JP2011111007A - シートベルトリトラクタ及びシートベルト装置 - Google Patents

シートベルトリトラクタ及びシートベルト装置 Download PDF

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JP2011111007A JP2009268163A JP2009268163A JP2011111007A JP 2011111007 A JP2011111007 A JP 2011111007A JP 2009268163 A JP2009268163 A JP 2009268163A JP 2009268163 A JP2009268163 A JP 2009268163A JP 2011111007 A JP2011111007 A JP 2011111007A
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宏一 吉岡
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Abstract

【課題】慣性体の軸方向の振動を低減して異音や雑音の発生を抑制し、乗員に対する不快感を低減することができるシートベルトリトラクタ及びシートベルト装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るシートベルトリトラクタ1は、リールシャフト2の端部に接続されたロックギア31と、ロックギア31に形成された支持軸31aに揺動可能に配置された慣性体32と、慣性体32を支持軸31aの周方向に付勢する第一スプリング33と、これらの部品(ロックギア31、慣性体32、第一スプリング33)を収容するリテーナ4に形成された係止部34(図2参照)と、から構成され、リールシャフト2の回転加速度の大きさによって慣性体32と係止部34との係合状態を制御可能な加速度センサ3を備えており、慣性体32が支持軸31aの軸方向に移動することを阻止する第一ストッパー31fを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の乗物に使用されるシートベルトリトラクタ及びシートベルト装置に関し、特に、装着したウェビングの急激な引き出しを検知してウェビングの引き出しをロックする加速度センサを備えたシートベルトリトラクタ及びシートベルト装置に関する。
自動車等の乗物には、一般に、乗員が着座する腰掛部と乗員の背面に位置する背もたれ部とを備えた座席に乗員を拘束するシートベルト装置が設けられている。かかるシートベルト装置は、乗員を座席に拘束するウェビングと、該ウェビングの巻き取りを行うシートベルトリトラクタと、車体側に設けられ前記ウェビングを案内するガイドアンカーと、前記ウェビングを車体側に固定するベルトアンカーと、前記座席の側面に配置されたバックルと、前記ウェビングに配置されたトングと、を有し、前記トングを前記バックルに嵌着させることによって乗員を座席に拘束している。かかるシートベルト装置では、ウェビングの急激な引き出しを検知してウェビングの引き出しをロックする加速度センサがシートベルトリトラクタに設けられているものもある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
かかる加速度センサは、一般に、リールシャフトの端部に接続されたロックギアと、該ロックギアに形成された支持軸に揺動可能に配置された慣性体(フライホイールと呼ばれることもある)と、該慣性体を支持軸の周方向に付勢するスプリングと、これらの部品を収容するリテーナに形成された係止部と、から構成され、前記リールシャフトの回転加速度の大きさによって前記慣性体と前記係止部との係合状態を制御している。例えば、ウェビングの通常引き出し時のようにリールシャフトの回転加速度が小さい場合には、慣性体はロックギアと一緒に回転することとなり、慣性体がロックギアに対して相対移動せず、慣性体の係止爪がリテーナの係止部(内歯や係止爪)に係合することがない。したがって、ウェビングの通常引き出し時には、ロックギアがロックされることがなく、ウェビングを普通に引き出すことができる。
