JP7127403B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置における定着装置の構成と制御方法に関する。
従来、この種の装置として、加熱ローラ内部に長手方向において、複数に分割されたヒータを備え、印刷画像領域に応じて対応するヒータを温度制御するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
特開2015-125165号公報(第14頁、図8)
しかしながら、幅狭の媒体を印刷するときの温度制御から幅広の媒体を印刷するときの温度制御に切り替える際に、加熱ローラの適切な温度管理ができない場合があった。
本発明による定着装置は、無端状の定着部材と、前記定着部材とニップ部を形成する加圧部材と、前記定着部材の内側において該定着部材の幅方向に複数配列され、それぞれが該定着部材の対向する領域を加熱する複数の部分ヒータと、前記部分ヒータの温度を検出する複数の温度センサと、前記複数の部分ヒータに電力供給して、加熱制御する通電駆動制御部とを備え、
前記通電駆動制御部は、前記幅方向において、記録媒体の通紙領域に対向しない前記部分ヒータに対する電力供給量の割合を、前記通紙領域に対向する前記部分ヒータに対する電力供給量の割合より小さくなるように制御し、
前記幅方向において、幅の異なる記録媒体を前後して印刷する際に、より幅の狭い前記記録媒体からより幅の広い前記記録媒体を印刷する前に、少なくとも前記より幅の狭い記録媒体の通紙領域に対向しない前記部分ヒータを、該部分ヒータの温度を検出する前記温度センサの検出温度が所定の温度となるように独立に温度制御する温度準備期間を設け、
前記部分ヒータは、前記より幅の狭い記録媒体と対向する領域の加熱に用いる第1のヒータと、前記より幅の狭い記録媒体に対向しない領域の端部側に配置される第3のヒータと、前記第1のヒータと前記第3のヒータの間に配置される第2のヒータとを備え、
前記温度センサは、前記第3のヒータよりも前記第1のヒータ側の温度を検出する第1の温度センサと、前記第1のヒータよりも前記第3のヒータ側の温度を検出する第3の温度センサと、前記第1のヒータと前記第3のヒータから離れた位置で前記第2のヒータ側の温度を検出する第2の温度センサとを備え、
前記通電駆動制御部は、前記温度準備期間において、前記第2の温度センサの検出温度と前記第1の温度センサの検出温度の差、及び前記第3の温度センサの検出温度と前記第1の温度センサの検出温度の差が共に第1の設定温度を超える場合、前記定着部材の表面と対向して設置された赤外線温度センサの検出温度を用いて、前記第2のヒータ及び前記第3のヒータに対する電力供給量の割合を、前記第1のヒータに対する電力供給の割合より小さくなるように温度制御することを特徴とする。
本発明による定着装置によれば、前後する印刷ジョブにおいて、幅狭印刷から幅広印刷に移行する場合に、ホット又はコールドオフセットが発生することなく、且つ幅広印刷を速やかに実行することが可能となる。
本発明に基づく定着装置を採用する実施の形態1の画像形成装置の要部構成を示す要部構成図である。 定着器の内部構成を概略的に示す要部構成図であり、(a)は、記録用紙を受け入れる用紙搬入側から見た正面図であり、(b)はその左側面図である。 定着器の面状ヒータの通電駆動制御部を示す回路図である。 表2の補正値α1、α2をグラフ化した図である。 画像形成装置の駆動制御系の要部構成を示すブロック図である。 A5横サイズの記録用紙の印刷後のヒータ裏温度分布と定着ベルトの表面の温度分布とを、面状ヒータのメインヒータ、中間ヒータ、及び端部ヒータと対応させて示した温度分布図であり、(a)は、中間ヒータ及び端部ヒータをデューティ比補正制御(メインヒータはPID制御)したときの温度分布であり、(b)は、独立制御したときの温度分布である。 回転駆動中の定着ベルトの表面温度とバックアップローラの軸トルクの関係を測定した値をグラフ化した図である。 定着制御部が、ウォームアップ完了後の印刷動作中に行う、中間ヒータの温度維持制御の流れを示すフローチャートである。 定着制御部が、ウォームアップ完了後の印刷動作中に行う、端部ヒータの温度維持制御の流れを示すフローチャートである。 温度制御される定着器を備えた画像形成装置において、A5縦サイズの記録用紙に印刷する印刷ジョブが発生したときの、メインヒータ、中間ヒータ、端部ヒータ、及び定着ベルトの各検出温度の推移を示すタイミングチャートである。 (デューティ比補正制御+温度維持制御)によって、A5縦サイズの記録用紙を印刷した後の定着ベルトの表面の温度分布を、面状ヒータのメインヒータ、中間ヒータ、及び端部ヒータと対応させて示した温度分布図である。 幅狭な記録媒体(例えばA5横幅=210mm)を相当数連続印刷した後、幅広な記録媒体(例えばA4横幅=297mm)を印刷した場合の、定着ベルトの表面温度分布変化の説明に供する図である。 幅狭な記録媒体(例えばA5横幅=210mm)を少数印刷した後、幅広な記録媒体(例えばA4横幅=297mm)を印刷した場合の、定着ベルトの表面温度分布変化の説明に供する図である。 定着制御部が行う、サイドヒータウォームアップ制御の流れを示すフローチャートである。 図14のフローチャートに対応したタイムチャートである。 幅狭印刷から幅広印刷への切り替え時に、図14のフローチャートによるサイドヒータウォームアップ制御を行った場合の、定着ベルトの表面温度分布の説明に供する図である。
実施の形態1.
