JP2011114907A - 電動機制御方法及び電動機制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】空転滑走した軸とは異なる他軸における空転滑走の誘発を抑制させ、牽引力増大を図るための新たな方策を提案すること。
【解決手段】監視軸の軸速度Vから基準速度Vmを減算した速度差Vdが予兆時誘発検出閾値Vca以上となったことを検出する(誘発検出)。予兆時誘発検出閾値Vcaは、空転滑走検出閾値Vsより小さい値であり、時刻t5の時点で予兆時誘発検出がなされる。また、再粘着制御において、一旦引き下げた電動機トルクτをもとのトルク(或いはもとのトルクをもとに定められる目標トルク)に復帰させる際にも、軸重移動が生じて他軸での空転滑走が誘発し得る。そこで、空転滑走を検出した時のトルク分電流から現在のトルク分電流を減算したトルク分電流の差が、復帰直前時誘発検出閾値τcr以下となったことを、他軸における空転発送の誘発可能性ありとして検出する(誘発検出)。
【選択図】図2

Description

本発明は、電動機制御方法等に関する。
電動機で動輪を駆動して走行する車両として電気車や電気自動車等が知られているが、以下、その代表例として電車(動力車)について説明する。電車は車輪・レール間の接線力(粘着力ともいう。)によって加減速がなされる。電動機の発生トルクにより生じる駆動力が、車輪とレールとに働く粘着力以下であれば粘着走行がなされるが、粘着力を超えた場合には空転又は滑走(以下、「空転滑走」という。)が生じる。空転滑走が生じた場合には、電動機の発生トルクを引き下げて粘着走行に復帰させる制御、すなわち再粘着制御が行われる(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−44804号公報
しかしながら、ある軸で空転滑走が生じた場合、電動機トルク(より正確にはトルク分電流)の一時的な引き下げを行う再粘着制御を行うが、その際に電動機トルクの変動等によって台車ピッチングや軸重移動が生じ、空転滑走していない他軸で空転滑走が誘発される可能性がある。この対策として、空転滑走の発生を検出した場合、検出した軸のトルクを引き下げるとともに、検出しなかった他軸のトルクも引き下げる方策が考えられるが、次の点で問題がある。
先ず第1の問題が引き下げ時期の問題である。空転滑走の発生を検出した場合には電動機トルクを大きく引き下げる。そのため、空転滑走を検出するための閾値条件は、確実に空転滑走が発生したと判断できる閾値条件とするのが通常である。その結果、空転滑走を検出した時点では、既に他軸で空転滑走が誘発されている場合がある。
第2の問題が電車全体の牽引力の問題である。空転滑走の発生が検出された軸と、検出されていない他軸の両方の電動機トルクを引き下げる場合、電車全体の牽引力が一斉に低下してしまい、車両加速度の低下によるダイヤ遅延や、電車がガクガクと変動することによる乗り心地への影響等がでる。
また、再粘着制御では、電動機トルクを引き下げた後に、電動機トルクを復帰させるが、復帰時にも軸重移動が生じるため、他軸での空転滑走の誘発が生じ得るという問題がある。
本発明は、上述した課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、空転滑走した軸とは異なる他軸における空転滑走の誘発を抑制させ、牽引力増大を図るための新たな方策を提案することである。
以上の課題を解決するための第1の形態は、
第1軸(例えば図3の監視軸)の空転滑走検出用状態値が、空転滑走が発生したと判定するための閾値条件として定められた空転滑走検出用閾値条件(例えば図2の空転滑走検出閾値Vs)を満たした場合に前記第1軸の空転滑走の発生を検出する第1軸空転滑走検出ステップ(例えば図2の時刻t10、図8の再粘着制御装置43−1)と、
前記第1軸空転滑走検出ステップでの検出に応じて、前記第1軸を駆動する電動機のトルク分電流を引き下げて前記第1軸の再粘着制御を行う第1軸再粘着制御ステップ(例えば図2の時刻t10〜t20、図8の再粘着制御装置43−1)と、
前記第1軸の前記空転滑走検出用状態値が、空転滑走の予兆を検出するための所定の予兆検出用閾値条件(例えば図2の予兆時誘発検出閾値Vca)を満たした場合に前記第1軸の空転滑走の予兆を検出する第1軸予兆検出ステップ(例えば図5のステップS2)と、
前記第1軸予兆検出ステップでの検出に応じて、第2軸(例えば図3の対象軸)のトルク分電流を引き下げる第1軸予兆時第2軸引き下げステップ(例えば図5のステップS14)と、
を含み、前記第1軸の空転滑走の予兆検出により前記第2軸のトルク分電流を引き下げることにより、前記第1軸が空転滑走した際に生じ得る前記第2軸の空転滑走の誘発を抑制することを特徴とする電動機制御方法である。
また、別の形態として、
第1軸の空転滑走検出用状態値が、空転滑走が発生したと判定するための閾値条件として定められた空転滑走検出用閾値条件を満たした場合に前記第1軸の空転滑走の発生を検出する第1軸空転滑走検出手段(例えば図8の再粘着制御装置43−1)と、
前記第1軸空転滑走検出手段による検出に応じて、前記第1軸を駆動する電動機のトルク分電流を引き下げて前記第1軸の再粘着制御を行う第1軸再粘着制御手段(例えば図8の再粘着制御装置43−1)と、
前記第1軸の前記空転滑走検出用状態値が、空転滑走の予兆を検出するための所定の予兆検出用閾値条件を満たした場合に前記第1軸の空転滑走の予兆を検出する第1軸予兆検出手段(例えば図8の抑制指令生成部70−1)と、
前記第1軸予兆検出手段による検出に応じて、第2軸のトルク分電流を引き下げる第1軸予兆時第2軸引き下げ手段(例えば図8の抑制指令生成部70−1)と、
を備え、前記第1軸の空転滑走の予兆検出により前記第2軸のトルク分電流を引き下げることにより、前記第1軸が空転滑走した際に生じ得る前記第2軸の空転滑走の誘発を抑制することを特徴とする電動機制御装置を構成することとしてもよい。
この第1の形態等によれば、第1軸の空転滑走検出用状態値が空転滑走検出用閾値条件を満たした場合には、第1軸が空転滑走したとして検出されて再粘着制御が行われる。しかし、空転滑走検出用状態値が予兆検出用閾値条件を満たした時点で、第2軸のトルク分電流が引き下げられる。すなわち、第1軸の空転滑走の予兆段階で第2軸のトルク分電流が引き下げられる。これにより、第1軸の空転滑走の発生が検出されたために、それと同時に第2軸のトルク分電流を引き下げるような従来制御とは異なり、効果的に第2軸の空転滑走の誘発を抑制できる。
