューズエレメントとして使用する場
合には、線状又は板状に加工することが容易となる。ま
た、後述するように、安全弁の溶栓として使用した場合
には、常温でクリープが発生し、高圧ガスによって、溶
栓が押し出されといった現象も、一層抑制される。同様
に、セラミック製粒状体を、0.02〜2.0重量%加
えることもできる。この場合の粒状体は、例えば粒径が
3〜500μmの範囲である粒が含まれていることが好
ましい。
【0028】セラミック製粒状体の他、本発明の低融点
合金の混合時溶解温度よりも高い温度の融点を有する金
属で構成された粒状体を、0.002〜2.0重量%加
えてもよい。この粒状体の粒径も、セラミック製粒状体
と同様の範囲の径を有するものが用いられる。金属粒状
体は、高い融点を有しているので、合金の溶解混合時に
は、他の組成金属と(合金の成分として)溶け合わず、
機械的強度を強化する材料として作用することができ
る。このような金属としては、例えば、ニッケル、ボロ
ン、チタンなどが挙げられる。これら、セラミック粒や
金属粒の混合方法は、例えば、加圧含浸法、溶湯攪拌法
などの公知の方法による。このように、セラミック粒状
体や金属粒状体を含有することでも、硬度、粘性がより
一層増加し、金属としての機械的・物理的性能が向上す
るため、機械的・生産的材料として利用することが可能
となる。
【0029】図1は、温度感応型安全弁の構成を示すも
ので、安全弁の平面断面図、図2は、実験時の使用状態
を示す断面側面図である。安全弁9は、高圧ガス容器等
のガス排出口901が形成された安全弁取付部90に取
り付けられる。安全弁9は、六角柱状(ナット状)に形
成された本体91と、その中央に形成された雌ねじ92
と、雌ねじ92が形成された穴の底部に形成された収容
部93と、該収容部93を中心として、本体91の側面
へ向けて3方向へ形成された排出路94とを備えてお
り、3つの排出路94は、収容部93の軸心を中心とし
て、等角度(それぞれ120°)を成すようにそれぞれ
形成されており、収容部93と外部とを連通している。
雌ねじ92は、安全弁取付部90の外周に形成された雄
ねじ902に螺合されている。安全弁取付部90と安全
弁9の間には、パッキン95が介挿されている。
【0030】収容部93と3つの排出路94には、本発
明の低融点合金からなる溶栓96が充填される。この安
全弁9のへの溶栓96の充填は、本発明の低融点合金を
溶かした状態で、収容部93と排出路94へ流し込むこ
とにより行われる。また、このような溶栓は、例えば、
横断面の直径が、排出路の内径に合致した線状又は円柱
状の部品を、本発明の低融点合金で予め形成し、この部
品を、排出路に嵌入して構成することもできる。
【0031】このような温度感応型安全弁は、例えば、
高圧水素ガス容器に用いられる。水素ガス容器の安全弁
としては、作動温度は95〜115℃の間で、より好ま
しくは、100〜110℃の間、さらに好ましくは、1
02〜107℃の間であることが望まれる。従って、こ
のような作動温度とするためには、溶栓96を構成する
本発明の低融点合金の液相線温度は、72〜135℃の
間、より好ましくは95〜120℃の間、さらに好まし
くは100〜105℃の間であるとよく、上記組成とす
ることによって、このような液相線温度の範囲を実現す
ることができる。
【0032】図3は本発明の低融点合金が用いられる安
全弁の他の構成を示す側面断面図であり、動作していな
い通常の状態を示すものである。図4は、同じく側面断
面図であり、作動した状態を示すものである。安全弁1
は、天然ガスを燃料ガスとするエンジンの燃料タンクに
取り付けられる。或いは、燃料タンクに接続された流通
路に接続され、燃料タンクの温度が安全弁に十分伝わる
範囲の位置に取り付けられる。この安全弁は、燃料タン
クの温度上昇により、タンク内圧が上がり燃料タンクが
爆発することを防止するため、燃料タンクの温度が上昇
して、所定の温度に達すると作動し(開放し)、燃料タ
ンク内のガスを外側に放出する作用を有する安全弁であ
る。
【0033】安全弁1は、本体2と、本体2内に収納さ
れるピストン5と、ピストン5と本体2との間に充填さ
れている可溶材料としての可溶合金7と、ピストン5と
本体2との間に介挿されている付勢手段としてのスプリ
ング4とを備えている。可溶合金7には、本発明の低融
点合金が用いられる。
【0034】本体2は、基体21と、蓋体22とを備え
ている。基体21は、燃料タンク側の接続孔20に螺合
される雄ネジ部211が形成された接続部210と、接
続部210の先端に形成された開口部212と、開口部
212の反対側の端部に形成されたシリンダ部3と、開
口部212とシリンダ部3の間に形成され、スプリング
4を収納するためのスプリング収容部213と、開口部
212とシリンダ部3とを連通するガス流路214と、
基体21の外側面と、シリンダ部3の内周面とを連通さ
せる排出路215と、シリンダ部3の外周面に形成され
