JP2011112866A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】誘導加熱により定着を行う画像形成装置において、非通紙領域に対する必要の無い加熱を行わず、無駄な電力消費をなくす。
【解決手段】画像形成装置は、給紙部と、画像形成部と、用紙と接する回転体を含む加熱部と、誘導加熱によって加熱部を暖めるコイルと、周方向の位置により磁気遮蔽板に覆われる軸線方向の長さが複数段階異なるコアと、コアを回転させる回転部と、加熱幅に合わせ複数設けられる温度検知体と、コイルに供給する電力を制御し、印刷に用いる用紙サイズを把握し、回転部を制御してコアの回転角度を制御することにより加熱部での加熱幅を制御する制御部と、を有し、制御部は、加熱部を定着制御温度で維持する制御を行わない状態から加熱部を定着制御温度で維持する制御を行う状態となる場合、回転部を制御し、印刷に用いる用紙サイズに対応する加熱幅で加熱部を加熱させる。
【選択図】図7

Description

本発明は、トナー像が転写された用紙を、誘導加熱で加熱して定着を行う複合機、複写機、プリンタ、FAX装置等の画像形成装置に関する。
従来から、複合機等の画像形成装置には、形成したトナー像を用紙に転写し、熱でトナー像を定着させるものがある。そして、画像形成装置内には、用紙搬送を行いつつ加熱してトナー像の定着を行う定着装置が設けられる。定着装置には、ローラ等の回転体を含み、コイルから生ずる磁束による渦電流等でジュール熱を発生させ(誘導加熱)、用紙と接する回転体等を含む加熱部を暖めるものがある。ここで、印刷中、誘導加熱で暖められる加熱部のうち、用紙と接する部分(通紙領域)は熱を通過する用紙に奪われるので、加熱部の加熱を続ける必要がある。一方で、用紙と接しない非通紙領域では、温度が上昇し続ける。非通紙領域での過昇温防止等のため、加熱部の非通紙領域に磁束が到達しないようにして、加熱幅を調整する定着装置が存在する。このような定着装置の一例が特許文献1に記載されている。
具体的に、特許文献1には、磁束を発生する磁束発生手段と、磁束発生手段の磁束により誘導加熱される発熱体と、発熱体を挟んで磁束発生手段に対向配置した対向コアと、を備え、対向コアは、磁束の磁路に対向する対向部と発熱体との離間距離が、磁路に対向しない非対向部と発熱体との離間距離よりも小さい形状を有し、対向コアの対向部は、非対向部から突出した凸部からなり、凸部の長手方向の長さは、通紙可能な記録媒体のサイズ幅に相当する長さを有し、発熱体の非通紙領域に対向して非通紙領域に流れる磁束を遮断する磁気遮蔽体を対向コアに配設した定着装置が記載されている。この構成により、非通紙領域での熱の蓄積による過昇温を防止しようとする(特許文献1:請求項1、請求項2、請求項5、段落[0076]、図8等参照)。
特開2006−145779
従来、画像形成装置の誘導加熱における磁気遮蔽板を用いた加熱制御では、どのようなサイズの用紙を印刷するときでも、印刷開始当初、最大の加熱幅で加熱を行い、非通紙領域の温度が、過昇温となる前の時点で、磁気遮蔽板によって非通紙領域への磁束の到達を遮断する制御が行われている。例えば、A3サイズの用紙まで印刷可能な画像形成装置では、A3よりも小さいサイズの用紙(例えば、はがき等)の印刷ジョブ開始当初でも、A3用紙に対応した最大加熱幅で加熱が行われる。このような加熱制御は、非通紙領域の温度を、トナーを溶融させるために必要で定着を行う上で維持すべき温度である定着制御温度よりも下がりにくくする目的もある。
しかし、基本的に最大加熱幅で加熱し、非通紙領域の温度が高くなった際、現在印刷している用紙サイズにあわせて磁気遮蔽板により加熱幅を狭くする制御では、非通紙領域が加熱される。そして非通紙領域における熱は、印刷ジョブ中にトナー像の定着に用いられず、放熱等により捨てられる。即ち、非通紙領域を暖めるための電力(熱に変換された電力)は無駄に消費されている場合があるという問題がある。
尚、特許文献1記載の定着装置を見ると、用紙にあわせて加熱の制御を行う旨は記載される(特許文献1:段落[0083]、[0086]、[0090]等参照)。しかし、コアを回転させるタイミングについて具体的な記載はない。従って、暖める必要がない非通紙領域への加熱による無駄な電力消費も生じ得る。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、誘導加熱により定着を行う画像形成装置において、非通紙領域に対する必要の無い加熱を行わず、無駄な電力消費をなくすことを課題とする。
請求項1に係る画像形成装置は、印刷に用いる用紙を収容する給紙部と、トナー像を形成する画像形成部と、トナー像の定着のため用紙と接する回転体を含む加熱部と、前記加熱部に対向し、前記回転体の軸線方向に沿ってかけ回され、誘導加熱によって前記加熱部を暖めるコイルと、前記加熱部に対向し、前記コイルと前記加熱部との磁路を形成し、周面が磁気遮蔽板に覆われ、前記加熱部を加熱する加熱幅を異ならせるため、周方向の位置により前記磁気遮蔽板に覆われる軸線方向の長さが複数段階異なるコアと、前記コアを回転させる回転部と、前記加熱幅に合わせ前記加熱部の温度を検知するため複数設けられる温度検知体と、前記温度検知体の出力に基づき、前記加熱部のうち用紙と接する通紙領域の温度を定着に必要な温度レベルである定着制御温度で維持させるため、前記コイルに供給する電力を制御し、印刷に用いる用紙サイズを把握し、前記回転部を制御して前記コアの回転角度を制御することにより前記加熱部での加熱幅を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記加熱部を定着制御温度で維持する制御を行わない状態から前記加熱部を定着制御温度で維持する制御を行う状態となる場合、前記回転部を制御し、印刷に用いる用紙サイズに対応する加熱幅で前記加熱部を加熱させることとした。
この構成によれば、加熱部を定着制御温度で維持する制御を行わない状態から加熱部を定着制御温度で維持する制御を行う状態となる(復帰する)場合、回転部を制御し、印刷に用いる用紙サイズに対応する加熱幅で加熱部を加熱させる。これにより、加熱部のうち用紙が接する通紙領域が暖められるウォームアップがなされた後、トナー像の定着がなされる。従って、最大加熱幅で加熱部の加熱を行う場合に比べて、消費される(熱に変換される)電力を減らすことができる。
又、請求項2に係る発明は、請求項1の発明において、通常モードと、前記通常モードよりも画像形成装置で消費される電力を減らす省電力モードを有し、前記制御部は、前記省電力モードでは、前記加熱部を定着制御温度で維持する制御を行わず、前記通常モードで、前記加熱部を定着制御温度で維持する制御を行うこととした。
この構成によれば、省電力モードから通常モードとなる(通常モードに復帰する)際、加熱部の温度を定着制御温度とするウォームアップがなされる。このウォームアップ時に、印刷に用いる用紙サイズに対応する加熱幅で加熱部の加熱がなされるので、最大加熱幅で加熱部の加熱を行う場合に比べて、消費される電力を減らすことができる。
又、請求項3に係る発明は、請求項1又は2の発明において、前記給紙部から給紙された用紙を搬送する搬送路に、用紙の到達及び通過を検知するための用紙センサが複数設けられ、前記制御部は前記用紙センサの出力に基づき、用紙のジャムの発生を検知したとき、前記加熱部を定着制御温度で維持する制御を行わない状態となり、前記用紙センサの出力に基づき、用紙のジャムが解消されたことを検知した後、前記加熱部を定着制御温度で維持する制御を行う状態となることとした。
この構成によれば、用紙のジャム(詰まり)発生によって、印刷が停止した後、ジャム処理がなされ、印刷ジョブが再開される際に、加熱部の温度を定着制御温度とするウォームアップがなされる。このウォームアップ時に、印刷に用いる用紙サイズに対応する加熱幅で加熱部の加熱がなされるので、最大加熱幅で加熱部の加熱を行う場合に比べて、消費される電力を減らすことができる。
又、請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の発明において、前記給紙部には、収容用紙の用紙切れを検知するための用紙切れセンサが設けられ、前記制御部は、前記用紙切れセンサの出力に基づき、前記給紙部での用紙切れを検知したとき、前記加熱部を定着制御温度で維持する制御を行わない状態となり、前記用紙切れセンサの出力に基づき、用紙が補給されたことを検知したとき、前記加熱部を定着制御温度で維持する制御を行う状態となることとした。
この構成によれば、用紙切れによって、印刷が停止した後、用紙補給がなされ、印刷ジョブが再開される際に、加熱部の温度を定着制御温度とするウォームアップがなされる。このウォームアップ時に、印刷に用いる用紙サイズに対応する加熱幅で加熱部の加熱がなされるので、最大加熱幅で加熱部の加熱を行う場合に比べて、消費される電力を減らすことができる。
又、請求項5に係る発明は、請求項1乃至4の発明において、データを記憶するための記憶部を有し、前記記憶部は、前記温度検知体に基づき検知された前記加熱部のうち用紙と接しない非通紙領域の温度を、印刷ジョブ完了のときに前記定着制御温度とするため、印刷ジョブの途中に加熱幅を広げて前記加熱部の前記非通紙領域の加熱を行うタイミングを定めるための加熱用データを記憶し、前記制御部は、印刷ジョブ開始のとき、印刷に用いる用紙サイズに対応する加熱幅で前記加熱部を加熱し、印刷ジョブの途中で、前記加熱用データに基づきタイミングを決定して、加熱幅を広げて前記加熱部の前記非通紙領域を加熱させることとした。
