JPH10215505A - 電気車の再粘着制御方法 - Google Patents

電気車の再粘着制御方法

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JPH10215505A
JPH10215505A JP9031165A JP3116597A JPH10215505A JP H10215505 A JPH10215505 A JP H10215505A JP 9031165 A JP9031165 A JP 9031165A JP 3116597 A JP3116597 A JP 3116597A JP H10215505 A JPH10215505 A JP H10215505A
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JP
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JP9031165A
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English (en)
Inventor
Shinichi Ginya
慎一 銀屋
Shinobu Yasukawa
忍 保川
Ichiro Miyashita
一郎 宮下
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Toyo Electric Manufacturing Ltd
Original Assignee
Toyo Electric Manufacturing Ltd
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Publication date
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
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    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Abstract

(57)【要約】 【課題】粘着係数が広範囲に変化しても、空転・滑走検
出時の車輪・レール間の粘着係数を常に精度良く推定
し、制御パラメータの調整を必要としない粘着力の有効
利用が可能な電気車の再粘着制御方法を提供することに
ある。 【解決手段】車両の設定性能に対応した電流指令値(ま
たはトルク指令値)を指令している時に空転または滑走
を検出した場合に空転または滑走検出後、主電動機電流
の電流指令値を低減して空転軸を再粘着に向かわせる過
程で、空転軸の軸加速度がゼロになった時点における電
流指令値あるいは電流の観測値を接線力の推定値に対応
した電流指令値と見なし、この推定した接線力の推定値
に対応した電流指令値より僅かに下回る電流指令値まで
主電動機電流の電流指令値を低減するなどの制御方法で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、電気車の主電動機
を駆動制御する電気車制御装置の再粘着制御方法で、特
に粘着力の有効利用を図った電気車の再粘着制御方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】電気車は車輪・レール間の接線力(粘着
力ともいう)によって加減速を行っているが、この接線
力は、一般にすべり速度に対して図10に破線で示すよう
な特性を有している。この接線力の最大値を軸重(車軸
1軸当たりのレールに加わる垂直荷重)で割ったものを
粘着係数、それ以外の接線力を軸重で割ったものを含め
て接線力係数という。図示の如く、接線力の最大値を超
えないトルクを主電動機で発生している場合は、空転・
滑走は発生せず、接線力の最大値より左側の破線で示す
微小なすべり速度で電気車は走行する。もし最大値より
大きいトルクを発生するとすべり速度は増大し、接線力
が低下するのでますますすべり速度が増大する空転・滑
走状態になるが、車輪及びレールが乾燥状態では主電動
機で発生するトルクは接線力の最大値を超えないように
車両の性能が設定されるので、空転・滑走は発生しな
い。
【0003】しかし、実線で示す如く、レール面が雨等
によって湿潤状態にある場合は、粘着係数が低下して接
線力の最大値が車両の設定性能に対応した主電動機の発
生トルクより小さくなる。この場合、すべり速度が増大
し空転状態になり、そのまま放置するとこれに対応して
接線力が低下し、車両の加速に必要な加速力がますます
低下してしまうので、迅速に空転・滑走を検出し、主電
動機が発生するトルクを低減して再粘着させることが必
要になる。このようにトルクの制御を行って再粘着させ
る場合、小さなすべり速度に抑制しつつ、主電動機の発
生トルクが極力接線力の最大値近傍の値になるように制
御することが、電気車の加減速性能を高める上で必要で
ある。
【0004】このような再粘着制御の実現を目的とした
方法として、主電動機の回転周波数(回転速度)を検出
し、これからその時間変化率、すなわち加速度を求めて
空転・滑走を検出するとともに、空転・滑走検出時の主
電動機軸の軸加速度に対応した時定数で主電動機の電流
パターンを低減して再粘着を図り、空転軸が再粘着に向
かい始めるとそのときの軸加速度に対応した時定数でト
ルクを復帰させる方法がある。
【0005】また別の方法として、空転発生時に動軸加
速度からそのときの主電動機トルクに対応した粘着係数
からの低下分を推定することによって粘着係数を推定
し、再粘着後に推定した粘着係数に対応したトルクを主
電動機で発生するようにした再粘着制御方法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
方法では、トルクの低減・増大の時定数を空転検出時お
よび再粘着に向かうときの状況に応じて設定しているの
で、実際の粘着係数の変化にある程度は対応してトルク
制御ができることから粘着力の有効利用が図れる場合が