図1は、本発明に基づく定着装置を採用する実施の形態1の画像形成装置の要部構成を示す要部構成図である。
同図に示すように、画像形成装置1は、例えばタンデム型カラー電子写真式プリンタとしての構成を備え、給紙カセット10は、内部に記録媒体としての記録用紙40が積層され、画像形成装置1に着脱自在に装着される。ホッピングローラ21は、給紙カセット10内から最上部の記録用紙40を順次搬送経路に繰出し、レジストローラ対31は、記録用紙40の斜行を矯正して搬送ローラ対32に送り込み、搬送ローラ対32は画像形成部に所定のタイミングで記録用紙40を送り込む。尚、ホッピングローラ21は、給紙モータ202(図5参照)によって回転駆動される。
画像形成部は、着脱自在に直列に並べられた4つの現像ユニット50K,50Y,50M,50C(特に区別する必要がない場合には50と付す)と、現像ユニット50により形成されたトナー現像を、記録用紙40の上面にクーロン力により転写する転写部60からなる。直列に並べられた4つの現像ユニット50は、構成的には全て同じであり、使用されるトナーの色、即ちブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)と、その動作タイミングのみが異なる。ここでは用紙搬送方向の上流側から順に、ブラック(K)用の現像ユニット50K、イエロー(Y)用の現像ユニット50Y、マゼンタ(M)用の現像ユニット50M、及びシアン(C)用の現像ユニット50Cが配列されている。
従って、ここでは代表してブラック(K)の現像ユニット50Kの内部構成について以下に説明する。
現像ユニット50Kは、着脱自在なトナーカートリッジ51Kを備え、更に、トナー現像を担持する感光体ドラム52K、感光体ドラム52Kの表面を帯電させる帯電ローラ53、LEDヘッド57Kによる露光によって感光体ドラム52Kの帯電した表面に形成された静電潜像に、摩擦帯電によりトナー現像を形成する現像ローラ54、現像ローラ54にトナーを供給するトナー供給ローラ55、転写後に感光体ドラム52Kの表面に残る残トナーを掻き落とすクリーニングブレード56などを備える。尚、各現像ユニット50に用いられているドラムやローラには、IDモータ204(図5参照)からギアなどを経由して動力が伝達される。
転写部60は、記録用紙40を静電吸着して矢印A方向に搬送する転写ベルト61、転写ベルト61を駆動するドライブローラ62、ドライブローラ62と対を成して転写ベルト61を張架するテンションローラ63、現像ユニット50の各感光体ドラム52K,52Y,52M,52C(特に区別する必要がない場合には52と付す)にそれぞれが対向して圧接するよう配置され、トナー現像を記録用紙40に転写するよう電圧を印加する転写ローラ67K,67Y,67M,67C(特に区別する必要がない場合には67と付す)等を備える。ドライブローラ62は、ベルトモータ203(図5参照)によって回転駆動される。
現像ユニット50と転写部60は同期して駆動され、転写ベルト61に静電吸着された記録用紙40に各色のトナー現像を順次重ね合わせて転写する。このようにして画像形成部で各色のトナー現像を転写された記録用紙40は、トナー現像を熱と圧力で記録用紙40に融着させる定着器70へ送り出される。
定着器70は、後述する面状ヒータを備えて記録用紙40に上方から接する定着ベルト71と、定着モータ205(図5参照)によって駆動されて回転するバックアップローラ72を備え、回転するバックアップローラ72とこれに従動する加熱した定着ベルト71とで記録用紙40を矢印B方向(通紙方向)に搬送する間に加熱及び加圧を実行し、記録用紙40に付着したトナーを融着して記録用紙40にトナー画像を定着させる。尚、定着器70については、後で詳しく説明する。
記録用紙40の搬送方向における、定着器70の下流側の搬送路には、順に、排出ローラ対36,37が配置され、定着器70から排出される定着済みの記録用紙40を経路に沿って搬送し、排出トレイ39へと排出する。
書き出しセンサ33は、そこを搬送される記録用紙40の有無を検出するセンサであり、その検出情報は、LEDヘッド57の露光タイミングや、転写ローラ67に高電圧を印加するタイミングの判定基準となる。また排出センサ34もそこを搬送される記録用紙40の有無を検出するセンサであり、その検出情報は、記録用紙40に対する一連の画像形成プロセスが終了したか否かの判定基準となる。
また画像形成装置1には、増設カセット10bが接続可能になっている。増設カセット10bは、ホッピングローラ21b、レジストローラ対31bを備える。ユーザーの都合により、単純に記録用紙のセット枚数を増やすために設置する場合もあれば、例えばA4サイズの用紙とA5サイズの用紙を両方使用するために接続する場合もある。
図2は、定着器70の内部構成を概略的に示す要部構成図であり、同図(a)は、記録用紙40を受け入れる用紙搬入側から見た正面図であり、同図(b)はその左側面図である。尚、定着器70を、記録用紙40が搬入される側、即ち矢印B方向(通紙方向)からみて、前(手前側)後(奥側)左右を特定する場合がある。
同図に示すように、エンドレスで円筒状に形成された定着部材としての定着ベルト71と、加圧部材としてのバックアップローラ72とは、図示しない付勢手段によって当接し、当接部にニップ部が形成されるように構成されている。このため、定着ベルト71は、左右の両端部が、各端部に対向して配置された図示しないフランジに形成された溝に嵌入して円筒形状が保たれ、且つ長手方向移動が規制されている。
定着ベルト71は、適度の剛性を得るため、ここでは、複数層からなる部材によって構成され、内周側の基材として、適度な剛性と可撓性を有するSUS等の弾性を有した金属が用いられ、その上層にシリコーンゴム等の弾性層が形成されている。弾性層上に更に離型層を形成してもよい。離型層としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPFA(パーフルオロアルコキシアルカン)に代表されるフッ素樹脂コーティング又はそれらを加工したチューブから成る表層とする。尚、基材としては、他にPI(ポリイミド)などを採用してもよい。
バックアップローラ72は、定着モータ(図5参照)によって、矢印C方向に回転駆動され、これに伴って定着ベルト71が供回りする。尚、図2(a)では、定着ベルト71の内側を明示するため、透視した図となっている。
定着ベルト71のニップ部の内側には、定着ベルト71の内側表面に接するようにステンレス製の熱拡散部材73が配置され、その内側には、熱拡散部材73の内側表面に接するように面状ヒータ81が配設されている。熱拡散部材73の、定着ベルト71の内側に接する外側表面には、定着ベルト71との摺動を円滑にするため、図示しない摺動性グリスが塗布されている。
面状ヒータ81は、定着ベルト71の幅方向(以後、長手方向と称す場合もある)に延在する面状発熱体であり、ステンレス基板上に、電気絶縁層、抵抗発熱体、電極と保護層が順に積層され、抵抗発熱体に電力を供給することにより発熱させることができる。面状ヒータ81は、保護層側が熱伝導率の高い熱拡散部材73に接触して発熱を熱拡散部材73に伝え、熱拡散部材73は、その熱を定着ベルト71に熱伝導する。これにより、長手方向における熱伝導のムラが抑制される。
面状ヒータ81は、発熱部が長手方向において5分割されており、中央部に位置するメインヒータ82、メインヒータ82の左右両側に隣接配置された左中間ヒータ83L及び右中間ヒータ83R(特に区別する必要がない場合には中間ヒータ83と称す)、左中間ヒータ83Lに隣接して配置された左端部ヒータ84L、そして右中間ヒータ83Rに隣接して配置された右端部ヒータ84R(特に区別する必要がない場合には端部ヒータ84と称す)を備える。
