JP2011115486A - 斜視型内視鏡の先端部構造 - Google Patents

Abstract

【課題】挿入部の先端部本体に形成された先端斜面に、カバーレンズが位置し、該カバーレンズの後方に、プリズム及び後群鏡筒が位置する斜視型内視鏡の先端部構造において、カバーレンズ、プリズム及び後群鏡筒の組立性が高く、かつ、プリズムが容易に脱落することのない斜視型内視鏡の先端部構造を得る。
【解決手段】カバーレンズを収容固定するカバーレンズ収容孔、プリズムを固定するプリズム固定腕、及び上記後群鏡筒を固定する後群鏡筒固定腕を一体に有する補助枠を設け、先端部本体に形成した先端光学要素収納孔に、このカバーレンズ、プリズム及び後群鏡筒を固定した補助枠結合体を収納した内視鏡の先端部構造。
【選択図】図１

Description

本発明は、斜視型内視鏡の先端部構造に関する。

斜視型内視鏡（超音波内視鏡を含む）においては一般に、図６に示されるように、挿入部の先端に配置された先端部本体９１に斜め前方に向いた先端斜面９２が形成されて、その先端斜面９２に形成されたプリズム収容孔９３内にプリズム９０が配置されている。

プリズム収容孔９３の開口部に形成された座繰り状孔９４にはカバーレンズ９５が固着され、カバーレンズ９５の裏面に密接して座繰り状孔９４の底面に固定された受け板９６には、プリズム９０の光像入射面９７の外側の領域（図７に示される斜線部）９８が接合固定されている（特許文献１）。

また、プリズムの光束入射面と出射面を除く周囲にＵ字型の補助枠を接着し、この補助枠をプリズム収容孔の内壁に接合する構造も提案されている（特許文献２）。

特開２０００−２０１８８６号公報 特開２００８−２２０７１１号公報

しかし、プリズム９０の光像入射面９７の外側の領域９８にはさほど十分な接合面積が確保されず、しかもプリズム９０の光像射出面９９に先端が面する状態に配置された対物鏡筒１００を介して信号ケーブル１０１の軸線方向の動きがプリズム９０に伝わった場合等には、受け板９６とプリズム９０の接合部に剥離力が作用するため、接合が破壊されてプリズム９０がプリズム収容孔９３内に脱落してしまう場合があった。Ｕ字型の補助枠を用いる構造も、接合強度は向上するものの、同様の問題がある。

さらに、いずれの従来構造も、光軸方向に順に位置するカバーレンズ（前群レンズ、対物レンズ）、プリズム及び後群鏡筒を、先端部本体において位置調整しなければならないため、これら部品の高い形状精度が要求され、かつその組立性が非常に悪いという問題があった。

本発明は、以上の問題意識に基づき、カバーレンズ、プリズム及び後群鏡筒の組立性が高く、かつ、プリズムが容易に脱落することのない斜視型内視鏡の先端部構造を得ることを目的とする。

本発明は、プリズムは先端部本体のプリズム収容孔へ、カバーレンズは座繰り状孔へ、後群鏡筒は鏡筒孔へ、それぞれ収容し、収容した状態で位置決め固定していた従来構造を改め、カバーレンズ、プリズム及び対物鏡筒を予め一体化して先端部本体の光学要素収納孔へ挿入すれば、組立性が飛躍的に向上し、かつプリズムの脱落も生じないとの着眼に基づいて完成されたものである。

すなわち、本発明の斜視型内視鏡の先端部構造は、挿入部の先端部本体に形成された先端斜面に、カバーレンズが位置し、該カバーレンズの後方に、プリズム及び後群鏡筒が位置する斜視型内視鏡の先端部構造において、カバーレンズを収容固定するカバーレンズ収容孔、上記プリズムを固定するプリズム固定腕、及び上記後群鏡筒を固定する後群鏡筒固定腕を一体に有する補助枠を設け、先端部本体に形成した先端光学要素収納孔に、このカバーレンズ、プリズム及び後群鏡筒を固定した補助枠結合体を収納したことを特徴としている。

補助枠のプリズム固定腕と後群鏡筒固定腕は、同一の一対の腕によって形成するのが実際的である。

先端部本体の先端光学要素収納孔は、補助枠結合体を操作部側から挿入可能とし、先端部本体には、該収納孔の先端に位置させて、抜止位置決め縁を形成するのが好ましい。

補助枠には、より具体的には、先端部本体の先端斜面と面一をなす、カバーレンズ収容孔を有する傾斜板部と、この傾斜板部から平行に延びる一対の腕とを設け、プリズムは、この一対の腕との接触部及び傾斜板部との接触部において該補助枠に接着し、後群鏡筒は、プリズムの後部において該一対の腕に接着することができる。

