JP2011112108A - 雄ネジ付き継手 - Google Patents

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Tamotsu Matsunaga
保 松永
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Abstract

【課題】トルクゲージを使用しなくても締め込み作業を適正に且つ効率よく行うことができる雄ネジ付き継手を提供することを目的とする。
【解決手段】雄ネジ付き継手1は、雄ねじ3の軸3aにおいてOリング5と環状溝4の根元側の内壁面4aとの間に、感圧発色シート6が目視可能な状態で挟まれている。そして、感圧発色シート6は、雌ネジ付き継手11の雌ネジ13内に雄ネジ3が適正な締め込みトルクで締め込まれたときに、雌ネジ13の先端からOリング5を介して感圧発色シート6にかかる押圧力Aによって発色する。
【選択図】図4

Description

本件発明は、雄ネジ付き継手に関する。
従来、給水ラインの施工においては、例えば、給水本管に給水管を分岐させ、この給水管に雌ネジ付き継手を接合し、この雌ネジ継手に水栓機器の雄ネジ付き継手を接続する形態がとられている(特許文献1参照)。
雄ネジ付き継手には、各種類毎に適正な締め込みトルクが設定されている。したがって、作業者は、締め込み作業の前にカタログ等で適正な締め込みトルクを確認する。そして、締め込み作業をしながらトルクゲージを用いて締め込みトルクを測定し、その測定値が適正になったときに締め込み作業を終了するようにしている。
特開平10−311466号公報
しかしながら、作業者にとって、締め込み作業の際にトルクゲージを使用するのは面倒である。また、1回の施工で多くの種類の雄ネジ付き継手を使用する場合には、各種類毎に適正な締め込みトルクを確認し、トルクゲージで測定しながら締め込み作業の終了を判断しなければならない。
そこで、作業者は、締め込み作業の効率を上げるために締め込み作業を感覚にたよって行うことになる。しかし、締め込み作業を感覚にたよって行うと、締め込みトルクにばらつきが生じ、締め込みが不十分になる場合がある。また、樹脂製と金属製のネジ付き継手を接続する場合には、締め込みが強くなると樹脂製の方のネジ山が破損してしまう。
本件発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、トルクゲージを使用しなくても、締め込み作業を適正に且つ効率よく行うことができる雄ネジ付き継手を提供することを目的とする。
そこで、本件発明者等は、鋭意研究の結果、前記課題を解決するために以下のような雄ネジ付き継手を採用した。
本件発明の雄ネジ付き継手は、雄ネジの軸にOリング用の環状溝が設けられ、この環状溝にOリングが嵌合され、このOリングと前記環状溝の根元側の内壁面との間に感圧発色シートが目視可能な状態で挟まれたものであり、
前記感圧発色シートは、雌ネジ付き継手の雌ネジ内に前記雄ネジの軸が適正な締め込みトルクで締め込まれたときに前記雌ネジの先端から前記Oリングを介して当該感圧発色シートにかかる押圧力により発色することを特徴としている。
ここで、前記感圧発色シートを、前記環状溝の全周にわたって設けることが好ましく、具体的には前記雄ネジの軸が挿通するようにリング状に形成するのが好ましい。
また、前記Oリングは、前記感圧発色シートとの接触面を平面状に形成するのが好ましい。また、前記環状溝の内底面からの前記接触面の高さと前記感圧発色シートの高さを同じ高さにするのが好ましい。
本件発明の雄ネジ付き継手では、適正な締め込みトルクに基づいて感圧発色シートが発色するようにした。したがって、作業者は、この感圧発色シートの発色を視認することで締め込み作業を終了することができる。よって、本件発明の雄ネジ付き継手は、トルクゲージを使用しなくても締め込み作業を適正に行うことができる。また、感圧発色シートを用いることにより、適正な締め込みトルクを確認する必要がないので、1回の施工で多くの種類の雄ネジ付き継手を使用する場合でも、締め込み作業を効率よく行うことができる。そして、樹脂製と金属製のネジ付き継手を接続する場合には、樹脂製の方のネジ山の破損を防ぐことができる。
本件発明の一実施の形態を示す雄ネジ付き継手の左側面図である。 図1からシールテープ、Oリング、感圧発色シートを除いた図である。 同実施の形態を示す雄ネジ付き継手の要部の縦断面図である。 同実施の形態の雄ネジ付き継手と雌ネジ付き継手との接続状態を示す図である。 本件発明の他の実施の形態の雄ネジ付き継手と雌ネジ付き継手との接続状態を示す図である。
以下、本件発明の実施の形態を図にしたがって説明する。
図1は、本件発明の一実施の形態を示す雄ネジ付き継手1の左側面図である。この雄ネジ付き継手1は水栓機器に設けられており、給水管に接合されている雌ネジ付き継手11(図4参照)に接続するために使用されるものである。この雄ネジ付き継手1は樹脂製であり、継手本体2の先端に雄ネジ3が接合されている。
雄ネジ3の軸3aは、先端に向かって幅狭くなるようにテーパ状に形成されている。この軸3aには、環状溝4、Oリング5、感圧発色シート6、シールテープ7が設けられている。
環状溝4は、Oリング5が嵌合される部分である。図2に示すように、この環状溝4は、軸3aの中間よりも根元側の部分で周方向に設けられている。環状溝4の幅は、例えば約2mmに設定されている。また、環状溝4は、ネジ溝3bよりも深く設定されている。なお、環状溝4は、雄ネジ3の締め込み量を確保するために、一般的に軸3aの中間から根元にかけての範囲に設けるのが好ましい。
Oリング5は、図4に示すように、雄ネジ付き継手1と雌ネジ付き継手11とが接続したときに水密を確保するものである。このOリング5は、図1に示すように環状溝4に嵌合されている。また、Oリング5の周面5aはテーバ状に形成されている。また、図3に示すようにOリング5は、断面形状が四角形状であり、ネジ山3cよりも高く形成されている。