これらの5分割された各ヒータは、長手方向において、メインヒータ82の中心に対して左右対称に形成されている。左中間ヒータ83L及と右中間ヒータ83Rとは電気的に並列接続され、同時通電されて同時に発熱し、同じく、左端部ヒータ84Lと右端部ヒータ84Rとは電気的に並列接続され、同時通電されて同時に発熱する。尚、メインヒータ82、左右の中間ヒータ83L,83R、及び左右の端部ヒータ84L,84Rが複数の部分ヒータに相当する。
メインヒータ82は、発熱部の長さが138mmあり、B6縦サイズ(128mm)の幅に対応したヒータである。メインヒータ82と、左右の中間ヒータ83L,83Rとの発熱部の合計長は230mmあり、合せてLetter縦サイズ(215.9mm)の幅に対応したヒータとなる。メインヒータ82と、左右の中間ヒータ83L,83Rと、左右の端部ヒータ84L,84Rとの合計長は306mmであり、合せてA4横(297mm)の幅に対応したヒータとなる。これらの各ヒータは、後述するように、印刷する記録用紙40のサイズに合わせてそれぞれの発熱量が調整され、非通紙領域の定着ベルト71の温度上昇が抑制され、且つ非通紙領域の定着ベルト71の温度が低下しすぎないように維持される。
メインヒータ82、左中間ヒータ83L、及び左端部ヒータ84Lの各基板側の裏面には、それぞれの温度を検出するメインヒータ裏サーミスタ75、中間ヒータ裏サーミスタ76、及び端部ヒータ裏サーミスタ77が配設されている。これらのサーミスタは、夫々が検出した温度情報を定着制御部101(図3参照)に送信し、後述するように、ヒータが異常な高温状態にならないように保護するため、そして幅狭な記録媒体を印刷中において定着ベルト71の端部側が低温になり過ぎないように温度制御するための温度センサとなる。尚、メインヒータ裏サーミスタ75が第1の温度センサに、中間ヒータ裏サーミスタ76が第2の温度センサに、そして端部ヒータ裏サーミスタ77が第3の温度センサにそれぞれ相当する。
赤外線温度センサ78は、定着ベルト71の表面温度を検出する。このため赤外線温度センサ78は、通紙方向(矢印B方向)の入り口側にあって、定着ベルト71の外側面に非接触に対向し、長手方向におけるメインヒータ82の中央部に相当する位置に設置され、定着ベルト71の外側面から発せられる赤外線を受光して温度に変換し、その温度情報を定着制御部101(図3参照)に送信する。尚、赤外線温度センサ78は、長手方向と垂直な平面において、メインヒータ裏サーミスタ75と同平面上となることが望ましい。
更に、バックアップローラ72の表面温度を検出するため、第1BUサーミスタ91、第2BUサーミスタ92、及び第3BUサーミスタ93が設置されている。長手方向において、第1BUサーミスタ91はメインヒータ82に対向する位置に、第2BUサーミスタ92は中間ヒータ83に対向する位置に、そして第3BUサーミスタ93は端部ヒータ84に対向する位置にそれぞれ配置されている。
第1~第3の各BUサーミスタ91~93の設置目的は、間接的に定着ベルト71の表面温度を検出することで、特に幅狭な記録媒体を連続印刷したときの定着ベルト71の非通紙領域の温度上昇を監視する。同じ目的で、中間ヒータ裏サーミスタ76及び端部ヒータ裏サーミスタ77も使用される。
但し、メインヒータ裏サーミスタ75、中間ヒータ裏サーミスタ76、及び端部ヒータ裏サーミスタ77が検出するヒータ温度は、定着ベルト71の表面温度が同じ場合でも、通紙する記録用紙40の厚さ等により、様々な温度になり得るので、メインヒータ裏サーミスタ75と、中間ヒータ裏サーミスタ76や端部ヒータ裏サーミスタ77との検出温度差を監視する。メインヒータ裏サーミスタ75の検出温度の方が低く、その温度差が大きければ定着ベルト71の非通紙部温度が高温であるとみなせる。
以上のように構成された定着器70は、転写ベルト61(図1)から搬送されてきた記録用紙40をニップ部で挟むようにして矢印B方向に搬送する。その間に、記録用紙40上に転写されて弱い静電気力で付着しているトナー画像を、熱によって溶解し、更に加圧して記録用紙40に定着させる。
図3は、定着器70の面状ヒータ81の通電駆動制御部を示す回路図である。
同回路図に示すように、メインヒータ裏サーミスタ75、中間ヒータ裏サーミスタ76、端部ヒータ裏サーミスタ77、赤外線温度センサ78、第1BUサーミスタ91、第2BUサーミスタ92、及び第3BUサーミスタ93でそれぞれ検出された温度情報は、共に定着制御部101に送信される。
面状ヒータ81の5つの各ヒータ82,83L,83R,84L,84Rの一方の電極は商用電源102の一方の端子に接続され、メインヒータ82の他方の電極はトライアック103の一方の端子に接続され、左中間ヒータ83L及び右中間ヒータ83Rの他方の電極は共にトライアック104の一方の端子に接続され、左端部ヒータ84L及び右端部ヒータ84Rの他方の電極は共にトライアック105の一方の端子に接続されている。
3つのトライアック103,104,105の各他方の端子は共に商用電源102の他方の端子に接続され、トライアック103のゲート端子はトライアック駆動回路106の第1駆動端子106aに接続され、トライアック104のゲート端子はトライアック駆動回路106の第2駆動端子106bに接続され、トライアック105のゲート端子はトライアック駆動回路106の第3駆動端子106cに接続されている。
定着制御部101は、第1定着オン信号107をトライアック駆動回路106の第1入力端子106dに送信し、第2定着オン信号108をトライアック駆動回路106の第2入力端子106eに送信し、第3定着オン信号109をトライアック駆動回路106の第3入力端子106fに送信する。
トライアック駆動回路106は、第1定着オン信号107、第2定着オン信号108、及び第3定着オン信号109の各パルス幅に応じて、それぞれ対応するトライアック103、トライアック104、及びトライアック105の通電時間を変え、面状ヒータ81への供給電力を制御する。尚、ここでは、面状ヒータ81に商用電源を印加することを、通電と称す場合がある。尚、定着制御部101、トライアック駆動回路106、及びトライアック103~105が通電駆動制御部に相当し、定着器70と通電駆動制御部とが定着装置に相当する。
次に、定着制御部101による面状ヒータ81の加熱制御方法について説明する。加熱制御方法は、後述するように、装置の動作タイミングや面状ヒータ81の温度状況によって異なる態様をとる。
定着制御部101は、赤外線温度センサ78による検出温度と、印刷条件で決まる目標温度との差に基づいてPID(Proportional Integral Differential)制御による計算を、温度の一制御周期である100msec毎に行い、第1定着オン信号107のデューティ値(n)を求める。
n周期目におけるデューティ値(n)は、下式(1)によって求められる。式(1)は、目標温度と現在の検出温度(赤外線温度センサ78による)との偏差εに対する関数になっており、0~100の値に丸める。
デューティ値(n)
=Kp×ε+Ki×Σ(ε)+Kd×d(ε)/dt
+DutyMod(n-1)・・・(1)
ε:温度偏差(=目標温度-赤外線温度センサ78の検出温度)
Kp:比例ゲイン
Ki:積分ゲイン
Kd:微分ゲイン
DutyMod(n-1):前回の制御周期で消費されなかったデューティ値の余り
例えば、前回の制御周期のデューティ値=98%の場合、90%は出力に消費され、8%は余りとして次回のPID計算時に加算される。
表1は、定着制御部101があらかじめ記憶して備えるヒータオンパターンのテーブルである。
Figure 0007127403000001