ある。しかし粘着係数に対応した接線力を推定している
訳ではないので、粘着係数がどのように変化した場合で
も正しく適応して制御できる保証はなく、電気車の投入
線区、気象条件等によって粘着係数が広範囲に変化した
場合には制御パラメータの再設定をしないとすべり速度
が大きくなって、粘着力の有効利用が図れない場合が発
生する。また後者の方法の場合、動軸の軸加速度と動軸
の慣性モーメントの積から粘着係数の低下分を推定して
いるので、動輪の車輪径が小さくなった場合に動輪周上
でみた動軸まわりの慣性モーメントが変わるので、これ
に対応して粘着係数の推定誤差が発生するという問題点
がある。
【0007】本発明は上述した点に鑑みて創案されたも
ので、その目的とするところは、これらの欠点を解決す
ることにあり、粘着係数が広範囲に変化しても、空転・
滑走検出時の車輪・レール間の粘着係数を常に精度良く
推定し、制御パラメータの調整を必要としない粘着力の
有効利用が可能な電気車の再粘着制御方法を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】つまり、その目的を達成
するための手段は、 1)請求項1において、車両の設定性能に対応した電流
指令値(またはトルク指令値)を指令している時に空転
または滑走を検出した場合に空転または滑走検出後、主
電動機電流の電流指令値(あるいはトルク指令値)を低
減して空転軸を再粘着に向かわせる過程で、空転軸の軸
加速度がゼロになった時点すなわち空転軸の空転速度が
減少に転ずる時点における電流指令値(あるいはトルク
指令値)あるいは電流の観測値を接線力の推定値に対応
した電流指令値(あるいはトルク指令値)Ipa1と見
なし(第一の接線力推定方法)、この第一の接線力推定
方法によって推定した接線力の推定値に対応した電流指
令値(あるいはトルク指令値)Ipa1より僅かにδI
paだけ下回るIpa1−δIpaまで主電動機電流の
電流指令値(あるいはトルク指令値)を低減し、電流指
令値(あるいはトルク指令値)がIpa1−δIpaに
達した後はこのIpa1−δIpaを指令し続けて、軸
加速度がマイナス側からプラス側に転じて(滑走の場合
はプラス側からマイナス側に転じて)再粘着した時点か
ら任意に定めうる期間Toの間、第一の接線力推定方法
によって推定した接線力の推定値に対応した電流指令値
(あるいはトルク指令値)Ipa1を指令し続け、その
後電流指令値(あるいはトルク指令)を車両の設定性能
に対応した電流指令値(あるいはトルク指令)へ向けて
増大させる方法を備えることによってなされる。
【0009】2)請求項2においては、車両の設定性能
に対応した電流指令値(またはトルク指令値)を指令し
ている時に空転または滑走を検出した場合に、空転また
は滑走検出後主電動機電流の電流指令値(あるいはトル
ク指令値)を低減して空転軸を再粘着に向かわせる過程
で、前記第一の接線力推定方法によって、空転軸の軸加
速度がゼロになった時点における電流指令値(あるいは
トルク指令値)あるいは電流の観測値を接線力の推定値
に対応した電流指令値(あるいはトルク指令値)Ipa
1と見なし、このIpa1より僅かにδIpaだけ下回
るIpa1−δIpaまで主電動機の電流指令値(ある
いはトルク指令値)を低減し、電流指令値(あるいはト
ルク指令値)がIpa1−δIpaに達した後はこのI
pa1−δIpaを指令し続け、Ipa1−δIpaに
達した直後の任意に定めうる期間中における平均軸加速
度αavmを求め、その後Ipa1−δIpaを指令中
における空転軸の軸加速度の最小値αminとから、I
pa1+〔(αmin/αavm)−1〕・δIpaに
よって求めた修正電流指令値(あるいはトルク指令値)
を接線力の最大値(すなわち粘着係数に対応した接線
力)の推定値に対応した電流指令値(あるいはトルク指
令値)Ipa2と見なし(第二の接線力推定方法)、軸
加速度がマイナス側からプラス側に転じて(滑走の場合
はプラス側からマイナス側に転じて)再粘着した時点か
ら任意に定めうる期間Toの間、第二の接線力推定方法
によって求めた接線力の最大値に対応した電流指令値
(あるいはトルク指令値)Ipa2を指令し続け、その
後電流指令値(あるいはトルク指令値)を車両の設定性
能に対応した電流指令値(あるいはトルク指令値)に向
けて増大させる方法を備えるようにしたものである。
【0010】3)請求項3においては、第一の接線力推
定方法によって推定した接線力の推定値に対応した電流
指令値 (あるいはトルク指令値) Ipa1あるいは第二
の接線力推定方法によって推定した接線力の推定値に対
応した電流指令値 (あるいはトルク指令値) Ipa2
を、軸加速度がマイナス側からプラス側に転じて(滑走
の場合はプラス側からマイナス側に転じて)再粘着した
時点から任意に定めうる期間Toの間指令し続けた後、
電流指令値(あるいはトルク指令値)をある増加率で増
大させて行き、電流指令値(あるいはトルク指令値)を
増加させ始めた時点以降、時々刻々の電流指令値(ある
いはトルク指令値)あるいは主電動機電流の観測値と軸
加速度を保持しておき、この電流指令値(あるいはトル
ク指令値)増大過程で電流指令値(あるいはトルク指令
値)の増加率に対応した増加率で軸加速度の増加が観測
された時点で再空転の検出を行うことを第二の空転検出
方法とし、第二の空転検出方法によって再空転を検出し
た時点より遡って最初に軸加速度の増加が始まったとき
の電流指令値(あるいはトルク指令値)あるいは主電動
機電流の観測値Ip(t) を接線力の推定値に対応した電
流指令値(あるいはトルク指令値)Ipa3とし(第三
の接線力推定方法)、第三の推定方法によって推定した
接線力の推定値に対応した電流指令値(あるいはトルク
指令値)Ipa3より僅かにδIpaだけ下回るIpa
3−δIpaを目標値として主電動機への電流指令値
(あるいはトルク指令値)を低減し、軸加速度がゼロに
なった時点における電流指令値(あるいはトルク指令
値)をIpa3dとしてIpa3d−δIpaに電流
(あるいはトルク)低減の目標値を修正し、電流が電流
