JP2011115076A - 生鮮魚介類の加工及び保存方法 - Google Patents

生鮮魚介類の加工及び保存方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生鮮魚介類のフィーレや刺身の保存期間長期化、生鮮魚介類の残渣物のエキス化を実現させる生鮮魚介類の加工及び保存方法を提供することである。
【解決手段】生鮮魚介類から魚肉または貝肉と、残渣物とを分離する分離工程と、前記生鮮魚介類の魚肉または貝肉を2%〜5%濃度の塩水に浸漬する塩水浸漬工程または前記生鮮魚介類の残渣物に対して0.2重量%〜2重量%のプロテアーゼを含む酵素を添加する酵素添加工程と、前記生鮮魚介類の魚肉または残渣物を可撓性のある袋体に真空包装する真空包装工程と、該真空包装した袋体を20°C〜50°Cで50MPa以上〜200MPa未満の圧力で所定の時間維持する超高圧工程と、を含む工程を設定することにより実現できた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生鮮魚介類及び生鮮魚介類の加工残渣物の加工及び保存方法に関する。詳しくは生鮮魚介類から切断したフィーレ、刺身などの魚肉または貝肉、及び生鮮魚介類の切断時の残渣物である魚類の心臓、肝臓、胃袋などの内臓物などの加工及び保存方法に関する。
魚類の保存技術としては、例えば、冷凍魚介類をプラスチックフィルム製の袋に充填し真空包装する工程、該真空包装された冷凍魚介類の表面を解凍する工程、表面のみが解凍された冷凍魚介類を高圧で殺菌処理する工程、上記各工程をこの順序で処理して製造される技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、魚類に対し、捕獲した魚類を水洗、血抜き、皮剥ぎ、内臓除去、殺菌、魚肉スライスに加工するなどの菌類による分解作用を抑制する鮮度保持処理を行ってから、その魚類を80%〜95%の真空状態の二酸化炭素、酸素及び窒素含有ガスの雰囲気下で真空パックで包装した後、包装した魚類を−60°C〜−70°Cの超低温範囲まで急速に凍結して冷凍し、凍結した魚類を−20°C〜−60°Cの温度範囲に保持して冷凍貯蔵する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
他に、刺身等の生の魚介類を顧客に配送する魚の生流通において、魚体より形成した柵状食材を、酸素との接触を断つ個装をした後、食材の氷点に近く且つ氷結晶の析出が全くない3°C以下のチルド温度帯に該個装体を維持させるチルド低温冷却により行うようにし、更に前記チルド低温冷却は、前記個装体に行う氷詰めパック包装と、該パック包装体の複数に行う氷詰めボックス包装とにより形成される氷核無形成貯蔵により構成される技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特許文献1の方法は、冷凍魚介類が対象で表面のみ解凍するが中身は冷凍のままで切断せずに殺菌するという技術であり、養殖場や近海で捕獲した生の魚介類の保存には適さない。
したがって、魚介類は鮮度低下が早いため、生鮮魚貝類を消費者に流通させるために迅速な取扱いを必要とするが、このような商品特性から魚介類が水揚げされる産地市場や消費地市場において水揚げされたその日のうちに取引が行われ、水揚げ量によっては需要と供給の関係から過剰となった生鮮魚介類は養殖業者などの生産者側にとって不利となる低価格で取引が行われているが、このような事態に対して、冷凍魚介類のみを対象とした保存方法では解決できないという問題があった。
また、養殖業者が低価格での販売を嫌って出荷せずに生簀で餌を与えて大きく生育させ需要量に合わせて出荷調整すると、一つには大きく育った魚は流通用の箱に収容できないことなどにより餌代などの原価向上分を吸収する価格に値上げできないという問題、二つには本来ならば出荷された後の空の生簀に稚魚を入れて生育させることができないという事態に対して、冷凍魚介類のみを対象とした保存方法では解決できないという問題があった。