メインヒータ82については、式(1)によって算出されたデューティ値(n)に基づいてPID制御される。そのため、デューティ値(n)に基づいて、表1から第1定着オン信号107の、100msec間の制御パターンを決定する。表1は、100msec毎の、オン(1で示す)とオフ(0で示す)の制御パターンを記憶したもので、算出されたデューティ値(n)が該当する範囲毎にその制御パターンが設定されている。
例えばデューティ値(n)が25%の場合、上から3段目の制御パターンが選択され、
0~10msecの10msecがオン、
10msec~50msecの40msecがオフ、
50msec~60msecの10msecがオン、
60msec~100msecの40msecがオン、
となり、
デューティ値が55%の場合、上から6段目の制御パターンが選択され、
0~10msecの10msecがオン、
10msec~20msecの10msecがオフ、
20msec~30msecの10msecがオン、
30msec~50msecの20msecがオフ、
50msec~60msecの10msecがオン、
60msec~70msecの10msecがオフ、
70msec~90msecの20msecがオン、
90msec~100msecの10msecがオフ、
となり、
デューティ値が100%の場合、上から11段目の制御パターンが選択され、100msec間連続でオンとなる。
以上のように、100msec毎に、式(1)に基づいてデューティ値(n)が算出され、算出されたデューティ値(n)に基づいて第1定着オン信号107の制御パターンが選択され、制御パターンがオンのとき対応するトライアック103がオン状態となって、対応するメインヒータ82への通電が行われ、制御パターンがオフのときその通電が停止される。
次に、中間ヒータ83及び端部ヒータ84に対して行うデューティ比補正制御について説明する。
メインヒータ82用の第1定着オン信号107のデューティ比をメインデューティ値とし、中間ヒータ83用の第2定着オン信号108のデューティ比を中間用デューティ値とし、端部ヒータ84用の第3定着オン信号109のデューティ比を端部用デューティ値とした場合、
・メインデューティ値(n)は、式(1)で算出したデューティ値(n)であり、
・中間用デューティ値は、次式
中間用デューティ値(n)
=(メインデューティ値(n)-メインDutyMod(n-1)[メインデューティ値算出時における])×α1+中間用DutyMod(n-1)[中間用デューティ値算出時における] ・・・・・・(2)
で算出し、
・端部用デューティ値は、次式
端部用デューティ値
=(メインデューティ値(n)-メインDutyMod(n-1)[メインデューティ値算出時における])×α2+端部用DutyMod(n-1)[端部用デューティ値算出時における] ・・・・・・(3)
で算出する。
補正値α1、α2は、用紙幅に対する次式(4)、(5)のような3次関数で計算され、3次関数の係数はあらかじめ記憶されている。
α1=al×L+bl×L+c1×L+d1 ・・・(4)
α2=a2×L+b2×L+c2×L+d2 ・・・(5)
L:用紙幅設定値
al,a2,bl,b2,cl,c2,d1,d2:係数
表2は、種々の定型の用紙サイズを上式(4)、(5)に代入して得た、補正値α1、α2の計算結果の一覧表であり、図4は、表2の補正値α1、α2をグラフ化した図である。
Figure 0007127403000002
尚、記録用紙40の幅Lは、ユーザーが入力パネル等で入力して設定する設定値でもよいし、画像形成装置1の用紙搬送経路上に用紙幅を検出するセンサ(例えば用紙搬送経路に設けたラインセンサや、給紙カセット10や増設カセット10bの記録用紙ガイド幅を検出するセンサ等)を設け、このセンサによる幅検出値としても良い。
従って、メインヒータ82は、メインデューティ値(デューティ値(n))に基づいて、表1で選択された制御パターンでPID制御され、中間ヒータ83は、メインデューティ値(n)に対する比(補正値α1(%))に基づいて算出される中間用デューティ値に基づいて、表1で選択された制御パターンでデューティ比補正制御され、端部ヒータ84は、メインデューティ値(n)に対する比(補正値α2(%))に基づいて算出される端部用デューティ値に基づいて、表1で選択された制御パターンでデューティ比補正制御される。
デューティ比補正制御の場合、定着ベルト71の通紙領域に対向しないヒータに対する電力供給量の割合が、少なくとも通紙領域に対向するヒータに対する電力供給量の割合より小さくなるように設定されている。
図5は、画像形成装置1の駆動制御系の要部構成を示すブロック図である。
同図において、印刷制御部201は、書き出しセンサ33、及び排出センサ34から記録用紙40の搬送情報を受信し、画像形成装置1の印刷動作全般を駆動制御する。定着制御部101に対しては、印刷ジョブに基づく用紙サイズの設定情報や、厚み、幅等の印刷条件に応じた目標温度、後述する前ジョブの最終ページの転写開始や排出タイミング等を送信し、定着制御部101からは後述するウォームアップ完了や空転完了タイミング等を受信する。
また、印刷制御部201は、記録用紙40の給紙、搬送を行うためのステッピングモータである給紙モータ202、転写ベルト61を駆動するドライブローラ62を回転駆動するためのベルトモータ203、各現像ユニット50の各回転部を駆動するブラシレスDCモータであるIDモータ204、定着器70のバックアップローラ72、排出ローラ対36,37を駆動するブラシレスDCモータである定着モータ205を、それぞれの駆動タイミングに応じて回転駆動し、LEDヘッド57に対しては、各LEDヘッド57の露光タイミングを制御し、現像ユニット50で行う帯電、現像、転写のための高電圧を生成する高圧回路206に対して、各電圧の出力タイミングを指令する。
増設カセット10b接続時は、印刷制御部201と増設カセット制御部210は、例えばUART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)等でシリアル通信を行い、記録用紙40の搬送を制御する。増設カセット制御部210は増設カセット給紙モータ211と接続されている。これにより、例えば給紙カセット10にA4サイズの用紙、増設カセット10bにA5サイズの用紙を積載し、用途に応じて両方を使い分けることも可能となる。
以上の構成において、定着制御部101が行う、定着器70の面状ヒータ81の通電制御方法について説明するが、その前に、本実施の形態による定着装置が解決しようとする問題点について説明する。
デューティ比補正制御を行う目的は、制御の単純化である。メインヒータ82、中間ヒータ83、及び端部ヒータ84には、それぞれメインヒータ裏サーミスタ75、中間ヒータ裏サーミスタ76、及び端部ヒータ裏サーミスタ77が設置されているので、それぞれのヒータを独立制御することは可能である。しかしながら、実使用においては記録用紙40のサイズや厚さによってメインヒータ裏の温度、中間ヒータ裏の温度の適正温度は変化する。
図6は、A5横サイズの記録用紙40の印刷後のヒータ裏温度分布と定着ベルト71の表面の温度分布とを、面状ヒータ81のメインヒータ82、中間ヒータ83、及び端部ヒータ84と対応させて示した温度分布図であり、同図(a)は、中間ヒータ83及び端部ヒータ84をデューティ比補正制御(メインヒータ82はPID制御)したときの温度分布であり、同図(b)は、独立制御したときの温度分布である。
例えば独立制御により、6図(b)に示すように、記録用紙40の通過領域において、メインヒータ82裏の温度と中間ヒータ83裏の温度とがほぼ同じ温度となるように各ヒータを独立に制御したとしても、記録用紙40の通過領域の両端部において定着ベルト71の表面温度が低下し、温度不足により定着不良が発生することもある。