蓋体22が螺合する雄ネジ部216とを備えている。
【0035】シリンダ部3は、内径が小さな第1シリン
ダ31と、内径が大きな第2シリンダ32とを有し、第
1シリンダ31と第2シリンダ32は同一軸線上に連通
した状態で形成されており、第1シリンダ31と第2シ
リンダ32の間にスプリング収容部213が形成されて
いる。スプリング収容部213の開口部212側の段部
は、スプリング受け面213aとして作用する。第1シ
リンダ31は、弁開放時には、排出路215と連通して
ガス流路214として作用する。
【0036】蓋体22は、シリンダ部3を構成する第3
シリンダ33と、基体21の雄ネジ部216が螺合する
雌ネジ部221を内側に有する円筒状の接続部222
と、接続部222の内側と外側を連通させる連通路22
3とを備えている。本実施形態では、第1シリンダ31
の内径と、第3シリンダ33の内径は同一となるように
形成されている。
【0037】蓋体22の接続部222に、基体21の雄
ネジ部216を螺合させねことによって、本体2が構成
される。そして、シリンダ部3内にピストン5が収めら
れている。ピストン5は、3つの摺動部を有している。
ピストン5は、第1シリンダ31と第3シリンダ33と
にそれぞれ収められている第1摺動部51と第3摺動部
53とを備え、さらに第1摺動部51と第3摺動部53
との間に形成され、これらの摺動部より大きな径を有
し、第2シリンダ32内に収められている第2摺動部5
2を備えている。そして、第1摺動部51の先端には第
1受圧面561、第3摺動部53の先端には第2受圧面
562がそれぞれ形成されている。ピストン5は、シリ
ンダ部3内で摺動自在であり、両端の第1受圧面561
と第2受圧面562にガス圧を受けるバランスピストン
となっている。
【0038】さらに、ピストン5には、第1受圧面56
1と第2受圧面562の中央にそれぞれ開口571、5
72を有する通路57を備えている。この実施形態で
は、第1シリンダ31と第3シリンダ33との内径が同
一である結果、第1受圧面561と第2受圧面562の
受圧面積は同一に形成されている。
【0039】上記各摺動部51、52、53の外周面に
は、シール材としてOリング541、542、543が
それぞれ設けられている。第2摺動部52と、第1摺動
部51との間に形成されている段部は、スプリング受け
面55として作用する。スプリング4は、第1摺動部5
1に外装され、スプリング受け面213aとスプリング
受け面55との間に、縮められた状態で介挿されてい
る。スプリング4の付勢力は、3つのOリングの摩擦力
に打ち勝ってピストン5を移動させる程度に大きく、か
つその範囲で最も小さい力に設定されている。
【0040】可溶合金7を収納している収納部6につい
て説明する。収納部6は、ピストン5がスプリング4の
付勢力によって移動することにより、容積が減少する構
成となっている。シリンダ部3内に収められているピス
トン5と第2シリンダ部32との間に形成された空間が
収納部6とされる。つまり、収納部6は、第2摺動部5
2と第3摺動部53との間に形成される段部によってな
る移動側押圧面58と、蓋体22側において、移動側押
圧面58に対向する位置に形成された、固定側押圧面2
24との間の隙間によってなり、この収納部6内に可溶
合金7が充填されている。また、収納部6は、連通路2
23によって、本体2の外側と連通している。可溶合金
7は、収納部6の内周面の形状に合致した円筒状に、予
め形成されており、組み立て時に、収納部6に装填され
る。
【0041】第3摺動部53は、収納部6を設けること
によって、第3シリンダ33内から後退した状態とな
り、第3シリンダ33内で第2受圧面562の先端側に
空間8を形成される。空間8内には、通路57を介して
タンク内と同じガス圧が作用する。
【0042】以上のように構成された本発明の安全弁1
の作用について説明する。この安全弁1は、燃料タンク
に取り付けられた状態で、作動していない通常の状態で
は、閉じ状態となっている。ピストン5はスプリング4
の付勢力によって、開放する方向へ常時付勢されてい
る。可溶合金7は、ピストン5と本体2の間に設けら
れ、ピストン5の移動を止めるストッパーとして作用し
ている。
【0043】この状態では、通路57によって、ピスト
ン5の第1受圧面、第2受圧面には、逆方向から同じガ
ス圧が加わっており、ガス圧に基因して生ずるピストン
を動かす力は生じていない。このガス圧に基因する力
は、ガス圧の上昇とは無関係につねに発生しない。つま
り、ピストン5には、スプリング4による付勢力のみが
加わっている。この付勢力は、燃料タンクのガス圧とは
無関係に加わっている力である。スプリング4による付
勢力は、ピストン5を移動させ得る大きさで、かつ極力
小さな力に設定されているので、可溶合金7に加わって
いる力の値は、クリープを生じさせる程の大きさではな
い。
【0044】以上のように、可溶合金7にはガス圧に基