一方、乗物の衝突時のように乗員に対して進行方向に所定以上の慣性力が作用した場合には、ウェビングが急激に引き出されることとなり、リールシャフトの回転加速度が大きくなる。この場合、リールシャフトの急激な回転加速によって、慣性体が持つ慣性により、慣性体の回転がロックギアの回転よりも遅れることとなり、ロックギアと慣性体とが相対移動し、慣性体の係止爪がリテーナの係止部(内歯や係止爪)に係合する。したがって、ウェビングの急激な引き出し時には、ロックギアがロックされることにより、パウルが作動してフレームと係合することで、リールシャフトの回転を拘束し、ウェビングを引き出すことができないようにしている。
なお、特許文献1では上述した加速度センサと同等の構成をロック作動機構(9)と称しており、特許文献2では慣性体(37)とスプリング(38)とから構成される機構を速度センサ(36)と称している。
特開平11−245753号公報 特許第4023411号公報
ところで、上述したシートベルト用の加速度センサの慣性体はロックギアに揺動可能に支持されているが、その支持部の摩擦が加速度センサの感度、すなわち、慣性体の相対移動に影響を与えないようにする必要がある。そのため、慣性体は、ロックギアに形成された支持軸に遊嵌されており、ガタを有した状態で配置されている。その結果、慣性体は第一スプリングにより支持軸の周方向に付勢されているものの、車体等の外部の振動が慣性体に伝達した場合には、支持軸の軸方向に振動することがある。そして、慣性体が軸方向に振動すると、ロックギアやリテーナと接触して異音や雑音を発生し、乗員に対して不快感を与えてしまうという問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑み創案されたものであり、慣性体の軸方向の振動を低減して異音や雑音の発生を抑制し、乗員に対する不快感を低減することができるシートベルトリトラクタ及びシートベルト装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、リールシャフトの端部に接続されたロックギアと、該ロックギアに形成された支持軸に揺動可能に配置された慣性体と、該慣性体を前記支持軸の周方向に付勢するスプリングと、これらの部品を収容するリテーナに形成された係止部と、から構成され、前記リールシャフトの回転加速度の大きさによって前記慣性体と前記係止部との係合状態を制御可能な加速度センサを備えたシートベルトリトラクタであって、前記慣性体が前記支持軸の軸方向に移動することを阻止するストッパーを有する、ことを特徴とするシートベルトリトラクタが提供される。
また、本発明によれば、乗員を座席に拘束するウェビングと、該ウェビングの巻き取りを行うシートベルトリトラクタと、車体側に設けられ前記ウェビングを案内するガイドアンカーと、前記ウェビングを車体側に固定するベルトアンカーと、前記座席の側面に配置されたバックルと、前記ウェビングに配置されたトングと、を有し、前記トングを前記バックルに嵌着させることによって前記乗員を拘束するシートベルト装置において、前記シートベルトリトラクタは、リールシャフトの端部に接続されたロックギアと、該ロックギアに形成された支持軸に揺動可能に配置された慣性体と、該慣性体を前記支持軸の周方向に付勢するスプリングと、これらの部品を収容するリテーナに形成された係止部と、から構成され、前記リールシャフトの回転加速度の大きさによって前記慣性体と前記係止部との係合状態を制御可能な加速度センサを備えたシートベルトリトラクタであって、前記慣性体が前記支持軸の軸方向に移動することを阻止するストッパーを有する、ことを特徴とするシートベルト装置が提供される。
上述したシートベルトリトラクタ及びシートベルト装置において、前記慣性体は、前記支持軸に挿通される貫通孔を有するとともに前記スプリングにより付勢される本体部と、該本体部の先端に形成されるとともに前記係止部と係合可能な係止爪と、を有し、前記ロックギアは、前記スプリングの付勢力に対して前記係止爪の位置決めを行う前記ストッパーを有し、前記ストッパーは、前記係止爪と接触して前記慣性体の前記支持軸の軸方向への移動を阻止する凸部を有するように構成されていてもよい。