また、第2の形態は、
第1軸(例えば図3の監視軸)の空転滑走の発生を検出する第1軸空転滑走検出ステップ(例えば図2の時刻t10、図8の再粘着制御装置43−1)と、
前記第1軸空転滑走検出ステップでの検出に応じて、前記第1軸を駆動する電動機のトルク分電流の引き下げ及び復帰を行うことにより前記第1軸の再粘着制御を行う第1軸再粘着制御ステップ(例えば図2の時刻t10〜t40、図8の再粘着制御装置43−1)と、
前記第1軸再粘着制御ステップの再粘着制御による前記トルク分電流の復帰直前を検出する第1軸復帰直前検出ステップ(例えば図5のステップS20)と、
前記第1軸復帰直前検出ステップでの検出に応じて、第2軸(例えば図3の対象軸)のトルク分電流を引き下げる第1軸復帰時第2軸引き下げステップ(例えば図5のステップS32)と、
を含み、空転滑走した前記第1軸の復帰直前に前記第2軸のトルク分電流を引き下げることにより、前記第1軸が復帰する際に生じ得る前記第2軸の空転滑走の誘発を抑制することを特徴とする電動機制御方法である。
また、他の形態として、
第1軸の空転滑走の発生を検出する第1軸空転滑走検出手段(例えば図8の再粘着制御装置43−1)と、
前記第1軸空転滑走検出手段による検出に応じて、前記第1軸を駆動する電動機のトルク分電流の引き下げ及び復帰を行うことにより前記第1軸の再粘着制御を行う第1軸再粘着制御手段(例えば図8の再粘着制御装置43−1)と、
前記第1軸再粘着制御手段の再粘着制御による前記トルク分電流の復帰直前を検出する第1軸復帰直前検出手段(例えば図8の抑制指令生成部70−1)と、
前記第1軸復帰直前検出手段での検出に応じて、第2軸のトルク分電流を引き下げる第1軸復帰時第2軸引き下げ手段(例えば図8の抑制指令生成部70−1)と、
を備え、空転滑走した前記第1軸の復帰直前に前記第2軸のトルク分電流を引き下げることにより、前記第1軸が復帰する際に生じ得る前記第2軸の空転滑走の誘発を抑制することを特徴とする電動機制御装置を構成することとしてもよい。
この第2の形態等によれば、第1軸の空転滑走の発生が検出された場合、第1軸のトルク分電流の引き下げ及び復帰を行うことにより第1軸の再粘着制御が行われる。しかし、再粘着制御によりトルク分電流が復帰する直前であることが検出されると、第2軸のトルク分電流が引き下げられる。すなわち、第1軸が空転滑走してトルク分電流が引き下げられ、更にトルク分電流が復帰されるその直前の段階で第2軸のトルク分電流が引き下げられる。これにより、再粘着制御によってトルク分電流が復帰させる際に、他軸である第2軸の空転滑走の誘発を効果的に抑制できる。
また、第3の形態として、第1の形態の電動機制御方法において、
前記トルク分電流に基づいて、前記再粘着制御による前記トルク分電流の復帰直前を検出する第1軸復帰直前検出ステップ(例えば図5のステップS20)と、
前記第1軸復帰直前検出ステップでの検出に応じて、第2軸のトルク分電流を引き下げる第1軸復帰時第2軸引き下げステップ(例えば図5のステップS32)と、
を更に含み、空転滑走した前記第1軸の復帰直前に前記第2軸のトルク分電流を引き下げることにより、前記第1軸が復帰する際に生じ得る前記第2軸の空転滑走の誘発を抑制することを特徴とする電動機制御方法を構成することとしてもよい。
また、第4の形態は、
第1軸の空転滑走検出用状態値が、空転滑走が発生したと判定するための閾値条件として定められた空転滑走検出用閾値条件を満たした場合に前記第1軸の空転滑走の発生を検出する第1軸空転滑走検出ステップと、
前記第1軸空転滑走検出ステップでの検出がなされ、且つ、第2軸の空転滑走検出用状態値が空転滑走の予兆を検出するための所定の予兆検出用閾値条件を満たした場合に、前記第2軸の空転滑走の予兆を検出する第2軸予兆検出ステップと、
前記第2軸予兆検出ステップでの検出に応じて、第2軸のトルク分電流を引き下げる第2軸予兆時第2軸引き下げステップと、
を含み、前記第1軸の空転滑走が検出され、且つ、前記第2軸の空転滑走の予兆が検出された場合に前記第2軸のトルク分電流を引き下げることにより、前記第1軸が空転滑走した際に生じ得る前記第2軸の空転滑走の誘発を抑制することを特徴とする電動機制御方法である。
また、他の形態として、
第1軸の空転滑走検出用状態値が、空転滑走が発生したと判定するための閾値条件として定められた空転滑走検出用閾値条件を満たした場合に前記第1軸の空転滑走の発生を検出する第1軸空転滑走検出手段と、
前記第1軸空転滑走検出手段による検出がなされ、且つ、第2軸の空転滑走検出用状態値が空転滑走の予兆を検出するための所定の予兆検出用閾値条件を満たした場合に、前記第2軸の空転滑走の予兆を検出する第2軸予兆検出手段と、
前記第2軸予兆検出手段による検出に応じて、第2軸のトルク分電流を引き下げる第2軸予兆時第2軸引き下げ手段と、
を備え、前記第1軸の空転滑走が検出され、且つ、前記第2軸の空転滑走の予兆が検出された場合に前記第2軸のトルク分電流を引き下げることにより、前記第1軸が空転滑走した際に生じ得る前記第2軸の空転滑走の誘発を抑制することを特徴とする電動機制御装置を構成することとしてもよい。
この第4の形態等によれば、第1軸の空転滑走が検出された状態で、第2軸の空転滑走の予兆が検出された場合には、第2軸のトルク分電流が引き下げられる。第1軸が空転滑走した状態は、いわゆる連れ回り(誘発)が第2軸に発生し得る状態といえる。その状態において第2軸の空転滑走の予兆が検出された場合に第2軸のトルク分電流が引き下げられるため、効果的に第2軸の空転滑走の誘発を抑制できる。
また、第5の形態は、
第1軸の空転滑走の発生を検出する第1軸空転滑走検出ステップと、
第2軸の空転滑走の発生を検出する第2軸空転滑走検出ステップと、
前記第2軸空転滑走検出ステップでの検出に応じて、前記第2軸を駆動する電動機のトルク分電流の引き下げ及び復帰を行うことにより前記第2軸の再粘着制御を行う第2軸再粘着制御ステップと、
前記第2軸再粘着制御ステップの前記再粘着制御による前記トルク分電流の復帰直前を検出する第2軸復帰直前検出ステップと、
前記第1軸空転滑走検出ステップでの検出がなされ、且つ、前記第2軸復帰直前検出ステップでの検出がされた場合に、前記第2軸のトルク分電流を引き下げる第2軸復帰時第2軸引き下げステップと、