指令値(あるいはトルク指令値)の目標値Ipa3d−
δIpaに達した直後の任意に定めうる期間中における
平均軸加速度αavm1を求め、その後Ipa3d−δ
Ipaを指令中における空転軸の軸加速度の最小値αm
in1とから、Ipa3d+〔(αmin1/αavm
1)−1〕・δIpaによって求めた修正電流指令値
(あるいはトルク指令値)を接線力の推定値に対応した
電流指令値(あるいはトルク指令値)Ipa4とし(第
四の接線力推定方法)、空転が収まって再粘着した時点
で、第三と第四の接線力推定方法で推定した接線力の推
定値に対応した電流指令値(あるいはトルク指令値)I
pa3とIpa4のうちの小さいほうの電流指令値(あ
るいはトルク指令値)を前記期間Toの間指令するよう
にし、その期間が過ぎた後、ある増加率で車両の設定性
能に対応した電流指令値(あるいはトルク指令値)に向
けて電流指令値(あるいはトルク指令値)を増大させる
方法を備えるようにしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明による電気車の再粘
着制御方法について、図示の実施例を用いて詳細に説明
する。図1は本発明の請求項1に記載の実施例を示すブ
ロック図、図2は本発明の請求項1に記載の実施例の動
作説明図、図3は図1の実施例による電流指令値に対応
したトルクあるいはトルク指令値の変化と車輪・レール
間の接線力の変化状況の説明図である。なお以下におい
ては空転の場合についてのみ説明する。滑走の場合は、
軸速度、軸加速度の変化が空転の場合と逆になるだけで
その他基本的には変わらないので省略する。図1〜3に
おいて、図示しない主幹制御器からの運転指令aが主電
動機電流指令系(あるいはトルク指令系:以下において
は電流指令系で代表させる)bに入力され、車両の設定
性能に対応した電流指令値(あるいはトルク指令値:以
下においては電流指令値で代表させる)を車両の設定性
能に対応した電流指令値発生部11で発生し、電流指令
値目標値設定部8に出力する。これにともなって、車両
の設定性能に対応した電流指令値(あるいはトルク指令
値)、すなわち接線力の推定値に対応した電流指令値よ
り小さい電流指令値δIpaを電流指令値目標値設定部
7(δIpa設定部)で設定している。
【0012】一方、図示しない動軸あるいは主電動機軸
に取り付けられた速度センサからの軸速度パルスcが軸
速度演算部18に入力されて軸速度が演算され、演算さ
れた軸速度は軸加速度演算部19に入力されて、軸加速
度が演算される。軸加速度は次いで空転・滑走検知部1
に入力される。車輪・レール間の粘着係数がレール乾燥
時のように十分大きい場合には、軸加速度が空転・滑走
検出のしきい値に達しないので、空転・滑走検知部1の
出力である空転・滑走検知信号は出力されず、電流指令
値低減指令発生部3では電流指令値低減信号を発生しな
いので、電流指令値発生部4において、電流指令値目標
値設定部8で設定している車両の設定性能に対応した電
流指令値を主電動機電流制御部2に指令し続けている
(図2の時刻to以前の状態)。
【0013】次いで、降雨等によって粘着係数が小さく
なって車輪・レール間の接線力が主電動機で発生してい
るトルクよりも小さくなると(図2の時刻to)、空転
が発生して動軸が加速されて軸加速度がしきい値を超え
るようになる(図2の時刻t1)。この時点で図1の空
転・滑走検出部1で空転を検出し、空転・滑走検知信号
を出力する。電流指令値低減指令発生部3では、空転・
滑走検知信号が入力されると、電流指令値低減信号を発
生するので、電流指令値発生部4では電流指令値をある
減少速度で減少させる。これによって空転軸の空転速度
が減少し始める。したがって、軸加速度も減少し、やが
ては軸加速度ゼロ点を通過してマイナス軸加速度にな
る。そこで、軸加速度演算部19からの軸加速度が入力
されている軸加速度ゼロ検出部5では、空転・滑走検知
信号が出力されたことを条件として、入力されている軸
加速度を調べて軸加速度がゼロとなった時点(図2の時
刻t11)で、軸加速度ゼロ検出信号を接線力推定部
(A)6に対して出力する。
【0014】接線力推定部(A)6では、軸加速度ゼロ
検出信号を受信した時点の主電動機電流指令系から入力
される電流指令値をその時の接線力の推定値と見なし、
これを接線力の第一の推定値に対応した電流指令値Ip
a1として出力する。そして、空転軸を確実に再粘着さ
せるために、δIpa設定部7で設定した前述のδIp
aを減算したIpa1−δIpaを電流指令値低減の目
標値として電流指令値目標値設定部8で設定する。この
δIpaは空転軸を確実に再粘着させることができる範
囲内で極力小さな値として、いたずらに電流指令値の低
減量が大きくなることを回避する。
【0015】電流指令値発生部4では、この目標値Ip
a1−δIpaに電流指令値が達すると(図2の時刻t
2)、電流指令値をこの目標値Ipa1−δIpaに維
持し続ける。これによって空転軸が再粘着する。この時
に軸加速度がマイナス側から再びゼロを通過してプラス
側に転ずる。そこで、再粘着検出部9では軸加速度演算
部19からの軸加速度を入力して、軸加速度がマイナス
側からゼロを通過した時点(図2の時刻t3)で、空転
・滑走検知信号及び軸加速度ゼロ検出信号が出力された
ことを条件として、再粘着検知信号を電流指令値目標値
設定部8に対して出力する。電流指令値目標値設定部8
ではこの再粘着検知信号を受信すると、先に接線力推定
部(A)6が出力した接線力の推定値に対応した電流指
令値Ipa1を目標値として設定するので、電流指令値
発生部4では第一の推定値に対応した電流指令値Ipa
1に向かって電流指令値を、主電動機電流制御系の制御
擾乱や台車のピッチング運動を誘発しない範囲内の極力
大きな増大速度で増大させる。
【0016】そして、上記Ipa1に電流指令値が達し
た時点(図2の時刻t31) で、電流指令値上限値到達信
号を時間To計数部10に対して出力するとともに、電
流指令値をIpa1に維持する。そして一定期間To経
過すると(図2の時刻t4)、時間To計数部10は時