特許文献2の保存方法は、冷凍保存方法であるため、冷凍すると食味や食感が悪化する刺身の保存には適さないという問題があった。
また、魚介類を鮮度保持処理して冷凍保存する場合は−20°C〜−60°Cの温度範囲に保持して貯蔵する必要があるが、捕獲直後または生産地市場の冷凍段階から、消費地市場を経由して小売店の店頭に並ぶ段階までの過程にはいくつかの外気接触機会があるため、流通過程における川上で冷凍保存した場合には川下まで確実な温度コントロールをすることは困難であるという問題があった。
特許文献1又は特許文献2は冷凍保存された魚肉を最終的に解凍して刺身に加工した後は保存温度10°C以下の冷棚に陳列して賞味期限が約半日という極めて短い。そのため、刺身に加工したその日に売れないと廃棄しなければならないという問題があった。
そして、小売店において刺身を販売する場合には、賞味期限が約半日しかないという時間的制約から、冷凍魚または鮮魚から刺身にする厨房を設置している小売店でなければ販売することができず、コンビニなどの厨房がなく他の業者から供給された商品を加工せずそのまま陳列して売るだけの店では販売できないという問題があった。
小売店で刺身を購入した消費者は、自宅に持ち帰ると即冷蔵庫に収納し、食する前に冷蔵庫から取り出して食するので、弁当などのように、食する直前まで冷蔵庫に保管できない場合には刺身を購入できないという問題があった。
供給量と需要量との調整ができていないため、ファミリーレストランなどの外食産業、持ち帰り寿司店などの中食産業及びスーパーマーケットなどの小売店などからの供給量の安定化、価格の安定化及び品質の安定化などのニーズに適切に対応することができず、また、前記外食産業などは、それぞれの店内で魚介類をさばく厨房の設備投資や維持費、これに携わる職人の労務費を負担しており、これがコスト低減を難しくする要因の一つになっているという問題があった。
さらに、生鮮魚介類を保存処理する前処理として、内臓除去などの鮮度保持処理を行うが、このときの切断時の残渣物である魚類の心臓、肝臓及び胃袋などはほとんどが利用されず廃棄されて有効活用されていないという問題があった。
特許文献3に開示された刺身の保存方法の場合、刺身を3°C以下のチルド温度帯に維持しなければならず、また氷を詰めた氷詰めパック内に収納することから前記氷詰めパックが嵩張るため、小売店における冷棚で陳列できず、消費者が持ち運びするには容器が大きくて買い物袋に入りにくいという問題があり、活用されにくいという問題があった。
そこで、本発明の目的は、流通過程の川上または川中において、生の魚介類または解凍後の魚介類から切断したフィーレや刺身などの魚肉の取扱容易化かつ保存期間長期化を実現させ、切断時の残渣物として廃棄していた魚類の心臓や肝臓などの内臓物の活用拡大化を実現させる生鮮魚介類の加工及び保存方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、請求項1にかかる生鮮魚介類1の加工及び保存方法の発明は、生鮮魚介類1から魚肉4と残渣物5との分離、または貝肉と貝殻との分離を実施する分離工程10と、前記生鮮魚介類1の魚肉4または貝肉を2%〜5%濃度の塩水に浸漬する塩水浸漬工程11と、前記塩水浸漬した生鮮魚介類1の魚肉4または貝肉を可撓性のある袋体に真空包装する真空包装工程12と、前記真空包装した袋体を20°C〜50°Cで50MPa以上〜200MPa未満の圧力で5分〜60分維持する超高圧工程13と、前記超高圧処理後の真空包装した袋体を冷蔵保存する冷蔵工程17と、を含む工程からなることを特徴とする。
