JP2011114404A - ガラスアンテナ及びそれを備える合わせガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、AM放送波とFM放送波の受信にアンテナ素子を対応できるようにしても、アンテナ封入型合わせガラスを製造し易くすることができる、ガラスアンテナ等の提供を目的とする。
【解決手段】第1のガラス板11と第2のガラス板12とが積層された合わせガラス10に設けられたガラスアンテナであって、第1のガラス板11と第2のガラス板12との間に設けられた、第1の電極16及び第1の電極16に接続された第1のアンテナ素子13と、合わせガラス10の表面上であって第1の電極16に対向する箇所に設けられた、第2の電極26と、前記表面上に設けられた、第2の電極26に接続された第2のアンテナ素子23とを備え、第1のアンテナ素子13と第2のアンテナ素子23とが、合わせガラス10の縁に沿って互いに異なる向きに延伸するアンテナ素子を有することを特徴とする、ガラスアンテナ。
【選択図】図1

Description

本発明は、第1のガラス板と第2のガラス板とが積層された合わせガラスに設けられたガラスアンテナに関する。また、本発明は、該ガラスアンテナを備えた合わせガラスに関する。
従来、デジタル放送などの高周波数の電波を受信するためのアンテナ素子がガラス板間に封入されるアンテナ封入型合わせガラスが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、アンテナ素子の電極構造の実施例として、2枚のガラス板間にアンテナ素子と共に封入された電極が、一方のガラス板の表面上に形成された電極と、静電容量結合で接続された電極構造が開示されている。
特開2006−151373号公報
しかしながら、FM放送波とAM放送波を受信するためのアンテナ素子を上述の従来技術のようにガラス板間に封入しようとすると、AM放送帯の電波はFM放送帯の電波に比べて波長が長いため、AM放送波を受信するためのアンテナ素子の大きさはFM放送波を受信するためのアンテナ素子に比べて大きく、AM放送波を受信するためのアンテナ素子をガラス板間に封入することは製造上容易ではない。
そこで、本発明は、AM放送波とFM放送波の受信にアンテナ素子を対応できるようにしても、アンテナ封入型合わせガラスを製造し易くすることができる、ガラスアンテナ及び該ガラスアンテナを備える合わせガラスの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るガラスアンテナは、
第1のガラス板と第2のガラス板とが積層された合わせガラスに設けられたガラスアンテナであって、
前記第1のガラス板と前記第2のガラス板との間に設けられた、第1の電極及び該第1の電極に接続された第1のアンテナ素子と、
前記合わせガラスの表面上であって前記第1の電極に対向する箇所に設けられた、第2の電極と、
前記表面上に設けられた、前記第2の電極に接続された第2のアンテナ素子とを備え、
前記第1のアンテナ素子と前記第2のアンテナ素子とが、前記合わせガラスの縁に沿って互いに異なる向きに延伸するアンテナ素子を有することを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するため、本発明に係る合わせガラスは、該車両用ガラスアンテナを備えるものである。
本発明によれば、ガラス間に設けられるアンテナ素子がアンテナ素子全体の一部であるので、ガラス板間に設けられるアンテナ素子の大きさを小さくでき、AM放送波とFM放送波の受信にアンテナ素子を対応できるようにしても、アンテナ封入型合わせガラスを製造し易くすることができる。