間To経過信号を電流指令値目標値設定部8に対して出
力する。これによって電流指令値目標値設定部8は、そ
の時の車両の設定性能に対応した電流指令値を設定する
ので、電流指令値発生部4ではこの目標値に向かって、
乗り心地を害しないような増大速度で電流指令値を増大
させて制御を終了する。上記の期間Toの長さは任意に
定めうる一定値である。Toはあまり長くするとその間
に粘着係数が変化して、上記のIpa1を指令したので
は実際値との間に乖離を生じてしまい、またあまり短く
し過ぎると空転・再粘着が頻繁に繰り返されて再粘着さ
せるための電流指令値の低減による影響(δIpaの影
響)が大きくなり、電気車の加速に使用される接線力の
損失が増大するので、これらの点を考慮して設定すれば
よい。
【0017】図3に示すように、空転検出性能が良好で
空転速度が小さいうちに空転を検出できる場合には、軸
加速度が最初にゼロになった時点(図2の時刻t11) で
の電流指令値Ipa1は、粘着係数に対応した接線力に
非常に近い値である。そのため、以上のような制御を行
うことによって、再粘着の過程ではIpa1より僅かに
δIpaだけ小さいトルクを指令し、再粘着後は粘着係
数に対応した接線力に非常に近い値であるIpa1を指
令することになり、粘着係数がどのように変化してもそ
のときの粘着係数に近い接線力に維持することができる
ので、粘着力の有効利用が図れることになる。
【0018】図4は本発明の請求項2に記載の実施例を
示すブロック図、図5は本発明の請求項2の実施例の動
作図、図6は図4の実施例による電流指令値に対応した
トルクあるいはトルク指令値の変化と車輪・レール間の
接線力の変化状況の説明図である。図4の実施例が図1
の請求項1の実施例と異なるところは、主電動機電流指
令系の電流指令値発生部4から電流指令値下限値到達信
号が追加され、また平均軸加速度演算部12、軸加速度
最小値検出部13、接線力推定部(B)14とそれらの
出力である平均軸加速度αavm、最小軸加速度αmi
n、接線力の第二の推定値に対応した電流指令値(また
はトルク指令値)Ipa2の信号が追加されていること
である。
【0019】図4において、図1の場合と同じく、車両
の設定性能に対応した電流指令値を指令して電気車が走
行している時に粘着係数が急に低下して空転が始まり
(図5の時刻to)、その後軸加速度が空転検知のしき
い値以上になって空転を検出すると(図5の時刻t
1)、この時点で空転・滑走検出部1で空転・滑走検知
信号を出力し、主電動機電流指令系では、空転・滑走検
知信号が入力されると、電流指令値をある減少速度で減
少させ、空転・滑走検知信号が出力されたことを条件と
して、軸加速度ゼロ検出部5では入力されている軸加速
度を調べて軸加速度がゼロとなった時点(図5の時刻t
11)で、軸加速度ゼロ検出信号を接線力推定部(A)
6に対して出力する。
【0020】接線力推定部(A)6では、軸加速度ゼロ
検出信号を受信した時点の主電動機電流指令系から入力
される電流指令値をその時の接線力の推定値と見なし、
これを接線力の推定値に対応した電流指令値Ipa1と
して出力する。そして、空転軸を確実に再粘着させるた
めに、δIpa設定部7で設定したδIpaを減算した
Ipa1−δIpaを電流指令値低減の目標値として主
電動機電流指令系に出力する。このδIpaは空転軸を
確実に再粘着させることができる範囲内で極力小さな値
として、いたずらに電流指令値の低減量が大きくなるこ
とを回避する。主電動機電流指令系では、この目標値I
pa1−δIpaに電流指令値が到達するまで、電流指
令値を低減する。以上のところまでの制御は図1と同じ
である。
【0021】図4において、電流指令値がIpa1−δ
Ipaにまで減少した時点(図5の時刻t2)で、電流
指令値発生部4において電流指令値下限値到達信号が平
均軸加速度演算部12に対して出力される。そして電流
指令値がIpa1−δIpaに維持される。平均軸加速
度演算部12では、電流指令値下限値到達信号を受信す
ると、任意に定めうる一定の期間中(図5の時刻t2か
らt21までの期間)に入力された軸加速度をもとにそ
の平均値である平均軸加速度信号αavmを演算する。
その後電流指令値がIpa1−δIpaに維持され続け
て空転軸が再粘着するときに軸加速度がマイナス側から
再びゼロを通過してプラス側に転ずるが、この時点 (図
5の時刻t3t)までの間に、軸加速度最小値検出部1
3において最小軸加速度αminを検出する(図5の時
刻t22において軸加速度が最小になる) 。そして平均
軸加速度αavmと最小軸加速度αminとから、接線
力推定部(B)14において、接線力の第二の推定値に
対応した電流指令値Ipa2を(1) 式によって演算す
る。
【0022】 Ipa2=Ipa1+〔(αmin/αavm)−1〕・δIpa ・・(1)
【0023】図6に示してあるように、Ipa1−δI
paを指令して空転軸が再粘着に向かっている過程です
べり速度が減少してくると車輪・レール間の接線力が増
大してくる。そして、軸加速度が最小値αminになっ
たとき (図5の時刻t22) 、αminはそのときの車輪
・レール間の粘着係数に対応した接線力と電流指令値I
pa1−δIpaに対応した接線力との差に相当する軸
加速度になっている。したがって、(1)式から求めら
れるIpa2は、そのときの粘着係数に対応した電流指
令値になっている。ここで、空転軸の粘着係数を従来技
術のように軸加速度を用いて(2)式に従って推定する
場合、(3)式からもわかるように、動輪の車輪径が車
輪の削正等によって小さくなると推定値の誤差が発生す
る。なお(2)、(3)式で、Ftは主電動機が発生す
る動輪周上引張力、Mjは動輪周上でみた動軸・駆動系
の慣性質量、Jは動軸まわりの慣性モーメント、rは動
輪の半径、αは動軸加速度、Fmは接線力である。
【0024】 Fm = Ft − Mj・α ・・・・(2) Mj = J/(r・r) ・・・・(3)
【0025】これに対して、(1)式によって粘着係数
に対応した電流指令値を求める場合、(αmin/αa