を含み、前記第1軸の空転滑走が検出され、且つ、空転滑走した前記第2軸が復帰直前の場合に前記第2軸のトルク分電流を引き下げることにより、前記第2軸が復帰する際に生じ得る前記第2軸の空転滑走の誘発を抑制することを特徴とする電動機制御方法である。
また、他の形態として、
第1軸の空転滑走の発生を検出する第1軸空転滑走検出手段と、
第2軸の空転滑走の発生を検出する第2軸空転滑走検出手段と、
前記第2軸空転滑走検出手段による検出に応じて、前記第2軸を駆動する電動機のトルク分電流の引き下げ及び復帰を行うことにより前記第2軸の再粘着制御を行う第2軸再粘着制御手段と、
前記第2軸再粘着制御手段の前記再粘着制御による前記トルク分電流の復帰直前を検出する第2軸復帰直前検出手段と、
前記第1軸空転滑走検出手段による検出がなされ、且つ、前記第2軸復帰直前検出手段による検出がされた場合に、前記第2軸のトルク分電流を引き下げる第2軸復帰時第2軸引き下げ手段と、
を含み、前記第1軸の空転滑走が検出され、且つ、空転滑走した前記第2軸が復帰直前の場合に前記第2軸のトルク分電流を引き下げることにより、前記第2軸が復帰する際に生じ得る前記第2軸の空転滑走の誘発を抑制することを特徴とする電動機制御装置を構成することとしてもよい。
この第5の形態等によれば、第2軸が空転滑走してトルク分電流が引き下げられた後、トルク分電流が復帰されるその直前の段階において第1軸が空転滑走した場合に、第2軸のトルク分電流が引き下げられる。再粘着制御中の第2軸のトルク分電流が復帰直前の状態において第1軸が空転滑走した場合には、いわゆる連れ回り(誘発)が発生し得る状態といえる。その場合に第2軸のトルク分電流が引き下げられるため、効果的に第2軸の空転滑走の誘発を抑制できる。
再粘着制御を説明するための図。 誘発検出を説明するための図。 本実施形態の原理を説明するための回路ブロック図。 引き下げ係数テーブルの一例を示す図。 抑制指令生成処理の流れを示すフローチャート。 予兆時抑制指令生成処理の流れを示すフローチャート。 復帰直前時抑制指令生成処理の流れを示すフローチャート。 第1実施例の回路ブロック図。 第1実施例の変形例を示す図。 第2実施例の回路ブロック図。 抑制指令生成処理の流れを示すフローチャート。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態を説明する。尚、以下では、本発明を電気車の一種である電車に適用した場合を説明するが、電動機で動輪を駆動して走行する車両であれば、他の電気車である電気機関車や、電気自動車にも適用することが可能である。また、以下では説明の簡明化のために「電動機トルク」を増減させるとして説明するが、より正確には「トルク分電流」を増減させる意味であり、「電動機トルク」と「トルク分電流」を同義として説明する。
先ず、再粘着制御について図1を参照して説明する。図1は、再粘着制御を説明するための図であり、空転滑走が発生していない一定加速中の状態から空転滑走が発生し、再粘着制御を行って再粘着するまでの一連の各信号波形を示している。横軸を時間tとして、上から順に、制御対象の動軸の軸速度V及び基準速度Vmを示すグラフ、制御対象軸の加速度αを示すグラフ、電動機トルクτを示すグラフを示す。空転滑走が発生していない状態では、軸速度Vは基準速度Vmにほぼ一致し、電動機トルクτはほぼ一定に保たれている。空転滑走が発生すると、軸速度Vが上昇し始め、基準速度Vmとの差分である速度差Vdが増加する。そして、時刻t10において、速度差Vdが予め定められた空転滑走検出閾値Vsに達すると、空転滑走の発生が検出される。
すると、再粘着制御が発動されて、電動機トルクτの引き下げ(より正確にはトルク分電流の引き下げである。)が開始される。電動機トルクτの引き下げは、予め定められた引き下げ速度Wtで継続的に行われる。即ち、トルクτの引き下げ量を増加させていく。電動機トルクτが引き下げられると、加速度αの増加が次第に抑えられ、減少に転ずる。この間、軸速度Vは上がり続けるが、加速度αがゼロとなる時刻t20では、軸速度Vの増加もゼロとなる。この加速度αがゼロとなったことを、空転滑走からもとの粘着走行への回復開始として検出する(回復検出)。なお、回復検出とする加速度αをゼロとして説明したが、説明の簡明化のためにゼロとしたものであって、所定の回復検出閾値(例えばゼロではなく、“+1”や“−1”)以下に達した場合に回復開始として検出することとしてよい。
回復検出がなされると、電動機トルクτの引き下げを停止して、引き下げ量を保持する。すると、マイナスとなっていた加速度αの減少が次第に抑えられ、やがて増加に転じる。また、基準速度Vmからの乖離幅が大きくなっていた軸速度Vが低下し始める。そして、速度差Vdが予め定められた再粘着検出閾値Vr以下になると、再粘着したとして検出(再粘着検出)し、復帰動作用の制御が開始される。すなわち、保持していた電動機トルクτの引き下げ量を減少させてトルクを復帰させる制御が開始される。そして、電動機トルクτが所定の目標トルク値(例えば、再粘着制御の開始時点(時刻t10)における値)まで復帰した時刻t40において、再粘着制御の終了となる。この再粘着検出後の電動機トルクτは、予め定められた復帰時間Ttをかけて復帰するように制御される。
尚、ここでは、空転滑走検出及び再粘着検出の監視対象を軸速度V(ひいては速度差Vd)として説明したが加速度αも監視対象に加えて併用することとしてもよい。また、回復検出されるまで電動機トルクを引き下げることとしたが、空転滑走を検出したら所定のトルク引き下げ量分引き下げることとしてもよい。
本実施形態においては、上述の再粘着制御と並行して、空転滑走の誘発の可能性を監視しており、誘発の可能性を検出した場合(誘発検出)には、空転滑走の誘発を抑制させる誘発抑制制御を実行する。図2は、誘発検出を説明するための図である。空転滑走の誘発は、空転滑走が発生した時と、再粘着制御により電動機トルクが復帰する時とに生じ得る。しかし、空転滑走の発生を検出するための空転滑走検出閾値Vsは、空転・滑走の誤検出を防止する観点から軸速度Vが基準速度Vmに対して十分大きく上昇し、空転滑走が発生したと確実に判断できる閾値として定められている。そのため、軸速度Vと基準速度Vmとの速度差Vdが空転滑走検出閾値Vsに達した時点では既に空転滑走が生じており、その時点より前の時点で、空転滑走していなかった他軸において空転滑走が誘発される可能性がある。