本発明に係るガラスアンテナ及び合わせガラスのバリエーションを例示した平面図である。 図1(A)に示したA−Aにおける断面図である。 合わせガラス10が車両用窓ガラスのときの、合わせガラス10と車体とが接続される接続部の断面図である。 本発明の実施例である車両用ガラスアンテナ200A及び車両用合わせ窓ガラス20Aの平面図である。 本発明の比較例である車両用ガラスアンテナ200B及び車両用合わせ窓ガラス20Bの平面図である。 AM放送帯域において、ガラスアンテナ毎の、導体長x5を変化させたときのS/N比の実測データである。 FM放送帯域において、導体長x5が800mmのときの、並走間隔x3を変化させたときのアンテナ利得の実測データである。 FM放送帯域において、導体長x5が900mmのときの、並走間隔x3を変化させたときのアンテナ利得の実測データである。 FM放送帯域において、電極の面積Sxを変化させたときの帯域平均アンテナ利得の実測データである。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態の説明を行う。なお、形態を説明するための図面において、方向について特に記載のない場合には図面上での方向をいうものとする。また、平行、直角などの方向は、本発明の効果を損なわない程度のズレを許容するものである。また、平面図は、ガラスの面を対向して見たときの図である。本発明に係るガラスを車両用の窓ガラスに適用する場合、窓ガラスが車両に取り付けられた状態での車内視の図であるが、車外視の図として参照してもよい。例えば、窓ガラスが車両の前部に取り付けられるフロントガラスである場合、図面上での左右方向が車幅方向に相当する。なお、本発明は、フロントガラスに限定されず、車両の後部に取り付けられるリヤガラス、車両の側部に取り付けられるサイドガラスでもよい。
図1は、本発明に係るガラスアンテナ100及び合わせガラス10のバリエーションを例示した平面図である。ガラスアンテナ100のバリエーションとして、100A,100B,100Cを示す。ガラスアンテナ100Aは合わせガラス10Aに設けられ、ガラスアンテナ100Bは合わせガラス10Bに設けられ、ガラスアンテナ100Cは合わせガラス10Cに設けられる。図2は、図1(A)に示したA−Aにおける合わせガラス10Aの断面図である。図2は、本発明に係る合わせガラス及びガラスアンテナが有する積層形態のバリエーションを例示したものである。
図1,2に示されるように、ガラスアンテナ100は、第1のガラス板であるガラス板11と第2のガラス板であるガラス板12とが中間膜14を介して積層された合わせガラス10に、アンテナ素子及び電極がガラス板の面に沿うように平面的に設けられたアンテナである。ガラスアンテナ100は、アンテナ素子の導体パターンとして、第1のアンテナ素子であるアンテナ素子13と、第2のアンテナ素子であるアンテナ素子23とを備えている。また、電極の導体パターンとして、第1の電極である電極16と、第2の電極である電極26とを備えている。
アンテナ素子13は、合わせガラス10の縁の近傍に配置された電極16に電気的に接続され、電極16を起点に延伸するアンテナ導体である。アンテナ素子13は、電極16と共に、ガラス板11とガラス板12との間に封入されて設けられている。一方、アンテナ素子23は、合わせガラス10の縁の近傍に配置された電極26に電気的に接続され、電極26を起点に延伸するアンテナ導体であり、電極26と共に、合わせガラス10の表面(図1,2の場合、ガラス板12の上側の表面)上に設けられている。電極26は、合わせガラス10の表面上であって電極16に対向する箇所に設けられている。電極16と26とが、誘電体であるガラス板12を挟んで互いに対向して配置することにより、静電容量結合(電磁結合)で接続された電極構造(給電構造)が形成されている。
アンテナ素子13とアンテナ素子23とが、合わせガラス10の縁に沿って互いに異なる向きに延伸している。図1の場合、アンテナ素子13は、合わせガラス10の側縁10Abに沿って上下方向に延伸し、アンテナ素子23は、合わせガラス10の上縁10Aaに沿って左右方向に延伸している。