前記凸部は、前記慣性体の前記支持軸の周方向の移動を阻止しないように構成されていることが好ましい。また、前記凸部は、例えば、テーパ面又は曲面により構成される。さらに、前記係止爪は、底部断面が略V字形状又は略U字形状をなしており、前記凸部は、前記係止爪の底部断面に沿う溝により形成されていてもよい。
上述した本発明に係るシートベルトリトラクタ及びシートベルト装置によれば、慣性体の軸方向の移動を阻止するストッパーを配置したことにより、車体等の外部の振動が慣性体に伝達した場合であっても、慣性体が支持軸の軸方向に移動し難いため、その振動を低減することができ、慣性体とロックギアやリテーナとの接触を抑制することができ、異音や雑音の発生を低減することができ、乗員に与える不快感を低減することができる。
また、ストッパーに慣性体の軸方向への移動を阻止する凸部を形成したことにより、慣性体が支持軸の軸方向に移動しようとした場合であっても、凸部により慣性体の軸方向の振動を効果的に抑制することができる。
さらに、慣性体の周方向の移動(スプリングの付勢方向と反対方向の移動)を阻止しないように凸部を構成することにより、加速度センサの感度を維持しつつ、慣性体の軸方向の振動を抑制することができる。
また、凸部をテーパ面や曲面により構成することにより、容易に、慣性体の軸方向への移動をテーパ面や曲面により阻止することができる一方で、周方向の移動を阻止しないようにすることができる。
さらに、係止爪に略V字形状のテーパ面又は略U字形状の曲面を形成した場合には、かかる形状に沿った溝を形成して凸部を形成することにより、係止爪とストッパーとを効果的に面接触させることができ、スプリングの付勢力により生じる応力を低減することができる。
本発明に係るシートベルトリトラクタの一実施形態を示す部品展開図である。 図1に示した加速度センサの正面図であり、(A)は慣性体が付勢された状態、(B)は慣性体が相対移動した状態、を示している。 図2に示した加速度センサの断面図であり、(A)はA−A断面図、(B)は図2(A)におけるB−B断面図、(C)はC−C断面図、(D)は図2(B)におけるB−B断面図、である。 凸部と係止爪との接触部の変形例を示す図2(A)におけるB−B断面図であり、(A)は第一変形例、(B)は第二変形例、(C)は第三変形例、(D)は第四変形例、(E)は第五変形例、(F)は第六変形例、(G)は第七変形例、(H)は第八変形例、を示している。 本発明に係るシートベルト装置の一実施形態を示す全体構成図である。
以下、本発明の実施形態について図1〜図5を用いて説明する。ここで、図1は、本発明に係るシートベルトリトラクタの一実施形態を示す部品展開図である。また、図2は、図1に示した加速度センサの正面図であり、(A)は慣性体が付勢された状態、(B)は慣性体が相対移動した状態、を示している。
図1に示すように、本発明に係るシートベルトリトラクタ1は、リールシャフト2の端部に接続されたロックギア31と、ロックギア31に形成された支持軸31aに揺動可能に配置された慣性体32と、慣性体32を支持軸31aの周方向に付勢する第一スプリング33と、これらの部品(ロックギア31、慣性体32、第一スプリング33)を収容するリテーナ4に形成された係止部34(図2参照)と、から構成され、リールシャフト2の回転加速度の大きさによって慣性体32と係止部34との係合状態を制御可能な加速度センサ3を備えており、慣性体32が支持軸31aの軸方向に振動しないように構成されている。すなわち、シートベルトリトラクタ1は、慣性体32が支持軸31aの軸方向に移動することを阻止するストッパー(第一ストッパー31f)を有している。なお、図2において、リテーナ4の係止部34を破線で示している。
前記ロックギア31は、図1及び図2に示したように、略たらい形状をなしており、外周面に外歯31bが形成されている。また、ロックギア31の底部31cには、中心部にロックギア31のリールシャフト2の軸部21に挿通される支持部31d、第一スプリング33を係止するピン31e、第一スプリング33の付勢力に対して慣性体32の位置決めを行う第一ストッパー31f、慣性体32の相対移動を停止させる第二ストッパー31g、ロックギア31を介して配置される部品を挿通するための貫通孔31h等が形成されている。