そこで、本実施形態では、空転滑走の発生を検出する前段階の、空転滑走の予兆段階を検出し、これを誘発検出とする。具体的には、軸速度Vから基準速度Vmを減算した速度差Vdが予兆時誘発検出閾値Vca以上となったことを検出する(誘発検出)。予兆時誘発検出閾値Vcaは、空転滑走検出閾値Vsより小さい値であり、図2においては、時刻t5の時点で予兆時誘発検出がなされている。
また、再粘着制御において、一旦引き下げた電動機トルクτをもとのトルク(或いはもとのトルクをもとに定められる目標トルク)に復帰させる際にも、台車ピッチングや軸重移動が生じて他軸での空転滑走が誘発し得る。そこで、本実施形態では、空転滑走を検出した時のトルク分電流から現在のトルク分電流を減算したトルク分電流の差が、復帰直前時誘発検出閾値τcr以下となったことを、他軸における空転滑走の誘発可能性ありとして検出する(誘発検出)。なお、図2においては、分かり易く説明するために、電動機トルクτに対して復帰直前時誘発検出閾値τcrを示している。
但し、空転滑走を検出した直後(図2の時刻t10直後)もトルク分電流の差が復帰直前時誘発検出閾値τcr以下であるため、再粘着検出後(図2の時刻t30後)に復帰直前時誘発検出閾値τcr以下となったことを誘発検出として検出する。図2においては、時刻t35の時点で復帰直前時誘発検出がなされている。
図3は、本実施形態の原理を説明するための回路ブロック図であり、電車の主回路のうち、誘発抑制指令の生成に関わる回路ブロックを概略的に示した図である。電動機の制御は個別制御(いわゆる1C1M)である。図3において、主回路は、電動機10と、インバータ20と、制御装置30と、パルスジェネレータ50と、速度・加速度検出部60と、抑制指令生成部70とを備えて構成される。速度・加速度検出部60や抑制指令生成部70は、制御装置30内に備えられる構成も考えられるが、図3においては、誘発抑制指令の生成に関する原理的な回路ブロックを示す趣旨で、制御装置30とは別に図示している。
電動機10は、インバータ20から電力が供給されることで車軸を回転駆動する主電動機(メインモータ)であり、例えば三相誘導電動機で実現される。図3において、電動機10は、空転滑走の発生の監視対象であり、再粘着制御を行う電動機を示している。パルスジェネレータ50は、駆動軸の回転を検出する回転検出器であり、検出信号であるPG信号を速度・加速度検出部60に出力する。速度・加速度検出部60は、公知の演算処理/信号処理等によりPG信号から駆動軸の軸速度V及び加速度αを検出する。検出した軸速度V及び加速度αは抑制指令生成部70に出力される。
インバータ20には、コンバータや主変圧器等を介して架線からの電力が供給されている。インバータ20は、制御装置30から入力されるU相、V相及びW相それぞれの電圧指令値Vu、Vv、Vwに従って出力電圧を調整し、電動機10に給電する。
制御装置30は、電動機10をベクトル制御する電動機制御装置である。この制御装置30は、CPUや各種メモリ(ROM、RAM等)から構成されるコンピュータ等によって実現され、例えば制御ボードとして実装されたり、或いはインバータ20を含めて一体的にインバータ装置として構成される。インバータ20と一体的に構成される場合には、インバータ20及び制御装置30が電動機制御装置となる。制御装置30は、ベクトル演算制御装置や再粘着制御装置を備えており、電動機10をベクトル制御するための電圧指令値Vu、Vv、Vwの生成や上述した再粘着制御を行う。
具体的には、ベクトル演算制御装置は、不図示の電流センサにより検出された電動機10に流入する電流から、d軸成分である励磁電流成分Id及びq軸成分であるトルク電流成分(トルク分電流)Iqを求める。そして、求めた励磁電流成分Id及びトルク電流成分(トルク分電流)Iqの他、パルスジェネレータ50により検出されたPG信号、速度・加速度検出部60により検出された軸速度V及び加速度α、不図示の電流指令生成装置から入力される電流指令値Id,Iq、再粘着制御装置から入力されるトルク引き下げ指令信号等に基づいて、インバータ20に対する電圧指令値Vu,Vv,Vwを生成する。また、制御装置30は、算出したトルク分電流指令値Iqを抑制指令生成部70に出力する。
抑制指令生成部70は、CPUや各種メモリ(ROM、RAM等)から構成されるコンピュータ等によって実現され、メモリに記憶されたプログラム及びデータに従って抑制指令生成処理(図5参照)を実行する。尚、抑制指令生成部70は、制御装置30の一機能部として一体に構成される等の様々な形態が考えられ、各形態の例は実施例として詳細に後述する。
抑制指令生成部70に入力される信号(情報)には大きく2種類ある。監視軸情報と対象軸情報である。監視軸情報は、速度・加速度検出部60から入力される軸速度Vや加速度α、制御装置30から入力されるトルク分電流(トルク分電流指令値)のことであり、空転滑走の発生の監視対象の軸(以下「監視軸」という。)の情報である。対象軸情報は、空転滑走の誘発を抑制させる対象となる軸(以下「対象軸」という。)の情報であり、誘発抑制対象軸から入力される軸速度や加速度、トルク分電流(トルク分電流指令値)などの情報のことである。
抑制指令生成部70は、監視軸情報をもとに、監視軸が空転滑走の予兆を示したことを検出する。具体的には、速度・加速度検出部60から入力される軸速度Vと基準速度Vmとから速度差Vdを求め、速度差Vdが予兆時誘発検出閾値Vca以上となったことを検出し、検出した場合に例えば以下の数式(1a)に基づいて抑制指令を生成する。
対象軸速度Vt×引き下げ係数kc=引き下げ量(予兆時抑制指令Sca)
・・・(1a)
ここで、対象軸速度Vtとは、対象軸情報に含まれる対象軸の軸速度のことである。尚、対象軸速度Vtの代わりに、対象軸加速度を用いてもよいし、監視軸加速度を用いても良い。監視軸加速度を用いる場合には、空転滑走の予兆を示した監視軸の加速度を用いる。
また、数式(1a)の代わりに、以下の数式(1b)に基づいて抑制指令を生成することとしてもよい。
空転滑走検出時の所定の引き下げ量×引き下げ係数kd
=引き下げ量(予兆時抑制指令Sca)
・・・(1b)
但し、係数kdは1未満の値である。
また、抑制指令生成部70は、監視軸情報をもとに、監視軸が再粘着制御において電動機トルクをもとのトルク(目標トルクの一例)に戻す直前であることを検出する。具体的には、制御装置30から入力されるトルク分電流が空転滑走検出閾値Vs以上となった時点の値を記録しておき、この記録したトルク分電流と再粘着制御において引き下げられたトルク分電流との差が復帰直前時誘発検出閾値Τcr以下になった時点で、以下の数式(2b)に基づいて抑制指令を生成する。