このように、図1,2に示したような構成の場合、アンテナ素子13と23を合わせたアンテナ素子全体のうち、アンテナ素子13のみが、ガラス板11の面とガラス板12の面との間に設けられているので、アンテナ素子13と23の両方がガラス板11の面とガラス板12の面との間に設けられている場合に比べて、ガラス板11とガラス板12の間に設けられるアンテナ素子の大きさを小さくでき、AM放送波とFM放送波の受信にアンテナ素子13,23を対応できるようにしても、アンテナ封入型合わせガラスを製造し易くすることができる。
例えば、ガラス板11と12の間に設けられるアンテナ素子の大きさが大きくなるほど、該アンテナ素子を封入する際の位置ずれが起こりやすくなるが、図1,2に示したような構成の場合、そのような位置ずれを発生しにくくすることができる。
また、アンテナ素子13及び電極16は、互いに対向する側のガラス板11もしくは12の表面上、または中間膜14に導体ペーストを用いてプリントすることによって形成されるものでもよいし、ワイヤーをガラス板または中間膜に貼り付けて形成されるものでもよいし、プレス機を用いて金属箔を型で打ち抜いたものをガラス板または中間膜に貼り付けて形成させてもよい。図1,2に示したような構成であれば、特に、型で打ち抜く場合、型の大きさを小さくできるという点で有利である。ガラス板11と12の間に設けられるアンテナ素子の大きさが小さくなれば、所望の形状のアンテナ素子を形成するための打ち抜き型の大きさを小さくできるとともに、その打ち抜き型で導体(例えば、銅箔)が打ち抜かれることによって生成される不要な部分の大きさも小さくなるので、無駄を減らすことができる。
また、アンテナ素子13とアンテナ素子23とが、合わせガラス10の縁に沿って互いに異なる向きに延伸するアンテナ素子を有することによって、優れた受信感度が得られると共にアンテナ素子13とアンテナ素子23によって視界が遮られることを防ぐことができる。特に、合わせガラス10が車両のフロントウィンドシールドであれば、車室内の乗員の車両前方への視界を広げることができる。なお、本発明では、図4に示すように、アンテナ素子13とアンテナ素子23とが、電極から同方向に延伸した後に、合わせガラス10の縁に沿って互いに異なる向きに延伸する態様でもよい。
以下、図1,2に示される構成について、更に詳細に説明する。
アンテナ素子13は、電極16を起点に、合わせガラス10の側縁(図1の場合、左縁)に沿って延伸する延伸部分を有する。当該延伸部分は、合わせガラス10の表面を対向して見たときの上下方向に延伸する第1の部分アンテナ素子に相当する。アンテナ素子23は、電極26を起点に、合わせガラス10の上縁に沿って延伸する延伸部分を有する。当該延伸部分は、合わせガラス10の表面を対向して見たときの左右方向に延伸する第2の部分アンテナ素子に相当する。電極16及び26の配置位置に応じて、アンテナ素子23は、合わせガラス10の右縁に沿って延伸する延伸部分を有してもよいし、アンテナ素子13は、合わせガラス10の下縁に沿って延伸する延伸部分を有してもよい。
本構成のアンテナ素子13とアンテナ素子23は、ガラスアンテナ100が受信すべき周波数帯の電波の受信に適した形状と寸法によって形成される。アンテナ素子13とアンテナ素子23の形状と寸法は、ガラスアンテナ100が受信すべき周波数帯の電波を受信するために必要なAM放送帯及び/又はFM放送帯の受信感度の要求値を満たすように設定されていればよい。
例えば、ガラスアンテナ100が受信すべき周波数帯がAM放送帯とFM放送帯の場合、AM放送波とFM放送波の両方の受信に適するようにアンテナ素子13とアンテナ素子23は形成される。
AM放送波とFM放送波を感度良く受信するために、アンテナ素子13,23が図1に示される形態で形成されていてもよいが、特にFM放送波の受信感度を向上させるために、図4に示されるように、アンテナ素子13が、合わせガラス10の縁に沿って上下方向に延伸する部分アンテナ素子13bを起点に、部分アンテナ素子13bの延伸方向に対して折り返して反対向きに、部分アンテナ素子13bに対して合わせガラス10の縁側(すなわち、部分アンテナ素子13bの左側)を延伸する第3の部分アンテナ素子である折り返し部を備えると好適である。折り返し部は、左向きに延伸する延伸部分13cと上向きに延伸する延伸部分13dとを備える。