更に別の独立制御により、この温度不足を解消すべく温度制御することによって、逆に端部温度が上がり過ぎてホットオフセットが発生する場合もある。従って、全ての条件で最適な、メインヒータ82、中間ヒータ83、及び端部ヒータ84に対する独立制御方法(目標温度)を見出すことは現実的ではないといえる。
デューティ比補正制御は、以上の問題を踏まえてなされるもので、図6(a)に、デューティ比補正制御時の、ヒータ裏温度分布と定着ベルト71の表面の温度分布とを示す。同図に示すように、デューティ比補正制御によれば、少なくとも記録用紙40の通過領域において必要な温度が保たれて良好な定着を継続することが可能となり、非通過領域のベルト温度が必要以上に高温になるのも抑制できる。
次に、このデューティ比補正制御時に起こりうる問題点及びその解決方法について更に説明する。図7は、回転駆動中の定着ベルト71の表面温度とバックアップローラ72の軸トルクの関係を測定した値をグラフ化した図である。
面状ヒータ81は、長手方向に分割されているため、トナー定着の観点から言えば、例えばA5横サイズ(210mm)の印刷時には端部ヒータ84のデューティ値は0%で構わない。しかしながら図7のグラフに示すように、定着ベルト71の表面温度が80℃を下回ると、熱拡散部材73に塗布されている摺動性グリスの粘度が低下し、バックアップローラ72の軸トルクが、これを駆動する定着モータ205の出力限界である許容範囲、即ち負荷トルクNGラインを超えて負荷トルクNG領域に達し、定着ベルト71より異音が生じたり、定着モータ205が、負荷に負けて所定の回転速度を維持できずにモータロックエラーを発生したり、伝達ギア系が破損したりする恐れを生じる。
これらの問題は、定着ベルト71の表面温度を80℃以上に保つため、熱伝導による温度低下を加味した上で、面状ヒータ81の裏面温度を100℃以上に保つことで回避できることが実験的に判明している。以下に、デューティ比補正制御を採用し、更に上記の問題点を解消する温度制御方法について、具体的に説明する。
画像形成装置1は、印刷開始前にウォームアップを行う。このウォームアップ時に、定着ベルト71の温度を、印刷条件できまる目標温度に向けて加熱し、この目標温度より15℃低い温度に達した段階で、ウォームアップ完了と判断し、ウォームアップ制御を終了する。このウォームアップ制御時、前記したメインヒータ82は、式(1)で算出したデューティ値(n)に基づく制御パターンでPID制御されるが、中間ヒータ83及び端部ヒータ84もまた、デューティ値(n)に基づく制御パターンで通電制御される。
定着装置は、ウォームアップ完了後、中間ヒータ83及び端部ヒータ84に対して前記したデューティ比補正制御に移行するが、中間ヒータ83及び端部ヒータ84に対しては、更に定着ベルト71の対応する領域の表面温度が前記した許容範囲内(80℃以上)を保つための温度維持制御が行われる。
図8は、定着制御部101が、ウォームアップ完了後の印刷動作中に行う、中間ヒータ83の温度維持制御の流れを示すフローチャートであり、図9は、定着制御部101が、同じくウォームアップ完了後の印刷動作中に行う、端部ヒータ84の温度維持制御の流れを示すフローチャートである。先ず図8のフローチャートに沿って、中間ヒータ83の温度維持制御について説明する。
図8のフローでは、先ずヒータ制御が終了したか否かを判定し、終了していない場合(ステップS101、No)、中間ヒータ裏サーミスタ76(図3)で検出される左中間ヒータ83Lの温度が100℃未満か否かを判定する(ステップS102)。100℃未満の場合(ステップS102、Yes)、左右の中間ヒータ83で加熱する個所の定着ベルト71が低温になりすぎないように、強制的に左右の中間ヒータ83に通電する。その際、デューティ値20%に対応する制御パターン(表1参照)で通電制御する。
一方、100℃以上の場合(ステップS102、No)、前記したデューティ比補正制御を行う(ステップS104)。その後、前記した一制御周期(100msec)である100msecが経過した後、ステップS101に戻る。以後、ヒータ制御が終了するまで、ステップS101からステップS105までの一連の処理が繰り返される。
図9に示すフローは、端部ヒータ84の温度維持制御のフローであるが、図8に示す中間ヒータ83の制御と全く同じ処理を行うので、ここでの説明を省略する。
以上の温度維持制御により、面状ヒータ81は、閾値100°C以上にキープされ、定着ベルト71の温度が端部においても低くなり過ぎないように制御される。尚、メインヒータ82に対しては、上式(1)における目標温度が少なとも100℃以下に設定されることがないため、温度維持制御は行わない。
図10は、以上のように温度制御される定着器70を備えた画像形成装置1において、A5縦サイズの記録用紙40に印刷する印刷ジョブが発生したときの、メインヒータ82、中間ヒータ83、端部ヒータ84、及び定着ベルト71の各検出温度の推移を示すタイミングチャートである。
同図に示すように、時刻t1に印刷ジョブが入力されたため、ウォームアップが開始し、目標温度160℃に向けて面状ヒータ81による加熱が開始する。このとき、中間ヒータ83用の補正値α1及び端部ヒータ84用の補正値α2は共に100%とされ、面状ヒータ81の5つの各ヒータ82,83L,83R,84L,84Rが同一のデューティ値(n)で制御される。
時刻t2において、赤外線温度センサ78による検出温度が145℃(目標温度160℃-15℃)に到達したため、中間ヒータ83及び端部ヒータ84に対して、デューティ比補正制御に移行して補正値α1,α2が用紙サイズA5用の値に変更され、更に図8、図9で説明した温度維持制御が同時に開始される。A5縦サイズの場合、補正値α1=60%、補正値α2=0%となる(表2参照)。従って、端部ヒータ84は、端部用デューティ値0(%)(式(3)参照)で制御されるため、端部ヒータ裏サーミスタ77の検出温度が低下し始める。
時刻t3において、端部ヒータ裏サーミスタ77の検出温度が100℃に達するが、左右の端部ヒータ84は、前記した図8に示すフローに基づいて温度維持制御され、100℃に達す毎にデューティ値20%の制御パターン(表1参照)での通電が行われるため(図9のステップS203の処理)、時刻t3以後においても、端部ヒータ裏サーミスタ77の検出温度が100℃未満となることはない。
図11は、(デューティ比補正制御+温度維持制御)によって、A5縦サイズの記録用紙40を印刷した後の定着ベルト71の表面の温度分布を、面状ヒータ81のメインヒータ82、中間ヒータ83、及び端部ヒータ84と対応させて示した温度分布図である。
同図に示すように、中間ヒータ83での非通紙領域において温度ピークが生じるが、不必要に加熱することはなく、幅狭記録媒体の印刷スループットが低下することはない。一方、端部ヒータ84に対応する定着ベルト71の両端部の温度は、端部ヒータ84に対する前記した温度維持制御によって80℃以上に保たれるため、80℃を下回ることによって、負荷トルクNGラインを超えたり、異音が発生するといった状態を回避している。
尚、同図には、記録用紙40の通過領域に対応するヒータを同じ条件で温度制御し、記録用紙の非通過領域に対応するヒータには通電しない場合(デューティ比補正制御のみの場合が相当する)の温度分布例を点線で示しているが、この場合、ベルトの両端部の温度が80℃以下に低下してしまう。
尚、ここでは中間ヒータ裏サーミスタ76や端部ヒータ裏サーミスタ77の検出温度が100℃以下になった場合、対応する中間ヒータ83や端部ヒータ84をデューティ値20%の制御パターンで通電し加熱するように制御したが、中間ヒータ裏サーミスタ76や端部ヒータ裏サーミスタ77の検出温度が100℃以下になった場合、その検出温度の目標温度を100℃とし、対応するヒータをPID制御するようにしてもよいなど種々の態様を取り得るものである。