因する押圧力が加わらない。これにより、ガス圧を考慮
しなくてもよいので、クリープの発生を抑制するため
に、排出する際にガスが流通するガス流路214の断面
積を小さくする必要がなく、該断面積を十分広く取るこ
とができる。従って、安全弁のサイズを大きくすること
なく、排出する際にガスが流通するガス流路214の断
面積を大きくとることができる。つまり、安全弁のコン
パクト化が図られ、自動車の燃料タンクの様に、安全弁
の配置スペースの少ないところでも容易に取り付けるこ
とができる。
【0045】燃料タンクの温度が上昇すると、該温度上
昇によって、安全弁1の温度も上昇し、可溶合金7の温
度も上昇する。可溶合金7の温度が予め設定された温度
に達すると可溶合金7が溶融する。可溶合金7の溶融に
よって、スプリング4の付勢力によってピストン5が押
し込まれ、移動側押圧面58が固定側押圧面224方向
へ移動する。図2に示されているように、このピストン
5の移動によって可溶合金7が連通路223により本体
2の外側に押出される。同時に、ピストン5の移動によ
って、第1摺動部51が第1シリンダ31から外れ、ガ
ス流路214と排出路215がスプリング収容部213
を介して連通し燃料タンク内のガスが排出される。この
ような安全弁1の開動作によって、燃料タンク内のガス
圧が低下する。上記説明した安全弁1が使用される燃料
ガスとしては、天然ガスの他に、水素ガスなど他の可燃
性ガスが上げられる。
【0046】以上のような実施形態の他、本発明の低融
点合金は、電子部品・電気器具・一般産業機器等に使用
されている合金型温度ヒュ−ズの低融点可溶合金片(ヒ
ュ−ズエレメント)として使用することができる。例え
ば、板状、線状に形成することにより、電子部品、電気
器具等に使用されるヒューズエレメントとして用いられ
る。その他、用途に応じて任意の形状に形成され、ヒュ
ーズエレメントとして使用される。特に、Zn、Ag、
Sbを含め、さらに、セラミック粒状体、金属粒状体を
混合することにより、硬度が増し、機械的な加工が容易
となるため、所望の形状への加工が容易となり、ヒュー
ズエレメントの材料として有利となる。
【0047】
【実施例】以下に本発明の低融点合金の実施例を示す。
表1は、本発明の低融点合金の組成成分と、各実施例の
固相線温度と液相線温度を表示したものである。これら
の実施例は、低融点のヒューズエレメントとして十分に
作用する液相線温度を有するものである。
【0048】
【表1】 表2は、低融点合金を図1及び図2に示す安全弁の溶栓
として使用した場合、表2中の測定温度とは、微小気泡
として、安全弁の排出路からガスが漏れ始めた時点の温
度を測ったものである。この温度の測定は、高圧ガス容
器附属品 安全装置作動試験基準(高圧ガス保安協会
編:昭和53年10月14日/昭和54年11月12日
改正)に基づいて行われている。試験槽内の液体はグリ
セリンを使用し、加圧するガスは、5〜10kgf/c
2の圧縮空気を使用した。ここで、安全弁の収容部9
3の内径は、8mm、深さは、4.5mm、排出路94
の全長は、6.5mm、内径は、2.5mmであり、充
填されている溶栓の総量は、320mm3とした。
【0049】
【表2】 表2に示す実施例の測定温度は、上記安全装置作動試験
基準において規定されている、高圧ガス等の安全弁に使
用可能な溶栓として使用し得るとされる測定温度の範囲
内(110℃以下)に収まっていた。この他、表1に示
されている組成の各実施例についても、同様の試験をし
た結果、安全弁の溶栓として使用した場合、実施例9〜
11、14、15、19を除き、作動温度が95〜11
5℃の範囲内で、安定した性能を発揮できることが解か
った。また、例えば、自動車用燃料として使用される高
圧天然ガス、或は燃料電池の燃料ガスとして使用される
高圧水素ガスの容器など、高圧ガス容器に用いられる安
全弁に使用する場合には、液相線温度が、100〜11
0℃の範囲であることが一層好ましく、これには、特に
実施例1〜8が該当する。
【0050】さらに実験例8の試料に、50μmの粒径
の粒と、10μmの粒径の粒を1:1で含有するセラミ
ック粉体を70ppm含有させた試料を作成し、作動温
度を上記方法により測定したところ、同様の測定値を得
た。さらに、図3及び図4に示されている安全弁の可溶
合金として使用する場合には、ガス圧が直接合金に作用
しないため、一層安定した性能を確保することができ
る。また、Zn、Ag、Sb、セラミック粉体、金属粉
体を含まない合金を使用した場合においても、構造的に
クリープの発生が十分抑制されているため、弁の開放動
作を安定的に発揮させることができる。
【0051】
【発明の効果】本発明の低融点合金によれば、鉛及びカ
ドミウムを含まない低融点合金を提供することができ
る。特に、Zn、Ag、Sbを含めることによって、硬
度が増し、機械的性能が向上する。合金型温度ヒューズ
