JP2011112820A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】感光体ドラム(18)の表面に帯電や露光を経て形成された潜像をトナーで現像してトナー像を形成する画像形成装置(1)であって、感光体ドラムの表面に対峙した転写面を有し、このトナー像が転写される転写ベルト(12)と、この転写ベルトに施されており、当該転写ベルトの転写面に研磨剤を供給して感光体ドラムの磨耗を促進させ、この感光体ドラムの未使用時点の表面性に起因した帯電特性の劣化状態を解消させるV字現象解消手段(70,93)とを具備する。
【選択図】図2
Description
このように、感光体ドラムが未使用状態から脱するまでは表面電位が著しく低下するので、当該V字現象を鑑みた運転条件などの調整が必要になるが、上記従来の技術では、クリーニングブレードのエッジがドラムに接触するのみである。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消し、未使用状態に近い感光体ドラムの帯電特性の劣化状態を速やかに解消できる画像形成装置を提供することである。
そして、感光体ドラムの表面に対峙した転写面を有し、このトナー像が転写される転写ベルトと、この転写ベルトに施されており、当該転写ベルトの転写面に研磨剤を供給して感光体ドラムの磨耗を促進させ、この感光体ドラムの未使用時点の表面性に起因した帯電特性の劣化状態を解消させるV字現象解消手段とを具備する。
ここで、本発明は、未使用状態に近い感光体ドラムでは帯電特性が劣化するV字現象に着目したものである。
第2の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、未使用状態の転写ベルトの研磨作用を改善することができる。転写ベルトが使用状態にある場合には、その転写面に研磨剤が多く付着しており、この研磨剤で感光体ドラムの表面を研磨できる。一方、初期ベルトの状態、例えば、転写ベルトが新たに交換された場合など、未使用状態の転写ベルトでは、この研磨剤の付着を期待できず、感光体ドラムの表面の磨耗を促進できない懸念がある。しかしながら、V字現象解消手段が、未使用状態の転写ベルトに対してその転写面に研磨剤を供給すれば当該懸念もない。
第3の発明によれば、第1や第2の発明の作用に加えてさらに、転写ベルトへの研磨剤の供給は、初期ドラムの状態では実施するのに対し、耐久ドラムの状態では禁止され、この耐久ドラムの磨耗の進行は遅くされている。よって、感光体ドラムの長寿命化を達成でき、良好な画像形成を長期間に亘って行える。
第4の発明によれば、第1から第3の発明の作用に加えてさらに、金属酸化物の研磨剤を用いれば、初期ドラムの磨耗は確実に速くなる。
第5の発明によれば、第1から第4の発明の作用に加えてさらに、有機系の感光層を有した感光体ドラムを組み合わせることで、有効な研磨作用を発揮することができる。また、有機系の感光層を有した感光体ドラムは安価で大量生産が容易である。しかし、その表面は極めて平滑であり、その表面平滑性が初期ドラムに大きな影響を及ぼす一方、特に削られ易く、その磨耗が耐久ドラムに大きな影響を及ぼす懸念があるが、上記V字現象解消手段を備えれば、この感光体ドラムの特性を長期間に亘って維持可能になり、特に顕著な効果を奏する。
第6の発明によれば、第1から第5の発明の作用に加えてさらに、接触帯電式の帯電器を使用した場合においてより効果的である。接触帯電式の帯電器は、コロナ放電式の帯電器による場合に比してオゾンや窒素酸化物が生じないため、画像品質の向上を図ることができるものの、初期ドラムの帯電特性が顕著に劣化する。しかし、上述したV字現象解消手段を備えれば、接触帯電式の帯電器を用いても所望の表面電位を得ることができ、画像形成時における帯電電流の補正も不要になる。
図1には、画像形成装置の一例であるカラー印刷可能なプリンタ1の構造が概略的に示されている。同図に示された断面はプリンタ1の左側面からみたものである。このため、プリンタ1の前面は同図中の右側に、背面は左側にそれぞれ位置する。
また、この装置本体2の下方には給紙カセット4が配置され、その収容部40には、枚葉の用紙が積層された状態で収納されている。同図でみて収容部40の右上方には給紙ローラ46が設けられる。
また、給紙カセット4は、プリンタ1の前面側、つまり、図1において右方向に向けて引き出し可能に構成されており、この引き出した状態にて、収容部40に新たな用紙を補充したり、用紙を別の種類の用紙に入れ替え可能となる。
画像形成部16には4個の画像形成ユニット17が並設され、各ユニット17には感光体ドラム18がそれぞれ設けられている(図1,3)。この感光体ドラム18は回転自在に設置され、図示しない駆動モータによって図1,3の時計回りにそれぞれ駆動する。
また、この感光体ドラム18と給紙カセット4との間には露光部15が備えられており(図1)、この露光部15からは、レーザ光が各感光体ドラム18に向けてそれぞれ照射される。そして、これら図1,3に示されるように、各感光体ドラム18の周囲の適宜位置には、帯電器20、現像器24、中間転写ローラ13やクリーニング部50がそれぞれ設けられている。
なお、この図3の参照符号26はギャップ規制コロである。当該ギャップ規制コロ26は、現像ローラ25の両端に設けられており、感光体ドラム18に連れ回って現像ローラ25と感光体ドラム18とのギャップを設定する。
また、用紙搬送方向でみて2次転写部30の下流側には、定着部32、排出分岐部34及び排紙トレイ36が順番に配置されている。
ここで、本実施例のトナーには、微量の研磨剤(酸化チタン、シリカ、アルミナなどの金属酸化物)が添加されている。上記のクリーニング部50は、図3に示されるように、感光体ドラム18の回転方向でみて中間転写ローラ13との転写位置の下流側にて、この感光体ドラム18に向けて開口したハウジング51を備えており、このハウジング51の適宜位置に、クリーニングブレード52やトナー回収部80を有している。