感圧発色シート6は、図1や図3に示すように、Oリング5と環状溝4の根元側の内壁面4aとの間に目視可能な状態で挟まれている。この感圧発色シート6は、環状溝4の全周にわたって設けられている。具体的には、この感圧発色シート6はリング状に形成されており、中央部分の取付穴6aに雄ネジ3の軸3aが挿通されている。
ここで、感圧発色シート6の取付方法について説明しておく。作業者は、最初に、感圧発色シート6の取付穴6aに軸3aを通す。そして、感圧発色シート6を軸3aの根元側に移動させていき、環状溝4の根元側の内壁面4aに当てて配置する。次に、作業者は、Oリング5に軸3aを通す。そして、Oリング5を軸3aの根元側に移動させていき、Oリング5を感圧発色シート6に当てて感圧発色シート6を内壁面4aに押し付ける。このようにして、感圧発色シート6は、Oリング5と内壁面4aとの間で挟まれた状態になる。
そして、図3に示すように、環状溝4の内底面4bからの感圧発色シート6の高さ6hと、内底面4bからのOリング5の接触面5bの高さ5hは同じ高さに設定されている。ここで接触面5bとは、Oリング5において感圧発色シート6に接触している面である。
また、この感圧発色シート6は、図示しないが、シート状の基材にマイクロカプセルが塗布されたものである。このマイクロカプセルには、顔料や染料が封入されている。また、シールテープ7は、雄ネジ3の軸3aにおいて、環状溝4よりも先端側の部分に巻かれている。
そして、雄ネジ付き継手1は、作業者によって、図4に示すように雌ネジ付き継手11の雌ネジ13内に雄ネジ3が締め込まれていくと、雌ネジ13の先端からOリング5を介して感圧発色シート6に押圧力が徐々にかかっていく。そして、締め込みトルクが適正になったときに、感圧発色シート6は、そのときの押圧力Aによりマイクロカプセルが割れて、マイクロカプセル内にある顔料や染料が漏出することにより発色する。
作業者は、感圧発色シート6が発色したのを視認すると、雄ネジ3の締め込みトルクが適正であると判断し、締め込み作業を終了する。このように本実施の形態の雄ネジ付き継手1においては、適正な締め込みトルクに応じて発色する感圧発色シート6を使用することにより、トルクゲージを使用しなくても締め込み作業を適正に行うことができる。
したがって、雌ネジ付き継手11が金属製の場合でも、雄ネジ3のネジ山3cに過剰な力がかからないのでネジ山3cの破損を防ぐことができる。なお、この感圧発色シート6の発色に必要な押圧力としては、100kg〜500kgが好ましい。
さらに、本実施の形態の雄ネジ付き継手1では、感圧発色シート6を使用することにより、適正な締め込みトルクを確認する必要がないので、1回の施工で多くの種類の雄ネジ付き継手を使用する場合でも、締め込み作業を効率よく行うことができる。
また、感圧発色シート6はリング状に形成されているので、締め込み作業中に外れてしまうことはない。よって、本実施の形態の雄ネジ付き継手1は、適正な締め込み作業を確実に行うことができる。
また、感圧発色シート6は環状溝4の全周にわたって設けられているので、作業者は、感圧発色シート6の発色をどの方向からでも容易に視認することが可能になる。さらに、感圧発色シート6の高さ6hはOリング5の接触面5bの高さ5hと同じであるので、作業者は、感圧発色シート6の発色がOリングで隠れて見えなくなることはない。したがって、作業者は、締め込みトルクが適正になったことを容易に判断できる。よって、本実施の形態の雄ネジ付き継手1は、適正な締め込み作業をさらに確実に行うことができる。
また、Oリング5の接触面5bは平面状に形成されているので、接触面5bと感圧発色シート6は面接触している。このため、感圧発色シート6には押圧力Aがかかりやくなる。これにより、感圧発色シート6は、締め込みトルクが適正になったときに確実に発色することが可能になる。よって、本実施の形態の雄ネジ付き継手1は、適正な締め込み作業をさらに確実に行うことができる。
以上、本件発明にかかる実施の形態を例示したが、これらの実施の形態は本件発明の内容を限定するものではない。また、本件発明の請求項の範囲を逸脱しない範囲であれば、各種の変更等は可能である。
例えば、感圧発色シートは、Oリング5と環状溝4の根元側の内壁面4aとの間で挟まれるようにすれば、必ずしもリング状に形成する必要はなく、設置位置も目視可能な範囲で任意に設定して良い。
また、本実施の形態では、雄ネジ付き継手1に樹脂製のものを使用したが、金属製のものを使用しても良い。この場合に雌ネジ付き継手の方に樹脂製のものを使用しても、締め込み作業が適正に行われるので、雌ネジ付き継手のネジ山に過剰な力がかかることはなく、ネジ山の破損を防ぐことができる。
また、本実施の形態の雄ネジ付き継手1では、断面形状が四角形状のOリング5を使用したが、その他に、図5に示す雄ネジ付き継手10のように、断面形状が円形状のOリング50を使用しても良い。
また、図5に示すように、環状溝4の内底面4bからの感圧発色シート60の高さ60hを、Oリング50の接触面50bの高さ50hよりも若干高く設しても良い。このような場合でも、作業者は、感圧発色シート60の発色を十分に確認することが可能であるため、締め込み作業を適正に行うことができる。
以上説明したように本件発明の雄ネジ付き継手は、トルクゲージを使用しなくても締め込み作業を適正に且つ効率よく行うことができる。したがって、本件発明の雄ネジ付き継手を、雄ネジ付き継手の技術分野で十分に利用することができる。
1 雄ネジ付き継手
3 雄ネジ
3a 軸
4 環状溝
4a 根元側の内壁面
4b 内底面
5 Oリング
5b 接触面
5h 環状溝の内底面からの高さ
6 感圧発色シート
6h 環状溝の内底面からの高さ
10 雄ネジ付き継手
11 雌ネジ付き継手
13 雌ネジ
50 Oリング
50b 接触面
50h 環状溝の内底面からの高さ
60 感圧発色シート
60h 環状溝の内底面からの高さ