vm) を演算することによって慣性質量が変わる影響が
除去されるので、動輪径が小さくなっても精度良く粘着
係数を推定できることになる。再び図4において、接線
力推定部(B)14で推定した接線力の第二の推定値に
対応した電流指令値Ipa2が電流指令値目標値設定部
8に対して出力され、またその後再粘着検出部9で再粘
着検出信号が出力されると(図5の時刻t3)、接線力
の第二の推定値に対応した電流指令値Ipa2を電流指
令値目標値設定部8で設定するので、電流指令値発生部
4ではIpa2に向かって電流指令値を増大させる。そ
して、上記Ipa2に電流指令値が達した時点(図5の
時刻t22)で電流指令値上限到達信号が時間To計数
部10に対して出力されるので、図1の場合同様に、一
定期間ToだけIpa2を指令し続け、Toが経過する
と(図5の時刻t4)、そのときの車両の設定性能に対
応した電流指令値に向かって電流指令値を増大させて制
御を終了する。
【0026】図6に示すように、空転検出感度が低くて
空転速度が大きくなって(したがって接線力がかなり低
下してから)空転検出して、図3に示す場合よりもトル
ク低減量が大きくなった場合でも、(2)式によって再
粘着直前の粘着係数に対応した接線力を精度良く推定で
きるので、再粘着時にそのときの粘着係数にほぼ対応し
た電流指令値を指令し、粘着力の有効利用可能な再粘着
制御方法を提供できることになる。
【0027】図7は本発明の請求項3に記載の実施例を
示すブロック図、図8は本発明の請求項3に記載の実施
例の動作説明図、図9は図7の実施例による電流指令値
に対応したトルクあるいはトルク指令値の変化と車輪・
レール間の接線力の変化状況の説明図である。図7の請
求項3に記載の実施例が図4の請求項2の実施例と異な
るところは、空転・滑走検出部(D)16、接線力推定
部(E)15、接線力推定部(F)17および、これら
の出力である再空転・滑走検知信号、接線力の第三の推
定値に対応した電流指令値(またはトルク指令値)Ip
a3、接線力の第四の推定値に対応した電流指令値(ま
たはトルク指令値)Ipa4、軸加速度ゼロ検出時の電
流指令値Ipa3dが追加されていることである。
【0028】図7において、再粘着検出部9からの再粘
着検知信号を主電動機電流指令系において受信すると、
この時点(図8の時刻t3)から前記の期間Toの間、
電流指令値発生部4において、請求項1に記載の実施例
で推定した第一の接線力の推定値に対応した電流指令値
Ipa1と請求項2に記載の実施例で推定した第二の接
線力の推定値に対応した電流指令値Ipa2のいずれか
が継続して指令される。そして期間To経過した時点
(図8の時刻t4)から、電流指令値をそのときの車両
速度から得られる車両の設定性能に対応した電流指令値
を目標値として、例えばΔIpなる増加率で増大させ
る。このとき、時々刻々の動軸加速度α(t)と電流指
令値または主電動機電流の観測値Ip(t)が空転・滑
走検知部(D)16および接線力推定部(E)15にお
いて記憶される。電流指令値が増大して主電動機の発生
トルクが増大しても、動軸が粘着状態にあるときは、す
べり速度は殆ど変化せず、軸加速度は車両の加速度に一
致して推移する。
【0029】すなわち、図8の時刻t3〜t4間の平均
軸加速度αavにほぼ等しい値で推移する。その後、ト
ルクの増大によって粘着状態から空転状態に移行する
と、電流指令値の増加率ΔIpに対応した軸加速度の増
大が制御周期毎に連続して観測されるようになる。そこ
で、図7の空転・滑走検知部(D)16において、この
軸加速度の増大が連続して観測されるようになった時点
(図8の時刻t41)で再空転を検出し、再空転・滑走
検知信号を出力する。このように電流指令値の増大過程
において軸加速度の増大によって空転を検出するように
すると、微小な空転速度のうちに空転を検出することが
できる。
【0030】次にこの再空転・滑走検知信号が出力され
ると、接線力推定部(E)15ではこの時点より過去に
遡って軸加速度の記憶値α(t)を順次調べて、最初に
上記の増加率ΔIpに対応した軸加速度の増加が発生し
た時点における電流指令値または主電動機電流の観測値
の記憶値Ip(t)を、空転発生時の接線力の第三の推
定値に対応した電流指令値Ipa3として出力する。な
お上記の方法で電流指令値を増大させていっても再空転
を検知せず、車両の設定性能に対応した電流指令値に達
した場合には、その時点で再粘着制御は終了する。
【0031】接線力の第三の推定値に対応した電流指令
値Ipa3が出力されると、Ipa3からδIpa設定
部6の設定値δIpaだけ減算したIpa3−δIpa
を電流指令値目標値設定部8において設定するので、電
流指令値発生部4ではIpa3−δIpaを目標値とし
て、電流指令値を低減させる。そして、接線力推定部
(F)17において軸加速度ゼロ検出部5からの軸加速
度ゼロ検出信号を受信した時点(図8の時刻t51)に
おける電流指令値Ipa3dを出力する。Ipa3dが
出力されると、電流指令値目標値設定部8ではδIpa
設定部の設定値δIpaだけ減算したIpa3d−δI
paに電流低減の目標値を修正するので、電流指令値発
生部4では電流指令値を上記修正目標値Ipa3d−δ
Ipaにまで低減し続ける。そして、電流指令値がIp
a3d−δIpaまで減少した時点(図8の時刻t6
1)で、請求項2に記載の実施例と同じく電流指令値発
生部4において電流指令値下限値到達信号が平均軸加速
度演算部12に対して出力される。そして電流指令値が
Ipa3d−δIpaに維持される。
【0032】平均軸加速度演算部12では、電流指令値
下限値到達信号を受信すると、任意に定めうる一定の期
間中(図8の時刻t6からt61までの期間) に入力さ
れた軸加速度をもとにその平均値である平均軸加速度信
号αavm1を演算する。その後電流指令値がIpa3
d−δIpaに維持され続けて空転軸が再粘着するとき
に軸加速度がマイナス側から再びゼロを通過してプラス
側に転ずるが、この時点 (図8の時刻t7)までの間
に、軸加速度最小値検出部13において最小軸加速度α