詳しくは、トナー回収部80は、ハウジング51の底面近傍にスクリュー88を有する。このスクリュー88は、図3でみてクリーニングブレード52の右側に設置されており、感光体ドラム18の回転軸線方向に沿って延び、その先端が図示しない駆動モータに連結されている。そして、この駆動モータが駆動すると、ハウジング51内の残留トナー等は、スクリュー88を経由して回収容器に集められる。
本実施例のクリーニング部70は、中間転写ベルト12と2次転写ローラ31との圧接位置とは反対側に設けられている(図1)。
より具体的には、このクリーニング部70は、転写ベルト12の走行方向でみてプリンタ1の背面側に配置されたマゼンタ用の画像形成ユニット17の上流側に設けられ、クリーニングローラやスクレーパ等を有する。
これにより、このクリーニングローラは、転写ベルト12の転写面に付着した研磨剤を含む残留トナーや用紙から出た紙粉などを除去し、この転写ベルト12の転写面を清掃する。また、当該スクレーパはクリーニングローラに接触して掻き取っており、このクリーニングローラから掻き取られたトナーなどは、例えば送りローラを用いて別の回収容器に集められる。
本実施例では、クリーニング部70の上記クリーニングローラ近傍に、研磨剤補給部71が設置されており、この研磨剤補給部71の容器は、上記研磨剤をクリーニングローラの周壁に供給可能な開口を有している。
詳しくは、コントローラ90は、初期状態判定部92や研磨実行部(V字現象解消手段)93を有する。
図4を参照すると、コントローラ90による磨耗促進制御のフローチャートが示されている。以下、プリンタ1の本発明に係る作用について説明する。
そして、例えば計5,000枚分の出力が終了した旨を判定した場合には、感光体ドラム18の表面電位が下降して帯電特性が劣化しつつある初期ドラムと擬制できるため、YESと判定してステップS402に進む。
そして、初期状態判定部92は、初期ベルト、例えば新たな中間転写ベルト12に交換されて間もない場合であり、当該状態の中間転写ベルト12が感光体ドラム18に接触してもその表面電位を低下させるときにはYESと判定してステップS403に進み、研磨実行部93は磨耗促進制御を実行する。
詳しくは、各感光体ドラム18に対し、イレーサランプ19が点灯し(図3)、帯電器20が感光体ドラム18の表面をそれぞれ帯電する。
各トナー像は中間転写ベルト12に重ね合わされ(1次転写)、2次転写部30にて用紙に2次転写される。なお、感光体ドラム18の表面に残留したトナーはクリーニング部50で除去され、また、中間転写ベルト12の転写面に残留したトナーは上述したクリーニング部70で除去される。
この片面印刷に対し、両面印刷を行う場合には、定着部32から排出された用紙は、排出分岐部34でその搬送方向が切り替えられる。
ところで、上述の初期状態判定部92では、印字枚数を計測して感光体ドラム18の使用状態を判別しているが、必ずしもこの例に限定されるものでなく、例えば、感光体ドラム18の表面電位をモニタしておき、この検出結果に基づいて初期ドラムの状態や耐久ドラムの状態を判別することもできる。
ここで、仮にシリコン化合物を添加し、少ない印字枚数で磨耗し易い性質を有した単層のOPCドラムを選択しても、従前の中間転写ベルト12のみでは、印字枚数が約20,000枚に達するまでは感光体ドラム18の表面、より具体的には、帯電の際に生じたガスに曝され、酸化劣化する極表層部分は削れ難い。
より具体的には、感光体ドラム18の想定される使用期間(耐久保証)の約1/10程度の期間が経過、例えば印字枚数が約10,000枚に達するまで、若しくは、この感光体ドラム18の表面が約1〜2μm(1μm=1×10−6m)ほど磨耗するまでは、その表面電位が低下し続けて最小値に達する。これが初期ドラムの特徴である。その後、この表面電位は上昇に転じてこの初期ドラムから耐久ドラムの状態に移行する。続いて、その表面電位がさらに上昇して例えば印字枚数が約50,000枚に達すると所望の値に回復する。
さらにまた、酸化チタン等の研磨剤を用いれば、初期ドラムの磨耗は確実に速くなる。
例えば、上記実施例では、画像形成装置としてプリンタに具現化した例を示しているが、本発明の画像形成装置は、複合機、複写機やファクシミリ等にも当然に適用可能である。
12 中間転写ベルト(転写ベルト)
18 感光体ドラム
20 帯電器
70 クリーニング部(V字現象解消手段)
93 研磨実行部(V字現象解消手段)
Claims (6)
- 感光体ドラムの表面に帯電や露光を経て形成された潜像をトナーで現像してトナー像を形成する画像形成装置であって、
前記感光体ドラムの表面に対峙した転写面を有し、前記トナー像が転写される転写ベルトと、
この転写ベルトに施されており、当該転写ベルトの転写面に研磨剤を供給して前記感光体ドラムの磨耗を促進させ、この感光体ドラムの未使用時点の表面性に起因した帯電特性の劣化状態を解消させるV字現象解消手段と
を具備することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記V字現象解消手段は、未使用状態の転写ベルトに対し、その転写面に研磨剤を供給することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2に記載の画像形成装置であって、
前記V字現象解消手段は、前記転写ベルトへの研磨剤の供給を、前記帯電特性が劣化する初期状態から前記帯電特性が回復する耐久状態に移行するに伴って禁止することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記研磨剤は、金属酸化物であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記感光体ドラムは、その表面に有機系の感光層を有した感光体ドラムであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記感光体ドラムの表面に接触して帯電させる帯電器をさらに具備することを特徴とする画像形成装置。
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