この構成によれば、印刷ジョブ開始時では、加熱部のうち、非通紙領域の加熱は行われず、非通紙領域の無駄な加熱によって電力が無駄に消費されない。一方で、最大加熱幅よりも狭い加熱幅に対応する用紙を用いて印刷する場合、非通紙領域は加熱されないので温度が下がる。そして、印刷ジョブ完了時、非通紙領域の温度は定着制御温度よりも低くなる。印刷ジョブ完了後、単に加熱幅を広げ非通紙領域であった部分を加熱し、非通紙領域であった部分の温度を定着制御温度まで高めると、通紙領域であった部分の温度が上昇し(嵩上げされ)、最悪の場合、過昇温状態に到る。又、非通紙領域であった部分を暖めて定着制御温度に到達させるために使用者を待たせることもある。
そこで、この構成によれば、印刷ジョブ完了後の次の印刷ジョブで用いる用紙のサイズは、予測困難であるので、制御部は、印刷ジョブ完了のときに非通紙領域を定着制御温度とするための加熱用データに基づき、印刷ジョブの途中で加熱幅を印刷ジョブ開始のときよりも広げさせる。これにより、次の印刷ジョブで用いる用紙が、先の印刷ジョブよりも大きくても、使用者は待つことなく直ちに次の印刷ジョブを開始でき、使用者の利便性が高い。又、通紙領域であった部分の温度が上昇しすぎることもなくなる。又、非通紙領域の不要な加熱による無駄な電力消費を可能な限り少なくすることができる。
又、請求項6に係る発明は、請求項1乃至5の発明において、外部から印刷の設定データと印刷を行う画像データを含む第1印刷データを受信する通信部を有し、前記制御部は、前記通信部に前記印刷データが入力された場合、前記省電力モードであれば前記通常モードに復帰し、前記第1印刷データ内の前記設定データに基づき印刷に用いる用紙サイズを把握することとした。
この構成によれば、制御部は、ネットワーク等を介して画像形成装置に入力される第1印刷データ中の使用する用紙を定めたデータを含む設定データに基づき、印刷で用いる用紙サイズを迅速に把握することができる。これにより、第1印刷データの通信部への入力をトリガとして、印刷で用いる用紙サイズに合わせた加熱幅で加熱部の速やかなウォームアップを行うことができる。又、省電力モードから通常モードへの復帰時のウォームアップにおける無駄な電力の消費を無くすことができる。
又、請求項7に係る発明は、請求項1乃至6の発明において、印刷の設定データと印刷を行う画像データを含む第2印刷データを記憶する外部メモリを接続するための接続部を有し、前記制御部は、前記接続部に前記外部メモリが接続された場合、前記省電力モードであれば前記通常モードに復帰し、前記第2印刷データ内の前記設定データに基づき印刷に用いる用紙サイズを把握することとした。
この構成によれば、制御部は、接続部に接続された外部メモリに収められ、使用する用紙を定めたデータを含む第2印刷データに基づき、印刷で用いる用紙サイズを迅速に把握することができる。これにより、外部メモリの接続部への接続をトリガとして、印刷で用いる用紙サイズに合わせた加熱幅で加熱部の速やかなウォームアップを行うことができる。又、省電力モードから通常モードへの復帰時のウォームアップにおける無駄な電力の消費を無くすことができる。
上述したように、本発明によれば、非通紙領域に対する必要の無い加熱を行わず、無駄な電力消費をなくすことができる。又、印刷ジョブの完了時、直ちにどのようなサイズの用紙でも印刷できるので、使用者の利便性が高い。
実施形態に係る複合機の概略構成を示す模型的断面図である。 実施形態に係る1つの画像形成ユニットの拡大模型的断面図である。 実施形態に係る複合機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 (a)は実施形態に係る定着装置の一例を正面からみた模型的断面図であり、(b)は加熱ローラ周辺の構成の一例を示す斜視図である。 実施形態に係る定着装置のコアの一例を説明するための説明図である。 実施形態に係る定着装置における加熱制御に関するハードウェア構成の一例を説明するブロック図である。 実施形態に係る複合機で、印刷ジョブ中での印刷停止に対応した定着装置での加熱制御の一例を示すフローチャートである。 実施形態に係る加熱ベルト等の温度分布の一例を示す説明図である。 実施形態に係る複合機での印刷ジョブ中に非通紙領域の加熱を行う際の加熱用データの一例を示す説明図である。 実施形態に係る複合機での通常モードへの復帰時の加熱制御の流れの一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を、複合機100(画像形成装置に相当)を例に挙げつつ、図1〜図7を用いて説明する。但し、各実施の形態に記載される構成、配置等の各要素は発明の範囲を限定せず、単なる説明例にすぎない。
(画像形成装置の概略構成)
まず、図1、図2を用い、本発明の実施形態に係る複合機100の概略を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る複合機100の概略構成を示す模型的断面図である。図2は、本発明の実施形態に係る1つの画像形成ユニット42の拡大模型的断面図である。
まず、複合機100の最上部には、コピー時に原稿を1枚ずつ自動的、連続的に読み取り位置に搬送する原稿搬送装置101が取り付けられる。原稿搬送装置101の下方に、画像読取部102が設けられる。又、原稿搬送装置101は、図1の紙面奥側を支点として画像読取部102に上下方向に開閉自在に取り付けられる。これにより、コンタクトガラス(送り読取用コンタクトガラス102A及び載置読取用コンタクトガラス102B)を上方から押さえるカバーとして機能する。
画像読取部102は、上面に送り読取用コンタクトガラス102Aと、書籍等の原稿を1枚ずつ読み取る際に原稿を載置する載置読取用コンタクトガラス102Bが配される。画像読取部102内には、ランプ、ミラー、レンズ、イメージセンサ等(不図示)が配される。イメージセンサは、送り読取用コンタクトガラス102Aを通過する原稿、あるいは、載置読取用コンタクトガラス102Bに載置された原稿の反射光を元に、原稿を読み取る。そして、イメージセンサは、反射光を画像濃度に応じたアナログの電気信号に変換し、その後、量子化を行い、画像データを得る。
又、複合機100は、図1に破線で示すように、正面上部に操作パネル1が設けられる。操作パネル1は、各種設定後、コピー等の実行を指示するスタートキー10が設けられる。又、操作パネル1は、印刷部数等の数字入力用のテンキー部11や、複合機100の設定や動作指示を与えるためのメニューやキーを表示する液晶表示部12を有する。液晶表示部12は、タッチパネル式である。使用者は、液晶表示部12に表示されたキーを押下して、複合機100の設定や動作指示を行える。例えば、使用者は、操作パネル1で使用する用紙のサイズ、種類を指定可能である。
又、複合機100は、下方から、給紙部2〜2D、搬送路3、画像形成部4、中間転写部5、定着装置6等を備える。
複合機100の下方の各給紙部2(尚、図1において、上段からA、B、C、Dの符号を付す)は、印刷に用いる各サイズ(例えば、A4、A5、A6、B4等のA型、B型用紙等)、各種用紙(例えば、コピー用紙等の普通紙、再生紙、薄紙、厚紙、OHPシート等)を複数枚収容する。例えば、最上部の給紙部2Aは、A3横用紙(用紙搬送方向とA3用紙の長辺方向を一致させて載置)を収容する。上から2段目の給紙部2Bは、A4横用紙(用紙搬送方向とA4用紙の長辺方向を一致させて載置)を収容する。上から3段目の給紙部2Cは、A5横用紙(用紙搬送方向とA5用紙の長辺方向を一致させて載置)を収容する。最下段の給紙部2Dは、はがき(ほぼA6サイズ、用紙搬送方向とはがきの長辺方向を一致させて載置)を収容する。尚、各給紙部2の構成は同様であるので、同じものには、同じ符号を付し、特に説明する場合を除き、A、B、C、Dの符号は省略する。
各給紙部2は、給紙用のモータ(不図示)により回転駆動する給紙ローラ21を備え、印刷時、1枚ずつ搬送路3に用紙を送り込む。そして、各給紙部2内には、積載される用紙を、用紙搬送方向と垂直な方向で挟んで規制する上下規制ガイド22と、用紙の後端と接して規制する後端規制ガイド23の2種の規制ガイドが設けられる。上下規制ガイド22は、一対で設けられ(図1では、一方のみ可視)、連動してスライドする。実際に用紙位置を規制する場合、上下規制ガイド22をスライドさせ用紙を挟む。その結果、用紙は搬送路3の幅方向(用紙搬送方向と垂直な方向、図1の紙面垂直な方向)の中央と、用紙の中心軸が一致するように規制される(中央通紙)。後端規制ガイド23もスライドされ、用紙の後端を規制する。
又、各給紙部2内には、積載される用紙のサイズを把握するための用紙サイズセンサ24が設けられる。例えば、用紙サイズセンサ24は、後端規制ガイド23とつながり、スライド位置により抵抗値が変化する可変抵抗(不図示)と、上下規制ガイド22とつながり、スライド位置によって抵抗値が変化する可変抵抗(不図示)とを有する。そのため、用紙サイズセンサ24は、各規制ガイドの位置に応じ、異なる電圧を出力する。尚、用紙サイズセンサ24は、複数設けられた光センサによって各規制ガイドの位置を把握するものでもよく、積載された用紙のサイズが把握できればよい。
次に、搬送路3は、用紙を搬送し、給紙部2からの用紙を中間転写部5、定着装置6を経て排出トレイ31まで導く。搬送路3には、複数の搬送ローラ対32(上方からA、BC、Dと符号を付す)や、ガイドや、搬送されてくる用紙を中間転写部5の手前で待機させ、タイミングをあわせて送り出すレジストローラ対33等が設けられる。又、定着装置6の下流側に、用紙を排出トレイ31に向けて排出する排出ローラ対34も設けられる。尚、排出ローラ対34の近傍には、用紙の排出を検出するための用紙センサ351(例えば、光センサを使用)が設けられる。
図1及び図2に示すように、複合機100は、画像データに基づき、トナー像を形成する部分として、画像形成部4を備える。具体的に、画像形成部4は、露光装置41と、ブラックの画像を形成する画像形成ユニット42aと、イエローの画像を形成する画像形成ユニット42bと、シアンの画像を形成する画像形成ユニット42cと、マゼンタの画像を形成する画像形成ユニット42dの4色分の画像形成ユニット42を備える。