対象軸速度Vt×引き下げ係数kc=引き下げ量(復帰直前時抑制指令Scr)
・・・(2b)
尚、対象軸速度Vtの代わりに、対象軸加速度を用いてもよいし、監視軸加速度を用いても良い。監視軸加速度を用いる場合には、再粘着制御中の監視軸の加速度を用いる。
また、数式(2a)の代わりに、以下の数式(2b)に基づいて抑制指令を生成することとしてもよい。
空転滑走検出時の所定の引き下げ量×引き下げ係数kd
=引き下げ量(復帰直前時抑制指令Scr)
・・・(2b)
但し、係数kdは1未満の値である。
ここで、(1a)式及び(2a)式において用いられる引き下げ係数kcについて説明する。図4は、引き下げ係数kcを定めた引き下げ係数テーブルの一例を示す図である。引き下げ係数テーブルは、監視軸と対象軸との組み合わせに応じた引き下げ係数を定めたテーブルである。監視軸と対象軸が同一の台車内か否か、どちらが進行方向寄りか、といった相対位置関係によって、監視軸が空転滑走した場合に対象軸に対する軸重移動が異なる。そこで、監視軸と対象軸との相対位置関係に応じて異なる引き下げ係数が定められている。
また、空転(すなわち力行時)なのか滑走(すなわち制動時)なのかによっても、軸重移動が異なる。そこで、力行時用と制動時用との2種類の引き下げ係数テーブル82,84が定められている。この引き下げ係数テーブル82,84は、抑制指令生成部70内のメモリに予め格納されている。
なお、引き下げ係数テーブル82,84は予兆時抑制指令生成用と復帰直前時抑制指令生成用とで共通としたが、別々に用意することとしてもよい。
また、(1a)式及び(2a)式の代わりに(1b)式及び(2b)式を用いる場合の引き下げ係数kdも、引き下げ係数kcと同様、監視軸と対象軸との相対位置関係に応じて図4のように定められることとしてもよい。
抑制指令生成部70は、電車の力行/制動、監視軸と対象軸の位置関係に応じて、対応する引き下げ係数kcを、引き下げ係数テーブル82,84から選択する。
抑制指令生成部70に入力される情報は上述した監視軸情報と対象軸情報の他に、基準速度や運転指令信号などがある。但し、例えば基準速度は、監視軸の軸速度及び対象軸の軸速度のうちの最も低い速度として入力を省略してもよいし、運転台から走行速度信号を入力してもよい。また、運転指令信号は、監視軸或いは対象軸の軸速度によって電車の走行状態(力行/制動/惰行)を判別することとして省略してもよい。
次に、抑制指令生成部70が実行する抑制指令生成処理について詳細に説明する。図5は、抑制指令生成処理の流れを示すフローチャートである。
まず抑制指令生成部70は、監視軸情報をもとに、監視軸に空転滑走の予兆があるかどうかを判定する(ステップS2)。具体的には、速度・加速度検出部60から入力される軸速度Vから基準速度Vmを減じて速度差Vdを求め、速度差Vdが予兆時誘発検出閾値Vca以上となったか否かを判定する。尚、速度ではなく、加速度を用いて予兆を判定することとしてもよい。その場合の検出閾値も、空転滑走の発生検出用の閾値よりも小さい値として設定されることは勿論である。要は、空転滑走検出用の状態値(例えば速度や加速度)をもとに空転滑走の発生を検出するための閾値条件よりも、その状態値をもとに空転滑走の予兆を検出するための閾値条件の方が低い条件となっている。
監視軸に空転滑走の予兆があると判定した場合(ステップS2:Yes)、その時刻(予兆時刻)を記録する(ステップS4)。そして、前回記録した時刻から所定時間内か否かを判定する(ステップS6)。所定時間内であれば変数Nに1を加算し(ステップS8)、所定時間内でなければ変数Nに1を設定して変数Nをリセットする(ステップS10)。そして、変数Nの値が所定値(例えば「3」)以下かどうかを判定して(ステップS12)、所定値以下である場合にのみ予兆時抑制指令生成処理を行う(ステップS14)。
変数Nを用いたこの一連の処理は、一種の収束判定である。予兆を検出するための閾値(例えば予兆時誘発検出閾値Vca)は、空転滑走の発生を検出するための閾値(例えば空転滑走検出閾値Vs)よりも小さく設定されている。そのため、予兆を検出したものの、空転滑走の発生として検出されるような空転滑走までに至らずに、監視軸が粘着走行に戻って収束する場合もあるし、予兆の状態が長く続く場合も起こり得る。そこで、予兆時誘発検出閾値に連続して達したのかどうかをステップS6で判定し、連続して達したのであれば、所定回数までは抑制指令生成処理を実行するが、所定回数を超えた場合には、際限のない抑制指令の生成・出力を止めるのである。抑制指令を止めた場合には、対象軸側の空転滑走検出〜再粘着制御の処理に移行することとなる。
図6は、予兆時抑制指令生成処理の流れを示すフローチャートである。予兆時抑制指令生成処理は抑制指令生成処理のサブルーチンとして機能し、このサブルーチンのプログラムは抑制指令生成処理のプログラムの一部として抑制指令生成部70内に記憶されている。
図6において、抑制指令生成部70は、引き下げ係数テーブル82,84を参照して、空転(力行)/滑走(制動)の識別や、監視軸と対象軸との相対関係に基づいて引き下げ係数kcを決定する(ステップA2)。そして、数式(1a)に従って引き下げ量を決定して(ステップA4)、予兆時抑制指令Scaを生成し(ステップA6)、対象軸に出力する(ステップA8)。その後、時間経過に応じて引き下げ量を漸減するように予兆時抑制指令Scaを更新し(ステップA12)、引き下げ量をゼロ或いは予兆時抑制指令Scaの出力を停止することで予兆時抑制指令生成処理を終了する。
図5に戻り、予兆時抑制指令生成処理を開始した後(ステップS14)、或いは、監視軸に空転滑走の予兆がないと判定した後(ステップS2:No)、監視軸が空転滑走したか否かを判定する(ステップS16)。この判定は、従来の空転滑走の発生検出と同様である。従って、抑制指令生成部70が、監視軸の軸速度Vと基準速度Vmとの差速度Vdが空転滑走検出閾値Vs以上となったか否かを判定することとしてもよいし、制御装置30から、空転滑走の検出信号を入力することとしてもよい。
監視軸の空転滑走を検出した場合には(ステップS16:Yes)、抑制指令生成部70はその時点の監視軸情報を保持する(ステップS18)。
次いで、抑制指令生成部70は、監視軸が再粘着制御によりトルク復帰直前の状態にあるか否かを判定する(ステップS20)。具体的には、ステップS18で保持した監視軸情報に含まれるトルク分電流と、現在入力されている監視軸情報に含まれるトルク分電流とを比較して、その差が復帰直前時誘発検出閾値τcr以内となったか否かを判定する。