部分アンテナ素子13bと折り返し部の延伸部分13dとの並走間隔x3が、20mm以上であれば、FM放送波を受信する際のアンテナ利得が向上する点で好ましい。並走間隔x3が40mm以上であれば、FM放送波を受信する際のアンテナ利得が向上する点で更に有利である。
なお、部分アンテナ素子13bと左側車体開口端33bとの距離x31が、70mm以上、より好ましくは80mm以上であれば、FM放送波を受信する際のアンテナ利得が向上する点で好ましい。また、距離x31が150mm以下、好ましくは120mm以下であることで、部分アンテナ素子13によって視界が遮られることを防ぐことができる。したがって、並走間隔x3は、距離x31を上限として、130mm以下、より好ましくは100mm以下であることが好ましい。
また、図1において、アンテナ素子23の導体長が、400mm以上であると、ガラスアンテナ100のAM放送帯域の受信感度が向上するという点で、好適である。特に、600mm以上であると、AM放送帯域の受信感度が向上する点で更に有利である。
また、アンテナ素子23の導体長が、750mm以上であると、AM波の受信感度の向上と共にFM波の受信感度の向上の点で好適である。特に、800mm以上であると、AM波の受信感度の向上と共にFM波の受信感度の向上の点で一層好適である。
なお、アンテナ素子23の導体長によって、特にAM放送波の受信感度を変化させることができる。したがって、AM放送波の受信感度を向上させるためにはアンテナ素子の導体は長くすることが好適のため、アンテナ素子23の導体長の範囲は、合わせガラス10の縁に沿う限り、要求値を満足するような適当な値(例えば、1500mm)であれば十分である。
また、電極16及び26は、図1(A)に示されるように、合わせガラス10の四隅のうちのいずれか一つの箇所に配置されてもよいし、図1(B)に示されるように、合わせガラス10の左縁近傍部(又は、右縁近傍部)に配置されてもよいし、図1(C)に示されるように、合わせガラス10の上縁近傍部(又は、下縁近傍部)に配置されていてもよい。
ガラス板11,12は、透明な板状の誘電体である。また、ガラス板11,12のいずれか一方が半透明でもよいし、ガラス板11,12の両方が半透明でもよい。
また、図2に示されるように、アンテナ素子13は、ガラス板11とガラス板12との間に形成された接着層である中間膜14に接している。ガラス板11とガラス板12は、中間膜14(14A,14B)によって接合される。中間膜14は、例えば、熱可塑性のポリビニルブチラールである。中間膜14の比誘電率εrは、合わせガラスの一般的な中間膜の比誘電率である2.8以上3.0以下が適用できる。
図2(A)は、ガラス板12のガラス板11に対向している対向面s3に接して形成されたアンテナ素子13及び電極16が、対向面s3と中間膜14との間に挟まれた積層構造を示している。図2(B)は、ガラス板11のガラス板12に対向している対向面s2に接した中間膜14Aとガラス板12のガラス板11に対向している対向面s3に接する中間膜14Bとの間に、アンテナ素子13及び電極16が挟まれた積層構造を示している。図2(C)は、ガラス板11のガラス板12に対向している対向面s2に接して形成されたアンテナ素子13及び電極16が、対向面s2と中間膜14との間に挟まれた積層構造を示している。