ここで、図1、図2に基づき、画像形成ユニット42a〜42dを詳述する。尚、各画像形成ユニット42a〜42dは、形成するトナー像の色が異なるだけで、いずれも基本的に同様の構成である。そこで、以下の説明では、a、b、c、dの符号は、特に説明する場合を除き、省略して、画像形成ユニット42の構成を説明する
各感光体ドラム43は、回転可能に支持され、モータ(不図示)からの駆動力を受け、回転し、周面にトナー像を担持する。各感光体ドラム43は、所定のスピードで紙面反時計方向に回転駆動される。各帯電装置44は、感光体ドラム43を一定の電位で帯電させる。尚、各帯電装置44は、コロナ放電式や、ブラシ等を用いて各感光体ドラム43を帯電させるものでも良い。
各画像形成ユニット42の下方の露光装置41は、レーザ光を出力するレーザユニットで、カラー色分解された画像信号に基づき、光信号であるレーザ光(破線で図示)を各感光体ドラム43に出力し、帯電後の感光体ドラム43の走査露光を行って、静電潜像を形成する。尚、露光装置41には、アレイ状のLEDからなるもの等が用いられてもよい。各現像装置45は、トナーを含む現像剤を収納する(画像形成ユニット42aのものはブラック、画像形成ユニット42bのものはイエロー、画像形成ユニット42cのものはシアン、画像形成ユニット42dのものはマゼンタの現像剤を収納)。各現像装置45は、感光体ドラム43にトナーを供給する。その結果、感光体ドラム43の静電潜像が現像される。各清掃装置46は、転写後の残留トナー等の汚れを掻き取って除去する。
図1に戻り説明を続ける。中間転写部5は、感光体ドラム43からトナー像の1次転写を受けて、用紙に2次転写を行う。中間転写部5は、各1次転写ローラ51a〜51d、中間転写ベルト52、駆動ローラ53、従動ローラ54〜56、2次転写ローラ57、ベルト清掃装置58等で構成される。各1次転写ローラ51a〜51dは、各感光体ドラム43とで、無端状の中間転写ベルト52を挟む。
中間転写ベルト52は、誘電体樹脂等で構成され、駆動ローラ53、従動ローラ54〜56に張架され、モータ等の駆動機構(不図示)に接続される駆動ローラ53の回転駆動により図1の紙面時計方向に周回する。又、駆動ローラ53と2次転写ローラ57は、中間転写ベルト52を挟み、2次転写ニップを形成する。トナー像の転写では、各1次転写ローラ51a〜51dに所定の電圧が印加される。各画像形成ユニット42で形成されたトナー像(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各色)は、順次、ずれなく重畳されつつ中間転写ベルト52に1次転写される。そして、各色重ね合わされたトナー像が2次転写ニップに進入した際、用紙もあわせて進入し、所定の電圧を印加された2次転写ローラ57により、トナー像は、用紙に2次転写される。尚、ベルト清掃装置58は、2次転写後に中間転写ベルト52上の残トナー等を除去、回収する。
定着装置6は、中間転写部5よりも用紙搬送方向下流側に配され、2次転写されたトナー像を加熱・加圧して用紙に定着させる。定着後の用紙は、排出トレイ31に排出され画像形成処理が完了する。尚、定着装置6の詳細は後述する。
(複合機100のハードウェア構成)
次に、図3に基づき、本発明の実施形態に係る複合機100のハードウェア構成を説明する。図3は、本発明の実施形態に係る複合機100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施形態に係る複合機100は、内部に本体制御部7(制御部に相当)を有する。本体制御部7は、装置の各部を制御する。例えば、本体制御部7は、CPU71や計時部72や、その他、電子回路や素子を含む。又、本体制御部7は、記憶部73が接続される。CPU71は、中央演算処理装置であり、記憶部73に格納され、展開される制御プログラムに基づき複合機100の各部の制御や演算を行う。計時部72は制御に必要となる各種時間を計時する。記憶部73は、ROM、RAM、フラッシュROM、HDD等の不揮発性と揮発性の記憶装置の組み合わせで構成される。例えば、記憶部73は、複合機100の制御プログラムのほか、制御データ等、各種データを記憶する。
尚、本体制御部7は、全体制御や画像処理を行うメイン制御部と、定着装置6や各種回転体を回転させるモータ等のON/OFF等を制御するエンジン制御部等、機能ごとに分割して複数種設けられる場合があるが、本説明及び各図では、まとめて本体制御部7として説明する。
そして、本体制御部7は、給紙部2、搬送路3、画像形成部4、中間転写部5、定着装置6等と接続され、記憶部73の制御プログラムやデータに基づき適切に画像形成が行われるように各部の動作を制御する。尚、本発明に関しては、本体制御部7は、温度検知体(温度センサS、図6参照)の出力に基づき、回転体(加熱ベルト63)のうち用紙と接する通紙領域の温度を定着に必要な温度レベルである定着制御温度で維持させるため、コイル8に供給する電力を制御し、印刷に用いる用紙サイズを把握し、回転部(コアモータ93)を制御してコア9の回転角度を制御する。
又、本体制御部7には、通信部74(インターフェイス部)を介し、印刷を行う画像データの送信元となるコンピュータ200(パーソナルコンピュータ等)等が接続される。例えば、各コンピュータ200には、複合機100を使用するためのドライバソフトウェアがインストールされる。そして、複合機100は、複数のコンピュータ200と、ネットワークを介し通信可能に接続される。又、複合機100には、コンピュータ200をケーブル等により通信部74に直接接続することもできる。通信部74は、コンピュータ200から、印刷を行う画像データや使用する用紙のサイズ等の印刷の設定データを含む印刷データを受信する(第1印刷データに相当、例えば、PDL言語で記述)。使用者は、コンピュータ200等で、設定として、例えば、使用する用紙サイズ、印刷部数、1枚の用紙に含ませるページ数等、各種の設定を行うことができ、設定内容が、設定データとして印刷データ(第2印刷データ)に含まれる。画像形成部4の露光装置41に、コンピュータ200から受信した印刷データ中の画像データに画像処理を施した後の画像データを送信し、露光装置41は、感光体ドラム43に静電潜像を形成する。
又、本体制御部7には、接続部76が接続される。接続部76には、携帯可能な外部メモリ77を接続することが可能である。外部メモリ77としては、USBメモリ、コンパクトフラッシュ(登録商標)等の半導体メモリや、HDD等の磁気記憶装置等を用いることができる。接続部76は、外部メモリ77を接続するためのコネクタ、ソケット等を含む。尚、ソケット等は、半導体メモリやHDD等の外部メモリ77の規格に合わせ、複数種設けることができる。又、接続部76は、各規格におけるデータ通信を行うためのコントローラ67等を含む。
使用者は、外部メモリ77に印刷を行う画像データや印刷の設定データを含む印刷データ(第2印刷データに相当)を記憶させる。例えば、使用者は、コンピュータ200等を用いて、印刷データを外部メモリ77に記憶させる。使用者は、コンピュータ200等で、設定として、例えば、使用する用紙サイズ、印刷部数、1枚の用紙に含ませるページ数等、各種の設定を行うことができ、設定内容が、設定データとして印刷データ(第2印刷データ)に含まれる。そして、複合機100の接続部76に外部メモリ77が装着されると、接続部76は、印刷データを自動的に読み出して、本体制御部7等に転送する。尚、接続部76は、外部メモリ77が接続されたことを、外部メモリ77と通信可能となったこと等により認識できる。
本体制御部7は、画像形成部4の露光装置41に、外部メモリ77内や、コンピュータ200から受信した画像データに画像処理を施した後の画像データを送信し、露光装置41は、感光体ドラム43に静電潜像を形成する。このように、本実施形態の複合機100は、外部メモリ77を接続部76に装着すれば、自動的に印刷が行われる機能を有する(ダイレクト印刷と呼ばれることもある)。
又、本体制御部7(例えば、CPU71)には、各給紙部2内の用紙サイズセンサ24が接続される。そして、本体制御部7は、用紙サイズセンサ24の出力電圧に基づき、各給紙部2に収容される用紙のサイズを認識する。又、本体制御部7には操作パネル1が接続され、操作パネル1への使用者による印刷する用紙のサイズを選択する入力が、本体制御部7に伝達される。又、コンピュータ200からの印刷データや、外部メモリ77内の印刷データ内の設定データにより、本体制御部7は、印刷に用いる用紙を把握することもできる。本体制御部7は、各給紙部2に収容される用紙サイズを確認し、印刷時、指示されたサイズが収容された給紙部2から給紙を行う。このように、本実施形態の複合機100では、様々なサイズの用紙に印刷することができる。更に、本体制御部7には、複数の用紙センサ35(351〜357)が接続される。本体制御部7は、用紙センサ351の出力に基づき、排出ローラ対34からの用紙の排出を検知して、1ページ分の印刷完了を認識できる。
(定着装置6の構成)
次に、図4を用いて、本発明の実施形態に係る定着装置6の構成の一例を説明する。図4(a)は本発明の実施形態に係る定着装置6の一例を正面からみた模型的断面図であり、(b)は加熱ローラ61周辺の構成の一例を示す斜視図である。
図4(a)に示すように、本実施形態の定着装置6内には、加熱ローラ61(加熱部に相当)、定着ローラ62(加熱部に相当)、トナー像の定着のため用紙と接する回転体としての加熱ベルト63(加熱部の回転体に相当)等を含む加熱部と、コイル8、コア9、外部コア91、加圧ローラ64等が設けられる。尚、加熱ローラ61、定着ローラ62、加熱ベルト63、コア9、加圧ローラ64は、軸線方向が平行となるように、回転可能に支持される。