を線状・板状等への加工が容易となる。また、セラミッ
ク粒状体を含有することで、液相線温度の変動を抑制し
つつ、さらに硬さを増すことができる。このような低融
点合金を溶栓として用いることによって、高圧容器用温
度感応型安全弁を得ることができ、さらに、低融点の鉛
及びカドミウムを含まないヒューズエレメントを得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】安全弁の断面平面図である。
【図2】動作試験を行う際の使用状態を示す安全弁の断
面側面図である。
【図3】他の安全弁の断面側面図であり、作動前の状態
を示すものである。
【図4】同じく安全弁の断面側面図であり、作動後の状
態を示すものである。
【符号の説明】
1 安全弁 2 本体 21 基体 212 開口部 213 スプリング収容部 213a スプリング受け面 214 ガス流路 215 排出路 22 蓋体 222 接続部 223 連通路 3 シリンダ部 31 第1シリンダ 32 第2シリンダ 33 第3シリンダ 4 スプリング 5 ピストン 51 第1摺動部 52 第2摺動部 53 第3摺動部 561 第1受圧面 562 第2受圧面 57 通路 571、572 開口 6 収納部 7 可溶合金 9 安全弁 93 収納部 94 排出路 96 溶栓
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 亀山 厚也 東京都中央区佃3−4−13 帝国メタル工 業株式会社内 Fターム(参考) 3E072 AA01 CA03 GA30

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Snが20〜55重量%、Inが40〜
    55重量%、Gaが0.05〜1.5重量%、Biが
    0.05〜26重量%を含む低融点合金。
  2. 【請求項2】 さらに、Znを0.05〜1.2重量%
    含む請求項1に記載の低融点合金。
  3. 【請求項3】 さらに、Agを0.05〜1.5重量%
    含む請求項1又は2に記載の低融点合金。
  4. 【請求項4】 さらに、Sbを0.05〜1.0重量%
    含む請求項1〜3のいずれか1に記載の低融点合金。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1に記載の低融
    点合金に対して、3〜500μmの粒径を有するセラミ
    ック粒状体を、0.02〜2.0重量%含有した低融点
    合金。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1に記載の低融
    点合金に対して、3〜500μmの粒径を有する金属粒
    状体を、0.002〜2.0重量%含有し、前記金属粒
    状体を構成する金属の融点は、請求項1〜4のいずれか
    1に記載の低融点合金の混合時溶解温度よりも高い温度
    である低融点合金。
  7. 【請求項7】 円柱状に形成された請求項1〜6のいず
    れか1に記載の低融点合金。
  8. 【請求項8】 筒状に形成された請求項1〜6のいずれ
    か1に記載の低融点合金。
  9. 【請求項9】 シリンダと、シリンダ内に挿入され、シ
    リンダ内と外部とを連通する開口部を開放する開放位置
    と閉鎖する閉鎖位置との間で移動するピストンと、ピス
    トンが閉鎖位置から開放位置へ移動すると容積が縮小す
    る収納部と、ピストンを開放位置の方向へ付勢する付勢
    部材と、収納部と外部とを連通する連通路とを備えた温
    度感応型安全弁における、前記収納部に充填される請求
    項1〜6、8のいずれか1に記載の低融点合金。
  10. 【請求項10】 温度感応型安全弁の溶栓として使用さ
    れる請求項1〜7のいずれか1に記載の低融点合金。
  11. 【請求項11】 前記安全弁は、燃料ガス容器用安全弁
    であって、液相線温度が95〜115℃の範囲内である
    請求項9又は10に記載の低融点合金。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1に記載の
    低融点合金を溶栓として用いた温度感応型安全弁。
  13. 【請求項13】 電子部品・電気器具・一般産業機器等
    に使用されている合金型温度ヒュ−ズの低融点可溶合金
    片(ヒュ−ズエレメント)に使用される請求項1〜6の
    いずれか1に記載の低融点合金。
  14. 【請求項14】 板状又は線状に形成された請求項1〜
    6、13のいずれか1に記載の低融点合金。
  15. 【請求項15】 請求項1〜6、13、14のいずれか
    1に記載の低融点合金で構成されているヒューズエレメ
    ント。
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