次に、上記した(PID制御+デューティ比補正制御)や(PID制御+デューティ比補正制御+温度維持制御)によって定着器70を温度制御した場合においても、直面する更なる問題点について説明する。
図12は、幅狭な記録媒体(例えばA5横幅=210mm)を相当数連続印刷した後、幅広な記録媒体(例えばA4横幅=297mm)を印刷した場合の、定着ベルト71の表面温度分布変化の説明に供する図であり、図13は、幅狭な記録媒体(例えばA5横幅=210mm)を少数印刷した後、幅広な記録媒体(例えばA4横幅=297mm)を印刷した場合の、定着ベルト71の表面温度分布変化の説明に供する図である。
図12(a)に示すように、幅狭記録媒体を相当数連続印刷すると、長手方向に発熱領域を分割した面状ヒータ81を用いて、上記したような好適な温度制御を行った場合であっても、ある程度の定着ベルト71の端部(非通紙部)の表面温度上昇は避けられない。この状態で即幅広な記録媒体の印刷を実施すると、同図(b)に示すように、上昇した端部表面温度の影響でホットオフセットが発生する。
一方、図13(a)に示すように、幅狭記録媒体を少数印刷した場合、定着ベルト71の端部表面の温度はそれほど上昇しないが、逆に最端部(但し、幅広記録媒体は通過する領域)の温度が低すぎる。この状態で即幅広な記録媒体の印刷を実施すると、同図(b)に示すように端部温度が足りずコールドオフセットが発生する。
いずれの場合も、先行する幅狭記録媒体の印刷が終了した段階で、すでに定着ベルト71の中央表面部、即ち赤外線温度センサ78の温度検出値としては、「次のジョブが印刷開始可能」と判定されるため、上記の問題を解決するには、この温度判定とは別の処理が必要になる。
例えば、幅狭記録媒体の連続印刷後は、定着ベルト71端部温度が低下するまで、逆に幅狭記録媒体の少数印刷後は、定着ベルト71端部温度が上昇するまで、それぞれ十分な待ち時間を設ければホットオフセット又はコールドオフセットを防止できるが、この場合、幅広な記録媒体の印刷出力までかなりの時間が掛かってしまう場合があり、ユーザーにとっては不便であった。
本発明は、以上の問題点を鑑みて成されたものであり、通常は、例えば上記した(デューティ比補正制御+温度維持制御)に基づいて温度制御している中間ヒータ83及び端部ヒータ84を、幅狭印刷から幅広印刷への切り替え時に限り、一時的に独立制御とする「サイドヒータウォームアップ制御」に切り替える。
以下に、「サイドヒータウォームアップ制御」について説明する。尚、ここではA5横置印刷からA4横置印刷に切り替える場合を例にして説明する。
図14は、定着制御部101が行う、サイドヒータウォームアップ制御の流れを示すフローチャートであり、図15は、図14のフローチャートに対応したタイムチャートである。尚、表3-1~表3-4は、フローチャート及びタイムチャート内の変数の内容を示した表である。
Figure 0007127403000003
Figure 0007127403000004
Figure 0007127403000005
Figure 0007127403000006
表3-4に示す[1]~[4]の内容は、以下の通りである。
[1]中間ヒータ裏サーミスタ76の検出温度とメインヒータ裏サーミスタ75の検出温度の温度差がTht_th1[℃]以下
[2]端部ヒータ裏サーミスタ77の検出温度とメインヒータ裏サーミスタ75の検出温度の温度差がTht_th1[℃]以下
[3]第1~第3のBUサーミスタ91,92,93の検出温度が、温度差Tbu_th1[℃]以内
[4]サイドヒータウォームアップ時間のタイムリミット
図14のフローチャートに示すように、サイドヒータウォームアップ制御は、前ジョブの幅狭記録媒体を印刷する幅狭印刷が進行している段階で開始され(ステップS301)、前ジョブの最終ページの転写が開始されたか否かを監視する(ステップ302、No)。転写開始の判定は、例えば書き出しセンサ33(図1)において、記録媒体としての記録用紙40が検出されてから所定時間経過したか否かで行う。転写が開始されると(ステップ302、Yes)、定着ベルト71の端部の高温判定を行うステップS303に移行する。
尚、図15のタイムチャートに示すように、ステップS303に移行する時刻t1までの[経過1]では、メインヒータ82は、式(1)で算出されたメインデューティ値(デューティ値(n))によるPID制御が行われ、中間ヒータ83は、(2)式で算出される中間用デューティ値(n)によるデューティ比補正制御が行われ、端部ヒータ84は、ここでは(3)式で算出される端部用デューティ値(n)によるデューティ比補正制御+温度維持制御が行われる。
即ち、ここでは前記したように、式(3)のα2が0%となって温度が低下してしまうため、前記したように図9のフローに基づく温度維持制御により、端部ヒータ裏サーミスタ77の温度が100℃以下とならないように維持されている。
ステップS303では、一制御周期(100msec)毎に、
検出温度差1=(中間ヒータ裏サーミスタ76の検出温度
-メインヒータ裏サーミスタ75の検出温度)
検出温度差2=(端部ヒータ裏サーミスタ77の検出温度
-メインヒータ裏サーミスタ75の検出温度)
及び、第1、第2、第3のBUサーミスタ91,92,93の各BU検出温度
を監視する。
ここで、
検出温度差1及び検出温度差2>Tht_high1(表3-1参照) 又は
各BU検出温度>Tbu_high1(表3-1参照)
の場合、
定着ベルト71の端部が高温だと判定し(ステップS303、Yes)、中間ヒータ83及び端部ヒータ84に対してデューティ比補正制御を行う(ステップS304)。
一方、
検出温度差1又は検出温度差1≦Tht_high1 且つ、
各BU検出温度≦Tbu_high1
の場合、
定着ベルト71の端部が高温ではないと判定し(ステップS303、No)、中間ヒータ83においては、中間ヒータ裏サーミスタ76の検出温度に基づくPID制御を行い、端部ヒータ84においては、端部ヒータ裏サーミスタ77の検出温度に基づくPID制御を行う(ステップS305)。この場合、目標温度は、
目標温度=メインヒータ裏サーミスタ75の検出温度(現在値)
-Tside_offset(表3-2参照)
とする。
一制御周期毎に行われる上記したステップS303~ステップS305までの処理は、幅狭印刷である前ジョブが終了するまで続行される(ステップS306、No)。ステップS306における終了判定は、例えば排出センサ34(図1)において、検出されている記録用紙40が検出されなくなったか否かで行い、終了と判定した場合(ステップS306、Yes)、ステップS307に移行する。
尚、ステップS302やステップS306の判断は、例えば、書き出しセンサ33や排出センサ34の情報を受信する印刷制御部201から送信される動作タイミングを受けて実施されるものである。
尚、図15のタイムチャートに示すように、ステップS307に移行する時刻t2までの[経過2]では、定着ベルト71の端部の温度が低いと判定されるため、中間ヒータ83及び端部ヒータ84が、PID制御により、メインヒータ裏サーミスタ75の検出温度(現在値)より20℃低い目標温度となるように独立制御される。
ステップS307では、第1~第3BUサーミスタ91,92,93のうち、最も高温の値をTbu_maxとして記憶し、テーブルを参照して最大値Tbu_maxに対応する空転時間t_rollを取得する(ステップS308)。表3-3には、このテーブルに記憶された対応値が列記されている。同表に示すように、最大値Tbu_maxが高いと、空転時間が長くなる。