請求項2にかかる生鮮魚介類1の加工及び保存方法の発明は、生鮮魚介類1から魚肉4と残渣物5との分離、または貝肉と貝殻との分離を実施する分離工程10と、前記生鮮魚介類1の残渣物5に対して0.2重量%〜2重量%のプロテアーゼを含む酵素を添加する酵素添加工程14と、前記生鮮魚介類1の残渣物5と前記添加酵素との混合物を可撓性のある袋体に挿入し真空包装する真空包装工程12と、前記真空包装した袋体を前記添加酵素の至適温度に制御した状態で50MPa以上〜200MPa未満の圧力で1日維持する超高圧工程13と、前記超高圧処理後の真空包装した袋体内の内容物を加熱により酵素失活させる酵素失活工程15と、前記酵素失活させた内容物を濾過させる濾過工程16と、前記濾過させたエキス8を冷蔵保存する冷蔵工程17と、を含む工程からなることを特徴とする。
請求項1に記載の発明は、生の魚介類2を切断した刺身などの魚肉を冷凍ではなく冷蔵での保存により生の刺身と同じ食味や食感で食することができるという効果を奏する。従来の冷凍保存方法では腐敗菌などを殺菌処理しない状態で保存するので冷蔵保存ができなかったが、本発明は超高圧をかけて殺菌処理をすることにより、家庭用冷蔵庫内の2°C〜6°Cの温度範囲を維持する冷蔵室で少なくとも2週間は色、外観及び味などを生鮮時と変わらない状態で維持することができる。例えば、本発明による冷蔵保存中のマグロ肉は、マグロ特有の赤色が維持され、褐色または黒褐色に変色しない期間を少なくとも2週間以上とすることができる。
養殖業者や漁業従事者などの生産業者が過剰供給となった生の魚介類に対し、本発明の加工保存処理を実施することによって、過剰の魚を強いて流通させずに刺身のような付加価値のある商品にして流通させることができるという効果を奏する。
養殖業者は養殖した成魚を計画したときに出荷し、出荷によって空になった生簀に計画した新たな稚魚を養殖することで計画的な養殖ができるという効果を奏する。
生産地市場で本発明を実施すると、生産地市場から消費地市場を経由して小売店の店頭に並ぶ段階までの過程に外気接触機会があっても殺菌されているので腐敗しないという効果を奏する。
また、厨房のある小売店において、生の鮮魚または解凍した魚を切断して刺身にすると、保存温度10°C以下の冷棚に陳列したときの賞味期限は半日であるが、本発明を実施することにより、この賞味期限を少なくも2週間に延ばすことができる。したがって、陳列した日に売れなくても廃棄しなくともよいという効果を奏する。
さらに、刺身などの加工を実施し冷蔵後に少なくとも2週間は鮮度が維持できるので、従来は小売店などの流通過程における川下の業者が実施していた刺身づくりを、生産地市場などの流通過程における川上、または消費地市場などの流通過程における川中において、刺身までの加工ができるという効果を奏する。
流通過程における川上、または流通過程における川中の業者で刺身までの加工ができることにより、刺身などの真空包装された魚肉パック6を「中身が見える缶詰」的な取扱を行って、厨房が設置されていないコンビニなどの小売店にも刺身などの魚肉パック6を冷棚に陳列して販売することができるという効果を奏する。
また、魚肉パックの大きさは魚肉の周囲に氷を詰めた大きな氷詰めパックでなく魚肉本体の大きさに略近い大きさでよく、消費者は小売店で刺身を購入したその日に食するのであれば腐敗菌が殺菌されているので常温下での保管で安全に食することができるという効果を奏することができ、例えば弁当のおかずとして食することができる。
流通過程における川上、または流通過程における川中の業者が大量に刺身にする加工ができることにより、量産効果によって低コストで魚肉パック6ができる。これにより、直接にファミリーレストランなどの外食産業、持ち帰り寿司店などの中食産業及びスーパーマーケットなどの小売店などに供給できるようになり、これらの外食産業、中食産業または小売店などは内製化されていた刺身加工を外注化でき、刺身加工のための厨房設備費や労務費の低減することができるという効果を奏する。
流通過程における生産地の川上の業者が産地表示を魚肉パック6に貼付けることにより消費者などは刺身の原料とされた魚の生産地を知ることができ、また、魚肉パック6容器にICチップを組み込んだICダグを貼り付けばトレーサビリティできるという効果を奏する。
