JP2011113003A - 積層反射フィルム及び多層光学フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (1)2種の超薄膜層、即ち第1基層と第2基層が交互に100〜500層積層されており且つその両端面には超薄膜層より厚いスキン層を有する積層反射フィルムであって、第1基層はアクリル系樹脂からなり、第2基層は、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート弾性体及び/又はポリエチレンテレフタレートとポリエチレングリコールとのブロック共重合体及び線状低密度ポリエチレンのポリマーブレンドからなり、縦方向及び横方向への延伸工程を経て製造されたものである、赤色の積層反射フィルム、緑色の積層反射フィルム及び青色の積層反射フィルム、及び(2)これらの積層反射フィルム中の少なくとも2種を積層してなる多層光学フィルムである。
【選択図】 図3
Description
特許文献2には、それぞれ超薄膜である第1基層と第2基層を交互に20層以上積層してなる玉虫色反射フィルムが開示されている。第1基層にはアクリル系樹脂、特にポリメチルメタクリレート(以下、PMMAとする)を用い、第2基層には80〜95重量%のポリブチレンテレフタレート(以下、PBTとする)、3〜15重量%のPBT弾性体及び0.5〜15重量%の低密度ポリエチレン(以下、LLDPEとする)のボリマーブレンドを使用している。
図2に示す赤色光を反射する積層反射フィルム1を、以下のようにして製造する。
第1基層111及びスキン層114の材料として、ポリメチルメタクリレート(PMMA)を使用した。第2基層112及びスキン層113の材料として、粘度が1Pa.sのPBTと、PBTとポリエチレングリコールとのブロック共重合体であるPBT弾性体と、密度が0.92でメルトインデックスが2のLLDPEを使用した。これらの構成成分の配合比率は、PBT90質量%、PBT弾性体7質量%、LLDPE3質量%であった。
なお、使用した装置は、Fong Kee International Machinery Co., Ltd.(No.52, Lane 737, Chung Cheng North Road, Yuen-Kang City, Taiwan)製のMultilayer Extrusion Cast Film Line No.F-001であった。
線速度を19〜23m/分に調整したこと以外は、実施例1と同様にして高温定型ロールキャスティングと常温定型ロールキャスティングを経過させ、厚さ230μmの積層フィルムを得た。実施例1と同様にして2軸延伸を行い、厚さ18μmの緑色の積層反射フィルムを得た。この緑色積層反射フィルムの反射メインローブのバンド幅は約220nm、平均反射率は95%であった。
線速度を24〜27m/分に調整したこと以外は、実施例1と同様にして高温定型ロールキャスティングと常温定型ロールキャスティングを経過させ、厚さ200μmの積層フィルムを得た。実施例1と同様にして2軸延伸を行い、厚さ16μmの青色の積層反射フィルムを得た。この青色積層反射フィルムの反射メインローブのバンド幅は約220nm、平均反射率は95%であった。
実施例1で製造した赤色反射フィルムと実施例3で製造した青色反射フィルムを接着した。アクリル系接着剤をトルエンで2倍に希釈し、保存タンクに入れた。ロール型押出し塗布機から供給される赤色反射フィルム上に、狭窄した鋳型から引出された希釈された接着剤を均一に塗布し、この上に青色反射フィルムを重ね、乾燥機により乾燥した。全体の層数が285層で、厚さ46μm、赤、青の2色を反射する、図3に示すような、多層光学フィルム2が得られた。
実施例1、実施例2及び実施例3で製造した赤色の積層反射フィルムと、緑色の積層反射フィルムと、青色の積層反射フィルムを、実施例4に示す方法で接着して、図4に示す多層光学反射フィルム3を製造した。この多層光学反射フィルム3は、全体の層数が428層で、厚さは60μm、赤、緑、青の各色を反射するフィルムであった。
第2基層112を押出す際の押出し量を300kg/時間とし、第1基層111を押出す際の押出し量を200kg/時間とし、層数を258層とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ42μmの赤色反射フィルムを得、実施例2と同様にして厚さ32μmの緑色反射フィルムを得、実施例3と同様にして厚さ24μmの青色反射フィルムを得た。これらを実施例5と同様の方法で接着し、全体の層数が776層で、厚さが110μmの多層光学フィルムを製造した。赤色、緑色及び青色の反射フィルムは、それぞれ反射メインローブのバンド幅は300nmであり、平均反射率は99%であった。
縦方向(MDO)及び横方向(TDO)の延伸倍率を、それぞれ2.5とした以外は、実施例5と同様にして多層光学フィルム3を得た。この場合、各色のフィルムの反射メインローブのバンド幅は150nmと減少し、平均反射率も80%と減少した。
縦方向(MDO)及び横方向(TDO)の延伸倍率を、それぞれ4.5とした以外は、実施例5と同様にして多層光学フィルム3を得た。この場合、各色のフィルムの反射メインローブのバンド幅は230nmと増加し、平均反射率も96%と増加したが、いずれも僅かな増加に止まった。