監視軸がトルク復帰直前の状態にあると判定した場合(ステップS20:Yes)、その時刻(復帰直前時刻)を記録する(ステップS22)。そして、前回記録した時刻から所定時間内か否かを判定する(ステップS24)。所定時間内であれば変数Mに1を加算し(ステップS26)、所定時間内でなければ変数Mに1を設定して変数Mをリセットする(ステップS28)。そして、変数Mの値が所定値(例えば「3」)以下かどうかを判定して(ステップS30)、所定値以下である場合にのみ復帰直前制指令生成処理を行う(ステップS32)。変数Mを用いたこの一連の処理は、変数Nを用いた一連の処理と同様、一種の収束判定の処理である。
図7は、復帰直前時抑制指令生成処理の流れを示すフローチャートである。復帰直前時抑制指令生成処理は抑制指令生成処理のサブルーチンとして機能し、このサブルーチンのプログラムは抑制指令生成処理のプログラムの一部として抑制指令生成部70内に記憶されている。
図7において、抑制指令生成部70は、引き下げ係数テーブル82,84を参照して、空転(力行)/滑走(制動)の識別や、監視軸と対象軸との相対関係に基づいて引き下げ係数kcを決定する(ステップB2)。そして、数式(2)に従って引き下げ量を決定して(ステップB4)、復帰直前時抑制指令Scrを生成し(ステップB6)、対象軸に出力する(ステップB8)。その後、時間経過に応じて引き下げ量を漸減するように復帰直前時抑制指令Scbを更新し(ステップA12)、引き下げ量をゼロ或いは復帰直前時抑制指令Scbの出力を停止することで復帰直前時抑制指令生成処理を終了する。
抑制指令生成部70は、以上説明したステップS2〜S32の処理を所定周期で繰り返し実行する。すなわち、抑制指令生成部70は、監視軸に空転滑走の予兆が現れたかどうかを監視したり、空転滑走の発生が検出されて再粘着制御が行われている場合にはトルク電流が目標トルク(例えばもとのトルク分電流)に復帰する直前にあるかどうかを監視する。そして、監視の結果、何れかの状態にあることを検出した場合には、対象軸に空転滑走が誘発される蓋然性が高いと判断して、対象軸のトルク分電流を低減させる抑制指令を生成・出力する。勿論、対象軸のトルク分電流の低減量は、再粘着制御におけるトルク引き下げ量に比べて少ない。また、空転(力行)/滑走(制動)の何れであるかや、監視軸と対象軸との相対位置関係、対象軸の状態(例えば速度や加速度)等のそれぞれに適応した値に定められる。
次に、図3で説明した原理的な回路ブロックを、実際の電車の主回路に適用した場合の実施例を説明する。
<第1実施例>
図8に示す回路ブロックが第1実施例である。第1実施例は、抑制指令生成部70を、各軸それぞれの制御装置内に備えて構成した実施例である。第1軸であれば、第1軸を対象軸とし、他軸である第2〜第4軸それぞれを監視軸として抑制指令生成部70は、抑制指令を生成する。第1〜第4軸は同一車両における4つの軸それぞれを示している。
各軸は同様の主回路構成をなしており、代表して第1軸について説明する。第1軸の主回路は、主電動機10−1と、インバータ20−1と、インバータ20―1による主電動機10−1への供給電力を制御する制御装置30−1とを備えて構成される。制御装置30−1は、ベクトル演算制御装置41−1と、再粘着制御装置43−1と、トルク引き下げ指令制御器45−1と、抑制指令生成部70−1とを有して構成される。
トルク引き下げ指令制御器45−1は、抑制指令生成部70−1から出力されるトルク抑制指令(引き下げ指令)と、再粘着制御装置43−1から出力されるトルク引き下げ指令との何れかを選択してベクトル演算制御装置41−1に出力する選択回路として構成されており、基本的に再粘着制御装置43−1からのトルク引き下げ指令を優先して選択・出力する。すなわち、抑制指令生成部70−1又は再粘着制御装置43−1のどちらかから引き下げ指令が出力された場合には、その引き下げ指令をそのままベクトル演算制御装置41−1に出力する。抑制指令生成部70−1及び再粘着制御装置43−1の両方から引き下げ指令が出力された場合には、再粘着制御装置43−1からの引き下げ指令をベクトル演算制御装置41−1に出力する。
ベクトル演算制御装置41−1は、トルク引き下げ指令制御器45−1からトルク引き下げ指令信号が入力されない間は、所与の電流指令値Id,Iq等に基づく通常の演算処理を行って電圧指令値Vu,Vv,Vwを算出し、トルク引き下げ指令信号が入力されると、該信号に応じた分だけ電動機10−1の発生トルクを引き下げるように電圧指令値電圧指令値Vu,Vv,Vwを算出する。
そして、ベクトル演算制御装置41−1は、電動機10−1のトルク分電流指令値(トルク分電流)を、第1軸情報の1つとして他軸に出力する。
再粘着制御装置43−1は、速度・加速度検出部60−1を有しており、PG信号から検出された第1軸の軸速度及び加速度等に基づいて、従来同様の再粘着制御を行い、トルク引き下げ指令信号をトルク引き下げ指令制御器45−1に出力する。また、速度・加速度検出部60−1は、検出した軸速度及び加速度を第1軸情報の1つとして他軸に出力する。
抑制指令生成部70−1は、第2〜第4軸それぞれを監視軸とする3つの抑制指令生成部70−1を有し、上述した抑制指令生成部70の機能をなす。
第2軸以降は、当該軸が対象軸となり、当該軸以外の軸が監視軸となる他は、第1軸と同様の主回路構成である。
以上の通り、第1実施例によれば、各軸それぞれが自軸の抑制指令を生成する個別制御の主回路が構成される。
なお、対象軸の抑制指令生成部70−1内で監視軸の軸速度と基準速度とを対比して監視軸における空転滑走の発生を検出するのではなく、図9に示すように、各軸の再粘着制御装置43−1が、空転滑走の発生の検出結果を、当該軸の情報の1つとして他軸に出力する構成としてもよい。勿論、再粘着検知情報についても同様である。
<第2実施例>
図10に示す回路ブロックが第2実施例である。第2実施例は、各軸の制御装置を統括して制御する上位装置として、統括制御装置がある場合の実施例である。統括制御装置300は、各軸の制御装置30(30−1,30−2,・・・)に対して、牽引力(トルク)を分担して発生させる指令を生成・出力して、電動車或いは編成を一括して管理・制御する装置である。但し、統括制御装置300から各軸の制御装置30への指令信号の図示は省略している。