加熱ローラ61は、定着のため、コイル8によって誘導加熱により加熱され、例えば、鉄製である。加熱ローラ61は、図4(a)の紙面奥行き方向(用紙搬送方向と垂直な方向、用紙幅方向)を軸線方向とする。そして、加熱ローラ61に対向し、例えば、周面がスポンジ状の材料で形成され弾性を有する定着ローラ62が設けられる。又、加熱ローラ61と定着ローラ62には、加熱ベルト63がかけ回される。加熱ベルト63は、熱を定着ローラ62に伝える機能を有する。加熱ベルト63は、定着のため、コイル8によって誘導加熱により加熱される回転体であり、薄く延ばされた金属(例えばニッケル)で無端状である。
そして、定着ローラ62に対向し、加圧ローラ64が設けられる。加圧ローラ64は、例えば、スポンジ状の材料で形成され、加熱ベルト63を定着ローラ62とで挟みつつ、定着ローラ62方向に付勢部材65(例えば、ばね)で付勢される。その結果、加圧ローラ64は、加熱ベルト63に圧接し、定着ニップNが形成される。
例えば、定着ローラ62に、定着装置6に設けられる定着モータ66(図6参照)の駆動力が伝達され、定着ローラ62が回転する。定着ローラ62が回転すると、加熱ベルト63が回転し、あわせて加熱ローラ61が回転する。又、加圧ローラ64も定着ローラ62の回転にあわせて回転する。そして、定着ローラ62等を回転させつつ、トナー像が転写された用紙を定着ニップNに進入させ用紙を搬送し通過させると、トナー像が、加熱加圧され、用紙に定着する(用紙搬送方向を破線で図示)。
次に、加熱ベルト63や加熱ローラ61を加熱する構成を説明する。図4(a)に示すように、定着ローラ62が設けられる側と反対側の加熱ローラ61の周面に対向して、コイル8とコア9が設けられる。そして、図4(a)、(b)に示すように、コイル8は、加熱部(加熱ベルト63等)に対向し、回転体(加熱ベルト63)の軸線方向に沿ってかけ回され、誘導加熱によって加熱部を暖める。又、コイル8は、加熱ローラ61とコア9の間の隙間Gを避け、加熱ローラ61を周方向から見てハ字状に加熱ローラ61の軸線方向に沿ってかけ回される。コア9は、加熱ローラ61等を含む加熱部に対向し、コイル8と加熱部との磁路を形成し、周面が磁気を遮蔽する磁気遮蔽板92A、92Bに覆われ、加熱部を加熱する加熱幅を異ならせるため、周方向の位置により各磁気遮蔽板92に覆われる軸線方向の長さが複数段階異なる(図5参照)。又、コア9は、軸線方向が加熱ローラ61と平行である。そして、図4(b)に示すように、コイル8は、1本の導線で構成され、導線の両端を端子として、端子に交流電圧が印加される(詳細は後述)。
そして、コイル8に交流電圧を印加すると、コイル8に電流が流れ、例えば、図4(a)、(b)に2点鎖線で示すように、磁界が形成される。外部コア91は、例えば、フェライトで構成され、磁路を形成し、磁束の拡散を防ぐ。そして、磁束が加熱ベルト63や加熱ローラ61を貫き、渦電流が発生する。発生した渦電流によるジュール熱で、加熱ベルト63や加熱ローラ61が暖められる(誘導加熱)。誘導加熱時、定着ローラ62等を回転させることで、加熱ローラ61、加熱ベルト63が暖められ、加熱ベルト63によって熱が定着ローラ62に伝導する。更に、熱は加圧ローラ64にも伝わる。このように定着装置6が暖められる。定着時には、定着ローラ62等は、例えば、170°C程度(定着制御温度)まで暖められる。
尚、本実施形態の定着装置6には、複数の温度センサS(温度検知体に相当)が設けられる。各温度センサSは、用紙進入部分近傍の加熱ベルト63に接して設けられる(非接触式のものでも良い)。本実施形態の定着装置6は、加熱ベルト63等を加熱する加熱幅(軸線方向において、加熱ベルト63や加熱ローラ61が加熱される長さ)を変えることができる(詳細は後述)。そこで、各加熱幅の端部の温度を測定するためのものと、加熱ベルト63の軸線方向中心部の温度を測定するためのものと言うように、複数設けられる。即ち、各温度センサSは、加熱幅に合わせ加熱部の温度を検知するため複数設けられる。尚、温度センサSは、定着ローラ62の軸線方向に沿って並列して設けられるので、図4では、手前側の1つのみが示されている。各温度センサSは同様の構成で良く、例えば、サーミスタを有し、加熱ベルト63の温度によって、出力電圧が変化する。
(コア9と磁気遮蔽板92A、92B)
次に、図5に基づき、本発明の実施形態に係る定着装置6のコア9の一例を説明する。図5は、本発明の実施形態に係る定着装置6のコア9の一例を説明するための説明図である。
本実施形態の複合機100では、様々なサイズの用紙を用いて印刷できる。そして、本実施形態の複合機100では、定着装置6等で、用紙搬送方向の用紙の中心軸と、搬送経路の幅方向の中心が一致するように中央通紙がなされる。例えば、最大でA3サイズの用紙が、本実施形態の複合機100で印刷可能であるとすると、加熱ローラ61、定着ローラ62、加圧ローラ64、加熱ベルト63等の軸線方向の長さは、A3の短辺(約30cm)よりも大きいサイズとされる。
そして、用紙の印刷を連続して行う場合、用紙と接する部分では、熱が奪われるので、加熱ローラ61や加熱ベルト63の加熱を行って、加熱ベルト63等の温度が定着制御温度を下回らないようにしなければならない。しかし、例えば、A4横や、A6(ほぼ、はがきサイズと同等)等、A3用紙よりも幅狭の用紙を連続印刷する場合、A3にあわせた加熱幅(加熱幅W4)で加熱ローラ61の加熱を続けると、加熱ローラ61、定着ローラ62、加熱ベルト63、加圧ローラ64の中央部分のみ熱が奪われ、長手方向(軸線方向)端部では、熱が奪われない。
そうすると、加熱ローラ61、定着ローラ62、加熱ベルト63、加圧ローラ64の長手方向端部の温度が上昇し続ける。そして、温度が上がりすぎれば加熱ベルト63や定着ローラ62等の熱破損等の問題が生じうる。そこで、コア9に磁気遮蔽板92A、92Bを設け、加熱ローラ61や加熱ベルト63の加熱幅を複数段階に切り替え可能とする。
そこで、図5に基づき、コア9の構成を説明する。まず、コア9は、例えば、フェライトで形成される円筒状、円柱状の部材である。強磁性体であるフェライトを用いることにより、加熱ローラ61との対向位置に、コイル8の磁束を集中させ、加熱ベルト63や加熱ローラ61に効率よく磁束を鎖交させることができる。又、フェライトは、電気的に抵抗値が大きく、渦電流損が生じ難く、加熱ベルト63や加熱ローラ61を効率的に暖めることができる。
そして、図5の左側の図面に示すように、本実施形態の定着装置6では、コア9の周面の両端にそれぞれ、磁気遮蔽板92A、92Bが設けられる(貼り付けられる)。尚、図5では、便宜上、磁気遮蔽板92A、92Bを網掛とし、コア9の表面と磁気遮蔽板92A、92Bを区別して示している。又、各磁気遮蔽板92A、92Bの機能は、共通するので、以下の説明では、特に説明する場合を除き、A、Bの符号を省略する。
例えば、各各磁気遮蔽板92は、銅板のような、透磁率が小さく、抵抗が小さい導電体で形成される。各各磁気遮蔽板92を磁束が貫くと、レンツの法則により、磁束を打ち消す方向に電流が導体板に流れ、磁束が遮断される。そして、図5に示すように、各各磁気遮蔽板92は、階段状であり、コア9の周面を覆う軸線方向の長さに差をもたせ、加熱ローラ61の加熱幅を切り替え可能とする。
次に、図5の右側の図面に基づき説明する。図5の右側の図面は、コア9の周面を展開した展開図である。例えば、コア9の周面の内、最も各磁気遮蔽板92に覆われる面積が広く、加熱ベルト63や加熱ローラ61の軸線方向において、露出する部分が短い部分を加熱ベルト63に対向させると、加熱幅が最も狭くなる。言い換えると、各磁気遮蔽板92に覆われる軸線方向の長さが長い部分を加熱ベルト63に対向させるほど、加熱幅は狭くなる。
そして、本実施形態のコア9では、各磁気遮蔽板92に覆われる長さは、4段階ある。例えば、最も狭い加熱幅(この加熱幅を加熱幅W1とする)は、はがきやA6用紙の短辺の長さ(例えば、約10cm)に対応する。加熱幅W1の部分を加熱ベルト63と対向させることで、加熱ベルト63のうち、はがきやA6用紙の短辺方向と加熱ベルト63の軸線方向を一致させて用紙の搬送を行う場合に、加熱ベルト63と用紙が接する領域(通紙領域)のみを暖めることができる。加熱幅W1よりも一段階広い加熱幅(この加熱幅を加熱幅W2とする)は、例えば、A5サイズの用紙の短辺の長さと対応する(例えば、約15cm)。加熱幅W2の部分を加熱ベルト63と対向させることで、加熱ベルト63のうち、A5用紙の短辺方向と加熱ベルト63の軸線方向を一致させて用紙の搬送を行う場合(A5横)やA6用紙やはがきの長辺方向と加熱ベルト63の軸線方向を一致させて(A6縦)、用紙の搬送を行う場合に、加熱ベルト63と用紙が接する領域(通紙領域)のみを暖めることができる。
加熱幅W2よりも一段階広い加熱幅(この加熱幅を加熱幅W3とする)は、例えば、A4サイズの用紙の短辺の長さと対応する(例えば、約21cm)。加熱幅W3の部分を加熱ベルト63と対向させることで、加熱ベルト63のうち、A4用紙の短辺方向と加熱ベルト63の軸線方向を一致させて用紙の搬送を行う場合(A4横)やA5用紙の長辺方向と加熱ベルト63の軸線方向を一致させて(A5縦)、用紙の搬送を行う場合に、加熱ベルト63と用紙が接する領域(通紙領域)のみを暖めることができる。最も広い加熱幅(この加熱幅を加熱幅W4とする)は、A3サイズの用紙の短辺の長さサイズ(例えば、約30cm)に対応する。加熱幅W4の部分を加熱ベルト63と対向させることで、加熱ベルト63のうち、A3用紙の短辺方向と加熱ベルト63の軸線方向を一致させて用紙の搬送を行う場合(A3横)やA4用紙の長辺方向と加熱ベルト63の軸線方向を一致させて(A4縦)、用紙の搬送を行う場合に、加熱ベルト63と用紙が接する領域(通紙領域)のみを暖めることができる。そして、用紙サイズセンサ24や操作パネル1で選択された用紙サイズに合わせて、後述のコアモータ93(図6参照、回転部に相当)によりコア9を回転させて、加熱幅を切り替える。