min1を検出する(図8の時刻t62において軸加速
度が最小になる)。そして、平均軸加速度αavm1と
最小軸加速度αmin1とから、接線力推定部(F)1
7において、接線力の第四の推定値に対応した電流指令
値Ipa4を、(4)式によって演算し、主電動機電流
指令系に対して出力する。
【0033】 Ipa4=Ipa3d+〔(αmin1/αavm1)−1〕・(δIpa) ・・・・(4)
【0034】再空転軸が再粘着して軸加速度がマイナス
側から再びゼロを通過すると再粘着検出部9で再粘着検
知信号が出力される(図8の時刻t7)。この時点で電
流指令値目標値設定部8では、接線力の第三の推定値に
対応した電流指令値Ipa3と接線力の第四の推定値に
対応した電流指令値Ipa4のうちの小さい方の電流指
令値を目標値として設定するので、この目標値に向かっ
て電流指令値発生部4において電流指令値を増大させ
る。そして、上記の小さい方の電流指令値に電流指令値
が達した時点(図8の時刻t71) から、一定期間To
だけ小さい方の電流指令値を指令し続ける。Toが経過
すると図8の時刻t4の時点同様に、電流指令値をその
ときの車両速度から得られる車両の設定性能に対応した
電流指令値を目標値として、例えばΔIpなる増加率で
増大させる。車両の設定性能に対応した電流指令値まで
電流を増大させても、図7の空転・滑走検知部D16が
再空転を検出しなければ、そこで再粘着制御は終了す
る。もし再空転を検出すれば、図8の時刻t4以降の動
作を繰り返す。
【0035】以上のように接線力の第三の推定値に対応
した電流指令値Ipa3と接線力の第四の推定値に対応
した電流指令値Ipa4のうちの小さい方の電流指令値
を目標値として選択するのは、Ipa3のみを指令する
ようにすると、再空転検出時の実際の接線力に対応した
電流指令値が、電流指令値を増大させる前に期間Toだ
け指令していた電流指令値Ipa3より小さい場合に
(再空転検出時に再空転開始時の接線力の推定値に対応
した電流指令値を求めてもIpa3以下にはならないの
で)、空転が徐々に拡大する事態となる可能性があるの
でこれを防止するためである。上記のようにIpa3と
Ipa4の小さい方を指令することによって、列車速度
の上昇に伴って粘着係数が低下するという降雨時等に一
般的に観測される状態にも、空転が徐々に拡大すること
なく常時推定粘着係数に対応した電流指令値を指令して
車両を加速させることができる。
【0036】図9に請求項3に記載の実施例によって電
流指令値を制御した場合のトルクあるいはトルク指令値
の変化(太い実線で示す)と、車輪・レール間の接線力
の変化状況を示すが、先にも述べたように、電流指令値
の増大過程において電流指令値の増大量に対応した軸加
速度の増大によって再空転を検出するので、微小な空転
速度のうちに空転を検出することができ、したがって、
より粘着力の有効利用が可能となる。
【0037】以上の本発明の再粘着制御方法を要約する
と、以下のとおりである。 (1)請求項1に記載の実施例では、車両の設定性能に
対応した電流指令値を指令しているときに空転・滑走を
検出した場合で空転・滑走検出感度が高くて小さい空転
速度のうちに空転・滑走を検出できる場合には、電流指
令値を低減しつつ動軸加速度がゼロになるときの電流指
令値を空転・滑走検出時の接線力の推定値Ipa1と見
なし、電流指令値をIpa1−δIpaまで低減して再
粘着に向かわせ、再粘着後速やかにIpa1をある一定
期間指令し続け、一定期間経過後、そのときの車両の設
定性能に対応した電流指令値に向けてある増加率で電流
指令値を増大する制御を行う。
【0038】(2)請求項2に記載の実施例では、車両
の設定性能に対応した電流指令値を指令しているときに
空転・滑走を検出した場合で空転・滑走検出感度が低く
て大きい空転速度のうちに空転・滑走を検出した場合に
は、電流指令値を低減しつつ動軸加速度がゼロになると
きの電流指令値を空転・滑走検出時の接線力の推定値I
pa1と見なし、電流指令値をIpa1−δIpaまで
低減して再粘着に向かわせ、再粘着直前の接線力すなわ
ち粘着係数に対応した接線力の推定値に対応した電流指
令値Ipa2をある一定期間指令し続け、一定期間経過
後、そのときの車両の設定性能に対応した電流指令値に
向けてある増加率で電流指令値を増大する制御を行う。
【0039】(3)一方、請求項3に記載の実施例で
は、そのときの設定性能に対応した電流指令値に向けて
ある増加率で電流指令値を増大している過程で空転・滑
走を検出した場合 (すなわち再空転・滑走を検出した場
合) は、動軸の軸加速度が電流指令値の増加率に対応し
た増加率で増大し続けるようになる最初の時点における
電流指令値を、再空転・滑走開始時の接線力の推定値に
対応した電流指令値Ipa3と見なし、電流指令値をI
pa3−δIpaを目標値として低減し、途中で軸加速
度がゼロになった時点でそのときの電流指令値Ipa3
dを用いて電流指令値低減の目標値をIpa3d−δI
paに修正し、電流指令値をIpa3d−δIpaまで
低減して再粘着させるようにし、再粘着直前における接
線力(すなわち粘着係数に対応した接線力)に対応した
電流指令値Ipa4と上記Ipa3の小さい方の電流指
令値を再粘着後ある一定期間指令し続け、一定期間経過
後、そのときの車両の設定性能に対応した電流指令値に
向けてある増加率で電流指令値を増大する制御を行う。
【0040】以上の実施例においては、空転・滑走検出
時の接線力の推定値に対応する電流指令値と見なすIp
a1〜Ipa4として、そのときの電流指令値を用いた
が、これをその時の電流の観測値を用いるようにしても
よい。また、以上の実施例では、動軸の軸加速度として
は、軸速度の観測値をもとに演算して求められる軸加速
度を用いたが、誘導電動機を主電動機として用いたイン
バータ車両のように、主電動機の電圧・電流から動軸速
度を推定することができる場合には、この推定軸速度を
もとに演算した軸加速度を用いるようにしてもよい。