図10において、統括制御装置300は、抑制指令生成部700を有して構成される。抑制指令生成部700は、各軸の軸情報を入力して、各軸それぞれについて誘発検出(予兆時誘発検出及び復帰直前時誘発検出)を行い、各軸それぞれに対する抑制指令を生成・出力する。すなわち、監視軸と対象軸の組み合わせ全てに関する抑制指令の生成を一括して行う。なお、各軸の空転滑走の検出や再粘着の検出については、抑制指令生成部700が行うこととしてもよいし、図9に示したように各軸の軸情報に検出信号を含めることとしてもよい。
[変形例]
以上2つの実施例について説明したが、本発明が適用可能な実施例はこれらに限られるわけではない。
例えば、第1実施例及び第2実施例では、1車両が有する軸数を「4」として図示及び説明したが、「6」としてもよい。また、1車両内で各軸相互を監視軸又は対象軸として組み合わせる旨の説明をしたが、1台車内で監視軸又は対象軸を組み合わせることとしてもよい。
また、上述した2つの実施例を含む実施形態では、PG信号をもとに速度及び加速度を検出することとして説明した。しかし、速度センサレスベクトル制御の技術を適用して、パルスジェネレータ等の速度センサを不要として速度及び加速度を検出することとしてもよい。具体的には、速度・加速度検出部60は、電動機10に供給される電動機電流・電圧から回転速度を推定することで、軸速度Vを検出(推定)し、更に加速度αを検出(推定)することとしてもよい。
また、上述した実施形態では、監視軸が空転滑走する前の予兆の段階で対象軸のトルク分電流を引き下げるために、予兆時誘発検出閾値Vcaを空転滑走検出閾値Vsより小さい値として説明した。しかし、監視軸が空転滑走した段階で上述した制御と同じ制御を行いたい場合には、予兆時誘発検出閾値Vcaを空転滑走検出閾値Vsと同じ値とするだけでよい。
また、上述した実施形態では、監視軸が空転滑走した状態における対象軸の制御は、対象軸が空転滑走するか否かによる従来の再粘着制御と同様であるとして説明した。しかし、監視軸が空転滑走した状態において、対象軸における空転滑走の誘発の可能性を判定し、誘発の可能性を検出した場合(誘発検出)に誘発抑制制御を実行することとしてもよい。
図11は、この場合の抑制指令生成処理の流れを示すフローチャートであり、図5のステップS16〜S18の間の処理の流れを示している。ステップS16〜S18以外の処理は図5と同様である。
図11において、監視軸の空転滑走が検出された場合には(ステップS16:Yes)、対象軸に空転滑走の予兆があるか否かを判定する(ステップD2)。具体的には、対象軸情報に含まれる対象軸の軸速度Vから基準速度Vmを減じて速度差Vdを求め、速度差Vdが予兆時誘発検出閾値Vca以上となったか否かを判定する。尚、速度ではなく、加速度を用いて予兆を判定することとしてもよいことは勿論である。
そして、空転滑走の予兆があると判定した場合(ステップD2:Yes)には、ステップS4〜S10と同様、一種の収束判定の処理を行い(ステップD4〜D12)、変数nの値が所定値以下の場合に(ステップD12:Yes)、対象軸予兆時抑制指令生成処理を行う(ステップD14)。
対象軸予兆時抑制指令生成処理は、図6に示した予兆時抑制指令生成処理と同様の処理であるため、説明を省略する。尚、対象軸予兆時抑制指令生成処理において利用する引き下げ係数テーブルを、図4と同様に定めておいてもよい。
ステップD2において空転滑走の予兆がないと判定された場合(ステップD2:No)或いはステップD14の後、抑制指令生成部70は、対象軸が再粘着制御によりトルク復帰直前の状態にあるか否かを判定する(ステップD16)。具体的には、再粘着制御装置43から制御状態を入力して判定してもよいし、ステップS20と同様、対象軸情報に含まれるトルク分電流をもとに判定することとしてもよい。
そして、対象軸がトルク復帰直前の状態にあると判定した場合(ステップD16:Yes)には、ステップS22〜S30と同様、一種の収束判定の処理を行い(ステップD18〜D26)、変数mの値が所定値以下の場合に(ステップD26:Yes)、対象軸復帰直前時抑制指令生成処理を行う(ステップD28)。
対象軸復帰直前抑制指令生成処理は、図7に示した復帰直前時抑制指令生成処理と同様の処理であるため、説明を省略する。尚、対象軸復帰直前時抑制指令生成処理において利用する引き下げ係数テーブルを、図4と同様に定めておいてもよい。
以上の図11の処理を行うことにより、監視軸が空転滑走したことによって対象軸が空転滑走する、いわゆる連れ回りの発生可能性を早期に検出して(誘発検出)、予防的にトルク分電流を引き下げることが可能となる。
10 電動機
20 インバータ
30 制御装置
50 パルスジェネレータ
60 速度・加速度検出部
70 抑制指令生成部

Claims (9)

  1. 第1軸の空転滑走検出用状態値が、空転滑走が発生したと判定するための閾値条件として定められた空転滑走検出用閾値条件を満たした場合に前記第1軸の空転滑走の発生を検出する第1軸空転滑走検出ステップと、
    前記第1軸空転滑走検出ステップでの検出に応じて、前記第1軸を駆動する電動機のトルク分電流を引き下げて前記第1軸の再粘着制御を行う第1軸再粘着制御ステップと、
    前記第1軸の前記空転滑走検出用状態値が、空転滑走の予兆を検出するための所定の予兆検出用閾値条件を満たした場合に前記第1軸の空転滑走の予兆を検出する第1軸予兆検出ステップと、
    前記第1軸予兆検出ステップでの検出に応じて、第2軸のトルク分電流を引き下げる第1軸予兆時第2軸引き下げステップと、
    を含み、前記第1軸の空転滑走の予兆検出により前記第2軸のトルク分電流を引き下げることにより、前記第1軸が空転滑走した際に生じ得る前記第2軸の空転滑走の誘発を抑制することを特徴とする電動機制御方法。
  2. 第1軸の空転滑走の発生を検出する第1軸空転滑走検出ステップと、
    前記第1軸空転滑走検出ステップでの検出に応じて、前記第1軸を駆動する電動機のトルク分電流の引き下げ及び復帰を行うことにより前記第1軸の再粘着制御を行う第1軸再粘着制御ステップと、
    前記第1軸再粘着制御ステップの再粘着制御による前記トルク分電流の復帰直前を検出する第1軸復帰直前検出ステップと、
    前記第1軸復帰直前検出ステップでの検出に応じて、第2軸のトルク分電流を引き下げる第1軸復帰時第2軸引き下げステップと、