請求項2の発明は、従来は廃棄されていた生鮮魚介類1の心臓、肝臓または胃袋などの残渣物5から他の利用が可能なエキス8を抽出することができ、前記エキス8に含有されている成分を健康食品や医薬品などに有効に活用することができるという効果を奏する。
本発明の生鮮魚介類1の加工及び保存方法を示すフロー図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は、生鮮魚介類1から切断した魚肉4または貝肉に対する加工及び保存方法、そして生鮮魚介類1を切断したときの残渣物5のエキス化の加工及び保存方法からなる。
まず、本発明にかかる生鮮魚介類1から切断した魚肉4に対する加工及び保存方法について説明する。貝肉についても同じ加工及び保存方法である。
図1に示す分離工程10において、生産地市場にて、養殖ものまたは近海ものの生の魚介類2、または解凍した冷凍魚類3から、心臓、肝臓、胃などの内臓除去、皮剥ぎなどの前処理をしてフィーレまたは刺身などの魚肉4をつくる。なお、前記魚類から刺身にする段階は、消費地市場などの流通過程における川中、または小売店などの流通過程における川下であってもよい。
次に塩水浸漬工程11において、刺身などの魚肉4を3%濃度の塩水中に2分〜10分間浸漬する。
次に真空包装工程12において、前記浸漬した刺身などの魚肉4を可撓性のある袋体に挿入して、真空包装機を使用するなどの手段で前記袋体内に封入した魚肉4を真空包装する。
次に超高圧工程13において、少なくとも圧力及び時間の制御ができる超高圧装置を使用して、前記真空包装した袋体を20°C〜50°Cの常温で、50MPa以上〜200MPa未満の圧力で5分〜60分維持する。
圧力が25MPaでは菌類は増殖する傾向にあるが50MPa以上になると菌類は殺菌されるので、50MPa以上に保持することにより、腐敗菌などの細菌類を殺菌させることができる。
また、3%濃度の塩水中に2分〜10分間浸漬した刺身などの魚肉を真空包装して、50MPa以上〜200MPa未満の圧力下に静置することにより、生鮮魚介類の生鮮時の肉色を長期間保持させることができる。
超高圧装置から真空包装された袋体を取り出す。前記袋体を魚肉パック6として、出荷先となるファミリーレストランなどの外食産業、持ち帰り寿司店などの中食産業、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの小売店などに出荷し、出荷先の冷棚に陳列する。ここで魚肉パック6にはフィラーまたは刺身が内包されている。
小売店は厨房設備の有無にかかわらず、魚肉パック6を約10°Cを維持する冷棚に陳列し、数日間は陳列を継続し販売に供することができる。
陳列後数日内に消費者が購入された後は、家庭用冷蔵庫に入れておいて超高圧処理日から少なくとも2週間後までに食する日を延長させることができる。また、消費者が購入したその日に食する場合は、常温の直射日光の当らないところに保管しておけば、例えばマグロの場合において、家庭用冷蔵庫に入れなくても魚肉の肉色が生鮮の状態の色と同じ状態を維持できるので消費者は弁当のおかずとして刺身を食することができる。
また、生産地で魚肉パック6を製造した場合には、魚肉パック6に生産地表示を貼り付けることにより、消費者などは刺身にした魚の生産地を知ることができる。
流通過程における川上業者が川下業者向けの刺身などの魚肉パック6を製造することになると、川上業者から複数のファミリーレストランなどの外食産業、持ち帰り寿司店などの中食産業、スーパーマーケットなどの川下の業者に出荷することによって、前記川下業者の厨房関連費用や労務費の低減によりコストを低減させることができる。
次に、本発明にかかる生鮮魚介類1の残渣物5のエキス化の加工及び保存方法について説明する。
まず図1に示す分離工程10では、生産地市場、消費地市場または小売店において、養殖ものや近海ものの生の魚介類、または冷凍後解凍した魚類を切断してフィーレなどの魚肉を取得するときに残渣物となる生鮮魚類の心臓、肝臓及び胃の内臓を取得する。