(定着装置6における加熱制御に関するハードウェア構成)
次に、図6に基づき、本発明の実施形態に係る定着装置6における加熱制御に関するハードウェア構成の一例を説明する。図6は、本発明の実施形態に係る定着装置6における加熱制御に関するハードウェア構成の一例を説明するブロック図である。
図6に示すように、本実施形態の定着装置6は、定着装置6の加熱制御を行う定着制御部60が設けられる。定着制御部60は、本体制御部7の指示を受けて加熱制御を行う。例えば、定着制御部60は、制御素子としてのコントローラ67を有する。コントローラ67は、定着装置6の実際の加熱制御を行う。又、定着制御部60は、印刷時、加熱ベルト63、加熱ローラ61、定着ローラ62等を回転させる定着モータ66を所定の速度で回転させる。
又、定着制御部60には、例えば、複合機100内に設けられる電源装置78から供給される電力に基づき、コイル8に交流を印加するPWM回路69が設けられる。定着制御部60のコントローラ67には、本体制御部7から加熱のON/OFFを指示する加熱ON/OFF指示信号が与えられる。コントローラ67は、加熱ONの指示の際にPWM回路69からコイル8に電力を投入させる。
又、本体制御部7はコントローラ67にコイル8に投入し、消費させる(熱に変換させる)電力指示を与える。一方で、コントローラ67は、PWM回路69からコイル8に供給され、加熱ベルト63や加熱ローラ61を暖めるために消費された電力を検知する。そして、コントローラ67は本体制御部7からの指示と検知される電力が一致するようにPWM回路69を動作させる。例えば、PWM回路69は、コイル8に流す電流の周波数等を変えて、コイル8に流れる電流の量を制御して加熱により消費される電力を制御する。
コア9の回転角度に関し、例えば、本体制御部7がコアモータ93を制御する。コアモータ93は、コア9を回転させる。これにより、コア9が回転し、加熱幅が切り替えられる。加熱幅を狭くすることにより、熱に変換されるエネルギーが少なくなるので、コイル8で消費される電力は少なくなる。又、加熱ベルト63の中央部の温度を検知する温度センサS1と、加熱幅W2の端部(加熱ベルト63の軸線方向における端部、以下同様)の温度を検知する温度センサS2と、加熱幅W3の端部の温度を検知する温度センサS3と、加熱幅W4の端部の温度を検知する温度センサS4の出力電圧は、本体制御部7のCPU71に入力される。そして、例えば、記憶部73には、各温度センサSの出力電圧に対する温度やサーミスタの抵抗値を定めたデータテーブルが記憶される。このデータテーブルに基づき、本体制御部7は、加熱ベルト63の各部の温度を検出できる。
(用紙のジャム)
次に、図1、図3を利用して、本発明の実施形態に係る複合機100でのジャム発生時の印刷停止、再開制御の一例を説明する。
印刷ジョブの実行中、搬送路3中に用紙のジャム(詰まり)が生ずることがある。ジャム発生時に印刷を続けると後に搬送される用紙が次々と詰まり、ジャム処理が煩雑で、ジャム処理完了までの時間が長くなる。又、用紙、トナーの無駄も生ずる。そこで、本実施形態の複合機100は、ジャム発生を検知する。そして、ジャム発生が検知された場合、印刷が停止される。又、本体制御部7は、使用者への報知のため、操作パネル1の液晶表示部12等にジャム発生のエラー表示等を行う。更に、定着装置6での加熱も停止される。
まず、ジャム発生検知を図1、図3を用いて説明する。図1に示すように、本実施形態の複合機100には、搬送経路に沿って複数の用紙センサ35が設けられる。例えば、用紙排出部分に1つ(用紙センサ351)、定着装置6の入口部分に1つ(用紙センサ352)、レジストローラ対33の上流近傍に1つ(用紙センサ353)、各給紙部2から供給された用紙が搬送路3に合流する位置にそれぞれ1つ(用紙センサ354〜357)設けられる。各用紙センサ35は、例えば透過型の光センサであり、用紙の存在を検知している時と、用紙の存在を検知していない時で、出力が変化する。
図3に示すように、各用紙センサ35の出力は、本体制御部7に入力される。これにより、本体制御部7は、各用紙センサ35が設置された位置での用紙の搬送状況を把握できる。例えば、本体制御部7は、用紙の到達を検知すべき時間から所定時間(例えば、0.5秒〜数秒、例えば、計時部72が計時)経過しても用紙の到達を検知できない用紙センサ35があれば、ジャム発生と判断、検知する。又、本体制御部7は、用紙の通過を検知すべき時間から所定時間(例えば、0.5秒〜数秒、例えば、計時部72が計時)経過しても用紙の通過を検知できない用紙センサ35があれば、ジャム発生と判断、検知する。
発生したジャムの処理については、図1に白抜矢印で示すように、複合機100の左側面部分の側面カバー104と側面カバー105は、開閉可能となっている。そこで、ジャム発生時、側面カバー104と側面カバー105を開けて、搬送路3を露出させ、使用者は搬送路3に残留する用紙を取り除く。そして、図1に示すように、側面カバー104の開閉を検知するため、開閉検知スイッチ36が設けられる。又、側面カバー105の開閉を検知するため、開閉検知スイッチ37が設けられる。開閉検知スイッチ36、37は、開閉によって、ON/OFFが切り替わる(例えば、インターロックスイッチ)。図3に示すように、開閉検知スイッチ36、37の出力は、本体制御部7に入力され、本体制御部7は、側面カバー104、105の開閉を検知できる。
本体制御部7は、ジャム検知後、開閉検知スイッチ36、37によって、側面カバー104、105の開閉があり(あわせて、印刷に用いている用紙の給紙部2の取り外しの有無を確認しても良い)、更に、各用紙センサ35を用いて、搬送路3に残留する用紙がないことを確認できれば、使用者によるジャム処理が完了したと判断できる。本体制御部7は、ジャム処理が完了したと判断できれば、印刷を再開して良いと判断する。このとき、定着装置6での加熱ベルト63や定着ローラ62等の温度は、放熱等により下がっているので、加熱が再開される(詳細は後述)。即ち、複合機100には、給紙部2から給紙された用紙を搬送する搬送路3に、用紙の到達及び通過を検知するための用紙センサ35が複数設けられ、制御部(本体制御部7)は、用紙センサ35の出力に基づき、用紙のジャムの発生を検知したとき、加熱部を定着制御温度で維持する制御を行わない状態となり、用紙センサ35の出力に基づき、用紙のジャムが解消されたことを検知した後、加熱部を定着制御温度で維持する制御を行う状態となる(復帰する)。
(用紙切れ検知)
次に、図1、図3を利用して、本発明の実施形態に係る複合機100での用紙切れ発生時の印刷停止、再開制御の一例を説明する。
例えば、多数枚に及ぶ印刷ジョブの実行中、用紙切れが生ずることがある。用紙切れが生じてもトナー像形成を続けるとトナーの無駄も生ずる。そこで、本実施形態の複合機100は、用紙切れを検知し、用紙切れが検知された場合、印刷が停止される。又、本体制御部7は、使用者への報知のため、操作パネル1の液晶表示部12等に用紙切れ発生のエラー表示等を行う。更に、定着装置6での加熱も停止される。
まず、用紙切れ検知について、図1、図3を用いて説明する。図1に示すように、本実施形態の各給紙部2には、用紙切れセンサ25が設けられる。例えば、各用紙切れセンサ25は、各給紙部2の用紙を載置する用紙載置板の下面に設けられる。例えば、各用紙切れセンサ25は、反射式の光センサであり、用紙が無い状態と用紙がある状態で出力が変化する。尚、各用紙切れセンサ25は、用紙が載置される用紙載置板の角度を検知するものでもよく、用紙切れセンサ25の設置位置も、図1に示す例と異なる位置に設けても良い。
図3に示すように、各用紙切れセンサ25の出力は、本体制御部7に入力される。これにより、本体制御部7は、印刷に用いている用紙を収容する給紙部2での用紙切れを把握できる。各給紙部2は、引き出し本体から取り外し可能である。用紙切れが生じた場合、使用者は、給紙部2を引き出し、用紙の補給を行う。そして、使用者は、給紙部2を複合機100本体に差し込み、取り付ける。そして、図1に示すように、各給紙部2の取り外し、取り付けを検知するため、挿脱検知スイッチ26が、各給紙部2に対し1つ設けられる。挿脱検知スイッチ26は、対応する給紙部2の挿脱(取り付け、取り外し)によって、ON/OFFが切り替わる(例えば、インターロックスイッチ)。図3に示すように、各挿脱検知スイッチ26の出力は、本体制御部7に入力され、本体制御部7は、給紙部2の挿脱を検知できる。
本体制御部7は、用紙切れ検知後、挿脱検知スイッチ26によって、給紙部2の取り外しと取り付けを検知し、更に、用紙切れセンサ25を用いて、用紙が存在することを確認できれば、使用者による用紙補給が完了したと判断できる。用紙補給が完了したと判断できれば、本体制御部7は、印刷を再開して良いと判断する。このとき、定着装置6での加熱ベルト63や定着ローラ62等の温度は、放熱等により下がっているので、加熱が再開される(詳細は後述)。即ち、給紙部2には、収容用紙の用紙切れを検知するための用紙切れセンサ25が設けられ、制御部(本体制御部7)は、用紙切れセンサ25の出力に基づき、給紙部2での用紙切れを検知したとき、加熱部を定着制御温度で維持する制御を行わない状態となり、用紙切れセンサ25の出力に基づき、用紙が補給されたことを検知した後、加熱部を定着制御温度で維持する制御を行う状態となる(復帰する)。
(印刷ジョブ中に印刷停止が生じた場合の加熱制御)