電極26は、アンテナ素子23が配置される合わせガラス10の表面s4上であって且つガラス板12を挟んで電極16に対向する箇所に配置されている。合わせガラス10が車両用窓ガラスの場合、電極26は、ガラス板12の車内側(図2の場合、上側)の面、すなわちガラス板11に対向している面s3に対して反対側の面s4に配置される。電極26は、ガラス板12の車内側の面に露出して配置される。電極26は、ガラス板12を介して、電極16と容量的に結合される位置に配置される。なお、電極26と電極16とが容量的に結合されるような対向位置関係であれば、電極26の対向方向への投影が電極16に重複している部分を有していればよく、その投影が電極16に完全に一致していなくてもよい。
電極26及びアンテナ素子23は、例えば、銀ペースト等の、導電性金属を含有するペーストをガラス板12の車内側表面にプリントし、焼付けて形成されるものでもよい。しかし、この形成方法に限定されず、銅等の導電性物質からなる、線状体又は箔状体を、ガラス板12の車内側表面に形成してもよく、ガラス板12に接着剤等により貼付してもよい。
ガラスアンテナ100は、単極型のアンテナである。アンテナ素子13,23によって受信された電波の受信信号が、給電点に相当する電極26に電気的に接続された導電性部材を介して、車両に搭載されたアンプ等の信号処理回路に伝達される。この導電性部材として、AV線や同軸ケーブルなどの給電線が用いられるとよい。
アンテナに電極16,26を介して給電するための給電線として、同軸ケーブルを用いる場合には、同軸ケーブルの内部導体を電極26に電気的に接続し、同軸ケーブルの外部導体を車体アースに接続すればよい。また、信号処理回路に接続されている導線等の導電性部材と電極26とを電気的に接続するためのコネクタを、電極26に実装する構成を採用してもよい。このようなコネクタによって、同軸ケーブルの内部導体を電極26に取り付けることが容易になる。さらに、ガラス板12が取り付けられる車体のフランジ34(図3に例示)に設けられた接触部材を、電極26に接触、嵌合させるような構成としてもよい。
図3は、合わせガラス10が車両用窓ガラスのときの、合わせガラス10と車体とが接続される接続部の断面図である。図3において、31は、車体パネル(例えば、ルーフパネル)の一部であり(全体図省略)、合わせガラス10を設置できるようにフランジ34を形成している。32は、フランジ34に合わせガラスを接着固定する接着剤である。車体側の合わせガラス10の取り付け部位の形状にもよるが、合わせガラス10とフランジ34との重複部分の長さx11は、例えば、10mm以上15mm以下である。また、合わせガラス10を車体に取り付けた状態でのフランジ34の先端である車体開口端33と電極26の端部との距離x12は、例えば、10mm以上30mm以下である。
車両に対する窓ガラスの取り付け角度は、水平面(地平面)に対し、15〜90°、特には、30〜90°が好ましい。
また、電極16,26を車外側から見えなくするために、ガラス板11の対向面s2(図2参照)に隠蔽膜を設けてもよい。隠蔽膜は黒色セラミックス膜等の焼成体であるセラミックスが挙げられる。この場合、窓ガラスの車外側から見ると、隠蔽膜により隠蔽膜上に設けられている電極16,26の部分が車外から見えなくなり、デザインの優れた窓ガラスとなる。
電極16と26の形状は、上記の導電性部材の形状などを考慮して決めるとよい。例えば、正方形、略正方形、長方形、略長方形などの方形状や多角形状が実装上好ましい。なお、円、略円、楕円、略楕円などの円状でもよい。
電極16と電極26の面積が、それぞれ324mm以上、更には400mm以上であると、FM放送波の受信感度向上の点で好適である。特には、600mm以上であると、FM放送波の受信感度向上の点で更に好適である。なお、電極16及び電極26の面積は、電極16,26によって視界が遮られないような適当な値(例えば、1500mm)を限度にすれば十分である。