取得した生鮮魚類の内臓である心臓、肝臓及び胃をそれぞれ分割して水で洗浄する。
次に酵素添加工程14において、生鮮魚類の内臓である心臓、肝臓または胃の重量に対して、0.2重量%〜2重量%に相当するプロテアーゼを含む酵素を加える。
本発明において、プロテアーゼを含む酵素は、動物系たんぱく質を分解する酵素であり、プロテアーゼ類を含む酵素であれば特に制限はなく、プロテアーゼとしては、例えば、パパイン、ブロメライン、ファイシン、エンドプロティナーゼ、エンドペプチダーゼなどが挙げられる。
そして、真空包装工程12において、前記生鮮魚類の内臓である心臓、肝臓または胃、及び前記添加した酵素との混合物を、可撓性を有する袋体に内挿し空気を排して密封する。
袋体内の空気を排する方法として、袋体内の空気が少量になるまで、真空包装機などを使用して袋体内の空気を吸引する方法、または袋体を挟む手段や手などを使用して袋体内の空気を押し出す方法のどちらでもよい。
次に超高圧工程13において、超高圧装置を使用して、密封された袋体を、50MPa以上〜200MPa未満の圧力で、20°C〜50°Cの温度範囲内でエキス化作用のある酵素の至適温度に制御した状態で1日保持する。
保持する圧力は酵素によって活性化する圧力範囲が異なるので、使用するプロテアーゼを含む酵素の種類によって保持する圧力を設定すればよい。
生鮮魚類の内臓とエキス化作用のある酵素とを真空包装された袋体内に挿入し、酵素の至適温度で、50MPa以上〜200MPa未満の圧力で一定時間保持することにより、生鮮魚類の内臓の形が消滅しエキス化がすすむ。
次が酵素失活工程である。前記真空包装され、心臓及びエキスを内包した袋体を85°C〜90°Cの湯煎で10分間加熱処理する。
次が濾過工程である。可撓性を有する袋体に内包されたエキスを含む内容物を取り出し、骨や目玉などの固形物を除去するために、常温で50ミクロンのフィルターで濾過し、2〜3時間静置し沈殿させる。そして、前記静置後の液体の上澄液を15ミクロンのフィルターで濾過し、残渣物の心臓などから抽出したエキスが生成される。以上により、生鮮魚類の内臓である心臓、肝臓または胃から抽出されたエキス8が生成される。
次の冷蔵工程においては、前記エキス8を出庫するまで冷蔵設備内で保管する。保管設備は冷凍設備ではなく、家庭用冷蔵庫も含めいかなる冷蔵庫でもよい。
生成されたエキス8には、魚の種類によって異なるが、遊離アミノ酸、低分子ペプチド、有機塩基、ヌクレオチド、有機酸、低分子炭水化物などの成分が含有されている。前記エキス成分を原料として食品や医薬薬などの新たな商品を製造することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は実施例により限定されるものでない。
まず、本発明にかかる生鮮魚介類1の魚肉4に対する実施例を説明する。魚は養殖や近海で捕獲された生のカンパチ、タイ若しくはマグロ、または冷凍されたマグロを使用した。生のマグロを使用した場合について説明する。冷凍マグロの場合に解凍させて取りかかる以外は、カンパチ、タイまたは冷凍マグロは同じ方法を実施する。
まず分離工程10において、生のマグロを切断しフィーレにした後に刺身にする。このとき切り分けた心臓、肝臓及び胃を保管しておく。
次に塩水浸漬工程11において、マグロの刺身を3%濃度の塩水に2分間浸漬する。次に真空包装工程12において、前記浸漬したマグロの刺身を取り出し、前記マグロの刺身を可撓性のある袋体に挿入して、卓上型自動真空包装機(型式V−307GII、東静電気株式会社)を使用して袋体内を真空状態にし、そして超高圧工程13において、圧力及び時間の各制御ができる超高圧装置(型式まるごとエキス、株式会社東洋高圧製)を使用して、前記真空包装した袋体を気温30°Cの常温で、100MPaの高圧で15分間維持した。
そして、冷蔵工程17において、超高圧装置から前記マグロの刺身パック7を取り出し、前記刺身パック7を、家庭用冷蔵庫の3°C〜5°Cで室温を保持する冷蔵室に保管した。