前記慣性体32は、図1及び図2に示したように、略半円板形状をなしており、ロックギア31に形成された支持軸31aに挿通される貫通孔32aを有するとともに第一スプリング33により付勢される本体部32bと、本体部32bの先端に形成されるとともに係止部34と係合可能な係止爪32cと、を有する。
前記本体部32bは、係止爪32cが形成された側と支持軸31aを挟んだ反対側に第一スプリング33を係止するピン32dを有する。したがって、ロックギア31の支持軸31aに挿通された慣性体32は、図2(A)に示したように、第一スプリング33によって図の引き出し方向に付勢され、係止爪32cが第一ストッパー31fに押し付けられることにより、慣性体32が位置決めされる。
前記係止爪32cは、本体部32bの先端から柱状に延設されており先端が尖っている。かかる係止爪32cは、図2(A)に示したように、慣性体32が第一スプリング33により付勢された状態では、リテーナ4の係止部34と係合しないように構成されている。そして、引き出し方向に所定以上の加速度が生じた場合には、慣性体32は第一スプリング33の付勢力に反して図の矢印方向に相対移動し、図2(B)に示したように、係止爪32cが第二ストッパー31gと接触した状態となる。このとき、慣性体32の支持軸31aがロックギア31の回転軸に対して偏心していることから、係止爪32cの尖端はロックギア31の半径方向外方に移動し、リテーナ4の係止部34と係合することとなる。
ここで、図3は、図2に示した加速度センサ3の断面図であり、(A)はA−A断面図、(B)は図2(A)におけるB−B断面図、(C)はC−C断面図、(D)は図2(B)におけるB−B断面図、である。
図3(A)に示したように、慣性体32は、貫通孔32aによりロックギア31の支持軸31aに挿通されるとともに、底部31cに立設された押さえ部31iにより支持軸31aから抜けないように構成されている。かかる慣性体32の支持構造は、加速度センサ3の感度、すなわち、慣性体32の相対移動に影響を与えないようにする必要があることから、慣性体32は、ロックギア31の支持軸31aに遊嵌されている。したがって、慣性体32は、支持軸31aの軸方向に振動し易い構造になっており、ロックギア31やリテーナ4と接触して異音や雑音を発生するという問題があった。
そこで、本発明では、例えば、図3(B)に示したように、係止爪32cと接触して慣性体32の支持軸31aの軸方向への移動を阻止する凸部31jを第一ストッパー31fに形成している。凸部31jは、係止爪32cとの接触部がテーパ面31jtにより構成されている。また、係止爪32cは、断面が略ホームベース形状(すなわち、底部断面が略V字形状)に形成されており、係止爪32cの底部にもテーパ面32eが形成されている。これらのテーパ面31jt,32eにより、凸部31jと係止爪32cとを面接触させることにより、係止爪32cの軸方向への移動を阻止することができ、慣性体32の軸方向の振動を低減することができる。
また、凸部31jと係止爪32cとの接触部をテーパ面31jt,32eで構成したことにより、図3(D)に示したように、凸部31jが慣性体32の支持軸31aの周方向の移動を阻止することがなく、加速度センサ3の感度、すなわち、慣性体32の相対移動に影響を与えないように構成されている。
図2(A)に示したように、凸部31jは、第一ストッパー31fの側面部の一部に形成されていればよい。そして、第一ストッパー31fの凸部31jが形成されていない部分には、例えば、図3(C)に示したように、係止爪32cの反対側のテーパ面32eと接触するテーパ面31kを形成してもよい。すなわち、係止爪32cは、底部断面が略V字形状をなしており、凸部31jは、係止爪32cの底部断面に沿う略V字形状の溝により形成されている。かかるテーパ面31kを形成することにより、係止爪32cと第一ストッパー31fとを全ての箇所で面接触させることができ、第一スプリング33の付勢力により生じる応力を低減することができる。
なお、凸部31jは、第一ストッパー31fの側面部の全面に形成するようにしてもよいし、複数の凸部31jを第一ストッパー31fの側面部に沿って分散して形成するようにしてもよい。