続いて中間ヒータ83及び端部ヒータ84を、PID制御する(ステップS309)。即ち、中間ヒータ83については、中間ヒータ裏サーミスタ76の検出温度が、現在のメインヒータ裏サーミスタ75の検出温度(目標温度)となるようにPID制御し、端部ヒータ84については、端部ヒータ裏サーミスタ77の検出温度が、現在のメインヒータ裏サーミスタ75の検出温度(目標温度)となるようにPID制御し、サイドヒータウォームアップを開始する。
ステップS309におけるPID制御は、下記する所定の条件が満たされるまで続行される(ステップS310、No)。ステップS310での判定は、表3-4に基づいて次のようにして行われる。即ち判定は、
(1)中間ヒータ裏サーミスタ76とメインヒータ裏サーミスタ75の、各検出温度差がTht_th1(表3-4参照)以下となる(一度でも満たせばよい)、
(2)端部ヒータ裏サーミスタ77とメインヒータ裏サーミスタ75の、各検出温度差がTht_th1(表3-4参照)以下となる(一度でも満たせばよい)、
(3)第1~第3BUサーミスタ91,92,93の、全ての検出温度の相互の温度差がTbu_th1(表3-4参照)以下となる(一度でも満たせばよい)、
(4)サイドヒータウォームアップ時間が、タイムアウト時間t_tout(表3-4参照)を経過する、
の上記(1)から(3)までのすべての項目を満たすウォームアップ完了か、或は上記(4)のタイムアウトが生じた場合、条件を満たしたと判定し(ステップS310、Yes)、ステップS311に移行する。
尚、図15のタイムチャートでは、ステップS310に移行する時刻t3までの[経過3]において、タイムアウト時間t_tout(40s)に至る前の時刻t3に、上記(1)~(3)の項目をすべて満たすウォームアップが完了した場合の例を示している。また、ステップS307でのTbu_maxの取得は、時刻t2の直後に行われる。
ステップS311では、中間ヒータ83及び端部ヒータ84の制御方法を、前記したデューティ比補正制御に戻し、定着器70の空転を開始すると同時に空転時間のカウントを開始する(ステップS312)。
また、ステップS312による空転は、以下の理由により実施する。即ち、バックアップローラ72(図2)が高温の場合、定着ベルト71(図2)の熱が奪われないため、ヒータの駆動デューティ値は下がる傾向となる。それによって、幅狭印刷媒体の連続印刷によって生じる局所的な高温部(ホットオフセット発生のおそれがある箇所)の温度が均され難くなる。
この対策として、ステップ307及びステップS308によって、バックアップローラ72の温度に応じて、表3-3に示す基準に従って空転時間を取得し、取得した空転時間だけバックアップローラ72を回転する空転処理を実施し、定着ベルト71の表面温度を均す。
空転時間が、設定されたT_roll(表3-3参照)だけ経過したか否かを監視し(ステップS313、No)、経過した場合(ステップS313、Yes)、次のジョブである幅広印刷、ここではA4横置印刷を開始し(ステップS314)、サイドヒータウォームアップ制御を終了する。
尚、図15のタイムチャートに示すように、ステップS314に移行する時刻t4までの[経過4]では、中間ヒータ83及び端部ヒータ84の制御方法を、前記したデューティ比補正制御に戻した上で、所定時間(T_roll)だけ、定着器70の空転処理が行われる。これにより、バックアップローラ72の表面温度が、より均一化されている。
図16は、幅狭印刷から幅広印刷への切り替え時に、図14のフローチャートによるサイドヒータウォームアップ制御を行った場合の、定着ベルト71の表面温度分布の説明に供する図である。同図(a)は、図12で説明したように幅狭記録媒体(ここではA5横幅=210mm)を相当数連続印刷した時の定着ベルト71の表面温度分布を示し、同図(b)は、図13で説明したように幅狭記録媒体を少数印刷した時の定着ベルト71の表面温度分布を示し、同図(c)は、これらの幅狭印刷から、幅広な記録媒体(ここではA4横幅=297mm)を印刷する幅広印刷へ切り替えた時の、定着ベルト71の表面温度分布を示す。
図16(c)に示すように、サイドヒータウォームアップ制御を行った場合、同図(a)に示すように、幅狭記録媒体を相当数連続印刷した後であっても、また同図(b)に示すように、幅狭記録媒体を少数印刷した後であっても、幅狭印刷から幅広印刷へ切り替えて印刷する際には、長手方向における印刷範囲の全域において、定着ベルト71の表面温度分布が略一定になっている。
尚、図12及び図13において説明したように、サイドヒータウォームアップ制御を行わない場合、幅狭記録媒体を相当数連続印刷した後、幅広印刷へ切り替えて印刷する際には、図12(b)で説明したように上昇した端部表面温度の影響でホットオフセットが発生し、幅狭記録媒体を少数印刷した後、幅広印刷へ切り替えて印刷する際には、図13(b)で説明したように端部温度が足りずコールドオフセットが発生した。
ここでは、幅狭印刷から幅広印刷への切り替え時にサイドヒータウォームアップ制御を行った例を示したが、前後する印刷ジョブにおいて、長手方向の記録媒体のサイズが、同じかそれ以下に移行する場合は、次の印刷ジョブの給紙を開始する時点で、記録媒体に対する、定着ベルト71の長手方向の表面温度分布がすでに略均一になっているため、サイドヒータウォームアップ制御を行う必要はない。
尚、本実施の形態で示した計算式の中で使用する係数や補正値、各種寸法、及び温度センサの種類や個数等はあくまで一例であって、実際には画像形成装置のサイズ(A4、A3、その他)や想定される周囲環境条件、主な記録媒体の種類等によって最適化することが望ましい。
例えば面状ヒータ81の発熱領域は、本実施の形態では5分割した例を示したが、これに限定されるものではなく、例えばメインヒータ82及び左右の端部ヒータ84の2系統に3分割しても良いし、逆に5分割より多い分割数としても良い。また、温度センサ(ヒータ裏サーミスタ76~77、BUサーミスタ91~93)の設置位置は、図2に示したように一方の側に集中させず、記録媒体の片寄りを検出できるように両側に設置しても良いなど、種々の態様を取り得るものである。
以上のように、本実施の形態1の定着装置によれば、前後する印刷ジョブにおいて、幅狭印刷から幅広印刷に移行する場合に、ホット又はコールドオフセットが発生することなく、且つ幅広印刷を速やかに実行することが可能となる。
また、前記した特許請求の範囲、及び実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」といった言葉を使用したが、これらは便宜上であって、画像形成装置を配置する状態における絶対的な位置関係を限定するものではない。
上記した実施の形態では、本発明を、カラープリンタとしての画像形成装置に採用した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、定着器を備える、複写機、ファクシミリ、MFP等の画像処理装置にも利用可能である。またカラープリンタについて説明したが、モノクロプリンタであってもよい。