本発明に係る合わせガラスを、車両用窓ガラスに適用した例を説明する。図4及び図5に示すガラスアンテナの形態を実際の車両のフロントガラスに取り付けることにより作製された自動車用ガラスアンテナのAM放送帯域及びFM放送帯域の受信感度の実測結果について説明する。図4は、本発明の実施例である車両用ガラスアンテナ200A及び車両用合わせ窓ガラス20Aの平面図である。図5は、本発明の比較例である車両用ガラスアンテナ200B及び車両用合わせ窓ガラス20Bの平面図である。図4,5において、33a〜33dは、窓ガラス20A(又は、20B)が車体に取り付けられたときに、窓ガラス20A(又は、20B)の縁に沿うように延在する車体開口端(図3の車体開口端33を参照)を示している。また、図4,5は、電極16と電極26が互いに対向して配置されていることを視覚的に明示するために、電極16と電極26の位置をずらして描画している。つまり、実際には、互いに同一の面積で形成された電極16と電極26が、同一の位置で互いに対向するように配置されている。また、図4において、部分エレメント13aは、ガラス板11と12が対向する方向で投影したときに、アンテナ素子23Aが延伸している箇所に重複する位置に配置されている。
図4において、車両用ガラスアンテナ200Aは、車体開口端に沿って互いに異なる向きに延伸するアンテナ素子13とアンテナ素子23Aとを備える。アンテナ素子13は、左側車体開口端33bに沿って延伸する。アンテナ素子23Aは、上側車体開口端33aに沿って、右向きへの延伸の終端eまで一直線に延伸する。
アンテナ素子13は、エレメント13aと、エレメント13bと、エレメント13cと、エレメント13dとを備える。エレメント13aは、電極16を起点に、第1の向き(図4の場合、右向き)に延伸する。第1の向きは、窓ガラスが車両に取り付けられたとしたときに水平面(地平面)に対して略平行な方向である。エレメント13bは、エレメント13aの右向きへの延伸の終端aを起点に、第1の向きに直交する向きである第2の向き(図4の場合、下向き)に延伸し、下向きへの延伸の終端bまで延伸する。エレメント13cは、エレメント13bの終端bを起点に、第1の向きと逆向きの第3の向き(図4の場合、左向き)に延伸し、左向きへの延伸の終端cまで延伸する。エレメント13dは、エレメント13cを起点に、第2の向きと逆向きの第4の向き(図4の場合、上向き)に延伸する。エレメント13dは、終端部cを起点に上向きに延伸し、上向きへの延伸の終端d(すなわち、アンテナ素子13の延伸の終端)まで延伸する。
一方、図5において、車両用ガラスアンテナ200Bは、車体開口端に沿って同じ向きに延伸するアンテナ素子13とアンテナ素子23Bとを備える。アンテナ素子13は、左側車体開口端33bに沿って延伸する。図5のアンテナ素子13は、図4のアンテナ素子13と同一形態である。アンテナ素子23Bは、アンテナ素子13に対して左側車体開口端33b側を、左側車体開口端33bに沿って、下向きへの延伸の終端eまで一直線に延伸する。
[例1]
例1では、ガラスアンテナ200Aと200Bの形態において、アンテナ素子23A又は23Bの導体長x5を変化させたときのAM放送帯域でのS/N比を実測した。図6は、その結果である。図6において、「200A(s3)」は、車内側ガラス板12の車外側の面s3に設けられた電極16を起点に右向きに延伸するアンテナ素子23Aが面s3に設けられたガラスアンテナ200Aを示す。「200A(s4)」は、車内側ガラス板12の車内側の面s4に設けられた電極26を起点に右向きに延伸するアンテナ素子23Aが面s4に設けられたガラスアンテナ200Aを示す。「200B(s3)」は、車内側ガラス板12の車外側の面s3に設けられた電極16を起点に下向きに延伸するアンテナ素子23Bが面s3に設けられたガラスアンテナ200Bを示す。「200B(s4)」は、車内側ガラス板12の車内側の面s4に設けられた電極26を起点に下向きに延伸するアンテナ素子23Bが面s4に設けられたガラスアンテナ200Bを示す。面s3,s4については、図2を参照されたい。