ここで、図4は、凸部31jと係止爪32cとの接触部の変形例を示す図2(A)におけるB−B断面図であり、(A)は第一変形例、(B)は第二変形例、(C)は第三変形例、(D)は第四変形例、(E)は第五変形例、(F)は第六変形例、(G)は第七変形例、(H)は第八変形例、を示している。なお、図1〜図3に示した実施形態と同じ部品には同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
図4(A)に示した第一変形例は、凸部31jが形成された部分の第一ストッパー31fの面形状に合わせて係止爪32cを形成したものである。すなわち、係止爪32cには一つのテーパ面32eのみが形成されている。かかる構成によっても、凸部31jのテーパ面31jtで係止爪32cの軸方向の移動を阻止しつつ、周方向の移動を阻止しないようにすることができる。また、凸部31jが形成されていない部分においても係止爪32cと第一ストッパー31fとを面接触させることができる。
図4(B)に示した第二変形例は、係止爪32cの形状に合わせて第一ストッパー31fに略V字形状の溝を形成したものである。かかる構成によっても、テーパ面31jtを有する凸部31jを形成することができ、係止爪32cの軸方向の移動を阻止しつつ、周方向の移動を阻止しないようにすることができる。また、第一ストッパー31fの全長に渡って溝を形成することにより、凸部31jが形成されていない部分においても係止爪32cと第一ストッパー31fとを面接触させることができる。
図4(C)に示した第三変形例は、係止爪32cの底部断面を略U字形状に形成するとともに、凸部31jに係止爪32cの一方の曲面32fと面接触するように曲面31jrを形成したものである。かかる構成によっても、図1〜図3に記載された実施形態と同等の効果を有する。
図4(D)に示した第四変形例は、係止爪32cの形状に合わせて第一ストッパー31fに略U字形状の溝を形成したものである。かかる構成によっても、曲面31jrを有する凸部31jを形成することができ、係止爪32cの軸方向の移動を阻止しつつ、周方向の移動を阻止しないようにすることができる。また、第一ストッパー31fの全長に渡って溝を形成することにより、凸部31jが形成されていない部分においても係止爪32cと第一ストッパー31fとを面接触させることができる。
図4(E)に示した第五変形例は、係止爪32cの断面を略円柱形状に形成するとともに、凸部31jに係止爪32cの一部の曲面32fと面接触するように曲面31jrを形成したものである。かかる構成によっても、図1〜図3に記載された実施形態と同等の効果を有する。なお、第五変形例にように、係止爪32cの全体を略円柱形状に形成した場合であっても、底部断面は略U字形状に形成されていることは言うまでもない。
図4(F)に示した第六変形例は、係止爪32cの形状に合わせて第一ストッパー31fに略円弧形状の溝を形成したものである。かかる構成によっても、曲面31jrを有する凸部31jを形成することができ、係止爪32cの軸方向の移動を阻止しつつ、周方向の移動を阻止しないようにすることができる。また、第一ストッパー31fの全長に渡って溝を形成することにより、凸部31jが形成されていない部分においても係止爪32cと第一ストッパー31fとを面接触させることができる。なお、第六変形例において、略円弧形状は略U字形状に含まれる概念であることは言うまでもない。
図4(G)に示した第七変形例及び図4(H)に示した第八変形例は、係止爪32cの断面を略四角柱形状に形成するとともに、第一ストッパー31fの上面の係止爪32cと隣接する位置に上向きの凸部31jを形成したものである。第七変形例において、凸部31jは、略三角形状を有し、表面にテーパ面が形成されている。また、第八変形例において、凸部31jは、略半円形状又は略楕円形状を有し、表面に曲面が形成されている。かかる構成によっても、係止爪32cの軸方向の移動を阻止しつつ、周方向の移動を阻止しないようにすることができる。
次に、図1に基づいて、本発明に係るシートベルトリトラクタ1の一実施形態における他の構成について説明する。なお、上述した加速度センサ3以外の構成については、従来のシートベルトリトラクタの構成と同様であり、以下の説明は単なる一例に過ぎない。