1 画像形成装置、 10 給紙カセット、 10b 増設カセット、 21 ホッピングローラ、 21b ホッピングローラ、 31 レジストローラ対、 31b レジストローラ対、 32 搬送ローラ対、 33 書き出しセンサ、 34 排出センサ、 36 排出ローラ対、 37 排出ローラ対、 40 記録用紙、 50 現像ユニット、 52 感光体ドラム、 53 帯電ローラ、 54 現像ローラ、 55 トナー供給ローラ、 56 クリーニングブレード、 57 LEDヘッド、 60 転写部、 61 転写ベルト、 62 ドライブローラ、 63 テンションローラ、 67 転写ローラ、 70 定着器、 71 定着ベルト、 72 バックアップローラ、 73 熱拡散部材、 75 メインヒータ裏サーミスタ、 76 中間ヒータ裏サーミスタ、 77 端部ヒータ裏サーミスタ、 78 赤外線温度センサ、 81 面状ヒータ、 82 メインヒータ、 83L 左中間ヒータ、 83R 右中間ヒータ、 84L 左端部ヒータ、 84R 右端部ヒータ、 91 第1BUサーミスタ、 92 第2BUサーミスタ、 93 第3BUサーミスタ、 101 定着制御部、 102 商用電源、 103 トライアック、 104 トライアック、 105 トライアック、 106 トライアック駆動回路、 106d 第1入力端子、 106e 第2入力端子、 106f 第3入力端子、 201 印刷制御部、 202 給紙モータ、 203 ベルトモータ、 204 IDモータ、 205 定着モータ、 206 高圧回路、 210 増設カセット制御部、 211 増設力セット給紙モータ。


Claims (10)

  1. 無端状の定着部材と、
    前記定着部材とニップ部を形成する加圧部材と、
    前記定着部材の内側において該定着部材の幅方向に複数配列され、それぞれが該定着部材の対向する領域を加熱する複数の部分ヒータと、
    前記部分ヒータの温度を検出する複数の温度センサと、
    前記複数の部分ヒータに電力供給して、加熱制御する通電駆動制御部と
    を備え、
    前記通電駆動制御部は、前記幅方向において、記録媒体の通紙領域に対向しない前記部分ヒータに対する電力供給量の割合を、前記通紙領域に対向する前記部分ヒータに対する電力供給量の割合より小さくなるように制御し、
    前記幅方向において、幅の異なる記録媒体を前後して印刷する際に、より幅の狭い前記記録媒体からより幅の広い前記記録媒体を印刷する前に、少なくとも前記より幅の狭い記録媒体の通紙領域に対向しない前記部分ヒータを、該部分ヒータの温度を検出する前記温度センサの検出温度が所定の温度となるように独立に温度制御する温度準備期間を設け、
    前記部分ヒータは、
    前記より幅の狭い記録媒体と対向する領域の加熱に用いる第1のヒータと、
    前記より幅の狭い記録媒体に対向しない領域の端部側に配置される第3のヒータと、
    前記第1のヒータと前記第3のヒータの間に配置される第2のヒータとを備え、
    前記温度センサは、
    前記第3のヒータよりも前記第1のヒータ側の温度を検出する第1の温度センサと、
    前記第1のヒータよりも前記第3のヒータ側の温度を検出する第3の温度センサと、
    前記第1のヒータと前記第3のヒータから離れた位置で前記第2のヒータ側の温度を検出する第2の温度センサとを備え、
    前記通電駆動制御部は、前記温度準備期間において、
    前記第2の温度センサの検出温度と前記第1の温度センサの検出温度の差、及び前記第3の温度センサの検出温度と前記第1の温度センサの検出温度の差が共に第1の設定温度を超える場合、
    前記定着部材の表面と対向して設置された赤外線温度センサの検出温度を用いて、前記第2のヒータ及び前記第3のヒータに対する電力供給量の割合を、前記第1のヒータに対する電力供給の割合より小さくするように温度制御することを特徴とする定着装置。
  2. 前記通電駆動制御部は、前記温度準備期間において、前記赤外線温度センサの検出温度を用いて、前記第2のヒータ及び前記第3のヒータに対する電力供給量の割合を、前記第1のヒータに対する電力供給の割合より小さくするように制御した後、
    前記第2の温度センサの検出温度と前記第1の温度センサの検出温度の差、又は前記第3の温度センサの検出温度と前記第1の温度センサの検出温度の差が前記第1の設定温度以下で、且つ前記加圧部材の温度を検出する第4の温度センサの検出温度が第2の設定値以下の場合、
    前記第2のヒータの温度制御を前記赤外線温度センサの検出温度から前記第2の温度センサの検出温度を用いた温度制御とし、前記第3のヒータの温度制御を前記赤外線温度センサの検出温度から前記第3の温度センサの検出温度を用いた温度制御とし、それぞれ独立に温度制御することを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記温度準備期間は、前記より幅の狭い記録媒体を印刷する印刷ジョブの最終ページの転写開始に同期する第1のタイミングから、前記最終ページの定着処理の終了に同期する第2のタイミングまでの第1の経過期間を含むことを特徴とする請求項2記載の定着装置。
  4. 前記温度準備期間は、前記第2のタイミングから、前記第1の温度センサの検出温度と前記第2の温度センサの検出温度との差、及び前記第1の温度センサの検出温度と前記第3の温度センサの検出温度との差が所定の関係となった後の第3のタイミングまでの第2の経過期間を含むことを特徴とする請求項3記載の定着装置。
  5. 前記温度準備期間は、前記第2のタイミングから、第1の所定時間だけ経過した第3のタイミングまでの第2の経過期間を含むことを特徴とする請求項3記載の定着装置。
  6. 前記温度準備期間は、前記第3のタイミングから、第2の所定時間だけ前記定着部材と前記加圧部材とを空駆動する第4のタイミングまでの第3の経過期間を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の定着装置。
  7. 前記通電駆動制御部は、前記第1の経過期間において、前記第1の温度センサの検出温度と前記第2の温度センサの検出温度との差、及び前記第1の温度センサの検出温度と前記第3の温度センサの検出温度との差が所定の温度差となるように、前記第2のヒータ及び前記第3のヒータを個別に温度制御することを特徴とする請求項3記載の定着装置。
  8. 前記第4の温度センサは、
    前記加圧部材の、前記幅方向における前記第1のヒータに対応する領域の温度を検出する第1のバックアップサーミスタと、
    前記加圧部材の、前記幅方向における前記第2のヒータに対応する領域の温度を検出する第2のバックアップサーミスタと、
    前記加圧部材の、前記幅方向における前記第3のヒータに対応する領域の温度を検出する第3のバックアップサーミスタと
    を備え、
    前記第3のタイミングは、前記第1のバックアップサーミスタ、前記第2のバックアップサーミスタ、及び前記第3のバックアップサーミスタの、全ての検出温度の相互の温度差が所定の温度差以内となった後のタイミングであることを特徴とする請求項4記載の定着装置。
  9. 前記第4の温度センサは、
    前記加圧部材の、前記幅方向における前記第1のヒータに対応する領域の温度を検出する第1のバックアップサーミスタと、
    前記加圧部材の、前記幅方向における前記第2のヒータに対応する領域の温度を検出する第2のバックアップサーミスタと、
    前記加圧部材の、前記幅方向における前記第3のヒータに対応する領域の温度を検出する第3のバックアップサーミスタと
    を備え、
    前記第3の経過期間では、前記第1のヒータ以外の独立した温度制御を終了し、前記第2の所定時間を、前記第2のタイミングで検出した前記第1のバックアップサーミスタ、前記第2のバックアップサーミスタ、及び前記第3のバックアップサーミスタの、全ての検出温度の最高温度に応じて設定することを特徴とする請求項6記載の定着装置。
  10. 請求項1から9までの何れかの定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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