本発明の斜視型内視鏡の先端部構造は、カバーレンズ、プリズム及び後群鏡筒を固定する補助枠を設け、先端部本体には、このカバーレンズ、プリズム及び後群鏡筒を固定した補助枠結合体を挿入する先端光学要素収納孔を形成したので、先端光学要素を先端部本体に装着する前に、その固定作業及び位置決め作業を行うことができる。従って、補助枠、カバーレンズ、プリズム及び後群鏡筒の一体化により固定強度を高めることができ、さらに組立性を高めることができる。

本発明による先端部構造を備えた斜視型内視鏡全体を示す正面図である。 先端光学要素を固定した補助枠結合体を先端部本体の光学要素収納孔に挿入した状態を示す断面図である。 補助枠に対するカバーレンズとプリズムの固定前の状態を示す斜視図である。 （Ａ）、（Ｂ）は、本発明による斜視型内視鏡の先端部構造の一実施形態を示す、補助枠にカバーレンズとプリズムを結合（接着）した状態の平面図と斜視図である。 補助枠に対し、カバーレンズ、プリズム及び後群鏡筒（先端光学要素）を固定した補助枠結合体の状態を示す斜視図である。 従来の超音波内視鏡の挿入部の先端部分の側面部分断面図である。 従来のプリズム保持部の部分分解斜視図である。

図１ないし図５は、本発明の内視鏡先端部構造の一実施形態を示している。図１は、超音波内視鏡の全体構成を示しており、挿入部１の基端に操作部２が連結され、挿入部１の先端領域に形成された湾曲部３は、操作部２に設けられた操作ノブ４を回転操作することによって任意に屈曲させることができる。

挿入部１の先端部分１０は、湾曲部３の先端に連結された先端部本体１１と、さらにその先端部本体１１の先側に連結された超音波プローブ１２とによって構成されている。この実施例の超音波プローブ１２は、矢印Ａを中心として側方を斜め後方から斜め前方にわたって扇状に走査するいわゆるコンベックスタイプのものである。また、先端部本体１１に配置された観察光学系は矢印Ｂを観察光軸とする前方斜視型である。６は、図示しないビデオプロセッサ兼光源装置に接続される光学観察信号側コネクタ、７は、図示しない超音波診断装置に接続される超音波信号側コネクタである。超音波プローブ１２は、図１のみに示し、図２では図示を省略している。

挿入部１の先端部本体１１は、図２に明らかなように、その側面部に斜め前方に向いた（挿入部１の延長方向直交面に対して傾斜した）先端斜面１３が形成されている。また先端部本体１１には、その中心部に、この先端斜面１３に開口する直線状の光学要素収納孔１４が形成されており、この光学要素収納孔１４の先端部には、抜止位置決め縁１５が内方に向けて突出形成されている。

本実施形態では、先端部本体１１にカバーレンズ（前群レンズ、凹レンズ）２０を収容固定するカバーレンズ収容孔を設けることなく、先端光学要素収納孔１４に挿入される補助枠２１に、カバーレンズ収容孔２２を設けている。すなわち、補助枠２１は、図３に明らかなように、先端部本体１１の先端斜面１３と面一をなす傾斜板部２３を有していて、この傾斜板部２３に、カバーレンズ収容孔（座ぐり孔）２２と光路孔２４（図２）が形成されている。傾斜板部２３の背面には、光路孔２４の図の上部に位置させて空気層形成用凹部２５（図２）が形成されている。また、補助枠２１には、光路孔２４の両側に位置させて、該光路孔２４の中心に対して対称に互いに平行に延びる一対のプリズム固定腕２６が一体に形成されている。

プリズム２７は、図３に明らかなように、補助枠２１の傾斜板部２３の背面に接触する入射面（内面反射面）２７ａ、一対のプリズム固定腕２６に接触する両側面２７ｂ、全反射面２７ｃ及び出射面２７ｄを有している。このプリズム２７は、入射面２７ａの光路孔２４と空気層形成用凹部２５以外の部分（図４（Ｂ）のハッチング部分）が傾斜板部２３の背面に接着固定され、両側面２７ｂ（同）が一対のプリズム固定腕２６の内面に接着固定される。このように、プリズム２７は、３面で補助枠２１に接着固定されるため、高い接着強度が得られる。またカバーレンズ２０もその周縁全部がカバーレンズ収容孔（座ぐり孔）２２に接着固定されるため、同様に高い接着強度が得られる。

プリズム固定腕２６の後部は、同時に、後群鏡筒固定腕２６ａを構成する。後群鏡筒２８は、図２に示すように、内部に、絞り２８ａ及び後群レンズ２８ｂを収納したもので、一対の後群鏡筒固定腕２６ａは、この後群鏡筒２８の両側面に延びて該両側面に接着固定されている。後群鏡筒固定腕２６ａと後群鏡筒２８の接着面は、図示例では平面であるが、曲面から構成してもよい。