    を含み、空転滑走した前記第1軸の復帰直前に前記第2軸のトルク分電流を引き下げることにより、前記第1軸が復帰する際に生じ得る前記第2軸の空転滑走の誘発を抑制することを特徴とする電動機制御方法。
  3. 前記トルク分電流に基づいて、前記再粘着制御による前記トルク分電流の復帰直前を検出する第1軸復帰直前検出ステップと、
    前記第1軸復帰直前検出ステップでの検出に応じて、第2軸のトルク分電流を引き下げる第1軸復帰時第2軸引き下げステップと、
    を更に含み、空転滑走した前記第1軸の復帰直前に前記第2軸のトルク分電流を引き下げることにより、前記第1軸が復帰する際に生じ得る前記第2軸の空転滑走の誘発を抑制することを特徴とする請求項1に記載の電動機制御方法。
  4. 第1軸の空転滑走検出用状態値が、空転滑走が発生したと判定するための閾値条件として定められた空転滑走検出用閾値条件を満たした場合に前記第1軸の空転滑走の発生を検出する第1軸空転滑走検出ステップと、
    前記第1軸空転滑走検出ステップでの検出がなされ、且つ、第2軸の空転滑走検出用状態値が空転滑走の予兆を検出するための所定の予兆検出用閾値条件を満たした場合に、前記第2軸の空転滑走の予兆を検出する第2軸予兆検出ステップと、
    前記第2軸予兆検出ステップでの検出に応じて、第2軸のトルク分電流を引き下げる第2軸予兆時第2軸引き下げステップと、
    を含み、前記第1軸の空転滑走が検出され、且つ、前記第2軸の空転滑走の予兆が検出された場合に前記第2軸のトルク分電流を引き下げることにより、前記第1軸が空転滑走した際に生じ得る前記第2軸の空転滑走の誘発を抑制することを特徴とする電動機制御方法。
  5. 第1軸の空転滑走の発生を検出する第1軸空転滑走検出ステップと、
    第2軸の空転滑走の発生を検出する第2軸空転滑走検出ステップと、
    前記第2軸空転滑走検出ステップでの検出に応じて、前記第2軸を駆動する電動機のトルク分電流の引き下げ及び復帰を行うことにより前記第2軸の再粘着制御を行う第2軸再粘着制御ステップと、
    前記第2軸再粘着制御ステップの前記再粘着制御による前記トルク分電流の復帰直前を検出する第2軸復帰直前検出ステップと、
    前記第1軸空転滑走検出ステップでの検出がなされ、且つ、前記第2軸復帰直前検出ステップでの検出がされた場合に、前記第2軸のトルク分電流を引き下げる第2軸復帰時第2軸引き下げステップと、
    を含み、前記第1軸の空転滑走が検出され、且つ、空転滑走した前記第2軸が復帰直前の場合に前記第2軸のトルク分電流を引き下げることにより、前記第2軸が復帰する際に生じ得る前記第2軸の空転滑走の誘発を抑制することを特徴とする電動機制御方法。
  6. 第1軸の空転滑走検出用状態値が、空転滑走が発生したと判定するための閾値条件として定められた空転滑走検出用閾値条件を満たした場合に前記第1軸の空転滑走の発生を検出する第1軸空転滑走検出手段と、
    前記第1軸空転滑走検出手段による検出に応じて、前記第1軸を駆動する電動機のトルク分電流を引き下げて前記第1軸の再粘着制御を行う第1軸再粘着制御手段と、
    前記第1軸の前記空転滑走検出用状態値が、空転滑走の予兆を検出するための所定の予兆検出用閾値条件を満たした場合に前記第1軸の空転滑走の予兆を検出する第1軸予兆検出手段と、
    前記第1軸予兆検出手段による検出に応じて、第2軸のトルク分電流を引き下げる第1軸予兆時第2軸引き下げ手段と、
    を備え、前記第1軸の空転滑走の予兆検出により前記第2軸のトルク分電流を引き下げることにより、前記第1軸が空転滑走した際に生じ得る前記第2軸の空転滑走の誘発を抑制することを特徴とする電動機制御装置。
  7. 第1軸の空転滑走の発生を検出する第1軸空転滑走検出手段と、
    前記第1軸空転滑走検出手段による検出に応じて、前記第1軸を駆動する電動機のトルク分電流の引き下げ及び復帰を行うことにより前記第1軸の再粘着制御を行う第1軸再粘着制御手段と、
    前記第1軸再粘着制御手段の再粘着制御による前記トルク分電流の復帰直前を検出する第1軸復帰直前検出手段と、
    前記第1軸復帰直前検出手段での検出に応じて、第2軸のトルク分電流を引き下げる第1軸復帰時第2軸引き下げ手段と、
    を備え、空転滑走した前記第1軸の復帰直前に前記第2軸のトルク分電流を引き下げることにより、前記第1軸が復帰する際に生じ得る前記第2軸の空転滑走の誘発を抑制することを特徴とする電動機制御装置。
  8. 第1軸の空転滑走検出用状態値が、空転滑走が発生したと判定するための閾値条件として定められた空転滑走検出用閾値条件を満たした場合に前記第1軸の空転滑走の発生を検出する第1軸空転滑走検出手段と、
    前記第1軸空転滑走検出手段による検出がなされ、且つ、第2軸の空転滑走検出用状態値が空転滑走の予兆を検出するための所定の予兆検出用閾値条件を満たした場合に、前記第2軸の空転滑走の予兆を検出する第2軸予兆検出手段と、
    前記第2軸予兆検出手段による検出に応じて、第2軸のトルク分電流を引き下げる第2軸予兆時第2軸引き下げ手段と、
    を備え、前記第1軸の空転滑走が検出され、且つ、前記第2軸の空転滑走の予兆が検出された場合に前記第2軸のトルク分電流を引き下げることにより、前記第1軸が空転滑走した際に生じ得る前記第2軸の空転滑走の誘発を抑制することを特徴とする電動機制御装置。
  9. 第1軸の空転滑走の発生を検出する第1軸空転滑走検出手段と、
    第2軸の空転滑走の発生を検出する第2軸空転滑走検出手段と、
    前記第2軸空転滑走検出手段による検出に応じて、前記第2軸を駆動する電動機のトルク分電流の引き下げ及び復帰を行うことにより前記第2軸の再粘着制御を行う第2軸再粘着制御手段と、
    前記第2軸再粘着制御手段の前記再粘着制御による前記トルク分電流の復帰直前を検出する第2軸復帰直前検出手段と、
    前記第1軸空転滑走検出手段による検出がなされ、且つ、前記第2軸復帰直前検出手段による検出がされた場合に、前記第2軸のトルク分電流を引き下げる第2軸復帰時第2軸引き下げ手段と、
    を含み、前記第1軸の空転滑走が検出され、且つ、空転滑走した前記第2軸が復帰直前の場合に前記第2軸のトルク分電流を引き下げることにより、前記第2軸が復帰する際に生じ得る前記第2軸の空転滑走の誘発を抑制することを特徴とする電動機制御装置。
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