このように作成された4種類のガラスアンテナを車両に取り付けて、それらのガラスアンテナそれぞれのAM放送帯域でのS/N比を測定した。この場合、電波暗室内の基準電界を60dB電界に設定して、50dB電界時のS/N比を測定する。信号発生器より電波がガラスアンテナに向けて発信され、ガラスアンテナで受信された電波をノイズメータで測定することによって、S/N比を算出する。図6には、ガラスアンテナにとって悪い結果が出る測定条件で測定されたときのS/N比の結果、すなわち、AM放送帯域の中で低域側の522kHzの電波を照射したときに測定されたS/N比の結果を示している。
図6の実測をしたときの各ガラスアンテナの各部の寸法は、単位をmmとすると、
x1:50
x2:500
x3:10
x4:125
x31:80
x32:23
である。また、電極16及び26の面積Sxは、それぞれ1000(=縦50×横20)mmである。
図6に示されているように、アンテナ素子23は、面s4に配置する方が、面s3に配置する場合に比べて、S/N比を向上させることができ、AM放送帯の受信感度が向上する点で好適である。また、エレメント13とエレメント23は、異なる向きに車体開口端に沿って延伸する方が、同じ向きに車体開口端に沿って延伸する場合に比べて、S/N比を向上させることができ、AM放送帯の受信感度が向上する点で好適である。
さらに、図6に示されるように、ガラスアンテナ200Aの形態において、アンテナ素子23Aの導体長x5が400mm以上であれば、アンテナ素子23の配置面をs3からs4に変更するだけで、S/N比を少なくとも2dB向上させることができ、AM放送帯の受信感度が向上する点で好適である。また、アンテナ素子23Aの導体長x5が800mm以上であれば、図6に示される結果から明らかなように、AM放送帯の受信感度がさらに向上する点で好適である。
[例2]
例2では、本発明に係るガラスアンテナ200A(s4)の形態において、アンテナ素子23Aの導体長x5が800mmのときの、アンテナ素子13の折り返し部の並走間隔x3を変化させたときのFM放送帯域でのアンテナ利得を実測した。そのときのアンテナ素子13の全長はアンテナ利得が最適になるように680mm〜870mmの範囲で調整した。その他のガラスアンテナの各部の寸法は例1と同じである。図7は、その結果である。
[例3]
例3では、本発明に係るガラスアンテナ200A(s4)の形態において、アンテナ素子23Aの導体長x5が900mmのときの、アンテナ素子13の折り返し部の並走間隔x3を変化させたときのFM放送帯域でのアンテナ利得を実測した。そのときのアンテナ素子13の全長はアンテナ利得が最適になるように660mm〜810mmの範囲で調整した。その他のガラスアンテナの各部の寸法は例1と同じである。図8は、その結果である。
例2、例3の測定は、ガラスアンテナが形成された自動車用窓ガラスを、ターンテーブル上の自動車の窓枠に水平面に対して20°傾けた状態で組みつけて実測した。電極26にはコネクタが取り付けられていて、アンプに接続される。アンプは利得が10dBのアンプである。また、アンプは、チューナとフィーダ線(1.5C−2V 4.5m)によって接続される。水平方向から窓ガラスに対して全方向から電波が照射されるように、ターンテーブルが回転する。
アンテナ利得の測定は、ターンテーブルの中心に、ガラスアンテナを備える窓ガラスを組みつけた自動車の車両中心をセットして、自動車を360°回転させて行われる。アンテナ利得のデータは、回転角度5°毎に、照射周波数帯76〜90MHzにおいて1MHz毎に測定される。電波の発信位置とアンテナ導体との仰角は略水平方向(地面と平行な面を仰角=0°、天頂方向を仰角=90°とする場合、仰角=0°の方向)で測定した。アンテナ利得は、半波長ダイポールアンテナを基準とし、半波長ダイポールアンテナが0dBとなるように標準化した。
図7,8において、「Ave」は、照射周波数帯76〜90MHzにおける1MHz毎に計測された、ガラスアンテナ200A(s4)のアンテナ利得の平均値を示している。また、「Min」は、照射周波数帯76〜90MHzにおける1MHz毎に計測された、ガラスアンテナ200A(s4)のアンテナ利得の最小値を示している。