以上のカバーレンズ２０、プリズム２７及び後群鏡筒２８はそれぞれ、補助枠２１のカバーレンズ収容孔２２、プリズム固定腕２６及び後群鏡筒固定腕２６ａに対して正確に位置決めした上で接着固定され、補助枠結合体３０とされる（図５）。この接着固定の際には、カバーレンズ２０、プリズム２７及び後群鏡筒２８による被写体像を撮像素子で観察しながら位置決めすることができる。すなわち、カバーレンズ２０からの入射光が、プリズム２７の入射面２７ａから入射し、全反射面２７ｃ及び入射面２７ａの空気層形成凹部２５内面で２回反射した後出射面２７ｄから出射し、絞り２８ａ及び後群レンズ２８ｂを介して正しく結像されるように、これらの光学要素が位置決めされる。そして、この補助枠結合体３０は、先端部本体１１の先端光学要素収納孔１４内に操作部側から挿入され、その挿入端は、補助枠２１の傾斜板部２３の先端部が抜止位置決め縁１５に当接する位置で規制される。また、先端光学要素収納孔１４内には、以上の補助枠結合体３０を挿入固定後、先端部に固体撮像素子（ＣＣＤ）２９ａを有するＣＣＤ基板２９がＣＣＤケーブル２９ｂとともに挿入され、固体撮像素子２９ａの撮像面を結像位置に一致させた状態で固定される。

以上の斜視型内視鏡の先端部構造によれば、カバーレンズ２０、プリズム２７及び後群鏡筒２８はそれぞれ、補助枠２１のカバーレンズ収容孔２２、プリズム固定腕２６及び後群鏡筒固定腕２６ａに対して正確に位置決めした上で接着固定されるので、先端部本体１１に装着する前に（別行程で）高い位置精度が得られ、また、高い接着強度を得ることができる。

以上の実施形態では、カバーレンズ２０、プリズム２７及び後群鏡筒２８を補助枠２１に固定した補助枠結合体３０を、先端部本体１１の先端光学要素収納孔１４内に操作部側から挿入し、抜止位置決め縁１５に当接する位置で位置規制したため、補助枠結合体３０の脱落を完全に防止できるが、逆に抜止位置決め縁１５を持たない先端光学要素収納孔１４内に、前方から補助枠結合体３０を挿入し接着固定する態様も可能である。また、本発明は、超音波プローブ１２を備えない斜視型の一般内視鏡に適用することもできる。

１ 挿入部
１１ 先端部本体
１３ 先端斜面
１４ 先端光学要素収納孔
１５ 抜止位置決め縁
２０ カバーレンズ
２１ 補助枠
２２ カバーレンズ収容孔
２３ 傾斜板部
２４ 光路孔
２５ 空気層形成凹部
２６ プリズム固定腕
２６ａ 後群鏡筒固定腕
２７ プリズム
２７ａ 入射（内面反射）面
２７ｂ 両側面
２７ｃ 全反射面
２７ｄ 出射面
２８ 後群鏡筒
２８ａ 絞り
２８ｂ 後群レンズ
２９ ＣＣＤ基板
２９ａ 固体撮像素子
２９ｂ ＣＣＤケーブル

Claims (4)

1. 挿入部の先端部本体に形成された先端斜面に、カバーレンズが位置し、該カバーレンズの後方に、プリズム及び後群鏡筒が位置する斜視型内視鏡の先端部構造において、
   上記カバーレンズを収容固定するカバーレンズ収容孔、上記プリズムを固定するプリズム固定腕、及び上記後群鏡筒を固定する後群鏡筒固定腕を一体に有する補助枠を設け、
   上記先端部本体に形成した先端光学要素収納孔に、このカバーレンズ、プリズム及び後群鏡筒を固定した補助枠結合体を収納したことを特徴とする内視鏡の先端部構造。
2. 請求項１記載の内視鏡の先端部構造において、上記プリズム固定腕と後群鏡筒固定腕は、同一の一対の腕によって形成されている内視鏡の先端部構造。
3. 請求項１または２記載の内視鏡の先端部構造において、先端部本体の上記先端光学要素収納孔は、上記補助枠結合体を操作部側から挿入可能に形成されており、先端部本体には、該収納孔の先端に位置させて、抜止位置決め縁が形成されている内視鏡の先端部構造。
4. 請求項２または３記載の内視鏡の先端部構造において、上記補助枠は、先端部本体の先端斜面と面一をなす、上記カバーレンズ収容孔を有する傾斜板部と、この傾斜板部から平行に延びる一対の腕とを有し、上記プリズムは、この一対の腕との接触部及び傾斜板部との接触部において該補助枠に接着され、上記後群鏡筒は、プリズムの後部において該一対の腕に接着されている内視鏡の先端部構造。

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