次に、図7〜図9を用いて、印刷ジョブ中での印刷停止に対応した定着装置6での加熱制御の一例を、図7を用いて説明する。図7は、本発明の実施形態に係る複合機100で、印刷ジョブ中での印刷停止に対応した定着装置6での加熱制御の一例を示すフローチャートである。図8は、本発明の実施形態に係る加熱ベルト63等の温度分布の一例を示す説明図である。図9は、本発明の実施形態に係る複合機100での印刷ジョブ中に非通紙領域の加熱を行う際の加熱用データの一例を示す説明図である。
まず、図7でのスタートは、コピー実行のため、スタートキー10が押された場合や、コンピュータ200から、画像データや印刷設定データを含む印刷ジョブのデータをコンピュータ200から受信した場合、外部メモリ77が接続部76に接続され、外部メモリ77内の印刷データに基づき印刷を行う場合など、印刷ジョブの実行が開始される時点である。尚、ここでの印刷ジョブは、複合機100で利用可能な最大の用紙サイズ(例えばA3)以下のサイズの印刷ジョブである。
次に、本体制御部7は、印刷に用いる用紙のサイズを確認する(ステップ♯1)。具体的に、複合機100は、例えば、外部から印刷の設定データを含む印刷データを受信する通信部74を有し、本体制御部7は、通信部74で受信された設定データや外部メモリ77内に存在する印刷データのうち印刷設定を示す設定データに基づき印刷に用いる用紙サイズを把握する。或いは、複合機100は、例えば、印刷に用いる用紙のサイズの設定入力を行うための操作パネル1を有し、本体制御部7は、操作入力部に入力された内容に基づき、印刷に用いる用紙サイズを把握する。そして、必要であれば、コアモータ93に指示して、コア9を回転させ、用紙サイズに合わせた加熱幅(加熱幅W1〜加熱幅W3の何れかに変更)とする(ステップ♯2)。そして、本体制御部7は、通紙領域の温度を測定する温度センサSの出力に基づき、定着制御部60に指示して、通紙領域を定着制御温度で維持させ、印刷がなされる(ステップ♯3)。
そして、印刷中、本体制御部7は、ジャム発生の検知や用紙切れの検知等、印刷を停止すべきか否かを確認する(ステップ♯4)。もし、印刷を停止すべきでなければ(ステップ♯4のNo)、ステップ♯10に移行する。一方、ジャムや用紙切れ等によって、印刷を停止すべきであれば(ステップ♯4のYes)、本体制御部7は、定着制御部60に指示して、加熱ベルト63等の加熱を停止させる(コイル8への電力投入を停止する)(ステップ♯5)。そして、本体制御部7は、ジャム処理や用紙補給が行われ、印刷停止を解除し、印刷を再開して良いかを確認する(ステップ♯6)。もし、印刷を再開すべきでなければ(ステップ♯6のNo)、例えば、ステップ♯5に戻る。
一方、ジャム状態や用紙切れ状態が解除され、印刷を再開して良ければ(ステップ♯6のYes)、本体制御部7は、定着制御部60に印刷中の用紙サイズにあわせた加熱幅で加熱を行わせる(ステップ♯7)。即ち、制御部(本体制御部7)は、加熱部を定着制御温度で維持する制御を行わない状態から加熱部を定着制御温度で維持する制御を行う状態となる(復帰する)場合、回転部(コアモータ93)を制御し、印刷に用いる用紙サイズに対応する加熱幅で加熱部を加熱させる。これにより、ジャム処理や用紙補給中に定着制御温度以下となった通紙領域を定着制御温度にまで暖めるウォームアップが行われる。そして、本体制御部7は、現在印刷に用いている用紙の通紙領域の温度センサSの出力から、通紙領域の温度が定着制御温度に到ったかを確認する(ステップ♯8)。もし、通紙領域が定着制御温度に到っていなければ(ステップ♯8のNo)、ステップ♯7に戻る。
一方、通紙領域が定着制御温度に到れば(ステップ♯8のYes)、印刷が再開される(ステップ♯9)。印刷再開後やステップ♯4のNoの後、本体制御部7は、1ページの用紙の印刷完了を確認する(ステップ♯10)。例えば、本体制御部7は、排出ローラ対34近傍に設けられる用紙センサ351の出力に基づき、用紙の排出トレイ31への1枚排出を検知することにより、1ページ(1枚)の印刷完了を認識しても良い。又、用紙サイズ等によって、給紙から用紙排出までの時間は、ほぼ決まっているので、1枚の用紙の給紙してからの時間に基づき、本体制御部7は、1枚の用紙の印刷完了を確認してもよい。もし、1ページの用紙の印刷が完了していなければ(ステップ♯10のNo)、例えば、ステップ♯3に戻る。
一方、1ページの用紙の印刷が完了すれば(ステップ♯10のYes)更に、本体制御部7は、非通紙領域部分の温度を測定する温度センサS(例えば、温度センサS4)の出力に基づき、非通紙領域の温度を確認する(ステップ♯11)。更に、本体制御部7は、印刷ジョブの印刷残枚数を確認する(ステップ♯12)。そして、本体制御部7は、非通紙領域の温度と印刷ジョブの印刷残枚数と加熱用データに基づき、加熱幅を広げるタイミングか否かを判断する(ステップ♯13)。
もし、印刷ジョブ完了まで、用紙サイズに合わせた加熱幅(加熱幅W1〜W3)のままとすると、非通紙領域の加熱ベルト63や加熱ローラ61等の温度は、印刷停止により降下したうえに、印刷ジョブ実行中にも降下し、定着制御温度以下のレベル(最低で室温レベル)となってしまう。この問題点を、図8を用いて説明する。尚、図8における縦軸方向は、温度の高低を意味する。又、図8における横軸方向は、加熱ベルト63や加熱ローラ61等の加熱される部材の軸線方向の位置を示す。
図8上段において、[加熱幅を広げずに印刷ジョブ完了]と付した図に示すように、印刷ジョブ完了まで、用紙サイズに合わせた加熱幅(加熱幅W1〜W3)のままとすると、非通紙領域の温度は、定着制御温度以下のレベル(最低で室温レベル)となる。もし、次の印刷ジョブが、現在の印刷ジョブに用いる用紙よりも大きい場合、非通紙領域の温度を高める必要があり、直ちに次の印刷ジョブを実行できない。
そこで、図8上段において、[印刷ジョブ完了後に非通紙領域を加熱]と付した図に示すように、次の印刷ジョブを行うために非通紙領域を暖めると、通紙領域であった部分は、定着制御温度で維持する制御が行われていたので、通紙領域であった部分の温度が上昇してしまう。言い換えると、加熱ローラ61や加熱ベルト63等で全体的に温度が上昇する。例えば、定着ベルトを回転させつつ、最大加熱幅(加熱幅W4)で加熱を断続的に行って、熱を伝導、拡散させつつ非通紙領域を暖める等によって、通紙領域であった部分の過昇温を防ぐことはできるが、それだけ、次の印刷ジョブの実行までに時間がかかり、使用者は待たされる。
そこで、図8下段において、[本発明]と付した図に示すように、印刷停止や磁気遮蔽板92A、92Bによって、非通紙領域を加熱しないため、非通紙領域の温度が低下しても、印刷ジョブの途中で、加熱幅を広げて、現在の印刷ジョブの非通紙領域を、印刷ジョブ完了までの間に定着制御温度にまで暖める。これにより、図8下段において、[本発明・印刷ジョブ完了時]と付した図で示すように、印刷ジョブ完了時には、加熱ローラ61や加熱ベルト63において、非通紙領域であった部分を定着制御温度に到らせることができる。これにより、先の印刷ジョブで用いていた用紙よりも大きな用紙を用いる印刷ジョブを直ちに、実行することができる。
そこで、本実施形態の複合機100では、複合機100は、データを記憶するための記憶部73を有し、記憶部73は、図9に示すような印刷ジョブの途中に加熱幅を広げて加熱部の加熱を行った際、温度検知体(温度センサS)に基づき検知された非通紙領域の温度に対し、印刷ジョブ完了のときに非通紙領域を定着制御温度とするための印刷ジョブの残りの印刷枚数を定めた加熱用データを記憶する。本体制御部7は、加熱用データに基づき、印刷ジョブの途中で、加熱幅を広げて加熱部を加熱させるタイミングを決定する。又、記憶部73は、加熱用データを印刷に用いる用紙サイズや種類ごとに複数種記憶してもよく、場合わけして印刷ジョブの途中で、加熱幅を広げて加熱部を加熱させるタイミングを決定してもよい。
即ち、複合機100は、データを記憶するための記憶部73を有し、記憶部73は、温度検知体(温度センサS)に基づき検知された非通紙領域の温度を、印刷ジョブ完了のときに定着制御温度とするため、印刷ジョブの途中に加熱幅を広げて加熱部の非通紙領域の加熱を行うタイミングを定めるための加熱用データを記憶し、制御部(本体制御部7)は、印刷ジョブ開始のとき、印刷に用いる用紙サイズに対応する加熱幅で加熱部を加熱し、印刷ジョブの途中で、加熱用データに基づきタイミングを決定して、加熱幅を広げて加熱部の非通紙領域を加熱させる。
もし、本体制御部7が加熱幅を広げるタイミングでないと判断すれば(ステップ♯13のNo)、例えば、ステップ♯3に戻る。一方、本体制御部7が加熱幅を広げるタイミングと判断すれば(ステップ♯13のYes)、本体制御部7は、コアモータ93を制御して加熱幅を広げる(ステップ♯14)。このとき、次の印刷ジョブに用いる用紙サイズが不明であれば、A3サイズに対応する最大加熱幅(加熱幅W4)に加熱幅を広げる。もし、プリンタジョブ等、次の印刷ジョブが現在の印刷ジョブ実行中に入力された場合等、次の印刷ジョブに用いる用紙サイズが明らかであれば、次の印刷ジョブに用いる用紙サイズに対応した加熱幅に広げてもよい。尚、本体制御部7は、現在の印刷ジョブと次の印刷ジョブに用いる用紙サイズが同じで有れば、加熱幅を広げる必要はないと判断し、次の印刷ジョブ実行時に加熱幅の拡大がなされても良い。
その後、印刷が継続され(ステップ♯15)、やがて印刷ジョブが完了し、本制御は終了する(エンド)。印刷ジョブ完了時、非通紙領域であった部分は定着制御温度にまで暖められる。尚、ステップ♯15の間にジャムが発生した場合、ステップ♯4〜ステップ♯9と同様の制御が行われても良い。尚、加熱ベルト63等の加熱を再開する場合、本体制御部7は、広げた加熱幅で加熱を行う。この後、例えば、スリープモード等の省電力モードに移行するまで、本体制御部7は、コイル8への電力投入のON/OFFを切り替えて、最大加熱幅で定着制御温度を維持する制御がなされる。
(通常モードと省電力モード)
次に、図3に基づき、本発明の実施形態に係る複合機100での通常モードと省電力モードを説明する。