【0041】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
常に空転・滑走発生時の粘着係数を実質的に推定し、こ
の推定値を用いて再粘着させるための電流(あるいはト
ルク)低減量を極力抑制するようにし、再粘着時に速や
かに推定粘着係数に対応した電流(あるいはトルク)を
発生させるようにしているので、粘着係数が広範囲に変
化した場合でも、制御パラメータを再調整することな
く、車輪・レール間の接線力をそのときの粘着係数に近
い値に維持することができ、粘着力の有効利用の可能な
再粘着制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に記載の実施例のブロック図
である。
【図2】本発明の請求項1に記載の実施例の動作説明図
である。
【図3】本発明の請求項1に記載の実施例による電流指
令値に対応したトルクあるいはトルク指令値の変化と車
輪・レール間の接線力の変化状況の説明図である。
【図4】本発明の請求項2に記載の実施例のブロック図
である。
【図5】本発明の請求項2に記載の実施例の動作説明図
である。
【図6】本発明の請求項2に記載の実施例による電流指
令値に対応したトルクあるいはトルク指令値の変化と車
輪・レール間の接線力の変化状況の説明図である。
【図7】本発明の請求項3に記載の実施例のブロック図
である。
【図8】本発明の請求項3に記載の実施例の動作を説明
する図である。
【図9】本発明の請求項3に記載の実施例による電流指
令値に対応したトルクあるいはトルク指令値の変化と車
輪・レール間の接線力の変化状況の説明図である。
【図10】すべり速度に対する車輪・レール間の接線力
特性の例を示す図である。
【符号の説明】
1 空転・滑走検知部 2 主電動機電流制御部 3 電流指令値低減指令発生部 4 電流指令値発生部 5 軸加速度ゼロ検出部 6 接線力推定部(A) 7 δIpa設定部 8 電流指令値目標値設定部 9 再粘着検出部 10 時間To計数部 11 車両の設定性能に対応した電流指令値発生部 12 平均軸加速度演算部 13 軸加速度最小値検出部 14 接線力推定部(B) 15 接線力推定部(E) 16 空転・滑走検知部(D) 17 接線力推定部(F) 18 軸速度演算部 19 軸加速度演算部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気車の各動軸あるいは主電動機軸の軸
    速度と軸速度の時間微分値である軸加速度を計測または
    推定し、前記軸加速度の観測値(または推定値)が第一
    のしきい値を超えたことによって空転(あるいは滑走)
    を検出し、空転(あるいは滑走)を検出した後、主電動
    機電流の指令値すなわち電流指令値(またはトルク指令
    値)Ipを低減して空転(あるいは滑走)状態にある動
    軸の主電動機電流を減少させて再粘着に向かわせる電気
    車制御装置において、前記動軸の空転を空転・滑走検知
    部1にて検出した後、主電動機電流制御部2への電流指
    令値(またはトルク指令値)Ipを電流指令値低減指令
    発生部3からの指令を受けて電流指令値発生部4にて低
    減し、軸加速度がゼロになるときを軸加速度ゼロ検出部
    5で検出し、前記電流指令値(またはトルク指令値)I
    pあるいは主電動機電流の前記観測値を接線力推定部
    (A)6において前記動軸の空転(あるいは滑走)開始
    時の車輪・レール間の接線力の第一の推定値に対応した
    電流指令値(またはトルク指令値)Ipa1と見なし、
    前記接線力の第一の推定値に対応した電流指令値(また
    はトルク指令値)Ipa1より少ない電流指令値δIp
    aを電流指令値目標設定部(δIpa設定部)7にて設
    定し、この値だけ下回る電流指令値(またはトルク指令
    値)Ipa1−δIpaを電流指令値目標値設定部8で
    低減の目標値としてこの目標値に向かって電流指令値
    (またはトルク指令値)を低減し、前記空転(または滑
    走)軸を再粘着に向かわせるとともに、前記空転(また
    は滑走)軸の軸加速度がマイナス側からプラス側に転じ
    て(あるいは滑走の場合はプラス側からマイナス側に転
    じて)再粘着したか否かを再粘着検出部9にて検出し、
    再粘着するときから、前記接線力の第一の推定値に対応
    した電流指令値Ipa1を、時間To計数部10におい
    て任意に定めうる時間Toを計数するまで電流指令値発
    生部4において継続して指令し、前記時間To経過後か
    ら、車両の設定性能に対応した電流指令値発生部11の
    値を目標値として電流指令値発生部4で電流指令値(ま
    たはトルク指令値)を任意に定めうる増大率で増大させ
    るよう制御することを特徴とする電気車の再粘着制御方
    法。
  2. 【請求項2】 前記動軸の空転を空転・滑走検知部1に
    て検出した後、前記主電動機電流制御部2への電流指令
    値(またはトルク指令値)Ipを電流指令値低減指令発
    生部3からの指令を受けて電流指令値発生部4にて低減
    し、軸加速度がゼロになるときを軸加速度ゼロ検出部5
    で検出し、前記電流指令値(またはトルク指令値)Ip
    あるいは主電動機電流の前記観測値を接線力推定部
    (A)6において前記動軸の空転(あるいは滑走)開始
    時の車輪・レール間の接線力の第一の推定値に対応した
    電流指令値(またはトルク指令値)Ipa1と見なし、
    前記接線力の第一の推定値に対応した電流指令値(また
    はトルク指令値)Ipa1より少ない電流指令値δIp
    aをδIpa設定部7にて設定し、この値だけ下回る電
    流指令値(またはトルク指令値)Ipa1−δIpaを
    電流指令値目標値設定部8で低減の目標値としてこの目
    標値に向かって電流指令値(またはトルク指令値)を低
    減していき、前記Ipa1−δIpaに電流指令値(ま