保管開始後、一般家庭で日常行われる扉の開け閉めを日々行って、2週間後に前記刺身パック7を家庭用冷蔵庫から取り出し、マグロ刺身の肉色を評価した。
結果、漁業者や流通業者にとって重大な関心事であるマグロ刺身の肉色は、褐色または黒褐色に変色しておらず、マグロ特有の赤色のままの状態であった。このことは、3%濃度の塩水に2分間浸漬したマグロの刺身を超高圧処理することによりマグロ特有の赤色を維持できることを示している。
次に、本発明にかかる生鮮魚介類1の残渣物5のエキス化の実施例について説明する。
まず分離工程10において、近海で捕獲した生鮮魚のカンパチから内臓である心臓、肝臓及び胃をそれぞれ分離して水で洗浄する。
そして酵素添加工程14において、生鮮魚類のカンパチの心臓、及び前記心臓に対して0.5重量%に相当するプロテアーゼを含む酵素(商品名まるごと酵素E 株式会社超臨界技術研究所製)を加えて、次に真空包装工程12において、前記心臓及び前記酵素との混合物を、可撓性を有する袋体に内挿し手で空気を押し出して密封する。
次に超高圧工程13において、超高圧装置(まるごとエキス、株式会社東洋高圧製)を使用して、密封された袋体を、酵素プロテアーゼの至適温度である50°Cで、100MPaの圧力に制御し、1日保持する。1日保持することによって、袋体に封入されている生鮮魚類のカンパチの心臓は心臓の形が消滅してエキス8が生成される。
次に酵素失活工程15において、内容物がエキス化された袋体を超高圧装置内から取り出し、プロテアーゼを含む酵素を失活させるために、前記袋体を85°C〜90°Cの湯煎で10分間加熱処理する。
そして、濾過工程16において、袋体を開封し、前記袋体内に封入されていたエキス化された内容物を50ミクロンのフィルターで濾過させ2時間静置させて、さらに上澄液を15ミクロンのファイルターで濾過させてエキス8を得る。次の冷蔵工程においては、前記エキス8を出庫まで冷蔵設備内で保管する。
生鮮魚類の心臓から抽出したエキス8には、エキス成分としてプラズマローゲンが含有されているので、アルツハイマー治療薬や痴呆症薬品の原料となるなど医薬品分野などへの利用が図れる。
1 生鮮魚介類
2 生の魚介類
3 冷凍魚類
4 魚肉
5 残渣物
6 魚肉パック
7 刺身パック
8 エキス
10 分離工程
11 塩水浸漬工程
12 真空包装工程
13 超高圧工程
14 酵素添加工程
15 酸素失活工程
16 濾過工程
17 冷蔵工程
特開平10−313773号公報 特開2006−333737号公報 特開2004−208505号公報

Claims (2)

  1. 生鮮魚介類から魚肉と残渣物との分離、または貝肉と貝殻との分離を実施する分離工程と、前記生鮮魚介類の魚肉または貝肉を2%〜5%濃度の塩水に浸漬する塩水浸漬工程と、前記塩水浸漬した生鮮魚介類の魚肉または貝肉を可撓性のある袋体に真空包装する真空包装工程と、前記真空包装した袋体を20°C〜50°Cで50MPa以上〜200MPa未満の圧力で5分〜60分維持する超高圧工程と、前記超高圧処理後の真空包装した袋体を冷蔵保存する冷蔵工程と、を含む工程からなることを特徴とする生鮮魚介類の加工及び保存方法。
  2. 生鮮魚介類から魚肉と残渣物との分離、または貝肉と貝殻との分離を実施する分離工程と、前記生鮮魚介類の残渣物に対して0.2重量%〜2重量%のプロテアーゼを含む酵素を添加する酵素添加工程と、前記生鮮魚介類の残渣物と前記添加酵素との混合物を可撓性のある袋体に挿入し真空包装する真空包装工程と、前記真空包装した袋体を前記添加酵素の至適温度に制御した状態で50MPa以上〜200MPa未満の圧力で1日維持する超高圧工程と、前記超高圧処理後の真空包装した袋体内の内容物を加熱により酵素失活させる酵素失活工程と、前記酵素失活させた内容物を濾過させる濾過工程と、前記濾過させたエキスを冷蔵保存する冷蔵工程と、を含む工程からなることを特徴とする生鮮魚介類の加工及び保存方法。
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