まず、本実施形態の複合機100は、通常モードと省電力モードを有する。例えば、通常モードでは、本体制御部7や記憶部73を始め、給紙部2、搬送路3、画像形成部4、中間転写部5、定着装置6、接続部76、通信部74等、複合機100内の各構成に電力が供給される。又、例えば、定着装置6では、最大加熱幅で加熱ベルト63等の温度が定着制御温度で維持される。このように、例えば、通常モードでは、複合機100は直ちに使用可能な状態で維持される。
一方、省電力モードは、通常モードよりも消費される電力を減らすモードである。省電力モードは、例えば、複合機100が利用されないまま一定時間(例えば、90分、操作パネル1で設定可能)が経過したことを本体制御部7が検知した時(例えば、計時部72が計時)、複合機100のモードは、通常モードから省電力モードに移行する。このとき、電源装置78から本体制御部7、画像形成部4、中間転写部5、定着装置6等に対しての電力供給が停止される。これにより、複合機100の消費電力を減らすことができる。
このように、通常モードと省電力モードでは、電源装置78が生成すべき電圧や供給する電力量が異なる。そのため、電源装置78には、通常モードでの電源装置78の動作を制御する通常モード制御部79Aと、省電力モードでの電源装置78の動作を制御する省電力モード制御部79Bが設けられる。例えば、通常モードから省電力モードに移行する場合、本体制御部7は、電源装置78に向けて省電力モード制御部79Bを用いて電源装置78を駆動させるべき指示を電源装置78に与える。
省電力モードで外部のコンピュータ200から印刷データの送信があった場合など、復帰要因が生じた場合、複合機100は、省電力モードから通常モードとなる(復帰する)。ここで、省電力モードでは、本体制御部7への電力供給が停止されるので、本体制御部7は駆動しておらず、復帰要因の発生を認識し、複合機100の電源装置78等の各部に指示を与えることができない。そこで、本実施形態の複合機100には、図3に示すように、例えば、省電力モードから通常モードへの復帰要因の発生を監視する復帰要因監視部741が通信部74に設けられる。
本実施形態の複合機100では、例えば、以下のような複合機100に対する指示、操作があった場合、省電力モードから通常モードへの復帰要因が生じたとされる。例えば、外部のコンピュータ200からの印刷データの受信、接続部76への外部メモリ77の取り付け、操作パネル1への入力、給紙部2の出し入れ、側面カバー104、105の開閉等が復帰要因とされる。そのため、接続部76、操作パネル1、挿脱検知スイッチ26、開閉検知スイッチ36、37等が復帰要因監視部741と接続される。これらの接続により、復帰要因監視部741は、復帰要因の発生を認識できる。
もし、復帰要因が生ずれば、省電力モードから通常モードに移行する。このとき、復帰要因監視部741は、電源装置78に向けて通常モード制御部79Aを用いて電源装置78を駆動させるべき指示を電源装置78に与える。これにより、本体制御部7や定着装置6等に電力供給が再開され、複合機100を利用可能な状態とするためのウォームアップが開始される。このように、複合機100は、通常モードと、通常モードよりも画像形成装置で消費される電力を減らす省電力モードを有し、制御部(本体制御部7)は、省電力モードでは、加熱部を定着制御温度で維持する制御を行わず、省電力モードから通常モードとなる(復帰する)際、加熱部を定着制御温度で維持する制御を行う状態となる(復帰する)。
(通常モードへの復帰時の加熱制御)
次に、図10を用い、本発明の実施形態に係る複合機100での通常モードへの復帰時の加熱制御の一例を説明する。図10は、本発明の実施形態に係る複合機100での通常モードへの復帰時の加熱制御の流れの一例を示すフローチャートである。
省電力モードでは、定着装置6での加熱が行われない。従って、省電力モードに移行すると、放熱によって、加熱ベルト63や加熱ローラ61等、定着装置6の温度は、定着制御温度から室温にまで低下してゆく。通常モードへの復帰時、加熱ベルト63や加熱ローラ61等の温度を定着制御温度にまで上昇させるウォームアップが行われる。
そこで、ウォームアップでの定着装置6での加熱制御の一例を、図10を利用して説明する。図10のスタートは、省電力モードから通常モードへの復帰時である。この復帰の際、まず、本体制御部7は、復帰要因がプリンタとしてのジョブに係るものであるかを確認する(ステップ♯21)。具体的には、外部のコンピュータ200により印刷データが送信され、印刷データに基づきプリンタとして印刷するための復帰や、接続部76に外部メモリ77が接続され、外部メモリ77内の印刷データに基づき、プリンタとして印刷するための復帰であるかを確認する。
もし、プリンタジョブで無ければ(ステップ♯21のNo)、通常モードへの復帰後、どのようなサイズの用を用いて印刷するか分からないので、本体制御部7は、最大加熱幅(加熱幅W4)で加熱を行わせる(ステップ♯22)。そして、本体制御部7は、何れかの温度センサSの出力に基づき、加熱ベルト63の温度を確認して、定着制御温度に到達したかを確認する(ステップ♯23)。もし、定着制御温度に到達していなければ(ステップ♯23のNo)、ステップ♯22に戻る。一方、定着制御温度に到達すれば(ステップ♯23のYes)、ウォームアップが終了し(エンド)、以後、コイル8に電力を断続的に投入して、加熱ベルト63等の温度を定着制御温度で維持する制御が行われる。
一方、プリンタジョブであれば(ステップ♯21のYes)、プリンタジョブとしての印刷ジョブに用いる用紙のサイズを確認する(ステップ♯24)。例えば、外部のコンピュータ200から送信された印刷データや、外部メモリ77に記憶される印刷データ中の印刷に用いる用紙を指示するデータを含む設定データに基づき、本体制御部7は、印刷ジョブで用いる用紙のサイズを確認する。
即ち、複合機100は、外部から印刷の設定データと印刷を行う画像データを含む第1印刷データを受信する通信部74を有し、制御部(本体制御部7)は、通信部74に印刷データが入力された場合、省電力モードであれば通常モードに復帰し、第1印刷データ内の設定データに基づき印刷に用いる用紙サイズを把握する。又、複合機100は、印刷の設定データと印刷を行う画像データを含む第2印刷データを記憶する外部メモリ77を接続するための接続部76を有し、制御部(本体制御部7)は、接続部76に外部メモリ77が接続された場合、省電力モードであれば通常モードに復帰し、第2印刷データ内の設定データに基づき印刷に用いる用紙サイズを把握する。
次に、本体制御部7は、必要であれば、コアモータ93に指示して、コア9を回転させ、用紙サイズに合わせた加熱幅(加熱幅W1〜加熱幅W3の何れかに変更)し、定着制御部60に指示して加熱ベルト63等の加熱を行わせる(ステップ♯25)。即ち、制御部(本体制御部7)は、加熱部を定着制御温度で維持する制御を行わない状態から加熱部を定着制御温度で維持する制御を行う状態となる(復帰する)場合、回転部(コアモータ93)を制御し、印刷に用いる用紙サイズに対応する加熱幅で加熱部を加熱させる。そして、本体制御部7は、通紙領域の温度を測定する温度センサSの出力に基づき、通紙領域が定着制御温度に到達したか確認する(ステップ♯26)。定着制御温度に到達していなければ(ステップ♯26のNo)、ステップ♯25に戻る。一方、定着制御温度に到達すれば(ステップ♯26のYes)、本体制御部7は、定着制御部60に指示して、通紙領域を定着制御温度で維持させつつ、給紙部2から給紙がなされ、画像形成部4、中間転写部5等によりトナー像の形成と転写がなされ、印刷が行われる(ステップ♯27)。
次に、本体制御部7は、1ページの用紙の印刷完了を確認する(ステップ♯28)。例えば、本体制御部7は、排出ローラ対34近傍に設けられる用紙センサ351の出力に基づき、用紙の排出トレイ31への1枚排出を検知することにより、1ページ(1枚)の印刷完了を認識しても良い。又、用紙サイズ等によって、給紙から用紙排出までの時間は、ほぼ決まっているので、1枚の用紙の給紙してからの時間に基づき、本体制御部7は、1枚の用紙の印刷完了を確認してもよい。もし、1ページの用紙の印刷が完了していなければ(ステップ♯28のNo)、例えば、ステップ♯27に戻る。
一方、1ページの用紙の印刷が完了すれば(ステップ♯28のYes)更に、本体制御部7は、非通紙領域部分の温度を測定する温度センサS(例えば、温度センサS4)の出力に基づき、非通紙領域の温度を確認する(ステップ♯29)。更に、本体制御部7は、印刷ジョブの印刷残枚数を確認する(ステップ♯30)。そして、本体制御部7は、非通紙領域の温度と印刷ジョブの印刷残枚数と加熱用データに基づき、加熱幅を広げるタイミングか否かを判断する(ステップ♯31)。
ここで、印刷ジョブ完了まで、用紙サイズに合わせた加熱幅(加熱幅W1〜W3)のままとすると、加熱ベルト63や加熱ローラ61等における非通紙領域の温度は、省電力モードでは、定着装置6への電力が供給されるので、定着制御温度以下のレベル(最低で室温レベル)のままとなってしまう。この問題点は、図8を用いて説明したように、印刷ジョブ中の印刷停止と同様である。
そこで、本発明では、通常モードから省電力モードとなる(復帰する)際も、図8下段において、[本発明・印刷ジョブ完了時]と付した図で示すように、印刷ジョブ完了時には、加熱ローラ61や加熱ベルト63において、非通紙領域であった部分を定着制御温度に到らせる。又、ジャム等による印刷ジョブの途中停止、再開の場合と同様、記憶部73の加熱用データを用いて、加熱幅を広げて加熱部を加熱させるタイミングを決定すればよい。