第2基層112の押出し量を75kg/時間とし、第1基層111の押出し量を60kg/時間とし、線速度を約50m/分とした以外は、実施例1と同様にして多層フィルムを製造し、高温定型ロールキャスティングと常温定型ロールキャスティングを経過させた。その後の延伸工程は行わなかった。厚さ320μm、層数142層の多層反射フィルムが得られた。このフィルムの反射メインローブのバンド幅は140nmであり、平均反射率は55%であった。
線速度を約50m/分とした以外は、比較例1と同様にして、高温定型ロールキャスティングと常温定型ロールキャスティングを経過させ、その後の延伸工程は行わなかった。厚さ230μm、層数142層の多層反射フィルムが得られた。このフィルムの反射メインローブのバンド幅は140nmであり、平均反射率は55%であった。
線速度を約60m/分とした以外は、比較例1と同様にして、高温定型ロールキャスティングと常温定型ロールキャスティングを経過させ、その後の延伸工程は行わなかった。厚さ200μm、層数142層の多層反射フィルムが得られた。このフィルムの反射メインローブのバンド幅は140nmであり、平均反射率は55%であった。
2: 積層反射フィルムを2層積層した多層光学フィルム
3: 積層反射フィルムを3層積層した多層光学フィルム
111: 第1基層
112: 第2基層
113,114: スキン層
115: 接着剤層
Claims (10)
- 超薄膜層である第1基層と第2基層とが交互に積層され、両端面には超薄膜層より厚いスキン層を有し、主として630〜780nmの波長の光の80%以上を反射する積層反射フィルムであって、多数の第1基層はそれぞれ実質的に均一な厚みを有し、多数の第2基層はそれぞれ実質的に均一な厚みを有し、層の総数は100〜500であり、第1基層はアクリル系樹脂からなり、第2基層とスキン層は、80〜95質量%のポリブチレンテレフタレート、3〜15質量%のポリブチレンテレフタレート弾性体及び/又はポリエチレンテレフタレートとポリエチレングリコールとのブロック共重合体及び0.5〜5質量%の線状低密度ポリエチレンからなるポリマーブレンドからなり、第1基層は、第1基層と第2基層との合計の30〜50質量%を占め、第2基層は、第1基層と第2基層との合計の50〜70質量%を占め、且つ、この積層反射フィルムは、縦方向及び横方向に延伸されて製造されたものであることを特徴とする赤色の積層反射フィルム。
- 延伸倍率が、縦、横それぞれ2乃至5倍である、請求項1に記載する赤色の積層反射フィルム。
- 延伸後の第1基層の厚さが100〜140nmであり且つ第2基層の厚さが200〜280nmである、請求項1又は2に記載する赤色の積層反射フィルム。
- 超薄膜層である第1基層と第2基層とが交互に積層され、両端面には超薄膜層より厚いスキン層を有し、主として490〜630nmの波長の光の80%以上を反射する積層反射フィルムであって、多数の第1基層はそれぞれ実質的に均一な厚みを有し、多数の第2基層はそれぞれ実質的に均一な厚みを有し、層の総数は100〜500であり、第1基層はアクリル系樹脂からなり、第2基層とスキン層は、80〜95質量%のポリブチレンテレフタレート、3〜15質量%のポリブチレンテレフタレート弾性体及び/又はポリエチレンテレフタレートとポリエチレングリコールとのブロック共重合体及び0.5〜5質量%の線状低密度ポリエチレンからなるポリマーブレンドからなり、第1基層は、第1基層と第2基層との合計の30〜50質量%を占め、第2基層は、第1基層と第2基層との合計の50〜70質量%を占め、且つ、この積層反射フィルムは、縦方向及び横方向に延伸されて製造されたものであることを特徴とする緑色の積層反射フィルム。
- 延伸倍率が、縦、横それぞれ2乃至5倍である、請求項4に記載する緑色の積層反射フィルム。
- 延伸後の第1基層の厚さが75〜100nmであり且つ第2基層の厚さが150〜200nmである、請求項4又は5に記載する緑色の積層反射フィルム。
- 超薄膜層である第1基層と第2基層とが交互に積層され、両端面には超薄膜層より厚いスキン層を有し、主として380〜490nmの波長の光の80%以上を反射する積層反射フィルムであって、多数の第1基層はそれぞれ実質的に均一な厚みを有し、多数の第2基層はそれぞれ実質的に均一な厚みを有し、層の総数は100〜500であり、第1基層はアクリル系樹脂からなり、第2基層とスキン層は、80〜95質量%のポリブチレンテレフタレート、3〜15質量%のポリブチレンテレフタレート弾性体及び/又はポリエチレンテレフタレートとポリエチレングリコールとのブロック共重合体及び0.5〜5質量%の線状低密度ポリエチレンからなるポリマーブレンドからなり、第1基層は、第1基層と第2基層との合計の30〜50質量%を占め、第2基層は、第1基層と第2基層との合計の50〜70質量%を占め、且つ、この積層反射フィルムは、縦方向及び横方向に延伸されて製造されたものであることを特徴とする青色の積層反射フィルム。
- 延伸倍率が、縦、横それぞれ2乃至5倍である、請求項7に記載する青色の積層反射フィルム。
- 延伸後の第1基層の厚さが50〜75nmであり且つ第2基層の厚さが100〜150nmである、請求項7又は8に記載する青色の積層反射フィルム。
- 請求項1、2又は3に記載する赤色の積層反射フィルム、請求項4、5又は6に記載する緑色の積層反射フィルム、及び請求項7、8又は9に記載する青色の積層反射フィルムの中の少なくとも2種を、接着剤を介して或いは相向かい合うスキン層同士の熱融着により接合してなることを特徴とする多層光学フィルム。
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