Claims (5)

  1. 雄ネジの軸にOリング用の環状溝が設けられ、この環状溝にOリングが嵌合され、このOリングと前記環状溝の根元側の内壁面との間に感圧発色シートが目視可能な状態で挟まれている雄ネジ付き継手であって、
    前記感圧発色シートは、雌ネジ付き継手の雌ネジ内に前記雄ネジの軸が適正な締め込みトルクで締め込まれたときに前記雌ネジの先端から前記Oリングを介して当該感圧発色シートにかかる押圧力により発色することを特徴とする雄ネジ付き継手。
  2. 請求項1に記載の雄ネジ付き継手において、前記感圧発色シートを前記環状溝の全周にわたって設けたことを特徴とする雄ネジ付き継手。
  3. 請求項2に記載の雄ネジ付き継手において、前記感圧発色シートを前記雄ネジの軸が挿通するようにリング状に形成したことを特徴とする雄ネジ付き継手。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の雄ネジ付き継手において、前記Oリングの前記感圧発色シートとの接触面を平面状に形成したことを特徴とする雄ネジ付き継手。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の雄ネジ付き継手において、前記環状溝の内底面からの前記感圧発色シートの高さと前記Oリングの接触面の高さを同じ高さに設定したことを特徴とする雄ネジ付き継手。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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