もし、本体制御部7が加熱幅を広げるタイミングでないと判断すれば(ステップ♯31のNo)、例えば、ステップ♯27に戻る。一方、本体制御部7が加熱幅を広げるタイミングと判断すれば(ステップ♯31のYes)、本体制御部7は、コアモータ93を制御して加熱幅を広げる(ステップ♯32)。このとき、次の印刷ジョブに用いる用紙サイズが不明であれば、A3サイズに対応する最大加熱幅(加熱幅W4)に加熱幅を広げる。もし、プリンタジョブ等、次の印刷ジョブが現在の印刷ジョブ実行中に入力された場合等、次の印刷ジョブに用いる用紙サイズが明らかであれば、次の印刷ジョブに用いる用紙サイズに対応した加熱幅に広げる。尚、本体制御部7は、現在の印刷ジョブと次の印刷ジョブに用いる用紙サイズが同じで有れば、加熱幅を広げる必要はないと判断し、次の印刷ジョブ実行時に加熱幅の拡大がなされても良い。
その後、印刷が継続され(ステップ♯33)、やがて印刷ジョブが完了し、本制御は終了する(エンド)。印刷ジョブ完了時、非通紙領域であった部分は定着制御温度にまで暖められる。
このようにして、本実施形態の複合機100によれば、加熱部(加熱ベルト63、加熱ローラ61、定着ローラ62等)を定着制御温度で維持する制御を行わない状態から加熱部を定着制御温度で維持する制御を行う状態となる(復帰する)場合、回転部(コアモータ93)を制御し、印刷に用いる用紙サイズに対応する加熱幅で加熱部を加熱させる。これにより、加熱部のうち用紙が接する通紙領域が暖められるウォームアップがなされた後、トナー像の定着がなされる。従って、最大加熱幅で加熱部の加熱を行う場合に比べて、消費される(熱に変換される)電力を減らすことができる。
又、省電力モードから通常モードとなる(復帰する)際に、加熱部(加熱ベルト63、加熱ローラ61、定着ローラ62等)の温度を定着制御温度とするウォームアップがなされる。このウォームアップ時に、印刷に用いる用紙サイズに対応する加熱幅で加熱部の加熱がなされるので、最大加熱幅で加熱部の加熱を行う場合に比べて、消費される電力を減らすことができる。又、用紙のジャム(詰まり)発生や、用紙切れによって、印刷が停止した後、ジャム処理がなされ、印刷ジョブが再開される際に、加熱部の温度を定着制御温度とするウォームアップがなされる。このウォームアップ時に、印刷に用いる用紙サイズに対応する加熱幅で加熱部の加熱がなされるので、最大加熱幅で加熱部の加熱を行う場合に比べて、消費される電力を減らすことができる。
又、印刷ジョブ開始時では、加熱部のうち、非通紙領域の加熱は行われず、非通紙領域の無駄な加熱によって電力が無駄に消費されない。一方で、最大加熱幅よりも狭い加熱幅に対応する用紙を用いて印刷する場合、非通紙領域は加熱されないので温度が下がる。そして、印刷ジョブ完了時、非通紙領域の温度は定着制御温度よりも低くなる。印刷ジョブ完了後、単に加熱幅を広げ非通紙領域であった部分を加熱し、非通紙領域であった部分の温度を定着制御温度まで高めると、通紙領域であった部分の温度が上昇し(嵩上げされ)、最悪の場合、過昇温状態に到る。又、非通紙領域であった部分を暖めて定着制御温度に到達させるために使用者を待たせることもある。そこで、印刷ジョブ完了後の次の印刷ジョブで用いる用紙のサイズは、予測困難であるので、制御部(本体制御部7)は、印刷ジョブ完了のときに非通紙領域を定着制御温度とするための加熱用データに基づき、印刷ジョブの途中で加熱幅を印刷ジョブ開始のときよりも広げさせる。これにより、次の印刷ジョブで用いる用紙が、先の印刷ジョブよりも大きくても、使用者は待つことなく直ちに次の印刷ジョブを開始でき、使用者の利便性が高い。又、通紙領域であった部分の温度が上昇しすぎることもなくなる。又、非通紙領域の不要な加熱による無駄な電力消費を可能な限り少なくすることができる。
又、制御部(本体制御部7)は、ネットワーク等を介して画像形成装置に入力される第1印刷データ中の使用する用紙を定めたデータを含む設定データや、接続部76に接続された外部メモリ77に収められ、使用する用紙を定めたデータを含む第2印刷データに基づき、印刷で用いる用紙サイズを迅速に把握することができる。これにより、第1印刷データの通信部74への入力をトリガとして、印刷で用いる用紙サイズに合わせた加熱幅で加熱部(加熱ベルト63、加熱ローラ61、定着ローラ62等)の速やかなウォームアップを行うことができる。又、省電力モードから通常モードへの復帰時のウォームアップにおける無駄な電力の消費を無くすことができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
本発明は、誘導加熱式の定着装置6を有する画像形成装置に利用可能である。
1 操作パネル 2(2A、2B、2C、2D) 給紙部
25 用紙切れセンサ 35(351〜357) 用紙センサ
4 画像形成部 6 定着装置
61 加熱ローラ(加熱部) 62 定着ローラ(加熱部)
63 加熱ベルト(回転体、加熱部) 7 本体制御部(制御部)
73 記憶部 74 通信部
76 接続部 77 外部メモリ
8 コイル8 9 コア
92(92A、92B) 磁気遮蔽板 93 コアモータ(回転部)
100 複合機(画像形成装置)
S(S1、S2、S3、S4) 温度センサ(温度検知体)
W(W1、W2、W3、W4) 加熱幅

Claims (7)

  1. 印刷に用いる用紙を収容する給紙部と、
    トナー像を形成する画像形成部と、
    トナー像の定着のため用紙と接する回転体を含む加熱部と、
    前記加熱部に対向し、前記回転体の軸線方向に沿ってかけ回され、誘導加熱によって前記加熱部を暖めるコイルと、
    前記加熱部に対向し、前記コイルと前記加熱部との磁路を形成し、周面が磁気遮蔽板に覆われ、前記加熱部を加熱する加熱幅を異ならせるため、周方向の位置により前記磁気遮蔽板に覆われる軸線方向の長さが複数段階異なるコアと、
    前記コアを回転させる回転部と、
    前記加熱幅に合わせ前記加熱部の温度を検知するため複数設けられる温度検知体と、
    前記温度検知体の出力に基づき、前記加熱部のうち用紙と接する通紙領域の温度を定着に必要な温度レベルである定着制御温度で維持させるため、前記コイルに供給する電力を制御し、印刷に用いる用紙サイズを把握し、前記回転部を制御して前記コアの回転角度を制御することにより前記加熱部での加熱幅を制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記加熱部を定着制御温度で維持する制御を行わない状態から前記加熱部を定着制御温度で維持する制御を行う状態となる場合、前記回転部を制御し、印刷に用いる用紙サイズに対応する加熱幅で前記加熱部を加熱させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 通常モードと、前記通常モードよりも画像形成装置で消費される電力を減らす省電力モードを有し、
    前記制御部は、前記省電力モードでは、前記加熱部を定着制御温度で維持する制御を行わず、前記通常モードで、前記加熱部を定着制御温度で維持する制御を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記給紙部から給紙された用紙を搬送する搬送路に、用紙の到達及び通過を検知するための用紙センサが複数設けられ、
    前記制御部は前記用紙センサの出力に基づき、用紙のジャムの発生を検知したとき、前記加熱部を定着制御温度で維持する制御を行わない状態となり、前記用紙センサの出力に基づき、用紙のジャムが解消されたことを検知した後、前記加熱部を定着制御温度で維持する制御を行う状態となることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記給紙部には、収容用紙の用紙切れを検知するための用紙切れセンサが設けられ、
    前記制御部は、前記用紙切れセンサの出力に基づき、前記給紙部での用紙切れを検知したとき、前記加熱部を定着制御温度で維持する制御を行わない状態となり、前記用紙切れセンサの出力に基づき、用紙が補給されたことを検知したとき、前記加熱部を定着制御温度で維持する制御を行う状態となることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. データを記憶するための記憶部を有し、
    前記記憶部は、前記温度検知体に基づき検知された前記加熱部のうち用紙と接しない非通紙領域の温度を、印刷ジョブ完了のときに前記定着制御温度とするため、印刷ジョブの途中に加熱幅を広げて前記加熱部の前記非通紙領域の加熱を行うタイミングを定めるための加熱用データを記憶し、
    前記制御部は、印刷ジョブ開始のとき、印刷に用いる用紙サイズに対応する加熱幅で前記加熱部を加熱し、印刷ジョブの途中で、前記加熱用データに基づきタイミングを決定して、加熱幅を広げて前記加熱部の前記非通紙領域を加熱させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 外部から印刷の設定データと印刷を行う画像データを含む第1印刷データを受信する通信部を有し、
    前記制御部は、前記通信部に前記印刷データが入力された場合、前記省電力モードであれば前記通常モードに復帰し、前記第1印刷データ内の前記設定データに基づき印刷に用いる用紙サイズを把握することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 印刷の設定データと印刷を行う画像データを含む第2印刷データを記憶する外部メモリを接続するための接続部を有し、
    前記制御部は、前記接続部に前記外部メモリが接続された場合、前記省電力モードであれば前記通常モードに復帰し、前記第2印刷データ内の前記設定データに基づき印刷に用いる用紙サイズを把握することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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