図1に示したシートベルトリトラクタ1は、図示しないウェビングを巻き取るリールシャフト2と、リールシャフト2の一端に配置された加速度センサ3と、加速度センサ3を収容するリテーナ4と、リールシャフト2の内部に配置されるウェビングガイド5と、リールシャフト2を収容するベースユニット6と、ベースユニット6に配置された車体用加速度センサ7と、リールシャフト2の他端に配置されたウェビング付勢機構8と、を有する。
ウェビングガイド5は、ウェビングの先端部が接続された状態で、リールシャフト2内に収容され、リールシャフト2の筒状の表面にウェビングが巻き取られる。また、リールシャフト2の両側部にはパウル22,23が配置され、リールシャフト2及びロックギア31を貫通するピン24に挿通され、スクリューピン25によりリールシャフト2に回動可能に固定される。パウル23は、一部がロックギア31の貫通孔31hに係合するとともに第二スプリング26により付勢されて配置されており、ロックギア31の回動によって駆動可能するように構成されている。パウル22は、パウル23と連動して駆動するように構成されている。これらのパウル22,23は、駆動されることによって、ベースユニット6に形成された内歯61と係合可能に構成されており、いわゆるラチェット機構を構成し、ウェビングの不要な引き出しを抑制している。例えば、ウェビングの急激な引き出し時には、ロックギア31がロックされることにより、パウル22,23が駆動して内歯61と係合することで、リールシャフト2の回転を阻止し、ウェビングを引き出すことができないようにしている。
車体用加速度センサ7は、急ブレーキや衝突により車体に生じた加速度を検知するためのセンサである。車体用加速度センサ7は、例えば、球状のウェイト71と、ウェイト71の上部に配置されたアクチュエータ72と、ウェイト71及びアクチュエータ72を支持するセンサケース73と、センサケース73を支持するハウジング74と、を有する。かかる車体用加速度センサ7のアクチュエータ72は、ロックギア31の外歯31bと係合可能に構成されており、車体に所定以上の加速度が生じた場合にロックギア31をロックしてウェビングの引き出しを抑制している。なお、車体用加速度センサ7は、加速度センサ3と同様にリテーナ4に収容されている。
ウェビング付勢機構8は、ウェビングを巻き取り方向に付勢することにより、ウェビングの弛みや遊び等を低減するものである。具体的には、付勢力を発生させるリターンスプリング81と、リターンスプリング81を収容するスプリングケース82と、リターンスプリング81の付勢力をリールシャフト2に伝達するブッシュシャフト83と、これらの部品を収容するスプリングカバー84と、を有する。
最後に、本発明に係るシートベルト装置の実施形態について説明する。ここで、図5は、本発明に係るシートベルト装置の実施形態を示す全体構成図である。なお、上述した実施形態と同じ部品については同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
図5に示した本発明に係るシートベルト装置の実施形態は、乗員を座席9に拘束するウェビングWと、ウェビングWの巻き取りを行うシートベルトリトラクタ1と、車体側に設けられウェビングWを案内するガイドアンカー91と、ウェビングWを車体側に固定するベルトアンカー92と、座席9の側面に配置されたバックル93と、ウェビングWに配置されたトング94と、を有し、トング94をバックル93に嵌着させることによって乗員を拘束するシートベルト装置であって、シートベルトリトラクタ1として上述した本発明に係るシートベルトリトラクタ1の実施形態(変形例を含む)を使用したものである。
座席9は、例えば、乗員が着座する腰掛部9aと、乗員の背面に位置する背もたれ部9bと、乗員の頭部を支持するヘッドレスト部9cと、を備えている。シートベルトリトラクタ1は、例えば、座席9の背もたれ部9bに内蔵される。勿論、シートベルトリトラクタ1は、センターピラー9dに設置するようにしてもよい。また、一般に、バックル93は腰掛部9aの側面に配置されることが多く、ベルトアンカー92は腰掛部9aの下面に配置されることが多い。また、ガイドアンカー91は、車体のセンターピラー9dに配置されることが多い。そして、ウェビングWは、一端がベルトアンカー92に接続され、他端がガイドアンカー91を介してシートベルトリトラクタ1に接続されている。このように、シートベルトリトラクタ1は比較的乗員の近くに配置されていることから、異音や雑音が生じた場合には、乗員に不快感を与えることがある。