図7,8によれば、並走間隔x3は20mm以上あれば、並走間隔x3が20mm未満である場合に比べて、FM放送波を受信する際のアンテナ利得の平均値が向上するという点で好ましい。また、並走間隔x3は40mm以上あれば、並走間隔x3が40mm未満である場合に比べて、FM放送波を受信する際のアンテナ利得の最小値が向上するという点で好ましい。
[例4]
例4では、本発明に係るガラスアンテナ200A(s4)の形態において、電極16,26の面積Sxを変化させたときのFM放送帯域でのアンテナ利得を実測した。図9は、その結果である。
図9の実測をしたときの各ガラスアンテナの各部の寸法は、単位をmmとすると、
x1:50
x2:500
x3:70
x4:60
x5:900
x31:80
x32:23
である。
アンテナ利得の実測方法は、上述と同様である。図9によれば、電極16と26の面積が、それぞれ400mm以上、より好ましくは500mm以上であると、FM放送波を受信する際のアンテナ利得の平均値が向上するという点で好ましい。また、電極16と26の面積が、それぞれ600mm以上、より好ましくは700mm以上であると、FM放送波を受信する際のアンテナ利得の最小値が向上するという点で好ましい。なお、電極16と26の面積の違いによってAM放送帯の受信への変化は小さい。
10,10A,10B,10C 合わせガラス
11,12 ガラス板
13,23,23A,23B アンテナ導体
16,26 電極
14,14A,14B 中間膜
20A,20B 車両用合わせ窓ガラス
31 車体
32 接着剤
33,33a,33b,33c,33d 車体開口端
34 フランジ
100A,100B,100C,200A,200B ガラスアンテナ

Claims (8)

  1. 第1のガラス板と第2のガラス板とが積層された合わせガラスに設けられたガラスアンテナであって、
    前記第1のガラス板と前記第2のガラス板との間に設けられた、第1の電極及び該第1の電極に接続された第1のアンテナ素子と、
    前記合わせガラスの表面上であって前記第1の電極に対向する箇所に設けられた、第2の電極と、
    前記表面上に設けられた、前記第2の電極に接続された第2のアンテナ素子とを備え、
    前記第1のアンテナ素子と前記第2のアンテナ素子とが、前記合わせガラスの縁に沿って互いに異なる向きに延伸するアンテナ素子を有することを特徴とする、ガラスアンテナ。
  2. 前記第1のアンテナ素子が、前記表面を対向して見たときの上下方向に延伸する第1の部分アンテナ素子を含み、
    前記第2のアンテナ素子が、前記表面を対向して見たときの左右方向に延伸する第2の部分アンテナ素子を含む、請求項1に記載のガラスアンテナ。
  3. 前記第1のアンテナ素子が、前記第1の部分アンテナ素子を起点に、前記第1の部分アンテナ素子の延伸方向に対して折り返して反対方向に延伸する第3の部分アンテナ素子を含む、請求項2に記載のガラスアンテナ。
  4. 前記第1の部分アンテナ素子と前記第3の部分アンテナ素子との並走間隔が、20mm以上である、請求項3に記載のガラスアンテナ。
  5. 前記第2のアンテナ素子の長さが、400mm以上である、請求項1から4のいずれか一項に記載のガラスアンテナ。
  6. 前記第2のアンテナ素子の長さが、800mm以上である、請求項1から4のいずれか一項に記載のガラスアンテナ。
  7. 前記第1の電極及び前記第2の電極の面積が、それぞれ324mm以上である、請求項1から6のいずれか一項に記載のガラスアンテナ。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載のガラスアンテナを備える合わせガラス。
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