    たはトルク指令値)が到達した直後から、任意に定めう
    る一定の期間中における前記空転軸の軸加速度の平均値
    αavmを平均軸加速度演算部12で演算し、前記電流
    指令値(またはトルク指令値)Ipa1−δIpaを指
    令中における前記空転軸の軸加速度が最小値すなわちマ
    イナスの値でその絶対値が最大のαminとなったこと
    を軸加速度最小値検出部13で検出し、前記αminと
    前記電流指令値Ipa1と前記δIpaとからIpa1
    +〔(αmin/αavm)−1〕・δIpaによって
    接線力の第二の推定値に対応した電流指令値(またはト
    ルク指令値)Ipa2を接線力推定部(B)14におい
    て演算し、前記空転軸の軸加速度がマイナス側からプラ
    ス側に転じて(あるいは滑走の場合はプラス側からマイ
    ナス側に転じて)再粘着したか否かを再粘着検出部9に
    て検出し、再粘着するときから、前記接線力の第二の推
    定値に対応した電流指令値(またはトルク指令値)Ip
    a2を時間To計数部10において任意に定めうる時間
    Toを計数するまで電流指令値発生部4で継続して指令
    し、前記時間To経過後から、車両の設定性能に対応し
    た電流指令値発生部11の値を目標値として電流指令値
    発生部4で電流指令値(またはトルク指令値)を任意に
    定めうる増大率で増大させることを特徴とする電気車の
    再粘着制御方法。
  3. 【請求項3】 前記動軸の空転を空転・滑走検知部1に
    て検出した後、前記空転軸が再粘着するときに、請求項
    1に記載の前記接線力の第一の推定値に対応した電流指
    令値(またはトルク指令値)Ipa1、または請求項2
    に記載の前記接線力の第二の推定値に対応した電流指令
    値(またはトルク指令値)Ipa2を時間To計数部1
    0において前記任意に定めうる時間Toを計数するまで
    電流指令値発生部4において継続して指令し続けた後に
    電流指令値(またはトルク指令値)を任意に定めうる電
    流指令値(またはトルク指令値)の単位時間当たりの増
    加率ΔIpに従って増大させ、前記電流指令値(または
    トルク指令値)を増大させ始めた時点からの時々刻々の
    電流指令値(またはトルク指令値)または主電動機電流
    の観測値Ip(t)と前記動軸の軸加速度α(t)を接
    線力推定部(E)15において記憶しておき、空転・滑
    走検出部(D)16において前記再粘着軸の軸加速度が
    前記電流指令値の増加率ΔIpに対応した増加率で増大
    し始めることを検出することによって再空転(あるいは
    再滑走)を検知し、前記動軸の再空転(あるいは再滑
    走)検出をした時点から遡って接線力推定部(E)15
    において前記軸加速度の記憶値α(t)を順次調べて最
    初に前記増加率ΔIpに対応した軸加速度の増加が発生
    した時点における電流指令値(あるいはトルク指令値)
    あるいは主電動機電流の前記観測値の記憶値Ip(t)
    を接線力の第三の推定値に対応した電流指令値(あるい
    はトルク指令値)Ipa3とし、前記接線力の第三の推
    定値に対応した電流指令値(またはトルク指令値)Ip
    a3からδIpa設定部7で設定した前記δIpa下回
    る電流指令値(またはトルク指令値)Ipa3−δIp
    aを電流指令値(またはトルク指令値)の目標値として
    この目標値に向かって電流指令値(またはトルク指令
    値)Ipを低減し、軸加速度がゼロになるときを軸加速
    度ゼロ検出部5で検出し、この時点における電流指令値
    (あるいはトルク指令値)をIpa3dとしてIpa3
    d−δIpaに電流(あるいはトルク)低減の目標値を
    電流指令値目標値設定部8において修正し、平均軸加速
    度演算部12において前記の修正した電流(あるいはト
    ルク)低減の目標値Ipa3d−δIpaに前記主電動
    機電流制御部2への電流指令値(またはトルク指令値)
    が到達した直後から任意に定めうる期間中における前記
    空転軸の軸加速度の平均値αavm1を演算し、軸加速
    度最小値検出部13において前記の修正した電流(また
    はトルク)低減の目標値Ipa3d−δIpaを継続し
    て指令中における前記空転軸の軸加速度が最小値すなわ
    ちマイナスの値でその絶対値が最大のαmin1となっ
    たことを検出した時点において、前記αmin1と前記
    Ipa3dと前記δIpaとからIpa3d+〔(αm
    in1/αavm1)−1〕・δIpaによって接線力
    の第四の推定値に対応した電流指令値(またはトルク指
    令値)Ipa4を接線力推定部(F)17において演算
    し、前記空転軸の軸加速度がマイナス側からプラス側に
    転じて(あるいは滑走の場合はプラス側からマイナス側
    に転じて)再粘着したか否かを再粘着検出部9にて検出
    し、再粘着するときから、前記接線力の第三の推定値に
    対応した電流指令値(またはトルク指令値)Ipa3と
    前記接線力の第四の推定値に対応した電流指令値(また
    はトルク指令値)Ipa4のうちの小さい方の推定値に
    対応した電流指令値(またはトルク指令値)を電流指令
    値目標値設定部8で設定して前記任意に定めうる時間T
    oを時間To計数部10で計数するまで継続して指令
    し、前記時間To経過後から、車両の設定性能に対応し
    た電流指令値発生部11で設定した電流指令値(または
    トルク指令値)を目標値として電流指令値発生部4にお
    いて電流指令値(またはトルク指令値)を任意に定めう
    る増大率で増大させることを特徴とする電気車の再粘着
    制御方法。
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