そこで、図5に示したシートベルト装置では、図1〜図4に記載したシートベルトリトラクタ1を採用することにより、慣性体32の軸方向の振動を低減し、異音や雑音の発生を抑制し、乗員に対する不快感を低減している。
本発明は上述した実施形態に限定されず、車両以外の乗物に使用されるシートベルトリトラクタ1やシートベルト装置にも適用することができる、運転席・助手席・後部座席に適用される種々のシートベルトリトラクタ1やシートベルト装置にも適用することができる等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
1…シートベルトリトラクタ
2…リールシャフト
3…加速度センサ
4…リテーナ
5…ウェビングガイド
6…ベースユニット
7…車体用加速度センサ
8…ウェビング付勢機構
9…座席
9a…腰掛部
9b…背もたれ部
9c…ヘッドレスト部
9d…センターピラー
21…軸部
22,23…パウル
24…ピン
25…スクリューピン
26…第二スプリング
31…ロックギア
31a…支持軸
31b…外歯
31c…底部
31d…支持部
31e…ピン
31f…第一ストッパー
31g…第二ストッパー
31h…貫通孔
31i…押さえ 部
31j…凸部
31jr…曲面
31jt…テーパ面
31k…テーパ面
32…慣性体
32a…貫通孔
32b…本体部
32c…係止爪
32d…ピン
32e…テーパ面
32f…曲面
33…第一スプリング
34…係止部
61…内歯
71…ウェイト
72…アクチュエータ
73…センサケース
74…ハウジング
81…リターンスプリング
82…スプリングケース
83…ブッシュシャフト
84…スプリングカバー
91…ガイドアンカー
92…ベルトアンカー
93…バックル
94…トング

Claims (6)

  1. リールシャフトの端部に接続されたロックギアと、該ロックギアに形成された支持軸に揺動可能に配置された慣性体と、該慣性体を前記支持軸の周方向に付勢するスプリングと、これらの部品を収容するリテーナに形成された係止部と、から構成され、前記リールシャフトの回転加速度の大きさによって前記慣性体と前記係止部との係合状態を制御可能な加速度センサを備えたシートベルトリトラクタであって、
    前記慣性体が前記支持軸の軸方向に移動することを阻止するストッパーを有する、ことを特徴とするシートベルトリトラクタ。
  2. 前記慣性体は、前記支持軸に挿通される貫通孔を有するとともに前記スプリングにより付勢される本体部と、該本体部の先端に形成されるとともに前記係止部と係合可能な係止爪と、を有し、前記ロックギアは、前記スプリングの付勢力に対して前記係止爪の位置決めを行う前記ストッパーを有し、前記ストッパーは、前記係止爪と接触して前記慣性体の前記支持軸の軸方向への移動を阻止する凸部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のシートベルトリトラクタ。
  3. 前記凸部は、前記慣性体の前記支持軸の周方向の移動を阻止しないように構成されている、ことを特徴とする請求項2に記載のシートベルトリトラクタ。
  4. 前記凸部は、テーパ面又は曲面により構成されている、ことを特徴とする請求項3に記載のシートベルトリトラクタ。
  5. 前記係止爪は、底部断面が略V字形状又は略U字形状をなしており、前記凸部は、前記係止爪の底部断面に沿う溝により形成されている、ことを特徴とする請求項4に記載のシートベルトリトラクタ。
  6. 乗員を座席に拘束するウェビングと、該ウェビングの巻き取りを行うシートベルトリトラクタと、車体側に設けられ前記ウェビングを案内するガイドアンカーと、前記ウェビングを車体側に固定するベルトアンカーと、前記座席の側面に配置されたバックルと、前記ウェビングに配置されたトングと、を有し、前記トングを前記バックルに嵌着させることによって前記乗員を拘束するシートベルト装置において、
    前記シートベルトリトラクタは、請求項1〜請求項5のいずれかに記載のシートベルトリトラクタである、ことを特徴とするシートベルト装置。
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